JP3949980B2 - 油中水型マスカラ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は油中水型マスカラに関し、さらに詳しくは通常の洗顔料で落しやすいにもかかわらず、耐水性、耐汗性・耐皮脂性、耐油性(ファンデーション、クリーム、化粧下地等の化粧品に含まれる油分)および使用性(なめらかさ)に優れ、かつ皮膜の強度及び付着性が高く、カール力が優れた化粧持続性を有する油中水型マスカラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来知られているマスカラとして、乳化タイプ、皮膜タイプ、乳化皮膜タイプ、油性タイプ、油性乳化タイプ、油性皮膜タイプなどが存在する。以下、これらのタイプについて各々説明する。
【0003】
乳化タイプは固型、半固型、又は液状の油分−水系を主成分とする水中油型である。このタイプのマスカラの欠点は、水、汗、涙などで落ち易く、また瞼についている皮脂と乳液などの他の化粧料の油分にマスカラがにじみ、経時で目の周囲を汚し易いことである。次に、皮膜タイプとしては皮膜形成剤として天然のラテックスまたは水溶性高分子及び乳化剤を用いた乳化重合によるポリマーエマルションが用いられてきた。このタイプのマスカラの欠点は、これらの高分子物質自体の耐水性が悪いため化粧料として十分な耐水性を得ることができないことである。固型、又は半固型の油分−水−ポリマーエマルション系の乳化皮膜タイプ(特開昭50−125043号公報等)においても、ワックスの配合によって水の浸透を遅らせることはできるものの、ポリマーエマルション自体の耐水性が配慮されていないため、必ずしも耐水性の点で満足のいくマスカラを得ることができない。
【0004】
油性タイプは固型、半固型、又は液状の油分−揮発性分岐炭化水素系からなる。このタイプのマスカラの耐水性は良好だが、耐油性、乾燥性が優れているとは言えない。油性乳化タイプは固型、半固型、又は液状の油分−揮発性分岐炭化水素−水系の油中水型エマルションである。このタイプにおいては耐水性、乾燥性は良好である。しかし、一般的にその組成は揮発性分岐炭化水素に固型パラフィン、ワックス及びラノリン誘導体などを溶解し、そこに各種顔料粉末を分散したものである。そのため、乾燥後もまばたきなどにより、そこに存在する皮脂及び他の化粧料等の油分にマスカラが溶解する。その結果、顔料が皮膜から欠け落ちて下瞼に付着し(この現象を2次付着という)、目の周囲を汚し易いという欠点がある。油溶性の皮膜剤を配合した油性皮膜タイプ(特公昭52−27695号公報)は固型、半固型、又は液状の油分−揮発性分岐炭化水素−合成樹脂エマルション系からなる油中水中油型(O/W/O)であり、油、水両方を揮発性溶媒とし、それぞれに固形分と皮膜剤を含むため化粧持ちは向上した。しかし、このタイプのマスカラは、顔料を外相に含むことから皮脂や化粧品に含まれる油分によって顔料が再分散する。そのため、欠け落ちを防止することができず、付着やにじみを完全に排除することはできないという欠点がある。
【0005】
近年、有機シリコーン樹脂を皮膜剤として用いたメーキャップ化粧料が開発されている(特公平5−74562号公報等)。有機シリコーン樹脂を用いた場合には、(1)乾燥後に強固な膜を作る、(2)乾燥後に水や皮脂成分、クリームや乳液、化粧下地などの化粧品に用いられる油分に完全に不溶である、(3)メーキャップリムーバー等に使用される揮発性油分には溶解する、の各点で有用である。しかし、このようなメーキャップ化粧料においては、顔料や固型、半固型、液状油分、油溶性樹脂などが分散、溶解した相と同じ相中に有機シリコーン樹脂が配合されている。そのため、乾燥後には有機シリコーン樹脂は顔料によって不連続の皮膜となる。その結果、液状油分によって皮膜が膨潤し、物理的刺激によって顔料が欠け落ち、にじみ等を生じるという欠点があった。
【0006】
油溶性樹脂を外相に配合し、顔料を内相に配合した油中水型の組成物とすることで耐水性、耐油性に優れ、にじみを生じない油中水型マスカラが開発されている(特開平6−211629号公報)。しかしながら、このマスカラは上記したような特徴を有するがゆえに落としにくく、落とす場合には専用の油性リムーバーを用いる必要があり、洗浄にも著しく手間がかかるという欠点がある。さらに、有機シリコーン樹脂と不揮発性液状油を含有し、かつ所定の油分を適当量、油相中に加え、色材を内相に配合した油中水型の組成物とした油中水型のマスカラも開発されている(特開平9−12444号公報)。このタイプのマスカラは、耐水性、耐油性が共に優れ、クレンジング等の通常のメイクオフで手軽に落とすことが可能という特徴を有するものの、使用性においてカール力が不足するという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決しようとする課題は、上記従来の技術に記載された欠点を克服したマスカラを提供することである。