JP3952911B2 - プレート式熱交換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、プレート式熱交換器に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
複数の伝熱プレートを交互に積層して第1流体通路と第2流体通路とを隣接積層配置し、前記第1流体通路を流れる第1流体と前記第2流体通路を流れる第2流体とを熱交換させるように構成したプレート式熱交換器は従来から良く知られている(例えば、特開平10−300371号公報参照)。
【0004】
上記公知例のような構造のプレート式熱交換器を蒸発器として使用する場合、R407C等の圧力の高い冷媒を第1流体として用いると、第1流体通路を構成する伝熱プレートの強度を高める必要がある。このような強度確保の必要から、伝熱プレートにおける伝熱面として、山部と谷部とを交互に形成した波形伝熱面を採用することが一般的に行われている。また、散布される第1流体(例えば、液冷媒)の濡れ長さを稼ぐ必要があるところから、山部と谷部とが鉛直方向に対して反転傾斜を繰り返すジグザグの流路を形成すべく波形形状とされる。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記のような波形形状の伝熱面を採用した場合、プレート式熱交換器が第1流体(例えば、液冷媒)に浸漬される満液式では、液冷媒中において沸騰、蒸発することとなっているため、波形形状の伝熱面の全てが熱交換のために使用されるため全く問題にならないが、第1流体通路に対して上方から第1流体を散布して、第1流体通路を構成する伝熱プレートにおける伝熱面を第1流体が液膜となって流下する液膜流下式の場合、蒸発する蒸気の流路を確保する必要があるところから、波形のピッチ(即ち、山部と山部との間隔)を広くする必要がある。この場合、山部の一つ(即ち、散布部に対応する山部のうち最下端に位置する山部)に遮られて、第1流体(例えば、液冷媒)が流れない領域(即ち、熱交換が行われない領域)が生じてしまい、熱交換性能の低下を招くという不具合が生じる。
【0006】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、伝熱プレートにおける伝熱面の全てが第1流体により濡れ得るようにし、もって熱交換性能の向上を図ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、複数の伝熱プレート1A,1A・・および1B,1B・・を交互に積層して第1流体通路2と第2流体通路3とを隣接積層配置してなり、前記第1流体通路2を、前記各伝熱プレート1A,1Bにそれぞれ形成され且つ鉛直方向に対して所定の傾斜角で互いに反対向きに傾斜する多数の傾斜通路4A,4A・・および4B,4B・・で構成するとともに、前記伝熱プレート1A側の傾斜通路4A,4A・・と前記伝熱プレート1B側の傾斜通路4B,4B・・とを連通させるように構成して、前記第1流体通路2を上方から下方に向かって流れる第1流体Xと前記第2流体通路3を流れる第2流体Yとを熱交換させるように構成したプレート式熱交換器において、前記各伝熱プレート1A,1Bの上端部に、前記第1流体Xを散布する液散布部5A,5Bをそれぞれ設け且つ前記傾斜通路4A,4A・・および4B,4B・・を、前記液散布部5A,5Bの下方に位置して互いに反対向きに傾斜し且つ互いに接合される高い山部11A,11A・・および11B,11B・・間に形成される谷部12A,12A・・および12B,12B・・により構成する一方、前記伝熱プレート1A,1Bの両側部に、前記第2流体Yを導入する入口側ヘッダ14および前記第2流体Yを導出する出口側ヘッダ15がそれぞれ嵌挿され且つ互いに接合されるヘッダ嵌挿部16,17を形成するとともに、該ヘッダ嵌挿部16,17と前記高い山部11A,11Bの下端11Aa,11Baとを連接している。
【0008】
