JP3951476B2 - 通信装置、および、測距手段を有する小型の携帯可能な通信装置 - Google Patents

通信装置、および、測距手段を有する小型の携帯可能な通信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアンテナの近傍に位置する物体の距離を測定し、測定した位置に応じて変化するアンテナ特性を調整するアンテナを有する通信装置に関する。
また本発明は、測距手段を有する小型の携帯可能な通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信装置として小型の携帯可能な通信装置、たとえば、携帯電話機を例示して述べる。
携帯電話機は通話する人の頭部に接近させて使用するから、携帯電話機に備えつけられたアンテナと人間の頭部とが接近する。その結果、人間の頭部における電波の吸収の他、人間の頭部とアンテナと頭部との結合関係によりアンテナ給電点の反射電力が増加または減少し、アンテナ特性が変化する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
携帯電話機において、人間の頭部とアンテナとが接近して利用されることは前提としており、上記のごときアンテナ特性の変化を考慮した回路設計はなされている。
【0004】
しかしながら、人間の頭部とアンテナとの距離はある範囲内にあると仮定した条件で標準的な回路設計をしており、アンテナと人間の頭部との距離の変化に応じて変化するアンテナ特性の変化を考慮した最適な回路条件で携帯電話機を動作させる設計はしていない。したがって、よりよい品質の通話を行う場合、アンテナと人間の頭部との距離に応じたアンテナ特性を考慮して回路条件を調整することが望ましい。
【0005】
以上、携帯電話機を用いて通話する場合について述べたが、携帯電話機を用いてデータ通信を行う場合にも上記同様の問題が起こる。そのときは、携帯電話機のアンテナと人間の頭部に限らない。たとえば、アンテナの近傍に電波を吸収する金属物体などが存在すると通信品質に影響を与える。そのような場合もアンテナ特性の変化に応じた携帯電話機の回路条件の調整が望ましい。
【0006】
そのような調整を行う場合、アンテナとアンテナの近傍の物体との距離を測定して、測定した距離に応じた回路条件の調整を行うことが必要となるが、これまで、人体に影響が少なく、低価格で、小型で、長期間安定に動作可能で携帯電話機の搭載(収納)可能な測距手段が知られていない。
【0007】
上述した例示において、通信装置として携帯電話機を例示したが、アンテナを用いて通信を行うその他の固定式送信装置においても上記同様の問題に遭遇する。
【0008】
上述した問題を克服するため、本発明の目的は、人体に影響が少なく、低価格で、小型で、長期間安定に動作可能で、たとえば、携帯電話機のような小型の通信装置にも搭載可能な測距手段を有し、特に、アンテナ特性に実質的に影響を及ぼす物体を検知し、その検知結果に基づいて回路条件を調整可能な通信装置を提供することにある。
また本発明の他の目的は、測距手段および回路条件を調整可能な手段を有する小型の携帯可能な通信装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、アンテナと、該アンテナとインピーダンスマッチングをとる整合回路と、超音波により前記アンテナと物体との距離を測定し、該物体の大きさを推定し、該測定した距離、推定した物体の大きさ、および、超音波反射波の受信順序に基づく優先度係数を乗じて、アンテナ特性に影響を与える評価値を算出し、該評価値に応じて前記整合回路の整合回路条件を調整する回路条件調整手段とを有する通信装置が提供される。
【0010】
好ましくは、前記回路条件調整手段は、前記超音波反射波の立ち上がり時間から立ち下がり時間までの時間差と前記測定した距離から前記物体の大きさを推定する。
また好ましくは、前記回路条件調整手段は、前記超音波反射波の包絡線検波信号の積分結果と、前記測定した距離から前記物体の大きさを推定する。
【0011】
また好ましくは、前記回路調整手段は距離測定手段と、整合条件調整手段とを有し、
該距離測定手段は、前記通信装置に設けられた送信用超音波センサと、前記通信装置に設けられた受信用超音波センサと、前記通信装置に設けられた前記送信用超音波センサを励起する励起手段と、前記通信装置に設けられた、前記送信用超音波センサから放射された超音波が前記物体で反射され、該反射した超音波を前記受信用超音波センサで受信し、超音波の送信から超音波の受信までの時間を測定し、該計測時間から前記送信用超音波センサまたは前記受信用超音波センサから前記物体までの距離を測定する超音波距離測定手段とを有し、
前記整合条件調整手段は、前記測定した距離、前記推定した物体の大きさ、および、超音波反射波の受信順序に基づく優先度係数を乗じて、アンテナ特性に影響を与える評価値を算出し、該評価値に応じて前記整合回路の整合回路条件を調整する、コンピュータを有する。
【0012】
特定的には、前記通信装置は小型の携帯可能な通信装置である。
【0013】