すなわち、(1)耐水性、耐汗性・耐皮脂性、耐油性(ファンデーション、クリーム、化粧下地等の化粧品に含まれる油分)および使用性(なめらかさ)に優れている、(2)皮膜の強度及び付着性が高く、カール力が優れている、(3)通常の洗顔料で落しやすい、という諸条件を同時に満たすマスカラを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、固体状アルキルメチルシロキサン、油溶性樹脂、及び皮膜形成性エマルション樹脂を含んでなる油中水型マスカラを提供する。本発明による油中水型マスカラ内の油相中には、固体状アルキルメチルシロキサンが油相に対して1.0〜50.0重量%、及び少なくとも1種の前記油溶性樹脂が油相に対して固形分換算で1.0〜50.0重量%、含有されることが好ましい。水相中には、皮膜形成性エマルション樹脂が水相に対して3.0〜70.0重量%、含有されることが好ましい。油相の配合量は30.0〜80.0重量%、水相の配合量は20.0〜70.0重量%とすることができる。油相には、上記した成分の他、揮発性油分をさらに含ませることができる。油中水型マスカラの着色を目的とする色材は、(1)水相のみ、(2)油相のみ、及び(3)水相及び油相の両方、のいずれかの相内に含有されてよい。
【0009】
本発明の油中水型マスカラに用いられる好ましい固体状アルキルメチルシロキサンの構造は、R1Me2SiO(Me2SiO)x(MeR2SiO)ySiMe23(式中、R1及びR3は独立に炭素原子数1〜60のアルキルまたはアルコキシであり、R2は炭素原子数1〜60のアルキルであり、但しR1、R2及びR3の少なくとも1つは炭素数4〜60のアルキルまたはアルコキシであり、xは0〜100、yは0〜100である。)である。R1とR3が等しい構造を有してもよい。また、特に、その融点が30〜100℃である固体状アルキルメチルシロキサンである。有用な構造は、Me3SiO(Me2SiO)x(MeR2SiO)ySiMe3(式中、R2は炭素原子数16〜50のアルキルであり、x及びyは各々この固体状アルキルメチルシロキサンの融点を30℃〜100℃とする数)であり、特には、本式中、R2は炭素原子数30〜45のアルキルであり、x及びyは各々この固体状アルキルメチルシロキサンの融点を60℃〜80℃とする数、である。また、他の有用な構造は、R1Me2SiO(Me2SiO)x(MeR2SiO)ySiMe23(式中、R1及びR3は独立に炭素原子数20〜30のアルコキシであり、xはこの固体状アルキルメチルシロキサンの融点を30℃〜100℃とする数であり、yは0である。)である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による油中水型マスカラの各成分について詳細に説明する。本発明の油中水型マスカラにおいて用いられる好ましい固体状アルキルメチルシロキサンは、R1Me2SiO(Me2SiO)x(MeR2SiO)ySiMe23(式中、R1及びR3は独立に炭素原子数1〜60のアルキルまたはアルコキシであり、R2は炭素原子数1〜60のアルキルであり、但しR1、R2及びR3の少なくとも1つは炭素数4〜60のアルキルまたはアルコキシであり、xは0〜100、yは0〜100である。)である。固体状アルキルメチルシロキサンの具体例として、東レダウコーニングシリコーン株式会社製DC AMS−C30、「DC2503」及びgoldschmidt社製ABIL Wax9810、2440等が挙げられる。
【0011】
固体状アルキルメチルシロキサンは油相に対して好ましくは1.0〜50.0重量%含有され、より好ましくは付着性及び化粧持続性の点から、5.0重量%以上含有され、更に使用性(なめらかさ)の点から5.0〜40.0重量%がよい。固体状アルキルメチルシロキサン量が5.0重量%未満では付着性および化粧持続性が不十分であることがあり、40.0重量%を超えると、なめらかさに欠けるようになることがある。
【0012】
また、固体状アルキルメチルシロキサンは、少なくとも1種以上を(すなわち2種以上でも)選択して用いることもできる。上述した固体状アルキルメチルシロキサンの好ましい含有量の範囲は、2種以上用いる場合その合計量における数値を意味する。
【0013】
本発明のマスカラのために用いられる油溶性樹脂とは液状油分に対し溶解し得る樹脂をいう。ここで液状油分とは常温で液体状態である油分をいう。耐水性を付加する観点から皮膜形成能のある樹脂であればなお好ましい。具体例としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、テルペン系樹脂、ポリブテン、ポリイソプレン、アルキド樹脂、PVP変性ポリマー、エステルガム、ロジン変性樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。以下に、代表的に用いられる油溶性樹脂について説明する。
