JP2006056193A - 長尺成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 押出成形により形成された長手方向に連続する長尺成形品において、長尺成形品50は、長尺成形品本体51と、長尺成形品本体51の表面に一体的に設けられた装飾層57を有し、装飾層57は、メルトフローレート(MFR)が3〜15(g/10min,230℃、98N)の熱可塑性エラストマーをベース材料として押出成形により層状に形成されたものであり、装飾層は、平均セル径が10μm〜20μmの独立気泡を有するとともに、バックスキン調又は梨地調の外観を有することまたは、平均セル径が30μm〜40μmの独立気泡を有するとともに、テキスタイル調の外観を有することを特徴とする長尺成形品である。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、自動車の車室内の内装部品との調和と見栄えの向上のため、各種の表面模様と色彩を持った製品が必要とされてきた。また、耐候性や耐薬品性等を向上させるために特別な材料を表面に設けることも必要とされてきた。
上記の要望から、自動車用ウエザストリップの押出成形された長尺成形品本体の表面に織物や表皮材あるいは着色された装飾層を設けることが行われている。
その後、所定の寸法に切断して、必要な場合は、コーナー部等を型成形して、製品としている。
このため、図7に示すように、装飾層157として熱可塑性エラストマーの発泡層を使用することが行なわれている(例えば、特許文献3、4参照。)。
装飾層は、長尺成形品本体と一体的に設けられ、長尺成形品本体の押出成形後に一連の工程の中で連続して形成することができる。
装飾層は、平均セル径が10μm〜20μmの独立気泡を有するため、装飾層の表面に大きな凹凸がなく、表面が微細な凹凸となり、光沢を抑えた、感触の良い、高級感を有することができる。これによって装飾層57の表面は、バックスキン調又は梨地調の外観を有するため、落ち着いた光沢を有し、皮革状の模様を形成し、視覚的にも触覚的にも高級感のある模様を形成することができる。
凹凸模様の深さよりも線状溝部の深さの方が深いため、線状溝部の大きな溝及び、溝と溝の間の部分に凹凸模様の細かい凹凸又は、溝が形成されて2種類の異なった大きさの凹凸又は溝により多様な模様、例えば幾何学模様、布目模様、スエード調の模様等を表現できる。
また、装飾層は熱可塑性エラストマー製のため、装飾層を成形した後に加硫する必要がなく、形成した模様が消失したり、凹凸が小さくなることがなく、EPDMに接着した後でも柔軟性を有することができる。
装飾層は、メルトフローレート(MFR)が3〜15(g/10min,230℃、98N)の熱可塑性エラストマーをベース材料として押出成形により層状に形成されたものである。このため、装飾層は、気泡の大きさが均一であり、緻密な気泡であり、独立気泡を形成することができる。
装飾層は、平均セル径が30μm〜40μmの独立気泡を有し、テキスタイル調の外観を有する場合は、見た目が織物のようになり、織布を貼り付けたものと同様の食感のよい、高級感のある模様を形成できる。
図1は、本実施の形態の成形方法で製造される自動車用ウエザストリップ50の断面図である。ウエザストリップ50は、トリム部52とカバーリップ53と中空シール部58からなるウエザストリップ本体51と、そのトリム部52とカバーリップ53の上面に設けられた装飾層57から構成される。
トリム部52は、ゴム、熱可塑性エラストマー等のソリッド材又は微発泡材で形成され、中空シール部58は、柔軟性と弾力性のためゴムや熱可塑性エラストマー等のスポンジ材で構成されている。ゴムとしては、例えば合成ゴムであるEPDMゴムを使用することができる。
装飾層57は熱可塑性エラストマーの発泡材で構成されている。熱可塑性エラストマーとしては、ウエザストリップ本体51がEPDMゴムで形成される場合は、オレフィン系熱可塑性エラストマーを使用することが、ウエザストリップ本体51と装飾層57との接着が強くなるため好ましい。
装飾層57は、平均セル径が30μm〜40μmの独立気泡を有して、テキスタイル調の外観を有する場合は、上記の装飾層57の表面と比べて若干凹凸感があり、見た目が織物のようになり、織布を貼り付けたものと同様の触感のよい、肌触りのよい高級感のある模様を形成できる。
装飾層57の表面は、第4図では、平均セル径が10μm〜40μmの独立気泡を有する微細な凹凸模様57cと長手方向に連続する複数本の線状溝部57bが設けられている。凹凸模様57cは、装飾層57の略全面に亘り設けられている。この凹凸模様57cは、装飾層57を発泡させてその表面に設けた、微細な凹凸である。この凹凸模様57cにより、装飾層57の表面の光沢を抑えて、高級感をかもし出し、触感を向上させることができる。
