JP3954865B2 - 床パネル支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は床パネル支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クリーンルームやコンピュータ室等では、室内床面を建屋のコンクリートスラブ上面よりも高くして、室内床面下部に空間を形成し、該空間に空気を送給したり電気配線を通すことが行われている。而して、従来の床パネル支持構造の一例は図10に示され、51はクリーンルームやコンピュータ室のコンクリートスラブ上面52に立設、固定された複数の支持脚、53は支持脚51に載置、固定された床パネルであり、床パネル53を敷設することにより、室内床面が形成されている。
【0003】
室内床面を形成する際には、コンクリートスラブ上面52の所定箇所に複数の支持脚51を立設、固定して高さ調整し、しかる後、支持脚51に床パネル53を取付けるようにしている。
【0004】
しかし、図10に示す床パネル支持構造の場合は、1本の支持脚51により4枚の床パネル53の角部を支持するようにしているため、床パネル53の数量が多い場合には、支持脚51の数量も多くなり、従って、支持脚51の高さ調整に時間を要して工期が長くなる虞がある。
【0005】
従来の床パネル支持構造の他の例は、図11〜図13に示され、図中、55はクリーンルームやコンピュータ室のコンクリートスラブ上面56に立設、固定された複数の支持脚、57は水平に配置されて支持脚55上に載置、固定された軽量H型鋼製の桁部材、58は平面視で桁部材57に対し直交する方向へ延在するよう桁部材57上に配置、固定された軽量H型鋼製の桁部材、59は桁部材58の上面に桁部材58の長手方向へ所定の間隔で配置、固定されたパネル支持部材、60は四隅を夫々異なるパネル支持部材59に支持され、固定された床パネルである。
【0006】
図13に示すように、支持脚55はコンクリートスラブ上面56に固定される基板61と、基板61上に固定、立設されると共に内周に雌ねじ62aの螺設された筒状の脚部材62と、下端外周に螺設された雄ねじ63aが脚部材62の雌ねじ62aに螺合された筒状の脚部材63と、脚部材63の上端に固設されて、載置された桁部材57を支持し得るようにした平面形状が四角形状の支持板64を備えている。
【0007】
支持板64の上面には、桁部材57における下部フランジ57aの縁部に当接し得るよう、下部フランジ57aと厚さの同じ当て板65が配置され、当て板65の上面には、下部フランジ57aの上面を押え得るようにした押え板66が配設されている。而して、押え板66及び当て板65並びに支持板64には、上下に貫通するボルト孔が形成され、該ボルト孔にボルト67を通して締結することにより、桁部材57は支持脚55に固定されている。
【0008】
室内床面を形成する際には、コンクリートスラブ上面56上に所定の間隔で複数の支持脚55を立設、固定し、脚部材63を回転させて昇降させ、各支持脚55における支持板64の上面が同一の高さになるよう調整し、しかる後、支持脚55への桁部材57の取付け、桁部材57上への桁部材58の取付け、桁部材58上へのパネル支持部材59の取付け、パネル支持部材59への床パネル60の取付けを行う。
【0009】
図11〜図13の床パネル支持構造の場合は、支持脚55の取付けピッチを1枚の床パネル60の大きさよりも大きくできるため、図10の床パネル支持構造における支持脚51の数量に比べて、支持脚55の数量を少なくすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図11〜図13の床パネル支持構造の場合、桁部材57,58を備えた状態でコンクリートスラブ上面56から床パネル60上面までの高さ寸法を低くしようとするときには、支持脚55の高さを低くしなければならず、支持脚55の高さを低くするためには、脚部材62,63の長さを短くしなければならない。又、脚部材62,63の長さを短くするためには、脚部材62の雌ねじ62a部、脚部材63の雄ねじ63a部の長さを短くしなければならないため、支持脚55の高さ調整代が少なくなり、不安定である。
【0011】
又、下部フランジ57aの縁部とボルト67外周部との間には間隔があるため、地震時等には押え板66には大きな曲げ力が掛る。従って、押え板66の曲げ耐力を十分にするためには、押え板66の厚さを厚くしなければならず、しかも組立ても工数を要するため、コストアップを招来する虞がある。