上記のように構成したことにより、第1流体通路2を構成する伝熱プレート1A側の傾斜通路4A,4A・・と伝熱プレート1B側の傾斜通路4B,4B・・とが交差状態で連通されているため、伝熱プレート1A側の傾斜通路4A,4A・・あるいは伝熱プレート1B側の傾斜通路4B,4B・・を流れる第1流体Xは、下方に流下する過程において伝熱プレート1B側の傾斜通路4B,4B・・あるいは伝熱プレート1A側の傾斜通路4A,4A・・に流れ込むことができることとなり、伝熱プレート1A,1Bにおける伝熱面全体が第1流体Xに濡らされることとなる。従って、熱交換が行われない領域がなくなるところから、熱交換性能が大幅に向上することとなる。また、液散布部5A,5Bから散布された第1流体Xが、互いに反対向きに傾斜し且つ互いに接合される高い山部11A,11A・・および11B,11B・・間に形成される谷部12A,12A・・および12B,12B・・からなる伝熱プレート1Aあるいは1B側の傾斜通路4A,4A・・および4B,4B・・を伝って流下する過程において該高い山部11A,11A・・および11B,11B・・を乗り越えて伝熱プレート1Bあるいは1A側の傾斜通路4B,4B・・あるいは4A,4A・・に流れ込むことができることとなり、高い山部11A,11A・・および11B,11B・・と谷部12A,12A・・および12B,12B・・を形成するだけで、伝熱プレート1A側の傾斜通路4A,4A・・と伝熱プレート1B側の傾 斜通路4B,4B・・とを連通させることができる。さらに、伝熱プレート1Aあるいは1B側の傾斜通路4A,4Bのうちでヘッダ嵌挿部16,17に下端部11Aa,11Baが連接されている高い山部11A,11Bの上方部位に第1流体Xが滞留する滞留部分ZA,ZB・・が発生するが、該滞留部分ZA,ZB・・に滞留した第1流体Xは、該滞留部分ZA,ZB・・において交差する傾斜通路4A,4Bに回り込むことができることとなり、滞留部分ZA,ZB・・への第1流体Xの滞留が解消できる。
【0009】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えたプレート式熱交換器において、前記各谷部12A,12Bに、前記高い山部11A,11Bより低い山部13A,13Bをそれぞれ形成することもでき、そのように構成した場合、高い山部11A,11A・・および11B,11B・・のピッチを広くすることができることとなり、第1流体Xを蒸発させる蒸発器として使用した場合、蒸気が通り易くなるとともに、低い山部13A,13Bが伝熱プレート1A,1Bの強度を補強するリブとしても作用する。
【0010】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えたプレート式熱交換器において、前記各傾斜通路4A,4Bを、その下端において傾斜方向が反転を繰り返す複数段の傾斜通路により構成することもでき、そのように構成した場合、第1流体通路2を流れる第1流体Xの濡れ長さを可及的に長くできることとなり、熱交換能力の増大を図ることができる。
【発明の実施の形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について詳述する。
【0012】
第1の実施の形態
図1ないし図5には、本願発明の第1の実施の形態にかかるプレート式熱交換器が示されている。
【0013】
このプレート式熱交換器は、複数の伝熱プレート1A,1A・・および1B,1B・・を交互に積層して第1流体通路2と第2流体通路3とを隣接積層配置してなり、前記第1流体通路2を上方から下方に向かって流れる第1流体Xと前記第2流体通路3を流れる第2流体Yとを熱交換させるように構成されている。この場合、伝熱プレート1A,1A・・および1B,1B・・の外周部は互いに接合されており、内部には、密閉空間が形成されることとなっている。
【0014】
前記第1流体通路2は、前記各伝熱プレート1A,1Bにそれぞれ形成され且つ鉛直方向に対して所定の傾斜角で互いに反対向きに傾斜する多数の傾斜通路4A,4A・・および4B,4B・・であって、その下端において傾斜方向が反転を繰り返す複数段の傾斜通路により構成されている。このようにすると、第1流体通路2を流れる第1流体Xの濡れ長さを可及的に長くできることとなり、熱交換能力の増大を図ることができる。なお、これらの傾斜通路4A,4A・・および4B,4B・・は、上端の1段のみとすることもできる。
【0015】
前記各伝熱プレート1A,1Bの上端部中央には、前記第1流体Xを散布する液散布部5A,5Bがそれぞれ設けられている。該液散布部5A,5Bは、共に同構造とされており、第1流体Xが流入配管6を介して流入するヘッダ部7と、該ヘッダ部7の下端に形成された流出穴8と、該流出穴8の下方に位置して該流出穴8から流入する第1流体Xの液流れを広げる液広がり部9とからなっている。符号10は補強用リブである。
【0016】
前記各傾斜通路4A,4Bは、前記液散布部5A,5Bの下方に位置して互いに反対向きに傾斜し且つ互いに接合される高い山部11A,11Aおよび11B,11B間に形成される谷部12A,12Bにより構成されている。本実施の形態においては、前記液散布部5A,5Bにおける液広がり部9の下方には、2本づつの傾斜通路4A,4Aおよび4B,4Bがそれぞれ対応することとなっているが、1本づつの傾斜通路4A,4Bが対応するように構成してもよい。
