JP3956055B2 - 吸入された一酸化窒素による、血管血栓症および再狭窄の治療 - Google Patents
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Description
発明の背景
本発明は、血管血栓症を治療、阻害または予防する方法、および、過剰な内膜肥厚に起因する動脈再狭窄を治療、阻害または予防する方法に関する。
血栓症とは、すなわち血管内に血餅が形成または存在することをいい、経皮経管冠状動脈形成(バルーン血管形成の一種である「PTCA」)または冠状動脈バイパス手術などの、血管介入処置によって起こる動脈物理的傷害により生じることがある。また、血栓症は、アテローム性動脈硬化症などの、自然の疾病が進行して生じることがある。アスピリン、プロスタグランジンE1、選択的なトロンボキサンA2阻害因子、選択的なトロンビン阻害因子、血小板レセプターGPIIb/IIIa遮断因子、組織プラスミノーゲン活性化因子、ストレプトキナーゼ、ヘパリン、およびキストリンを含むさまざまな薬剤が、抗血栓剤として用いられてきた。例えば、ヤスダ(Yasuda)ら(Circulation 83: 1038(1991);ゴールド(Gold)ら(Circulation(Supplement IV)83: IV26(1991))を参照。最近利用される抗血小板因子には、アスピリン、チクロピジン(ticlopidin)、モノクローナル抗体、ニトログリセリン、およびニトロプルシドナトリウム(sodium nitroprusside)が含まれる。
血管介入処置によって起きる、もう一つの望ましくない結果は動脈の再狭窄である。例えば、冠状動脈と末梢血管系の両方で、閉塞した動脈を広げるために、PTCAが広範に用いられてきた。最初は、95%以上の症例で成功するが、6ヶ月以内に30%から50%の患者で、再狭窄として知られている、次第にまた狭くなったり、再び閉塞して行く状態が起こる。
血管介入処置は、血管壁を損傷しがちである。このような傷害により、血管平滑筋細胞の増殖が誘発され、その結果内膜肥厚が起きる。この増殖は、一部、動脈の傷害部位に付着した血小板が放出する血小板由来の増殖因子の効果によって起こりうる。過度の内膜肥厚は、再狭窄、すなわち、動脈管腔の狭隘化をもたらす。このように、動脈の再狭窄は、血管介入処置の長期間の効果を非常に制限しうる。
発明の概要
吸入された一酸化窒素(NO)ガスは、全身の血行力学に影響を及ぼすことなく、狭窄が発症した部位で血栓を溶かした後、血管の開通性を上昇させることが分かっている。吸入されたNOの抗血栓効果は、NOの吸入を停止した後も持続する。吸入されたNOが、過度の内膜肥厚に起因する動脈再狭窄を阻害することも発見されている。
したがって、一つの局面において、本発明は、哺乳動物に治療上有効な用量のNOガスを吸入させて、哺乳動物の血栓症を治療、阻害または予防するための方法を特徴とする。血栓症は、病気または傷害と関連していてもよい。
もう一つの局面において、本発明は、哺乳動物に治療上有効な用量のNOガスを吸入させて、哺乳動物の動脈再狭窄を治療、阻害または予防するための方法を特徴とする。動脈再狭窄は病気または傷害と関連していてもよい。
吸入されたNOの有益な効果を増強する第二の化合物を、NO吸入とともに投与することもできる。第二の化合物によってNO吸入の有益な効果を増強させる方法の一つは、標的組織または標的組織と相互作用する細胞において、有害な全身の血管拡張およびそれに付随する全身の血圧低下を引き起こすことなく、吸入されたNOの効果を長引かせることである。より特異的には、NO吸入とともに(すなわち、吸入の前、吸入の間、またはその直後に)ホスホジエステラーゼ阻害剤を投与することによって、吸入されたNOの抗血栓および/または内膜肥厚阻害効果の延長がなされうる。好ましいホスホジエステラーゼ阻害剤は、cGMP特異的ホスホジエステラーゼを選択的に阻害する薬剤であり、他のホスホジエステラーゼによるアデノシン3',5'-サイクリック一リン酸(cAMP)の分解にできるだけ影響しないものである。前記の特異性を示す好ましいホスホジエステラーゼ阻害剤は、ザプリナスト(Zaprinast(登録商標))(M&B 22948;2-o-プロポキシフェニル-8-アザプリン-6-1、ローヌ-プーランクローラー社(Rhone-Poulenc Rorer)、エセックス州ダゲナム、イギリス(UK))である。これ以外にもcGMP特異的ホスホジエステラーゼは知られており、ザプリナストの代わりに用いてもよい。
第二の化合物によってNO吸入の有益な効果を増強させるもう一つの方法は、インビボでNOの半減期を長くすることである。これは、例えば、スーパーオキシドジスムターゼを投与することによって行うことができる。スーパーオキシドジスムターゼにより、NOと反応する過酸化物基が除去される。
別の好ましい態様において、吸入されたNOの有利な抗血栓作用を増強させる第二の抗血栓剤を、吸入されるNOとともに哺乳動物に投与してもよい。実施例には、アスピリン、チクロピジン(ticlopidin)、モノクローナル抗体、ニトログリセリン、およびニトロプルシドナトリウム(sodium nitroprusside)が含まれる。
本明細書において、「急性虚血性冠状動脈症候群」とは、冠状動脈の急速な閉塞を意味し、例えば、急性心筋梗塞、不安定狭心症、クレッセント狭心症、狭心症、冠状動脈中間体症候群、血栓崩壊後狭心症状態、およびPTCA後後狭心症状態などを意味する。
本明細書において、「抗血栓剤」とは、血栓形成を阻害したり、血栓崩壊、すなわち、血栓の溶解を促進したり、またはその両方を行う薬剤である。
本明細書において、「内膜(または、新生内膜)肥厚」とは、脈管内膜の動脈平滑筋細胞が、動脈内皮の裸出に反応して増殖することを意味する。
本明細書において、「血管再生」とは、哺乳動物の身体の一部への血液の供給を再確立することを意味する。
本明細書において、「標的細胞」とは、血栓症または動脈再狭窄の阻害、予防または治療における有益な効果を媒介するために、NO吸入後、直ちにNOと相互作用する非肺動脈細胞を意味する。
本明細書において、「NOガスの治療上有効な濃度」とは、所定の患者において、以下の一つ以上の効果を誘発する濃度を意味する。すなわち、胸痛の軽減、息切れの軽減、虚血を示す心電図上変化の消失、および冠状動脈血流の改善(血管造影によって示される)。
