JP3951702B2 - 工作機械のワーク位置決め方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マシニングセンタに代表されるような工作機械のワーク位置決め方法に関し、より詳しくは、仕様が相違する複数種類の内燃機関用シリンダヘッドのカムシャフト穴についてロングツールを使用しながら同一工作機械にて加工するにあたり、各仕様ごとに相違する位置決め治具およびクランプ治具を併用しながら各仕様のシリンダヘッドを共通のワークベースに位置決めクランプするようにしたワーク位置決め方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリンダヘッドの機械加工の一つとして、カムシャフトのジャーナル部を支えるべく長手方向に複数個並設されているカムシャフト穴をリーマあるいはボーリングバー等のいわゆるロングツールを使って一斉に加工することが行われる。なお、この加工は、軸受メタルを支えるために半割り状に形成されたベアリングキャップをボルトにて対応するベアリング台座部側に固定した状態で行われることから、カムシャフト穴は基本的には真円状のものである。
【0003】
この場合、シリンダヘッドのロッカカバー取付面が上側になるように、すなわちシリンダヘッドが実際にエンジンとして組み立てられた状態に近い状態となるように、シリンダヘッドを正立姿勢にてワークベースに位置決めクランプすることを基本とし、そのクランプ形態としては、シリンダヘッドをシリンダブロックに固定するためのヘッドボルトが着座することになるボルト孔側の座面をクランパーにてクランプするいわゆる高圧クランプ法と、先に述べたベアリングキャップを固定しているボルトの頭部をクランパーにてクランプするいわゆる低圧クランプ法とのいずれかが採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
シリンダヘッドは外観形状がほとんど同一であっても例えばシングルカム仕様とツインカム仕様のようにその仕様が相違すると細部の構造が微妙に異なることから、それに応じて上記のように位置決め基準位置やクランプ位置さらには必要とされるクランプ圧力等が少しずつ異なってくることとなる。そのために機械加工のFMS化すなわち多品種混流生産に対応するべく上記のような複数仕様のシリンダヘッドを例えば共通のマシニングセンタにて加工しようとしてもその対応が困難であり、各仕様ごとにある程度専用化された設備にて加工せざるを得なくなり、その結果として設備費の高騰が余儀なくされることとなって好ましくない。
【0005】
また、上記のように加工時におけるシリンダヘッドの位置決め姿勢としてエンジン組立状態と同等の正立姿勢としているため、シリンダヘッドの形状の特殊性として切削加工に伴って発生した切粉がロッカルーム内に溜まりやすく、特にウォータージャケット穴やオイル穴内に入り込んだ切粉の除去を目的として後工程にて行われる洗浄作業に多大な工数を要するほか、微細な切粉については十分に除去しきれない可能性がある。
【0006】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、シリンダヘッドの仕様ごとに専用化された位置決め治具やクランプ治具の併用を前提とすることによって、上記のように各仕様ごとに位置決め基準位置やクランプ位置さらにはクランプ圧力等が異なったとしても、それらの仕様が異なる複数種類のシリンダヘッドをマシニングセンタ等の共通の工作機械にて無理なく加工することができるようにしたワーク位置決め方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、仕様が異なる複数種類のシリンダヘッドのうちいずれか一つのシリンダヘッドをワークベースに位置決めクランプした上で、共通の工作機械にてロングツールによるカムシャフト穴の機械加工を施すにあたり、加工対象となるシリンダヘッドをワーク位置決め装置にて位置決めクランプするようにしたワーク位置決め方法であることを前提としている。
【0008】
その上で、ワークベースのうち加工対象となるシリンダヘッドをはさんでその上側のワーク位置決め高さ位置に着脱可能に位置決め固定されて、ワークベースに対する位置決め基準部がシリンダヘッドの仕様の違いにかかわらず共通化されている一方で、シリンダヘッドに対する位置決め基準部がシリンダヘッドの仕様ごとに相違するように設定された特定の仕様のカセット式位置決め治具と、上記ワークベースのうち加工対象となるシリンダヘッドをはさんでその下側に着脱可能に配置されて、シリンダヘッドの仕様ごとに相違するように設定された仮支持部をもって加工対象となるシリンダヘッドを仮支持するとともに、シリンダヘッドの仕様ごとに相違する位置をクランプするために複数のクランプ部材が設けられた特定の仕様のカセット式クランプ治具とを用い、上記カセット式クランプ治具に仮支持された特定の仕様のシリンダヘッドをカセット式位置決め治具に押し付けながらそのカセット式位置決め治具を基準として位置決めするべく、カセット式クランプ治具に仮支持されているシリンダヘッドをそのカセット式クランプ治具ごとリフタ機構にてリフトアップさせた上で、上記ワークベースに設けられて、カセット式クランプ治具に支持されたクランプ部材のクランプ操作部にワークベース側のクランプ機構を当接させて、このクランプ部材をクランプ動作させることによりシリンダヘッドを間接的にクランプすることを特徴としている。
【0009】
上記工作機械としては、例えば加工自由度と汎用性とに優れたマシニングセンタを使用するものとし、カムシャフト穴そのものの加工ツールとしては従来と同様にリーマあるいはボーリングバー等のロングツールが使用される。
