JP3952910B2 - 車両用電子部品の冷却構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用電子部品の冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
一般に、車両に搭載されているICチップ等の発熱性の高い電子部品には、放熱対策として、耐熱温度の高い電子部品を採用したり、ヒートシンクや専用の冷却ファンを設けたりしている。
【0003】
ここで、車両用空調装置から送風される空気を利用して電子部品の放熱を促進することにより、耐熱温度の低い安価な電子部品を採用可能にしたり、ヒートシンクおよび冷却ファンの小型化や廃止を図ることが考えられるが、単純に送風空気を電子部品に向けて送風するだけでは次のような問題が生じることに本発明者らは着目した。
【0004】
すなわち、空調装置に備えられた冷房用熱交換器により冷却された冷風で電子部品を冷却すると、電子部品表面の露点温度が低下して凝縮水が付着してしまい、ショート等の電子部品の作動不良が生じやすくなってしまう。また、外気モードで空調装置を運転させると、冬期においては外気の低温空気が電子部品に送風されて上記凝縮水付着による電子部品の作動不良が生じやすくなってしまう。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、車両用空調装置で車両用電子部品を冷却するにあたり、車両用電子部品に凝縮水が付着してしまう恐れを低減することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内気導入口(11b、17b)および外気導入口(17a)が形成された空調ケース(11)と、両導入口(11b、17a、17b)のうち少なくとも内気導入口(11b)から空気を導入して車室に向けて送風する送風手段(12、12a、13、13a、M)と、送風される空気と熱交換して冷却する冷房用熱交換器(14)とを有する車両用空調装置(1)を備え、
空調ケース(11)のうち冷房用熱交換器(14)の空気流れ上流部分に電子部品冷却用開口部(11g)を形成し、
内気導入口は、第1内気導入口(17b)および第2内気導入口(11b)から構成され、
第1内気導入口(17b)および外気導入口(17a)と、車室内とを連通させる第1空気通路(19a)を備えるとともに、
第2内気導入口(11b)と、車室内とを連通させる第2空気通路(19b)を備え、
第1空気通路(19a)と第2空気通路(19b)とが仕切板(19)により仕切られており、
電子部品冷却用開口部(11g)が第2空気通路(19b)に形成され、
電子部品冷却用開口部(11g)から車両に搭載された電子部品(50、60、70)に向けて、第2内気導入口(11b)から導入された内気を送風手段(12、12a、13、13a、M)により送風することを特徴としている。
【0007】
これにより、車両用空調装置(1)の送風手段(12、12a、13、13a、M)を利用して電子部品(50、60、70)の放熱を促進できるので、耐熱温度の低い安価な電子部品(50、60、70)の採用を図ったり、従来用いられていたヒートシンクおよび冷却ファンの小型化や廃止を図ることができる。
【0008】
しかも、本発明によれば、電子部品(50、60、70)に向けて送風される空気は、冷房用熱交換器(14)で冷却されていない空気のみとなるので、電子部品(50、60、70)を過剰に冷却してしまい、電子部品(50、60、70)表面の露点温度低下による凝縮水付着の恐れを低減できる。
【0009】
また、請求項1に記載の発明では、内気導入口は、第1内気導入口(17b)および第2内気導入口(11b)から構成され、第1内気導入口(17b)および外気導入口(17a)と、車室内とを連通させる第1空気通路(19a)を備えるとともに、第2内気導入口(11b)と、車室内とを連通させる第2空気通路(19b)を備え、電子部品冷却用開口部(11g)が第2空気通路(19b)に形成されている。
【0010】
これにより、外気が、第2空気通路(19b)に混入して電子部品(50、60、70)に送風されないようにすることを容易にできるので、上記電子部品(50、60、70)表面の露点温度低下による凝縮水付着の恐れをより一層低減できる。
【0011】
ここで、請求項1に記載の発明の実施にあたり、1つの送風ファンを有する送風手段(12、12a、13、13a、M)を採用し、当該送風ファンを、第1および第2空気通路(19b)にまたがって配置することが挙げられる。しかしながら、このような送風手段(12、12a、13、13a、M)では、送風ファンの部分で第1および第2空気通路(19b)が連通してしまうので、外気が第2空気通路(19b)に混入してしまう恐れがある。