【0012】
本発明は、上述の実情に鑑み、支持脚の高さ調整代を十分に取ることができるようにし、且つ桁部材を押える押え板の厚さを薄くすると共に組立ての簡素化による工数低減を図ることができるようにして、コストダウンを可能にした床パネル支持構造を提供することを目的としてなしたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の支持脚に軽量H形鋼である第一の桁部材を取付けると共に前記第一の桁部材に平面視で略井桁状になるよう第二の桁部材を取付け、該第二の桁部材にパネル支持部材を介して床パネルを支持させるようにした床パネル支持構造において、
各支持脚は、下端に基板が固設された複数のボルトと、該ボルトに螺合された支持ナットと、該支持ナットに支持されると共に、前記第一の桁部材が取付けられる支持台を備え
該支持台には、第一の桁部材における下部のフランジが載置され、第一の桁部材における下部のフランジの縁部には、支持台に載置された、前記フランジと略厚さが等しい当て板が当接され、
当て板の上面及び第一の桁部材における下部のフランジの上面には、押え板が載置され、基板に固設された複数のボルトは、外周部が第一の桁部材における下部のフランジの縁部に当接するよう当て板及び押え板を貫通し、
前記ボルトには押え板及び当て板を介して第一の桁部材を支持脚の支持台に固定するためのナットが螺着されるよう構成されているものである。
【0014】
請求項2の発明は、複数の支持脚に軽量H形鋼である桁部材を取付けると共に前記桁部材にパネル支持部材を介して床パネルを支持させるようにした床パネル支持構造において、
各支持脚は、下端に基板が固設された複数のボルトと、該ボルトに螺合された支持ナットと、該支持ナットに支持されると共に、前記桁部材が取付けられる支持台を備え
該支持台には、桁部材における下部のフランジが載置され、桁部材における下部のフランジの縁部には、支持台に載置された、前記フランジと略厚さが等しい当て板が当接され、
当て板の上面及び桁部材における下部のフランジの上面には、押え板が載置され、基板に固設された複数のボルトは、外周部が桁部材における下部のフランジの縁部に当接するよう当て板及び押え板を貫通し、
前記ボルトには押え板及び当て板を介して桁部材を支持脚の支持台に固定するためのナットが螺着されるよう構成されているものである。
【0015】
請求項3の発明においては、支持台は、ウエブが上面となり、フランジが支持脚のボルトを挟むように下向きである溝型鋼状の材料で構成されている
【0016】
請求項4の発明においては、当て板には、水平方向から支持脚のボルトにセットし得るようにU字状の切欠き孔が形成され、該切欠き孔の円弧部の半径はボルトの半径よりも僅かに大きく、又、円弧部の半径の基準となる中心から矩形状の開口側端部までの寸法もボルトの半径よりも僅かに大きく形成されている。
【0018】
本発明によれば、コンクリートスラブ上面から床パネル上面までの高さが低い場合にも、支持脚の調整代を十分に取ることができ、又、支持ナットの廻り止めはダブルナットにしなくても良いので構造が簡単であり、押え板には大きな曲げ力は作用せず、従って押え板の厚さを薄くすることができ、更には組立ての簡素化による工数低減を図ることができるため、コストダウンが可能となる。又、支持脚の配置ピッチを変えることにより、耐荷重に対する対応を柔軟に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1〜図7は本発明の床パネル支持構造の実施の形態の一例である。
【0020】
図中、1はクリーンルームやコンピュータ室のコンクリートスラブ上面2に立設、固定された複数の支持脚、3は水平に配置されて支持脚1上に載置、固定された軽量H型鋼製の桁部材、4は平面視で桁部材3に対し直交する方向へ延在するよう桁部材3上に配置、固定された軽量H型鋼製の桁部材、5は桁部材4の上面に桁部材4の長手方向へ所定の間隔で配置、固定されたパネル支持部材、6は近接する四隅を夫々パネル支持部材5の4本の突出部5aに嵌込まれて支持され、皿ビス5bにより固定された床パネルである。床パネル6は必要に応じて孔の設けられているものや、孔の設けられていないものを使用し得るようになっている。