本明細書において、「治療上有効な」用量のホスホジエステラーゼ阻害剤とは、NOガスの治療効果が持続する時間(すなわち、半減期)、または、治療効果の程度を増加させる用量である。
本明細書において、「血栓症」とは、血管の中で血餅が形成されるか出現し、この血餅が、その血管の供給を受けている組織で梗塞または虚血を起こす原因となることを意味する。
本明細書において、「動脈再狭窄」とは、過度の(新生)内膜肥厚によって、動脈管腔が異常に狭くなることを意味する。
本明細書において、「血管介入処置」とは、血管を解剖学的に破壊するか物理的に妨害することを含む、あらゆる外科的処置を意味する。血管介入処置を非限定的に列挙した表には、バルーン血管形成、レーザー血管形成、冠状動脈手術、動脈切除、および冠状動脈ステントなどが含まれる。
本明細書に開示されている方法は、例えばアテローム性動脈硬化症など自然に発生する病気によって起こる血栓症または例えば血管形成もしくは冠状動脈バイパス手術のような血管介入処置などによって起こる血栓症の治療、阻害または予防に有用である。また、本明細書に開示されている方法は、過度の内膜肥厚によって起こる動脈再狭窄を治療、阻害または予防する上でも有用である。このような動脈再狭窄は、PTCAまたは冠状動脈バイパス手術などの血管介入処置に付随してよく見られる合併症である。
本発明によって、NOガスを
(a)継続的に、または、間欠的に
(b)煙草の煙のないところで
(c)0.1から300パーツ・パー・ミリオン(ppm)の濃度、好ましくは、0.1から200ppm、最も好ましくは、20から100 ppmの濃度で、
(d)NO、酸素(O2)、および窒素(N2)またはその他の不活性ガスを含む混合ガスとして、好ましくは、(容量による酸素の割合で)0.20から0.99のFiO2を含み、空気の中のO2の割合が0.21で、また、吸入の直前(吸入前5分以内、好ましくは、吸入前1分以内)にNOガスをO2含有ガスと混合させて、
(e)NO2の濃度を測定し、安全な限度に(例えば、1 ppmより低く)保つようにして投与することができる。
本発明の重要な利点は、吸入されたNOにより、全身の血管拡張、およびそれに付随する急性の全身性低血圧症が誘導されないことである。全身の血管拡張は、口または静脈から投与された、血栓症または過度の内膜肥厚を阻害するために用いられているNO供与化合物からの全身へのNO放出の維持に付随する、望ましくない、場合によっては危険な副作用である。
その他の本発明の特徴および利点は、以下に述べる好ましい態様の説明および請求の範囲から明らかになると思われる。
【図面の簡単な説明】
図1Aは、イヌの冠状動脈血栓症モデルで、0ppmの一酸化窒素(NO)を吸入させる前、吸入中、吸入後の対照群について、動脈開存時間を(全時間に対する百分率で)比較したグラフである。
図1Bは、イヌの冠状動脈血栓症モデルで、20 ppmのNOを吸入させた群について、NO吸入前、吸入中、吸入後の動脈開存時間を(全時間に対する百分率で)比較したグラフである。アスタリスクは、基準値と有意に異なる値であること(p<0.05)を示している。
図1Cは、イヌの冠状動脈血栓症モデルで、80 ppmのNOを吸入させた群について、NO吸入前、吸入中、吸入後の動脈開存時間を(全時間に対する百分率で)比較したグラフである。アスタリスクは、基準値と有意に異なる値であること(p<0.05)を示している。
図1Dは、イヌの冠状動脈血栓症モデルで、200 ppmのNOを吸入させた群について、NO吸入前、吸入中、吸入後の動脈開存時間を(全時間に対する百分率で)比較したグラフである。
図2は、0ppmのNOか400 ppmのNOに曝した試料について、ADPで誘導されたイヌの血小板凝集曲線を示すグラフである。
図3は、イヌの血小板凝集に対する吸入されたNOの効果に関する用量応答データを要約したグラフである。
図4は、対照のラット、20 ppmのNOに2週間曝したラット、80 ppmのNOに2週間曝したラット、および、80 ppmのNOに1週間曝した後1週間空気を呼吸させたラットにおける、内膜/中膜の比を比較したグラフである。アスタリスクは、基準値と有意に異なる値であること(p<0.05)を示している。
詳細な説明
血栓症
本発明により、ヒト患者など哺乳動物の血栓症を治療、阻害または予防するための、簡易、迅速、選択的かつ効果的な方法が提供される。治療、阻害または予防すべき血栓症は、血栓症を起こすさまざまな原因のいずれに起因するものでもよい。例えば、血栓症のタイプは、外傷後の動脈血栓症であってもよい。血栓は、哺乳動物の身体のさまざまな位置のいずれにあってもよい。例えば、血栓のある部位は、動脈、静脈、冠状動脈、大脳、大腿部、腎臓、または、胎盤であってもよい。好ましくは、治療、阻害または予防すべき血栓症の部位は肺ではない。
冠状動脈血栓は、しばしば急性虚血性冠状動脈症候群と関連している。血栓症に関連した急性虚血性冠状動脈症候群はいずれも、本発明にしたがい、吸入NOを投与することによって、治療、阻害または予防することができる。血栓症に関連した急性虚血性冠状動脈症候群は、例えば、動脈閉塞病または血管介入処置などと関連していてもよい。血栓症に関連した急性虚血性冠状動脈症候群には、心筋梗塞、不安定狭心症、冠状動脈血管再生後の血栓症、および、冠状動脈血栓崩壊後の再閉塞が含まれるが、これらに限定されない。冠状動脈血管再生は、例えば、PTCA、レーザー血管形成、冠状動脈バイパス移植、冠状動脈切開、または、冠状動脈ステントなどの、さまざまな既知の血管介入処置によって行われる。
吸入されたNOは、本発明にしたがい、血栓が存在していると確認された哺乳動物を治療するために用いられる。哺乳動物、特にヒトは、血栓症の存在に関連したさまざまな徴候および病徴を示すことが知られているため、それらによって確認することができる。このような徴候および病徴を認識するのは、医療従事者の技術の範囲内である。ヒト患者における、血栓症の徴候および病徴には以下のものが含まれるが、これらに限定されない。すなわち、胸痛、息切れ、麻痺、脚痛、心筋梗塞、狭心症、不安定狭心症、クレッセント狭心症、虚血性うっ血性心不全、心臓性ショック、末梢血管病、虚血性四肢が含まれる。本発明の一つの態様において、同定された哺乳動物は血栓症を有するヒトであり、NO吸入によって治療されるべき血栓症は心筋梗塞であることが明らかになっている。