【0012】
これに対し、請求項2に記載の発明では、送風手段(12、12a、13、13a、M)は、第1空気通路(19a)内に配置された第1送風ファン(12)と、第2空気通路(19b)内に配置された第2送風ファン(13)とを有することを特徴としているので、第1および第2空気通路(19b)が送風ファンの部分で連通してしまうことを防止でき、外気が第2空気通路(19b)に混入してしまうことを確実に防止できる。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。
【0015】
図1は車両用空調装置の室内ユニットを上方から見た模式図、図2は室内ユニットを側方から見た模式図である。当該車両用空調装置1は、車室内前方に位置する計器盤40の内側のうち、車両左右方向略中央部分に搭載されており、図中の上下前後左右を示す矢印は、空調装置1を車両に搭載した状態における向きを示している。
【0016】
本実施形態の室内ユニット10は、送風手段等を有する送風ユニットと熱交換手段等を有する空調ユニットとを一体に構成したものであり、室内ユニット10は空気通路を形成する樹脂製の空調ケース11を備え、空気通路には、空気流れ上流側から順に、第1および第2送風ファン12、13、冷房用熱交換器としての蒸発器14、温度調節手段としてのエアミックスドア15、暖房用熱交換器としてのヒータコア16が備えられている。
【0017】
エアミックスドア15には、空調ケース11に回転自在に取り付けられた回転軸15aが形成されており、蒸発器14を通過してヒータコア16をバイパスする空気と、ヒータコア16を通過した空気との混合比を、エアミックスドア15の回転角度により調節して、空調装置1から車室内に送風される空気の温度を調節するようになっている。
【0018】
蒸発器14は、冷凍サイクルを循環する冷媒を蒸発させて空気を冷却するものであり、ヒータコア16は、エンジン冷却水等の温水を熱源として空気を加熱するものである。
【0019】
空調ケース11のうち第1および第2ファン12、13が配置された部分は、ファンケーシング12a、13aとして機能しており、ファンケーシング12a、13aには、第1ファン12により空気が吸い込まれる第1空気吸込口11aおよび第2ファン13により空気が吸い込まれる第2空気吸込口11bが形成されている。
【0020】
第1および第2ファン12、13は共通の電動モータMにより回転駆動するようになっており、第1および第2ファン12、13、ファンケーシング12a、13aおよび電動モータMにてブロワを構成している。当該ブロワは遠心式のブロワであり、上記特許請求の範囲に記載の送風手段に相当する。
【0021】
また、空調ケース11のうち第1空気吸込口11aの空気流れ上流部分は、外気導入口17aおよび第1内気導入口17bが形成された内外気切替ケース部17として機能している。
【0022】
内外気切替ケース部17内には、内外気切替ケース部17に回転自在に取り付けられた回転軸18aを有する内外気切替ドア18が備えられており、内外気切替ドア18の回動により、外気導入口17aおよび第1内気導入口17bを切替開閉するようになっている。なお、第2空気吸込口11bは上記特許請求の範囲に記載の第2内気導入口に相当するものであり、内気のみが導入されるようになっている。
【0023】
空調ケース11内のうち蒸発器14の空気流れ上流側は、仕切板19により第1空気通路19aと第2空気通路19bとに仕切られており、第1空気通路19a内には第1ファン12が配置され、第2空気通路19b内には第2ファン13が配置されている。
【0024】
また、空調ケース11のうちヒータコア16の空気流れ下流側部分には、デフロスタ開口部11c、センタフェイス開口部11d、サイドフェイス開口部11eおよびフット開口部11fが形成されている。また、空調ケース11のうち第2空気通路19bを形成する部分のうち、蒸発器14の空気流れ上流側部分には、電子部品冷却用開口部11gが形成されている。
【0025】
図3は、室内ユニット10に各ダクト21、22、23、24、25を接続した状態を示す空調装置1の斜視図である。各ダクト21〜25のうち、センタデフロスタダクト21およびサイドデフロスタダクト22はデフロスタ開口部11cに接続され、センタフェイスダクト23はセンタフェイス開口部11dに接続され、サイドフェイスダクト24はサイドフェイス開口部11に接続され、電子機器冷却ダクト25は電子部品冷却用開口部11gに接続されている。
【0026】
なお、本実施形態では、各ダクト21〜25を樹脂にて一体に形成して部品点数低減を図っている。また、本発明の実施にあたり、各ダクト21〜25を空調ケース11と一体に形成してさらなる部品点数低減を図るようにしてもよい。
