JP4965145B2 - 水中油型睫用化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、キャンデリラレジンと、融点が60℃以下である固形またはペースト状の長鎖アルキル変性オルガノポリシロキサン又は長鎖アルコキシ変性オルガノポリシロキサンとを配合した睫用化粧料に関し、より詳しくは、重ね塗りがしやすく、化粧膜の均一な水中油型睫用化粧料に関するものである。
従来、水中油型睫用化粧料は、メーキャップリムーバー等で落としやすいことや、油性及び水性の機能性素材両方を用いることができる為、ボリューム効果に優れていた。例えば、付着性の高いワックス類や樹脂類、及び被膜形成性エマルションポリマー等を配合することにより、睫への密着性を高めたり、睫を太く目立たせたり、睫をカールするなどして目元を際立たせていた(例えば、特許文献1参照)。また、カール効果と同時に更なるボリューム効果を得るために、油溶性樹脂の中でも特に低融点で付着性の高いキャンデリラレジンを配合するなどの検討もなされてきた(例えば、特許文献2、3)。また、滑らかさを付与するために、シリコーンワックスを添加するなどの技術もあった(例えば、特許文献4)。
特公平7−103008号公報 特開2005−68056号公報 特開2002−338436号公報 特開2004−059564号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、高融点の油溶性樹脂を配合しているため常温での付着性に乏しく、睫を太く見せる効果を演出するためには高濃度の配合が必要であり、束付き(睫同士の付着が強くなること)など使用性上の問題や塗膜の柔軟性が乏しいためカール効果はあるが、ごわつきや負担感を感じる等の問題があった。また、特許文献2、3の技術では、十分な効果を得られる程度配合すると、化粧料における伸びが悪くなる等の使用性の低下や、伸びが滑らかでない等の使用感の低下につながる。また、特許文献4の技術では、ボリューム効果や化粧持ちを損なうことなく滑らかさを演出できるが、カール効果の持続の点で問題があった。
このため、化粧効果(カール効果・ボリューム効果により目元を際立たせる)及びその持続性に優れ、重ね塗りがしやすく、化粧膜の均一な睫用化粧料の開発が望まれていた。
かかる実情において、本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、融点60℃以下の固形またはペースト状の長鎖アルキル変性オルガノポリシロキサン又は長鎖アルコキシ変性オルガノポリシロキサンをキャンデリラレジンと組み合わせて配合することによりキャンデリラレジンの付着性をコントロールでき、束付きせず、化粧効果(カール効果・ボリューム効果により目元を際立たせる)及びその持続性に優れた水中油型睫用化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに本発明者らは、被膜形成性エマルションポリマーを全組成分中に固形分で0.1〜30質量%含有することにより重ね塗りがしやすく、化粧膜の均一な水中油型睫用化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の成分(A)、(B)
(A)キャンデリラレジン、
(B)融点が60℃以下である固形またはペースト状の長鎖アルキル変性オルガノポリシロキサン又は長鎖アルコキシ変性オルガノポリシロキサン
を配合し、成分(B)が、成分(A)を含む全油性成分中に0.1〜40質量%であることを特徴とする水中油型睫用化粧料を提供するものである。
また、更に成分(C)として被膜形成性エマルションポリマーを全組成分中に固形分で0.1〜30質量%配合することを特徴とする水中油型睫用化粧料を提供するものである。
また、更に成分(D)として、成分(B)以外のワックスをすることを特徴とする水中油型睫用化粧料を提供するものである。
本発明は、化粧効果(カール効果・ボリューム効果により目元を際立たせる)及びその持続性に優れ、重ね塗りがしやすく、化粧膜の均一な睫用化粧料を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される成分(A)キャンデリラレジンは、付着性や持続性を得るために配合する成分であり、キャンデリラワックスを有機溶剤にて分別抽出して得られる樹脂である。樹脂分を65質量%(以下、単に「%」で示す)以上含有しているものが好ましくは、更には85%以上の割合で含有されるものがより好ましい。このようなキャンデリラレジンは、例えば、キャンデリラワックスにエタノールを添加して水浴上等で加熱することによりキャンデリラワックスを溶解し、次に、これを常温まで冷却して、ワックスの結晶を析出させ、これを濾過することにより結晶と濾液とに分け、濾液中のエタノールを蒸留回収することにより得ることができる。 また、キャンデリラレジンの軟化点は35〜55℃が好ましく、例えばINCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)でキャンデリラワックスエキストラクト等が挙げられ、市販品としては、キャンデリラ樹脂E―1(日本ナチュラルプロダクツ社製)等が挙げられる。軟化点の測定方法としては、化粧品原料基準一般試験法軟化点測定法に準じ、試料量0.5g、昇温速度0.2℃/分、12mmφ、10gの鉛球を用いて行う。軟化点がこの温度範囲であれば、水中油型睫用化粧料に配合したときに、十分な付着力を付与することができ、カールアップ効果だけではなく、ボリュームアップ効果を演出することができる。