また本発明によれば、送信用超音波センサと、受信用超音波センサと、前記送信用超音波センサを励起する励起手段と、前記送信用超音波センサから放射された超音波が物体で反射され、該反射した超音波を前記受信用超音波センサで受信し、超音波の送信から超音波の受信までの時間を測定し、該計測時間から前記送信用超音波センサまたは前記受信用超音波センサから前記物体までの距離を測定する超音波距離測定手段と、前記物体の大きさを推定し、前記測定した距離、前記推定した物体の大きさ、および、超音波反射波の受信順序に基づく優先度係数を乗じて、アンテナ特性に影響を与える評価値を算出し、該評価値に応じて整合回路の整合回路条件を調整する回路条件調整手段とを有する小型の携帯可能な通信装置が提供される。
【0014】
好ましくは、前記送信用超音波センサと、前記受信用超音波センサとが一体構成されている。
【0015】
本発明の通信装置においては、通信装置に搭載されたアンテナと、アンテナの近傍に位置する物体との間の距離を超音波を用いて測定し、さらに、物体の大きさを推定し、測定した距離、推定した物体の大きさおよび受信した超音波反射波の受信順序を考慮し、実質的にアンテナ特性を変化するもの、または、アンテナ特性を最も変化させるものを推定し、その推定結果に応じて回路条件を調整する。
【0016】
超音波は人体に及ぼす影響が少ない。したがって、たとえば、通信装置が携帯電話機であり、物体が携帯電話機と接近させて使用する人体の頭部であっても、人体に及ぼす影響が少ない状態でアンテナと人体の頭部との距離が測定できる。携帯電話機以外の通信装置においても、超音波は物体探知に好適である。
【0017】
送信用超音波センサ、受信用超音波センサ、送信用超音波センサを励起する励起手段、超音波距離測定手段は小型であり、携帯電話機などの小型通信装置に容易に搭載(収容可能)である。
送信用超音波センサと受信用超音波センサとを一体化したものを使用すれば一層小型、軽量化になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
第1実施の形態
図1は本発明の通信装置の第1の実施の形態としての、小型の携帯可能な通信装置、たとえば、携帯電話機の送信部分の概略構成図である。
図1に図解した携帯電話機は、アンテナ1と、アンテナとインピーダンスマッチングをとる整合回路3と、制御手段5と、超音波距離測定手段7とを有する。制御手段5と超音波距離測定手段7とが後述する本発明の回路条件調整手段に該当する。
【0019】
携帯電話機はさらに、受信系として、入力フィルタ11と、高周波増幅回路13と、周波数変換回路15と、データ再生回路17を有する。携帯電話機はまた送信系として、出力フィルタ21と、高周波増幅回路23と、周波数変換回路25と、データ生成回路27を有する。
実際の携帯電話機は、図1に図解した他、種々の回路、手段を有するが、図1は本発明に関係する部分のみを図解している。
【0020】
携帯電話機は、たとえば、図2に図解したような、広く使用されている携帯電話機30であり、この携帯電話機30に搭載されているアンテナ1は、携帯電話機30に収容されうる伸縮自在の、送信と受信との両方に使用する送受信用ロッドアンテナである。
【0021】
図1に図解した回路のデータ受信動作を述べる。
アンテナ1が受信した高周波信号がアンテナ整合回路3において整合(インピーダンスマッチング)がとられて、入力フィルタ11に入力されて雑音成分が除去される。入力フィルタ11の出力信号は高周波増幅回路13において増幅され、周波数変換回路15において中間周波信号に変換される。その後、さらに周波数変換される場合もあるが、図解の携帯電話機では省略している。その後、復調回路(図示せず)で復調されて、データ再生回路17においてデータの再生処理が行われて、携帯電話機の音声出力部から音声として出力される。
【0022】
図1に図解した回路のデータ送信動作を述べる。
携帯電話機のマイクからの音声信号が電気信号に変換された後、データ生成回路27において通話用の信号を生成する。さらに、その信号が変調回路(図示せず)において変調され、周波数変換回路25において高周波信号に変換され、高周波増幅回路23において送信可能な電力レベルまで増幅される。さらに出力フィルタ21において雑音成分が除去されて、アンテナ整合回路3を介してアンテナ1に印加されて空中に放射される。
【0023】
本発明者は、携帯電話機と人体頭部との距離と、人体の高周波吸収電力比率とが図3に図解したグラフとして表すことができることを見いだした。
また本発明者は、図3に図解したように、アンテナ1(携帯電話機30)と人体頭部との距離に応じて電力の吸収比率が異なるから、その吸収状態に応じてアンテナ整合回路3の整合条件を適切に調節することにより、通信品質を高く維持することが可能であることを見いだした。
【0024】
そこで、本願発明者は、図2に図解したように、人体などの被測定対象物(物体)10と、アンテナ1との距離を超音波距離測定手段7において測定し、制御手段5が超音波距離測定手段7による測距結果に基づいてアンテナ整合回路3の整合条件を変化させて、アンテナ1と被測定対象物10との距離に応じて適切な整合条件を調整可能とした。
【0025】
そのため、本願発明者は、図3の特性曲線に基づく、アンテナ1と被測定対象物(物体)10との距離に応じたアンテナ整合回路3の回路条件を事前に求めておき、制御手段5にその結果を記憶させた。制御手段5はコンピュータ、好適には、マイクロコンピュータを内蔵しており上記結果をROMに記憶している。
アンテナ整合回路3としては、複数のスイッチと、複数の整合回路を有しており、制御手段5からのスイッチング指令に応じてスイッチが動作して選択された1つの整合回路がアンテナ1に接続可能に構成してある。
