JP2003300240A - 長尺体 - Google Patents

長尺体

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JP2003300240A JP2002108353A JP2002108353A JP2003300240A JP 2003300240 A JP2003300240 A JP 2003300240A JP 2002108353 A JP2002108353 A JP 2002108353A JP 2002108353 A JP2002108353 A JP 2002108353A JP 2003300240 A JP2003300240 A JP 2003300240A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面が布目調や大理石調の意匠を備える長尺体
を提供する。 【解決手段】可塑物からなり、意匠部を備える押し出し
成形された長尺体であって、前記意匠部は、基礎材料
と、前記基礎材料とは異なる色を呈し、基礎材料に混入
され、当該長尺体の長手方向に沿う配向性を有する繊維
とを含有する長尺体を提供する。この発明によれば、基
礎材料と基礎材料とは異なる色の繊維との組み合わせに
よって、意匠部の表面の意匠が構成されているため、複
数の色を備える意匠面が得られる。また、繊維の押出し
方向への配向性によって、方向性のある意匠とすること
ができる。繊維は、複数種類の長さおよび複数種類の色
の繊維を含むようにしたり、1種類の色のみを含むよう
にしたりすることで、布目調、石材調など種々の意匠に
形成できる。また、意匠部の表面に、エンボス模様を形
成することで、より良好な意匠に形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゴム、樹脂、エ
ラストマーなどの可塑物からなる長尺な押出し成形体に
関し、特に、装飾面に露出される意匠部分を備える押出
し成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用のウェザーストリップ、ドアオー
プニングトリムなどのトリム材では、装着されたときに
室内側を向く面が車室内装材と調和する意匠を備えるこ
とが望まれている。また、建築物の外装パネル間に形成
される目地をシールする目地材においてもその外面側
が、パネル外面の意匠、例えば布目調や大理石調の意匠
と調和する意匠を備えることが望まれている。従来、こ
のような要望に対しては、ゴム材料を着色したり、発泡
成形やエンボス模様の転写によって表面を立体化したり
することで対応している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、材料自体の着
色では、布や石材のように複数の色が組み合わされた意
匠を形成することは難しい。特に、ゴム材料の着色で
は、ゴム材料自体が備える色や、加硫時にかける熱や発
生するガスによって所望の発色を得られないことがあ
る。また、発泡成形やエンボス模様の転写による凹凸に
よって陰影による色調の変化を付与できるが、多様な色
の組合わせに対応することはできず、また、立体意匠に
よる質感の同調が規制されてしまう。
【0004】このような問題に鑑みて、布地に粘着テー
プが貼り付けられたいわゆる布テープをトリム材の表面
に貼った長尺体もある。しかし、接着剤が必要となり、
また貼り付け作業が煩雑である。
【0005】そこで、本発明では、表面が布目調や大理
石調の意匠部を備える長尺体を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1にかかる発明は、可塑物からな
り、意匠部を備える押し出し成形された長尺体であっ
て、前記意匠部は、基礎材料と、前記基礎材料とは異な
る色を呈し、基礎材料に混入され、当該長尺体の長手方
向に沿う配向性を有する繊維とを含有するとしたもので
ある。この発明によれば、基礎材料と基礎材料とは異な
る色の繊維との組み合わせによって、意匠部の表面の意
匠が構成されているため、複数の色を備える意匠面が得
られる。また、繊維の押出し方向への配向性によって、
方向性のある意匠とすることができ、所望の優れた意匠