【0010】
この場合において、請求項2に記載のように、上記クランプ機構は加工対象となるシリンダヘッドの仕様ごとに独立していて、クランプ動作させるべきクランプ機構とそのクランプ圧力とを加工対象となるシリンダヘッドの仕様に応じて選択的に切り換えることが望ましい。さらに、上記クランプ機構のより具体的な機能としては、請求項3に記載のように、クランプ機構は加工対象となる複数仕様のシリンダヘッドのクランプ部材ごとに相互に独立していて、一部のクランプ機構が複数の仕様のクランプ部材のクランプ操作に共通して使用されるようになっていることが設備構成の簡素化の上で望ましい。
【0011】
したがって、請求項1〜3に記載の発明では、シリンダヘッドの仕様ごとに設定したカセット式位置決め治具を併用することで、そのシリンダヘッドの仕様の違いにかかわらずワークベースに対する各シリンダヘッドの位置決めがなされ、同時に、同様にしてシリンダヘッドの仕様ごとに設定したカセット式クランプ治具を併用することで、シリンダヘッドの仕様の違いにかかわらずクランプ機構のクランプ動作をもって加工対象となるシリンダヘッドがワークベースにクランプされる。これにより、シリンダヘッドの仕様を問わずにいずれの仕様のシリンダヘッドであっても共通のワークベースに確実に位置決めクランプされることから、その結果として共通のマシニングセンタ等の工作機械を使用してのいわゆる多品種混流形態での加工が可能となる。
【0012】
その上、請求項2,3に記載のように、シリンダヘッドの仕様に応じて作動させるべきクランプ機構とクランプ圧力を切り換えることで、シリンダヘッドの仕様に応じたより好ましい位置決めクランプ形態を実現することができることになる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3の記載を前提として、上記クランプ機構はクランプシリンダ駆動のクランプアームをもって形成されていて、そのクランプ圧力の選択切り換えは、クランプアームごとに二段に設けられたクランプシリンダを選択作動させるか同時作動させるかで切り換えることを特徴としている。
【0014】
したがって、この請求項4に記載の発明では、シリンダヘッドの仕様に応じてクランプすべき位置だけでなく最適クランプ力が異なる場合に、それぞれのシリンダヘッドの仕様に応じた最適なクランプ力のもとでその位置決めクランプが行われる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの記載を前提として、加工対象となるシリンダヘッドの姿勢としてエンジン組立状態での姿勢を上下反転させた反転姿勢とし、シリンダヘッドのうちロッカカバー取付面側を下側にして位置決めクランプすることを特徴としている。
【0016】
すなわち、この請求項5に記載の発明では、従来と異なり加工対象となるシリンダヘッドの姿勢を天地反転させていわゆる倒立状態にて加工することを前提としていることから、カムシャフト穴の加工に伴って発生した切粉がロッカルーム内に溜まることがなくなり、その結果としてウォータージャケット穴やオイル穴の切粉が入りにくいものとなる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5の記載を前提として、上記クランプアームを揺動式のものとして、そのクランプアームをそれよりも上方に取り付けたクランプシリンダにて押し下げることで相対的にカセット式クランプ治具側のクランプ部材を突き上げてクランプ動作させることを特徴としている。
【0018】
したがって、この請求項6に記載の発明では、クランプアームの揺動に伴うてこの原理を利用して該当するクランプ部材を突き上げることでそれぞれの仕様のシリンダヘッドのクランプが行われる。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、加工しようとするシリンダヘッドの仕様に応じて各仕様ごとに設定されたカセット式位置決め治具と同じくカセット式クランプ治具を併用するようにしたことから、共通のワーク位置決め装置をもって複数の仕様のシリンダヘッドの加工に容易に対応することができるようになり、シリンダヘッドの加工のFMS化すなわち多品種混流生産が可能となる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明によれば、クランプ機構とそのクランプ圧力とをシリンダヘッドの仕様に応じて選択的に切り換えるようにしたことから、請求項1に記載の発明と同様の効果に加えて、各仕様のシリンダヘッドのそれぞれを最適クランプ位置で且つ最適クランプ力のもとで位置決めクランプできる利点がある。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、一部のクランプ機構が複数の仕様のクランプ部材のクランプ操作に共通して使用されることから、請求項2に記載の発明と同様の効果に加えて、必要とするクランプ機構の数を削減できる利点がある。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、各クランプ機構ごとに二段に設けられたクランプシリンダを選択作動させるか同時作動させるかでそのクランプ圧力の切り換えを行うようになっているため、請求項2または3に記載の発明と同様の効果に加えて、シリンダヘッドの仕様に応じてクランプ力を高圧もしくは低圧側にきわめて容易に切り換えることができる利点がある。