JP3846533B2 - 超音波センサを用いた距離測定回路の感度調整方法及びその回路を用いた距離測定方法 - Google Patents

超音波センサを用いた距離測定回路の感度調整方法及びその回路を用いた距離測定方法

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送波と受波を兼用した超音波センサを用いて、反射物までの距離を測定する距離測定回路、及び該回路の感度の調整方法、更に該回路を用いた距離測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術として、送受兼用の超音波センサを用いて、音波を送波して反射波を受波するまでの時間から反射物までの距離を測定する距離測定装置を例に挙げ、以下説明する。この距離測定装置は超音波センサ自身が持つ測定範囲内の距離を測定し、測定した距離はアナログ電圧に置き換えて出力するものであり、そのアナログ電圧は距離に比例した直線的なカーブを成している。例えば、測定範囲が100mmから300mmの場合の距離測定装置の感度の調整方法は、人手を介して、反射物を超音波センサの端面から100mmの位置に置き、その時の出力電圧が0Vになるように第1の調整つまみを回して、アナログ電圧のオフセットを調整する。次に超音波センサの端面から300mmの位置に反射物を置き、その時のアナログ電圧が5Vになるように第2の調整つまみを回すことで、直線的なカーブの傾きを修正できるようになっている。送波と受波を兼用した超音波センサの場合、内部振動子に慣性があるので、音波送信のための駆動を停止した後も振動子が振動を続ける。すなわち、内部振動子に残響が生じ、内部振動子の振動が減衰するまでの間は、減衰による残響電圧が超音波センサから出力される。よって、送受兼用の超音波センサの場合、残響電圧が出力されている期間は音波の受信を行うことができず、一般に近距離の測定には適さないという欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、送受兼用の超音波センサを用いた距離測定装置における従来の感度調整方法は、先ず反射物と電圧計を準備し、人手を介して、複数の調整を調整つまみを回して行うため、面倒で手間がかかるという問題がある。
【0004】
一方、送受兼用の超音波センサは、上記した残響電圧の出力期間中に反射波が帰って来るような近い距離の場合、距離の測定ができないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、電圧計等のテスタは用いず、手間のかからない調整方法を有した距離測定回路及び感度の調整方法を提供することである。
【0006】
また、本発明の目的は、超音波センサの残響電圧が残留する期間であっても、これに重畳する反射波を確実に検出し、近距離を検知可能とした超音波センサを用いた距離測定回路及び距離測定方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、音波エネルギーを受けて電圧を発する超音波センサと、超音波センサを駆動する発振駆動部と、超音波センサの出力信号を入力する受信回路の出力信号を受け、時間が経つにつれて増幅率が大きくなるように動作する可変増幅器と、可変増幅器の出力信号の伝達を開閉するスイッチを介し、可変増幅器から出力された受信信号を更に増幅する増幅器と、増幅器から出力された信号を波形整形回路で波形整形した後の受信信号と所定の入力基準電圧を比較する比較器と、比較器は入力基準電圧よりも受信信号が大きくなるとトリガ信号を発し、発振駆動部へ音波の送波動作を開始してから前記トリガ信号を受信するまでの時間を計時する手段を有したマイクロコンピュータを備えた距離測定回路において、可変増幅器の増幅開始タイミングを制御する手段と、増幅器の増幅率を制御する手段と、比較器の入力基準電圧を制御する手段を設け、更に所望の距離測定範囲内の最長となる位置であって、超音波センサが音波を受信し易いように反射物を配置し、所定の入力基準電圧を比較器へ設定し、所定の発振周波数を所定の時間だけ送信した後、比較器の受信入力信号のピーク値が前記した所定の入力基準電圧と比較され、比較器から出力されるトリガ信号が安定して得られるように発振周波数及び増幅器の増幅率を調整する処理段階と、所定の入力基準電圧を比較器へ設定し、送信後の超音波センサの内部振動子の減衰による残響電圧が、設定した入力基準電圧よりも小さくなるように可変増幅器の増幅開始タイミングを調整する処理段階と、残響電圧の波高値を測定する処理段階を設けた感度調整方法により達成される。
