JP3954786B2 - 自動販売機の梱包装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動販売機を、その製造終了後から設置までの間に、保管や輸送、移動に適した状態で梱包する自動販売機の梱包装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来一般に用いられている自動販売機の梱包装置を示している。同図に示すように、この梱包装置31は、自動販売機32を立てた状態で載せるパレット33と、自動販売機32に上方からかぶせられ、その前後左右の外面および上面を覆うビニールなどからなるカバー袋34と、その状態で自動販売機32の頭部にはめられる、段ボールなどからなるキャップ35と、パレット33、カバー袋34およびキャップ35を固定するために、それらをまとめて縛り付ける2本のPPバンド36、36などで構成されている。自動販売機32は、同図に示すように梱包された状態で、保管、輸送、およびフォークリフト(図示せず)による移動などが行われ、保管については、2段に積み上げた状態(以下「段積み」という)で行われる場合もある。
【0003】
パレット33は、フォークリフトによる移動・運搬に用いられるものであり、複数の木製の板材を、釘を用いて所定形状に組み立てて構成されている。このパレット33は、概ね次のような機能を有している。すなわち、▲1▼フォークリフトのフォークを挿入可能なスペースC(例えば高さ60mm以上)を確保する、▲2▼自動販売機32の重量およびフォークからの荷重を支持する、などの機能である。また、パレット33の上面の四隅には、収容孔33aがそれぞれ形成されており、自動販売機32を梱包した際には、これらの収容孔33aに、自動販売機32の底面の四隅にねじ込まれた図示しない支持脚(レベリング)が収容されるようになっている。なお、各支持脚は、自動販売機32を設置場所の基礎に固定するとともに、その水平調整を行うために、自動販売機32に一般的に設けられているものである。
【0004】
また、カバー袋34は、自動販売機32をほこりや湿気などから保護するとともに、PPバンド36の締め付けによる損傷などを防止する役割を果たす。さらに、キャップ35は、自動販売機32、32を段積みした際に、それらが相互に直接、接触しないようにすることで、自動販売機32の特に天面の損傷などを防止する他、隣合せに置かれた自動販売機32、32の相互間に隙間を確保するなどの機能も有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の梱包装置31では、パレット33、カバー袋34、キャップ35およびPPバンド36、36はすべて、使い捨てのものとなっており、自動販売機32の設置後に廃棄されているのが現状である。このことは、最近の資源の再生あるいは再利用の要請に反するものであり、梱包装置31においても改善を施すことが望ましい。特に、パレット33については、そのまま再利用するためには、その再利用時に備えて広い保管スペースが必要となる一方、再生や廃棄を行うためには釘抜きを含む解体作業が必要となる。しかも、パレット33には、木材を多量に使用しているため、自然環境保全の観点から、パレット33の使用を廃止することが好ましい。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、梱包装置に要求される機能を維持しながら、梱包材の使用量および廃棄量を可能な限り削減することで、省資源化を促進することができる自動販売機の梱包装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動販売機の梱包装置は、販売機本体の底面の複数の角部に下方に向かって突設された複数の支持脚を有する自動販売機を梱包するための自動販売機の梱包装置であって、複数の支持脚の各々は、複数の角部の各々に螺合し、上下方向に延びる雄ねじ部と、この雄ねじ部の下端部に設けられ、雄ねじ部の径よりも幅が大きいねじ頭部とを有しており、上下方向に延びるとともにねじ頭部の幅以上の内径を有する筒状に形成され、複数の支持脚の各々にこれを覆い且つ底面に下方から当接するようにそれぞれ装着され、販売機本体を支持する複数の支持脚カバーと、複数の支持脚の各々の雄ねじ部に取り付けられるとともに、複数の支持脚カバーの各々の内部に圧入されることにより、各支持脚カバーを各支持脚にそれぞれ装着された状態に保持する複数のカバー保持部材と、を備え、複数のカバー保持部材の各々は、雄ねじ部を挿通可能に形成され、雄ねじ部を挿通した状態で、各カバー保持部材を雄ねじ部に取り付けるための複数の孔を所定位置に有し、複数の孔が互いに重なり合うように折り畳まれた板紙で構成されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、雄ねじ部およびねじ頭部を有する支持脚が、販売機本体の底面の複数の角部にそれぞれ、雄ねじ部を螺合した状態で突設されており、複数の支持脚カバーの各々が、カバー保持部材によって、支持脚に装着された状態に保持される。支持脚カバーは、上下方向に延びるとともに支持脚のねじ頭部の幅以上の内径を有する筒状に形成されており、支持脚にこれを覆い且つ販売機本体の底面に下方から当接するように装着された状態で、販売機本体を支持する。これにより、支持脚に関わりなく、販売機本体の支持面と底面との間に、支持脚カバーと同じ高さの隙間を確保することができる。したがって、その隙間、すなわち支持脚カバーの高さを、フォークリフトのフォークが挿入可能な寸法に設定することによって、その状態で、自動販売機をフォークリフトで移動させることが可能となる。このように、上記構成の梱包装置により、従来のパレットに要求される前述した機能を確保することができるので、パレットを使用しなくても、フォークリフトによる自動販売機の移動・運搬を安定して行うことができ、パレットを省略できる分、梱包材の使用量および廃棄量を削減し、省資源化を促進することができる。
また、支持脚カバーは、支持脚の雄ねじ部に取り付けられたカバー保持部材が内部に圧入された状態で、支持脚に装着されるので、販売機本体をフォークリフトで持ち上げ、支持脚カバーが支持面から離れたときであっても、その支持脚カバーは支持脚から脱離してしまうことがなく、支持脚に装着した状態に保たれる。また、支持脚カバーが上記のようにして支持脚に装着されるので、その装着を容易に行うことができるとともに、支持脚からの取り外しも容易に行うことができる。
さらに、カバー保持部材は、支持脚の雄ねじ部を挿通可能に形成され、その雄ねじ部にカバー保持部材を取り付けるための複数の孔を所定位置に有する板紙から成り、その板紙が、複数の孔が互いに重なり合うように折り畳まれることによって製造される。したがって、カバー保持部材を容易にかつ低コストで得ることができる。また、孔が互いに重なり合うことによって形成される孔群に、支持脚の雄ねじ部を挿通させることにより、この雄ねじ部にカバー保持部材を容易に取り付けることができる。
【0013】
請求項に係る自動販売機の梱包装置は、請求項において、板紙には、複数の孔の各々から外面に達するように延び、互いに重なり合う第1スリットが形成されていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、板紙を折り畳んでカバー保持部材を形成すると、上記第1スリットが互いに重なり合うことによって、上記孔群から外面に達するように延びる第1スリット群が形成される。したがって、自動販売機の設置時など、カバー保持部材を支持脚の雄ねじ部から取り外すときには、第1スリット群を横方向に雄ねじ部の径よりも大きく広げながら、カバー保持部材を雄ねじ部からその軸線と直交する方向に引き抜くことによって、支持脚を販売機本体から取り外すことなく、カバー保持部材を容易に取り外すことができる。
【0015】
請求項に係る自動販売機の梱包装置は、請求項において、板紙には、第1スリットに連なり、外面側に向かって次第に幅が広がる切欠きが形成されていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、カバー保持部材には、上記切欠きが互いに重なり合うことによる切欠き群が、上記第1スリット群に連なるように形成される。したがって、カバー保持部材を支持脚の雄ねじ部から取り外すときには、切欠き群に指を引っかけて、第1スリット群を容易に大きく広げることができ、その結果、カバー保持部材をより一層容易に取り外すことができる。
【0017】
