JP3953352B2 - 長尺体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴム、樹脂、エラストマーなどの可塑物からなる長尺な押出成形体に関し、特に、装飾面に露出される意匠部分を備える押出成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用のウェザーストリップ、ドアオープニングトリムなどのトリム材では、装着されたときに室内側を向く面が車室内装材と調和する意匠を備えることが望まれている。また、建築物の外装パネル間に形成される目地をシールする目地材においてもその外面側が、パネル外面の意匠、例えば布目調や大理石調の意匠と調和する意匠を備えることが望まれている。従来、このような要望に対しては、ゴム材料を着色したり、発泡成形やエンボス模様の転写によって表面を立体化したりすることで対応している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、材料自体の着色では、布や石材のように複数の色が組み合わされた意匠を形成することは難しい。特に、ゴム材料の着色では、ゴム材料自体が備える色や、加硫時にかける熱や発生するガスによって所望の発色を得られないことがある。また、発泡成形やエンボス模様の転写による凹凸によって陰影による色調の変化を付与できるが、多様な色の組合わせに対応することはできず、また、立体意匠による質感の同調が規制されてしまう。
【0004】
このような問題に鑑みて、布地に粘着テープが貼り付けられたいわゆる布テープをトリム材の表面に貼った長尺体もある。しかし、接着剤が必要となり、また貼り付け作業が煩雑である。
【0005】
そこで、本発明では、表面が布目調や大理石調の意匠部を備える長尺体を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1にかかる発明は、被取付体に弾接して係止するリップを有する本体部と、前記本体部の目視される部分の表面に形成された意匠部とを備える押出成形された長尺体であって、
前記本体部はゴム材料で形成され、
前記意匠部は、着色されたオレフィン系熱可塑性エラストマー材料によって形成された基礎材料と、前記基礎材料の色とは異なりかつ前記基礎材料の色よりも濃色を呈し、前記基礎材料に混入されて前記意匠部の内部に埋まっていて、前記長尺体の長手方向に沿う配向性を有する繊維とを含有し、前記基礎材料の色は前記繊維が前記基礎材料を通して透視可能なように淡色としたものである。
この発明によれば、基礎材料と基礎材料とは異なる色の繊維との組み合わせによって、意匠部の表面の意匠が構成されているため、複数の色を備える意匠面が得られる。また、繊維の押出し方向への配向性によって、方向性のある意匠とすることができ、所望の優れた意匠面を形成できる。
また、ゴム材料で本体部が形成されることによって、弾性変形、弾発力、及びシール性が必要とされる場合に好適である。
また、オレフィン系熱可塑性エラストマー材料が基礎材料として用いられていることによって、基礎材料に鮮明な色を付与することができ、意匠性が向上される、という作用・効果を有する。また、熱可塑性エラストマー材料は、押出成形後に加硫処理を要しないために、特に淡色を付与する場合、ゴム材料の場合と比較して着色材料の色が変化又は劣化したりせず、良好な発色をした意匠が得られる、という作用・効果を有する。
さらに、基礎材料を淡色にし、繊維に前記淡色よりも濃色のものを用いて、意匠面の内部に埋まっている繊維が基礎材料を通して透けて見えるようにすることができ、奥行きのある意匠を付与することができる、という作用・効果を有する。
なお、繊維としては、有機質繊維であるか無機質繊維であるかを問わない。また色は繊維自体が有している色であっても良いし、繊維に着色したものであっても良い。
【0007】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記繊維は、複数種類の互いに異なる長さおよび複数種類の互いに異なる色を呈する繊維を含んでいる長尺体としたものである。
請求項2にかかる発明によれば、請求項1の発明の作用・効果に加えて、繊維が複数種類の長さおよび複数種類の色の繊維を含むことによって、色および配向性の強弱が調節された布目調外観の意匠部を得ることができる、という効果を有する。
