JP3292663B2 - プレート式熱交換器 - Google Patents

プレート式熱交換器

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JP3292663B2
JP3292663B2 JP23530096A JP23530096A JP3292663B2 JP 3292663 B2 JP3292663 B2 JP 3292663B2 JP 23530096 A JP23530096 A JP 23530096A JP 23530096 A JP23530096 A JP 23530096A JP 3292663 B2 JP3292663 B2 JP 3292663B2
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    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置等を
含む熱サイクルにおける要素である熱交換器の改良に関
し、特に、プレート式熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和装置等を含む熱サイクルにおけ
る要素である熱交換器、例えば、吸収式冷温水機を構成
する低温再生器、凝縮器、蒸発器あるいは吸収器など各
熱交換器は、装置全体の小型化を図るために、その小形
化と共にその熱交換効率の向上が強く求められている。
【0003】従来、このような空気調和装置などを含む
熱サイクルにおける重要な要素である熱交換器について
は、例えば実公平1−44959号公報によれば、製造
コストを低減するため、2つの開口を備えた1種類のプ
レートを互いに表裏を逆に、かつ、天地を逆に配置して
積層し、それらの周辺ならびに開口周辺を互いに合体接
合してなるプレート式熱交換器が既に知られている。な
お、このプレート式熱交換器では、上記1種類のプレー
トには、これらを積層して複数枚のプレートを積層構成
した場合に、2つの媒体がそれぞれの通路を交互に形成
することができるように、各媒体に対応する開口部がプ
レート上にそれぞれ設けられているものである。
【0004】また、例えば特開平6−34239号公報
によれば、1枚の薄板を連続曲げにより加工した波形形
状の蛇腹フィンと、この蛇腹フィンの山部と谷部とから
形成される室を端面でシールするシールプレートとから
構成され、蛇腹フィン表面に凸形状のディンプルを千鳥
状に有しているプレート式熱交換器が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記実
公平1−44959号公報に記載された従来技術のプレ
ート式熱交換器では、その構造から、積層されたプレー
トすべてが周辺と開口部で合体接合されており、そのた
め、2つの媒体が共に密閉された空間内を通路とする構
造となっている。かかる構造のため、このプレート式熱
交換器を、一方の媒体が密閉された空間内を通路とし、
もう一方の媒体が密閉された空間の外側を通路とし、そ
の密閉空間の外側の伝熱面で熱交換するような熱交換器
として使用するのは不可能である。すなわち、このプレ
ート式熱交換器は、吸収式冷温水機の低温再生器、凝縮
器、蒸発器あるいは吸収器として使用することは困難で
あった。
【0006】また、上記特開平6−34239号公報に
記載された従来技術のプレート式熱交換器の構成では、
プレート外側のいわゆる濡れ性を向上させるために蛇腹
フィン表面に凸形状のディンプルを設ける。すなわち、
このディンプルを設けることで伝熱面積を増やし、散布
された冷媒や溶液が流下方向と垂直方向に拡がり、もっ
て、濡れ性が向上するとしている。かかる構造のプレー
ト式熱交換器では、なるほど、散布される側の伝熱面の
濡れ性は向上するものと考えられるが、しかしながら、
反面、プレート内側に対しては凹部となるため、伝熱面
での圧力損失が小さくなり、この圧力損失に比例して熱
交換効率が低下し、必要な熱交換効率を得ようとする
と、プレート式の利点である小型化を図ることができな
くなってしまうという問題点が指摘される。
【0007】本発明は、上記従来技術における問題点を
解決するためになされたもので、その目的は、特に、一
方の媒体は密閉された空間内を通路とするが、もう一方
の媒体がこの密閉された空間の外側を取り巻く開放され
た空間を通路とする構造のプレート式熱交換器、すなわ
ち、吸収式冷温水機を構成する低温再生器、凝縮器、蒸
発器、吸収器として使用することが可能で、かつ、その
熱交換効率を高めて各熱交換器の小形化を図り、もっ
て、装置全体の小形化を図ることの可能なプレート式熱
交換器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、互いに向かい
合う伝熱面の内側に密閉された空間を形成してなる袋状
のパネルを複数積層してなるプレート式熱交換器であっ
て、前記袋状のパネルは隣接する他の袋状のパネルの伝
熱面と所定の隙間を隔てて配置され、前記配置された複
数の袋状のパネルの間にはそれらの内側空間を連通する
配管を設け、そして、前記複数の袋状のパネルの内側空
間には第一媒体を通流させ、前記複数の袋状のパネルの
外部空間には第二媒体である液体を通流させ、前記袋状
のパネルを構成する互いに向かい合う伝熱面により前記
第一媒体と前記第二媒体である液体との間の熱交換を行
うように構成し、前記互いに向かい合う伝熱面の形状
は、凹部と凸部が交互に直線状をなす波形形状とし、2