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、シリンダヘッドをエンジン組立状態とは異なる反転姿勢として位置決めクランプした上で機械加工を施すようにしたため、請求項1〜4のいずれかに記載の発明と同様の効果に加えて、切削加工に伴って発生した切粉がロッカルーム内に溜まることがなければ、ウォータージャケット穴やオイル穴内に入り込むこともなく、後工程にて行われる洗浄作業の簡素化と工数削減を図ることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、クランプ機構を構成している揺動式のクランプアームを上方取り付けのクランプシリンダにて駆動することにより各クランプ部材を突き上げてクランプするようにしているため、請求項4または5に記載の発明と同様の効果に加えて、クランプアームのレバー比の設定次第でクランプシリンダの能力もしくはサイズを小型化でき、ワークベースひいてはワーク位置決め装置の高さ寸法の縮小化に伴いそのコンパクト化に寄与できるほか、切粉の排出性も良好なものとなる利点がある。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1以下の図面は本発明に係るワーク位置決め装方法の好ましい実施の形態を示す図であって、マシニングセンタによる内燃機関用シリンダヘッドの加工設備に適用した場合について示している。
【0026】
図1に示すように、主軸2との間で自動工具交換機構を有する横型のマシニングセンタ1に隣接してこれと対向するように1軸のシフト機能と同じく1軸のインデックス機能を有するワーク位置決め装置3が配置されており、マシニングセンタ1の主軸2にはリーマあるいはボーリングバー等の深孔切削加工用の工具としてロングツール4がツールホルダ5を介して装着されている。
【0027】
ワーク位置決め装置3は、図2〜4にも示すように、ベース6上を図3の左右方向にスライド可能なスライダ7に鉛直軸心周りを割り出し回転可能なインデックステーブル8を搭載したもので、スライダ7はモータ9を駆動源とする図示しないボールねじの作動により任意の位置に位置決め停止させることができるようになっているとともに、インデックステーブル8は内蔵する割り出し回転駆動部の作動により鉛直軸心を回転中心として360°正逆転動作させることが可能であり、同時にその任意の回転位置に割り出して位置決めすることができるようになっている。
【0028】
そして、インデックステーブル8上には略U字状をなすロアベース11と平盤状のアッパーベース12とを略櫛形状もしくは縦格子状の左右のサイドウォール部13をもって相互に連結してなるワークベース10が固定されていて、これらロアベースと11アッパーベース12の対向間隙内に位置決め対象で且つ加工対象となるシリンダヘッドWaまたはWbが搬入されることになる。なお、本実施の形態では、後述するようにシングルカムタイプのシリンダヘッドWaとツインカムタイプのシリンダヘッドWbの双方を加工対象としていることから、いずれか一方のシリンダヘッドWaまたはWbが搬入されて位置決めされることになる。
【0029】
また、図3から明らかなように、ロアベース11の両側部およびアッパーベース12の両側部も側面視では共にサイドウォール部13と同様に櫛形状もしくは縦格子状のものとして形成されている。
【0030】
ここで、本実施の形態では、後述するようにワークベース10を仕様が異なる二種類のシリンダヘッドWa,Wbの位置決めに共通して使用するために、各々のシリンダヘッドWaまたはWbを直接ワークベース10に位置決めすることはせずに各シリンダヘッドWaまたはWbの仕様に応じて予め用意された着脱可能なカセット式位置決め治具14Aまたは14Bを介して各シリンダヘッドWaまたはWbをワークベース10に位置決めするようになっている。同時に、シリンダヘッドWaまたはWbのクランプに際しても共通のクランプ機構16,16…にて各仕様のシリンダヘッドWaまたはWbに対応するために、後述するように直接シリンダヘッドWaまたはWbをクランプすることなく各シリンダヘッドWaまたはWbの仕様ごとに予め用意された着脱可能なカセット式クランプ治具15Aまたは15Bを介してクランプするようになっている。
【0031】
すなわち、上記ワークベース10を形成しているロアベース11には後述するようにクランプ機構16として機能する複数の揺動式のクランプアーム17が設けられているとともに、そのクランプアーム17と位置決め対象となるシリンダヘッドWaまたはWbとの間に着脱可能なカセット式クランプ治具15Aまたは15Bが配置されるようになっている一方、同じくワークベース10を形成しているアッパーベース12には後述するようにシリンダヘッドWaまたはWbの各仕様ごとに予め用意されたカセット式位置決め治具14Aまたは14Bが着脱可能に装着されるようになっていて、これらのカセット式位置決め治具14Aまたは14Bとカセット式クランプ治具15Aまたは15Bとで対象となるシリンダヘッドWaまたはWbを上下から挟むようにしてアッパーベース12を基準に位置決めクランプするようになっている。
【0032】
ここでは、仕様が相違する複数種類のシリンダヘッドとして、図15に示すようにシングルカムタイプのシリンダヘッドWaを加工する場合と、図20に示すようにツインカムタイプのシリンダヘッドWbを加工する場合とを想定しており、いずれの仕様のシリンダヘッドWaまたはWbについてもそれぞれの仕様ごとに予め用意されたカセット式位置決め治具14Aもしくは14Bと同じくカセット式クランプ治具15Aもしくは15Bとを用いて位置決めクランプされる。
【0033】