【0008】
請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記繊維の色は、1種類である長尺体としたものである。
請求項3にかかる発明によれば、請求項1の発明の作用・効果に加えて、一定の色調の大理石調外観の意匠部が得られる、という効果を有する。
【0009】
請求項4にかかる発明は、請求項1ないし3にかかる発明において、前記意匠部の表面には、エンボス模様が形成されている長尺体としたものである。
請求項4にかかる発明によれば、請求項1ないし3にかかる発明の作用・効果に加えて、意匠部表面にエンボス模様を付加することによって、意匠部に立体形状が付加されて、意匠の立体性が向上される、という作用・効果を有する。また、エンボス模様と意匠部の材料中の繊維との組合わせによって、種々の質感、例えば布目調や大理石調の意匠が形成される、という作用・効果を有する。
【0010】
請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる発明において、前記エンボス模様は、同様な単位模様が当該長尺体の長手方向および/または幅方向に規則的に配列されて形成されている長尺体としたものである。
請求項5にかかる発明によれば、請求項4にかかる発明の作用・効果に加えて、織り地、編み地などの規則的な繊維の配列を有する布目調の意匠部が得られる、という効果を有する。
【0011】
請求項6にかかる発明は、請求項4にかかる発明において、前記エンボス模様は、不規則な形状で不規則に配列されて形成されている長尺体としたものである。
請求項6にかかる発明によれば、請求項4にかかる発明の作用・効果に加えて、石材調、皮革調など、不規則な色意匠や立体意匠を備える意匠部が得られる、という効果を有する。
【0012】
請求項7にかかる発明は、前記エンボス模様は、なめし皮様である長尺体としたものである。
請求項7にかかる発明によれば、請求項6にかかる発明の作用・効果に加えて、繊維と基礎材料とを含有する意匠表面と、なめし皮様のエンボス模様との組合わせによって石材調、例えば大理石調の意匠部を得ることができる、という効果を有する。
【0013】
請求項8にかかる発明は、請求項1ないし7にかかる発明において、前記繊維は、前記意匠部の基礎材料100質量%に対して、1〜10質量%混入されている長尺体としたものである。
請求項8にかかる発明によれば、請求項1ないし7にかかる発明の作用・効果に加えて、繊維による意匠性の向上を図るとともに、基礎材料による意匠部の強度を確保することができる、という効果を有する。
【0014】
請求項9にかかる発明は、請求項1ないし8にかかる発明において、前記繊維は、長さが5mm以下である長尺体としたものである。
請求項9にかかる発明によれば、請求項1ないし8にかかる発明の作用・効果に加えて、押出成形によって布目調または大理石調の意匠が、良好に形成される、という効果を有する。
【0015】
請求項10にかかる発明は、請求項1ないし9にかかる発明において、長尺体を、車両用のオープニングトリムとしたものである。
請求項11にかかる発明によれば、請求項1ないし9にかかる長尺体をオープニングトリムに用いることにより、内装パネルをはじめとする車室内装に調和したオープニングトリムとすることができる。
なお、本明細書で「オープニングトリム」とは、車両において、車体の開口端または開閉する部材の端部周りに設けられるトリム材全般をいうものとする。例えば、ドアオープニングトリム、ラゲッジドアオープニングトリム、バックドアオープニングトリムなどのドアオープニングトリムや、サンルーフトリムなどサンルーフなどの開閉する窓部分のトリムや目視される部分を備えるウェザーストリップなどが含まれる。
【0016】
請求項11にかかる発明は、請求項1ないし9にかかる発明において、長尺体を、前記長尺体は、建築物の外装パネルの端面間の目地をシールする目地材としたものである。