本発明に使用される成分(A)の配合量は、0.1〜20質量(以下、単に「%」と略す)%が好ましく、0.5〜10%であることがより好ましい。この範囲であれば、睫をカールさせたり、重ね付けにより太く見せ、ボリューム感を演出することで目元をはっきりさせるといった化粧効果の点でより好ましい。
本発明に使用される成分(B)融点60℃以下である固形またはペースト状長鎖アルキル変性オルガノポリシロキサン又は長鎖アルコキシ変性オルガノポリシロキサンは、室温でペースト〜ワックス状の外観を有しており、これを配合する化粧料はべたつきがなくさっぱりとした使用感が得られる。特に、本発明においては、付着性や束付きの低減など使用性を向上させるために配合している。また、睫表面にフィルムを形成し、吸着残留性に優れることから、ボリューム効果の演出にも優れるものである。更に成分(B)は、長鎖アルキル基及び/又は長鎖アルコキシ基を有しているため、炭化水素油やエステル油等の一般的に化粧料に用いられる無極性あるいは低極性の油剤との親和性が高く、油相での均質化が得られるため、化粧料の経時安定性も保持できる。このような成分B)は下記一般式(1)又は(2)で表される長鎖アルキル変性オルガノポリシロキサン又は長鎖アルコキシ変性オルガノポリシロキサンが挙げられる。
[式中、R〜Rは同一でも異なっていても良く、C2n+1O-又はC2n+1-(nは14〜22の整数である)で表されるものであり、p、q、rは各々1〜1500の整数、q+rは2〜2000の範囲である。但し、R=R、R=Rの場合はR〜RがCH-のものを除く]
成分(A)の長鎖アルキル基又は長鎖アルコキシ基は前記n=14〜22、が好ましく、16〜18が特に好ましい。例えば、ステアリルジメチコン、ステアロキシメチルポリシロキサン等が挙げられる。このような成分(A)は市販品として、Dow Corning 2503 COSMETIC WAX(Dow Corning社製)、Abil Wax9800(Goldschmidt社製)、Abil Wax2434(Goldschmidt社製)、SilCare41M65 StearylDimethicone(Clariant LSM社製)、Wacker−BeiailSDM 5055(Wacker-chemie社製)、Silsoft W−18(OSI Specialties社製)が挙げられる。これらの常温で固形またはペースト状長鎖アルキル変性オルガノポリシロキサン又は長鎖アルコキシ変性オルガノポリシロキサンは、必要に応じ、一種又は二種以上を使用することができる。
本発明の成分(B)の配合量は0.1〜25%が好ましく、更に、油性成分(成分(A)も含む)中に0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜20%であることがより好ましい。この範囲であれば、睫をカールさせたり、重ね付けにより太く見せ、ボリューム感を演出する化粧効果の点で満足のいくものが得られる。
本発明の水中油型睫用化粧料に、更に成分(C)として被膜形成性エマルションポリマーを配合することにより、付着性や持続性、安定性が向上する。成分(C)の被膜形成性エマルションポリマーは、高分子化合物を水に分散してあるもので、疎水性エマルションポリマーではなく、親水性エマルションポリマーである。通常化粧料に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用することができる。例えば、アクリル酸エマルションポリマー、アクリル酸アルキル共重合体エマルションポリマー、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルションポリマー、酢酸ビニルエマルションポリマー、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルションポリマー、シリコーン系エマルションポリマー等が挙げられるが、中でも酢酸ビニルエマルションポリマーが望ましい。これらのエマルションポリマーは、必要に応じ、一種又は二種種以上を使用することができる。
本発明に使用される成分(C)の配合量は、ポリマー固形分として、全組成分中に0.1〜30%が好ましく、1〜25%が更に好ましい。この範囲であれば、重ね塗りし易く、化粧膜が均一で化粧効果の持続性も良好な水中油型睫用化粧料が得られる。