【0008】
また、所望の測定距離範囲を複数の有効距離測定範囲に分け、有効距離測定範囲が超音波センサに近い方から順次距離測定処理を実行し、有効距離測定範囲の一つを所望の最短測定距離から該距離の2倍に満たない距離までを測定範囲とし、測定した残響電圧の波高値と音波受信時の受信信号の波高値との間に比較判定電圧を設け、音波を送波させる際、超音波センサへ印加する駆動周波数の発振時間を変えて距離測定することにより達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。図1は送受兼用の超音波センサ3を用いた距離測定回路のブロック図である。高機能マイクロコンピュータ1(以下CPU1と称す)は、タイマ機能及び入出力ポート、更に予めプログラムを記憶した読み出し専用メモリを有している。CPU1は音波を発するため、所定の時間だけ所定の発振周波数を出力し、発振駆動部2はこれを受けて超音波センサ3を駆動し音波を出力させる。本発明者が実験した超音波センサ3は400kHz前後の周波数で共振するものを用い、CPU1は380から420kHzの範囲で10kHz置きに5種類の発振周波数を出力でき、また発振時間も20μsから5μs置きに40μsまで、タイマ機能を使って出力できるようになっている。発振駆動部2は超音波センサ3へ約DC100Vの矩形波状の印加電圧で駆動する。この駆動電圧がスイッチ6以降の回路に影響を及ぼさないようにするため、超音波センサ3を発振駆動する時だけ、CPU1はスイッチ6をオフする信号を出力ポートから出力して、スイッチ6の入力部と出力部が非導通となる開状態に制御する。発振周波数を出力する所定の時間が経過すると後述する受信信号を伝達するため、CPU1はスイッチ6をオンしてスイッチ6の入力部と出力部が導通となる閉状態に制御する。超音波センサ3から出力された音波は反射物13に当たってはね返り、超音波センサ3はこのはね返った音波を受信し電気信号に変換する。この電気信号は数十mVと非常に微小電圧であるため、受信回路4を用いて微小電気信号を受信する。この受信信号は可変増幅器5で増幅されるが、可変増幅器5の増幅開始タイミングはCPU1で制御され、増幅率のカーブは時間が経つにつれて増幅率が大きくなるようなカーブを成している。これは、空気中を伝播する超音波の強度が、回折現象により球面状に拡散する拡散損失と媒質にエネルギーを吸収される吸収損失によって、距離が長くなるほど減衰するのを補うためのものである。そのため、近くの反射物13に当たった反射波は、音のエネルギーレベルが高いため受信信号の電圧も高いが、遠くの反射物13に当たった反射波の場合、音のエネルギーレベルが低いため受信信号の電圧も低く、近くの反射物13に当たった反射波に比べ、はね返って来るのに時間がかかる。よって、可変増幅器5は経過時間に応じて増幅率が大きくなるような特性を与えてある。可変抵抗器7の抵抗値で増幅率が変えられるように回路を構成している増幅器8は、更に受信信号を増幅する。尚、本発明者の実験で使用した可変抵抗器7は、デジタルポテンショメータと称し、内部に2チャンネルの可変抵抗器を有するもので、CPU1からデータバス15を介して256段階の抵抗値を選択できるようになっている。その内の1チャンネルを増幅器8の増幅率の制御用に割り当てている。次に、増幅器8で増幅された受信信号は、バンドパスフィルタ回路及び全波整流回路更に積分回路からなる波形整形回路9で波形整形される。受信信号は、ノイズ成分を除去するため400kHz前後のバンドパスフィルタを通り、全波整流で正側電圧に整流され、更に受信信号のリップルを無くすため積分回路で平滑される。平滑された受信信号は、比較器10で入力基準電圧と比較される。入力基準電圧は、可変抵抗器7の他方のチャンネルの抵抗値で決定しCPU1で制御される。受信信号は入力基準電圧と比較器10で比較され、入力基準電圧よりも受信信号の電圧が高い時、比較器10はCPU1へトリガ信号14を出力し、CPU1はこのトリガ信号14をタイマ割り込み端子より受信する。計時手段を有するCPU1は、発振駆動部2へ音波の送波動作を開始してから内部タイマを動作させ、トリガ信号14を受信するまでの時間を計る。上記説明した音波の送信からトリガ信号14受信までの動作を、CPU1は10回繰り返し実行し、その値を順次メモリ11に記憶する。それらの記憶した値の平均値とそれぞれの記憶値が所定の許容値以内であれば、CPU1は安定して距離が測定できたと認識し、その平均値の時間を用いて、空気中の音波の伝播速度に温度補正を含んだ距離計算式より、CPU1は反射物13までの距離を計算する。