請求項12にかかる発明によれば、請求項1ないし9にかかる長尺体を建築物の外装パネルの端面間をシールする目地材に用いることにより、意匠部が外装パネルの外面の意匠に調和した目地材とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、車両や建築物などにおいて装飾されている面に露出する意匠部分を備える押出成形による長尺体に適用できる。車両用に好適な本発明に係る長尺体は、例えば、図1に示すドアオープニングトリムや図2に示すトランクシール材など、車両の車室内、または車内面に露出する意匠部分を備えるトリム材やシール材である。また、建築物に好適な本発明に係る長尺体は、例えば、図3,4に示す外装パネルの端面間の目地をシールする目地材である。なお、図3は被せタイプの目地材、図4は落とし込みタイプの目地材である。
なお、本発明に係る長尺体は、上述のものに限定されず、装飾された面、すなわち意匠面を備える種々の用途の長尺体に適用できる。
【0018】
本発明に係る長尺体は、意匠部を備えている。意匠部は、少なくとも長尺体が所定部位に装着されたときに外部に露出して目視される部分を含んでいる。図1〜4に示す長尺体1a〜1dは、それぞれ、意匠部5a〜5dとは異なる材料よりなる本体部3a〜3dを有しており、本体部3a〜3dの目視される部分の表面に意匠部5a〜5dが形成されている。
【0019】
意匠部を構成する材料は、基礎材料と基礎材料の色とは異なる色を呈する繊維とを含有している。繊維として使用する繊維材質は特に限定されないが、有機質繊維では木質系セルロース繊維(パルプ)、無機質繊維ではガラス繊維が適している。更に、繊維の色はそれ自体の色でも良いが、意匠面に所望の模様を形成するために、着色された繊維を用いると、色の選択、組み合わせの幅が広がる。着色の容易さ、原料入手の容易さの点からは、着色したパルプ繊維が好ましい。
【0020】
基礎材料は、押出成形可能な種々の可塑物材料とされ、熱可塑性エラストマー材料から選択することができる。これらの材料で成形された意匠部は、本体部と加硫接合や熱融着、接着剤を用いた接着などによって、押出成形と同時または後に一体化することができる。
【0021】
基礎材料は、典型的には、顔料など公知の着色材料が添加されて、所望の色に着色されている。良好な発色を得るためには、熱可塑性エラストマー材料を用いることが好ましい。特に、淡色を付与する場合、ゴム材料は、加硫工程において加硫剤が着色材料の色を変化または劣化させることがあるので、加硫工程を必要としない熱可塑性エラストマー材料を用いることが好ましい。
【0022】
また、基礎材料中に含まれる繊維の配向性を制御するには、基礎材料の粘性を調節することが好ましい。ゴム材料のように粘性の大きい基礎材料を用いると、繊維の配向性が大きくなる。また、溶融状態の樹脂など粘性の小さい基礎材料中では、繊維の配向性は小さくなる。石材調、布目調などの意匠を得たい場合には、熱可塑性エラストマー材料を用いると、適度な配向性が得られるため、好ましい。
【0023】
また、基礎材料は、押出成形に要する温度が小さい材料であると、この温度に耐えうる種々の繊維を含有させることができ、好ましい。この点から、熱可塑性エラストマー材料が好ましく、熱可塑性エラストマー材料中オレフィン系熱可塑性エラストマー材料がより好ましい。
さらに、意匠部の表面にエンボス模様を付与する場合は、エンボス模様の成形性から、熱可塑性エラストマー材料が好ましく、オレフィン系熱可塑性エラストマーがより好ましい。
【0024】
意匠部に含有される繊維は、押出成形で加えられる熱に耐えうる材料のものが用いられる。例えば、基礎材料としてオレフィン系熱可塑性エラストマー材料を用いる場合、セルロースやパルプ繊維など、天然の繊維材料に由来する材料を用いることができる。また、例えばスチールウールなどの金属製のものや、従来、補強用に用いられている繊維でも良い。
【0025】
繊維は、基礎材料とは異なる色を備えている。これによって、意匠部に基礎材料の色以外の色を付与することができる。繊維の色は、基礎材料と同系色でも良いし、異なっていても良い。また、繊維は、光沢を有するものでも良い。1の意匠部の構成材料中には、基礎材料とは異なる単一の色の繊維のみが含まれていても良いし、繊維どうしが互いに異なる複数の色を呈していても良い。
【0026】
意匠部は、基礎材料と、基礎材料とは異なる色を呈する繊維とによって、少なくとも基礎材料の色と繊維の色との2種類の色を備えている。この色の組合わせによって、種々の意匠(例えば、石材調や布目調など)に形成されている。