【0017】
また、前記谷部12A,12Bには、前記高い山部11A,11Bより低い山部13A,13Aおよび13B,13Bが2個づつ形成されている(図4参照)。このようにすると、高い山部12A,12Aおよび12B,12Bのピッチを広くすることができることとなり、第1流体Xを蒸発させる蒸発器として使用した場合、該蒸気が通り易くなるとともに、低い山部13A,13Aおよび13B,13Bが伝熱プレート1A,1Bの強度を補強するリブとしても作用することとなる。
【0018】
また、前記谷部12A,12Bは、互いに接合されており、前記高い山部11A,11Bおよび前記低い山部13A,13Bの間に第2流体通路3が形成されることとなっている。
【0019】
また、前記伝熱プレート1A,1Bの両側部には、前記第2流体Yを導入する4本の入口側ヘッダ14,14・・と第2流体Yを導出する4本の出口側ヘッダ15,15・・が嵌挿され且つ互いに接合される4個づつのヘッダ嵌挿部16,16・・および17,17・・が上下方向に並んで形成されている。該各ヘッダ嵌挿部16,17の高さは、前記高い山部11A,11Bと同じ高さとされている。符号18は第1流体Xの蒸気を排出する蒸気排出口である。
【0020】
また、本実施の形態においては、前記高い山部11A,11Bの下端11Aa,11Baは、前記ヘッダ嵌挿部16,17に連接されている。一方、前記高い山部11A,11Bの上端11Ab,11Bbは前記ヘッダ嵌挿部16,17に連接されてもされなくともよいこととなっている。このようにすると、伝熱プレート1Aあるいは1B側の傾斜通路4Aあるいは4Bのうちに高い山部11A,11Bの下端11Aa,11Bbとヘッダ嵌挿部16,17とが連接されている部分の上方に第1流体Xが滞留する滞留部分ZA,ZB・・が発生することとなる(図5参照)。
【0021】
上記構成のプレート式熱交換器は、例えば、図6に示す間接冷凍方式の冷凍サイクルにおいて蒸発器として使用されるものである。
【0022】
図6に示す冷凍サイクルは、圧縮機21、凝縮器22、膨張弁23および蒸発器24を順次接続してなる1次側サイクルS1と、前記蒸発器24、ポンプ25および冷却器26を順次接続してなる2次側サイクルS2とからなっており、前記1次側サイクルS1を循環する第1流体X(換言すれば、1次冷媒)としてR407Cを採用し、2次側サイクルS2を循環する第2流体(換言すれば、2次冷媒)として水を採用している。
【0023】
上記のように構成されたプレート式熱交換器においては、次のような作用効果が得られる。
【0024】
流入配管6を介してに流入した第1流体X(換言すれば、液冷媒)は、液散布部5A,5Bにおいて液流れが広げられて、点線矢印X1,X2で示すように、その下方に位置する第1流体通路2を構成する傾斜通路4A,4Bに沿って流下することとなる(図5参照)。ここで、X1は伝熱プレート1A側を流れる第1流体Xの流れを示し、X2は前記伝熱プレート1Aとともに第1流体通路2を形成する伝熱プレート1B側を流れる第1流体Xの流れを示している。
【0025】
一方、入口側ヘッダ14,14・・から流入した第2流体Y(換言すれば、水)は、第2流体通路3を通って出口側ヘッダ15,15・・から流出することとなっている。
【0026】
そして、第1流体通路2を流れる第1流体X(換言すれば、液冷媒)と第2流体通路3を流れる第2流体Y(換言すれば、水)とが熱交換することにより、第1流体Xは蒸発し、蒸気排出口18から排出され、第2流体Yは冷却される。
【0027】
ところで、このプレート式熱交換器においては、第1流体通路2を構成する伝熱プレート1A側の傾斜通路4A,4A・・と伝熱プレート1B側の傾斜通路4B,4B・・とが交差状態で連通されているため、伝熱プレート1A側の傾斜通路4A,4A・・あるいは伝熱プレート1B側の傾斜通路4B,4B・・を流れる第1流体Xは、下方に流下する過程において伝熱プレート1B側の傾斜通路4B,4B・・あるいは伝熱プレート1A側の傾斜通路4A,4A・・に流れ込むことができることとなり、伝熱プレート1A,1Bにおける伝熱面全体が第1流体Xに濡らされることとなる。従って、熱交換が行われない領域がなくなるところから、熱交換性能が大幅に向上することとなる。
【0028】
しかも、本実施の形態においては、伝熱プレート1A,1Bに高い山部11A,11Bと谷部12A,12Bを形成するだけで、伝熱プレート1A側の傾斜通路4A,4A・・と伝熱プレート1B側の傾斜通路4B,4B・・とを連通させることができる。
【0029】