面を形成できる。なお、繊維としては、基礎材料と共に
押し出し成形する際の、または押出し成形後の加硫工程
における熱によって、溶けたり変質したりしない耐熱性
を有しておれば、特に限定されるものではなく、有機質
繊維であるか無機質繊維であるかを問わない。また色は
繊維自体が有している色であっても良いし、繊維に着色
したものであっても良い。
【0007】また、請求項2にかかる発明は、請求項1
にかかる発明において、前記繊維は、複数種類の互いに
異なる長さおよび複数種類の互いに異なる色を呈する繊
維を含んでいる長尺体としたものである。請求項2にか
かる発明によれば、請求項1の発明の作用・効果に加え
て、繊維が複数種類の長さおよび複数種類の色の繊維を
含むことによって、色および配向性の強弱が調節された
布目調外観の意匠部を得ることができる、という効果を
有する。
【0008】請求項3にかかる発明は、請求項1にかか
る発明において、前記繊維の色は、1種類である長尺体
としたものである。請求項3にかかる発明によれば、請
求項1の発明の作用・効果に加えて、一定の色調の大理
石調外観の意匠部が得られる、という効果を有する。
【0009】請求項4にかかる発明は、請求項1ないし
3にかかる発明において、前記意匠部の表面には、エン
ボス模様が形成されている長尺体としたものである。請
求項4にかかる発明によれば、請求項1ないし3にかか
る発明の作用・効果に加えて、意匠部表面にエンボス模
様を付加することによって、意匠部に立体形状が付加さ
れて、意匠の立体性が向上される、という作用・効果を
有する。また、エンボス模様と意匠部の材料中の繊維と
の組合わせによって、種々の質感、例えば布目調や大理
石調の意匠が形成される、という作用・効果を有する。
【0010】請求項5にかかる発明は、請求項4にかか
る発明において、前記エンボス模様は、同様な単位模様
が当該長尺体の長手方向および/または幅方向に規則的
に配列されて形成されている長尺体としたものである。
請求項5にかかる発明によれば、請求項4にかかる発明
の作用・効果に加えて、織り地、編み地などの規則的な
繊維の配列を有する布目調の意匠部が得られる、という
効果を有する。
【0011】請求項6にかかる発明は、請求項4にかか
る発明において、前記エンボス模様は、不規則な形状で
不規則に配列されて形成されている長尺体としたもので
ある。請求項6にかかる発明によれば、請求項4にかか
る発明の作用・効果に加えて、石材調、皮革調など、不
規則な色意匠や立体意匠を備える意匠部が得られる、と
いう効果を有する。
【0012】請求項7にかかる発明は、前記エンボス模
様は、なめし皮様である長尺体としたものである。請求
項7にかかる発明によれば、請求項6にかかる発明の作
用・効果に加えて、繊維と基礎材料とを含有する意匠表
面と、なめし皮様のエンボス模様との組合わせによって
石材調、例えば大理石調の意匠部を得ることができる、
という効果を有する。
【0013】請求項8にかかる発明は、請求項1ないし
7にかかる発明において、前記繊維は、前記意匠部の基
礎材料100質量%に対して、1〜10質量%混入され
ている長尺体としたものである。請求項8にかかる発明
によれば、請求項1ないし7にかかる発明の作用・効果
に加えて、繊維による意匠性の向上を図るとともに、基
礎材料による意匠部の強度を確保することができる、と
いう効果を有する。
【0014】請求項9にかかる発明は、請求項1ないし
8にかかる発明において、前記繊維は、長さが5mm以
下である長尺体としたものである。請求項9にかかる発
明によれば、請求項1ないし8にかかる発明の作用・効
果に加えて、押し出し成形によって布目調または大理石
調の意匠が、良好に形成される、という効果を有する。
【0015】請求項10にかかる発明は、請求項1ない
し9にかかる発明において、前記基礎材料は、オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー材料である長尺体としたもの
である。請求項10にかかる発明によれば、請求項1な
いし9にかかる発明の作用・効果に加えて、オレフィン
系熱可塑性エラストマー材料が基礎材料として用いられ