枚の伝熱板を重ね合わせてパネルとしたときには、袋状
とするために接着した周囲の縁部を介して一方の伝熱面
の波形形状の凹部が他方の伝熱面の波形形状の凹部と連
続して、パネル表面で波形形状の凹部が螺旋状となるよ
うに構成されたことを特徴とするプレート式熱交換器を
開示する。
【0009】更に本発明は、プレート式熱交換器におい
て、前記互いに向かい合う伝熱面の一方の伝熱面の凹部
から、他方の伝熱面の凹部へ連絡する連絡手段を前記縁
部に設けたことを特徴とするプレート式熱交換器を開示
する。
【0010】更に本発明は、プレート式熱交換器におい
て、前記伝熱面の外側に多孔質層の金属を接着したこと
を特徴とするプレート式熱交換器を開示する。
【0011】更に本発明は、プレート式熱交換器におい
て、前記袋状のパネルは、その伝熱面となる部分に直線
状の波形形状が成型された円筒を、塑性加工により扁平
状に成型して、パネル表面の内側で波形形状の凹部同士
が接している箇所と縁部を接着して袋状に形成したこと
を特徴とするプレート式熱交換器を開示する。
【0012】更に本発明は、プレート式熱交換器におい
て、その上部に第二媒体である液体を散布するための散
布装置を付加し、かつ前記第二媒体である液体側に不凝
縮ガスが滞留したときにこれを除去するための抽気管を
設けたことを特徴とするプレート式熱交換器を開示す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】先ず、図17には、本発明になる熱交換器
を使用することにより、熱交換効率を高めて各熱交換器
の小形化を図り、その装置全体を小型化を図ることが可
能な吸収式冷温水機が示されている。すなわち、吸収式
冷温水機は、一般的に、高温再生器301、低温再生器
302、凝縮器303、蒸発器304、吸収器305、
低温熱交換器306、高温熱交換器307の7つの熱交
換器要素と吸収溶液を循環するための溶液ポンプ308
と、これらを結ぶための各種の配管とから構成される。
【0015】次に、上記の構成になる吸収式冷温水機の
運転動作について説明する。まず、その冷房運転の動作
について説明する。この冷房運転時において、吸収式冷
温水機では、外部熱源により加熱された高温再生器30
1の溶液を濃縮して発生した冷媒蒸気は、低温再生器3
02内の熱交換器302aに導かれて低温再生器302
の溶液を加熱濃縮し、冷媒蒸気を発生させて凝縮液化
し、凝縮器303に流入する。一方、上記低温再生器3
02内で発生した冷媒蒸気は、凝縮器303に導かれ、
冷却水で冷却されて凝縮液化し、高温再生器301から
の冷媒と共にバルブを介して蒸発器304に送られる。
この蒸発器304の液冷媒は、蒸発器304内の熱交換
器304aに散布され、この熱交換器304a内を流れ
る冷水と熱交換して蒸発気化し、吸収器305に流入す
る。吸収式冷温水機では、その際の蒸発潜熱により、冷
房作用を発揮する。すなわち、吸収器305では、高温
再生器301及び低温再生器302で濃縮された濃溶液
が、吸収器305内に配置された熱交換器305aに散
布され、この熱交換器305a内を流れる冷却水で冷却
されて蒸発器304からの冷媒蒸気を吸収して希溶液を
生成する。この吸収器305で生成された希溶液は、溶
液ポンプ308により低温熱交換器306を経由して2
分され、一方は低温再生器302に供給され、他方はさ
らに高温熱交換器307を経由して高温再生器301に
供給される。以上のようにして冷房サイクルが構成され
る。
【0016】これに対し、吸収式冷温水機の暖房運転の
動作を、上述した冷房運転との違いを中心にして説明す
る。すなわち、暖房運転時においては、冷却水を吸収器
305及び凝縮器303に通水しないため、低温再生器
302から導かれた冷媒蒸気はこの凝縮器303におい
て凝縮液化せず、高温のまま蒸発器304に送られる。
また、冷暖切替弁310を開くことにより、高温再生器
301から高温の溶液と冷媒蒸気が、直接、吸収器30
5に導かれる。すなわち、冷媒蒸気はこの吸収器305
では冷却されず、蒸発器304に送られ、凝縮器303
からの冷媒蒸気と共に蒸発器304内の熱交換器304
a内を流れる温水を加熱する。以上のようにして暖房サ
イクルが構成される。
【0017】そして、上記のような構成の吸収式冷温水
機では、図からも明らかなように、特にその構成要件で
ある低温再生器302、凝縮器303、蒸発器304、
そして、吸収器305は、一方の媒体は密閉された空間
内を通路とするが、もう一方の媒体がこの密閉された空
間の外側を取り巻く開放された空間を通路とする構造の
熱交換器である。そこで、本発明によれば、これら低温
再生器302、凝縮器303、蒸発器304、そして、
吸収器305を、以下に詳述する本発明になるプレート
式熱交換器を利用して構成するものである。
【0018】図1〜図3には、本発明になるプレート式
熱交換器の一実施の形態を示す。このプレート式熱交換
器は、図1にも明らかなように、金属材料などの塑性加
工により成形され、その端部を内側に曲げた一対の板状
の部材を、その周辺部でロー付けなどにより接着するこ
とで袋状に形成した複数のパネル1を、所定の間隔で平
行に積層配置して構成されている。また、これら複数の
パネル1には、その内部に形成される空間内に第一媒体
を流入するための流入開口部2と、そして、第一媒体が
流出するための流出開口部3とが形成されている。な
お、これらの流入開口部2及び流出開口部3は、パネル