または、吸入されたNOは、現在の所血栓はないが血栓を発生させる恐れがあると認められた哺乳動物において、血栓の発生を阻害または予防するために用いることもできる。例えばアテローム性動脈硬化症など、一定の病理学的状態が存在すると、個体に血栓が発生する危険が生じることが知られている。さらに、例えばバルーン血管形成および冠状動脈バイパス手術など、一定の血管介入処置により、個体に血栓が発生する危険が生じることが知られている。したがって、血栓症の危険の増大に関連する病理学的状態にあると診断された者、一つ以上の血管介入処置を受けたことのある者、および一つ以上の血管介入処置が差し迫っている者は、本発明による利点を利用した治療を受けることができる。
同様に、同定された哺乳動物は、血栓を発生させる、アテローム性動脈硬化症などの動脈閉塞病に関連した危険があるヒトであってもよい。このような病理学的状態にある個体は、医療業務関連分野で訓練を受けた医療従事者に知られている方法によって同定することができる。
本発明のもう一つの態様において、この危険は、血管形成などの血管介入処置に関連している。特に好ましい態様において、同定された哺乳動物は、PTCA処置の結果、血栓を発生させる危険があるヒトである。
動脈再狭窄
本発明により、過度の内膜肥厚から起こる動脈の再狭窄を治療、阻害または予防するための簡易、迅速、選択的かつ効果的な方法が提供される。過度の内膜肥厚および動脈再狭窄は、いずれかの血管(頚動脈、大腿部、冠状動脈など)の血管形成などの血管介入処置、または、バルーン血管形成、レーザー血管形成、冠状動脈バイパス移植、動脈切開、もしくは冠状動脈ステントを含む冠状動脈血管再生の後しばしば起こる。
吸入されたNOは、本発明にしたがって、動脈再狭窄が存在していると確認されている哺乳動物を治療するために用いられる。哺乳動物は、動脈再狭窄の存在に関連するさまざまな徴候および病徴を示すことが知られており、これらによって同定することができる。このような徴候および病徴を認識するのは、医療従事者の技術の範囲内である。哺乳動物における動脈再狭窄の徴候および病徴には以下のものが含まれるが、これらに限定されない。すなわち、胸痛、息切れ、心電図の変化、および、冠状動脈の血管造影による発見が含まれる。吸入されたNOによって、現存する動脈再狭窄を治療する目的は、動脈管腔の直径が大きくなるよう、再狭窄を起こした動脈の内膜の肥厚を抑制すること、すなわち、病的狭窄を抑制することにある。
または、吸入されたNOは、現在のところ動脈再狭窄は存在しないが動脈再狭窄が発生する危険があると認められた哺乳動物(例えば、ヒト)において、動脈再狭窄の発生を阻害または予防するために用いることもできる。例えば、PTCAおよび冠状動脈バイパス手術などの一定の血管介入処置は、動脈損傷の原因となりうる。動脈の損傷により、過度の内膜肥厚および動脈再狭窄が引き起こされることが知られている。このため、このような処置は、患者を動脈再狭窄を起こす危険に曝すことになる。したがって、一つ以上の血管介入処置を受けたことのある者、および一つ以上の血管介入処置が差し迫っている者は、本発明による利点を利用して治療してもよい。
吸入されたNOは、例えば、血管介入処置を受ける予定のヒト患者に投与される。血管介入処置に通常伴なう動脈損傷の後に起きる内膜肥厚の量を最小限に抑えるために、血管介入処置の前に吸入NOを投与してもよい。血管介入処置の前の予防手段として吸入されるNOを受ける患者は、現在、動脈再狭窄を起こしていても、いなくてもよい。または、吸入NOを、すでに血管介入処置を受けた患者に投与してもよい。そのような状況では、吸入NOの投与は、好ましくは、血管介入処置を行っている時間内に開始する。もちろん、当業者は、血管介入処置の前、最中、または後に、吸入NOを投与できることを理解すると思われる。吸入されるNOが、処置の前、間、後、または、この3つのすべてのときに投与されるか否かに関わらず、吸入NOは、継続的または間欠的に投与される。
吸入NOの投与
吸入されるNOは、好ましくは、貯蔵された圧縮NOガスの供給源から投与される。圧縮NOガスは、エアコ(Airco)社(ニュージャージー州マレーヒル)などの供給業者から、典型的には、純粋な窒素(N2)ガスの中に、200〜800 ppmの一酸化窒素(NO)を混合した形で購入することができる。NOの供給源は、100%NO、またはN2もしくは別の不活性ガス(例えば、ヘリウム)で希釈したものでよい。(O2がNOと反応してできる)窒素の高酸化物は肺組織にとって有害である可能性があるため、O2または窒素の高酸化物の混入が全くない混合ガスとして、NOを購入、保存することが極めて重要である。必要に応じて、既知の方法を用い、患者に投与する前に、化学発光解析によってNOの純度を明らかにしてもよい。化学発光NO-NOx解析器は市販されている(例えば、モデル14A、マサチューセッツ州フランクリン、サーモ・エンバイラメンタル・インスツルメンツ社(Thermo Environmental Instruments))。NO-NO2混合物を、例えば、予め肺活量計で確認されている較正済みのローターメーターを通して、空気またはO2と混合する。当業者に周知の、化学的または化学発光技術(例えば、フォンティジンら(Fontijinら)、Anal. Chem. 42:575(1970))を用いて、呼吸する混合ガス中のNOの最終濃度を確認してもよい。または、電気化学解析器を用いて、NOとNO2の濃度を測定してもよい。NO2などの不純物は、水酸化ナトリウム(NaOH)、バラライム(baralyme)、または、ソーダ石灰に曝して取り除くことができる。付加的な対照として、最終ガス混合物のFiO2を評価してもよい。必要であれば、換気装置には、相当量のNOが周囲の環境に漏出しないことを確実にするため、呼気出口のところにガス除去装置を付けてもよい。
病院または救急分野という状況では、NOガスの投与は、例えば、N2の中で圧縮したNOガスのタンクと、酸素、または、酸素/N2混合物を入れた第二のタンクとを、二つの供給源から来るガスを混合するように設計された吸入器に接続させて行うこともでき、また、各供給源からのガスの流量を調節して、患者に吸入されるNOの濃度を最適なレベルに保つことができる。また、NOガスは、低流量ブレンダー(例えば、バードブレンダー(Bird Blender)、カリフォルニア州パームスプリングス)を用いて、室内の空気と混合してもよい。NOは、電気NO発生器を用いて、N2とO2(すなわち空気)から発生させてもよい。このような発生器はザポル(Zapol)、米国特許出願第07/850,383号(許可通知が発行されている)で説明されており、これは、参考文献として本明細書に包含される。さらに、NOは、吸入器から間欠的に提供されてもよい。ホスホジエステラーゼ阻害剤がNOとともに、経口または吸入によって投与されるときには、吸入器の使用が、特に、有益である。
