JP6887075B2 - 熱交換器及びそれを用いた冷凍システム - Google Patents

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Description

本発明は熱交換器及びそれを用いた冷凍システムに関し、特に、一対のヘッダ流路の間を多数の伝熱流路で接続したプレートフィン積層型の熱交換器及びそれを持つ冷凍システムに関する。
一般に空気調和機は、圧縮機によって圧縮した冷媒を凝縮器や蒸発器等の熱交換器に循環させ、被熱交換流体と熱交換させて冷房もしくは暖房を行うが、前記熱交換器の熱交換効率によって空気調和機としての性能や省エネ性が大きく左右される。従って、熱交換器は高効率化が強く求められている。
このような中にあって、冷凍システムの熱交換器は、一般的には、フィン群に伝熱管を貫通させて構成したフィンチューブ型熱交換器が用いられており、その伝熱管の細径化を図って熱交換効率の向上及び小型化が進められている。
しかしながら、上記伝熱管の細径化には限度があるため、熱交換効率の向上及び小型化は限界に近づきつつある。
一方、熱エネルギーを交換するために使用される熱交換器の中には、流路を有するプレートフィンを積層して構成したプレートフィン積層型熱交換器が知られている。
このプレートフィン積層型熱交換器は、プレートフィンの中に形成された流路を流れる流体と、積層されたプレートフィンの間を流れる第2流体との間で熱交換を行うもので、車両用の空気調和機などにおいて広く用いられている(特許文献1参照)。
図14、図15は上記特許文献1記載のプレートフィン積層型熱交換器を示し、この熱交換器100は、入口側のヘッダ流路101及び出口側のヘッダ流路102とこれらの間を接続する伝熱流路103を設けたプレートフィン104を多数積層して構成してある。
登録実用新案第3192719号公報
上記プレートフィン積層型熱交換器は伝熱流路103を凹条溝によって形成することができるのでフィンチューブ型熱交換器の伝熱管に比べさらに細くでき、かつ、その結果として、伝熱流路103の数、すなわちパス数を多くすることができ、高効率な熱交換器とすることができる。
そこで、出願人は上記構成のプレートフィン積層型熱交換器を家庭用の空気調和機に組み込んで使用することを試みている。
図12は出願人が試みているプレートフィン積層型熱交換器のヘッダ流路から伝熱流路への冷媒の流れを示す説明図、図13は同プレートフィン積層型熱交換器を構成するプレートフィンのヘッダ流路部分における冷媒の流れ状態を示す説明図である。
上記構成のプレートフィン積層型熱交換器は、蒸発器として使用している時、ヘッダ流路201に流入する冷媒が気液二相状態となっており、ヘッダ流路201内の冷媒を多数の伝熱流路203全体に均一に分配することが難しい。
これには色々な理由が考えられるが、その一つに次のようなものがあると思われる。すなわち、プレートフィン積層型熱交換器は、そのヘッダ流路201部分における冷媒が図12の実線Xで示すように波状流または層状流を呈し、入口側のヘッダ流路201内の上部には主に気状態の冷媒が、また下部には主に液状態の冷媒が流れていると思われる。そして、図12に示すヘッダ流路201からの冷媒を伝熱流路203へと流す連絡流路205(図13参照)の開口206の位置Yが、実践Xの上方或いは下方、つまり連絡流路205の開口206の位置が気状態となったり液状態となったりする。その結果、伝熱流路203には気冷媒が多く流れる部分(図12に示す伝熱流路203のうち白色部分)と液冷媒が多く流れる部分(同図12に示す伝熱流路203のうち灰色部分)とが生じ、伝熱流路203群に冷媒を均一に分配できなくなる、と推測されるのである。
以上のように、従来のプレートフィン積層型熱交換器は、伝熱流路群へ冷媒を均一に分配することが難しく、伝熱流路での熱交換に熱交換ムラが生じ、伝熱流路の細径化とパス数の増加による熱交換効率の向上効果を十分生かしきれないという課題があった。