【0010】
距離L(m)=時間T(s)×(331.5+0.607×温度t)/2
ここで、時間T(s)はCPU1が計時した時間であり、温度t(℃)は超音波センサ3の周囲温度を温度センサ12を用いてCPU1が計ったもので、331.5は空気中の音波の伝播速度(m/s)、0.607は温度補正係数(m/℃)である。
【0011】
続いて、上記説明した距離測定回路の感度の調整方法について、図2を参照しながら説明する。先ず人手による準備作業は、所望の距離測定範囲内の最長となる位置に、超音波センサ3が音波を受信し易いように、反射物13を配置する。次に、図示していない調整スイッチを押すことにより、CPU1は感度自動調整のプログラムを実行する。
処理段階20において、CPU1は可変抵抗器7を制御して、所定の入力基準電圧を比較器10へ設定する。処理段階20では、比較器10の受信入力信号のピーク値が前記した所定の入力基準電圧と比較され、比較器10から出力されるトリガ信号14が安定して得られるように、発振周波数の選択及び増幅器8の増幅率をCPU1が調整する。その調整手法は、先ずCPU1が、増幅器8の増幅率が最も小さくなるように可変抵抗器7を制御し、また可変増幅器5の増幅開始タイミングは予め定められた初期値を設定する。次にCPU1は、超音波センサ3の共振周波数を含む380から420kHzの範囲で10kHz置きの各発振周波数において、それぞれ所定の時間20μsだけ出力した後、比較器10から出力されるトリガ信号14が安定して得られなければ、増幅器8の増幅率を上げるように可変抵抗器7を制御する。このようにCPU1は、可変抵抗器7の制御と各発振周波数の出力及びトリガ信号14の受信を繰り返し実行し、比較器10から出力されるトリガ信号14が安定して得られるような発振周波数を選択し、その時の増幅器8の増幅率を決定し、その調整値を可変抵抗器7へ設定する。安定したトリガ信号14とは、例えばCPU1が音波の送波動作を開始してトリガ信号14を受信するまでの動作を10回行い、それぞれの計時時間にバラツキが無く、それらの平均値に対し各計時時間が所望の許容値以内に入っていることを意味する。上記した発振周波数の選択と増幅率の調整により、超音波センサ3の共振周波数のバラツキと送受信感度のバラツキ及び本距離測定回路との感度のマッチング調整が行われたことになる。尚、本調整時において、音波を送信した直後、超音波センサ3の残響電圧により比較器10からトリガ信号14が発せられるが、感度調整時の反射物13までの距離は遠い位置にあるため、CPU1は最長となる距離の前後範囲のトリガ信号14のみを有効とし、残響電圧時に発せられるトリガ信号14は無視するように動作する。もし、増幅器8の増幅率を上限まで上げても安定したトリガ信号14が得られない場合は、超音波センサ3の取り付け不良及び回路の異常を意味するアラームをCPU1が発する。
【0012】
続いて処理段階21について、可変増幅器5の増幅開始タイミングを調整する時の各回路部の波形の一例を示した図3を用いて説明する。処理段階21では、CPU1が可変抵抗器7を制御して所定の入力基準電圧33を比較器10へ設定し、この入力基準電圧33よりも音波送信直後の残響電圧30が小さくなるように、CPU1が可変増幅器5の増幅開始タイミングを遅らせるように制御する。つまり、可変増幅器5の増幅開始タイミングを破線で示す増幅率のカーブ35から実線の増幅率のカーブ31のようにCPU1が動作させる。破線で示す増幅率のカーブ35の場合、超音波センサ3の残響電圧30は可変増幅器5で増幅され、細線36で示すような波形となる。そのため、比較器10の入力電圧波形は細線37で示すように、入力基準電圧33よりも高い電圧となってしまい、比較器10から細線38で示すトリガ信号14が出力される。ところが、破線で示すカーブ35の増幅開始タイミングを遅らせてトリガ信号14が比較器10から出力されないように、つまり、入力基準電圧33よりも入力電圧波形34が低くなるように、CPU1が順次増幅開始タイミングを遅らせて実線31のように制御することで、可変増幅器5の出力波形も太線32に示す如く、超音波センサ3の残響電圧30は低く抑えることができる。