例えば、意匠部に基礎材料と複数種類の互いに異なる色を呈する2種類以上の繊維とで互いに異なる複数の色が付与されることによって、布目調の意匠面が得られる。すなわち、基礎材料の色を基調とし、繊維によって異なる色が付加されることによって、ニュアンスや微妙な色合いを表現できる。基礎材料中に混合する繊維の色や割合などを調整することによって、基調の色に複数の異なる色が点々と付加された繊維によって種々の色合いに形成された実際の編み地、織り地などに類似する色を表現できる。
【0027】
また、所定の色の基礎材料に、基礎材料と同系色で明るさや濃さの異なる色の繊維が混合された材料では、毛羽立ちなどの立体感や石材独特の粗面の雰囲気など立体感を付与することができる。繊維の割合や、繊維の色を変化させることにより、同じ基礎材料を用いて色の濃淡の異なる意匠部を形成することができる。
【0028】
意匠部に含まれる繊維の長さは、特に限定されず、押出成形可能な範囲内であれば種々の長さの繊維を使用することができる。意匠部に混入される繊維は、単一の長さでも良いし、複数種類の長さでも良い。繊維の長さは、繊維の意匠部中における配向性、すなわち方向性の付与に寄与する。繊維の長さが長いほど、意匠面に方向性を付与できる。繊維を含んだ基礎材料では、図示しない押出成形機のブレーカプレートを通過中に方向性が与えられ繊維が同一方向を向くように配向される。
繊維の長さが5mm以下であると、特に、布目調や大理石調の意匠に好ましい程度の方向性が付与できる。例えば、0.1〜3.0mmの長さの繊維を用いることで、良好な布目調の意匠を形成することができた。また、大理石調の意匠は、例えば0.5〜2.0mmの長さの繊維を基礎材料に混入させることで良好に得ることができた。
【0029】
意匠部の構成材料中における繊維の量は、特に限定されないが、長尺材に必要とされる強度、剛性、表面密度などが得られる範囲とされる。車両に用いられるオープニングトリムや建築物に用いられる目地材では、繊維は、意匠部の基礎材料100質量%に対して1〜10質量%であることが好ましい。
【0030】
基礎材料と繊維とを含有する本発明に係る意匠面を図5に示す。図5は、図1に示す意匠部5aの意匠面6aを取り出した正面図である。意匠面は、基礎材料と、この基礎材料中に混在する繊維とが目視されることによって、基礎材料の基本の色に対して繊維によって模様や色が付加されて見える。すなわち、繊維の色によって、基礎材料の色の中に他の色味を加えたりすることができる。また、意匠面6aは、基礎材料の色の中に多数の繊維の色が分散して視認され、多数の繊維は、その配置が概ね長尺体の長手方向に一致している。すなわち、各繊維は同一方向を向いて規則的に配置され、配向性を有している。これによって、図5の意匠面は多数の糸を規則的な方向に織って布としたような布目調の意匠を呈する。
さらに、基礎材料を淡色にし、繊維に前記淡色よりも濃色のものを用いて、意匠面より内部に埋まっている繊維が基礎材料を通して透けて見えるようにすることができ、奥行きのある意匠を付与することができる。
【0031】
図1〜4にそれぞれ示す意匠部5a〜5dには、表面、すなわち意匠面6a〜6dにエンボス模様を施すことによって、他部材の面により類似する意匠に形成することができる。エンボス模様の成形方法は、付与したいエンボス模様と逆の凹凸が表面に形成されたローラ型を意匠面に押付ける公知の種々の方法を用いることができる。典型的には、押出成形と同時、または押出成形直後で、意匠部がまだ軟らかい状態のときに、意匠部の表面に回転自在のエンボスローラを押しつけてエンボス模様を形成する。
【0032】
エンボス模様は、得ようとする意匠部の模様に応じて規則的または不規則的な種々の模様とされる。エンボス模様は、意匠面の全体に付与されても良いし、意匠面に部分的に付与されても良い。
【0033】
意匠面には、種々のエンボス模様を付与することができる。
意匠面を、布目調の織り地、編み地など規則的な意匠に類似させる場合は、規則的なエンボス模様を付加する。すなわち、単位模様を有し、この単位模様が長尺体の縦方向(長手方向)および/または横方向(幅方向)に規則性を有して配列される形態のエンボス模様を付加することが、好ましい。
【0034】
図6,7は、図5に示す意匠面に種々の異なるエンボス模様を付加したときに視認される意匠面の種々の模様を示す。図6(a)(b)は、長尺体の長手方向、すなわち繊維の配向方向に直角に延びる直線状の凹凸を単位模様とし、この直線状の凹凸が長手方向に所定間隔を保って配列されているエンボス模様である。
