JP3731066B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は熱交換器及び冷凍空調システムに関し、特にプレート式熱交換器を用いたチラーユニットに好適である。
【0002】
【従来の技術】
コンパクトで伝熱性能の良い熱交換器として流体の流れ方向に沿う縦溝を形成したヘリンボーン状の波形伝熱面を有する複数枚のプレートを積層したものが例えば特開平7―260384号公報に記載のように知られている。
【0003】
また、ヘリンボーンタイプ以外で圧損の低減を図り、2枚の成形プレートより成る熱交換媒体流路の内方に突出する複数の相対ビード群を設けたものとしては特開平4―32697号公報に記載のものが挙げられる。本例では、熱交換器を蒸発器と使用する際の出口側の圧力損失を低減させるため下流側に行くほど隔てる距離が大きくなるようにビード群を配している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、ヘリンボーン状の波形伝熱面の山どうしの接触点で流れが絞られる効果が緩和され圧力損失が低減されるものの、流体の一部が縦溝をバイパスして流れてしまうため有効に働かない事により伝熱性能が低下し、熱交換容量を確保するためには熱交換器を大きくしなければならない。そして、この対策として波形伝熱面の山どうしの接触点数が少なくなるよう波の角度を形成した場合、圧損を小さくする事は出来るが、耐圧強度が低下する。
【0005】
また、特開平4―32697号公報に記載のものでは、ビード群を間引く事により圧力損失が低減されるものの、流路内の乱れが減少して伝熱性能が低下する。
【0006】
本発明の目的は、コンパクトで伝熱性能が良くかつ圧力損失の少ない熱交換器及び冷凍空調システムを提供することにある。
【0007】
また、本発明の目的は、熱交換器を小型にかつ性能向上することにより、使用される冷媒量を少なくし、オゾン層破壊の恐れを少なくする、地球温暖化を防止するなど環境問題へ対応した熱交換器及び冷凍空調システムを提供することにある。
【0008】
さらに、本発明の目的は、冷媒量を少なく熱交換器の性能向上を図ると共に、熱交換器の密閉度を高め、自然系冷媒を用いても効率を良好とし、自然系冷媒の可燃性や毒性に対して安全性を高めた熱交換器及び冷凍空調システムを提供することにある。
【0009】
なお、本発明は上記課題の少なくとも一つを解決するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、上下に開口部を有するプレートが複数枚積層され、前記プレート面に設けられ前記開口部が内部に通じているシール部と、前記シール部内に前記熱交換流体の流路が形成されるようにされた熱交換器において、前記シール部内に前記プレートの厚さ方向に山状に突き出され、上端部が平坦となるように、かつ上面から見て正方型形状に形成されて網状に配置され、前記プレートの底面から前記上端部に向かって斜面となったスロープ部を有した複数の伝熱面要素を備え、前記プレートが複数枚交互に上下に反転して積層され、積層した状態では、下側の前記プレートの上端部と、上側の前記プレートの底面における前記網状配置の交差する部分と、が接触することにより、前記流路は前記伝熱面要素の間に網掛け状に形成され、前記熱交換流体の一方は前記プレートの下又は上の前記開口部から流入し前記伝熱面要素間を流れた後上又は下の開口部から流出し、他方は隣の前記プレートの上又は下の前記開口部から流入し前記伝熱面要素間を流れた後下又は上の開口部から流出するものである。
【0011】
また、上記のものにおいて、熱交換流体の一方を水、他方を冷媒としたことが望ましい。
【0012】
さらに、上記のものにおいて、熱交換流体の一方を水、他方を非共沸冷媒としたことが望ましい。
【0013】