【0027】
センタデフロスタダクト21にはフロントウインドシールドに向けて空調風を吹き出すセンタデフロスタ吹出口21aが形成され、サイドデフロスタダクト22にはサイドウインドシールドに向けて空調風を吹き出すサイドデフロスタ吹出口22aが形成され、センタフェイスダクト23およびサイドフェイスダクト24には乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すセンタフェイス吹出口23aおよびサイドフェイス吹出口24aが形成されている。また、電子機器冷却ダクト25には、複数の吹出口25a、25b、25c、25dが形成されている。
【0028】
なお、図3に示すように、ダクト21〜25の上面には配線溝20aが形成されており、当該配線溝20aには、ワイヤハーネス30が配置されている。
【0029】
図4は、計器盤40を示す斜視図であり、樹脂製の計器盤40は空調装置1の車室内側から覆い被さるように配置されている。本実施形態では、車両組付ラインとは別の組付ラインにて、計器盤40と空調装置1とを一体に組み付けてモジュール構造体を構成しており、車両組付ラインにて、モジュール構造体を車両に組み付けるようにしている。これにより、車両組付ラインにおける組み付け工数の削減を図っている。
【0030】
因みに、図3の符号20cはブレス部材を示しており、ブレス部材20cは車両に取り付けられて室内ユニット10を下方から支持するように機能している。本実施形態ではブレス部材20cを空調ケース11と一体に樹脂にて形成して部品点数の低減を図っている。
【0031】
計器盤40には、センタデフロスタ吹出口21aが接続されるセンタデフロスタグリル41、サイドデフロスタ吹出口22aが接続されるサイドデフロスタグリル42、センタフェイス吹出口23aが接続されるセンタフェイスグリル43、およびサイドフェイス吹出口24aが接続されるサイドフェイスグリル44が備えられている。
【0032】
また、計器盤40には、オーディオ機器、ナビゲーション装置、空調操作パネルその他の電気機器50、メータユニット60、ディスプレイ装置70等が備えられている。電気機器50は車両左右方向略中央に配置され、メータユニット60は運転席前方に配置されている。ディスプレイ装置70は電気機器50の上方に配置され、図3に示すダクトの凹部20bに填め込まれている。これらの電気機器50、メータユニット60およびディスプレイ装置70には、ICチップ等の発熱性の高い電子部品を有する電子制御装置(以下、ECUと呼ぶ)が備えられている。
【0033】
図3に示すように、ワイヤハーネス30にはコネクタ31、32、33、34、35、36、37、38が備えられている。コネクタ31は空調装置1の室内ユニット10に接続され、コネクタ32は電気機器50に接続され、コネクタ34、37は図示しないジャックションボックスに接続され、コネクタ35は図示しないエアバックユニットに接続され、コネクタ38はメータユニット60に接続され、コネクタ33、36は、図示しないボデー系ECU等の、発熱性の高い電子部品を有するECUに接続されている。
【0034】
電子機器冷却ダクト25に形成された吹出口25aは、電気機器50に向けて内気を吹き出すようになっており、吹出口25bはボデー系ECUに向けて内気を吹き出すようになっており、吹出口25cはメータユニット60に向けて内気を吹き出すようになっており、吹出口25dはディスプレイ装置70に向けて内気を吹き出すようになっている。
【0035】
従って、電気機器50、ボデー系ECU、メータユニット60およびディスプレイ装置70に備えられた発熱性の高い電子部品は、各吹出口25a、25b、25c、25dから吹き出される内気により冷却されることとなる。
【0036】
図5は、空調装置1に備えられた図示しないECUの作動を示すフローチャートであり、ステップS1において、イグニッションスイッチが投入されてオンの状態になっているか否かを判定する。オンの状態になっていると判定されれば、ステップS2において、ヒータコア16を流通する温水の温度検出、目標吹出温度TAO算出、ブロワの風量レベルLB1判定、吹出モード判定等を行う。
【0037】
なお、周知のように、目標吹出温度TAOは、空調操作パネルにて乗員に操作された設定温度、日射量、外気温度、内気温度等により算出される。
【0038】
また、吹出モードには、センタデフロスタグリル41およびサイドデフロスタグリル42のみから空調風を吹き出すデフロスタ吹出モード、センタフェイスグリル43およびサイドフェイスグリル44のみから空調風を吹き出すフェイス吹出モード、フット開口部11fから主に空調風を吹き出すフット吹出モード等がある。なお、全ての吹出モードにおいて電子部品冷却用開口部11gは常時開口し、各種電子部品50、60、70に向けて内気が送風されるようになっている。
