JP3949814B2 - プリンタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばデジタルカラー画像を印刷するプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年画像処理技術の発達により、デジタル画像を印刷するプリンタ装置が普及している。デジタル画像は例えば格子状に配列された画素の集合として表され、各画素における数値が画素データとして認識される。プリンタ装置において、デジタル画像(以下、画像と記す)は例えば一列に並んだ所定数の画素、即ちラインごとに処理される。まず所定ライン分の画像が印刷され、その後ラインに垂直な方向に所定量だけ記録シートが搬送され、次の所定ライン分が印刷される。このようなラインごとの印刷と搬送とが繰り返され、全画像が記録シートに印刷される。デジタル画像が印刷された記録シートは、排出口から装置外に排出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなプリンタ装置において、印刷結果は記録シートが排出口から排出された後、即ち印刷が終了してから目視により判定される。従ってインク切れ等により不適正な印刷が行われた場合でも、全印刷が終了するまで判定できず、無駄な印刷動作が行われる。また、連続印刷において各記録シートを1枚ごとにチェックしなければ、印刷途中で不適正な印刷が行われた場合、多数の記録シートを無駄にすることとなる。
【0004】
本発明は、この様な点に鑑みてなされたものであり、全画像の印刷が終了する前に不適正な印刷が検出できるプリンタ装置を提供することが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるプリンタ装置は、複数の画素を備えた画像の、各画素における電気的な情報である画素データを少なくとも一画像分格納する格納手段と、格納手段から得られた画素データに基づいて、各画素における画素データを印刷データに変換するデータ変換手段と、画像上に設定された第1の方向に沿って並んだ所定数の画素に相当する印刷データに基づいて、単位印刷データを生成する単位印刷データ生成手段と、単位印刷データに基いて記録シートへ一方向に印刷する単位印刷を行う印刷手段と、単位印刷完了後に単位印刷における印刷方向とは異なる方向に、所定量だけ記録シートを搬送する搬送手段と、単位印刷された記録シート上の画像を読取って、第1の方向に沿って並んだ所定数の画素における電気的情報である読取データを生成する読取手段と、読取データと、この読取データに対応する画素データとの誤差を検出する検出手段と、単位印刷データの生成と、単位印刷と、搬送と、単位読取データの生成と、誤差の検出とを繰り返し行うことにより全画像を印刷させる制御手段とを備え、誤差が所定レベル以上の場合、制御手段により印刷手段による印刷動作が停止させられることを特徴としている。
【0006】
プリンタ装置は、印刷手段により印刷された記録シートが排出される排出口を備え、読取手段は印刷手段と排出口との間に設けられることが好ましい。
【0007】
プリンタ装置は、第1の方向に沿って並んだ画素の数に対して、誤差が所定値以上異なる画素数の割合が所定値を超える場合、印刷動作が停止させられることが好ましい。
【0008】
プリンタ装置において、誤差が所定レベル以上の場合、誤差とこの誤差が発生している画素の位置とを表示する表示手段を備えていてもよい。
【0009】
プリンタ装置において、読取手段がラインセンサを備えることが好ましい。
【0010】
プリンタ装置において、格納手段により格納された画像および記録シートに印刷された画像がデジタルカラー画像の場合、画素データおよび読取データが、R(赤)、G(緑)、B(青)の3つの色要素成分によりそれぞれ表される。
【0011】