制御手段5は、超音波距離測定手段7の測距結果に応じて、アンテナ整合回路3内のどの整合回路を選択するかを決定し、アンテナ整合回路3内の複数のスイッチの1つを選択駆動する。その結果、選択された整合回路とアンテナ1とが接続される。
【0026】
超音波距離測定手段7としては、図2に図解したように、携帯電話機30に組み込まれている(搭載されている)。
図4は携帯電話機30に搭載された超音波距離測定手段7の概略構成図であり、図5は図4に図解した受信機72の構成図であり、図6(a)〜(e)は図4および図5に図解した超音波距離測定手段7の動作を説明するグラフである。
【0027】
図4に図解した超音波距離測定手段7は、超音波送信機71、送信用超音波センサ73および送信用ホーンアンテナ75を有する送信側と、超音波受信機72、受信用超音波センサ73および受信用ホーンアンテナ74を有する受信側と、制御手段77とで構成されている。
【0028】
図解した構成においては、さらに送信用ホーンアンテナ75および受信用ホーンアンテナ76を用いて距離測定環境の周囲の雑音を極力排除している。さらに受信用ホーンアンテナ76を用いて反射超音波を集束させている。しかしながら、携帯電話機30と人体の頭部との距離は短いから、アンテナ75および76は削除可能である。
【0029】
超音波センサは送信および受信の双方に利用可能であるから、受信用超音波センサ73と受信用ホーンアンテナ74とを1つの超音波センサにすることもできる。その場合、送信モードと受信モードとを時間的に分けて使用すればよい。しかしながら、下記の記述においては、受信用超音波センサ73と受信用ホーンアンテナ74とが別個に設けられた例について述べる。
なお、送信用超音波センサ73の中心軸(または送信用ホーンアンテナ75の指向の中心軸)と、受信用超音波センサ74の中心軸(または受信用ホーンアンテナ76の指向の中心軸)とのなす角度θは極力0に近いほうが好ましい。
【0030】
送信用超音波センサ73としては、圧電セラミック式超音波センサ、たとえば、ニオブ酸リチウムなどの圧電センサを用いることができる。
受信用超音波センサ74も、送信用超音波センサ73と同様、圧電セラミック式超音波センサ、たとえば、ニオブ酸リチウムなどの圧電センサを用いることができる。
【0031】
図4に図解した超音波距離測定手段7における距離測定方法を述べる。
制御手段77は、超音波送信機71による送信タイミングと、超音波受信機72による受信タイミングとを制御する。
制御手段77はまず送信モードにする。送信タイミングにおいて、超音波送信機71が送信用超音波センサ73を励起させて送信用超音波センサ73から超音波を発生させる。送信用超音波センサ73からの超音波は送信用ホーンアンテナ75を介して被測定対象物(物体)10に向けて指向され被測定対象物(物体)10に当たる。
制御手段77は受信モードにする。受信タイミングにおいて、被測定対象物(物体)10で反射した超音波は受信用ホーンアンテナ76を介して受信用超音波センサ74に入射し、受信用超音波センサ74が、入射した超音波のレベルに応じた電気信号を出力する。超音波受信機72は、送信用超音波センサ73が超音波を放射し受信用超音波センサ74で受信するまでの時間を測定し、この測定時間から被測定対象物(物体)10と送信用超音波センサ73との間の距離を算出する。測定すべき距離L1は下記式に基づいて計算できる。
【0032】
Figure 0003951476
ただし、Vは超音波の空気中、温度tにおける伝搬速度である。
V=331.5+0.6t (m/秒)
Sは送信用超音波センサ73の発振開始から、受信用超音波センサ74で最初の反射波を受信したときまでの時間である。
【0033】
この測定時の温度は、基準の温度、たとえば、t=20°Cにおける超音波の伝搬速度について測定する。t=20°Cのときの超音波の伝搬速度Vは332.7(m/秒)である。
【0034】
図4に図解した送受信分離型反射方式の超音波距離測定装置において、送信用超音波センサ73および受信用超音波センサ74としては、室外における風雨に耐えるため防滴型の超音波センサを用いることが好ましい。防滴型の超音波センサはカバーが設けられているから、そのカバーを通過する際、減衰が起こり総合利得を低下させる。したがって、送信用超音波センサ73および受信用超音波センサ74に防滴型超音波センサを用いた場合、距離測定範囲は短くなる。しかしながら、被測定対象物(物体)10が人体の場合はそれで十分である。通常、被測定対象物(物体)10と携帯電話機30との距離は数cmから10数cm程度であるからである。しかしながら、より正確な測距を行うことが望ましく、感度補正を行うことが好ましい。
【0035】
そのような感度補正をも行った超音波受信機72について述べる。
図5は超音波距離測定手段7のうち、超音波受信機72の回路構成を中心に図解した図である。
超音波受信機72は、前段増幅回路・バッファ回路720、高周波信号濾波回路722、測距感度補正回路724、低周波信号濾波回路・バッファ回路726、検波回路728、バッファ回路/比較回路730、距離測定演算制御回路732を有する。
【0036】
実際の測距動作に先立って、距離測定演算制御回路732において測距感度補正回路724において感度補正するための超音波センサ感度補正データを生成し、その超音波センサ感度補正データに基づいて測距感度補正回路724において受信超音波信号の感度補正する。そのため、測距感度補正回路724で用いる超音波センサ感度補正データを事前に収集しておく。以下その方法を述べる。