請求項に係る自動販売機の梱包装置は、請求項2または3において、板紙には、複数の孔の各々から、第1スリットと反対側に外面に達しない途中まで延び、互いに重なり合う第2スリットが形成されていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、カバー保持部材には、上記第2スリットが互いに重なり合うことによる第2スリット群が、上記孔群を間にして、上記第1スリット群と反対側に外面に達しない途中まで延びるように形成される。これにより、第1スリット群を2段階で広げることができ、カバー保持部材を支持脚の雄ねじ部からより一層容易に取り外すことができる。
【0019】
請求項に係る自動販売機の梱包装置は、請求項において、複数の孔の各々から外面に達するように延びるとともに、幅が孔の縁部で孔の直径よりも若干小さく且つ外面側に向かって次第に広がる切欠きが形成されていることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、カバー保持部材には、上記切欠きが互いに重なり合うことによって、上記孔群から外面に達するように延びる幅広の切欠き群が形成される。これにより、支持脚の雄ねじ部へのカバー保持部材の取り付けを、切欠き群を介して、雄ねじ部の側方からはめ込むように行うことができる。つまり、支持脚を販売機本体に取り付けた状態のまま、その支持脚の雄ねじ部にカバー保持部材を取り付けることができる。したがって、支持脚が販売機本体に既に取り付けられている自動販売機を梱包する際には、支持脚を販売機本体から取り外すことなく、カバー保持部材を支持脚の雄ねじ部に容易に取り付けることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1〜3は、本発明の実施形態による自動販売機の梱包装置1を示している。これらの図に示すように、この梱包装置1は、前述した図8に示す従来のパレット33を廃止し、これに代えて、販売機本体2の底面の四隅に設けられた支持脚(レベリング)3に、支持脚カバー4をそれぞれ装着するものであり(図1では前側の2個のみ図示)、図1には図示しないが、図8に示す従来のカバー袋34、キャップ35およびPPバンド36、36は同様に用いられている。なお、各支持脚3にそれぞれ装着された支持脚カバー4は、構成が互いに同一であるので、以下の説明では、それらの一つについてのみ説明する。
【0022】
販売機本体2の底面に設けられた4つの支持脚3は、自動販売機を設置場所の基礎に固定するとともに、その水平調整を行うために、販売機本体2に一般的に設けられているものである。図2などに示すように、支持脚3は、金属製のさら付き六角ボルトであり、所定の長さを有するとともに外周面に雄ねじが形成された軸部11(雄ねじ部)と、この軸部11の一端部(図2では下端部)に設けられたさら付き頭部12(ねじ頭部)とによって構成されている。このさら付き頭部12は、軸部11の直径よりも幅広の六角頭部12aと、これよりも幅広でかつ平面形状が円形のさら部12bとによって構成されている。このように構成された支持脚3は、販売機本体2のベース部2aの四隅にそれぞれ固定されたナット部材13に、上下方向に進退自在に螺合している。
【0023】
支持脚カバー4は、紙(板紙)や樹脂などからなり、図2に示すように、肉厚円筒状に形成されている。この支持脚カバー4は、その内径が支持脚3のさら部12bの直径よりも若干大きくなっており、またその高さについては、図示しないフォークリフトのフォークの厚みよりも長くなっている。このように形成された支持脚カバー4は、図3に示すように、支持脚3の軸部11に取り付けられた肉厚円筒状のカバー保持部材14を介して、支持脚3に装着される。
【0024】
このカバー保持部材14は、例えば段ボールなど、ある程度の厚みを有する板紙からなり、図4に示すように、所定形状の板紙を折り畳んで形成されている。具体的に説明すると、この所定形状の板紙(以下「カバー保持部材用板紙14」という)は、同図(a)の展開図に示すように、複数(本実施形態では6つ)の円板部15が一列に連なるように形成されている。各円板部15は、その外径が支持脚カバー4の内径と同じか、あるいは円板部15の外径の方が若干大きくなっている。また、各円板部15には、その中心部に、支持脚3の軸部11の直径とほぼ同じ直径を有する孔16が形成されるとともに、この孔16から外周面に向かってその途中まで延びる2つのスリット(第1スリット17および第2スリット18)が形成されている。両スリット17、18は、孔16を間にして、円板部15が互いに連なる方向(図4(a)では上下方向)と直交する方向(同図では左右方向)に延びており、加えて、各円板部15には、第1スリット17に連なり、外周面側に向かって次第に幅が広がる扇形状の切欠き19が形成されている。