プリンタ装置において、印刷データがCy(シアン)、Mg(マゼンダ)、Ye(イエロー)、Bk(ブラック)により表されてもよい。この場合、記録シートに印刷された画像がCy、Mg、Ye、Bkの4色のインクにより再現されたカラー画像であり、印刷手段によって、第1の方向に並んだ所定数の画素分の各色インクによる単色印刷が重ねて行われることにより、この所定数の画素分のカラー画像が記録シート上に再現される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるプリンタ装置の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、プリンタ装置により印刷されるデジタル画像の一例を示す図である。画像はその領域がm×n(m、nは自然数;m<n)個の正方形の領域、即ち画素に分割される。m個の画素が並ぶ方向を水平方向(矢印Xで示す)とし、水平方向に垂直な方向、即ちn個の画素が並ぶ方向(矢印Yで示す)を垂直方向とする。水平方向に並ぶ最上段のm画素列をラインL1 とし、次のm画素列をラインL2 、・・・、最下段のm画素列をラインLnとする。左からi番目、上からj番目の画素の位置をアドレスAijで示す。
【0014】
図2は図1に示す画像がカラー画像の場合の画素データを、図1の画像に対応した2次元配列で示す図である。画像はRGBの色成分に分解され、各画素におけるRGBの成分値により表される。アドレスAijにおけるR成分値をRijとし、同様にG成分値をGij、B成分値をBijとする。各成分ごとにm×n行列にまとめられ、この3成分の行列が並列に配される。即ち、m×n画素の画像は、各成分値がm×n個、合わせて3×m×n個の画素データを有する。プリンタ装置には図2に示す3×m×n個の画素データが入力される。なお、実際にはプリンタ装置の画像メモリ(図5)において、画像データは所定の規則に従った一次元配列に格納される。
【0015】
図3は印刷データを2次元配列で示す図である。プリンタ装置はインクジェット方式のカラー印刷を行う。この場合、Cy(シアン)、Mg(マゼンダ)、Ye(イエロー)、Bk(ブラック)の4色のインクを用い、1画素についてこの4色の配合、即ちインク量を変えることにより種々の色を再現する。このため、R、G、Bの3成分で表される画素データ(図2)を、Cy、Mg、Ye、Bkの4成分で表される印刷データ(図3)に変換する。プリンタ装置はこの印刷データに基づいて、各色のインク量を制御する。
【0016】
印刷データは4×m×n個の成分値を有する。印刷データの成分配列は、画素データの配列と同様であり説明を省略する。なお、アドレスAijの画素におけるCy成分値をCyij、Mg成分値をMgij、Ye成分値をYeij、Bk成分値をBkijとする。各画素における成分値Cyij、Mgij、Yeij、Bkijは、対応する成分値Rij、Gij、Bijに基づいて求められ、さらに隣接する画素の成分値Ri(j+1)、Gi(j+1)、Bi(j+1)を用いて補完される。
【0017】
図4は、上述の印刷データに基づいて画像を再現印刷したときの記録シートP1を示す平面図である。図3に示す印刷データに基づいて、Cy、Mg、Ye、Bkのインク量が決定され、各ラインはCy、Mg、Ye、Bkの順に印刷される。即ち、記録シートP1におけるカラー画像の1ライン分は、Cy成分の1ライン分、Mg成分の1ライン分、Ye成分の1ライン分、およびBk成分の1ライン分の合計4ライン分により構成される。
【0018】
まずラインL1 の印刷データCy11〜Cym1に基づいて、シアンのインク量が定められ、記録シートP1の幅方向に沿って左端から右端に向かってラインL1 のシアンが記録用シートP1に印刷される。次にMg11〜Mgm1に基づいて、シアンが印刷された画像の上にマゼンダが1ライン分印刷される。イエロー、ブラックの印刷も同様である。このようにして4色が重ねて印刷される。この4回の印刷により記録シートP1上に1ライン分のカラー画像が再現される。
【0019】
まず左端から右端に向かって、即ち矢印Xの方向にラインL1 の画像が印刷される。次に後述する搬送手段によって記録シートP1が1ライン分だけ図の上方(矢印Yの方向)に送られ、再び左端から右端に向かってラインL2 が印刷される。このように、1ライン分の印刷と、垂直方向への1ライン分の搬送とがn回繰り返し行われることにより、m×n画素の画像が記録シートP1に印刷される。
【0020】
記録シートP1の幅方向は画像上に設定された水平方向(矢印X)と一致し、記録シートP1の長手方向および記録シートP1の搬送方向は画像上に設定された垂直方向(矢印Y)と一致する。
【0021】
図5は実施形態であるプリンタ装置の回路構成を示すブロック図である。プリンタ装置10はシステムコントロール回路12を備え、このシステムコントロール回路12によりプリンタ装置10全体が制御される。システムコントロール回路12に接続された各回路等はシステムコントロール回路12の指令信号に従って動作する。
【0022】
システムコントロール回路12には、LCDから成る表示装置28と、操作スイッチ30とが接続される。表示装置28にはプリンタ装置10の種々の設定値、設定情報、あるいは操作者に対するメッセージ等が表示される。操作スイッチ30の手動操作により、プリンタ装置10への電源投入や印刷開始等が指示される。
【0023】
プリンタ装置10は例えばカメラ等の外部装置とケーブル(図示せず)によりSCSI接続され、このケーブルを介して画素データ等がプリンタ装置10に転送される。プリンタ装置10にはケーブルを接続するためのSCSIコネクタ14、およびこのSCSIコネクタ14を介して画素データを得るSCSIコントロ−ラ16を備える。SCSIコネクタ14およびSCSIコントローラ16を介して得られた画素データは、システムコントロール回路12の指令により画像メモリ18に一時的に格納される。画像メモリ18は1画像分の画素データが格納できるだけの容量を備える。
【0024】
システムコントロール回路12には印刷データ生成回路19が接続される。印刷データ生成回路19では所定の画素データ群が出力される毎に単位印刷データが生成され、プリンタエンジン20に出力される。本実施形態のように、カラー画像印刷の場合、所定の画素データ群より、記録シートのCy、Mg、Ye、Bk各色1ライン分、計4×m個の成分値に相当する単位印刷データが得られる。プリンタエンジン20の制御により、この単位印刷データは印刷ヘッド48に供給され、水平方向に沿って記録シートP1に所定量の画像が印刷される。
【0025】
また、システムコントロール回路12には照明光源駆動回路25およびラインセンサ駆動回路26が接続される。照明光源駆動回路25は、スキャナ部24の光源52をオンオフ制御する。また、ラインセンサ駆動回路26はスキャナ部24のラインセンサ50に発生した印刷画像の画素信号の出力動作等を制御する。ラインセンサ50から出力されたアナログの画素信号は、アンプ32により増幅され、A/D変換器34によってデジタル信号に変換される。デジタルの画素信号は画像処理回路36においてシェーディング補正およびガンマ補正等の補正が施され、読取データとしてシステムコントロール回路12に出力される。
【0026】
システムコントロール回路12において、画像の同じアドレスの画素において、読取データと画像メモリ18の画素データとが比較される。画素データと読取データとの差分値が一定レベル以上、即ち誤差が発生していると判定されると、表示装置28に、誤差量(差分値)とその誤差の発生した画素のアドレスとがメッセージと共に表示され、またプリンタエンジン20への停止信号が出力されて、印刷が停止させられる。
【0027】
図6はプリンタエンジン20およびスキャナ部24の構成を示す斜視図である。プリンタ装置10は図示しない筐体を有し、筐体の1つの側面には記録シートPを排出するための排出口45が形成される。筐体内にはカットシート状の記録シートPが多数積み重ねられ、図示しないトレーにより保持される。用紙案内ローラ421は積み重ねられた記録用紙Pの上面に接し、用紙案内ローラ421の回転駆動により、最上面の記録シートP1が排出口45に向かって搬送される。トレーと排出口45との間の搬送路近傍にはインクジェット方式のプリンタエンジン20が配設される。
【0028】
プリンタエンジン20は、ステッピングモータ(図示せず)と、このステッピングモータに駆動される一対の駆動ローラ43と、従動ローラ44a、44b、44cとを備える。ステッピングモータはシステムコントロール回路12から出力される駆動パルスに従って、印刷時には所定時間おきに駆動ローラ43を駆動する。各従動ローラ44a、44b、44cはセット位置にある記録シートP1に弾性的に接しており、記録シートP1の搬送に伴って正逆方向に回転する。
【0029】
従動ローラ44bにはエンコーダ(図示せず)が設けられ、このエンコーダはシステムコントロール回路12に接続される。これにより実際の記録シート搬送量や速度がシステムコントロール回路12において検出される。
【0030】
プリンタエンジン20の印刷ヘッド48は、搬送路上にある記録シートP1の一方の面に対向している。印刷ヘッド48はインクジェット方式のライン印刷ヘッドとして構成され、記録シートP1の幅方向、即ち水平方向に沿って移動可能である。印刷ヘッド48はインクを射出する射出ノズルを備え、水平方向への移動と共に所定のタイミングで射出ノズルからインクが射出されることにより、記録シートP1上にドット記録が行われ、水平方向への印刷が行われる。印刷ヘッド48による印刷が行われる垂直方向の位置を印刷位置M1とする。