そして、各シリンダヘッドWaまたはWbはカムシャフトのジャーナル部を軸受支持するための半割り状の複数のベアリングキャップ81または91が対応するベアリング台座部82または92にボルト84または94にて予め固定された状態で加工に供されるようになっており、図15,20に示すように、上記ベアリング台座部82または92とベアリングキャップ81または91とをもって形成されるカムシャフト穴CにシリンダヘッドWaまたはWbの長手方向の一端から先に述べたロングツール4が挿入されることで、同一軸線上にある複数のカムシャフト穴C,C…に同時に切削加工が施されることになる。
【0034】
なお、上記の位置決めクランプの対象となるシリンダヘッドWa,Wbの姿勢としては、エンジン組立状態の姿勢を上下反転させた反転姿勢とし、そのシリンダヘッドWa,Wbのうちロッカカバー取付面83または93側を下側にして位置決めクランプするようになっている。
【0035】
図5〜14には上記ワークベース10の詳細を示す。最初にアッパーベース12の詳細を図5〜8に基づいて説明すると、アッパーベース12の中央部には断面略コ字状であって且つ互いに平行な一対ののアッパーガイドレール18が設けられており、これらのアッパーガイドレール18に沿ってシリンダヘッドWaまたはWbの各仕様ごとに予め用意されたカセット式位置決め治具14Aまたは14Bが着脱可能に装着される。カセット式位置決め治具14A,14Bはいずれも略矩形状の位置決めプレート19を母体として形成されていて、その外形状および板厚等はシリンダヘッドWa,Wbの仕様の違いにかかわらず共通化されているとともに、アッパーベース12に対するカセット式位置決め治具14A,14Bの装脱着は手作業にて行われるために、その取り扱い容易性を考慮して位置決めプレート19には把手部20を設けてある。
【0036】
そして、図6に示すようにアッパーベース12にはそのアッパーベース12に対するカセット式位置決め治具14A,14Bの座面となる基準プレート21が固定されているとともに、内蔵型の油圧シリンダ22を駆動源としてその基準プレート21から出没可能な複数のロケートピン23が設けられていて、さらに同じく内蔵型の油圧シリンダ24を駆動源とする出没式の複数のクランプピン25が上記アッパーガイドレール18の一部を切り欠くようにして設けられている。
【0037】
これらの基準プレート21やロケートピン23およびクランプピン25はシリンダヘッドWa,Wbの仕様の違いにかかわらず各シリンダヘッドWa,Wbの仕様のカセット式位置決め治具14A,14Bの位置決めクランプに共通して使用されるものであり、ロケートピン23はワークベース10の一部を形成しているアッパーベース12に対する各カセット式位置決め治具14A,14Bの位置決め基準部として機能することから、シリンダヘッドWa,Wbの各仕様のカセット式位置決め治具14A,14Bの位置決めプレート19には互いに共通する位置に上記ロケートピン23と係合可能なロケート穴26(図6参照)が形成されている。
【0038】
したがって、上記ロケートピン23の先端が基準プレート21内に没していて且つ各クランプピン25がアンクランプ状態にある状態でアッパーガイドレール18に沿っていずれかの仕様のカセット式位置決め治具14Aまたは14Bを装着し、その後に先ずロケートピン23を基準プレート21から突出させ、それに続いて各クランプピン25をクランプ動作させることにより、いずれの仕様のカセット式位置決め治具14A,14Bもアッパーベース12に確実に位置決めクランプされることになる。なお、各カセット式位置決め治具14A,14Bの詳細は後述する。
【0039】
一方、ロアベース11の詳細を図2〜4のほか図9,10に基づき説明すると、ロアベース11の左右両側には揺動式のクランプアーム17を主体とするクランプ機構16が5個ずつ等ピッチで並設されている。より詳しくは、ロアベース11の両側部はサイドウォール部13と同様に櫛形状もしくは縦格子状に形成されていて、その櫛形状空間のそれぞれにクランプ機構16を形成することになるクランプアーム17が挿入支持されていて、片側につき5個ずつのクランプアーム17,17…は図3のように互いに共有することになるヒンジシャフト27を介して揺動可能に支持されている。
【0040】
また、アッパーベース11のうち各クランプアーム17の真上に相当する位置には対応するクランプアーム17を個別にクランプ,アンクランプ動作させるためのクランプシリンダ(油圧シリンダ)28が配設されているとともに、各クランプシリンダ28とそれに対応するクランプアーム17との間にはサイドウォール部13そのものをシリンダチューブとする中間シリンダ(油圧シリンダ)29が個別に配設されている。そして、図11に示すように、クランプシリンダ28は高圧用クランプシリンダとして機能する一方、中間シリンダ28はその能力がクランプシリンダ28よりも小さい故に低圧用クランプシリンダとして機能するようになっている。これにより、各々のクランプアーム17はアクチュエータとして直列二段にわたり中間シリンダ29とクランプシリンダ28を個別に備えていることになり、各クランプアーム17とそれに対応する中間シリンダ29およびクランプシリンダ28とをもってそれぞれにクランプ機構16が形成されている。
【0041】