この凹凸模様57cの深さは、バックスキン調又は梨地調の外観の場合は、10μm〜20μmが好ましく、テキスタイル調の場合は、30μm〜40μmが好ましい。線状溝部57bの溝の深さは160μm〜800μmの深さが好ましく、より好ましくは200μm〜600μmの深さに形成される。このような模様の深さのため、凹凸模様57cは、微細な模様を表現することができ、線状溝部57bは、凹凸模様に比べて充分大きい溝となり、線状溝部57bの上を、凹凸模様57cに覆われるように形成される。このため、2種類の模様が複合的に又は重畳的に形成される。
このように線状溝部57bと凹凸模様57cが同じ表面に複合されて同時に形成されているため、多様な模様を形成することができ、織物や皮革のような良好な触感を得ることができる。
装飾層57の表面は、大きな凹凸形状で長手方向に連続する線状溝部57bと、その線状溝部57bの表面に小さく全面的に設けられた凹凸模様57cと、から形成されている。上記の通り、凹凸模様57cと線状溝部57bは、深さが大きく異なり、この凹凸模様57cと線状溝部57bが複合的に形成されているため、多様な模様を形成することができる。さらに、小さな凹凸と、大きな凹凸の両方により、織物や皮革のような高級な美観と触感を得ることができる。
この実施の形態の装飾層57は、凹凸模様57cが微細な凹凸模様で形成され、線状溝部57bが長手方向と幅方向に設けられた網目模様である。この凹凸模様57cの深さは、上述の通り、10μm〜40μmが好ましい。この網目模様により、皮革又は布目の外観を得ることができ、微細な凹凸により布目を構成する糸の表面の微細な凹凸の状態を得ることができため、皮革又は、織物に近い外観と感触を得ることができる。
凹凸模様57cの深さは、上記の形態と同様に10μm〜40μmが好ましい。このように線状溝部57bと凹凸模様57cが同じ表面に重畳的に同時に形成されているため、線状溝部57bと凹凸模様57cの両方の感触が合わせられて、織物のような良好な触感を得ることができる。
ウエザストリップ50は、まず、ウエザストリップ本体51が押出成形機(図示せず)により成形される。押出成形機に芯金54を供給し、押出成形機によりトリム部52及びカバーリップ53を構成するソリッド材と中空シール部58を構成するスポンジ材を同時に押出してウエザストリップ本体51を押出成形する。その後、それらの材料がゴムの場合は高周波加熱炉、熱風加熱炉(図示せず)等に移送され、加熱して加硫される。
一次プレフォーム機2の後に、ウエザストリップ本体51はプライマー塗布機3に送られる。そこでウエザストリップ本体51のトリム部52の上面とカバーリップ53の装飾層57が固着する部分に、装飾層57の固着力を強化するためにプライマーを塗布する。
さらに、ウエザストリップ本体51がEPDMで形成され、装飾層57がオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されるような、同じオレフィン系の材料の場合はより強固に接着される。
冷却槽5から出たウエザストリップ50は、引取機6により引き取られて、所定の寸法に裁断された後、ドアや車体のコーナー部等に合わせてコーナー部や端末部等が型成形されて製品となる。なお、ウエザストリップによっては両面接着テープやクリップ等が取付けられて製品となるものもある。
図3は、装飾層57を押出成形する工程の断面図である。
ウエザストリップ本体51のトリム部52及びカバーリップ53の上面上に装飾層57を設けるには、図3に示すように、まず押出成形機10のスクリュー11を回転させ、装飾層57の材料を押出ダイス40に押出す。押出材料は押出ダイス40からシート状でかつ、一定の肉厚に押出される。
このとき、貼り合せ機60のローラー61、62、63で、ウエザストリップ本体51のカバーリップの先端を包み込むように装飾層57が回り込んで接着される。
装飾層57の表面は、図4では、微細な凹凸模様57cと長手方向に連続する複数本の線状溝部57bが設けられている。この図4に示す表面模様では、押出ダイス40の出口に複数の山状の線状溝部57bを形成して、表面の凹凸模様57cは、装飾層57の発泡で形成される。凹凸模様57cは、装飾層57を発泡させてその表面に設けた微細な凹凸である。このようにして、装飾層57の表面に微細な凹凸模様57cと長手方向に連続する線状溝部57bの両方を複合的に形成することができる。