【0025】
また、図4(a)、(b)に示すように、カバー保持部材用板紙14の一方の面(表面または裏面)には、2つの円板部15、15ごとに区切るように、他方の面(裏面または表面)に達しない程度の切り込み14a、14aが形成されている。このような切り込み14a、14aを形成することにより、カバー保持部材用板紙14が折り畳みやすくなるとともに、カバー保持部材用板紙14の一方の面にのみ形成することで、両面に形成する場合に比べて、カバー保持部材用板紙14を低コストで製造することができる。
【0026】
このように形成されたカバー保持部材用板紙14を、図4(b)、(c)に示すように、折り畳むことによって、肉厚円筒状のカバー保持部材14が形成される。具体的には、上記切り込み14a、14aを外側に向けた状態で、この部分を山折りし、それ以外の円板部15、15間の境界部分を谷折りして、カバー保持部材用板紙14を折り畳む。これにより、同図(c)、(d)に示すように、各円板部15が互いに重なり合うとともに、各円板部15ごとに形成された第1スリット17、第2スリット18および切欠き19も、それぞれ対応するもの同士が重なり合った状態で、カバー保持部材14が形成される。つまり、このカバー保持部材14には、各孔16による孔群21、各第1スリット17による第1スリット群22、各第2スリット18による第2スリット群23および各切欠き19のよる切欠き群24が形成される。
【0027】
ここで、梱包装置1による自動販売機の梱包および開梱について、特に、支持脚3への支持脚カバー4の装着および取り外しを中心に説明する。支持脚カバー4を支持脚3に装着する場合には、例えば次のようにして行う。すなわち、ナット部材13への支持脚3のねじ込みに先立ち、まず、支持脚3の軸部11をカバー保持部材14に、その孔群21の一端から挿通し、他端から軸部11の先端部を突出させる。そして、支持脚3と一体となったカバー保持部材14を支持脚カバー4にその一端から挿入する。上述したように、カバー保持部材14(円板部15)の外径は、支持脚カバー4の内径と同じか、あるいはそれよりも若干大きいので、カバー保持部材14を挿入する際には、これを支持脚カバー4の一端から他端に向かって押圧しながら、あるいはこの押圧ともに回しながら、カバー保持部材14を支持脚カバー4に圧入する。そして、カバー保持部材14および支持脚3の頭部12を、支持脚カバー4の内部に完全に収容する。この場合、支持脚3の軸部11の先端部は、支持脚カバー4の他端から突出した状態となる。なお、カバー保持部材14を支持脚カバー4に収容してから、支持脚3をカバー保持部材14に挿通するようにしてもよい。
【0028】
上記のように、支持脚3、カバー保持部材14および支持脚カバー4を一体とした後、支持脚カバー4の上端が販売機本体2の底面、すなわちベース部2aに当接するまで、支持脚カバー4から突出している支持脚3の軸部11の先端部を、ナット部材13にねじ込む。これにより、図3に示すように、支持脚3への支持脚カバー4の装着が完了する。なお、他の支持脚3についても、同様にして、支持脚カバー4を装着する。
【0029】
このように、自動販売機の梱包において、支持脚カバー4を各支持脚3にそれぞれ装着することで、その自動販売機は、4つの支持脚カバー4によって支持されることとなる。
【0030】
一方、梱包されている自動販売機を開梱する場合には、自動販売機を地面などの支持面に置いた後、従来と同様に、カバー袋34、キャップ35およびPPバンド36を取り外す。そして、その自動販売機を若干傾斜させることで、各支持脚カバー4を支持面から交互に浮かせ、支持脚カバー4を支持脚3から引き抜いて、順次取り外す。またこれとともに、支持脚3から、カバー保持部材14を裂くようにして取り外す。具体的には、カバー保持部材14の上記切欠き群24に指を引っかけ、第1スリット群22を、軸部11の直径よりも大きく横方向に広げながら、カバー保持部材14を軸部11からその軸線と直交する方向に引き抜く。これにより、支持脚3を販売機本体2から取り外すことなく、カバー保持部材14を容易に取り外すことができる。このようにして、全ての支持脚カバー4およびカバー保持部材14を支持脚3から取り外して、自動販売機の開梱が完了する。