上記クランプアーム17と中間シリンダ29およびクランプシリンダ28との相互関係を図2の要部拡大図である図11,12に基づき説明すると、中間シリンダ29はその上下両端からピストンロッド30,31が突出したいわゆる両ロッド型のものとして形成されていて、ピストンロッド31の下端がクランプアーム17の一端部に当接しているとともに、そのピストンロッド31の下端から延設されたたフック部32が同じくクランプアーム17の一端部に係合している。また、クランプシリンダ28のピストンロッド33の下端はその下方の中間シリンダ29側のピストンロッド30の上端に当接するようになっていて、クランプシリンダ28側のストロークは中間シリンダ29側のそれよりもわずかに大きく設定されている。したがって、各クランプ機構16のクランプアーム17は中間シリンダ29による低圧クランプ力をもってクランプ,アンクランプ動作を行わせることができるようになっていると同時に、中間シリンダ29の低圧クランプ力に加えてクランプシリンダ28のクランプ力を上乗せした高圧クランプ力をもってしてもまたクランプ,アンクランプ動作を行わせることができるようになっている。
【0042】
なお、上記のように左右で合計10個設けられたクランプ機構16,16…はその全てが同時作動することもあれば、位置決め対象となるシリンダヘッドWa,Wbの仕様に応じて一部のものが選択使用されることもある。
【0043】
図2,5において、ロアベース11の上方には、先に述べたカセット式クランプ治具15Aまたは15Bを支えながらこれを位置決め対象となるシリンダヘッドWaまたはWbとともにリフトアップさせるためのリフタ機構34が設けられている。このリフタ機構34は、図9,10に示すように、ロアベース11の上方に所定距離隔てて配置された断面略コ字状をなす左右一対のロアガイドレール35を主体として形成されていて、これらのロアガイドレール35に沿ってシリンダヘッドWa,Wbの各仕様ごとに予め用意されたカセット式クランプ治具15Aまたは15Bが着脱可能に装着される。カセット式クランプ治具15A,15Bはいずれの仕様のものも略矩形状のホルダプレート36を母体として形成されていて、その外形状および板厚等はシリンダヘッドWa,Wbの仕様の違いにかかわらず共通化されているとともに、そのホルダプレート36の両側には上記ロアガイドレール35に沿って転動する複数のガイドローラ37が装着されている。
【0044】
そして、後述するようにカセット式クランプ治具15Aまたは15Bの上に該当する仕様のシリンダブロックWaまたはWbが仮支持された状態でそのカセット式クランプ治具15Aまたは15Bがロアガイドレール35に沿って外部から搬入されて位置決めされると、そのロアガイドレール35がシリンダヘッドWaまたはWbを載せたカセット式クランプ治具15Aまたは15Bとともにリフトアップ動作してそのシリンダヘッドWaまたはWbを上側のカセット式位置決め治具14Aまたは14Bに押し付けてその位置決め治具14Aまたは14Bを基準に位置決めし、それに続いてクランプ機構16,16…のいずれかが選択的にクランプ動作することにより、カセット式クランプ治具15Aまたは15Bに予め設けられているクランプ部材としてのクランプピン54または59を介してシリンダヘッドWaまたはWbが最終的にクランプされるようになっている。なお、カセット式クランプ治具15A,15Bの詳細は後述する。
【0045】
左右一対のロアガイドレール35は図2〜4に示すように左右のブラケット38を介して同じく支持ロッド39の下端に連結支持されていて、各支持ロッド39はロアベース11の側部に設けたガイドブロック40に上下動可能に案内支持されている。各支持ロッド39の上端は、平面視にてロアガイドレール35と直交関係にある左右の支持プレート41に連結されていて、さらに左右一対の支持プレート41は平面視にてそれらと直交関係にある共通のブリッジプレート42にブラケット43を介して連結されている。ブリッジプレート42はアッパーベース12上に設けられたリフトシリンダ44のピストンロッド45に連結されており、したがって、このリフトシリンダ44の伸縮作動に応じて上記ロアガイドレール35が昇降動作することになる。なお、図13に示すように、上記リフトストロークはリフトシリンダ44の上方側の補助プレート46に設けたアジャストボルト47の操作によって微調整される。
【0046】
また、上記リフタ機構34に関連して、図4,5に示すようにそのブリッジプレート42にはブラケット48を介して左右一対のノックアウトシャフト49が吊り下げ支持されている。そして、図14に示すように、このノックアウトシャフト49の下端部は先に述べたアッパーベース12側の基準プレート21に臨ませてあり、リフタ機構34の下降動作に伴う上記ノックアウトシャフト49の動きをもって後述するように各カセット式位置決め治具14Aまたは14Bに設けられたノックアウトピン50を突き出し動作させるようになっている。
【0047】
ここで、図15以下の図面に基づいてシリンダヘッドWa,Wbの仕様ごとのカセット式位置決め治具14A,14Bおよびカセット式クランプ治具15A,15Bの詳細を説明する。
【0048】
最初に、図15に示したシングルカムタイプのシリンダヘッドWa用のカセット式位置決め治具14Aの詳細を説明すると、図15のほか図6〜8および図16,17に示すように、略矩形状の位置決めプレート19を主体とするカセット式位置決め治具14Aは先に述べたようにアッパーガイドレール18に案内支持された状態でアッパーベース12側の基準プレート21にロケートピン23とクランプピン25(図6参照)とで位置決めクランプされる。なお、この時、アッパーガイドレール18とカセット式位置決め治具14Aの位置決めプレート19との間には上下方向にわずかな隙間を持たせてあり、したがってクランプピン25によるカセット式位置決め治具14Aのクランプの際にはアッパーガイドレール18はそのクランプストロークを許容する。
【0049】