1の両側面(表面及び裏面)に、それぞれ、同じ位置に
配置され、形成されている。また、これらの積層配置さ
れた複数のパネル1は、隣接する他のパネル1との間を
1mm以上の間隙aで離隔されて積層配置されており、
それらパネル1の積層枚数は、プレート式熱交換器が利
用される吸収式冷温水機において要求される冷凍能力に
合わせ、その積層枚数を決定することとなる。
【0019】また、図1のパネル1を構成する一対の板
状部材の周辺部の形状としては、図7にその断面を示し
たようなものがある。そして図1の場合は図7(c)の
形状の相当し、その接合位置が図1の一点鎖線で示され
ている。しかしこの部分の形状は図7に示した他の形
状、あるいはそれ以外の通常用いられる形状であればよ
いことはいうまでもない。
【0020】次に、上記にその構成要素であるパネル1
の構成を説明したプレート式熱交換器100について説
明する。上記プレート式熱交換器100の側面、両側
面、上面をそれぞれ示す図2及び図3にも示すように、
それぞれのパネル1、1…は、その両側面に設けられた
流入開口部2、2には流入ヘッダ4、4を連通され、そ
の流出開口部3、3…には流出ヘッダ5、5が連通され
ている。なお、この図示の実施の形態では、プレート式
熱交換器100の端部(この図では左端部)のパネル1
には、その一方(図では右方)の側面にだけ流入開口部
2と流出開口部3とが設けられ、流入ヘッダ4と流出ヘ
ッダ5とが連通されているが、反対側(図では左方)の
側面にはこれらの開口やヘッダは設けない。そして、プ
レート式熱交換器100の他の端部(この図では右端
部)では、パネル1の一方の側(図では右側)の面に設
けた流入開口2には流入配管6が、そして、流出開口3
には流出配管7が、それぞれ、接続されている。なお、
これら流入開口部2と流出開口部3、流入ヘッダ4と流
出ヘッダ5、及び、流入配管6と流出配管7は、必ずし
も上記の配置に限定されることなく、これらをそれぞれ
の流出入を反対にして配置してもよい。
【0021】かかる構成によれば、プレート式熱交換器
100を構成する複数の積層配置されたパネル1、1…
の内部に形成された空間は、上記した流入配管6、流入
ヘッダ4、4…、流出ヘッダ5、5…、そして、流出配
管7を介して連通されており、この空間には第一媒体が
導かれる。そして、これら複数枚のパネル1、1…は、
上述のように1mm以上の間隙を隔てて積層配置されて
おり、これらの間隙を介して外側の空間、すなわち、プ
レート式熱交換器100の外部空間と連通されている。
従って、かかる構成のプレート式熱交換器100によれ
ば、上記図1に矢印で示すように、第一媒体は、上記流
入配管6よりプレート式熱交換器100に流入し、流入
ヘッダ4、4…を介して各パネル1、1…に分配され
る。そして、各パネル1、1…の空間内を流れた第一媒
体は、流出ヘッダ5、5…、流出配管7を介してプレー
ト式熱交換器100から流出する。この時、図中に破線
の矢印で示すように、第二媒体は、プレート式熱交換器
100を構成する各パネル1、1…の外部空間を流動
し、すなわち、各パネル1、1…外部表面を流下し、パ
ネル1を構成する2枚の金属板などからなる伝熱面を介
してパネル1内側の第一媒体と熱交換を行うこととな
る。このことからも明らかなように、上記のプレート式
熱交換器100は、吸収式冷温水機を構成する低温再生
器、凝縮器、蒸発器、あるいは、吸収器を構成する熱交
換器として搭載し、利用することが可能である。
【0022】また、以上に詳細にその構造を説明した本
発明になるプレート式熱交換器100によれば、一方の
媒体(第一媒体)に対してはパネル1の内部の密閉され
た空間内を通路とし、他方の媒体(第二媒体)に対して
はこのパネル1の外側の空間を通路とすることが出来る
ことから、吸収式冷温水機を構成する低温再生器、凝縮
器、蒸発器、あるいは、吸収器として利用することが可
能である。そして、このプレート式熱交換器100の構
造は、プレート式であることから、容易に必要な熱交換
効率を得ることができ、これにより、プレート式の利点
である小型化を図ることができ、もって、装置全体の小
形化を図ることが可能になるという効果を発揮する。
【0023】次に、図4により、本発明になるプレート
式熱交換器、特に、プレート式熱交換器を構成するパネ
ルの変形例の形態について説明する。この変形例になる
パネル1’の構造では、図にも示すように、パネル1’
を構成する2枚の金属板の表面を波形形状としたもので
ある。この波形形状の図4における表面側の凹部12は
実線で、裏面側の凹部12は破線で示されている。ま
た、このパネル1’の両側の縁部9、9は、図7(b)
に示した形状を有していて、さらに表面側の波形形状の
凹部12(実線)と、裏面側の波形形状の凹部12(破
線)とは、両側縁部9、9に形成した切り欠き等12’
を介して連続するように構成している。これにより、パ
ネル1’全体として見た場合、図示前面の伝熱面に複数
形成した凹部12と、裏面側伝熱面に複数形成した凹部
12とは、1つの線で結ばれることとなり、その線はあ
たかもパネル1’の周囲において螺旋状となる。
【0024】ここで、パネルを上記の形状とした場合に
おけるプレート式熱交換器の動作について説明する。例
えば、上記図4に示すパネル1’の上部から第二媒体が
散布された場合、その第二媒体の一部は、パネル1’の
周囲表面に螺旋状に連続的に形成された複数の凹部12
(実線及び破線)に沿って流下し、他の一部は、隣接す
る凹部12との間の凸部を越えて流下していく。このよ