図6(a)の模様は、図6(b)の模様よりも単位模様が密に形成してある。これにより、意匠面は長手方向に配向する繊維と、これに直交するエンボス模様との組み合わせで実際の織布に似た意匠により近づけられている。また、凹凸の長手方向の幅を調整することで、布目調に粗密(図6(a),(b)参照)を表現することができる。
【0035】
図6(c)(d)は、長尺体の長手方向に直角な方向に凹凸を有する部分と凹凸を有しない部分とを備える単位模様が、長尺体の横(幅)方向に所定の間隔を保って配列されているエンボス模様である。図6(c)では、凹凸部分は、長尺体の長手方向に直角に延びる直線状の凹凸であり、図6(d)では、凹凸部分は、長尺体の長手方向に対して傾斜して延びる直線状の凹凸である。凹凸を有しない部分と有する部分とを単位模様として横方向に規則的に配列することによって、図6(a),(b)とは異なるパターンの織布に似せた意匠面を形成することができる。
【0036】
また、エンボス模様は、一方向に配列された直線状の凹凸に限定されない。例えば、図7(a)に示すように、縦方向に直線状の凹凸を備える部分と、横方向に直線状の凹凸を備える部分とが、縦方向および横方向にそれぞれ交互に配列されていても良い。このエンボス模様では、特に、織り地調の意匠面が得られる。
また、図7(b)に示すエンボス模様は、くの字状、すなわち折れ線状の凹凸が、長手方向に屈曲する向きで複数配列されるとともに、くの字の端部に沿って直線状の凹凸が延びている。すなわち、単位模様は、くの字状の凹凸とその一端側に延びる直線状の凹凸であり、横方向に配列されている。このエンボス模様によって、比較的太い糸を使って織った織り地調の意匠面が得られる。
【0037】
また、意匠面を不織布や大理石などの石材といった不規則な意匠に類似させるときは、不規則なエンボス模様を設けることが好ましい。なお、この場合、基礎材料に混入される繊維は、基礎材料の色とは異なる一色のみであることが好ましい。図7(c)に、なめし皮(レザー)様の不規則な形状で不規則な配列である凹凸を無数に設けたエンボス模様を示す。なめし皮様のエンボス模様と繊維との組み合わせによって、大理石調の意匠面に形成することができる。不規則な形状のエンボス模様も、意匠面全体に設けることが好ましい。不規則なエンボス模様と基礎材料中に配向性を有して混在する繊維との組み合わせによって、大理石調に近い意匠面とすることができる。
【0038】
このように、基礎材料と繊維とが異なる色に形成されて目視される意匠面に、さらにエンボス模様を付けることによって、意匠面を所望の模様により近づけることができる。このことによって、種々の布や大理石などの資材の色や質感に類似した意匠を形成することができる。意匠面に凹凸のエンボス模様が形成されると、意匠面で目視される繊維と凹凸との組合わせによって、前記資材により一層近似した意匠に見える。また、意匠面に形成される凹凸の密度、方向や間隔を調整することにより、布目調においても異なる織り方、編み方をした布目に近似させることもできる。
【0039】
長尺体の意匠部以外の部分は、その部位の機能や作用などに応じて、種々の材料で種々の形状に形成することができる。図1,2に示す車両用のオープニングトリムやトランクルーム材である長尺体1a,1bでは、本体部3a,3bは、それぞれ車体パネルのドア開口フランジとトランク開口フランジへの取り付け部を構成している。すなわち、本体部3a,3bは、車両の開口端部のフランジ部分が挿入される溝状部7a,7bと、溝状部7a,7bの内壁から溝状部7a,7b内に突出して設けられたリップ9a,9bとを備えている。リップ9a,9bは、弾性変形可能に形成されており、フランジ部分に弾接して挟持する部分で、これにより長尺体1a,1bが固定される。本体部3a,3bは、それぞれ弾性変形可能で反発力が所定以上であるゴム材料で形成されている。
また、本体部3a,3bのドアまたはトランクの蓋に当接する側には、中空状のシール部8a,8bが設けられている。シール部8a,8bは弾性変形しやすいように、発泡ゴム材料(スポンジゴム)で成形することができる。
【0040】