更に本発明の水中油型睫用化粧料に、成分(D)として成分(B)以外のワックスを配合することにより、付着性や持続性が向上する。成分(D)としては、通常化粧料に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用することができ、必要に応じ、一種又は二種以上用いることができる。例えば、エチレン・プロピレンコポリマー、ポリエチレンワックス、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ミツロウ等が挙げられる。市販品としては、EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ社製)、PERFORMALENE 655、PERFORMALENE 500(ニューフェーズテクノロジー社製)、PM−WAXX82(日興リカ社製)、OZOKERITE WAX SP−273P(STRAHL & PITSCH社製)、ムルチワックスW−445(SONNEBORN社製)、NC−1630キャンデリラワックス(セラリカ野田社製)、精製キャンデリラワックスSR−3、高融点キャンデリラワックスFR100、精製キャンデリラワックスMD−21、精製カルナウバワックス1号(日本ナチュラルプロダクツ社製)、WHITE BEES WAX(三木化学社製)、BEES WAX S(クローダ社製)等が挙げられる。
本発明に使用される成分(D)の配合量は、0.1〜25質量%が好ましく、更に1〜15%であることがより好ましい。この範囲であれば、睫をカールさせたり、重ね付けにより太く見せ、ボリューム感を演出する等化粧効果の点で満足のいくものが得られる。
本発明の水中油型睫用化粧料には更に、水、油性成分、界面活性剤を配合する。
油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び半固形油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、硬化油類、エステル油類、高級アルコール類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。
界面活性剤としては、化粧品一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸の無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、人体に対して安全とされるものが使用できる。例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、レシチン等が挙げられる。
本発明の水中油型睫用化粧料は、上記した必須成分の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、睫を長く見せる効果を付与するための繊維や、感触調整や着色の目的で粉体成分や、エモリエント成分としての水性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料、などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
繊維としては、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、レーヨン等の人造繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられ、これらは特に限定されるものではなく、必要に応じて一種又は二種以上を用いることができる。また、これらの繊維は本発明の効果を妨げない範囲で一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができる。
粉体成分としては、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。また、これら粉体は一種又は二種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、乳酸ナトリウム等の塩類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等及び水が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
本発明の水中油型睫用化粧料としては、マスカラ、マスカラオーバーコート、マスカラ下地等が挙げられ、形態としては、ゲル状、乳液状、クリーム状等が挙げられる。
本発明の水中油型睫用化粧料の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(D)を含む油性成分及び界面活性剤を加熱混合し、同様に加熱混合した成分(C)と水性成分との混合物に加え、乳化、冷却、脱泡して容器に充填することにより、得ることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