位置決めプレート19には該当するシリンダヘッドWaの位置決め基準部となるロケートピン51のほかワーク着座面となる定位置固定式の複数のシートパッド52が設けられているとともに、出没可能な一対のノックアウトピン50(図14参照)が設けられている。これらのノックアウトピン50は、図18に示すように圧縮コイルスプリング53によって上方に付勢されてはいても、先に述べたノックアウトシャフト49によって突き出されるようになっている。ただし、図15に示したシングルカムタイプのシリンダヘッドWaの場合にはシートパッド52の高さ寸法に比してノックアウトピン50のストロークが短いので、ノックアウトシャフト49によって駆動されても単に空振り動作するにすぎない。
【0050】
一方、上記カセット式位置決め治具14Aと対で用いられる同じくカセット式クランプ治具15Aは図15,16および図19に示されているとおりであって、先に述べたように該当するシリンダヘッドWaを仮支持した状態でロアガイドレール35に挿入支持されることで一次的に位置決めされる。カセット式クランプ治具15Aの主体となるホルダプレート36にはクランプ部材として合計10本のクランプピン54,54…と定位置固定式の複数のワークレスト55が設けられている。各クランプピン54は微小ストロークだけ上下動可能となっているとともに、一部のクランプピン54はロケートピンとしての機能を併せ持っていて、各クランプピン54のクランプ操作部としての頭部56には先に述べた各クランプ機構16のクランプアーム17が個別に当接可能となっている。そして、各クランプピン54は反転姿勢にあるシリンダヘッドWaのヘッドボルト(シリンダヘッドを相手側となるシリンダブロックに固定するためのボルト)挿入用のボルト孔に挿入されてその座面に当接するようになっていて、これによりカセット式クランプ治具15Aはクランプピン54およびワークレスト55を仮支持部として単独で該当するシリンダヘッドWaを仮支持することができる。
【0051】
したがって、アッパーベース12側に着脱可能なカセット式位置決め治具14Aが予め位置決めクランプされている状態で、図15に示すように外部にて予めシリンダヘッドWaが搭載されたカセット式クランプ治具15Aをリフタ機構34のロアガイドレール35に沿って挿入支持させると、上記カセット式位置決め治具14AとシリンダヘッドWaとは正対するかたちとなる。その状態でロアガイドレール35を所定ストロークだけリフトアップさせると、シリンダヘッドWaはカセット式位置決め治具14A側のロケートピン51にて案内されながらシートパッド52に着座してその位置決め治具14Aに対する位置決めがなされる。
【0052】
それに続いて、図2〜4に示した合計10個のクランプ機構16,16…を一斉にクランプ動作させると、図15のように各クランプ機構16,16…のクランプアーム17が該当するクランプピン54の頭部56に当接してそのクランプピン54を突き上げて、その結果としてシリンダヘッドWaがカセット式位置決め治具14Aにクランプされる。この時、カセット式クランプ治具15Aのホルダプレート36はクランプ動作に伴う各クランプピン54の上動動作を許容することから、ホルダプレート36にはクランプ力は全く作用しない。また、各クランプアーム17のクランプ動作は、最初に図11に示した中間シリンダ29のみを作動させることにより低圧クランプ力をもって一次的にクランプするものとし、それに続いてクランプシリンダ28をクランプ動作させることにより最終的に必要な高圧クランプ力をもって堅固にクランプする。
【0053】
なお、上記のようにシリンダヘッドWaのヘッドボルト用の各ボルト孔にクランプピン54を挿入して高圧クランプ力にてクランプするようにしているのは、シリンダヘッドWaが着座しているシートパッド52の高さが比較的高く、且つそのシリンダヘッドWaが実際のエンジンとしてシリンダブロックに組み付けた状態を再現するためである。
【0054】
このように、図1に示すマシニングセンタ1での加工対象となるシングルカムタイプのシリンダヘッドWaは、上側のカセット式位置決め治具14Aと下側の各クランプピン54とで挟まれるようにして間接的にアッパーベース12に対して位置決めクランプされることになる。そして、シリンダヘッドWaが位置決めクランプされると、マシニングセンタ1の主軸2に支持されたロングツール4がカムシャフト穴Cに挿入されて、所定の切削加工が行われる(図21,23参照のこと)。
【0055】
また、加工後のシリンダヘッドWaのアンクランプ動作およびその取り出しは上記の一連の動作と全く逆の手順で行われる。
【0056】
次に、図20に示したツインカムタイプのシリンダヘッドWb用のカセット式位置決め治具14Bの詳細を説明すると、図20のほか図21,22に示すように、略矩形状の位置決めプレート19を主体とするカセット式位置決め治具14Bはその基本形状を先に述べたシングルカムタイプ用のものと共通形状としてあり、したがって、同様にしてアッパーガイドレール18に案内支持された状態でアッパーベース12側の基準プレート21に図6に示すロケートピン23とクランプピン25とで位置決めクランプされる。
【0057】
位置決めプレート19には該当するシリンダヘッドWbの位置決め基準部となるロケートピン57のほかワーク着座面となる定位置固定式の複数のシートパッド58が設けられているとともに、出没可能な一対のノックアウトピン50が設けられている。これらのノックアウトピン50の詳細は図18に示したとおりである。
【0058】