さらに、上記のものにおいて、スロープ部に伝熱面要素の高さより小さい凹凸が形成された微細フィンを設けたことが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
プレートを複数枚積層してプレートの相互間に流路を形成し、これらの流路に温度の異なる流体を交互に流す事により熱交換を行うものは、従来の多管式等の熱交換器に比べて大幅にコンパクト化できるメリットがある。
【0015】
本発明の一実施の形態を図1ないし図6を参照して説明する。図1は一実施の形態の熱交換器に使用するプレート1の平面図であり、図5は伝熱面要素3を拡大した斜視図である。図2はそのプレート1を交互に上下反転して積層した状態を示す平面図、図3、図4、図6はその要部を拡大した断面図である。
【0016】
プレート1は薄い金属板をプレス加工することで作成が可能であり、プレート1は4個所の開口部2a、2b、2c、2dを有しているが、この内開口部2a、2bのみがそれぞれ熱交換流体の流入口及び流出口となりシール部4の内部に通じられている。そして、上下それぞれ2個所の開口部2c、2dはシール部4により仕切られる。
【0017】
伝熱面要素3は、プレート1の厚さ方向に山又は谷状に突き出され、正方型形状であり、網状に配置、あるいは千鳥状に多数配列され、その間には、網掛け状に流路5が形成される。伝熱面要素3は、図5に示すごとくプレート1面に対して垂直方向に若干出張りを持った形状をしており、プレート1底面と平面状の上端部6との間には底面から上端部に向かって斜面となったスロープ部を有する。そして、スロープ部には伝熱面要素3の高さよりも十分に小さい多数の微細な波状の凹凸が形成された微細フィン7が設けられる。微細フィン7の凹凸の高さやピッチは、例えば伝熱面要素3の高さが2〜3mm程度とし、0.1〜1.0mm、望ましくは0.5mm前後又はこれ以下の値が良い。
【0018】
図2に示したようにプレート1を交互に上下反転して積層した状態では、下側のプレート1の上端部6と上側プレート1の流路5の交差する部分が接触するようになっており、プレート1上に多数の接触点が形成され、高い耐圧強度を得る事が出来る。
【0019】
本実施の形態による熱交換器を、例えばチラーユニット用の水−冷媒熱交換器として使用する場合、熱交換性能や重力の影響を考えるとつぎのような流れ方向を有する完全対向流とするのが効果的である。すなわち、蒸発器であれば冷媒は下側の開口部2aから流入し、プレート1上の伝熱面要素3間を流れた後、上側の開口部2bから流出させ、水は上側の開口部2dから流入し、隣のプレート1上の伝熱面要素3間を流れた後、下側の開口部2cから流出させるようにする。
【0020】
逆に、凝縮器であれば冷媒は上側の開口部2bから流入し、プレート1上の伝熱面要素3間を流れた後、下側の開口部2aから流出させ、水は下側の開口部2cから流入し、隣のプレート1上の伝熱面要素3間を流れた後、上側の開口部2dから流出させるようにする。なお、流れを完全対向流とすることは、冷媒がR407C等の非共沸混合冷媒を用いた場合の冷凍サイクルの効率向上に対して特に有効である。
【0021】
本実施の形態においては、流体が開口部2a、2bのどちら側から流入してもほぼ同様の伝熱性能が得られ、冷凍サイクルに用いる高温用及び低温用の熱交換器の内どちらか一方が冷媒-空気用熱交換器である場合に、サイクルを簡素化できる。
【0022】
図3の要部拡大断面図に示されるように、プレート1間の流体は大きく絞られることなく伝熱面要素3上を流れる。また、伝熱面要素3に設けられた微細フィン7は、乱流の縞状の構造と干渉して乱流摩擦抵抗を減少させるいわゆるリブレットとして働き、特に単層流において圧損の低減に効果が見られる。よって、伝熱面要素3部での圧損は従来のものに比べて大幅に低減できる。
【0023】