【0039】
さらに、本実施形態では、電子部品冷却用開口部11gを開口しつつ、各開口部11c、11d、11e、11fを閉じるシャットモードが選定可能になっている。なお、本明細書では、シャットモード以外の吹出モードを空調制御モードと呼ぶ。そして、吹出モードを自動制御する場合には、空調制御モードの中から上記各吹出モードを選定する場合には目標吹出温度TAOに応じて選定される。
【0040】
また、シャットモードの場合には、内外気切替ドア18により外気導入口17aを閉じて第1内気導入口17bを開口させるとともに、冷凍サイクルの運転を停止させ、ヒータコア16への温水循環を停止させる。
【0041】
また、ブロワの風量を自動制御する場合には、後述する基本制御またはウォームアップ制御によりブロワの風量レベルLB1が決定される。冬期のエンジン起動直後に前述の温水温度が所定値以下である場合には、ブロワを駆動させると、暖房運転時に乗員の空調フィーリングに合わない冷風が車室内に吹き出されてしまう。そこで、温水温度が第1所定値(例えば30℃)以下である場合には室内に空調空気が吹き出されないようにするウォームアップ制御を行う。
【0042】
一方、エンジン起動直後に温水温度が第1所定値よりも大きい場合には、目標吹出温度TAOに応じてブロワの風量レベルLB1を選定する基本制御を行う。すなわち、目標吹出温度TAOが夏期、冬期以外の中間期に相当する温度範囲である場合には、風量レベルLB1を最小値とし、上記温度範囲を超えると徐々に風量レベルLB1を高くし、目標吹出温度TAOが上下限温度に達した場合に、風量レベルLB1を最大値としている。
【0043】
ここで、空調装置1を起動させるスイッチが投入されていない場合であっても、各種電子部品50、60、70を空調装置1からの送風される内気で冷却する必要がある。従って、本実施形態では、空調装置1を起動させるスイッチが投入されていない場合であってもブロワのモータMを駆動させるようになっている。
【0044】
さらに、各種電子部品50、60、70を冷却するのに必要な風量レベルLB2を予め設定しておき、車室内を空調するのに必要な風量レベルLB1が、当該風量レベルLB2以下である場合には、風量レベルLB2となるようにモータMを駆動させる。また、風量レベルLB2が風量レベルLB1よりも小さい場合には、風量レベルLB1となるようにモータMを駆動させる。
【0045】
具体的には、図5のステップS3〜S9に従って制御することにより上記ウォームアップ制御および基本制御を行うことを実現できる。すなわち、ステップS3において、車室内を空調するのに必要な風量レベルLB1が、各種電子部品50、60、70を冷却するのに必要な風量レベルLB2以下であるか否かを判定する。
【0046】
ステップS3にてLB2≦LB1と判定されれば、ステップS4においてブロワの風量レベルをLB2に決定する。そして、ステップS5において、ウォームアップ制御により風量レベルLB1が0となっているか否かを判定する。
【0047】
ここで、図6は、ウォームアップ制御における、エンジン起動時からの水温上昇と風量レベルLB1、LB2との関係を示す図であり、横軸はエンジン起動時からの時間経過を示し、縦軸は水温および風量レベルLB1、LB2の値を示す。当該図6に示すように、温水温度が第1所定値(例えば30℃)以下である場合にはLB=0とする。そして、温水温度が上昇して第2所定値(例えば60℃)になるまでは徐々に風量レベルLB1を上げ、第2所定値に到達した時点で風量レベルLB1を最大値にする。
【0048】
なお、図6中のt1は、エンジン起動時から温水温度が第1所定値に到達したときまでの経過時間を示している。また、図6中のt2は、風量レベルLB1が風量レベルLB2よりも大きくなるまでの経過時間を示している。
【0049】
そして、ステップS5にてLB1≠0と判定されれば、風量レベルLB1と風量レベルLB2との関係が図6中の領域2の状態(経過時間t1〜t2)にあることになり、ステップS6において、吹出モードを空調制御モードの中から目標吹出温度TAOに応じて選定する。一方、ステップS5にてLB1=0と判定されれば、風量レベルLB1と風量レベルLB2との関係が図6中の領域1の状態(経過時間0〜t1)にあることになり、ステップS7において、吹出モードをシャットモードに決定する。
【0050】