ていることによって、基礎材料に鮮明な色を付与するこ
とができ、意匠性が向上される、という作用・効果を有
する。また、熱可塑性エラストマー材料は、押し出し成
形後に加硫処理を要しないために、ゴム材料の場合と比
較して表面の色が変化したりせず、また表面に形成した
エンボス模様がその後に変形することなくそのままの形
で残るため、質感が調整された意匠が得られる、という
作用・効果を有する。
【0016】請求項11にかかる発明は、請求項1ない
し10にかかる発明において、長尺体を、車両用のオー
プニングトリムとしたものである。請求項11にかかる
発明によれば、請求項1ないし10にかかる長尺体をオ
ープニングトリムに用いることにより、内装パネルをは
じめとする車室内装に調和したオープニングトリムとす
ることができる。なお、本明細書で「オープニングトリ
ム」とは、車両において、車体の開口端または開閉する
部材の端部周りに設けられるトリム材全般をいうものと
する。例えば、ドアオープニングトリム、ラゲッジドア
オープニングトリム、バックドアオープニングトリムな
どのドアオープニングトリムや、サンルーフトリムなど
サンルーフなどの開閉する窓部分のトリムや目視される
部分を備えるウェザーストリップなどが含まれる。
【0017】請求項12にかかる発明は、請求項1ない
し10にかかる発明において、長尺体を、前記長尺体
は、建築物の外装パネルの端面間の目地をシールする目
地材としたものである。請求項12にかかる発明によれ
ば、請求項1ないし10にかかる長尺体を建築物の外装
パネルの端面間をシールする目地材に用いることによ
り、意匠部が外装パネルの外面の意匠に調和した目地材
とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、車
両や建築物などにおいて装飾されている面に露出する意
匠部分を備える押出し成形による長尺体に適用できる。
車両用に好適な本発明に係る長尺体は、例えば、図1に
示すドアオープニングトリムや図2に示すトランクシー
ル材など、車両の車室内、または車内面に露出する意匠
部分を備えるトリム材やシール材である。また、建築物
に好適な本発明に係る長尺体は、例えば、図3,4に示
す外装パネルの端面間の目地をシールする目地材であ
る。なお、図3は被せタイプの目地材、図4は落とし込
みタイプの目地材である。なお、本発明に係る長尺体
は、上述のものに限定されず、装飾された面、すなわち
意匠面を備える種々の用途の長尺体に適用できる。
【0019】本発明に係る長尺体は、意匠部を備えてい
る。意匠部は、少なくとも長尺体が所定部位に装着され
たときに外部に露出して目視される部分を含んでいる。
長尺体は、全体が意匠部の材料で構成されていても良い
し、意匠部と他の部分とは異なる材料で構成されていて
も良い。図1〜4に示す長尺体1a〜1dは、それぞ
れ、意匠部5a〜5dとは異なる材料よりなる本体部3
a〜3dを有しており、本体部3a〜3dの目視される
部分の表面に意匠部5a〜5dが形成されている。
【0020】意匠部を構成する材料は、基礎材料と基礎
材料の色とは異なる色を呈する繊維とを含有している。
繊維として使用する繊維材質は特に限定されないが、有
機質繊維では木質系セルロース繊維(パルプ)、無機質
繊維ではガラス繊維が適している。更に、繊維の色はそ
れ自体の色でも良いが、意匠面に所望の模様を形成する
ために、着色された繊維を用いると、色の選択、組み合
わせの幅が広がる。着色の容易さ、原料入手の容易さの
点からは、着色したパルプ繊維が好ましい。
【0021】基礎材料は、押し出し成形可能な種々の可
塑物材料とされ、ゴム材料、合成樹脂材料、または熱可
塑性エラストマー材料から選択することができる。これ
らの材料で成形された意匠部は、本体部と加硫接合や熱
融着、接着剤を用いた接着などによって、押出し成形と
同時または後に一体化することができる。
【0022】基礎材料は、典型的には、顔料など公知の
着色材料が添加されて、所望の色に着色されている。良
好な発色を得るためには、樹脂材料または熱可塑性エラ
ストマー材料を用いることが好ましい。特に、淡色を付
与する場合、ゴム材料は、加硫工程において加硫剤が着
色材料の色を変化または劣化させることがあるので、加