なお、この線状溝部57bは、押出ダイス40の出口ではなく、第1ローラー61又は第2ローラー62の表面に設けて、この第2ローラー62を押圧して形成してもよい。
この図6に示す表面模様では、押出ダイス40から帯状の一定に厚さを有する装飾層57を押出して、熱可塑性エラストマーの発泡により装飾層57の表面に凹凸模様をつける。その後、第1ローラー61により、凹凸模様57cよりも深さが深く、網目の間隔が大きい網目模様を線状溝部57bとして、凹凸模様57cの上から形成する。
模様が付された装飾層57は、第3ローラー63により、ウエザストリップ本体51の上面に圧着され、接着される。
なお、第2ローラー62により網目模様の形成とウエザストリップ本体51への圧着を同時に行ってもよい。
さらに、直接的に押出す場合には、熱可塑性エラストマーより融点の低い材料、例えばLLDPE(直鎖低密度ポリエチレン)を接着剤層として同時押出して形成することができる。
さらにまた、上記のLLDPEを使用した場合には、上記ローラーによる圧着の場合におけるセルの圧縮(セルが完全に潰されるのは除く)の制御が可能となり、セルの緻密性及び均一性を良好に制御できる(表面側がより緻密に構成される)。
51 ウエザストリップ本体
52 トリム部
53 カバーリップ
57 装飾層
57b 線状溝部
57c 凹凸模様
Claims (5)
- 押出成形により形成された長手方向に連続する長尺成形品において、
長尺成形品は、長尺成形品本体と、該長尺成形品本体の表面に一体的に設けられた装飾層を有し、
該装飾層は、メルトフローレート(MFR)が3〜15(g/10min,230℃、98N)の熱可塑性エラストマーをベース材料として押出成形により層状に形成されたものであり、上記装飾層は、平均セル径が10μm〜20μmの独立気泡を有するとともに、バックスキン調又は梨地調の外観を有することを特徴とする長尺成形品。 - 押出成形により形成された長手方向に連続する長尺成形品において、
長尺成形品は、長尺成形品本体と、該長尺成形品本体の表面に一体的に設けられた装飾層を有し、
該装飾層は、メルトフローレート(MFR)が3〜15(g/10min,230℃、98N)の熱可塑性エラストマーをベース材料として押出成形により層状に形成されたものであり、上記装飾層は、平均セル径が30μm〜40μmの独立気泡を有するとともに、テキスタイル調の外観を有することを特徴とする長尺成形品。 - 該装飾層は、表面に凹凸模様と複数の線状溝部がそれぞれ複合されて上記装飾層の略全面に設けられ、該凹凸模様の深さよりも該線状溝部の深さの方が深いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の長尺成形品。
- 上記線状溝部は、網目模様である請求項2又は請求項3に記載の長尺成形品。
- 上記長尺成形品は、自動車用ウエザストリップであり、上記長尺成形品本体は、ウエザストリップ本体であり、上記装飾層は、該ウエザストリップ本体のトリム部及びカバーリップの上面に設けられ、上記ウエザストリップ本体は、EPDMゴムで形成された請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の長尺成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004242518A JP2006056193A (ja) | 2004-08-23 | 2004-08-23 | 長尺成形品 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008100448A (ja) * | 2006-10-20 | 2008-05-01 | Toyoda Gosei Co Ltd | ウエザストリップ |
JP2008105666A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-05-08 | Toyoda Gosei Co Ltd | 加飾材及びウエザストリップ |
JP2009286280A (ja) * | 2008-05-29 | 2009-12-10 | Nishikawa Rubber Co Ltd | 自動車用ウェザーストリップ |
-
2004
- 2004-08-23 JP JP2004242518A patent/JP2006056193A/ja not_active Withdrawn
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