また、図3,4に示す建築物の目地材としての長尺体1c,1dでは、本体部3c,3dは、それぞれ、パネル端面間の目地に挿入されて、パネル間をシールする部位である。具体的には、本体部3c,3dは、目地に沿って延びるように設けられ、芯材が埋設された略板状の脚部11c,11dと、脚部11c,11dから両側部に意匠部5c,5d側に傾斜して延びるリップ13c,13dとを備えている。長尺体1c,1dの脚部11c,11dおよびリップ13c,13dは、弾性変形性、弾発力、およびシール性(水密性)の観点から、EPDMなどのゴム材料で形成されている。
【0041】
本発明にかかる長尺体は、任意の形状の表面を、繊維を含む材料で押出成形することによって得ることができる。意匠部5a〜5dは、図1〜4の部位に限定されず、例えば、シール部8a,8bを除く、本体部3a〜3dの外面全体に形成されていても良い。
【0042】
また、エンボス模様は、上記形態に限定されず、目的に応じて種々の模様とすることができる。例えば、目地材では、唐草模様など建築外装に用いられる種々の模様、紋様などの立体形状であっても良い。また、意匠部に繊維、または繊維とエンボス模様との組み合わせによって付与される意匠は、布目調、石材調に限定されず、例えば、木目調など、種々の意匠を選択しうることは、言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】
本発明では、表面が布目調や大理石調の意匠部を備える長尺体を提供することによって、長尺体の周囲の装飾表面に調和した長尺体とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る長尺体であるドアオープニングトリムの斜視図である。
【図2】 本発明に係る長尺体であるトランクシール材の斜視図である。
【図3】 本発明に係る長尺体である被せタイプの目地材の斜視図である。
【図4】 本発明に係る長尺体である落とし込みタイプの目地材の斜視図である。
【図5】 図1の長尺体の意匠部の意匠面を示す正面図である。
【図6】 本発明に係る意匠部において、エンボス模様が施されている例を示す平面図である。
【図7】 本発明に係る意匠部において、エンボス模様が施されている例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 長尺体
3 本体部
5 意匠部
6 意匠面
7 溝状部
8 シール部
9,13 リップ
11 脚部
Claims (11)
- 被取付体に弾接して係止するリップを有する本体部と、前記本体部の目視される部分の表面に形成された意匠部とを備える押出成形された長尺体であって、
前記本体部はゴム材料で形成され、
前記意匠部は、着色されたオレフィン系熱可塑性エラストマー材料によって形成された基礎材料と、前記基礎材料の色とは異なりかつ前記基礎材料の色よりも濃色を呈し、前記基礎材料に混入されて前記意匠部の内部に埋まっていて、前記長尺体の長手方向に沿う配向性を有する繊維とを含有し、前記基礎材料の色は前記繊維が前記基礎材料を通して透視可能なように淡色である長尺体。 - 前記繊維は、複数種類の互いに異なる長さおよび複数種類の互いに異なる色を呈する繊維を含んでいる請求項1に記載の長尺体。
- 前記繊維の色は、1種類である、請求項1に記載の長尺体。
- 前記意匠部の表面には、エンボス模様が形成されている請求項1から3のいずれかに記載の長尺体。
- 前記エンボス模様は、同様な単位模様が当該長尺体の長手方向および/または幅方向に規則的に配列されて形成されている請求項4に記載の長尺体。
- 前記エンボス模様は、不規則な形状で不規則に配列されて形成されている請求項4に記載の長尺体。
- 前記エンボス模様は、なめし皮様である、請求項6に記載の長尺体。
- 前記繊維は、前記意匠部の基礎材料100質量%に対して、1〜10質量%混入されている、請求項1から7のいずれかに記載の長尺体。
- 前記繊維は、長さが5mm以下である、請求項1から8のいずれかに記載の長尺体。
- 前記長尺体は、車両用のオープニングトリムである、請求項1から9のいずれかに記載の長尺体。
- 前記長尺体は、建築物の外装パネルの端面間の目地をシールする目地材である、請求項1から9のいずれかに記載の長尺体。
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