【0031】
また、カバー保持部材14として、図5〜図7に示すように、幅広の切欠き群25を有するものを使用してもよい。このカバー保持部材14では、図7(a)に示すように、カバー保持部材用板紙14の各切欠き19は、孔16から外周面に達するように延びるとともに、その幅が孔16の縁部で孔16の直径よりも若干小さく且つ外周面側に向かって次第に広がるように形成されている。したがって、このような切欠き19を有するカバー保持部材用板紙14を、上記と同様にして折り畳むことによって、幅広の切欠き群25を有するカバー保持部材14を形成することができる。
【0032】
このようなカバー保持部材14を使用して、支持脚カバー4を支持脚3に装着する場合には、上記と異なり、まず、切欠き群25を介して、カバー保持部材14を支持脚3の軸部11の側方からはめ込むようにしてこれに取り付ける。次いで、自動販売機を若干傾斜させることで、カバー保持部材14を取り付けた支持脚3を交互に浮かせ、その支持脚3およびカバー保持部材14を支持脚カバー4の一端から挿入させるようにして、支持脚カバー4を支持脚3に装着する。このように、幅広の切欠き群25を有するカバー保持部材14を使用する場合には、支持脚3を販売機本体2に取り付けた状態のまま、その支持脚3の軸部11にカバー保持部材14を取り付けることができる。したがって、支持脚3が販売機本体2に既に取り付けられている自動販売機を梱包する際には、支持脚3を販売機本体2から取り外すことなく、カバー保持部材14を支持脚3の軸部11に容易に取り付けることができ、梱包作業の効率を高めることができる。
【0033】
以上のように、本実施形態の梱包装置1によれば、支持脚カバー4が、カバー保持部材14を介して、各支持脚3にそれぞれしっかりと装着され、これらの支持脚カバー4によって、販売機本体2を支持するとともに、販売機本体2とその支持面との間に所定寸法(例えば60mm)以上の隙間を確保することができる。したがって、その隙間にフォークリフトのフォークを挿入して、自動販売機を持ち上げても、支持脚カバー4が支持脚3から脱離することなく、自動販売機をフォークリフトで適切に移動させることができる。このように、各支持脚3にそれぞれ装着した支持脚カバー4によって、従来のパレット33に要求される機能を確保することができるので、パレット33を使用しなくても、フォークリフトによる自動販売機の移動・運搬を安定して行うことができ、パレット33を省略できる分、梱包材の使用量および廃棄量を削減し、省資源化を促進することができる。
【0034】
また、支持脚カバー4を支持脚3に装着することで、支持脚3が保護されるので、自動販売機をフォークリフトで移動・運搬する際に、フォークが支持脚3に直接、接触することや、これに起因する支持脚3の損傷などを防止することができる。さらに、カバー保持部材14の製造は、段ボールなどの板紙に適宜、スリットや切欠きを形成するとともに、その板紙を折り畳むことによって行われるので、カバー保持部材14を容易かつ低コストで得ることができ、加えて、支持脚3の軸部11の長さに合わせて、カバー保持部材14の高さ調整を容易に行うこともできる。
【0035】
なお、実施形態では、所定形状の板紙を折り畳んで、カバー保持部材14を形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、支持脚カバー4を支持脚3にしっかりと装着させるものであれば、例えば、予め肉厚円筒状に成形されたものなど、いかなるものをカバー保持部材として使用してもよい。また、カバー保持部材14を形成する場合には、複数の円板部15を有する板紙14を折り畳むだけではなく、円板部15と同じ形状および大きさの単一の板紙を複数用いて、カバー保持部材14を形成してもよい。さらに、円板部15の孔16については、すべてを支持脚3の軸部11の直径と同じにしなくてもよく、孔16の直径を、交互あるいは数個ごとなど、適宜、軸部11のそれよりも大きくすることが好ましい。