硫工程を必要としない樹脂材料または熱可塑性エラスト
マー材料を用いることが好ましい。
【0023】また、基礎材料中に含まれる繊維の配向性
を制御するには、基礎材料の粘性を調節することが好ま
しい。ゴム材料のように粘性の大きい基礎材料を用いる
と、繊維の配向性が大きくなる。また、溶融状態の樹脂
など粘性の小さい基礎材料中では、繊維の配向性は小さ
くなる。石材調、布目調などの意匠を得たい場合には、
熱可塑性エラストマー材料を用いると、適度な配向性が
得られるため、好ましい。
【0024】また、基礎材料は、押出し成形に要する温
度が小さい材料であると、この温度に耐えうる種々の繊
維を含有させることができ、好ましい。この点から、熱
可塑性エラストマー材料が好ましく、熱可塑性エラスト
マー材料中オレフィン系熱可塑性エラストマー材料がよ
り好ましい。さらに、意匠部の表面にエンボス模様を付
与する場合は、エンボス模様の成形性から、熱可塑性エ
ラストマー材料が好ましく、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーがより好ましい。
【0025】意匠部に含有される繊維は、押し出し成形
で加えられる熱に耐えうる材料のものが用いられる。例
えば、基礎材料としてオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー材料を用いる場合、セルロースやパルプ繊維など、天
然の繊維材料に由来する材料を用いることができる。ま
た、例えばスチールウールなどの金属製のものや、従
来、補強用に用いられている繊維でも良い。
【0026】繊維は、基礎材料とは異なる色を備えてい
る。これによって、意匠部に基礎材料の色以外の色を付
与することができる。繊維の色は、基礎材料と同系色で
も良いし、異なっていても良い。また、繊維は、光沢を
有するものでも良い。1の意匠部の構成材料中には、基
礎材料とは異なる単一の色の繊維のみが含まれていても
良いし、繊維どうしが互いに異なる複数の色を呈してい
ても良い。
【0027】意匠部は、基礎材料と、基礎材料とは異な
る色を呈する繊維とによって、少なくとも基礎材料の色
と繊維の色との2種類の色を備えている。この色の組合
わせによって、種々の意匠(例えば、石材調や布目調な
ど)に形成されている。例えば、意匠部に基礎材料と複
数種類の互いに異なる色を呈する2種類以上の繊維とで
互いに異なる複数の色が付与されることによって、布目
調の意匠面が得られる。すなわち、基礎材料の色を基調
とし、繊維によって異なる色が付加されることによっ
て、ニュアンスや微妙な色合いを表現できる。基礎材料
中に混合する繊維の色や割合などを調整することによっ
て、基調の色に複数の異なる色が点々と付加された繊維
によって種々の色合いに形成された実際の編み地、織り
地などに類似する色を表現できる。
【0028】また、所定の色の基礎材料に、基礎材料と
同系色で明るさや濃さの異なる色の繊維が混合された材
料では、毛羽立ちなどの立体感や石材独特の粗面の雰囲
気など立体感を付与することができる。繊維の割合や、
繊維の色を変化させることにより、同じ基礎材料を用い
て色の濃淡の異なる意匠部を形成することができる。
【0029】意匠部に含まれる繊維の長さは、特に限定
されず、押し出し成形可能な範囲内であれば種々の長さ
の繊維を使用することができる。意匠部に混入される繊
維は、単一の長さでも良いし、複数種類の長さでも良
い。繊維の長さは、繊維の意匠部中における配向性、す
なわち方向性の付与に寄与する。繊維の長さが長いほ
ど、意匠面に方向性を付与できる。繊維を含んだ基礎材
料では、図示しない押出成形機のブレーカプレートを通
過中に方向性が与えられ繊維が同一方向を向くように配
向される。繊維の長さが5mm以下であると、特に、布
目調や大理石調の意匠に好ましい程度の方向性が付与で
きる。例えば、0.1〜3.0mmの長さの繊維を用い
ることで、良好な布目調の意匠を形成することができ
た。また、大理石調の意匠は、例えば0.5〜2.0m
mの長さの繊維を基礎材料に混入させることで良好に得
ることができた。
【0030】意匠部の構成材料中における繊維の量は、
特に限定されないが、長尺材に必要とされる強度、剛