【0014】
フッ素樹脂は、パープルオロアルキル基含有アクリル樹脂、パーフルオロアルキル基含有メタクリル樹脂などと炭化水素系の主鎖にぺンダント型のパーフルオロアルキル基をもつもの;ポリフッ化ビニリデンなどのように主鎖自身がフルオロカーボンであるもの;フルオロエチレンと炭化水素系ビニルエーテルのラジカル共重合により得られる主鎖に、炭化水素部分とフルオロカーボン部分の両方をもつもの等が挙げられるが、液状油分に対し溶解するものであれば、上記化合物に限定されるものではない。なお、このフッ素樹脂を液状油分に溶解させた形で市販されているものとして、例えばフロロコートEC−104、同−106、同−200、同−300(以上、いずれも旭硝子(株)製)等が挙げられる。
【0015】
シリコーン樹脂としては、SiO2、または一般式RnSiO(4-n)/2(式中、Rは水素、炭素数1〜6の炭化水素基またはフェニル基を表し、nは1.0〜1.8の数を表す。)、例えばRSiO3/2、R2SiO等、の構造単位からなる共重合体、またはその末端をR3SiO1/2(式中、Rは上記と同じ)で封鎖した共重合体が好ましい。具体的な市販品の例としては、KF7312J、X−21−5249、X−21−5250、KF9021等(信越化学工業株式会社製)、BYll−018等(東レダウコーニングシリコーン株式会社製)が挙げられる。また、分子鎖の片末端にラジカル重合基を有するジメチルポリシロキサン化合物とアクリレート及び/またはメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとをラジカル重合して得たアクリル−シリコーン系グラフト重合体も用いることができる。さらに、ジメチルポリシロキサンの重合度(n)が5,000〜8,000のシリコーンゴムも用いることができる。
【0016】
芳香族系炭化水素樹脂として日石ネオポリマーT、同120、同140(いずれも日本石油(株)製);テルペン系樹脂としてQuintoneA−100、同B−170、同C−100(いずれも日本ゼオン(株)製);ポリブテンとしてポリブテン200(出光石油(株)製);ポリイソプレンとしてエスコレツ1071、同1103(いずれもエクソン(株)製);アルキド樹脂としてベッコゾールEL8011、ソリッドベッコゾールNo.31、同No.96(いずれも大日本インキ(株)製);PVP変性ポリマーとしてGanex V−216、同V−220(いずれも五協産業(株)製);ロジン変性樹脂としてペンセルA、エステルガムとしてエステルガムAAG、同AAL、同A(いずれも荒川化学(株)製)等が、それぞれ市販品として例示的に挙げられる。
【0017】
また、これら油溶性樹脂は、少なくとも1種を(すなわち2種以上でも)選択して用いることもできる。
【0018】
上記の油溶性樹脂の含有量(2種以上用いる場合はその合計量)は、全油相量に対し、好ましくは固形分換算で1.0〜50.0重量%、より好ましくは使用性(なめらかさ)の点から5.0〜40.0重量%、更に好ましくは耐水性、耐油性から10.0〜35.0重量%である。樹脂量が5.0重量%未満では耐水性、耐油性が不十分であることがあり、40.0重量%を超えると、なめらかさに欠けるようになることがある。
【0019】
本発明の油中水型マスカラの油相には、前記固体状アルキルメチルシロキサンおよび油溶性樹脂の他に揮発性油分を配合することができる。揮発性油分は、少なくとも1種で構成され、配合量は全油相量に対し、15.0〜85.0重量%が好ましい。この油相中の揮発性油分は油溶性樹脂に対して溶媒となり得るもので、室温における沸点が60〜260℃の範囲にある炭化水素油もしくはシリコーン油であり、例えば、アイソパー(登録商標)A、同C、同D、同E、同G、同H、同K、同L、同M(エクソン社)、ソルトロール(登録商標)100、同130、同220(フィリップス社)、オクタメチルトリシロキサン(例えば、信越化学工業株式会社製「KF−96A−1CS」、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製「SH200C−1CS」)、デカメチルテトラシロキサン(例えば、信越化学工業株式会社製「KF−96A−1.5CS」、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製「SH200C−1.5CS」)、メチルポリシロキサン(例えば、信越化学工業株式会社製「KF−96A−2CS」、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