うに、プレート式熱交換器の上部から散布された第二媒
体は、パネル1’の外側の伝熱面を螺旋状に流下させる
ことができることから、媒体の伝熱面上での偏った分布
を解消して、パネル1’外側の伝熱面の隅々まで冷媒や
溶液を展開することができる。すなわち、パネル1’外
側の伝熱面の全てを有効に利用することができ、伝熱効
率を向上することが可能になる。
【0025】また、上述の構造によれば、上記の図にも
明らかなように、パネル1’の内側では、伝熱面を構成
する板状部材の前面の凹部12(実線)と裏面の凹部1
2(破線)とが交差する点14は、パネル1’の内部空
間を移動する流路に対して千鳥状に(あるいは、格子状
に)配置される。ところで、これらの交差点14は、そ
の構造からも明らかなように(例えば、図5を参照)、
両側の板状部材の凹部12が内側に突出していることか
ら、パネル1’の内部を流れる第一媒体に対しては他の
部分よりも流路が狭くなっており、流れを妨げる。その
ため、パネル1’の内側を流れる第一媒体は、起伏のあ
る波形の流路を前記点14に妨げられながら流れ、渦流
が生じる。このように、パネル1’の内側でも、パネル
1’の内側を流れる第一媒体を渦流状態とすることによ
り、圧力損失に比例して熱交換効率を向上させることが
できる。従って、パネル1’を上記の形状にすることに
より、伝熱面積を縮小することが可能となり、その結
果、装置全体の小型化をも図ることが可能になる。
【0026】さらに、この変形例になるパネル1’の構
造では、図5の一部拡大図にも示すように、図示前面側
の伝熱板13の表面に形成した凹部12(実線)と、裏
面側の伝熱板13’の表面に形成した凹部12(破線)
とが交差し接している点14におけるパネル1’の内側
では、これら表面の伝熱板13と裏面の伝熱板13’と
が、例えばロー付けにより接着され、これにより機械的
に補強されている。従って、かかる構造によれば、上述
した効果に加え、さらに、その内部を真空に保持してい
る吸収式冷温水機において熱交換器として使用した場合
において、特に、このパネル1’内にポンプからの吐出
圧力が加わる構造であっても、その吐出圧力に対してパ
ネル1’を十分に耐え得る構造とすることが可能とな
り、強度上の問題を解消することができる。
【0027】図6は、上記図4において円で示したA
部、すなわち、上記パネル1’の伝熱面の縁部9の、表
面側の波形形状の凹部(実線)と裏面側の波形形状の凹
部(点線)とを接続するようにした部分の形状を示す図
である。まず同図(a)では、表面の凹部(実線)と裏
面の凹部(点線)の連絡を容易にするために切り欠き1
5を設けている。これにより、表面の凹部(実線)から
裏面の凹部(点線)及びその逆方向への連絡が切り欠き
15によりスムーズに達成され、散布された第二媒体は
そのすべてが縁部9に沿って流下することなく、表面と
裏面のそれぞれ凹部に沿って螺旋状に流下させることが
できる。
【0028】図6(b)に示した形状では、表面の凹部
12と裏面の凹部12の連絡を容易にするために、切り
欠きに代わって、線状のワイヤー16を設けている。ま
た図6(c)に示した形状では、切り欠き15’とワイ
ヤー16’を設けている。さらに図6(d)に示した形
状では、切り欠き15”を設け、さらにその切り欠き1
5”の伝熱面にもっとも近い箇所(切り欠きの谷部)か
ら、表面の凹部12までの縁部9の面には溝20を、裏
面の凹部12までの縁部9の面には溝21を設けてい
る。図4に示したパネルでは、表面の凹部と裏面の凹部
が伝熱面だけで螺旋を形成しているように図示されてい
るが、図6(b)(c)(d)に示した形状の場合に
は、パネル縁部に設けたワイヤーあるいは溝も含めて、
表面と裏面の凹部が螺旋を形成するように、2枚の伝熱
板はあらかじめ塑性加工や切削加工を施しておく。そし
てこれらの形状によっても、図6(a)の場合と同様
に、第二媒体を螺旋状に流下させることができる。
【0029】なお、上記の図6においては、パネルの縁
部9は図7(b)の形状を有しているものとしている
が、これは他の形状であってもよいことは言うまでもな
い。
【0030】続いて、図8には、プレート式熱交換器を
構成するパネルの他の変形例の形態を示す。この他の変
形例になるパネル1”は、その壁面を予め螺旋状に波形
加工した円筒状の金属部材を、塑性加工により扁平に成
形したものであり、このような加工方法により、その表
側面と裏側面において凹部を螺旋状に連続して形成した
パネル1”を押圧による簡単な扁平加工により、安価に
製造することが可能になる。なお、この他の変形例で
は、この円筒状の部材を押圧により扁平加工した際に、
その波形表面の凹部23、23同士が交差する点24で
接するように加工され、そして、これらの凹部23、2
3の交差点24は、内側において例えばロー付けにより
接着され、これにより、パネル1”の表側面と裏側面に
おけるこれら凹部23、23同士が接合され、これによ
り、上述したように、ポンプなどからの吐出圧力が加わ
る場合にも十分に機械強度的に耐え得る構造となってい
る。
【0031】なお、上記の他の変形例になるパネル1”
を扁平に加工する場合において、パネル1”の周囲の凹
部23が、いわゆる挫屈により外側に飛び出す場合があ
る。そこで、例えば当て金をその位置に予め置いてお
き、挫屈部分を確実に内側に凹状に形成することが重要
となる。また、外周壁面を螺旋状に波形に加工した円筒
は、例えば、傾斜波形板を円筒状にシーム溶接すること