また、本実施の形態においては、前記高い山部11A,11Bの下端11Aa,11Baを、前記ヘッダ嵌挿部16,17に連接させたことにより、伝熱プレート1Aあるいは1B側の傾斜通路4Aあるいは4Bのうちに高い山部11A,11Bの下端11Aa,11Bbとヘッダ嵌挿部16,17とが連接されている部分の上方に第1流体Xが滞留する滞留部分ZA,ZB・・が発生することとなる(図5参照)が、該滞留部分ZA,ZB・・に滞留した第1流体Xは、この滞留部分ZA,ZB・・において交差する傾斜通路4A,4Bに回り込むことができることとなる。従って、第1流体Xの滞留が解消できることとなり、熱交換面積を可及的に増大させることができる。
【0030】
第2の実施の形態
図7および図8には、本願発明の第2の実施の形態にかかるプレート式熱交換器が示されている。
【0031】
この場合、伝熱プレート1A,1A・・および1B,1B・・を挟む前後の枠板27,28を伝熱プレート1A,1A・・および1B,1B・・より大きく構成して一体ロウ付けするとともに、該枠板27,28の外周部間に、伝熱プレート1A,1A・・および1B,1B・・を囲む横枠板29を接合してプレート式熱交換器が構成されている。この場合、伝熱プレート1A,1A・・および1B,1B・・の外周部は開放されている。このような構成としたことにより、モナカ形状でのプレート式熱交換器が形成でき、枠板27,28がケーシングを兼ねることとなるので、低コストで製作できる。その他の構成および作用効果は、第1の実施の形態におけると同ようなので、説明を省略する。
【0032】
なお、本願発明は、フロン圧縮式チラーシステムの蒸発器、液膜流下式ダイナミック氷蓄熱における過冷却水生成用熱交換器あるいは吸収式冷凍装置における蒸発器や吸収器にも適用可能である。
【発明の効果】
【0033】
本願発明の第1の手段によれば、複数の伝熱プレート1A,1A・・および1B,1B・・を交互に積層して第1流体通路2と第2流体通路3とを隣接積層配置してなり、前記第1流体通路2を、前記各伝熱プレート1A,1Bにそれぞれ形成され且つ鉛直方向に対して所定の傾斜角で互いに反対向きに傾斜する多数の傾斜通路4A,4A・・および4B,4B・・で構成するとともに、前記伝熱プレート1A側の傾斜通路4A,4A・・と前記伝熱プレート1B側の傾斜通路4B,4B・・とを連通させるように構成して、前記第1流体通路2を上方から下方に向かって流れる第1流体Xと前記第2流体通路3を流れる第2流体Yとを熱交換させるように構成したプレート式熱交換器において、前記各伝熱プレート1A,1Bの上端部に、前記第1流体Xを散布する液散布部5A,5Bをそれぞれ設け且つ前記傾斜通路4A,4A・・および4B,4B・・を、前記液散布部5A,5Bの下方に位置して互いに反対向きに傾斜し且つ互いに接合される高い山部11A,11A・・および11B,11B・・間に形成される谷部12A,12A・・および12B,12B・・により構成する一方、前記伝熱プレート1A,1Bの両側部に、前記第2流体Yを導入する入口側ヘッダ14および前記第2流体Yを導出する出口側ヘッダ15がそれぞれ嵌挿され且つ互いに接合されるヘッダ嵌挿部16,17を形成するとともに、該ヘッダ嵌挿部16,17と前記高い山部11A,11Bの下端11Aa,11Baとを連接しているので、伝熱プレート1Aあるいは1B側の傾斜通路4A,4Bのうちでヘッダ嵌挿部16,17に下端部11Aa,11Baが連接されている高い山部11A,11Bの上方部位に第1流体Xが滞留する滞留部分ZA,ZB・・が発生するが、該滞留部分ZA,ZB・・に滞留した第1流体Xは、該滞留部分ZA,ZB・・において交差する傾斜通路4A,4Bに回り込むことができることとなり、滞留部分ZA,ZB・・への第1流体Xの滞留が解消できるという効果がある。しかも、液散布部5A,5Bから散布された第1流体Xが、互いに反対向きに傾斜し且つ互いに接合される高い山部11A,11A・・および11B,11B・・間に形成される谷部12A,12A・・および12B,12B・・からなる伝熱プレート1Aあるいは1B側の傾斜通路4A,4A・・および4B,4B・・を伝って流下する過程において該高い山部11A,11A・・および11B,11B・・を乗り越えて伝熱プレート1Bあるいは1A側の傾斜通路4B,4B・・あるいは4A,4A・・に流れ込むことができるようにしたので、高い山部11A,11A・・および11B,11B・・と谷部12A,12A・・および12B,12B・・を形成するだけで、伝熱プレート1A側の傾斜通路4A,4A・・と伝熱プレート1B側の傾斜通路4B,4B・・とを連通させることができるという効果もある。