また、増幅開始タイミングを遅らせる時間には制限が設けてあり、その制限時間は少なくとも所望の最短測定距離よりも短い距離を時間換算したものである。もし、残響電圧30が入力基準電圧33よりも小さくならない場合には、次のステップとして入力基準電圧33を少し高くして、同様にCPU1が可変増幅器5の増幅開始タイミングを遅らせるように動作する。それでも残響電圧30が入力基準電圧33よりも小さくならない場合には、更に入力基準電圧33を高くして繰り返し実行するが、入力基準電圧33が上限に達しても調整できない場合には、超音波センサ3の交換というアラームを発するようにプログラムは組まれている。この処理段階21をプログラムに組み込む前に本発明者が行った事前実験で、残響電圧30と近距離の受信波電圧を比較したところ、受信波電圧は残響電圧30に対し、概ね3倍以上の電圧を超音波センサ3から発していることを確認している。
【0013】
その後処理段階22において、CPU1は残響電圧の波高値を得る処理を実行する。その手法は、処理段階21で得られた増幅開始タイミングを固定し、CPU1が入力基準電圧を低い電圧から徐々に上げて行くように可変抵抗器7を制御し、比較器10からのトリガ信号14が出力されなくなる電圧を残響電圧の波高値として得る方法である。この時CPU1から出力される発振周波数は、前記した5種類の発振周波数を用い、発振時間は20μsから5μs置きに40μsまでのそれぞれの中で、最も残響電圧が高かったものを選択し波高値とする。この残響電圧の波高値は後述する近距離測定時のに用いるもので、少なくともこの波高値よりも高く且つ波高値の概ね2倍よりも低い電圧を比較器10の比較判定電圧、つまり入力基準電圧とすることで、近距離測定を可能としている。
【0014】
処理段階23では、上記した発振周波数、増幅器8の増幅率の調整値、可変増幅器5の増幅開始タイミング値、及び残響電圧の波高値をメモリ11に記憶保存する。以上で距離測定回路の感度調整方法は終了するが、それぞれのデータの保存に関しては、言うまでもなく回路の電源が切れてもデータが失われないように、図示していないが不揮発性メモリに記憶する。電源再投入後は記憶したそれぞれの値をCPU1が読み出して再設定するように動作する。また超音波センサ3交換時は、超音波センサ3との感度のマッチングをとるため、上記した感度調整を再び行う必要がある。
【0015】
上記した感度の調整後、反射物13までの距離を測定する方法について以下説明する。CPU1は、有効距離測定範囲を近距離測定モードと遠距離測定モードに分けて、近距離測定モードから測定を開始する。本発明者が実験に使用した超音波センサ3は、推奨測定距離が60mmから300mmの物であるが、近距離測定モードの場合、測定距離は所望の距離45mmからその距離の2倍に満たない85mmの範囲を有効な測定距離範囲とした。2倍に満たない距離を近距離測定モードの上限とした理由は、一度反射物13に当たった反射波が、超音波センサ3の端面ではね返り、再度反射物13に当たってはね返ると、音波が2往復したことになり、この2往復目の受信波をCPU1が誤って読み取らないようにするためである。図4に示すように、CPU1は、前記記憶した残響電圧の波高値にオフセット値を加算し、その値は少なくとも波高値よりも高く且つ波高値の概ね2倍よりも低い値となる電圧レベルであり、この比較判定電圧40を入力基準電圧として可変抵抗器7に設定する。前記オフセット電圧は、予め比較判定電圧40が残響電圧の波高値と音波受信時の受信信号の波高値との間であって、確実に検出できる電圧レベルとなるように決定している。次にCPU1は、前記記憶した発振周波数、増幅器8の増幅率の調整値、可変増幅器5の増幅開始タイミング値をそれぞれ設定し、発振周波数を出力すると同時に内部タイマを起動し計時をスタートする。近い距離に反射物13がある場合、超音波センサ3の受信波形は太線41のように残響電圧30と重畳する場合があるが、可変増幅器5の出力受信信号は太線42のようになって、比較判定電圧40よりも高い受信信号43となる。前述したように、近い距離の反射波は、残響による振動子の振動を更に振幅が大きくなるように振動させるので、残響電圧30の入力電圧波形34よりも受信信号43は電圧が高きなる。比較器10は、受信信号43と比較判定電圧40を比較し、番号44で示す近距離時のトリガ信号14を出力する。