また、ステップS3にてLB1>LB2と判定されれば、ステップS8においてブロワの風量レベルをLB1に決定する。そして、このようにLB1>LB2と判定されれば風量レベルLB1と風量レベルLB2との関係が図6中の領域3の状態(経過時間t2以降)にあることになり、ステップS9において、吹出モードを空調制御モードの中から目標吹出温度TAOに応じて選定する。
【0051】
また、ステップS1にてイグニッションスイッチがオンの状態になっていないと判定されれば、ステップS10において、エンジン停止とともに、ブロワのモータMの駆動を停止して空調装置1の運転を停止する。
【0052】
次に、空調装置1の作動による空気流れを簡単に説明すると、ブロワのモータMに電圧を印可して第1および第2ファン12、13を回転駆動させると、第1空気吸込口11aから吸い込まれた空気は第1空気通路19aを流通し、第2空気吸込口11bから吸い込まれた空気は第2空気通路19bを流通する。
【0053】
そして、吹出モードが空調制御モードとなっている場合には、これらの通路19a、19bを流通した空気は蒸発器14を通過し、エアミックスドア15によって温度調節された後、吹出口11c、11d、11e、11fのうち選定された吹出口から車室内に向けて吹き出される。また、第2空気通路19bを流通する内気は、蒸発器14にて熱交換されることなく、電子部品冷却用開口部11gから各種各種電子部品50、60、70に向けて送風される。
【0054】
一方、吹出モードがシャットモードとなっている場合には、前述のように外気導入口17aはドア18により閉塞されるので、第1空気通路19aには内気のみが流通する。第1空気通路19aを流通した内気は、蒸発器14を通過した後に電子部品冷却用開口部11gのみから吹き出される。ここで、シャットモード時には前述のように冷凍サイクルの運転を停止させ、ヒータコア16への温水循環を停止させるので、第1空気通路19aを流通して電子部品冷却用開口部11gから吹き出される内気は、蒸発器14およびヒータコア16と熱交換することなく吹き出される。
【0055】
また、第2空気通路19bを流通した内気は蒸発器14を通過することなく直接電子部品冷却用開口部11gから吹き出される。
【0056】
以上により、本実施形態によれば、車両用空調装置1のブロワを利用して各種電子部品50、60、70の放熱を促進できるので、耐熱温度の低い安価な電子部品50、60、70の採用を図ったり、従来用いられていたヒートシンクおよび冷却ファンの小型化や廃止を図ることができる。
【0057】
しかも、本実施形態によれば、各種電子部品50、60、70に向けて送風される空気は、蒸発器14で冷却されていない空気、かつ、外気を含まない内気のみの空気となるので、各種電子部品50、60、70を過剰に冷却してしまい、電子部品50、60、70表面の露点温度低下による凝縮水付着の恐れを低減できる。
【0058】
また、本実施形態によれば、内気導入口として、第1内気導入口17bおよび第2内気導入口11bを備え、第1内気導入口17bおよび外気導入口17aと、車室内とを連通させる第1空気通路19aを備えるとともに、第2内気導入口11bと、電子部品50、60、70および車室内とを連通させる第2空気通路19bを備えるので、外気が、第2空気通路19bに混入して電子部品50、60、70に送風されないようにすることを、確実にできる。よって、電子部品50、60、70表面の露点温度低下による凝縮水付着の恐れを確実に低減できる。
【0059】
(他の実施形態)
上記実施形態の室内ユニット10では、ファンケーシング12a、13aと空調ケース11を一体に構成し、内外気切替ケース部17と空調ケース11を一体に構成しているが、本発明の実施にあたり、ファンケーシング12a、13aと空調ケース11を別体に構成してもよいし、内外気切替ケース部17と空調ケース11を別体に構成してもよい。
【0060】
また、上記実施形態のブロワでは、第1および第2ファン12、13を共通の電動モータMで駆動させているが、本発明の実施にあたり、第1および第2ファン12、13のそれぞれを専用の電動モータで駆動させるようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態のブロワでは、第1および第2ファン12、13を備えているが、本発明の実施にあたり、1つのファンを備え、ファンケーシング内をファンの軸方向に2つの空間に仕切る仕切板を備え、2つの空間をそれぞれ第1空気通路19aと第2空気通路19bとに連通させるようにしてもよい。
【0062】
なお、このように1つのファンを備える場合には仕切板とファンとの隙間にて第1および第2空気通路19a、19bが連通してしまうのに対し、上記実施形態のように2つのファン12、13を備える場合には、上記隙間を廃止できるので、第2空気通路19bに外気が混入してしまうことを確実に防止できる。