で容易に製作でき、かつ、該傾斜波形板の内側になる面
にロー剤を塗布し、電着メッキ、あるいは、シート剤な
どを置くことにより、シーム溶接と点24のロー付けと
を同時に成型できることから、自動成型が容易になる。
また、表面が波形に加工されたかかるパネル1”の上下
端部において、その内部空間に第一媒体を導くために設
けられるここでは図示されない流入開口部2と流出開口
部3、及び、流入ヘッダ4と流出ヘッダ5(図1、図2
を参照)を形成するのは容易であり、例えば、上記と同
様に、流入開口部2と流出開口部3を開口した後に流入
ヘッダ4と流出ヘッダ5をロー付けや溶接などにより接
合してもよく、あるいはこれに代え、例えばこれら流入
ヘッダ4と流出ヘッダ5を円筒状のパネル部材に溶接し
て形成しても得られる。
【0032】さらに、図9には、プレート式熱交換器を
構成するパネルの更に他の変形例の形態が示されてい
る。すなわち、この更に他の変形例になるパネル1”’
は、上記図1〜図3に示した構造のパネル1と同様、伝
熱板を構成する2枚の板状部材を重ね合わせ、その内側
で接している箇所を例えばロー付けにより接着して袋状
にしたものであるが、さらに、その外周面、すなわち、
その伝熱面にはスポンジ状の多孔質層金属29(図のハ
ッチを施した部分)が、例えば0.5mm以下の厚さで
接着される。なお、この図中の符号2、符号3は、上記
と同様に、パネル1”’内の空間に第一媒体を流入する
ために開口された流入開口部、そして、第一媒体を流出
するための流出開口部を示している。
【0033】この図9に示した更に他の変形例になるパ
ネルによれば、やはり、このパネル1”’の上部から第
二媒体が散布されると、この第二媒体はその外周面に接
着された多孔質層の金属29内の間隙を毛細管現象によ
り伝わって水平方向にも広がりながら、伝熱面の全体に
わたって冷媒を隅々にまで展開することが出来る。この
ことにより、パネル1”’の外周の伝熱面全てを有効に
利用することが出来、従って、上記の図4になどに示し
た実施の形態になるパネルと同様に、その伝熱効率を向
上させ、必要な伝熱面積を縮小することが可能となり、
その結果、装置全体の小型化を図ることを可能とする。
なお、上記多孔質層の金属29を接着する場所について
は、必ずしも、上記のようにパネル1”’外周の伝熱面
の全体にわたって接着するだけではなく、例えば、散布
された第二媒体が伝熱面で偏りが生じるような箇所だけ
に部分的に接着し、これにより、常に、水平方向への広
がり性を保つようにしても、やはり、上記の実施の形態
に近い効果を得ることができる。また、上記の例では上
記図1〜図3に示した構造のパネル1と同様のパネル上
にこの多孔質層の金属29を接着するものとして説明し
たが、本発明では、これのみに限定されることなく、さ
らには、この多孔質層の金属29を、上記図4や図8に
示したような、その外周面を波形に形成したものの上に
接着することによっても、やはり、同様の効果を得るこ
とができる。
【0034】続いて、上述した種々の形状のパネルを複
数積層配置して成るプレート式熱交換器であって、さら
に、その上面に散布装置を一体に取り付けた構造のプレ
ート式熱交換器100’について、図10及び図11に
より説明する。なお、これらの図10及び図11に示す
プレート式熱交換器100’は、上記図2に示したプレ
ート式熱交換器100上面に散布装置30を一体として
取り付けたものである。すなわち、プレート式熱交換器
100は、塑性加工により成形した一対の板状の部材
を、内側で接している箇所でロー付けにより接着するこ
とで袋状に形成したパネル1を複数、所定の間隔で平行
に積層配置し、そして、このパネル1には流入開口部2
及び流出開口部3が形成され、さらに、流入ヘッダ4と
流出ヘッダ5、及び、流入配管6と流出配管7とが取り
付けられており、もって、パネル1内に形成される空間
に第一媒体が流れるように構成されている。また、複数
が積層配置されるパネル1の枚数は、これにより構成さ
れるプレート式熱交換器が使用される吸収式冷温水機の
冷凍能力に合わせて決定されることも、上記と同様であ
る。
【0035】そして、上記したプレート式熱交換器の複
数枚積層された各パネル1、1…の上部には、散布装置
30が設けられている。この散布装置30は、図11に
も示すように、各パネル1、1…にそれぞれ対応する液
溜め部30a、これら液溜め部30aに連通する連通部
30bから成り、これら液溜め部30aと連通部30b
の上部は、上記プレート式熱交換器100の外部の空間
に開放されている。また、各液溜め部30aには、ここ
では図示しないが、例えば、毛細管現象とサイフォンを
利用した一般的に知られた滴下ピースが、各パネル1の
両面側に左右対称に、そして、パネル1の各面に対して
複数個設けられている。
【0036】次に、上記にその詳細構造を説明した、散
布装置30を一体に取り付けた構造のプレート式熱交換
器100’の動作について、以下に説明する。まず、散
布装置30への第二媒体は、少なくとも1箇所から連通
部30bに対して、例えばその開放された上面から供給
され、この供給された第二媒体は、各パネル1上部の各
液溜め部30aに供給される。散布装置30の各液溜め
部30aに供給された第二媒体は、上記の図示しない滴
下ピースにより各パネル1上部に散布される。なお、上
記の構造の散布装置30では、その連通部30bに供給
された第二媒体は、連通部30bから各液溜め部30a
に供給されると共に、これらの上部は開放されているた