送信用超音波センサ73を駆動させ、測距感度補正回路724における感度補正をしない状態で、受信用超音波センサ74の受信信号から距離測定演算制御回路732において仮の距離を測定する。距離測定演算制御回路732は、求められた仮の距離と、測距感度補正回路724で行う超音波センサ感度補正データを生成して、測距感度補正回路724に設定する。
再び、送信用超音波センサ73を駆動する。受信用超音波センサ74で受信された信号は測距感度補正回路724において感度補正される。その感度補正された受信信号を検波回路728で検波して、検波信号をバッファ回路/比較回路730を経由して、距離測定演算制御回路732に送信し、距離測定演算制御回路732で送信用超音波センサ73からの超音波の送信から受信用超音波センサ74における反射波の受信までの時間から式1に従って実際の距離を算出する。
【0037】
距離測定演算制御回路732は、上述した処理を行うため、演算制御ユニット(CPU)7320と、この演算制御ユニット7320のクロック発振器としての水晶発振回路7321と、バッファ回路7323と、ナンドゲート7325と、リセットパルス発生回路7327と、ラッチパルス発生回路7329と、測距用パルス発生回路7331とを有する。
超音波受信機72はさらに、キャリア発生回路7242と、タイミングパルス発生回路7244と、電力増幅回路7246とを有する。この例示においては、キャリア発生回路7242は40KHzのキャリアを発生する。
【0038】
図6(a)〜(e)はバッファ回路/比較回路730、距離測定演算制御回路732および超音波送信機71に関連した動作を説明する信号波形図である。
【0039】
タイミングパルス発生回路7244は、図6(a)に図解したように、所定の周期でタイミングパルスを発生し、キャリア発生回路7242がタイミングパルスに応じて40KHzのキャリアを発生する。このキャリアを図6(b)に図解する。ただし、図6(b)に図解したキャリアは、キャリア発生回路7242からバッファ回路7323に印加され、バッファ回路7323においてバッファ回路/比較回路730からのゲート信号によってゲートされた波形を示している。
電力増幅回路7246はキャリア発生回路7242からのキャリアを送信用超音波センサ73を駆動可能なレベルまで増幅する。電力増幅回路7246で増幅されたキャリアは送信用超音波センサ73を駆動し、被測定対象物(物体)10に向かって超音波を放射する(図6(c))。
【0040】
被測定対象物(物体)10で反射した超音波が受信用ホーンアンテナ76を経由して受信用超音波センサ74で受信されて(図6(c)に反射波の波形を示す)、超音波受信機72に印加される。
前段増幅回路・バッファ回路720は受信用超音波センサ74からの微弱な電気信号を、後段の回路で信号処理可能な所定レベルまで増幅する。
高周波信号濾波回路722は、前段増幅回路・バッファ回路720で増幅した反射超音波に対応した信号のうち、高周波成分を通過させ、低周波成分を除去する。これにより、被測定対象物(物体)10からの反射超音波に含まれる低周波雑音が除去できる。
測距感度補正回路724は可変利得増幅回路を有しており、高周波信号濾波回路722からの信号を感度補正する。この詳細については下記に詳述する。
低周波信号濾波回路・バッファ回路726は、その後段の検波回路728で検波可能なように、測距感度補正回路724からの出力信号のうち低周波信号成分を通過させる。
検波回路728は、低周波信号濾波回路・バッファ回路726からの出力信号を検波する。検波回路728における検波としては、たとえば、包絡線検波を行う。この例では、2倍検波を行う。
バッファ回路/比較回路730は検波回路728で検波した連続的な信号を順次ディジタルデータとして保存し、所定のレベル信号と比較して受信した反射波が所定のレベル以上のとき、希望する反射波が受信されたことを示す信号を出力する。
【0041】
距離測定演算制御回路732は、送信用超音波センサ73からの超音波発振から、バッファ回路/比較回路730による受信波の受信までの時間を測定し、式1に従って距離を算出する。また、距離測定演算制御回路732は測距感度補正回路724と協動して測距の感度補正を行う。その詳細について下記に詳述する。
【0042】
リセットパルス発生回路7327は、送信用超音波センサ73が発振したときに、バッファ回路7323からのタイミングパルスに基づいてリセットパルスRpを演算制御ユニット7320に出力し、CPU7320内のカウンタをリセットする。リセットされたカウンタは、その後、測距用パルス発生回路7331から出力されたキャリアをナンドゲート7325でバッファ回路7323からのタイミングパルスと論理演算したゲート化キャリアパルス(図6(b))の計数を開始する。バッファ回路/比較回路730において受信波が正当な反射波と判断したとき、バッファ回路/比較回路730は図6(e)に図解したパルス信号を演算制御ユニット7320およびバッファ回路7323に出力する。
ラッチパルス発生回路7329はバッファ回路7323からのパルス信号に応答してラッチパルスLpをCPU7320に出力して、カウンタの計数を停止する。このカウンタの計数値が被測定対象物(物体)10に向けて送信用超音波センサ73から超音波が発振され、受信用超音波センサ74で反射波を受信するまでの時間となる。この測定時間を用いて式1に基づいて測距を行う。