【0034】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第2の手段として、上記第1の手段を備えたプレート式熱交換器において、前記各谷部12A,12Bに、前記高い山部11A,11Bより低い山部13A,13Bをそれぞれ形成することもでき、そのように構成した場合、高い山部11A,11A・・および11B,11B・・のピッチを広くすることができることとなり、第1流体Xを蒸発させる蒸発器として使用した場合、蒸気が通り易くなるとともに、低い山部13A,13Bが伝熱プレート1A,1Bの強度を補強するリブとしても作用する。
【0035】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えたプレート式熱交換器において、前記各傾斜通路4A,4Bを、その下端において傾斜方向が反転を繰り返す複数段の傾斜通路により構成することもでき、そのように構成した場合、第1流体通路2を流れる第1流体Xの濡れ長さを可及的に長くできることとなり、熱交換能力の増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施の形態にかかるプレート式熱交換器の正面図である。
【図2】 本願発明の第1の実施の形態にかかるプレート式熱交換器の縦断面図である。
【図3】 本願発明の第1の実施の形態にかかるプレート式熱交換器の横断面図である。
【図4】 本願発明の第1の実施の形態にかかるプレート式熱交換器の要部拡大断面図である。
【図5】 本願発明の第1の実施の形態にかかるプレート式熱交換器における第1流体の流れを説明するための正面図である。
【図6】 本願発明の第1の実施の形態にかかるプレート式熱交換器の使用例を示す冷凍サイクル図である。
【図7】 本願発明の第2の実施の形態にかかるプレート式熱交換器の正面図である。
【図8】 本願発明の第2の実施の形態にかかるプレート式熱交換器の縦断面図である。
【符号の説明】
1A,1Bは伝熱プレート、2は第1流体通路、3は第2流体通路、4A,4Bは傾斜通路、5A,5Bは液散布部、11A,11Bは高い山部、11Aa,11Baは下端部、12A,12Bは谷部、13A,13Bは低い山部、14は入口側ヘッダ、15は出口側ヘッダ、16,17はヘッダ嵌挿部、Xは第1流体、Yは第2流体、ZA,ZBは滞留領域。
Claims (3)
- 複数の伝熱プレート(1A),(1A)・・および(1B),(1B)・・を交互に積層して第1流体通路(2)と第2流体通路(3)とを隣接積層配置してなり、前記第1流体通路(2)を、前記各伝熱プレート(1A),(1B)にそれぞれ形成され且つ鉛直方向に対して所定の傾斜角で互いに反対向きに傾斜する多数の傾斜通路(4A),(4A)・・および(4B),(4B)・・で構成するとともに、前記伝熱プレート(1A)側の傾斜通路(4A),(4A)・・と前記伝熱プレート(1B)側の傾斜通路(4B),(4B)・・とを連通させるように構成して、前記第1流体通路(2)を上方から下方に向かって流れる第1流体(X)と前記第2流体通路(3)を流れる第2流体(Y)とを熱交換させるように構成したプレート式熱交換器であって、前記各伝熱プレート(1A),(1B)の上端部には、前記第1流体(X)を散布する液散布部(5A),(5B)をそれぞれ設け且つ前記傾斜通路(4A),(4A)・・および(4B),(4B)・・を、前記液散布部(5A),(5B)の下方に位置して互いに反対向きに傾斜し且つ互いに接合される高い山部(11A),(11A)・・および(11B),(11B)・・間に形成される谷部(12A),(12A)・・および(12B),(12B)・・により構成する一方、前記伝熱プレート(1A),(1B)の両側部には、前記第2流体(Y)を導入する入口側ヘッダ(14)および前記第2流体(Y)を導出する出口側ヘッダ(15)がそれぞれ嵌挿され且つ互いに接合されるヘッダ嵌挿部(16),(17)を形成するとともに、該ヘッダ嵌挿部(16),(17)と前記高い山部(11A),(11B)の下端(11Aa),(11Ba)とを連接したことを特徴とするプレート式熱交換器。
- 前記各谷部(12A),(12B)には、前記高い山部(11A),(11B)より低い山部(13A),(13B)をそれぞれ形成したことを特徴とする前記請求項1記載のプレート式熱交換器。
- 前記各傾斜通路(4A),(4B)を、その下端において傾斜方向が反転を繰り返す複数段の傾斜通路により構成したことを特徴とする前記請求項1および2のいずれか一項記載のプレート式熱交換器。
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