め、各液溜め部30aにおける第二媒体の液面高さを同
一に保つことができ、これにより、すべての滴下ピース
から均一量の媒体の散布が可能となる。これは、上記の
図示しない毛細管現象とサイフォンを利用した滴下ピー
スでは、その散布量が散布する液体の液面高さにより決
まることによる。これにより、各パネル1毎の第一媒体
と第二媒体との熱交換量の偏りをなくすことができる。
【0037】加えて、上述した種々の形状のパネルを複
数積層配置して成るプレート式熱交換器であって、さら
に、そのパネル間の隙間内で不凝縮ガスが滞留した場合
に不凝縮ガスを取り除くための抽気管40を設けた構造
のプレート式熱交換器100dについて、図12により
説明する。なお、この抽気管40を設けた構造のプレー
ト式熱交換器100dを構成するパネル1、その流入開
口部2と流出開口部3、流入ヘッダ4と流出ヘッダ5、
さらに、流入配管6と流出配管7は、上記図2に示した
と同様の構成であるため、説明は省略する。
【0038】そして、この抽気管40を設けた構造のプ
レート式熱交換器100dを構成するパネル1には、抽
気用の開口部39が、吸収式冷温水機の冷凍能力に合わ
せて決められた複数枚の積層配置されたパネル1の全
て、あるいは、図示のように、その一部のパネル1(任
意の枚数)に開口部39を設ける。なお、この開口部3
9の開口位置は、パネル1の任意の位置に設けることが
出来るが、パネル間の隙間内で不凝縮ガスが滞留した場
合にこの不凝縮ガスを取り除くという目的を達成するた
めには、図示の例のように、パネル1面の略中央部に設
けられることが好適であろう。また、抽気管40は、複
数のパネル1を積層配置したパネルの一方の端(図では
右端)のパネル1に形成した抽気用の開口部39から、
滞留した不凝縮ガスを取り除くという目的を達成するた
めに適切な位置(図では中央部)のパネル1に形成した
抽気用の開口部39まで延長されて挿入される。また、
この抽気管40には、その先端以外にも、必要に応じ
て、挿入された途中のパネル1の間の隙間に対応した部
分にも抽気用の穴を設ける。さらに、パネル1の上記開
口部39においては、パネル1の内側を流れる第一媒体
とパネル1の外側を流れる第二媒体とが接触しないよ
う、形成された開口部39の周囲を、内側で接している
箇所で例えばロー付けにより接着する。
【0039】次に、上記にその構造を説明したプレート
式熱交換器100dにおける不凝縮ガスの抽気の動作に
ついて説明する。不凝縮ガスには、真空に保持されてい
る吸収式冷温水機内に侵入する空気や、吸収式冷温水機
内で吸収溶液と金属部分が腐食して発生する水素ガス等
があり、これらは圧力上昇や伝熱抵抗となり、吸収式冷
温水機の性能を低下させる原因になる。そこで、図12
に示したように、プレート式熱交換器に抽気管40を設
けた構造にすることにより、パネル1間の隙間に滞留し
ている不凝縮ガスは、各パネル1に設けた開口部39を
通り、挿入された抽気管40の抽気用穴まで導かれて抽
気され、これにより、吸収式冷温水機の性能低下を防止
することができる。
【0040】以上の説明では、本発明になる構造のパネ
ルを備えたプレート式熱交換器、さらには、このプレー
ト式熱交換器に散布装置30を一体に取り付けた構造の
プレート式熱交換器100’、そして、抽気管40を設
けた構造のプレート式熱交換器100dについて説明し
たが、以下には、これらの各種構造のプレート式熱交換
器を、特に、図17にも示した吸収式冷温水機を構成す
る低温再生器302、凝縮器303、蒸発器304、吸
収器305として搭載した場合について、図13〜図1
6を参照しながら、特に冷房運転時の動作により説明す
る。
【0041】まず、図13により、本発明になる構造の
パネルを備えたプレート式熱交換器を、上記吸収式冷温
水機の低温再生器302として搭載した場合についての
運転時の動作を説明する。この場合、この低温再生器3
02には、特に、上記の図2に示したプレート式熱交換
器100を搭載している。
【0042】この低温再生器302では、その容器内に
はLiBr水溶液で満たされており、このLiBr水溶
液の液面は、その内部に配置されたプレート式熱交換器
100の上面付近にある。そのため、プレート式熱交換
器100の周囲にはこのLiBr水溶液が第二媒体とし
て充満される。また、この第二媒体であるLiBr水溶
液は、吸収式冷温水機を構成する低温熱交換器306
(図17を参照)を介して図示の配管52からこの低温
再生器302の容器内に供給される。一方、プレート式
熱交換器100には、第一媒体となる高温再生器301
(図17を参照)から導かれる高温の冷媒蒸気が、その
上部に配置された流入配管6より各パネル1内側に流入
し、プレート式熱交換器100を構成する各パネル1の
外周の伝熱面で上記LiBr水溶液と熱交換し、下部に
設けられた流出配管7から流出する。これに対し、Li
Br水溶液は、上記プレート式熱交換器100を介して
高温の冷媒蒸気と熱交換することにより、低温再生器3
02の容器内において冷媒蒸気55と高濃度のLiBr
水溶液に分離される。この冷媒蒸気55は、図に矢印で
示すように、低温再生器302の上部より凝縮器303
(図17を参照)に向かい、一方、高濃度のLiBr水
溶液は、低温再生器302の底面に設けた配管56によ
り低温熱交換器306を介して吸収器305(図17を
参照)に導かれることとなる。
【0043】次に、図14により、上記に種々説明した
構造のパネルを備えた本発明になるプレート式熱交換器