なお、CPU7320は上述した測距処理の他、測距感度補正回路734と協動して、補正処理を行う。さらに、CPU7320は図1に図解した制御手段5と共用することができる。
【0043】
水晶発振回路7321は、CPU7320におけるクロックCLKの信号源である。したがって、CPU7320を制御手段5と共用した場合は、水晶発振回路7321として、制御手段5内のマイクロコンピュータの既存の水晶発振器を使用することができる。
【0044】
図4および図5を参照した例示した超音波距離測定手段7は、被測定対象物(物体)10までの距離を正確に測定できる。特に、超音波距離測定手段7は感度補正をしているので、受信用超音波センサ73の印加電力を高めることなく、正確に測距可能である。
特に、本願発明者は、キャリアのパルス幅を変化させると、実質的に送信用超音波センサの電力が変化することを見いだした。したがって、電力増幅回路を可変増幅回路などにすることなく、送信用超音波センサの印加電力を実質的に変化させることができる。本発明においては、距離に応じたキャリアのパルス幅を最適に設定し、そのパルス幅に応じた電力で送信用超音波センサを駆動する。
【0045】
好ましくは、被測定対象物(物体)10まで、たとえば、測定範囲の中間の距離について、キャリアのパルス幅を設定して、そのキャリアで送信用超音波センサを駆動して、概略の測距を行う。次いで、概略測距結果から、その測距を行うのに最適なキャリアのパルス幅を決定して、そのパルス幅を有するキャリアで送信用超音波センサを駆動して、測距を行う。この2度目の測距は正確な測距となる。
【0046】
上述した超音波距離測定手段7の処理は正確に測距を行う場合について述べたが、図4を参照して述べたように、簡単な方法でアンテナ1と被測定対象物(物体)10との距離を測定することも可能である。その場合は、図5に図解した、アンテナ76、感度補正回路724、アンテナ75を除去し、CPU7220の処理も簡単になる。
さらに受信用超音波センサ73と受信用ホーンアンテナ74とを送受信両用の1つの超音波センサとすることもできる。
【0047】
再び、図1に図解した回路を参照すると、上述したように、超音波距離測定手段7でアンテナ1と被測定対象物(物体)10との距離を測定した結果に基づいて、制御手段5がアンテナ整合回路3の整合条件、上述した例示においては、測距結果に応じた整合回路を選択して、最適な条件でアンテナ1とアンテナ整合回路3とのインピーダンスマッチングを行わせる。
このような最適なインピーダンスマッチング条件で送受信すれば、携帯電話機30はつねに良好な状態が通話が可能となる。
【0048】
なお、制御手段5におけるアンテナ整合回路3の調整は、アンテナ1と被測定対象物(物体)10との距離が所定以内の場合についてのみ行うことが好ましい。その理由は、被測定対象物(物体)10とアンテナ1との距離が所定以上離れて通話することは通常行わないことと、被測定対象物(物体)10がアンテナ1から非常に離れた場合、アンテナ1に与える影響が少ないからである。
【0049】
なお、上述した例示においては、アンテナ1と被測定対象物(物体)10としての人体の頭部が近傍に位置している場合について述べたが、超音波距離測定手段7が測距する対象としては、人体の頭部に限らず、アンテナ1の近傍に位置するもの、たとえば、金属物体などでもよい。
【0050】
なお、上述した制御手段5によるアンテナ整合回路3の整合条件の調整は上述したスイッチの切り替えによる段階的な方法だけでなく、連続的に行うこともできる。その場合、アンテナ整合回路3は可変抵抗素子、可変容量素子などで構成し、制御手段5が可変抵抗素子、可変容量素子の値を変化させる。
【0051】
なお制御手段5によるアンテナ整合回路3の条件変更を、たとえば、携帯電話機30におけるモードスイッチの設定により、行わないようにすることもできる。
【0052】
なお、携帯電話機30に、図4および図5を参照した述べた超音波距離測定手段7を搭載して動作させて場合、携帯電話機30自体には種々の電子回路とそれを動作させる電源(バッテリィ)が搭載されているから、超音波距離測定手段7を動作させる点において電気的な問題はない。
また、超音波距離測定手段7の回路構成は特別複雑ではなく小型であるから携帯電話機30に容易に収容可能である。
【0053】
以上、本発明の実施の形態として、小型の携帯可能な通信装置、とくに、携帯電話機について例示したが、携帯電話機に限らず、通常の通信装置についても、上述した本発明が適用できることは容易に理解できるであろう。
たとえば、固定式の通信装置において、アンテナの近傍に位置する障害物、特に、無線電波を吸収反射する金属物体などと、アンテナとの位置を上述した超音波距離測定手段7と同様の方法で測定して、上述した制御手段5と同様にアンテナ整合回路3の整合条件を調整することにより、最適な通信が可能となる。
【0054】
第2実施の形態
図7〜図10を参照して本発明の通信装置の第2の実施の形態として、小型の携帯可能な通信装置を述べる。
図7は図5に対応する超音波受信機72Aの回路構成図であり、図8(a)〜(f)は図6に対応する図7に図解した超音波受信機72Aの動作を説明するグラフである。
本発明の第2の実施の形態においても、基本的に、図1に図解した携帯電話機の構成は同じであり、図1の制御手段5および超音波距離測定手段7が、第1実施の形態と下記に述べる点において異なる。