図6の要部拡大断面図に示されるように、プレート1間を流れる流体は、伝熱面要素3に衝突後、スロープ部に形成された微細フィン7に沿ってスムーズに流れる。流体が冷媒の際は、微細フィン7が管内溝付き伝熱管におけるマイクロフィンと同様な機能を発揮し高い熱伝達率を得ることができる。すなわち、プレート1が蒸発面として使用される場合、二相流状態の冷媒は伝熱面要素3に衝突後、キャピラリー効果により微細フィン7に沿って伝熱面要素3のほぼ全域に広がり、伝熱面要素3全体が濡れた状態になる。
【0024】
また、プレート1が凝縮面として使用される場合、二相流状態の冷媒は伝熱面要素3に衝突後、微細フィン7に沿って流れるが、液の持つ慣性が大きい事に加え、表面張力が液を微細フィン7の隙間側へ引っ張る効果と、同じく表面張力が液を上端部6に形成されるキャビティ部に引っ張る効果との相乗作用により、微細フィン7の先端部に液膜の薄い部分が形成される。
【0025】
以上により、冷媒側については極めて高い熱伝達特性が得られる。
【0026】
流体が水の際には、プレート1上の伝熱面要素3間を流れる際に発生する三次元乱れと微細フィン7による上記の拡大伝熱面効果により非常に高い伝熱促進効果が得られる。
【0027】
さらに、プレート1を交互に上下反転して積層した状態では、伝熱面要素3の上下面を冷媒または水が流れるが、図6に示すようにいずれの場合も流体は微細フィン7の上面または下面に衝突するため、この部分で非常に高い熱伝達率が得られ、熱交換が非常に効率的に行われる。
【0028】
さらに、伝熱面要素3間を流れる際に発生する三次元乱れは水側のみならず冷媒側にも有効であり、特にR407Cに代表される非共沸混合冷媒においては、伝熱面の近くにより多く存在する相変化の起こりにくいガス成分を他の場所に拡散させることができる。そして、三次元乱れはプレート1表面にスケール等が付着するのを防止することもできる。
【0029】
さらに、プレート1上を流れる流体は、伝熱面要素3間に形成される流路5により分岐と合流を繰り返している間に流路5間での流量バランスが改善され、さらに伝熱面要素3間の適度な隙間による圧力回復効果とあいまって非常に良好な流量分配を得ることができる。このため、プレート1上の伝熱面要素3間での伝熱性能のばらつきが少なくなり、熱交換器のコンパクト化に対しても有利である。
【0030】
以上述べたように、上記の実施の形態ではその高い伝熱性能のためプレート式熱交換器のより一層のコンパクト化が可能であり、かつ低圧損構造のため圧力損失を適切なレベルに保つことが可能である。また、伝熱面要素3の形状は上面から見て方型形状、あるいは正方菱形状であるが、本発明はこれに限られることなく、例えば正六辺形を並べたハニカムパターンのようなものを用いても良い。
【0031】
本発明の他の実施の形態を図7を参照して説明する。本実施の形態での伝熱面要素3の形状は、伝熱面要素3の上端部6が下流側に来ている点を除き図1から図6の実施の形態と同じである。図のように上端部6を下流側に持っていく事により、伝熱面要素3のスロープ部のほぼ全域が流れに対して前面を向くため、伝熱面要素3に設けられた微細フィン7がより効果的に機能するようになり、熱交換流体の流れ方向が一定の場合には非常に有効である。
【0032】
図8、9は、本発明の伝熱面要素3のさらに他の実施の形態である。伝熱面要素3が上面から見て三角形状、先端が尖がった二等辺三角形であり、その一辺が熱交換流体の流れの進入方向と略垂直である。熱交換流体が図7のものに比べてよりスムーズに流れ、熱交換流体が伝熱面要素3上を流れる際の圧損のより一層の低減に対して効果がある。
【0033】
図10ないし図14は、本発明の伝熱面要素3のさらに他の実施の形態である。伝熱面要素3が上面から見て三日月型とされている。プレート1間を流れる流体は大きく絞られることがないので、伝熱面要素3部での圧損は、従来の技術で述べたヘリンボーンタイプのプレートに比べて大幅に低減する。
【0034】