を、吸収式冷温水機の凝縮器303に搭載した場合につ
いて説明する。なお、凝縮器303には、不凝縮ガスが
滞留する可能性があるので、上記の図10に示したよう
な抽気管40を備えたプレート式熱交換器100dを搭
載している。
【0044】ここで、この凝縮器303の容器内は、上
記低温再生器302から導かれた第二媒体となる冷媒蒸
気61で満たされている。この冷媒蒸気61は凝縮器3
03の上部、あるいは、側面から容器内に流入し、一
方、抽気管40を備えたプレート式熱交換器100dの
下部に設けた流入配管6には、吸収式冷温水機を構成す
る吸収器305(図17を参照)で熱交換を終えた第一
媒体となる冷却水が流入する。これにより、各パネル1
の伝熱面では、第一媒体となる冷却水が外側の第二媒体
である冷媒蒸気61と熱交換し、プレート式熱交換器1
00dの上部に設けた流出配管7から流出する。なお、
第二媒体である冷媒蒸気61は、プレート式熱交換器1
00dを介して冷却水と熱交換することにより凝縮液化
し、上記凝縮器303の容器の下部に溜まり、底部に設
けられた配管65から蒸発器304へ導かれる。
【0045】図15により、上記の本発明のプレート式
熱交換器を吸収式冷温水機の吸収器305に搭載した場
合について説明する。この吸収器305には、上記の凝
縮器303と同様に、不凝縮ガスが滞留する可能性があ
るので、やはり、上記の図10に示したような抽気管4
0を備えたプレート式熱交換器100dを搭載してい
る。また、このプレート式熱交換器100dは、さら
に、その上部に散布装置30を一体に取り付けている。
【0046】この吸収器305では、第二媒体となる高
濃度のLiBr水溶液が、上記の低温熱交換器306を
介して、配管71からプレート式熱交換器100dの上
部の散布装置30に供給され、その滴下ピースにより、
各パネル1の外側の伝熱面に散布される。一方、第一媒
体となる冷却水は、上記プレート式熱交換器100dの
下部に設けた流入配管6より各パネル1の内側の空間に
流入し、そこで、各パネル1の外側の伝熱面を流下して
いる上記高濃度のLiBr水溶液と熱交換し、上部の流
出配管7から流出する。また、この吸収器305には、
エリミネータ74を介して上記蒸発器304から冷媒蒸
気が流入してくる。ところで、吸収器305の容器内の
LiBr水溶液は、この流入される冷媒蒸気を吸収する
と、吸収熱を発生し、吸収性能が低下してしまう。その
ため、上記プレート式熱交換器100dのパネル1の内
部を通る冷却水を介して冷却されることにより、冷媒蒸
気を安定して吸収することができるようにする。なお、
この冷媒蒸気を吸収して低濃度となったLiBr水溶液
は、この吸収器305の底部に設けた配管75から流出
し、再度、上記の高温再生器301に導かれ、そこで冷
媒蒸気と分離して濃縮される。
【0047】最後に、図16により、吸収式冷温水機の
蒸発器304に本発明のプレート式熱交換器を搭載した
場合について説明する。なお、この蒸発器304には、
その上部に散布装置30を一体に取り付けて構成した図
10に示した構造のプレート式熱交換器100’を使用
している。
【0048】この蒸発器304では、第二媒体となる冷
媒が、上記図14にも示した凝縮器303から導かれ、
その配管81から散布装置30に供給される。この散布
装置30は、その滴下ピースによりプレート式熱交換器
100’の各パネル1の外側の伝熱面に上記冷媒を散布
する。一方、第一媒体となる冷水は、プレート式熱交換
器100’の下部に設けた流入配管6より各パネル1の
内側の空間に流入し、これにより、各パネル1の外側の
伝熱面を流下している上記冷媒と熱交換し、その上部に
設けた流出配管7から流出する。この第二媒体である冷
媒は、プレート式熱交換器100’を介して上記冷水と
熱交換することにより、各パネル1の外側の伝熱面で蒸
発気化し、その結果、冷媒蒸気84として上記図15に
示した吸収器305へ向かう。そして、この時の蒸発潜
熱により冷房作用を発揮する。
【0049】以上の説明では、吸収式冷温水機を構成す
る上記の低温再生器302、凝縮器303、吸収器30
5、そして、蒸発器304に搭載した場合の本発明にな
るプレート式熱交換器が搭載される缶体の形状を角柱形
状としているが、しかしながら、これに限らず、吸収式
冷温水機として構成した場合の機器の配置や冷媒蒸気通
路の確保等の点から、例えば、円柱形状、あるいは、円
柱形状と角柱形状とを組み合わせた形状等にすることも
可能である。また,プレート式熱交換器の向きについて
も、上記と同様の理由から、臨機応変に対応できること
は言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】以上の詳細な説明からも明らかなよう
に、本発明によれば、熱交換効率の高いプレート式熱交
換器を、一方の媒体は密閉された空間内を通路とし、他
方の媒体はこの密閉された空間の外側を取り巻く開放さ
れた空間を通路とする構造とすることから、これを吸収
式冷温水機に適用し、すなわち、低温再生器、凝縮器、
吸収器、あるいは、蒸発器として利用することが可能と
なる。そして、かかる熱交換効率の高いプレート式熱交
換器を吸収式冷温水機に適用することを可能にすること
により、その構成要素となる低温再生器、凝縮器、吸収
器、あるいは、蒸発器などの熱交換器の小型化を図り、
もって、吸収式冷温水機の装置全体の小形化を図ること