したがって、図1〜図3に図解した構成、および、図4に図解した超音波距離測定手段7の基本構成は上述した第1の実施の形態と同様である。
【0055】
以下、第1の実施の形態との相違を中心に述べる。
第1の実施の形態においては、超音波距離測定手段7において最初に受信した(検出した)超音波の反射波からアンテナ1と被測定対象物(物体)10との距離を算出して、制御手段5において算出した距離に応じてアンテナ整合回路3の整合回路の回路条件を調整した。
しかしながら、アンテナ1の特性を最も大きく変化させているものが、アンテナ1と最も接近したものである訳ではない。たとえば、髪の一部とか、眼鏡のフレームの一部からの反射波が最初に検出された場合、アンテナ1の特性を大きく変化させているのはそのようなものでない場合が多いから、そのように距離だけでアンテナ整合回路3の調整を行うことは、むしろ、逆効果になる場合がある。そこで、第2の実施の形態においては、アンテナ1の特性変化を惹起させるもっとも大きな要因を検知し、その要因に対してアンテナ整合回路3を調整する。
【0056】
そのため、図7に図解した超音波受信機72Aにおいて、バッファ回路/比較回路730Aと距離測定演算制御回路732Aとを、図5に図解したバッファ回路/比較回路730と距離測定演算制御回路732とは異ならせた。以下、特に、第1の実施の形態ときの相違点を中心に述べる。
【0057】
図8はバッファ回路/比較回路730Aの比較回路の回路図である。バッファ回路/比較回路730Aは、第1の比較回路CMP1と、第2の比較回路CMP2と、インバータINVとを有する。
第1の比較回路CMP1は、図9(e)に図解したように、検波回路728からの包絡線検波信号S728が第1の基準電圧REF1以上のレベルのときハイレベル“H“の第1の比較結果CMP1(O)を出力する。第1の比較結果CMP1(O)は、反射超音波が有効レベルに到達していることと、立ち上がりタイミングを示している。
検波回路728からの包絡線検波信号S728はインバータINVを介して第2の比較回路CMP2に印加されており、第2の基準電圧REF2と比較される。第2の比較回路CMP2は検波回路728からの反転した包絡線検波信号S728が第2の基準電圧REF2以上のレベルのときハイレベル“H“の第1の比較結果CMP2(O)を出力する。第2の比較結果CMP2(O)は、反射超音波が立ち下がったことと、立ち下がりタイミングを示している。
【0058】
図9(a)〜(d)に関する超音波受信機72Aの動作は第1の実施の形態と同様である。
【0059】
距離測定演算制御回路732A内の演算制御処理ユニット(CPU)7320Aは、バッファ回路/比較回路730Aから出力される第1の比較結果CMP1(O)と第2の比較結果CMP2(O)とを入力して、反射超音波の立ち上がりから立ち下がりまでの時間(時間差)tを算出する。
【0060】
なお、この時間tの算出は、バッファ回路/比較回路730Aにおいて行うこともできる。その計時を、たとえば、図8に図解したカウンタCNTRを用いて行う。カウンタCNTRには、所定の周波数のクロックCLKが印加されており、カウンタCNTRはクリア信号CLRでカウント値をリセットし、スタート端子STRに印加されたパルスでクロックCLKの計数を開始し、ストップSTPに印加されたパルスで計数を停止する。スタート端子STRに第1の比較結果CMP1(O)を印加して計数を開始し、ストップSTPに第2の比較結果CMP2(O)を印加して計数を停止させると、カウンタCNTRは第1の比較結果CMP1(O)が印加されてから第2の比較結果CMP2(O)が印加されるまでのクロックCLKを計数する。この計数値が時間tに相当する。
【0061】
時間Tの計数は、CPU7320Aまたはバッファ回路/比較回路730Aのいずれでも良いが、後者の場合、CPU7320Aの処理負担は軽減し、正確な時間Tが検出できる。
【0062】
CPU7320Aは、第1の実施の形態と同様、ハイレベル“H“の第1の比較結果CMP1(O)を参照して式1に基づいて距離Lを計算する。
【0063】
超音波受信機72Aは、アンテナ1と被測定対象物(物体)10との間の距離算出対象範囲、たとえば、50cmの範囲に、送信用超音波センサ73から超音波を放射して受信用超音波センサ74で反射超音波を受信可能な時間の間、受信用超音波センサ74で反射超音波を受信した都度、上述した、時間Tの測定および距離の算出を行う。
すなわち、送信用超音波センサ73から超音波を放射したとき、その超音波は障害物(被測定対象物(物体)10)が複数存在するときは、図10に図解したように、障害物ごとに反射する。第1の実施の形態においては、受信可能な時間の間、検出可能な反射超音波を検出する。なお、図10の波形図は、図9(c)の波形図に対応している。
【0064】
制御手段5は、CPU7320Aにおいて算出した検出可能な反射超音波に対して、立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングとの時間差(時間)tと距離Lを送信用超音波センサ73A(超音波距離測定手段7)から入力し、これらの反射超音波のうちもっともアンテナ1の特性に影響を与えるものを推定する。
その推定方法について図10を参照して述べる。
なお上述したように、CPU7320Aと制御手段5とは一体化することができるので、CPU7320Aと制御手段5とを一体化した場合は、一体化したCPU7320Aまたは制御手段5において下記の処理を行う。
【0065】