製「SH200C−2CS」)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(例えば、信越化学工業株式会社製「KF−994」、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製「SH244」、「SH344」)、デカメチルシクロペンタシロキサン(例えば、信越化学工業株式会社製「KF−995」、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製「SH245」、「SH345」)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製「SH246」)等が挙げられる。
【0020】
上記成分の他、油相中には目的に応じて本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で化粧料に一般的に用いられる固型、半固型、液状油分、美容成分等の薬剤、乳化剤、増粘剤、紫外線吸収剤、粘土鉱物、香料、あるいは他の揮発性成分等を配合しても良い。
【0021】
全油相の配合量はマスカラ全量中、好ましくは30.0〜80.0重量%、更になめらかさを与えるために好ましくは35.0〜75.0重量%である。
【0022】
次に本発明に係る油中水型マスカラの水相について説明する。水相中には、使用性(皮膜のはり)を付加する観点から皮膜形成能のあるエマルション樹脂を配合するのが好ましく、その際の配合量は全水相量に対して3.0〜70.0重量%、さらに好ましくは5.0〜60.0重量%である。かかる皮膜形成エマルション樹脂としては、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸・アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、塩化ビニリデンと塩化ビニルの共重合エマルション、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルション、酢酸ビニル・スチレン共重合体エマルションやポリ酢酸ビニルエマルション等が挙げられる。
【0023】
また、これら皮膜形成エマルション樹脂は、少なくとも1種を(すなわち2種以上でも)選択して用いることもできる。上述した皮膜形成エマルション樹脂の好ましい含有量の範囲は、2種以上用いる場合その合計量における数値を意味する。
【0024】
全水相の配合量はマスカラ全量に対して、好ましくは20.0〜70.0重量%、更に好ましくは25.0〜65.0重量%である。上記成分の他、水相中には、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、防腐剤、アルコール、多価アルコール、美容成分等の薬剤、乳化剤、水溶性高分子、増粘剤、粘土鉱物、香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤等を配合しても良い。
【0025】
マスカラの着色を目的として色材が使用される。にじみ難さを向上させる目的においては、色材を水相に用いることが好ましいが、疎水化処理したものを油相に用いることもできる。さらに、水相と油相の両方に対して用いてもよい。色材は、−般にメーキャップ化粧料に用いられるものであればよく、例えばタルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、亜鉛華、二酸化チタン、赤酸化鉄(ベンガラ)、黄酸化鉄(オークル)、黒酸化鉄、群青、紺青、カーボンブラック、低次酸化チタン、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、オキシ塩化ビスマス、チタン−マイカ系パール顔料などの無機顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、黄色205号、さらに黄色4号、黄色5号、青色1号、青色404号、緑色3号などのジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキなどの有機顔料、クロロフィル、β−カロチン等の天然色素、ナイロン、セルロース、ポリエチレンなどの樹脂粉末類、染料等が挙げられる。このうち、特に好ましいのは、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、亜鉛華、二酸化チタン、赤酸化鉄(ベンガラ)、黄酸化鉄(オークル)、黒酸化鉄、群青、紺青、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、チタン−マイカ系パール顔料、染料等の色材類が挙げられる。