性、表面密度などが得られる範囲とされる。車両に用い
られるオープニングトリムや建築物に用いられる目地材
では、繊維は、意匠部の基礎材料100質量%に対して
1〜10質量%であることが好ましい。
【0031】基礎材料と繊維とを含有する本発明に係る
意匠面を図5に示す。図5は、図1に示す意匠部5aの
意匠面6aを取り出した正面図である。意匠面は、基礎
材料と、この基礎材料中に混在する繊維とが目視される
ことによって、基礎材料の基本の色に対して繊維によっ
て模様や色が付加されて見える。すなわち、繊維の色に
よって、基礎材料の色の中に他の色味を加えたりするこ
とができる。また、意匠面6aは、基礎材料の色の中に
多数の繊維の色が分散して視認され、多数の繊維は、そ
の配置が概ね長尺体の長手方向に一致している。すなわ
ち、各繊維は同一方向を向いて規則的に配置され、配向
性を有している。これによって、図5の意匠面は多数の
糸を規則的な方向に織って布としたような布目調の意匠
を呈する。さらに、基礎材料を淡色にし、繊維に前記淡
色よりも濃色のものを用いて、意匠面より内部に埋まっ
ている繊維が基礎材料を通して透けて見えるようにする
ことができ、奥行きのある意匠を付与することができ
る。
【0032】図1〜4にそれぞれ示す意匠部5a〜5d
には、表面、すなわち意匠面6a〜6dにエンボス模様
を施すことによって、他部材の面により類似する意匠に
形成することができる。エンボス模様の成形方法は、付
与したいエンボス模様と逆の凹凸が表面に形成されたロ
ーラ型を意匠面に押付ける公知の種々の方法を用いるこ
とができる。典型的には、押し出し成形と同時、または
押出し成形直後で、意匠部がまだ軟らかい状態のとき
に、意匠部の表面に回転自在のエンボスローラを押しつ
けてエンボス模様を形成する。
【0033】エンボス模様は、得ようとする意匠部の模
様に応じて規則的または不規則的な種々の模様とされ
る。エンボス模様は、意匠面の全体に付与されても良い
し、意匠面に部分的に付与されても良い。
【0034】意匠面には、種々のエンボス模様を付与す
ることができる。意匠面を、布目調の織り地、編み地な
ど規則的な意匠に類似させる場合は、規則的なエンボス
模様を付加する。すなわち、単位模様を有し、この単位
模様が長尺体の縦方向(長手方向)および/または横方
向(幅方向)に規則性を有して配列される形態のエンボ
ス模様を付加することが、好ましい。
【0035】図6,7は、図5に示す意匠面に種々の異
なるエンボス模様を付加したときに視認される意匠面の
種々の模様を示す。図6(a)(b)は、長尺体の長手
方向、すなわち繊維の配向方向に直角に延びる直線状の
凹凸を単位模様とし、この直線状の凹凸が長手方向に所
定間隔を保って配列されているエンボス模様である。図
6(a)の模様は、図6(b)の模様よりも単位模様が
密に形成してある。これにより、意匠面は長手方向に配
向する繊維と、これに直交するエンボス模様との組み合
わせで実際の織布に似た意匠により近づけられている。
また、凹凸の長手方向の幅を調整することで、布目調に
粗密(図6(a),(b)参照)を表現することができ
る。
【0036】図6(c)(d)は、長尺体の長手方向に
直角な方向に凹凸を有する部分と凹凸を有しない部分と
を備える単位模様が、長尺体の横(幅)方向に所定の間
隔を保って配列されているエンボス模様である。図6
(c)では、凹凸部分は、長尺体の長手方向に直角に延
びる直線状の凹凸であり、図6(d)では、凹凸部分
は、長尺体の長手方向に対して傾斜して延びる直線状の
凹凸である。凹凸を有しない部分と有する部分とを単位
模様として横方向に規則的に配列することによって、図
6(a),(b)とは異なるパターンの織布に似せた意
匠面を形成することができる。
【0037】また、エンボス模様は、一方向に配列され
た直線状の凹凸に限定されない。例えば、図7(a)に
示すように、縦方向に直線状の凹凸を備える部分と、横
方向に直線状の凹凸を備える部分とが、縦方向および横
方向にそれぞれ交互に配列されていても良い。このエン
ボス模様では、特に、織り地調の意匠面が得られる。ま
た、図7(b)に示すエンボス模様は、くの字状、すな
わち折れ線状の凹凸が、長手方向に屈曲する向きで複数