また、伝熱面要素3は、図11、13、14に示すような配列パターンとしても良い。図11の配列パターンは、伝熱面要素3を同じ向きにならべたもので、流量分配を均一に保つのに効果がある。図13の配列パターンは、伝熱面要素3の向きが1列ごとに逆になっており、流体の混合が大きくなり伝熱性能が向上できる。図14の配列パターンは、伝熱面要素3の向きが横向きかつ1列ごとに逆になっており、流体は蛇行を繰り返しながら流れるため、適度な流体混合を保ちながら圧力損失を低く抑えることが可能である。
【0035】
図15ないし図17は、本発明の熱交換器の他の実施の形態である。伝熱面要素3の上端部6が伝熱面要素3の両端2個所に設けられており、二つの上端部6に挟まれるように多数の微細な波状の凹凸により形成される微細フィン7が設けられている。微細フィン7の効果、伝熱面要素3間を流れる際に発生する三次元乱れによる効果、流路5により分岐と合流を繰り返している間に流路5間での流量バランスが改善される効果は、上記の実施の形態とほぼ同様である。
【0036】
図18は、本発明の熱交換器のさらに他の実施の形態である。伝熱面要素3の形状は、プレート1の両端部を除き図15ないし図17のものと同じである。プレート1の両端部では、伝熱面要素3の上端部6が両端2個所と中央部の計3個所に設けられており、この部分の流動抵抗が相対的に大きくなっているので、流量分配の改善に大きな効果がある。よって、プレート1の全体の圧損を著しく上げることなく、プレート1内の流量分配を均一に保つことができる。
【0037】
図19は、本発明の熱交換器のさらに他の実施の形態である。伝熱面要素3の形状は、伝熱面要素3の上端部6が伝熱面要素3の中央1個所に設けられており、その両側に多数の微細な波状の凹凸により形成される微細フィン7が設けられている。流体がプレート1上の伝熱面要素3間を流れる際の流動抵抗が、既に述べたものと比べて比較的小さく、流速に差が出る場合が考えられるが、出入口開口部2の周りにガイド8を設けているので、プレート1内の流量分配を均一に保つことができる。
【0038】
図20は、本発明の熱交換器のさらに他の実施の形態である。それぞれに上端部6を有する微細フィン7が伝熱面要素3上に多数設けられており、微細フィン7間には二次流路9が形成される。流体がプレート1上の伝熱面要素3間を流れる際の流動抵抗が上記の実施の形態と比べて相対的に大きく、プレート1内の流量分配をより一層良好に保つことができる。
【0039】
図21は、図20のものにおいて、微細フィン7の高さを低くした伝熱面要素3を、プレート1の中央部付近に適当な間隔で設けたものである。これにより、プレート1内の流量分配を均一に保ちつつ、プレート1の全体の圧損を低めにすることができる。
【0040】
以上の上記の実施の形態では、プレート1がステンレス等の耐久性が高く耐食性の良い薄い金属板をプレス加工する事により作られる事を前提として述べられているが、本発明はそれに限られる事はなくプレート1は切削加工やその他の加工法により作られても良い。また、プレス加工する際に、例えばステンレス板の上にアルミや銅のような軟らかい金属をコーティングした部分に伝熱面要素3を成形すると、複雑な形状をした微細フィン7を作る事が容易となる。
【0041】
図22は、プレート1を切削加工で作る場合の実施の形態である。全ての伝熱面要素3を初め上端部6と同じ高さに成形した後に、切削加工により低くすると同時に多数の微細な凹凸を有する微細フィン7の成形を行うる。耐圧強度を得るために、高さを低くしない要素(上端部6有り)を、プレート1上の適当な間隔に設けている。このため、適度な伝熱性能とプレート1内の流量分配を保ちつつ、プレート1の全体の圧損を低めにすることができる。
【0042】
図23も、プレート1を切削加工で作る場合の他の実施の形態である。微細フィン7の方向・形状とそれを有する伝熱面要素3の配列パターンが図22のものとは異なっている。
【0043】