【0063】
また、上記実施形態では、電子部品冷却用開口部11gから吹き出される空気が内気のみとなるようにしているが、本発明はこれに限られるものではなく、電子部品冷却用開口部11gから吹き出される空気は少なくとも内気を含んでいれば外気が混入していても本発明を適用できる。具体的には、外気の混入が50%以下となるようにするのが望ましい。
【0064】
また、上記実施形態では、空調ケース11のうち蒸発器14の空気流れ上流側において、第1内気導入口17bおよび外気導入口17aと、車室内とを連通させる第1空気通路19aを備えるとともに、第2内気導入口11bと、電子部品50、60、70および車室内とを連通させる第2空気通路19bを備えているが、本発明の実施にあたり、空調ケース11のうち蒸発器14の空気流れ上流側において、1つの空気通路のみを備えるようにしてもよい。
【0065】
この場合の具体例を以下に説明する。遠心式のブロワにおいては、周知のように、スクロール形状のファンケーシング12a、13aの吸込口のうちノーズ部に近い側で吸い込まれた空気は、ファンケーシング12a、13aの吹出口のうち前記吸込口に近い側から吹き出される。一方、スクロール形状のファンケーシング12a、13aの吸込口のうちノーズ部に遠い側で吸い込まれた空気は、ファンケーシング12a、13aの吹出口のうち前記吸込口に遠い側から吹き出される。
【0066】
このような遠心式ブロワの特性を利用すれば、空調ケース11のうち蒸発器14の空気流れ上流側において、1つの空気通路のみを備えるようにしても、電子部品冷却用開口部11gから少なくとも内気が吹き出されるようにすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用空調装置の室内ユニットを、上方から見た模式図である。
【図2】図1の室内ユニットを側方から見た模式図である。
【図3】図1および図2の室内ユニットに各ダクトを接続した状態を示す空調装置の斜視図である。
【図4】図3の空調装置に組み付けられる計器盤を示す斜視図である。
【図5】図1の空調装置に備えられたECUの作動を示すフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートに係るウォームアップ制御における、エンジン起動時からの水温上昇と風量レベルLB1、LB2との関係を示す図である。
【符号の説明】
11b…第2内気導入口、11g…電子部品冷却用開口部、
12…第1ファン(送風手段)、13…第2ファン(送風手段)、
12a、13a…ファンケーシング(送風手段)、
14…蒸発器(冷房用熱交換器)、17a…外気導入口、
17b…第1内気導入口、50…電気機器(電子部品)、
60…メータユニット(電子部品)、70…ディスプレイ装置(電子部品)、
M…電動モータ(送風手段)。
Claims (2)
- 内気導入口(11b、17b)および外気導入口(17a)が形成された空調ケース(11)と、前記両導入口(11b、17a、17b)のうち少なくとも内気導入口(11b)から空気を導入して車室に向けて送風する送風手段(12、12a、13、13a、M)と、前記送風される空気と熱交換して冷却する冷房用熱交換器(14)とを有する車両用空調装置(1)を備え、
前記空調ケース(11)のうち前記冷房用熱交換器(14)の空気流れ上流部分に電子部品冷却用開口部(11g)を形成し、
前記内気導入口は、第1内気導入口(17b)および第2内気導入口(11b)から構成され、
前記第1内気導入口(17b)および前記外気導入口(17a)と、車室内とを連通させる第1空気通路(19a)を備えるとともに、
前記第2内気導入口(11b)と、車室内とを連通させる第2空気通路(19b)を備え、
前記第1空気通路(19a)と前記第2空気通路(19b)とが仕切板(19)により仕切られており、
前記電子部品冷却用開口部(11g)が前記第2空気通路(19b)に形成され、
前記電子部品冷却用開口部(11g)から車両に搭載された電子部品(50、60、70)に向けて、前記第2内気導入口(11b)から導入された内気を前記送風手段(12、12a、13、13a、M)により送風することを特徴とする車両用電子部品の冷却構造。 - 前記送風手段(12、12a、13、13a、M)は、前記第1空気通路(19a)内に配置された第1送風ファン(12)と、前記第2空気通路(19b)内に配置された第2送風ファン(13)とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用電子部品の冷却構造。
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