一方、上記カセット式位置決め治具14Bと対で用いられる同じくカセット式クランプ治具15Bは、図20〜23に示すように、上記と同様に該当するシリンダヘッドWbを仮支持した状態でロアガイドレール35に挿入支持されることで一次的に位置決めされる。カセット式クランプ治具15Bの主体となるホルダプレート36にはクランプ部材として合計6本のクランプピン59のほか定位置固定式のピン状のワークレスト60とブロック状のワークレスト61が設けられている。
【0059】
ここで、先に説明したシングルカムタイプのシリンダヘッドWa用のカセット式クランプ治具14Bではそのクランプピンの数を10本としているのに対して、ツインカムタイプのシリンダヘッドWb用のカセット式クランプ治具15Bではそのクランプピン59,59…の数を6本としているのは、その仕様の相違のためにクランプすべき位置が異なるためである。ただし、その6本のクランプピン59,59…に関するかぎりその位置をシングルカムタイプのシリンダヘッドWa用のクランプピン54と同じ位置に設定してある。これにより、そのクランプピン59,59…をクランプ動作させるためのクランプ機構16としては、先に述べた合計10個のクランプ機構16,16…のうち6個のものを共通して使用することができる。
【0060】
上記6本のクランプピン59,59…が微小ストロークだけ上下動可能となっている点、および各クランプピン59,59…のクランプ操作部としての頭部62には先に述べた該当する位置のクランプ機構16のクランプアーム17が個別に当接可能となっている点については、先のシングルカムタイプ用のものと同様である。そして、各クランプピン59,59…は反転姿勢にあるシリンダヘッドWbのうちベアリングキャップ取付用のボルト94の頭部に当接するようになっていて、これらのクランプピン59とワークレスト60,61とによりカセット式クランプ治具15B単独で該当するシリンダヘッドWbを仮支持することができる。
【0061】
したがって、アッパーベース12側にカセット式位置決め治具14Bが予め位置決めクランプされている状態で、図20に示すように外部にて予めシリンダヘッドWbが搭載されたカセット式クランプ治具15Bをリフタ機構34のロアガイドレール35に沿って挿入支持させると、上記カセット式位置決め治具14BとシリンダヘッドWbとは正対し、その状態でロアガイドレール35を所定ストロークだけリフトアップさせると、シリンダヘッドWbはカセット式位置決め治具14B側のロケートピン57にて案内されながらシートパッド58に着座してその位置決め治具14Bに対する位置決めがなされる。
【0062】
続いて、図2〜4に示した合計10個のクランプ機構16,16…のうちクランプピン59,59…に対応する6個のクランプ機構16,16…を一斉にクランプ動作させると、各クランプ機構16,16…のクランプアーム17が該当するクランプピン59の頭部62に当接してそのクランプピン59を突き上げて、その結果としてシリンダヘッドWbがカセット式位置決め治具14Bにクランプされる。この時、各クランプアーム17のクランプ動作は、図11に示した中間シリンダ29のみを作動させることにより低圧クランプ力をもってクランプする。なお、このツインカムタイプのシリンダヘッドWbの場合には、シリンダヘッドWbが着座しているシートパッド58の高さが比較的低いため、上記6本のボルト94,94…の頭部を圧締するだけで必要十分なクランプ力が得られる。
【0063】
このように、マシニングセンタ1の加工対象となるツインカムタイプのシリンダヘッドWbは、上側のカセット式位置決め治具14Bと下側の各クランプピン59,59…とで挟まれるようにして間接的にアッパーベース12に対して位置決めクランプされることになる。そして、シリンダヘッドWbが位置決めクランプされると、マシニングセンタ1の主軸2に支持されたロングツール4がカムシャフト穴Cに挿入されて、所定の切削加工が行われる。
【0064】
また、加工後のシリンダヘッドWbのアンクランプ動作およびその取り出しは上記の一連の動作と全く逆の手順で行われる。この場合、クランプ機構16のアンクランプ動作に続きリフタ機構34が作動してカセット式クランプ治具15BがシリンダヘッドWbとともに下降し始めると、それに連動して図5,18に示したノックアウトシャフト49が下降してカセット式クランプ治具15B側のノックアウトピン50を突き出すため、シリンダヘッドWbは確実に上側の位置決め治具14Bから離脱する。
【0065】
ここで、上記の合計10個のクランプ機構16,16…について左右5個づつに分けて2グループとしているのは、各グループごとのクランプシリンダ16,16…のクランプ圧力を図示外の比例電磁弁にて制御するようにしているためであり、したがって左右のクランプ機構16,16同士で互いに異なったクランプ力でクランプ動作させることも可能である。
【0066】
また、上記の実施の形態では、シングルカムタイプのシリンダヘッドWaとツインカムタイプのシリンダヘッドWbの二種類のシリンダヘッドWa,Wbについていわゆる混流形態で加工する場合の例を示したが、各シリンダヘッドWa,Wbの仕様ごとに専用化されたカセット式位置決め治具14Aまたは14Bとカセット式クランプ治具15Aまたは15Bとを併用することを前提としている以上は、二種類以上のシリンダヘッドの混流加工にもきわけて容易に対応できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態を示す図で、マシニングセンタとワーク位置決め装置の全体構成を示す概略説明図。
【図2】図1に示すワーク位置決め装置の右側面説明図。
【図3】図2の右側面説明図。
【図4】図2の平面説明図。
【図5】図2のA−A線に沿う断面説明図。
【図6】図2の要部拡大説明図。