図24は、伝熱面要素3の両端に面取り10を施したものである。面取り10により伝熱面要素3両端部での剥離流の発生を防止する事が出来るため、圧損の低減や流量分配の安定性向上に対して効果がある。
【0044】
図25ないし図29は、プレート1をプレス加工で作る場合の実施の形態である。
図25は、プレス加工により作られたコルゲート状の伝熱面を有する2種類のプレート1、1’を一枚おきに重ねる事により形成されたプレート式熱交換器である。プレート1とプレート1’の間に形成される多数の接触面により耐圧強度を大きくできる。プレート1’での拡大伝熱面効果が顕著である。図26に示すように、プレート1、1’間を流れる流体は、主としてプレート1’の間を流れるが、プレート1により適当な間隔で形成される空間の存在のために蛇行を繰り返す。そして、この蛇行により生じる乱れのために、流体の混合が促進され伝熱性能の向上が図られる。また、プレート1’の間を流れる流体が、プレート1により形成される空間に繰り出す事を繰り返す内にプレート1、1’間を流れる流体の流量分配が改善される。また、プレート1、1’間を流れる流体が絞られる事が殆どないため、圧損が非常に小さい。
【0045】
図27ないし図29の実施の形態は、プレス加工により作られたプレート1を交互に上下反転して積層したタイプのプレート式熱交換器である。流れ方向に沿って平行な上端部6間に多数の微細な波状の凹凸により形成される微細フィン7が設けられた領域が複数設けられ、各領域の間には突起11が設けられている。よって、突起11による流体の混合促進もあり、伝熱性能を良好とし、プレート1上を流れる流体が絞られる事が殆どないため、圧損が極めて小さい。さらに、流体がプレート1上の伝熱面要素3間を流れる際の圧損が大幅に小さいため、出入口開口部2の周りにガイド8を設け、プレート1内の流量分配を均一に保ち易い。
【0046】
図30は、図27ないし図29のものにおける上端部6と微細フィン7を蛇行させて成形させたものであり、この部分での流体の混合を促進させることができる。
【0047】
図31ないし図33の実施の形態は、プレート1の開口部2付近での流量分配をさらに良くしたものである。図31でガイド8は、分岐、合流を繰り返すことにより流量分配を図るものであり、開口部2に近いほどガイド8の角度θが小さくなる。これにより特に入口側の開口部2において、上流側では均等な二相分岐を、下流側では均等な流量分岐を容易に行うことができる。
【0048】
図34は、プレート1を交互に上下反転して積層した状態での開口部2付近での要部拡大断面図である。プレート1、1’間のシール部4が接合される事により、例えば冷媒と水の二つの流路を仕切ることができる。
【0049】
図35は、蒸発器の冷媒入口13に対して図34を模式的に示したものであり、蒸発器の冷媒入口13では、冷媒は二相流として流入し、液は下側に比較的多く溜まった状態になる。この場合、プレート式熱交換器の運転状況によっては入口13側とその反対側では、液面高さに変化が生じる恐れがある。図32ないし図33のものは、上記の点を鑑みて改良したものである。
【0050】
図32は、開口部2の部分にプレート1の内側を向くように上端部6を兼ねた仕切り板12が設けられ、入口13から流入した冷媒は、開口部2の下側のみからプレート1の伝熱部に入るため、全てのプレート1において液を均等に供給し易くなる。
【0051】
図33は、開口部2の形状が三日月型をしている点が図32のものとは異なり、開口部2から流入した冷媒は非常にスムーズにプレート1の伝熱部に入るため、全てのプレート1において液を均等に供給し易いと共に開口部2での圧損を低減できる。
【0052】
また、図32から図33のものにおいては、仕切り板12は上端部6を兼ねているが、このようにする事は開口部2付近での耐圧強度を向上できる。
【0053】