この場合には、軸部11を孔16に挿入する際に、その引っかかりが少なくなり、これにより、挿入を容易に行うことが可能となる。また、実施形態で示した支持脚カバー4やカバー保持部材14の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の自動販売機の梱包装置は、梱包装置に要求される機能を維持しながら、梱包材の使用量および廃棄量を可能な限り削減することで、省資源化を促進することができるなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による梱包装置を取り付けた自動販売機の正面図である。
【図2】支持脚への装着前の支持脚カバーおよびカバー保持部材を示す斜視図である。
【図3】カバー保持部材を介して支持脚カバーを支持脚に装着した状態を示す斜視図である。
【図4】図2のカバー保持部材を示す図であり、(a)は展開図、(b)は折り畳み途中の状態を示す側面図、(c)および(d)はそれぞれ、折り畳んだ状態を示す側面図および平面図である。
【図5】支持脚への装着前の支持脚カバーおよび他のカバー保持部材を示す斜視図である。
【図6】図5のカバー保持部材を介して支持脚カバーを支持脚に装着した状態を示す斜視図である。
【図7】図5のカバー保持部材を示す図であり、(a)は展開図、(b)は折り畳み途中の状態を示す側面図、(c)および(d)はそれぞれ、折り畳んだ状態を示す側面図および平面図である。
【図8】従来の一般的な自動販売機の梱包装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 梱包装置
2 販売機本体
3 支持脚
4 支持脚カバー
11 軸部(雄ねじ部)
12 さら付き頭部(ねじ頭部)
14 カバー保持部
16 孔
17 第1スリット
18 第2スリット
19 切欠き

Claims (5)

  1. 販売機本体の底面の複数の角部に下方に向かって突設された複数の支持脚を有する自動販売機を梱包するための自動販売機の梱包装置であって、
    前記複数の支持脚の各々は、前記複数の角部の各々に螺合し、上下方向に延びる雄ねじ部と、この雄ねじ部の下端部に設けられ、当該雄ねじ部の径よりも幅が大きいねじ頭部とを有しており、
    上下方向に延びるとともに前記ねじ頭部の幅以上の内径を有する筒状に形成され、前記複数の支持脚の各々にこれを覆い且つ前記底面に下方から当接するようにそれぞれ装着され、前記販売機本体を支持する複数の支持脚カバーと、
    前記複数の支持脚の各々の前記雄ねじ部に取り付けられるとともに、前記複数の支持脚カバーの各々の内部に圧入されることにより、当該各支持脚カバーを前記各支持脚にそれぞれ装着された状態に保持する複数のカバー保持部材と、を備え、
    当該複数のカバー保持部材の各々は、前記雄ねじ部を挿通可能に形成され、当該雄ねじ部を挿通した状態で、当該各カバー保持部材を当該雄ねじ部に取り付けるための複数の孔を所定位置に有し、当該複数の孔が互いに重なり合うように折り畳まれた板紙で構成されていることを特徴とする自動販売機の梱包装置。
  2. 前記板紙には、前記複数の孔の各々から外面に達するように延び、互いに重なり合う第1スリットが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の梱包装置。
  3. 前記板紙には、前記第1スリットに連なり、外面側に向かって次第に幅が広がる切欠きが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の自動販売機の梱包装置。
  4. 前記板紙には、前記複数の孔の各々から、前記第1スリットと反対側に外面に達しない途中まで延び、互いに重なり合う第2スリットが形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の自動販売機の梱包装置。
  5. 前記板紙には、前記複数の孔の各々から外面に達するように延びるとともに、幅が前記孔の縁部で当該孔の直径よりも若干小さく且つ外面側に向かって次第に広がる切欠きが形成されていることを特徴とする請求項に記載の自動販売機の梱包装置。
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