【0021】
図5に示すように、支持脚1は左右で対をなすと共に下端近傍まで雄ねじ7aが螺設された2本の高さ調整用のボルト7を備え、ボルト7の下端には、夫々、ボルト7をコンクリートスラブ上面2に立設、固定させるため、コンクリートスラブ上面2に固定されるようにした基板8が固設されている。
【0022】
ボルト7には、支持ナット9が螺合されている。又、ボルト7には、ウエブ10aが上面となり且つフランジ10bがボルト7を前後から挟むようにして、溝型鋼状の支持台10が、左右のボルト7を接続するよう取付けられている。すなわち、支持台10のウエブ10aには、ボルト孔が穿設されており、このボルト孔にボルト7を挿通させることにより、支持台10はボルト7に取付けられ、支持台10のウエブ10a下面は支持ナット9の上面に支持されるようになっている。支持ナット9の側面には、支持台10の高さ調整後に支持ナット9が回転しないよう止めボルト11が螺着されている。
【0023】
支持台10に所定の状態に桁部材3をセットした際には、ボルト7の外周は桁部材3におけるフランジ3aの縁部に当接し得るようになっており、ボルト7の支持台10上方への突出部には、桁部材3の下部のフランジ3a縁部に当接し得るよう、ボルト7の支持台10に搭載された当て板12を取付け得るようになっている。又、ボルト7の支持台10上方への突出部には、当て板12の上面及び桁部材3のフランジ3aの上面を押え得るよう、押え板13が取付けられ、ボルト7の押え板13上方の部分に螺合したナット14により押えられるようになっている。
【0024】
図6に示すように、当て板12には当て板12を水平方向からボルト7にセットし得るようU字状の切欠き孔12aが形成されている。切欠き孔12aの中心Oに対する円弧部の半径はボルト7の半径よりも僅かに大きく、又、中心Oから矩形状の開口側端部までの寸法もボルト7の半径よりも僅かに大きく形成されている。又、図7に示すように、桁部材3の押え板13には、中心からずれた位置にボルト孔13aが穿設されている。
【0025】
本図示例の床パネル支持構造で室内床面を形成する際には、所定の間隔で複数の支持脚1をコンクリートスラブ上面2に設置、固定し、支持ナット9の止めボルト11を緩めて支持ナット9を廻し、全ての支持台10の上面の高さが同一となるよう、高さ調整を行い、高さ調整が終了したら止めボルト11を締めて支持ナット9が回転しないようにする。
【0026】
次に、桁部材3を支持台10の上面に載置すると共に、水平方向から当て板12を、切欠き孔12aの開口部側先端が桁部材3の縁部に当接するよう、ボルト7に外嵌させて差込み、押え板13をボルト7に外嵌させ、更にナット14をボルト7に螺合させて締め込む。これにより、押え板13は、当て板12及び桁部材3を動かないよう固定する。
【0027】
続いて、桁部材3の上面に桁部材4を取付け、桁部材4の上面にパネル支持部材5を取付け、パネル支持部材5に、1個のパネル支持部材5に対して4枚の床パネル6の四隅が支持されるよう取付ける。
【0028】
本図示例によれば、支持脚1の支持台10の高さの調整は、ボルト7及び支持ナット9により行うようにしているため、コンクリートスラブ上面2から床パネル6の上面までの高さが低い場合にも、調整代を十分に取ることができ、又、桁部材3を取付けた後は、ボルト7の外周部は桁部材3におけるフランジ3aの縁部に当接しているため、押え板13には大きな曲げ力は作用せず、従って押え板13の厚さを薄くすることができ、更には組立ての簡素化による工数の低減を図ることができるため、コストダウンが可能となる。又、支持脚1の配置ピッチを変えることにより、耐荷重に対する対応を柔軟に行うことができる。
【0029】
図8、9は本発明の床パネル支持構造の実施の形態の他の例である。前記図示例では、桁部材3,4を井桁状に取付けているが、本図示例では桁部材4を設けず、桁部材3の上に床パネル6を取付けるパネル支持部材5を直接取付けるようにしている。斯かる構成としても前述の図示例と同様な作用効果を奏し得る他、コンクリートスラブ上面2から床パネル6までの高さを更に低くすることができる。
【0030】