を可能するという技術的にも極めて優れた効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になるプレート式熱交換器
のパネル部分を示す一部断面を含む拡大図である。
【図2】上記図1に示すプレート式熱交換器全体の正面
及び両側面図である。
【図3】上記図1に示すプレート式熱交換器全体の上面
図である。
【図4】本発明のプレート式熱交換器を構成するパネル
の変形例を示す正面図である。
【図5】上記図4に示すパネルの内部構造を示すための
一部拡大断面斜視図である。
【図6】上記図4に示すパネルの縁部の構造を示す図で
ある。
【図7】パネル縁部の種々の形状の例を示す図である。
【図8】本発明のプレート式熱交換器を構成するパネル
の他の変形例の形態を示す正面図である。
【図9】本発明のプレート式熱交換器を構成するパネル
の更に他の変形例の形態を示す正面図である。
【図10】上記本発明のプレート式熱交換器を他の構成
を示すための上面図、正面図、及び側面図である。
【図11】上記図10に示した他の構成のプレート式熱
交換器の散布装置の詳細構造を示すための一部拡大斜視
図である。
【図12】上記本発明のプレート式熱交換器を更に他の
構成を示す正面図と側面図である。
【図13】上記本発明のプレート式熱交換器を吸収式冷
温水機の低温再生器に搭載した場合の構成と動作を説明
する図である。
【図14】上記本発明のプレート式熱交換器を吸収式冷
温水機の凝縮器に搭載した場合の構成と動作を説明する
図である。
【図15】上記本発明のプレート式熱交換器を吸収式冷
温水機の吸収器に搭載した場合の構成と動作を説明する
図である。
【図16】上記本発明のプレート式熱交換器を吸収式冷
温水機の蒸発器に搭載した場合の構成と動作を説明する
図である。
【図17】本発明のプレート式熱交換器を搭載する吸収
式冷温水機の全体構成を示すサイクル構成図である。
【符号の説明】
1、1’、1”、1”’ パネル 2 流入開口部 3 流出開口部 4、5 ヘッダ 6 流入配管 7 流出配管 12 凹部 15、15’、15” 切り欠き 16、16’ ワイヤ 20、21 溝 29 多孔質層の金属 30 散布装置 30a 液溜め部 30b 連通部 302 低温再生器 303 凝縮器 304 蒸発器 305 吸収器
フロントページの続き (56)参考文献 特許2512323(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28F 9/00 - 9/26 F25B 33/00 F25B 37/00 F25B 39/00 F28F 3/00 - 3/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに向かい合う伝熱面の内側に密閉さ
    れた空間を形成してなる袋状のパネルを複数積層してな
    るプレート式熱交換器であって、前記袋状のパネルは隣
    接する他の袋状のパネルの伝熱面と所定の隙間を隔てて
    配置され、前記配置された複数の袋状のパネルの間には
    それらの内側空間を連通する配管を設け、そして、前記
    複数の袋状のパネルの内側空間には第一媒体を通流さ
    せ、前記複数の袋状のパネルの外部空間には第二媒体で
    ある液体を通流させ、前記袋状のパネルを構成する互い
    に向かい合う伝熱面により前記第一媒体と前記第二媒体
    である液体との間の熱交換を行うように構成し、前記互
    いに向かい合う伝熱面の形状は、凹部と凸部が交互に直
    線状をなす波形形状とし、2枚の伝熱板を重ね合わせて
    パネルとしたときには、袋状とするために接着した周囲
    の縁部を介して一方の伝熱面の波形形状の凹部が他方の
    伝熱面の波形形状の凹部と連続して、パネル表面で波形
    形状の凹部が螺旋状となるように構成されたことを特徴
    とするプレート式熱交換器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプレート式熱交換器に
    おいて、前記互いに向かい合う伝熱面の一方の伝熱面の
    凹部から、他方の伝熱面の凹部へ連絡する連絡手段を前
    記縁部に設けたことを特徴とするプレート式熱交換器。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のプレート式熱交換器に
    おいて、前記伝熱面の外側に多孔質層の金属を接着した
    ことを特徴とするプレート式熱交換器。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のプレート式熱交換器に
    おいて、前記袋状のパネルは、その伝熱面となる部分に
    直線状の波形形状が成型された円筒を、塑性加工により
    扁平状に成型して、パネル表面の内側で波形形状の凹部
    同士が接している箇所と縁部を接着して袋状に形成した
    ことを特徴とするプレート式熱交換器。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のプレート式熱交換器に
    おいて、その上部に第二媒体である液体を散布するため
    の散布装置を付加し、かつ前記第二媒体である液体側に
    不凝縮ガスが滞留したときにこれを除去するための抽気
    管を設けたことを特徴とするプレート式熱交換器。
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