反射超音波の順序に優先度係数Pを規定しておく。この例では、下記のごとく定める。
(1)最初に検出された反射超音波の優先度係数P1 =1.0
(2)2番目に検出された反射超音波の優先度係数P2 =0.5
(3)3番目に検出された反射超音波の優先度係数P3 =0.25
(4)4番目に検出された反射超音波の優先度係数P4 =0.25
【0066】
優先度係数Pはアンテナ1との距離が接近して反射超音波が早く戻るものほど高い係数にしている。
【0067】
また、優先度係数Pについて考察すると、アンテナ1と被測定対象物(物体)10との距離が大きいほど、アンテナ1に与える被測定対象物(物体)10の影響は反比例(または距離の2乗に反比例)するから、優先度係数Pを上述した到着順ではなく、第1の比較結果CMP1(O)の検出時間に応じて、制御手段5においてその都度、重み付け係数を決定することもできる。
たとえば、最初に到着した第1の比較結果CMP1(O)の優先度係数P1=1.0にして、最後に到着した第1の比較結果CMP1(O)の優先度係数Pn=0.1として、1.0〜0.1の間を、2番目以降の比較結果検出時間に対応づけた優先度係数Pにする。この対応づけとしては、簡単に、検出時間に反比例させる方法、検出時間の1/2乗に対応づける方法など種々の方法をとることができる。
【0068】
制御手段5は次いで、下記の演算をそれぞれの反射超音波について行う。
【0069】
Di =(ti /Li )×Pi ・・・(2)
ただし、Di はi番目の反射超音波の判断因子であり、
ti はi番目の反射超音波の時間であり、
Li はi番目の反射超音波の測定距離であり、
Pi はi番目の反射超音波の優先度係数である。
【0070】
式2における(ti /Li )は反射超音波の波形の大きさを推定する値である。
制御手段5は、(ti /Li )に優先度係数Pi を乗じた結果について大小比較する。制御手段5は、判断因子Di のうちでが最大のものを、アンテナ1に最も影響を与えた被測定対象物(物体)と推定する。そして、制御手段5は、判断因子Dの大きさに応じて、アンテナ整合回路3の整合回路条件を変更する。
【0071】
その方法としては、判断因子Dを0〜1.0の間で正規化し、横軸を判断因子D、縦軸を整合回路条件をプロットし、その結果をROMなどのメモリに記憶しておき、制御手段5はテーブルルックアップ方式で判断因子Dに応じた整合条件を読み出し、第1の実施の形態と同様に、アンテナ整合回路3を調整する。
【0072】
このように、第2実施の形態によれば、第1の実施の形態のように、単に最初に検出した反射超音波の距離だけに依存してアンテナ整合回路3を調整せず、実質的にアンテナ1の特性にもっとも影響を与えるものに対してアンテナ整合回路3を調整するから、より正確な調整が可能となる。
【0073】
第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態を述べる。
本発明の第3の実施の形態においては、式2の(ti ×Li )に代えて、図7の包絡線検波回路728において、反射超音波について包絡線検波結果を積分し、その積分結果Sをバッファ回路/比較回路730において所定のレベルを越えていて有効な反射超音波であるか否かを判断し、有効な反射超音波の場合、制御手段5において、下記の演算を行う。
【0074】
Di = (Si /Li )×Pi ・・・(3)
ただし、Di はi番目の反射超音波の判断因子であり、
Si はi番目の包絡線検波積分結果であり、
Li はi番目の反射超音波の測定距離であり、
Pi はi番目の反射超音波の優先度係数である。
【0075】
制御手段5は、第2の実施の形態と同様、判断因子Di のうちでが最大のものを、アンテナ1に最も影響を与えた被測定対象物(物体)と推定する。そして、制御手段5は、判断因子Dの大きさに応じて、アンテナ整合回路3の整合回路条件を変更する。
【0076】
その方法としては、第2の実施の形態と同様、判断因子Dを0〜1.0の間で正規化し、横軸を判断因子D、縦軸を整合回路条件をプロットし、その結果をROMなどのメモリに記憶しておき、制御手段5はテーブルルックアップ方式で判断因子Dに応じた整合条件を読み出し、第1の実施の形態と同様に、アンテナ整合回路3を調整する。
【0077】
このように、第3実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様、実質的にアンテナ1の特性にもっとも影響を与えるものに対してアンテナ整合回路3を調整するから、より正確な調整が可能となる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、人体に影響が少なく、低価格で、小型で、長期間安定に動作可能で、たとえば、携帯電話機のような小型の通信装置にも搭載可能な測距手段を有し、測距手段で測定した距離、アンテナにもっとも影響を与える物体の推定などに基づいて回路条件を調整可能な通信装置を提供できる。
【0079】
また本発明によれば、測距手段を有する小型の携帯可能な通信装置が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の通信装置の実施の形態としての小型の携帯可能な通信装置の部分構成図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態としての携帯電話機と被測定対象物(物体)としての人体の頭部との位置関係を図解した図である。