NOは、血栓もしくは動脈再狭窄があると確認された哺乳動物または血栓もしくは動脈再狭窄を生ずる危険があると認められた哺乳動物に、空気、純酸素、またはその他の適当なガスもしくはガス混合物の中、0.1 ppmから300 ppmの濃度で、必要な期間投与される。好ましくは、この濃度は1.0から200 ppmの間の濃度であり、最も好ましくは、20から100 ppmの間の濃度(例えば、30 ppm、40 ppm、50 ppm、60 ppmまたは80 ppm)である。この濃度は、一時的に、短時間上昇させてもよい。例えば、迅速で劇的な効果が望ましいのであれば、300 ppmのNOで5分間処理する。下記で説明されている理由によって、ホスホジエステラーゼ阻害剤による治療を同時に行なえば、満足の行く抗血栓または抗再狭窄効果が生じるのに必要なNOの全用量は減少する(または、間欠的な投薬ができる)かもしれない。
動脈再狭窄の治療、阻害または予防をするためには、鼻に差し込む器具(nasal prongs)、マスク、テント、気管内カテーテルまたは気管内チューブによって、長期間、すなわち、何日間か何週間かにわたって、吸入NOを投与する必要があると考えられる。または、長期間にわたって間欠的に投与してもよい。NOガスの投与は、自発的な換気または機械的な換気によって行ってもよい。
吸入されたNOの効果の評価
血栓症または動脈再狭窄を治療、阻害または予防するために吸入NOを投与するとき、NOの吸入効果をモニターすることが望ましい。このようなモニターは、特定の個体において望ましい効果が現れていることを確認し、起こりうる望ましくない副作用を確認するために行われる。また、このようなモニターは、ある個体において、吸入NOを投与する用量レベル、期間および頻度を調整する上でも有用である。
好ましくは、患者に対する吸入NOの効果を、以下の項目の一個以上によって評価してもよい。すなわち、胸痛などの臨床上の発症;心電図;超音波、冠状動脈血管形成、または他の方法による血管開存性の連続解析;および、血漿または血小板におけるcGMPのレベルの増加。
ホスホジエステラーゼ阻害剤
NOは、酸素分子と反応して速やかに分解し、亜硝酸と硝酸を産生する。さらに、血液に入ったNOは、ヘモグロビンに強く結合して、速やかに不活性化される。これらの理由で、動脈血の中では、NOは、ごく短い半減期しかもたない。このことは、吸入されたNOが、NOを供与する化合物から全身へのNO放出を維持することに付随する、潜在的に危険な好ましくない副作用である全身の血管拡張を、都合よく回避することを意味する。
吸入されたNOの有益な効果を、標的細胞の中、または、肺の中にある標的細胞と相互作用する細胞の中で持続させることが望ましいかもしれない。血栓症の阻害、予防または治療において、循環する血小板が標的細胞である。動脈再狭窄の阻害、予防または治療において、循環する血小板(および、おそらく白血球)は、血管の中にある標的細胞と相互作用する細胞である。
吸入されたNOの有益な効果を如何にして延長させるかを決めるに当たって、NOのインビボの効果の一つに、可溶性グアニン酸シクラーゼの不活性化があることを考慮することは有用である。可溶性グアニン酸シクラーゼの不活性化により、グアノシン3',5'-サイクリック一リン酸(cGMP)の産生が促進される。少なくとも、NOの有益な効果のいくつかは、NOがcGMPの生合成を刺激することに起因すると考えられる。したがって、本発明の好ましい態様において、ホスホジエステラーゼ阻害剤により、内在するホスホジエステラーゼによるcGMPの分解が阻害されるため、NO吸入とともに投与される。
ホスホジエステラーゼ阻害剤は、経口、経粘膜、静脈内、筋肉内、皮下または腹腔内などの経路による適当な方法によって哺乳動物に導入される。または、阻害剤は哺乳動物に吸入されてもよい。吸入させるため、乾燥粉末にしたり、肺胞に最も効率よく沈着するよう10μmよりも小さい粒子または小滴を有するエアロゾル化溶液にしたりして、ホスホジエステラーゼ阻害剤を都合のよいように処方し、場合によっては、NOを含むガスで吸入してもよい。
好ましいホスホジエステラーゼ阻害剤は、ザプリナスト(Zaprinast(登録商標))(M&B 22948;2-o-プロポキシフェニル-8-アザプリン-6-オン、ローヌ-プーランクローラー社(Rhone-Poulenc Rorer)、エセックス州ダゲナム、イギリス(UK))である。ザプリナストは、血管の平滑筋細胞の中のcAMPの分解に与える影響を最小限にする一方、cGMPの加水分解を選択的に阻害する(トラパニ(Trapani)ら、J. Pharmacol. Exp. Ther. 258:269(1991);ハリス(Harris)ら、J. Phamacol. Exp. Ther. 249:394(1989);ラグナー(Lugnier)ら、Biochem. Phamacol. 35:1743(1986);ソネス(Souness)ら、Br. J. Pharmacol. 98:725(1989))。本発明にしたがってザプリナストを用いるとき、好ましい投与経路は、静脈内または経口である。当技術分野の通常の技術者は、適当な用量範囲を決めることができる。ザプリナストの保存溶液は、0.05 N NaOHで調製すればよい。そして、必要とするザプリナスト最終濃度となるように、使用直前に、この保存液を加乳酸リンゲル液で希釈することができる。
本発明は、別のホスホジエステラーゼ阻害剤を用いて実施してもよい。ジピリダモールおよびテオフィリンを含む、さまざまなホスホジエステラーゼ阻害剤が、当技術分野において知られている。ザプリナストを用いるときと同様、投与経路および投与量の範囲は、当業者によって決定される。
吸入されるNOとともに投与される、その他の抗血栓剤
血栓症は、血栓形成を阻害する薬剤、血栓崩壊すなわち血栓の溶解を促進する薬剤、またはこの両方の効果を有する薬剤によって治療してもよい。抗血栓剤の例は、アスピリン、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子(「t-PA」)、met-t-PA(すなわち、N末端にメチオニン残基をもつt-PA)、FE1X(t-PAの類似化合物)ヘパリン、ヒルジン、および、ヒルログ(Hirulog(登録商標))(ヒルジンの類似化合物)などである。本発明を実施するに当たって、この他の抗血栓剤を用いることもできる。このような抗血栓剤の一種類以上を、吸入NOによる治療の前、治療中、または治療後に、それらが別個に有する抗血栓作用が、吸入されたNOの抗血栓効果を増強するのに都合よく用いられるように、哺乳動物に投与することができる。