配列されるとともに、くの字の端部に沿って直線状の凹
凸が延びている。すなわち、単位模様は、くの字状の凹
凸とその一端側に延びる直線状の凹凸であり、横方向に
配列されている。このエンボス模様によって、比較的太
い糸を使って織った織り地調の意匠面が得られる。
【0038】また、意匠面を不織布や大理石などの石材
といった不規則な意匠に類似させるときは、不規則なエ
ンボス模様を設けることが好ましい。なお、この場合、
基礎材料に混入される繊維は、基礎材料の色とは異なる
一色のみであることが好ましい。図7(c)に、なめし
皮(レザー)様の不規則な形状で不規則な配列である凹
凸を無数に設けたエンボス模様を示す。なめし皮様のエ
ンボス模様と繊維との組み合わせによって、大理石調の
意匠面に形成することができる。不規則な形状のエンボ
ス模様も、意匠面全体に設けることが好ましい。不規則
なエンボス模様と基礎材料中に配向性を有して混在する
繊維との組み合わせによって、大理石調に近い意匠面と
することができる。
【0039】このように、基礎材料と繊維とが異なる色
に形成されて目視される意匠面に、さらにエンボス模様
を付けることによって、意匠面を所望の模様により近づ
けることができる。このことによって、種々の布や大理
石などの資材の色や質感に類似した意匠を形成すること
ができる。意匠面に凹凸のエンボス模様が形成される
と、意匠面で目視される繊維と凹凸との組合わせによっ
て、前記資材により一層近似した意匠に見える。また、
意匠面に形成される凹凸の密度、方向や間隔を調整する
ことにより、布目調においても異なる織り方、編み方を
した布目に近似させることもできる。
【0040】長尺体の意匠部以外の部分は、その部位の
機能や作用などに応じて、種々の材料で種々の形状に形
成することができる。図1,2に示す車両用のオープニ
ングトリムである長尺体1a,1bでは、本体部3a,
3bは、それぞれ車体パネルのドア開口フランジとトラ
ンク開口フランジへの取り付け部を構成している。すな
わち、本体部3a,3bは、車両の開口端部のフランジ
部分が挿入される溝状部7a,7bと、溝状部7a,7
bの内壁から溝状部7a,7b内に突出して設けられた
リップ9a,9bとを備えている。リップ9a,9b
は、弾性変形可能に形成されており、フランジ部分に弾
接して挟持する部分で、これにより長尺体1a,1bが
固定される。本体部3a,3bは、それぞれ弾性変形可
能で反発力が所定以上であるゴム材料または熱可塑性エ
ラストマー材料で形成されている。また、本体部3a,
3bのドアまたはトランクの蓋に当接する側には、中空
状のシール部8a,8bが設けられている。シール部8
a,8bは弾性変形しやすいように、発泡ゴム材料(ス
ポンジゴム)や発泡熱可塑性エラストマー材料で成形す
ることができる。
【0041】また、図3,4に示す建築物の目地材とし
ての長尺体1c,1dでは、本体部3c,3dは、それ
ぞれ、パネル端面間の目地に挿入されて、パネル間をシ
ールする部位である。具体的には、本体部3c,3d
は、目地に沿って延びるように設けられ、芯材が埋設さ
れた略板状の脚部11c,11dと、脚部11c,11
dから両側部に意匠部5c,5d側に傾斜して延びるリ
ップ13c,13dとを備えている。長尺体1c,1d
の脚部11c,11dおよびリップ13c,13dは、
弾性変形性、弾発力、およびシール性(水密性)の観点
から、EPDMなどのゴム材料で形成されている。
【0042】本発明にかかる長尺体は、任意の形状の表
面を、繊維を含む材料で押し出し成形することによって
得ることができる。意匠部5a〜5dは、図1〜4の部
位に限定されず、例えば、シール部8a,8bを除く、
本体部3a,3bの外面全体に形成されていても良い。
また、トリム材、シール材などの機能を損なわない範囲
で、リップ9a,9bの一部を意匠部の材料で成形して
も良いことは、もちろんである。
【0043】また、エンボス模様は、上記形態に限定さ
れず、目的に応じて種々の模様とすることができる。例
えば、目地材では、唐草模様など建築外装に用いられる
種々の模様、紋様などの立体形状であっても良い。ま
た、意匠部に繊維、または繊維とエンボス模様との組み
合わせによって付与される意匠は、布目調、石材調に限