本発明のプレート式熱交換器は、伝熱性能が良く、コンパクトで低圧損なため、使用する冷媒量を非常に少なくすることができる。そして、HFC冷媒等の代替冷媒を用いた際の地球温暖化防止やHC冷媒、アンモニア等の自然系冷媒を用いた際の危険防止に対して有利である。
【0054】
さらに、冷凍サイクルの高性能コンパクト化に有効であり、設置性が良く場所を取らないチラーユニットや冷凍機を得ることができる。
【0055】
さらに、プレート1が2枚で構成されたプレート型伝熱部を複数有する伝熱ユニットを、氷蓄熱の空気調和装置へ応用すれば、蓄熱槽のコンパクト化や製氷時間の短縮あるいは氷の充填率を向上でき、電力のピークシフトや電力平準化に対しても有利である。
【0056】
図36は、本発明による冷凍空調システムの実施の形態である。基本冷凍サイクルは、水-冷媒用の熱交換器20a、20b、圧縮機21、膨張弁22aにより構成され、熱交換器20a、20bは複数枚のプレートが積層され熱交換流体の流路の大きさよりも小さい凹凸が設けられた微細フィン7を有する。そして、微細フィン7により、熱交換器の伝熱性能を向上し、圧損が低減されるので、冷凍空調システムの小型化が容易となり、使用される冷媒量を少なくし、地球温暖化を防止するなどの環境問題へ対応できる。
【0057】
熱交換器20a、20bの水側は高温側及び低温側の水槽27a、27bに接続されており、ポンプ23a、23bにより駆動させられる。そのほかに、膨張弁22b、製氷ユニット24を有するバイパス回路が設けられる。製氷ユニット24にも複数枚のプレートが積層され熱交換流体の流路の大きさよりも小さい凹凸が設けられた微細フィン7を有する熱交換器が用いられるプレート型伝熱ユニットである。
【0058】
水槽27a又は水槽27b内の水は、二つの三方弁28の同時切り替えによりどちらか一方が選択された後、ポンプ23cにより駆動されてファンコイルユニット29に導かれ、空気との間で熱交換した後、元の水槽27a又は水槽27bに戻る。また、水槽27a又は水槽27b内の水は水―水用熱交換器25a、25bにより熱交換し、温水または冷水を供給する。なお、水槽27a、27bにあるファン26a、26bは、水槽27a、27b内の水温が異常に上昇または低下した場合に稼動する。
【0059】
ファンコイルユニット29による冷房運転を行う場合、通常は膨張弁22bは閉めたままにして基本冷凍サイクルによる冷水の作製のみを行うが、夜間等の冷房能力に余裕がある場合には、膨張弁22bを絞り気味に開き基本冷凍サイクルによる冷水の作製と製氷ユニット24による氷の作製を同時に行う。水槽27b内の水が全て氷結してしまう事を防ぐため、基本冷凍サイクルの運転状況によらずポンプ23bは常に稼動させておく。氷が十分に作製されると、基本冷凍サイクルを休ませ製氷ユニット24側から冷水を供給する。これにより、圧縮機21を常に最も効率の良い定格点付近で稼動させる事が可能となり、エネルギー効率が向上する。また、高温側または低温側の廃熱が非常に無駄なく利用されるため、ヒートアイランドの発生防止や地球温暖化の防止に対しても有効である。また、例えば夏場において、余分なエネルギーを使用することなく、室内を冷房しつつ温水プールを使用する事等も可能となる。
【0060】
さらに、使用する冷媒量を非常に少なくすることにより、かつ冷媒が室内空間に入ることがないため、HC冷媒、アンモニア等の可燃性や毒性の心配される自然系冷媒を用いた際の危険防止が可能になる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、適度な流体混合を保ち伝熱性能が向上し、コンパクトで伝熱性能が良くかつ圧力損失の少ない熱交換器及び冷凍空調システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による一実施の形態の熱交換器に使用するプレートの平面図。
【図2】 図1のプレート1を交互に上下反転して積層した状態を示す平面図。
【図3】 図1のプレート要部を拡大した断面図。