実施例1〜7及び比較例1〜5 水中油乳化型マスカラ(クリーム状)
表1、2に示す処方のマスカラを調製し、睫に塗布し、カール、ボリュームアップする化粧効果、化粧効果の持続性、重ね塗りのしやすさといった使用性、化粧膜の均一性について下記の方法により官能評価を行った。その結果もあわせて表1、2に示す。
*1:キャンデリラ樹脂E―1(日本ナチュラルプロダクツ社製)の組成は、樹脂分90%、遊離アルコール5%、遊離脂肪酸分2%、エステル分2%、炭化水素分1%であり、軟化点は47〜48℃である。
*2:Dow Corning 2503 COSMETIC WAX(東レ・ダウコーニング社製)
*3:シリコンKF−96A(6CS)(信越化学工業社製)
*4:プレキシトールB−500(固形分40%)(ポリマーラテックス社製)
*5:ビニブランGV−5651(固形分50%)(日信化学工業社製)
(製造方法)
A.成分(1)〜(9)を110℃に加熱溶解し、成分(10)を加えて均一に混合する。
B.成分(11)〜(18)を均一に混合する。
C.BにAを加え、乳化する。
D.Cを容器に充填し、水中油乳化型マスカラを得た。
下記評価項目について各々評価を行った。
(評価項目)
(a)化粧効果(カール・ボリューム効果)
(b)化粧効果の持続性
(c)重ね塗りなどの使用性
(d)化粧膜の均一性
(評価方法)
化粧歴10年以上の官能検査パネル20名により、各試料を上記a〜dについて、下記絶対評価を用いて7段階に評価し、各試料ごとの評点の平均値を4段階判定基準を用いて判定した。但し、bについては、試料を使用後、パネルに通常の生活をしてもらい、6時間後の化粧効果について評価した。
(化粧効果評価)、(化粧持続性評価)、(使用性・使用感評価)、(化粧膜の均一性評価)
(絶対評価基準)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(4段階判定基準)
(評点の平均点) (判定)
5点を超える :◎
3点を超えて5点以下 :○
1.5点を超えて3点以下 :△
1.5点以下 :×
本結果から明らかなように、本発明品である実施例1〜7の水中油乳化型クリーム状マスカラを用いた場合は、比較例1〜5に比較し、目元を際だたせる化粧効果(カール・ボリューム効果)や化粧効果の持続性、重ね塗りのしやすさ、化粧膜の均一性のすべての点ではるかに優れた特性を有していた。一方、成分(A)を配合しない比較例1は化粧効果や重ね塗りのしやすさに満足できず、成分(B)を配合しない比較例2は化粧膜の均一性に劣り重ね塗りのしやすさにも満足できなかった。また、成分(B)の替わりに液状のシリコーン油を配合した比較例3は化粧効果(カール・ボリューム効果)や化粧効果の持続性の点で満足のいくものが得られず、成分(A)、(B)を配合せず従来のワックス類を多量に配合した比較例4は重ね塗りのしやすさや化粧膜の均一性に満足できず、成分(B)の油系中濃度が高い比較例5は化粧効果(カール・ボリューム効果)や重ね塗りのしやすさに劣っていた。
実施例8 水中油乳化型マスカラ(クリーム状)
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 3
(2)キャンデリラレジン*1 1
(3)ミツロウ 1
(4)ステアリルジメチコン*2 5
(5)エイコセン・ポリビニルピロリドン共重合体*6 20
(6)ステアロキシメチルポリシロキサン*7 2
(7)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
(8)ショ糖脂肪酸エステル 2
(9)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンン 1.3
(10)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(11)ベンガラ 5
(12)無水ケイ酸*8 0.1
(13)無水ケイ酸*9 0.1
(14)トリエタノールアミン 1.2
(15)1,3−ブチレングリコール 8
(16)パラオキシ安息香酸エステル 0.2
(17)アクリル酸エマルションポリマー(固形分40%)*4 10
(18)酢酸ビニルエマルションポリマー(固形分50%)*5 0.5
(19)ホホバ油 0.3
(20)精製水 残量
*6 ANTARON V−220(ISP社製)
*7 ABIL WAX 2434(ゴールドシュミット社製)
*8 サイリシア550(富士シリシア化学社製)
*9 AEROSIL 300(日本アエロジル社製)
(製法)
A.成分(1)〜(10)を110℃に加熱溶解し、成分(11)を加え、均一に混合する。
B.成分(12)〜(20)を均一に混合する。
C.BにAを加え、乳化する。