【0026】
色材類の疎水化処理方法としては、前記色材に撥水性を付与できる方法であればいかなる方法でも良く、例えば、気相法、液相法、オートクレーブ法、メカノケミカル法等通常の表面処理方法を用いることができる。
【0027】
これら色材および疎水化処理された色材類含有量は、全量に対して0.1〜35.0重量%、好ましくは1.0〜30.0重量%である。
【0028】
【実施例】
次に、実施例によりさらに本発明を詳述する。本発明はこれによって限定されるものではない。なお、配合量(%)は重量%である。
【0029】
実施例に先立ち、本発明の評価試験方法および評価方法について説明する。
【0030】
<評価方法>
[耐油試験]50mm×12.5mmのナイロン板に各試料を一定厚(0.1mm)塗布し、これをファンデーションオイル成分(トリオクタノイン)に浸漬し、25℃にて放置する。翌日、皮膜成分の状態を評価した。
【0031】
◎:皮膜が完全に残っている
○:皮膜が3/4以上残っている
△:皮膜が1/2以上残っている
×:皮膜が1/2未満しか残っていない
【0032】
また、以下の項目について専門パネル20名による実用テストにて試験、評価した。
[付着性]試料を手首部に塗布し、乾燥後30回屈曲動作を行い、その状態を観察し評価した。
【0033】
◎:18名以上が、付着性良好と回答
○:14〜17名が、付着性良好と回答
△:8〜13名が、付着性良好と回答
×:7名以下が、付着性良好と回答
[カール力性]各試料を塗布したときの睫毛のカールアップの状態を肉眼にて判定し、総合評価した。
【0034】
◎:18名以上が、カールアップ良好と回答
○:14〜17名が、カールアップ良好と回答
△:8〜13名が、カールアップ良好と回答
×:7名以下が、カールアップ良好と回答
[耐汗性・耐皮脂性]各試料を睫毛に塗布し、晴天時にテニスを2時間実施し、充分に汗をかいた後、肉眼にて判定した。
【0035】
◎:18名以上が、にじみなしと回答
○:14〜17名が、にじみなしと回答
△:8〜13名が、にじみなしと回答
×:7名以下が、にじみなしと回答
[耐水性]各試料を睫毛に塗布し、シャワーを2分当てた後、肉眼にて判定した。
【0036】
◎:18名以上が、にじみなしと回答
○:14〜17名が、にじみなしと回答
△:8〜13名が、にじみなしと回答
×:7名以下が、にじみなしと回答
[耐油性]各試料を塗布し、晴天時にテニスを2時間実施し、十分に汗をかいた後、下瞼への2次付着の有無を、それぞれ眼にて判定した。
【0037】
◎:18名以上が、2次付着、化粧くずれなしと回答
○:14〜17名が、2次付着、化粧くずれなしと回答
△:8〜13名が、2次付着、化粧くずれなしと回答
×:7名以下が、2次付着、化粧くずれなしと回答
[使用性]各試料を塗布するときの塗布のしやすさ(なめらかさ)などを総合評価した。
【0038】
○:15名以上が、良好と回答
△:8〜14名が、良好と回答
×:7名以下が、良好と回答
[落としやすさの試験]各試料を塗布後、通常の洗顔料を日常用いる程度の用量にて洗顔し、まつ毛上のマスカラの落としやすさを評価した。
【0039】
○:15名以上が、落ちていると回答
△:10〜14名が、落ちていると回答
×:9名以下が、落ちていると回答。
【0040】
比較例1(乳化皮膜タイプ)
油相
ステアリン酸 5.0%
カルナウバロウ 5.0%
ミツロウ 5.0%
水相
トリエタノールアミン 2.0%
プロピレングリコール 5.0%
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2%
アクリル酸アルキル共重合体エマルション 10.0%
黒酸化鉄 10.0%
防腐剤 適量
精製水 残量
製法
油相を加熱し溶解する。これに80℃で良く混合した水相を加えて乳化し、冷却した後、マスカラ容器に充填した。
【0041】
比較例2(油性タイプ)
Figure 0003949980
製法
GにCおよびDを加えてディスパー分散後、90℃にする。これにAおよびBを加え、溶解してディスパー分散する。ここにさらにその他の成分を添加し、冷却したものをマスカラ容器に充填した。
【0042】
比較例3(W/O乳化タイプ)
油相
アイソパーE 30.0%
有機変性粘土鉱物 3.0%
有機シリコーン樹脂 注1) 20.0%
セスキオレイン酸ソルビタン 2.0%
水相
ポリビニルアルコール 2.0%
プロピレングリコール 5.0%
アクリル酸アルキル共重合体エマルション 20.0%
黒酸化鉄 10.0%
防腐剤 適量
精製水 残量
注1)シリコーンKF7312J(信越化学工業(株) 製)、50%固形分
製法