本発明はこのような点に鑑み鋭意検討してなしたもので、伝熱流路群へ冷媒をより均等に分配できるようにして熱交換ムラを抑制し熱交換効率を高めた熱交換器及びそれを用いた省エネ性の高い冷凍システムの提供を目的としたものである。
本発明は、上記目的を達成するため、伝熱流路に冷媒を流す連絡流路の開口をヘッダ流路の下部に開口させた構成としてある。
これにより、伝熱流路にはヘッダ流路の長手方向全域にわたって同じ状態の冷媒、例えば液冷媒が流れるようになり、伝熱流路への冷媒をより均一に分配でき、熱交換ムラを抑制し熱交換効率を高めた熱交換器とすることができる。
本発明は、上記構成により、伝熱流路群へ冷媒をより均等に分配でき、熱交換ムラを抑制した熱交換効率の高い熱交換器及びそれを用いた省エネ性の高い冷凍システムを提供することができる。
本発明の実施の形態1における熱交換器の外観を示す斜視図 同熱交換器を分離した状態で示す分解斜視図 同熱交換器を構成するプレートフィンの平面図 同熱交換器を構成するプレートフィンの構成の一部を拡大して示す分解図 同熱交換器におけるヘッダ流路部分を示す斜視図 同熱交換器のヘッダ流路から冷媒流路への冷媒の流れを示す説明図 同熱交換器のヘッダ流路部分における冷媒の流れ状態を示す説明図 本発明の実施の形態2における熱交換器のヘッダ流路から冷媒流路への冷媒の流れを示す説明図 同熱交換器のヘッダ流路部分における冷媒の流れ状態を示す説明図 本発明の熱交換器を用いた実施の形態2における冷凍システムの一例として示す空気調和機の冷凍サイクル図 同空気調和機の概略断面図 本発明以前のプレートフィン積層型熱交換器におけるヘッダ流路から冷媒流路への冷媒流れを示す説明図 同プレートフィン積層型熱交換器のヘッダ流路部分における冷媒の流れ状態を示す説明図 従来のプレートフィン積層型熱交換器の断面図 同従来のプレートフィン積層型熱交換器におけるプレートフィンの平面図
第1の発明は、熱交換機であり、この熱交換器は、外部から流体を導入し排出するための一対のヘッダ流路と、前記一対のヘッダ流路の間に設けた複数の伝熱流路と、前記ヘッダ流路からの冷媒を前記伝熱流路に流す連絡流路とを備え、上記伝熱流路に冷媒を流す連絡流路はその開口をヘッダ流路の下部に接続して開口させた構成としてある。
これにより、ヘッダ流路内で気液冷媒が波状もしくは層状となっていても主にヘッダ流路下部に位置する液冷媒がヘッダ流路の長手方向全域から伝熱流路へと分流するようになり、伝熱流路への冷媒の分流を均一化できて熱交換ムラを抑制し熱交換効率を高めた熱交換器とすることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記連絡流路はヘッダ流路の下部と上部の少なくとも二か所に開口させ、前記ヘッダ流路の下部と上部からの冷媒を合流させて伝熱流路に流す構成としてある。
これにより、伝熱流路内の下部の液冷媒は下部開口から連絡流路に流れるとともに上部の気冷媒は上部開口から連絡流路に流れ、これらが連絡流路で合流して伝熱流路へと流れるので、伝熱流路に流れる冷媒の状態はヘッダ流路の長手方向全域にわたって気液が混合した略同じ状態のものとなってより均等な分流が可能となり、伝熱流路群での熱交換ムラを抑制し熱交換効率の高い熱交換器とすることができる。特に本発明の場合は、気冷媒と液冷媒が必ず混合して伝熱流路に供給されるようになるので、伝熱流路に流れる冷媒の状態をより確実に同じ状態とすることができ、熱交換効率をより高いレベルまで高めることができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記伝熱流路は複数並設するとともに前記複数の伝熱流路は分岐流路を介して連絡流路につないだ構成としてある。