【図3】図3は図2において、携帯電話機のアンテナと人体の頭部との距離に応じて電力の吸収が変化することを図解したグラフである。
【図4】図4は携帯電話機に搭載される図1に図解した超音波距離測定手段の概略構成図である。
【図5】図5は図4に図解した超音波距離測定手段の第1の実施の形態の詳細回路構成図である。
【図6】図6(a)〜(e)は図4および図5に図解した超音波距離測定手段の動作を説明する信号波形図である。
【図7】図7は図4に図解した超音波距離測定手段の第2の実施の形態および第3の実施の形態の詳細回路構成図である。
【図8】図8は図7に図解した超音波距離測定手段におけるバッファ回路/比較回路の回路構成例を示す図である。
【図9】図9(a)〜(f)は図7に図解した超音波距離測定手段の動作を説明する信号波形図である。
【図10】図10は、第2の実施の形態および第3の実施の形態の処理方法を説明する信号波形図である。
【符号の説明】
1・・アンテナ
3・・アンテナ整合回路
5・・制御手段
7・・超音波距離測定手段
71・・超音波送信機
72,72A・・超音波受信機
73・・受信用超音波センサ
74・・受信用超音波センサ
75・・送信用ホーンアンテナ
76・・受信用ホーンアンテナ
10・・被測定対象物(物体)
30・・携帯電話機

Claims (8)

  1. アンテナと、
    該アンテナとインピーダンスマッチングをとる整合回路と、
    超音波により前記アンテナと物体との距離を測定し、該物体の大きさを推定し、該測定した距離、推定した物体の大きさ、および、超音波反射波の受信順序に基づく優先度係数を乗じて、アンテナ特性に影響を与える評価値を算出し、該評価値に応じて前記整合回路の整合回路条件を調整する回路条件調整手段と
    を有する通信装置。
  2. 前記回路条件調整手段は、前記超音波反射波の立ち上がり時間から立ち下がり時間までの時間差と前記測定した距離から前記物体の大きさを推定する
    請求項1記載の送信装置。
  3. 前記回路条件調整手段は、前記超音波反射波の包絡線検波信号の積分結果と、前記測定した距離から前記物体の大きさを推定する
    請求項1記載の送信装置。
  4. 前記回路調整手段は距離測定手段と、整合条件調整手段とを有し、
    該距離測定手段は、
    前記通信装置に設けられた送信用超音波センサと、
    前記通信装置に設けられた受信用超音波センサと、
    前記通信装置に設けられた前記送信用超音波センサを励起する励起手段と、
    前記通信装置に設けられた、前記送信用超音波センサから放射された超音波が前記物体で反射され、該反射した超音波を前記受信用超音波センサで受信し、超音波の送信から超音波の受信までの時間を測定し、該計測時間から前記送信用超音波センサまたは前記受信用超音波センサから前記物体までの距離を測定する超音波距離測定手段と
    を有し、
    前記整合条件調整手段は、前記測定した距離、前記推定した物体の大きさ、および、超音波反射波の受信順序に基づく優先度係数を乗じて、アンテナ特性に影響を与える評価値を算出し、該評価値に応じて前記整合回路の整合回路条件を調整する、コンピュータを有する
    請求項2記載の通信装置。
  5. 前記回路調整手段は距離測定手段と、整合条件調整手段とを有し、
    該距離測定手段は、
    前記通信装置に設けられた送信用超音波センサと、
    前記通信装置に設けられた受信用超音波センサと、
    前記通信装置に設けられた前記送信用超音波センサを励起する励起手段と、
    前記通信装置に設けられた、前記送信用超音波センサから放射された超音波が前記物体で反射され、該反射した超音波を前記受信用超音波センサで受信し、超音波の送信から超音波の受信までの時間を測定し、該計測時間から前記送信用超音波センサまたは前記受信用超音波センサから前記物体までの距離を測定する超音波距離測定手段と
    を有し、
    前記整合条件調整手段は、前記測定した距離、前記推定した物体の大きさ、および、超音波反射波の受信順序に基づく優先度係数を乗じて、アンテナ特性に影響を与える評価値を算出し、該評価値に応じて前記整合回路の整合回路条件を調整する、コンピュータを有する
    請求項3記載の通信装置。
  6. 前記通信装置は小型の携帯可能な通信装置である
    請求項4記載の通信装置。
  7. 送信用超音波センサと、
    受信用超音波センサと、
    前記送信用超音波センサを励起する励起手段と、
    前記送信用超音波センサから放射された超音波が物体で反射され、該反射した超音波を前記受信用超音波センサで受信し、超音波の送信から超音波の受信までの時間を測定し、該計測時間から前記送信用超音波センサまたは前記受信用超音波センサから前記物体までの距離を測定する超音波距離測定手段と、
    前記物体の大きさを推定し、前記測定した距離、前記推定した物体の大きさ、および、超音波反射波の受信順序に基づく優先度係数を乗じて、アンテナ特性に影響を与える評価値を算出し、該評価値に応じて整合回路の整合回路条件を調整する回路条件調整手段と
    を有する
    小型の携帯可能な通信装置。
  8. 前記送信用超音波センサと、前記受信用超音波センサとが一体構成されている請求項7記載の小型の携帯可能な通信装置。
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