例えば、本発明の一つの態様において、血栓症を治療するため、t-PAの適当な用量が、NO吸入の前、吸入中、または吸入直後に投与される。吸入されたNOは、新しい血栓の形成を阻害または防止するため、t-PAは、(1)吸入NOが投与されたときに既に存在している血栓、または、(2)NO吸入の最中または直後に(速度は遅くなっているが)形成された血栓の溶解を促進する。NO吸入とともに投与すべき適当な抗血栓剤の選択、ならびにそれらの抗血栓剤の適当な投与量および投与経路の選択は、当技術分野における通常の技術の範囲内にある。
本発明の好ましい態様において、血栓症を治療するために、アスピリンをNO吸入前、吸入中、または吸入直後に投与する。アスピリンの好ましい用量範囲は、1日当たり81から325 mg(経口で)である。
本発明の二つの局面(血栓症および動脈再狭窄)を別々に説明してきたが、個体は、既に、血栓症および動脈再狭窄の両方を罹っているか、それらを発症する危険性があると考えるべきである。このような状況の下では、本発明の二つの局面を、吸入NOの一回の投与によって、同一の個体に同時に実施することができる。
実験に関する情報
血栓症に関する実験
NOの抗血小板作用は、認知されているイヌの血栓形成後の急性冠状動脈血栓崩壊モデルにおいて評価されている。用いられたイヌのモデル系は、ヤスダ(Yasuda)ら(J. Am. Coll. Cardiol. 13:1409(1989))および、ゴールド(Gold)ら(Circulation(suppl. IV)83:IV26(1991))によって説明されているところと本質的に同じである。
雑種の雌雄の成犬(20〜25 kg)25匹に、ペントバルビタール(30 mg/体重kg)で麻酔をかけた。普通の麻酔状態を維持するために必要なときには、ペントバルビタールを追加して投与した。イヌの気管に挿管して、換気装置を用いて、21〜35%の範囲内のFiO2で(ハドソン(Hudson)社、カリフォルニア州テネクラ)、動脈血のO2の圧力を80から100トルの間に維持されるよう調整して、15呼吸/分および10〜15 ml/kgで肺を機械的に換気した。実験中は、パルス酸素濃度計(ネルコア社(Nellcor)、カリフォルニア州ヘイウッド)を用いて、酸素が飽和するのを継続的にモニターした。
動脈血圧を維持し、血液試料を採取し、注入するために、大腿動静脈にポリ塩化ビニール製のカテーテルを挿入した。不整脈が起きたときには、0.1 mg/kg/分のリドカインを静脈注射によって投与した。第五肋骨間部位から開胸手術を行った。心膜を開いて吊るし、心膜が離被架になるようした。左側前室間枝を切開して切り離し、第一対角枝から離れたところで、2.5 cmの分節を分離した。血栓形成のために1ミリリットルの血液を取り出した。内径0.7 mmのカテーテルを、分離された左側前室冠状動脈間枝分節の中に挿入し、継続的に血流をモニターするために、動脈に近い部位に超音波流量プローブ(T101トランソニックシステム社(Transonic System)、ニューヨーク州イサカ)を設置した。血流を基準値の50±10%に制限するために、血栓形成を予定している部位のすぐ末端側で、2 mm幅のプラスチック製ワイヤー(マスガス・アンド・エレクトリックサプライ社(Mass Gas and Electric Spply)、マサチューセッツ州ウォータータウン)で、左側前室間枝の回りを徐々に締め付けた。以前行われた血管造影実験から、こうすることによって、管腔の直径が90%以上減少することが明らかになっている。
内皮を損傷して血栓の付着を促進するために、平滑化したピンセットで、3〜5秒間に4回連続して外側から押さえて、分離された左側前室冠状動脈間枝を損傷した。プローブからは離れたところで、圧迫された部位の近くに係蹄閉塞ができた。血栓形成を誘導するために、0.3 mlの血液と混合されたトロンビン(100ユニット/mlを0.1 ml;トロンビナール、アーマー・ファーマシューティカル社(Armour Pharmaceutical)、イリノイ州カンカキー)を、側枝カテーテルを通して、空の冠状動脈分節に注射した。10分後、近くにある係蹄を開放した。2分後離れたところにある係蹄を開放した。血栓を形成してから10分後に、ヘパリンボーラス(75 UI/kg)を静脈から投与して、その後もヘパリンの注入(50 UI/kg)を続けた。閉塞が安定してから30分間時間を置いた後、血栓症を起こした冠状動脈が再疎通するか、最高4回ボーラスを投与するまで、組み換えt-PAボーラス(0.45 mg/kg;アクチベース(Activase(登録商標)、ジーンテック社(Genentech)、カリフォルニア州サウスサンフランシスコ))を15分おきに投与した。
この処置によって、左側前室間枝の初めての還流があった後、再疎通期と再閉塞(狭窄後血流の25%よりも少ないと規定されている)期とが交互に繰り返されるようになる。開存時間/全時間の比が、一次出力変数として記録された。ECGと全身の動脈血圧、左心房圧、および、冠状動脈の血流量を継続的に記録した。動物で、(1)再潅流しなかったもの、(2)閉塞がなくて再潅流したもの、(3)最初の45分間の観察時間中に3サイクルよりも少ないもの、または、(4)最初の観察時間が終わる前に死んだものは、その後の実験からは排除した。
標準的な低流量ブレンダー(バードブレンダ一社(Bird Blender)、カリフォルニア州パームスプリングス)を用いて、NOガス(窒素中800 ppmのNO、エアコ(Airco)社、ニュージャージー州マレーヒル)を室内の空気と混合してから、換気装置に輸送する直前にFiO2を一定に保つために、さまざまな量のNOで滴定した。吸入されるNOのレベルを、化学発光NO-NOx解析器(モデル14A、マサチューセッツ州フランクリン、サーモ・エンバイラメンタル・インスツルメンツ社(Themo Environmental Instruments);フォンティジンら(Fontijinら)前掲)によって継続的にモニターした。NOを含むガスを混合した後、貯蔵バッグから離れたところで、FiO2を測定した(酸素濃度計5590、ハドソン(Hudson)社、カリフォルニア州テネクラ)。吐き出された気体と、化学発光解析器から放出された気体は、研究所の中央真空システムによって陰圧に保たれているベンチュリ排気トラップを使用して掃気した。化学発光によって間欠的に測定したところ、周囲のNO/NO2レベルは、実験期間中上昇しなかった。各時間毎に試料を採取し、メトヘモグロビンのレベルを測定した。心拍数、血圧および冠状動脈血流をモニターして、継続的に記録した。