これにより、分岐流路の分岐数を増やして伝熱流路数、すなわちパス数を増加させ熱交換効率を高めることができ、しかもヘッダ流路の長手方向略全域から取り込んだ略同等状態の冷媒を分岐流路によって各伝熱流路に分岐するので、パス数増による熱交換効率の向上効果を生かして更に高い熱交換効率を持つ熱交換器とすることができる。
第4の発明は、冷凍システムであり、この冷凍システムは冷凍サイクルを構成する熱交換器を前記第1〜第3のいずれかの発明に記載の熱交換器としたものである。
これにより、この冷凍システムは、熱交換器の熱交換効率が高いので、省エネ性の高い高性能な冷凍システムとすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
なお、本開示の熱交換器は、以下の実施形態に記載した熱交換器の構成に限定されるものではなく、以下の実施形態において説明する技術的思想と同等の熱交換器の構成を含む
ものである。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における熱交換器の外観を示す斜視図、図2は同熱交換器を分離した状態で示す分解斜視図である。
図1、図2において、本実施形態の熱交換器は、複数のプレートフィン2と、プレートフィン2の積層方向の両側(図1では左側及び右側)に配したエンドプレート3a、3bとを備え、前記両側のエンドプレート3a、3bをボルト等の締結手段3cにより連結固定して構成してあり、蒸発器として用いる場合には入口となり凝縮器として用いる場合は出口となる管4及びその逆となる管5とを有している。なお、本実施の形態では、熱交換器を蒸発器として使用する場合を例にして説明するので、管4を上流管4、管5を下流管5として説明する。
上記プレートフィン2を積層して構成した熱交換器1は、例えば冷凍システムの一つである空気調和機等に搭載して使用するが、その際熱交換器1は傾斜状態に設置することになる。そのためこの熱交換器1を構成するプレートフィン2は図3に示すように菱形形状としてある。
以下、上記プレートフィン2の構成を詳述する。
図3は熱交換器を構成するプレートフィンの平面図、図4は同プレートフィンの構成の一部を拡大して示す分解図、図5は同プレートフィンを積層して構成した熱交換器のヘッダ流路部分を示す斜視図、図6は同熱交換器のヘッダ流路から冷媒流路への冷媒の流れを示す説明図、図7は同熱交換器のヘッダ流路部分における冷媒の流れ状態を示す説明図である。
図3〜図7において、上記プレートフィン2は、図3に示すように、複数の並行した伝熱流路(以下、冷媒流路と称す)7とこれに繋がり蒸発器として用いる場合には入口となり凝縮器として用いる場合は出口となるヘッダ流路8(以下、上流ヘッダ流路8と称す)及びその逆となるヘッダ流路9(以下、下流ヘッダ流路9と称す)を形成した一対の板状部材2a、2b(図4参照)を向い合せにロウ付け接合して構成してあり、複数の冷媒流路7は略U字状に形成されていてこれに繋がる下流ヘッダ流路9と上流ヘッダ流路8とが一端部側に纏まった形となっている。
そして、上記構成のプレートフィン2は、図5に示すように多数積層して熱交換器の主体をなすプレートフィン積層体6を構成しており、上記上流ヘッダ流路8及び下流ヘッダ流路9が図1に示すように水平ヘッダとなるような形で使用され、各プレートフィン2同士の間には当該プレートフィン2の長辺両端部及び冷媒流路7間に適宜設けた複数の突起10(図4参照)によって第2流体である空気が流れる隙間を形成している。
ここで、上記プレートフィン2に設けた上流ヘッダ流路8及び下流ヘッダ流路9は、図4に示すように、そのヘッダ流路周りから連絡流路11が導出形成してある。そして、前記連絡流路11は分岐流路12を介して前記冷媒流路7に接続してある。つまり、上流ヘッダ流路8及び下流ヘッダ流路9と冷媒流路7との間に連絡流路11と分岐流路12を設けることによって、冷媒流路7の数、すなわちパス数を多くし、かつ、多くした冷媒流路7に円滑に冷媒を流すことができるようにしてある。