油相のアイソパーEに有機変性粘土鉱物を分散後、ここにを有機シリコーン樹脂添加し、ディスパー分散する。さらにその他の成分を加えて分散後、良く分散した水相を加えて乳化する。これを冷却した後、マスカラ容器に充填する。
【0043】
比較例4(W/O乳化タイプ)
油相
アイソパーE 20.0%
パラフィンワックス 10.0%
有機変性粘土鉱物 3.0%
有機シリコーン樹脂 注1) 20.0%
セスキオレイン酸ソルビタン 2.0%
水相
ポリビニルアルコール 2.0%
1,3−ブチレングリコール 5.0%
アクリル酸アルキル共重合体エマルション 20.0%
黒酸化鉄 10.0%
防腐剤 適量
精製水 残量
注1)シリコーンKF7312J(信越化学工業(株) 製)、50%固形分
製法
油相のアイソパーEに有機変性粘土鉱物を分散後、80℃に加温し、パラフィンワックスを溶解する。ここに残りの油相成分を添加し、ディスパー分散する。さらに良く分散した水相を80℃で加えて乳化する。これを冷却した後、マスカラ容器に充填する。
【0044】
比較例5(W/O乳化タイプ)
油相
アイソパーE 20.0%
カルナウバワックス 10.0%
有機変性粘土鉱物 3.0%
エステルガム 20.0%
セスキオレイン酸ソルビタン 2.0%
水相
ポリビニルアルコール 2.0%
1,3−ブチレングリコール 5.0%
アクリル酸アルキル共重合体エマルション 20.0%
黒酸化鉄 10.0%
防腐剤 適量
精製水 残量
製法
油相のアイソパーEに有機変性粘土鉱物を分散後、85℃に加温し、カルナウバワックスを溶解する。ここに残りの油相成分を添加し、ディスパー分散する。さらに良く分散した水相を85℃で加えて乳化する。これを冷却した後、マスカラ容器に充填する。
【0045】
実施例1〜11
【表1】
Figure 0003949980
製法
油相の有機変性粘土鉱物をアイソパーEに分散後、その他の成分を加え85℃で溶解し、良く分散した水相を加えて、85℃で乳化する。これを冷却した後、マスカラ容器に充填する。
【表2】
Figure 0003949980
製法
油相の有機変性粘土鉱物をアイソパーEに分散後、その他の成分を加え85℃で溶解し、良く分散した水相を加えて、85℃で乳化する。これを冷却した後、マスカラ容器に充填する。
【0046】
このようにして比較例1〜5で得た比較例品、実施例1〜11で得た実施例品を用いて、上記の評価試験を行った。結果を表3〜5に示す。
【表3】
Figure 0003949980
【表4】
Figure 0003949980
【表5】
Figure 0003949980
表3〜5の結果から明らかなように、本発明にかかる実施例品は、耐油性、耐汗・耐皮脂性、耐水性、使用性、睫毛への付着性のいずれにおいても優れ、特にカール力に優れた性能を有し、さらに落としやすさにも優れる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、1)耐水性、耐汗性・耐皮脂性、耐油性(ファンデーション、クリーム、化粧下地等の化粧品に含まれる油分)および使用性(なめらかさ)に優れている、(2)皮膜の強度及び付着性が高く、カール力が優れている、(3)通常の洗顔料で落しやすい、という諸条件を同時に満たすマスカラを提供することが可能になる。

Claims (5)

  1. 油相中に少なくとも1種の、式、R 1 Me 2 SiO(Me 2 SiO) x (MeR 2 SiO) y SiMe 2 3 (式中、R 1 及びR 3 は独立に炭素原子数1〜60のアルキルまたはアルコキシであり、R 2 は炭素原子数1〜60のアルキルであり、但しR 1 、R 2 及びR 3 の少なくとも1つは炭素数4〜60のアルキルまたはアルコキシであり、xは0〜100、yは0〜100である。)で表される構造を有する固体状アルキルメチルシロキサン及び少なくとも1種の油溶性樹脂を、水相中に少なくとも1種の皮膜形成性エマルション樹脂をそれぞれ含有する、油中水型マスカラ。
  2. 前記少なくとも1種の固体状アルキルメチルシロキサンの含有量が油相に対して1.0〜50.0重量%、前記少なくとも1種の油溶性樹脂の含有量が油相に対して固形分換算で1.0〜50.0重量%、前記少なくとも1種の皮膜形成性エマルション樹脂の含有量が水相に対して3.0〜70.0重量%である、請求項1記載の油中水型マスカラ。
  3. 前記固体状アルキルメチルシロキサンの融点が、30〜100℃である、請求項1又は2に記載の油中水型マスカラ。
  4. 油相が30.0〜80.0重量%を占める、請求項1〜のいずれか1項に記載の油中水型マスカラ。
  5. 油相に揮発性油分をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の油中水型マスカラ。
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