【図4】 図1のプレート要部を拡大した断面図。
【図5】 図1の伝熱面要素を拡大した斜視図。
【図6】 図1の要部を拡大した断面図。
【図7】 他の実施の形態によるプレートの平面図。
【図8】 他の実施の形態による伝熱面要素の斜視図。
【図9】 さらに他の実施の形態による伝熱面要素の斜視図。
【図10】 さらに他の実施の形態による伝熱面要素の斜視。
【図11】 伝熱面要素の配列を示す平面図。
【図12】 他の実施の形態による熱交換器の断面矢視図。
【図13】 さらに他の実施の形態による伝熱面要素の配列を示す平面図。
【図14】 さらに他の実施の形態による伝熱面要素の配列を示す平面図。
【図15】 さらに他の実施の形態によるプレートの平面図。
【図16】 さらに他の実施の形態による熱交換器の断面図。
【図17】 さらに他の実施の形態による熱交換器の断面図。
【図18】 さらに他の実施の形態によるプレートの平面図。
【図19】 さらに他の実施の形態によるプレートの平面図。
【図20】 さらに他の実施の形態によるプレートの平面図。
【図21】 さらに他の実施の形態によるプレートの平面図。
【図22】 さらに他の実施の形態によるプレートの平面図。
【図23】 さらに他の実施の形態によるプレートの平面図。
【図24】 さらに他の実施の形態によるプレートの平面図。
【図25】 さらに他の実施の形態による熱交換器の斜視図。
【図26】 図25の実施の形態による熱交換器の断面図。
【図27】 さらに他の実施の形態によるプレートの平面図。
【図28】 さらに他の実施の形態による熱交換器の部分的な斜視図。
【図29】 図28の断面図。
【図30】 さらに他の実施の形態による熱交換器の部分的な斜視図。
【図31】 さらに他の実施の形態によるプレートの部分的な平面図。
【図32】 さらに他の実施の形態によるプレートの部分的な平面図。
【図33】 さらに他の実施の形態によるプレートの部分的な平面図。
【図34】 さらに他の実施の形態による熱交換器の部分的な断面図。
【図35】 図34の模式図。
【図36】 さらに他の実施の形態による冷凍空調システムのブロック図。
【符号の説明】
1…プレート、2a、2b、2c、2d…開口部、3…伝熱面要素、4…シール部、5…流路、6…上端部、7…微細フィン。
Claims (4)
- 上下に開口部を有するプレートが複数枚積層され、前記プレート面に設けられ前記開口部が内部に通じているシール部と、前記シール部内に前記熱交換流体の流路が形成されるようにされた熱交換器において、
前記シール部内に前記プレートの厚さ方向に山状に突き出され、上端部が平坦となるように、かつ上面から見て正方型形状に形成されて網状に配置され、前記プレートの底面から前記上端部に向かって斜面となったスロープ部を有した複数の伝熱面要素を備え、
前記プレートが複数枚交互に上下に反転して積層され、積層した状態では、下側の前記プレートの上端部と、上側の前記プレートの底面における前記網状配置の交差する部分と、が接触することにより、前記流路は前記伝熱面要素の間に網掛け状に形成され、前記熱交換流体の一方は前記プレートの下又は上の前記開口部から流入し前記伝熱面要素間を流れた後上又は下の開口部から流出し、他方は隣の前記プレートの上又は下の前記開口部から流入し前記伝熱面要素間を流れた後下又は上の開口部から流出することを特徴とする熱交換器。 - 請求項1に記載のものにおいて、前記熱交換流体の一方を水、他方を冷媒としたことを特徴とする熱交換器。
- 請求項1に記載のものにおいて、前記熱交換流体の一方を水、他方を非共沸冷媒としたことを特徴とする熱交換器。
- 請求項1に記載のものにおいて、前記スロープ部に前記伝熱面要素の高さより小さい凹凸が形成された微細フィンを設けたことを特徴とする熱交換器。
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