そして、上記冷媒流路7は板状部材2a、2bに凹状溝によって形成してあり、容易に細径化できるようになっている。
また、上記上流ヘッダ流路8及び下流ヘッダ流路9のうち、蒸発器として使用するときに入り口側となる上流ヘッダ流路8に設けた連絡流路11は、図7に示すように、その開口14を上流ヘッダ流路8の下部に設けてある。この実施の形態では上記開口14は上流ヘッダ流路8の上端からヘッダ流路内径の1/3より下方となる部分に位置するように設けてある。
また、冷媒流路7のうち上流ヘッダ流路8に繋がる上流ヘッダ流路側冷媒流路7aと下流ヘッダ流路9に繋がる下流ヘッダ流路側冷媒流路7bとの間にはこれら両者間の熱移動を防止すべくスリット溝15(図4参照)が形成してある。
さらにこの例では、上記下流ヘッダ流路側冷媒流路7bは本数を多くし図4に示すように下流ヘッダ流路9の連絡流路11と対向する部分は冷媒流路のない無孔部16として凝縮条件使用時に入口側となる下流ヘッダ流路9から各下流ヘッダ流路側冷媒流路7bへと流れる冷媒が無孔部16の壁部に衝突して各下流ヘッダ流路側冷媒流路7bへ均等に流れるように構成してある。
以上のように構成した熱交換ユニットについて、次にその作用効果を説明する。
上記のように構成した本実施形態のプレートフィン積層型熱交換器は、上流ヘッダ流路8に流入した冷媒がプレートフィン積層体6の各プレートフィン2の内部の冷媒流路7群を並行に流れUターンして下流ヘッダ流路9から下流管5を通して排出される。
一方、空気は、プレートフィン積層体6を構成するプレートフィン2の積層間に形成された隙間を通り抜ける。これにより第1流体である冷媒と第2流体である空気との熱交換が行われる。
ここで、上記熱交換器は、外部から冷媒が流入する上流ヘッダ流路8が水平ヘッダとなっていて、流路内の上部に主に気状態の冷媒が、また下部に主に液状態の冷媒が流がれていても、冷媒を冷媒流路7に案内する連絡流路11の開口14が図7に示すように流路下部に接続してあるから、連絡流路11の開口14は図6の破線Xで示す位置となって同図の実線Yで示すヘッダ流路内の液冷媒液面より下方に位置するようになる。
したがって、連絡流路11へは上流ヘッダ流路8の下部を流動している液状態の冷媒が流れていくことになる。そして、この液状態の冷媒が分岐流路12を介して複数の冷媒流路7へと流れていく。
すなわち、上流ヘッダ流路8に開口する冷媒流路7には上流ヘッダ流路8からその長手方向全域にわたって同じ状態の冷媒が流れるようになり、冷媒流路7への冷媒をより均一に分配でき、熱交換ムラを抑制し熱交換効率を高めた熱交換器とすることができる。
特に本実施の形態では上記連絡流路11は、その開口14を上流ヘッダ流路8の上端から流路内径の1/3より下方部分に位置させた構成としてある。
これにより、連絡流路11には上流ヘッダ流路8の長手方向全域にわたってほぼ確実に液冷媒が流れるようになり、冷媒流路7へ冷媒の均一分配の確率を上げ、熱交換ムラを抑制し高い熱交換効率を発揮する熱交換器とすることができる。
すなわち、本発明者らが実験したところによると、プレートフィン積層型熱交換器のヘッダ流路に流入する気液二相冷媒の乾き度は最大18%以下が普通であり、この乾き度1
8%以下であればヘッダ流路内で液冷媒の高さはヘッダ流路の上端から流路内径の1/3より下方部分の範囲に収まる。したがって、冷媒流路7に冷媒を流す連絡流路11の開口14を上流ヘッダ流路8の上端から流路内径の1/3より下方部分とすれば、冷媒流路7に繋がる連絡流路11の開口14は液冷媒部分となり、流速の速い気状態の冷媒が液状態の冷媒中に混入した液リッチ状態の混合冷媒となって連絡流路11から冷媒流路7へと流れるようになる。