45分間の基準値実験時間(前処置時間)の後、動物を4つの群に分けた。A群(n=6)には、0ppmの吸入NO(つまり空気)を45分間与えた;B群(n=6)には、20 ppmの吸入NOを45分間与えた;C群(n=6)には、80 ppmの吸入NOを45分間与え、また、D群(n=6)には、200 ppmの吸入NOを45分間与えた。
次に、NO投与を停止してから始まり、45分間続く第三の実験時間(処理後時間)に、すべての群の動物を観察した。
血小板凝縮のインビトロ測定
8匹のイヌから血液を0.01 Mのクエン酸の中に集め、血小板を多く含む血漿(PRP)を調製するためには、室温下、370×gで5分間遠心分離し、また、血小板の少ない血漿(PPP)を調製するためには、1200×gで10分間遠心分離した。PRPは、プラスチック製の容器か、検査中は、シリコナイズしたガラス容器にしか触れさせないようにした。PRPの血小板計測(トロンボカウンターC(Thrombocounter C)(登録商標)、血小板計測器、コールターエレクトロニクス社(Coulter Electronics)、フロリダ州ヒアリー)は、PPPで希釈して300,000/mm3±10%になるように調整した。そして、PRPをキュベットに等量取って、2チャンネル式血小板凝集計(モデル440、クロノログ社(Chrono-Log)、ペンシルバニア州ヘイバータウン)の中で、マグネチックスターラーを用いて、37℃でインキュベートした。光透過を継続的に記録計(モデル707、クロノログ社(Crono-Log)、ペンシルバニア州ヘイバータウン)に記録した。凝集試料のチューブをゴム栓で封じ、この栓を貫通して2本の19ゲージ針(シャーウッドメディカル社(Sharwood Medical)、ミズーリ州セントルイス)を刺し、PRPの上のNOガスと酸素の混合物を輸送できるようにした。引き入れ用針は流量計を経由して、上述のようにして滴定されたNOガスと空気、酸素との混合物がその中に輸送されるガス貯蔵容器に連結されていた。NOの濃度を、化学発光NO-NOx解析器によって継続的にモニターした。針のバルブによって、試料を通る流量が約40 ml/分に制御できるようにした。出口用の針を、水が5 cmの深さに入っていて常に沸騰している受け入れ用フラスコに連結させることによって、システムの中は陽圧に維持されていた。
450μlの調整済みPRPが入った試験用キュベットをNOガス混合物に10分間曝して、ADPに誘導される血小板の凝集測定実験を行なった。ADPによって起こる血小板の凝集を測定している間は、ガスの投与を継続した。別々のPRPのアリコットを20、80、200、400 ppmのNOで処理したものを用いて、でたらめな順番で、血小板の凝集を調べた。PRP調製物の安定性を評価するために、NO投与の前と後に、NOなしの対照として、ADPによって起こる血小板の凝集実験を行なった。すべての実験は、血液採取後4時間以内に完了させた。
データ解析
動脈開存性とは、全観察時間の一部で、狭窄が開始した後、流量が基本流量よりも25%以上多くなっている期間と定義した。注記した場合を除き、結果は、平均値±SEM(標準誤差)として表されている。群間の差の有意性は、適正に対になる値、または、対にならない値について、スチューデントのt検定を行って判定した。ADPによって起こる血小板の凝集に対するNOの効果の用量反応の有意性は、2元分類の分散分析によって評価した。p値が<0.05になったときに有意であると看倣した。
イヌの血栓症および再潅流モデルの結果
各実験群において、外部から圧迫すると、左側前室間枝の血流は、基準値の54±2%減少し、22±2 ml/分から10±1 ml/分になった。再潅流を得るために必要なt-PAボーラスの個数は、1個から4個の範囲にあったが、その中央値は2個であった(表1)。心筋傷害の心電図的証拠を伴った還流と再閉塞が、再閉塞を起こさなかった一匹の動物を除くすべての動物で起きた。この例外は、この後の実験からは排除された。
表1において、「tPAボーラスの数」とは、注射されたボーラスの数をいう。「ACT」とは、活性化された血餅形成時間をいう。「FIO2」とは、吸入されたO2画分をいう。「比率」とは、基準値での非閉塞冠状動脈/閉塞冠状動脈をいう。「血小板Ct」とは、血小板計測値をいう。また、「MetHb」とは、メトヘモグロビンをいう(全ヘモグロビンに対する割合)。吸入NOが0 ppm(対照)、20 ppm、80 ppm、200 ppm(各群につきn=6)のとき、基準流速比率に有意な差はない。
吸入されたNOの動脈開存性に対する効果
0 ppmの吸入NOを受けた動物(A群)においては、3つの処理期間中、動脈開存性は変化しなかった(図1A)。20 ppmのNOの吸入を受けた動物(B群)では、吸入前基準期間の50.6±6.9%から、吸入期間中63.8±7.9%へと増加した(p<0.01)(図1B)。80 ppmのNOの吸入を受けた動物(C群)では、吸入前基準期間の48.8±2.9%から、吸入期間中75.1±6.7%へと増加した(p<0.01)(図1C)。200ppmのNOの吸入を受けた動物(D群)では、吸入前基準期間の45.27±5.6%から、吸入期間中の54.8±10.4%へと増加した(p=NS)(図1D)。C群において、動脈開存性の増加は、NO吸入期間中に観察され、45分間の吸入後期間まで持続した(基準値に対し70.1±7.1%、p<0.05)。
B、CおよびD群の吸入期間中の動脈開存性の結果をまとめると、まとめられた処理群と対照群との間には統計的に有意な差があった(p<0.05)。また、B、CおよびD群の45分間の吸入後期間中の動脈開存性の結果をまとめると、まとめられた処理群と対照群との間にも統計的に有意な差があった(p<0.05)。
いずれの動物群においても、NO投与中と投与後とで、血小板計測値にも血液のヘモグロビンにも変化はなかった(表3)。200 ppmの吸入NOを呼吸しているイヌでは、メトヘモグロビンのレベルが、0.2±0.1%から、1.1±0.4%へと増加した(表3)。この増加は、NOの投与を停止した後も持続したが、これより低い用量のNOを吸入したイヌでは、この増加は見られなかった。