【図7】図2のC−C線に沿う矢視図。
【図8】図7のD−D線に沿う断面説明図。
【図9】図2のB−B線に沿う矢視図。
【図10】図9のG−G線に沿う拡大断面図。
【図11】図2の示すクランプ機構の要部拡大断面図。
【図12】図2の示すクランプ機構の要部拡大断面図。
【図13】図2に示すリフトシリンダの拡大説明図。
【図14】図5の要部拡大図。
【図15】図2の要部拡大図であって、シングルカムタイプのシリンダヘッドの位置決めクランプ状態を示す断面説明図。
【図16】図15の側面説明図。
【図17】図15に示すカセット式位置決め治具の下面図。
【図18】図15のF部拡大図。
【図19】図15に示すカセット式クランプ治具の平面図。
【図20】図2の要部拡大図であって、ツインカムタイプのシリンダヘッドの位置決めクランプ状態を示す断面説明図。
【図21】図20の側面説明図。
【図22】図20に示すカセット式位置決め治具の下面図。
【図23】図20示すカセット式クランプ治具の平面図。
【符号の説明】
1…マシニングセンタ
4…ロングツール
10…ワークベース
11…ロアベース
12…アッパーベース
14A,14B…カセット式位置決め治具
15A,15B…カセット式クランプ治具
16…クランプ機構
17…クランプアーム
18…アッパーガイドレール
23…位置決め基準部としてのロケートピン
25…クランプピン
28…クランプシリンダ
29…中間シリンダ(クランプシリンダ)
34…リフタ機構
35…ロアガイドレール(リフタ機構)
51…位置決め基準部としてのロケートピン
52…位置決め基準部としてのシートパッド
54…仮支持部としてのクランプピン(クランプ部材)
55…仮支持部としてのワークレスト
56…頭部(クランプ操作部)
57…位置決め基準部としてのロケートピン
58…位置決め基準部としてのシートパッド
59…仮支持部としてのクランプピン(クランプ部材)
60,61…仮支持部としてのワークレスト
62…頭部(クランプ操作部)
C…カムシャフト穴
Wa…シングルカムタイプのシリンダヘッド
Wb…ツインカムタイプのシリンダヘッド

Claims (6)

  1. 仕様が異なる複数種類のシリンダヘッドのうちいずれか一つのシリンダヘッドをワークベースに位置決めクランプした上で、共通の工作機械にてロングツールによるカムシャフト穴の機械加工を施すにあたり、加工対象となるシリンダヘッドをワーク位置決め装置にて位置決めクランプする方法であって、
    ワークベースのうち加工対象となるシリンダヘッドをはさんでその上側のワーク位置決め高さ位置に着脱可能に位置決め固定されて、ワークベースに対する位置決め基準部がシリンダヘッドの仕様の違いにかかわらず共通化されている一方で、シリンダヘッドに対する位置決め基準部がシリンダヘッドの仕様ごとに相違するように設定された特定の仕様のカセット式位置決め治具と、
    上記ワークベースのうち加工対象となるシリンダヘッドをはさんでその下側に着脱可能に配置されて、シリンダヘッドの仕様ごとに相違するように設定された仮支持部をもって加工対象となるシリンダヘッドを仮支持するとともに、シリンダヘッドの仕様ごとに相違する位置をクランプするために複数のクランプ部材が設けられた特定の仕様のカセット式クランプ治具と、
    を用い、
    上記カセット式クランプ治具に仮支持された特定の仕様のシリンダヘッドをカセット式位置決め治具に押し付けながらそのカセット式位置決め治具を基準として位置決めするべく、カセット式クランプ治具に仮支持されているシリンダヘッドをそのカセット式クランプ治具ごとリフタ機構にてリフトアップさせた上で、
    カセット式クランプ治具に支持されたクランプ部材のクランプ操作部にワークベース側のクランプ機構を当接させて、このクランプ部材をクランプ動作させることによりシリンダヘッドを間接的にクランプすることを特徴とする工作機械のワーク位置決め方法。
  2. 上記クランプ機構は加工対象となるシリンダヘッドの仕様ごとに独立していて、クランプ動作させるべきクランプ機構とそのクランプ圧力とを加工対象となるシリンダヘッドの仕様に応じて選択的に切り換えることを特徴とする請求項1に記載の工作機械のワーク位置決め方法。
  3. 上記クランプ機構は加工対象となる複数仕様のシリンダヘッドのクランプ部材ごとに相互に独立していて、一部のクランプ機構が複数の仕様のクランプ部材のクランプ操作に共通して使用されることを特徴とする請求項2に記載の工作機械のワーク位置決め方法。
  4. 上記クランプ機構はクランプシリンダ駆動のクランプアームをもって形成されていて、そのクランプ圧力の選択切り換えは、クランプアームごとに二段に設けられたクランプシリンダを選択作動させるか同時作動させるかで切り換えることを特徴とする請求項2または3に記載の工作機械のワーク位置決め方法。
  5. 加工対象となるシリンダヘッドの姿勢としてエンジン組立状態での姿勢を上下反転させた反転姿勢とし、シリンダヘッドのうちロッカカバー取付面側を下側にして位置決めクランプすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の工作機械のワーク位置決め方法。
  6. 上記クランプアームを揺動式のものとして、そのクランプアームをそれよりも上方に取り付けたクランプシリンダにて押し下げることで相対的にカセット式クランプ治具側のクランプ部材を突き上げてクランプ動作させることを特徴とする請求項4または5に記載の工作機械のワーク位置決め方法。
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