これにより、冷媒流路7に流れる冷媒の状態は上流ヘッダ流路8の長手方向全域にわたって略同じ状態のものとなってその分流がより均等なものとなり、冷媒流路7群での熱交換ムラを抑制し熱交換効率の高い熱交換器とすることができた。
また、本実施の形態では、前記冷媒流路7は複数並設するとともに前記複数の冷媒流路7は分岐流路12を介して連絡流路11につないだ構成としてある。
これにより、冷媒流路7の数、すなわちパス数を増加させて熱交換効率を高めることができ、しかも上流ヘッダ流路8の長手方向略全域から取り込んだ略同等状態の冷媒を分岐流路12によって各冷媒流路7に分配するので、パス数増による熱交換効率の向上効果を生かして更に高い熱交換効率の熱交換器とすることができる。
(実施の形態2)
図8は本発明の実施の形態2における熱交換器のヘッダ流路から冷媒流路への冷媒の流れを示す説明図、図9は同熱交換器のヘッダ流路部分における冷媒の流れ状態を示す説明図である。
図8、図9において、この実施の形態では、連絡流路11は上流ヘッダ流路8への接続部側を少なくとも二つに分岐して上流ヘッダ流路8の下部及び上部の二か所に開口14a、14bさせた構成としてある。その他の構成は前記実施の形態1と同様であり、説明は省略する。
上記のように構成した本実施形態の熱交換器は、連絡流路11の下部の開口14aが図8の破線X位置、上部の開口14bが同図の破線XX位置に位置する。すなわち、下部の開口14aは液冷媒中に開口し、上部の開口14bは気冷媒中に開口することになる。
したがって上流ヘッダ流路8内の冷媒は下部の開口14aから液冷媒が、そして上部の開口14bから気冷媒が連絡流路11に流れ、これらの気液両冷媒が連絡流路11で合流して冷媒流路7へと流れることになる。よって、冷媒流路7に流れる冷媒の状態は必ず気状態の冷媒と液状態の冷媒が混合した同じ状態のものとなり、より均等な分流が可能となる。そして、冷媒流路7群での熱交換ムラを抑制し熱交換効率をより高いレベルまで高めることができる。
なお、本実施の形態においても、前記冷媒流路7は複数並設するとともに前記複数の冷媒流路7は分岐流路12を介して連絡流路11につないだ構成としてある。
これにより、冷媒流路7の数、すなわちパス数を増加させて熱交換効率を高めることができ、しかも上流ヘッダ流路8の長手方向略全域から取り込んだ略同等状態の冷媒を分岐流路12によって各冷媒流路7に分岐するので、パス数増による熱交換効率の向上効果を生かして更に高い熱交換効率を持つ熱交換器とすることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3は、先に示した実施の形態1、2におけるいずれかの熱交換器を用いて
構成した冷凍システムである。
図10は冷凍システムの一例として示す空気調和機の冷凍サイクル図、図11は同空気調和機の室内機を示す概略断面図である。
図10、図11において、この空気調和装置は、室外機51と、室外機51に接続された室内機52から構成されている。室外機51には、冷媒を圧縮する圧縮機53、冷房暖房運転時の冷媒回路を切り替える四方弁54、冷媒と外気の熱を交換する室外熱交換器55、冷媒を減圧する減圧器56、室外送風機59が配設されている。また、室内機52には、冷媒と室内空気の熱を交換する室内熱交換器57と、室内送風機58とが配設されている。そして、前記圧縮機53、四方弁54、室内熱交換器57、減圧器56、室外熱交換器55を冷媒回路で連結してヒートポンプ式冷凍サイクルを形成している。
本実施形態による冷媒回路には、テトラフルオロプロペンまたはトリフルオロプロペン、ジフルオロメタンまたはペンタフルオロエタンまたはテトラフルオロエタンを、単体、もしくはそれぞれ2成分混合または3成分混合した冷媒を使用している。