この実験中、すべての群のイヌで、全身の動脈血圧が低下し、NOを受容したイヌと受容しなかったイヌとで差はなかった(表2A)。実験を続行している間中、すべての群の動物で左心房圧は変化しなかった(表2B)。
ADPに誘導されるインビトロの血小板凝集に対するNOの効果
20、80、200、400 ppmのNOを、PRP上のガス混合物に加えると、ADPによって起こる光透過の最大変化が、用量に相関して減少した(図3)。各実験の初めと終わりに行なった2つの対照用凝集曲線(30.57±5.57%対31.1±4.31%)において、ADPに誘導される光透過の減少に変化はみられなかった。
上記の結果は、吸入された一酸化窒素(NO)ガスが、全身の血行力学に影響を及ぼすことなく、狭窄が発症した部位で血栓を溶かした後、血管の開通性を上昇させることを示している。それらはまた、吸入されたNOの抗血栓効果は、NOの吸入を停止した後も少なくとも45分間は持続することを示している。インビボで得た濃度と同じ濃度で、NOガスは、ADPに誘導される血小板凝集をインビトロで阻害する。
内膜肥厚実験
ヒトの動脈再狭窄においては、新生内膜の平滑筋細胞の肥厚が、主な病理学的過程である。したがって、PTCAなどの血管介入処置後の再狭窄過程に対する、吸入NOの効果を明らかにするために、ヒトの新生内膜平滑筋細胞肥厚の標準的なモデルである、動脈損傷のラット頚動脈モデル(クロウズら(Clowesら)、Laboratory Invest. 49:327(1983))を用いて、内膜肥厚に対する吸入されたNOの効果を調べた。
動脈損傷
成体のオスのスプレーグ-ダウリー(Sprague-Dawley)ラット(チャールズリバー研究所(Charles River Laboratories)、マサチューセッツ州ウィルミントン)に、以前、新生内膜肥厚を起こすことが示された方法(クロウズら(Clowesら)、前掲)で、総頚動脈のバルーン傷害を受けさせた。塩酸ケタミン(60〜80 mg/kg)とアセプロマジン(0.1 mg/kg)を腹腔内に注射して、300 gから350 gの体重のラットに麻酔をかけた。充分な麻酔をかけ終えたところで、縦の中線に沿って切開し、緩やかな切開によって左頚動脈を分離した。さらに注意深く頚動脈分岐の外側と内側を切開してから、4-0の絹糸で遠位にある外部頚動脈分節を結紮した。顕微鏡解剖用はさみを用いて、外部頚動脈に小さな切開を入れ、2フレンチ・フォガーティカテーテル(バクスターエドワーズLIS)を切開部を通して挿入し、頚動脈分岐の2 cm下まで差し込んだ。総頚動脈の膨張が見えるようにするために、バルーンに充分量の食塩水を満たし、分岐のレベルまでゆっくりと引き戻した。次に、バルーンカテーテルを引き抜いて、血栓および気泡ができないように、逆流してきた血を動脈切開部位から出血させ、4-0の絹糸を用いて切開部位付近で外部頚動脈を結紮した。総頚動脈に充分な脈拍があることを確認するために眼で見て調べた後、手術による傷害部を閉じて、動物を麻酔から回復させた。
長期間のNO吸入
特別に用意した40リットルのアクリル製吸入箱の中で、長期間のNO吸入を行なった。酸素、加圧空気、NO保存ガス(窒素中800 ppmと1000 ppmのNO、エアコ(Airco)社、ニュージャージー州マレーヒル)について、個別に調整、較正された、流量計を用いて、ガス混合物を混ぜ合わせた。安定したFIO2とNOレベルが維持されていることを確かめるため、実験期間中ずっと、箱から排出されるガスを定期的に分析した。ポーラログラフィーの電極(ハドソン酸素測定器5590、カリフォルニア州テネクラ)を用いてFIO2を測定し、化学発光(モデル14A、マサチューセッツ州フランクリン、サーモ・エンバイラメンタル・インスツルメンツ社(Thermo Environmental Instruments))によってNO濃度を測定し、二酸化窒素と高酸化状態にある窒素(NOx)は、加熱したステンレス製オーブン(850℃)により、98%の効率でNOxをNOに転化させた(モデル100B NOx発生器、マサチューセッツ州フランクリン、サーモ・エンバイラメンタル・インスツルメンツ社(Thermo Environmental Instruments))後、化学発光法により測定した。NOxを減らすために、箱の中に新しいソーダ石灰を入れ続けた。NO濃度は、実験によって、20から80 ppmに維持された。連続測定から、FIO2は21%で、NOxは3〜4 ppmであることが分かった。吸入箱から排出された気体と化学発光解析器から放出された気体は、研究所の中央真空システムによって陰圧に保たれているベンチュリ排気トラップを使用して掃気した。
対照用の動物は、NO処理した動物と同じ部屋の中で、フィルターを付けた飼育箱の中に置き続けた。外科処置の30分から120分前に、NO吸入を開始した。外科処置の間は、NO処理された動物を箱から出して、箱からの流入ガスチューブを引き込むように改変した顔面マスクによってNOを吸入させた。吸入ガス分析から、80 ppmの実験では、NOレベルは50〜80 ppmで、20 ppmの外科実験では、10〜20 ppmのレベルであることが明らかになった。各動物が箱から出されて、顔面マスクの下に置かれた時間は全部で20分から40分であった。
形態計測解析
バルーン傷害の1日後、3日後、14日後に、致死量のペントバルビタールナトリウムか塩酸ケタミンを腹腔内注射して、ラットを安楽死させた。16ゲージのカテーテルを心室の先端から上行大動脈に導入した。下行代動脈は結紮した。そして、100 mmHgの圧力で、100 mlの食塩水で動物を潅流した後、リン酸緩衝食塩水(PBS)中の2%パラホルムアルデヒド50 mlで潅流した。15分から30分間インビボで固定した後、両方の総頚動脈を分離してから、PBS中1%パラホルムアルデヒドに浸漬して、さらに一晩固定化させた。エタノールの濃度を連続的に上昇させて組織を脱水した後、キシレン処理してからパラフィンに包埋した。横断切片(6μm)を切り出して、ヘモトキシリンで染色し、解析のために、オエシンおよび/またはエラスチンで処理した。どの動物においても、頚動脈分岐の7 mmから8 mm近傍の切片一枚を解析に用いた。解析している切片を100倍で写真撮影した。コダック2135(登録商標)スキャナーを用いて、画像をデジタル化した。内膜および中膜領域の解析は、公共ドメインのNIHイメージプログラム(米国国立衛生研究所のウエイン・ラスバンド(Wayne Rasband)によって作成され、zippy.nimh.nih.gov.からのアノニマスftpによってインターネットから利用でき、また、バージニア州22161のスプリングフィールド、ポートロイヤル通り5285にあるNTISからのフロッピーディスク上でも利用できる;部品番号(part number)PB93-504868)を用いて、パワーマッキントッシュ8100/80(登録商標)(Power Macintosh 8100/80(登録商標))上で行なった。形態計測解析は、実験群に関しては何も知らない調査者が行なった。