CPU1は、番号44で示すトリガ信号14を受信して計時中のタイマを停止する。上述したようにCPU1は、音波の送波動作を開始してからトリガ信号14の受信までの10回の平均時間が安定して得られると、上記した距離計算式に従い計算し、反射物13までの距離を計算する。本発明者の実験によれば、反射物13の距離に応じて、超音波センサ3から受信信号が時々出ない場合があり、これは超音波センサ3が音波を受信する時と内部振動子の残響による振動で、波を打ち消し合うように動作する時に見られる現象であった。これを回避するため、超音波センサ3の残響は発振駆動直後から始まることに注目し、20μsから5μs置きに40μsまでの各発振時間で近距離測定を行うようにCPU1が動作し、いづれか一つが安定して距離を計測できれば距離測定を終了する。もし近距離測定モードにおいて、トリガ信号14が帰って来なかった場合には、CPU1は反射物13が近距離内に無いと判断し、遠距離測定モードに切り替わる。
【0016】
遠距離測定モードの場合は、近距離測定モードと5mmほどオーバーラップさせた80mm以上を有効な測定距離範囲とする。上述したようにCPU1は、前記記憶した発振周波数、20μsの発振時間、増幅器8の増幅率の調整値、可変増幅器5の増幅開始タイミング値及び遠距離測定モード用の所定の入力基準電圧47をそれぞれ設定する。反射物13が遠い位置にある場合、超音波センサ3の受信波形は太線45で示すように微小電圧信号であるが、可変増幅器5の増幅率が最も高い値で増幅されるため、可変増幅器5の出力波形は太線46のように増幅され、入力基準電圧47よりも高い受信信号48となる。比較器10は、受信信号48と所定の入力基準電圧47を比較し、番号49で示す遠距離時のトリガ信号14を出力する。上述した近距離測定モードと同様に、CPU1は番号49で示すトリガ信号14を受信して計時中のタイマを停止し、音波の送波動作を開始してからトリガ信号14の受信までの10回の平均時間が安定して得られると、上記した距離計算式に従い計算し、反射物13までの距離を計算する。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、可変増幅器の増幅開始タイミングを制御する手段と、増幅器の増幅率を制御する手段と、比較器の入力基準電圧を制御する手段を設け、更に、所望の距離測定範囲内の最長となる位置であって、超音波センサが音波を受信し易いように反射物を配置し、所定の入力基準電圧を比較器へ設定し、所定の発振周波数を所定の時間だけ送信した後、比較器の受信入力信号のピーク値が前記した所定の入力基準電圧と比較され、比較器から出力されるトリガ信号が安定して得られるように発振周波数及び増幅器の増幅率を調整する処理段階と、所定の入力基準電圧を比較器へ設定し、送信後の超音波センサの内部振動子の減衰による残響電圧が、前記設定した入力基準電圧よりも小さくなるように可変増幅器の増幅開始タイミングを調整する処理段階と、残響電圧の波高値を測定する処理段階を設けので、手間がかからず自動で感度調整ができる距離測定回路を提供できる。
【0018】
また、所望の測定距離範囲を複数の有効距離測定範囲に分け、有効距離測定範囲が超音波センサに近い方から順次距離測定処理を実行し、有効距離測定範囲の一つを所望の最短測定距離から該距離の2倍に満たない距離までを測定範囲とし、測定した残響電圧の波高値と音波受信時の受信信号の波高値との間に比較判定電圧を設け、音波を送波させる際、超音波センサへ印加する駆動周波数の発振時間を変えて距離測定するようにしたので、超音波センサの残響電圧が残留する期間であっても、これに重畳する反射波を確実に検出し、近距離の検知が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる送受兼用の超音波センサを用いた距離測定回路のブロック図である。
【図2】 本発明になる感度調整方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】 本発明になる可変増幅器の増幅開始タイミングを調整する時の各回路部の波形の一例を示した説明図である。