上記空気調和機は、冷房運転時には、四方弁54を圧縮機53の吐出側と室外熱交換器55とが連通するように切り換える。これにより、圧縮機53によって圧縮された冷媒は高温高圧の冷媒となって四方弁54を通って室外熱交換器55に送られる。そして、外気と熱交換して放熱し、高圧の液冷媒となり、減圧器56に送られる。減圧器56では減圧されて低温低圧の二相冷媒となり、室内機52に送られる。室内機52では、冷媒は室内熱交換器57に入り室内空気と熱交換して吸熱し、蒸発気化して低温のガス冷媒となる。この時室内空気は冷却されて室内を冷房する。さらに冷媒は室外機51に戻り、四方弁54を経由して圧縮機53に戻される。
暖房運転時には、四方弁54を圧縮機53の吐出側と室内機52とが連通するように切り換える。これにより、圧縮機53によって圧縮された冷媒は高温高圧の冷媒となって四方弁54を通り、室内機52に送られる。高温高圧の冷媒は室内熱交換器57に入り、室内空気と熱交換して放熱し、冷却され高圧の液冷媒となる。この時、室内空気は加熱されて室内を暖房する。その後、冷媒は減圧器56に送られ、減圧器56において減圧されて低温低圧の二相冷媒となり、室外熱交換器55に送られて外気と熱交換して蒸発気化し、四方弁54を経由して圧縮機53へ戻される。
上記のように構成された空気調和機は、その室外熱交換器55或いは室内熱交換器57の一方もしくは双方に前記各実施の形態で示した熱交換器を使用することにより、高い熱交換効率を発揮することになり、省エネ性の高い高性能な冷凍システムとすることができる。
以上、本発明に係る熱交換器およびそれを用いた冷凍システムについて、上記実施の形態を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、熱交換器を用いた冷凍システムとして空気調和機を例にして説明したが、冷蔵庫やショーケース、ヒートポンプ給湯器等のような冷凍システムであってもよいものである。つまり、今回開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、伝熱流路群へ冷媒をより均等に分配でき、熱交換ムラを抑制した熱交換効率
の高い熱交換器及びそれを用いた省エネ性の高い冷凍システムを提供することができる。よって、家庭用及び業務用エアコン等に用いる熱交換器や各種冷凍機器等に幅広く利用でき、その産業的価値は大なるものがある。
1 熱交換器
2 プレートフィン
2a 板状部材
2b 板状部材
3a、3b エンドプレート
3c 締結手段
4 上流管(管)
5 下流管(管)
6 プレートフィン積層体
7 伝熱流路(冷媒流路)
7a 上流ヘッダ流路側冷媒流路
7b 下流ヘッダ流路側冷媒流路
8 上流ヘッダ流路
9 下流ヘッダ流路
10 突起
11 連絡流路
12 分岐流路
14、14a、14b 開口
15 スリット溝
16 無孔部
51 室外機
52 室内機
53 圧縮機
54 四方弁
55 室外熱交換器
56 減圧器
57 室内熱交換器
58 室内送風機

Claims (3)

  1. 外部から流体を導入し排出するための一対のヘッダ流路と、前記一対のヘッダ流路の間に設けた多数の伝熱流路と、前記ヘッダ流路からの冷媒を前記伝熱流路に流す連絡流路とを備えた熱交換器であって、前記ヘッダ流路は前記熱交換器の下部にのみ設けられ、上記伝熱流路に冷媒を流す連絡流路はその開口を、蒸発時に入口となるヘッダ流路の下部と上部との二か所に開口させ、前記ヘッダ流路の下部と上部からの冷媒を合流させて1つの連絡流路とし再び分流させて前記伝熱流路に流す構成とした熱交換器。
  2. 伝熱流路は複数並設するとともに前記複数の伝熱流路は分岐流路を介して連絡流路につないだ構成とした請求項1記載の熱交換器。
  3. 冷凍サイクルを構成する熱交換器を請求項1または請求項2に記載の熱交換器とした冷凍システム。
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