統計解析
マッキントッシュコンピュータ用の市販ソフトウエアであるスタットビュー(Statview(登録商標))(アバカスコンセプツ(Abacus Concepts))を利用して統計的解析を行なった。対にならない2つの端数を切り取ったt検定を用いて、実験群を対照群と比較した。p<0.05の値を統計的に有意だと考えた。すべてのデータは、平均値±SEM(標準誤差)で表されている。nの値は、各群毎の動物の数である。
再狭窄の齧歯類モデルによる結果
全部で62匹のラットに頚動脈傷害処置を施した。動脈切開またはバルーン傷害の間に、5匹のラットが血管合併症によって死んだ。このため、処置による死亡率は8%になった。異なった実験群の間で、死亡に関する統計的に有意な不均衡分布は見られなかった。最初の処置から生き残った57匹のラットの中で、処理後に死亡するものはなかった。実験群に関係なく、実験中、すべてのラットが正常な毛づくろい習性および活動レベルを示した。頚動脈の傷害部側に時々見られる下垂以外は、大きな神経学的欠損を示すラットはいなかった。実験群の一部の解析によって、空気、20 ppmのNO、および80 ppmのNOを吸入させている間、統計的な差はなく、体重が増加したことが分かった。
最初の一連の実験において、実験が続行している間は、頚動脈にバルーン傷害を受けたラットに、周囲の空気を吸わせる(n=12)か、空気中80 ppmのNOを吸入させる(n=13)かさせた。傷害を受けた頚動脈の形態計測解析のために、傷害後14日目に動物を殺した。光学顕微鏡による検査から、空気(対照)群の3匹のラットと、NO処理した群の1匹のラットが、傷害を受けた頚動脈の管腔で血栓による閉塞を起こしていたことが分かった。予想されたように、両方の群の血管は、内皮の消失と新生内膜肥厚を示していた。光学顕微鏡的調査では、新生内膜の細胞形態には質的な違いは分からなかった。しかし、定量解析によって、80 ppmのNOを吸入処理によって、新生内膜肥厚が38%阻害される結果になったことが分かった。すなわち、内膜/中膜比を見ると、NOが0 ppm(対照)の動物の1.512±0.147に比べて、80 ppmの動物では0.932±0.13となった(P=0.008)(図4)。
次の一連の実験において、NOガスを1週間吸入させた場合の効果が調べられた。実験群(n=7)に80 ppmのNOを7日間吸入させてから、移動させて、殺す前にさらに7日間空気の中に置いた。対照群(n=5)は、14日間にわたって空気を吸わせておいた。これらの群間で、定性的な形態学上の差異は見られなかった。さらに、内膜/中膜比の定量解析からは、二つの群の間で、新生内膜肥厚に有意な差異がないことが分かった。すなわち、対照の動物の1.217±0.309に比べて、NO処理した動物では1.059±0.239であった(P=有意差なし)(図4)。
第三の一連の実験では、低量のNO吸入用量について調べられた。ラットは、20 ppmのNO(n=8)か空気(n=8)を呼吸した。ここでも、二つの群の間で、新生内膜肥厚の程度に関し、定量的にも定性的にも差は見られなかった。すなわち、内膜/中膜比を見ると、空気を呼吸していた対照では0.985±0.149であったのに対して、20 ppmのNOで処理した動物では0.917±0.233であった(P=有意差なし)(図4)。
上記の結果は、齧歯類モデルにおいては、2週間を超える80 ppmのNO吸入によって、頚動脈のバルーンによって生じた傷害の後に起こる新生内膜肥厚が有意に阻害されることを示している。
本発明の他の態様も、以下の請求の範囲に含まれる。
Claims (15)
- 哺乳動物における、過度の内膜肥厚によって生じる動脈再狭窄を治療または予防するための、NOガスを含んで成る薬剤組成物。
- 治療または予防が以下の段階を含む方法によるものである、請求項1記載の薬剤組成物:
(a)動脈再狭窄を現在起こしているか、動脈再狭窄を発症する恐れのある哺乳動物を同定する段階、および、
(b)該哺乳動物に治療上有効な濃度のNOガスを吸入させる段階。 - 哺乳動物がヒトである、請求項1または2記載の薬剤組成物。
- 哺乳動物が血管介入処置を受けたか、またはこれから受けようとしているものである、請求項1または2記載の薬剤組成物。
- 血管介入処置が、血管形成、冠状動脈手術および冠状動脈ステントからなる群より選択される、請求項4記載の薬剤組成物。
- 処置が経皮経管冠状動脈形成(PTCA)である、請求項5記載の薬剤組成物。
- NOを予め決められた濃度範囲で吸入させる、請求項1または2記載の薬剤組成物。
- 濃度範囲が0.1 ppmから300 ppmである、請求項7記載の薬剤組成物。
- NOガスを、NO、O2およびN2ガスを含む混合物として吸入させる、請求項1または2記載の薬剤組成物。
- 混合物が、容量で20%から99%のO2ガスを含む、請求項9記載の薬剤組成物。
- 混合物が哺乳動物に吸入される直前に、O2がNOと混合される、請求項9記載の薬剤組成物。
- NOガスの治療効果を増強する第二の化合物の治療上有効な用量を、NO吸入とともに哺乳動物に投与する段階をさらに含む、請求項1または2記載の薬剤組成物。
- 第二の化合物が、ホスホジエステラーゼ阻害剤およびスーパーオキシドジスムターゼからなる群より選択される、請求項12記載の薬剤組成物。
- ホスホジエステラーゼ阻害剤が、2-o-プロポキシフェニル-8-アザプリン-6-オン(ザプリナスト(Zaprinast)、登録商標)、ジピリダモール、および、テオフィリンからなる群より選択される、請求項13記載の薬剤組成物。
- NOガスがたばこの煙のないところで吸入される、請求項1または2記載の薬剤組成物。
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