なお、本発明の床パネル支持構造は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の床パネル支持構造によれば、コンクリートスラブ上面から床パネル上面までの高さが低い場合にも、支持脚の調整代を十分に取ることができ、又、押え板には大きな曲げ力は作用せず、従って押え板の厚さを薄くすることができ、更には組立ての簡素化による工数の低減を図ることができるため、コストダウンが可能となり、しかも又、支持脚の配置ピッチを変えることにより、耐荷重に対する対応を柔軟に行うことができる、等種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床パネル支持構造の実施の形態の一例の側面図である。
【図2】図1のII−II方向矢視図である。
【図3】図2のIII部拡大図である。
【図4】図1に示す下側の桁部材から下方の部分の斜視図である。
【図5】図1、2、4に示す支持脚の部分の正面図である。
【図6】支持脚と桁部材を締結する部分に使用する当て板の平面図である。
【図7】支持脚と桁部材を締結する部分に使用する押え板の平面図である。
【図8】本発明の床パネル支持構造の実施の形態の他の例の側面図である。
【図9】図8のIX−IX方向矢視図である。
【図10】従来の床パネル支持構造の一例を示す斜視図である。
【図11】従来の床パネル支持構造の他の例を示す側面図である。
【図12】図11のXII−XII方向矢視図である。
【図13】図12のXIII部拡大図である。
【符号の説明】
1 支持脚
3 桁部材
3a フランジ
4 桁部材
5 パネル支持部材
6 床パネル
7 ボルト
8 基板
9 支持ナット
10 支持台
10a ウエブ
10b フランジ
11 止めボルト
12 当て板
12a 切欠き孔
13 押え板
14 ナット
中心

Claims (4)

  1. 複数の支持脚に軽量H形鋼である第一の桁部材を取付けると共に前記第一の桁部材に平面視で略井桁状になるよう第二の桁部材を取付け、該第二の桁部材にパネル支持部材を介して床パネルを支持させるようにした床パネル支持構造において、
    各支持脚は、下端に基板が固設された複数のボルトと、該ボルトに螺合された支持ナットと、該支持ナットに支持されると共に、前記第一の桁部材が取付けられる支持台を備え
    該支持台には、第一の桁部材における下部のフランジが載置され、第一の桁部材における下部のフランジの縁部には、支持台に載置された、前記フランジと略厚さが等しい当て板が当接され、
    当て板の上面及び第一の桁部材における下部のフランジの上面には、押え板が載置され、基板に固設された複数のボルトは、外周部が第一の桁部材における下部のフランジの縁部に当接するよう当て板及び押え板を貫通し、
    前記ボルトには押え板及び当て板を介して第一の桁部材を支持脚の支持台に固定するためのナットが螺着されるよう構成されていることを特徴とする床パネル支持構造。
  2. 複数の支持脚に軽量H形鋼である桁部材を取付けると共に前記桁部材にパネル支持部材を介して床パネルを支持させるようにした床パネル支持構造において、
    各支持脚は、下端に基板が固設された複数のボルトと、該ボルトに螺合された支持ナットと、該支持ナットに支持されると共に、前記桁部材が取付けられる支持台を備え
    該支持台には、桁部材における下部のフランジが載置され、桁部材における下部のフランジの縁部には、支持台に載置された、前記フランジと略厚さが等しい当て板が当接され、
    当て板の上面及び桁部材における下部のフランジの上面には、押え板が載置され、基板に固設された複数のボルトは、外周部が桁部材における下部のフランジの縁部に当接するよう当て板及び押え板を貫通し、
    前記ボルトには押え板及び当て板を介して桁部材を支持脚の支持台に固定するためのナットが螺着されるよう構成されていることを特徴とする床パネル支持構造。
  3. 支持台は、ウエブが上面となり、フランジが支持脚のボルトを挟むように下向きである溝型鋼状の材料で構成されている請求項1又は2に記載の床パネル支持構造。
  4. 当て板には、水平方向から支持脚のボルトにセットし得るようにU字状の切欠き孔が形成され、該切欠き孔の円弧部の半径はボルトの半径よりも僅かに大きく、又、円弧部の半径の基準となる中心から矩形状の開口側端部までの寸法もボルトの半径よりも僅かに大きく形成されている請求項1乃至3に記載の床パネル支持構造。
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