D.Cを容器に充填して水中油乳化型クリーム状マスカラを得た。
実施例9 水中油乳化型マスカラ(乳液状)
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 2
(2)キャンデリラレジン*1 4
(3)ミツロウ 1
(4)ステアロキシメチルポリシロキサン*7 5
(5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
(6)ショ糖脂肪酸エステル 2
(7)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンン 1.3
(8)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(9)ベンガラ 5
(10)無水ケイ酸*9 2
(11)トリエタノールアミン 1.2
(12)1,3−ブチレングリコール 8
(13)パラオキシ安息香酸エステル 0.2
(14)アクリル酸エマルションポリマー(固形分40%)*4 10
(15)酢酸ビニルエマルションポリマー(固形分50%)*5 0.5
(16)ローズマリー抽出液 0.1
(17)精製水 残量
(製法)
A.成分(1)〜(8)を110℃に加熱溶解し、成分(9)を加え、均一に混合する。
B.成分(10)〜(17)を均一に混合する。
C.BにAを加え、乳化する。
D.Cを容器に充填して水中油乳化型乳液状マスカラを得た。
実施例10 水中油乳化型マスカラ(クリーム状)
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 3
(2)キャンデリラレジン*1 1
(3)ミツロウ 1
(4)ステアリルジメチコン 5
(5)ステアロキシメチルポリシロキサン*7 2
(6)自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 1
(7)ショ糖脂肪酸エステル 2
(8)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンン 1.3
(9)セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
(10)ベンガラ 5
(11)雲母チタン 2
(12)ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末 0.5
(13)無水ケイ酸 0.1
(14)トリエタノールアミン 1.2
(15)ナイロンファイバー*10 3
(16)1,3−ブチレングリコール 8
(17)パラオキシ安息香酸エステル 0.2
(18)アクリル酸エマルションポリマー(固形分40%)*4 10
(19)酢酸ビニルエマルションポリマー(固形分50%)*5 0.5
(20)アロエエキス 0.03
(21)精製水 残量
*10 ナイロンファイバー6.3T−2MM(中部パイル社製)
(製法)
A.成分(1)〜(9)を110℃に加熱溶解し、成分(10)〜(12)を加え、均一に混合する。
B.成分(13)〜(20)を均一に混合する。
C.BにAを加え、乳化する。
D.Cを容器に充填して水中油乳化型マスカラを得た。
以上のようにして得られた実施例8〜10の水中油乳化型マスカラは、睫を上にカールし、ボリュームをもたせて目元を際立たせる化粧効果、化粧効果の持続性、塗布のしやすさ、及び化粧膜の均一性に優れた水中油型睫用化粧料であった。

Claims (3)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)
    (A)キャンデリラレジン、
    (B)融点が60℃以下である固形またはペースト状のステアロキシメチルポリシロキサン又はステアリルジメチコン
    (C)アクリル酸エマルションポリマー、アクリル酸アルキル共重合体エマルションポリマー、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルションポリマー、酢酸ビニルエマルションポリマー、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルションポリマー、シリコーン系エマルションポリマーから選ばれる1種又は2種以上の親水性の被膜形成性エマルションポリマー
    を配合し、成分(B)が、成分(A)を含む全油性成分中に0.1〜40質量%であることを特徴とする水中油型睫用化粧料。
  2. 前記成分(C)の配合量が固形分で0.1〜30質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型睫用化粧料。
  3. 更に成分(D)として、成分(B)以外のワックスを配合することを特徴とする請求項1または2に記載の水中油型睫用化粧料。
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