【図4】 本発明になる近距離測定モード時と遠距離測定モード時における、受信信号の各回路部の波形の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1はマイクロコンピュータ(CPU)、2は発振駆動部、3は超音波センサ、4は受信回路、5は可変増幅器、7は可変抵抗器、8は増幅器、10は比較器、13は反射物、20は発振周波数の選択及び増幅器の増幅率の調整を行う処理段階、21は可変増幅器の増幅開始タイミングの調整を行う処理段階、22は残響電圧の波高値を検出する処理段階、40は比較判定電圧である。

Claims (5)

  1. 音波エネルギーを受けて電圧を発する超音波センサと、該超音波センサを駆動する発振駆動部と、前記電圧を入力する受信回路の出力信号を受け時間が経つにつれて増幅率が大きくなるように動作する可変増幅器と、該可変増幅器の出力信号の伝達を開閉するスイッチを介し、前記可変増幅器から出力された受信信号を更に増幅する増幅器と、該増幅器から出力された信号を波形整形回路で波形整形した後の受信信号と所定の入力基準電圧を比較する比較器と、該比較器は入力基準電圧よりも受信信号が大きくなるとトリガ信号を発し、前記発振駆動部へ音波の送波動作を開始してから前記トリガ信号を受信するまでの時間を計時する手段を有したマイクロコンピュータを備えた距離測定回路であって、前記超音波センサの残響電圧が入力基準電圧よりも小さくなるように前記可変増幅器の増幅開始タイミングを制御する手段と、前記増幅器の増幅率を制御する手段と、前記比較器の入力基準電圧を制御する手段を設けた距離測定回路の感度調整方法において、
    所望の距離測定範囲内の最長となる位置であって、前記超音波センサが音波を受信し易いように反射物を配置し、所定の入力基準電圧を前記比較器へ設定し、所定の発振周波数を所定の時間だけ送信した後、前記比較器の受信入力信号のピーク値が前記した所定の入力基準電圧と比較され、前記比較器から出力されるトリガ信号が安定して得られるように発振周波数及び前記増幅器の増幅率を調整する処理段階と、所定の入力基準電圧を前記比較器へ設定し、送信後の前記超音波センサの内部振動子の減衰による残響電圧が、前記設定した入力基準電圧よりも小さくなるように前記可変増幅器の増幅開始タイミングを調整する処理段階を設けたことを特徴とする距離測定回路の感度調整方法。
  2. 前記可変増幅器の増幅開始タイミングを調整する処理段階の後、前記超音波センサの残響電圧の波高値を測定する処理段階を設けたことを特徴とする請求項1記載の距離測定回路の感度調整方法。
  3. 音波エネルギーを受けて電圧を発する超音波センサと、該超音波センサを駆動する発振駆動部と、前記電圧を入力する受信回路の出力信号を受け時間が経つにつれて増幅率が大きくなるように動作する可変増幅器と、該可変増幅器の出力信号の伝達を開閉するスイッチを介し、前記可変増幅器から出力された受信信号を更に増幅する増幅器と、該増幅器から出力された信号を波形整形回路で波形整形した後の受信信号と所定の入力基準電圧を比較する比較器と、該比較器は入力基準電圧よりも受信信号が大きくなるとトリガ信号を発し、前記発振駆動部へ音波の送波動作を開始してから前記トリガ信号を受信するまでの時間を計時する手段を有したマイクロコンピュータを備えた距離測定回路であって、前記超音波センサの残響電圧が入力基準電圧よりも小さくなるように前記可変増幅器の増幅開始タイミングを制御する手段と、前記増幅器の増幅率を制御する手段と、前記比較器の入力基準電圧を制御する手段を設けた距離測定回路を用いた距離測定方法において、
    所望の測定距離範囲を複数の有効距離測定範囲に分け、該有効距離測定範囲が前記超音波センサに近い方から順次、距離の測定処理を実行することを特徴とする距離測定回路を用いた距離測定方法。
  4. 前記有効距離測定範囲の一つを、所望の最短測定距離から該距離の2倍に満たない距離までを測定範囲とし、測定した残響電圧の波高値と音波受信時の受信信号の波高値との間を比較判定電圧としたことを特徴とする請求項3記載の距離測定回路を用いた距離測定方法。
  5. 音波を送波させる際、前記超音波センサへ印加する駆動周波数の発振時間を変えて距離測定することを特徴とする請求項3又は4記載の距離測定回路を用いた距離測定方法。
JP28351499A 1999-10-04 1999-10-04 超音波センサを用いた距離測定回路の感度調整方法及びその回路を用いた距離測定方法 Expired - Fee Related JP3846533B2 (ja)

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