定されず、例えば、木目調など、種々の意匠を選択しう
ることは、言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】本発明では、表面が布目調や大理石調の
意匠部を備える長尺体を提供することによって、長尺体
の周囲の装飾表面に調和した長尺体とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る長尺体であるドアオープニングト
リムの斜視図である。
【図2】本発明に係る長尺体であるトランクシール材の
斜視図である。
【図3】本発明に係る長尺体である被せタイプの目地材
の斜視図である。
【図4】本発明に係る長尺体である落とし込みタイプの
目地材の斜視図である。
【図5】図1の長尺体の意匠部の意匠面を示す正面図で
ある。
【図6】本発明に係る意匠部において、エンボス模様が
施されている例を示す平面図である。
【図7】本発明に係る意匠部において、エンボス模様が
施されている例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 長尺体 3 本体部 5 意匠部 6 意匠面 7 溝状部 8 シール部 9,13 リップ 11 脚部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 31:30 B29L 31:30 Fターム(参考) 4F207 AA21 AB12 AB16 AB25 AF07 AG20 AH23 AH47 KA01 KA17 KA20 KB21 KB28 KF02 KL65 KW42

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可塑物からなり、意匠部を備える押し出し
    成形された長尺体であって、 前記意匠部は、基礎材料と、前記基礎材料とは異なる色
    を呈し、基礎材料に混入され、当該長尺体の長手方向に
    沿う配向性を有する繊維とを含有する長尺体。
  2. 【請求項2】前記繊維は、複数種類の互いに異なる長さ
    および複数種類の互いに異なる色を呈する繊維を含んで
    いる請求項1に記載の長尺体。
  3. 【請求項3】前記繊維の色は、1種類である、請求項1
    に記載の長尺体。
  4. 【請求項4】前記意匠部の表面には、エンボス模様が形
    成されている請求項1から3のいずれかに記載の長尺
    体。
  5. 【請求項5】前記エンボス模様は、同様な単位模様が当
    該長尺体の長手方向および/または幅方向に規則的に配
    列されて形成されている請求項4に記載の長尺体。
  6. 【請求項6】前記エンボス模様は、不規則な形状で不規
    則に配列されて形成されている請求項4に記載の長尺
    体。
  7. 【請求項7】前記エンボス模様は、なめし皮様である、
    請求項6に記載の長尺体。
  8. 【請求項8】前記繊維は、前記意匠部の基礎材料100
    質量%に対して、1〜10質量%混入されている、請求
    項1から7のいずれかに記載の長尺体。
  9. 【請求項9】前記繊維は、長さが5mm以下である、請
    求項1から8のいずれかに記載の長尺体。
  10. 【請求項10】前記基礎材料は、オレフィン系熱可塑性
    エラストマー材料である、請求項1から9のいずれかに
    記載の長尺体。
  11. 【請求項11】前記長尺体は、車両用のオープニングト
    リムである、請求項1から10のいずれかに記載の長尺
    体。
  12. 【請求項12】前記長尺体は、建築物の外装パネルの端
    面間の目地をシールする目地材である、請求項1から1
    0のいずれかに記載の長尺体。
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JP2009007456A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Taisei Kikaku:Kk 複合材、その製造方法及び製造装置

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