【0031】
図7は印刷ヘッド48の側面図である。印刷ヘッド48には4色のインク、即ちシアン、マゼンダ、イエロー、ブラックをそれぞれ記録紙に向けて射出するための射出ノズル49a、49b、49c、49dが垂直方向に沿って設けられる。各射出ノズルからのインクの射出量は、印刷データに応じてそれぞれ決定される。これら各射出ノズルの射出方向は垂直方向において一致するように微調整される。即ち、所定ラインの印刷毎の記録シートP1の搬送量と、各射出ノズルにより印刷された垂直方向のドット間距離Wdは一致する。
【0032】
記録シートP1が印刷開始位置にセットされると、印刷ヘッド48が水平方向に移動し、この移動に伴って射出ノズル49aによりラインL1 のシアン成分が印刷される。シアンの印刷後、印刷ヘッド48は元の位置に戻され、記録シートP1は1ライン分搬送されて停止する。次に、印刷ヘッド48が再び水平方向に移動し、射出ノズル49aによりラインL2 のシアン成分が印刷されると共に、射出ノズル49bによりラインL1 のマゼンダ成分が印刷される。そして印刷ヘッド48が元の位置に戻され、記録シートP1が1ライン分搬送された後、印刷ヘッド48が再び水平方向に移動し、ラインL3 のシアン成分、ラインL2 のマゼンダ成分、ラインL1 のイエロー成分が印刷される。印刷ヘッド48が元の位置に戻され、記録シートP1が1ライン分搬送された後、印刷ヘッド48が再び水平方向に移動し、ラインL4 のシアン成分、ラインL3 のマゼンダ成分、ラインL2 のイエロー成分およびラインL1 のブラック成分が印刷される。ここで、ラインL1 の印刷が終了する。
【0033】
このように、4色の印刷は同時進行するが、各射出ノズル49a、49b、49c、49dには1ラインずつずれた印刷データが送出される。
【0034】
印刷ヘッド48の1回の水平方向への移動に伴う印刷を単位印刷とし、単位印刷に必要な印刷データを単位印刷データとする。例えば最初に記録シートP1印刷されるラインL1 におけるCyi1(1≦i≦m)を第1の単位印刷データとする。第2の単位印刷データは、ラインL2 のCyi2とラインL1 のMgi1である。第3の単位印刷データはラインL3 のCyi3とラインL2 のMgi2とラインL1 のYei1である。第k(4≦k≦n−4)の単位印刷データは、ラインLk のCyikとラインLk-1 のMgi(k-1)とラインLk-2 のYei(k-2)およびラインLk-3 のCyi(k-3)である。プリンタエンジン20の制御により、この単位印刷データは印刷ヘッド48(図6)に供給され、水平方向に沿って記録シートにフルカラー印刷される。なお、単位印刷データは各色1ライン分である必要はなく、各色の複数ラインをまとめて単位印刷データとしてもよい。この場合、記録シートの単位搬送量は複数ライン分である。
【0035】
再び図6を参照する。スキャナ部24は、垂直方向において印刷ヘッド48と排出口45との間に設けられる。スキャナ部24はラインセンサ50、光源52、スキャナ光学系54を備え、これらはプリンタ装置10の支持枠(図示せず)に固定される。ラインセンサ50は記録シートP1の記録された面に対向し、かつ水平方向に沿った位置に配置され、この水平方向に沿った記録シートP1上の電気的な光情報、即ち読取位置M2における記録シートP1上の印刷画像の画素情報を得る。ラインセンサ50はm画素のCCD1次元センサである。読取位置M2は、印刷位置M1からdライン分だけ(d<n)離れた位置にある。ラインL1 が読取位置M2に到達しているか否かの判定は、センサ56により行われる。
【0036】
光源52は記録シートP1に対してラインセンサ50と同じ側に配され、ラインセンサ50と同一方向、即ち水平方向に延出した白色の発光管である。光源52から記録シートP1に向かって平行な白色光が射出される。
【0037】
スキャナ光学系54は記録シートP1とラインセンサ50との間であって、反射光の光路上に設けられる。読取位置M2における記録シートP1の光学情報、即ち印刷された画像は、光源52により照明され、スキャナ光学系54の作用によって光電変換素子群が配設されたラインセンサ50の受光面上に結像される。ラインセンサ50から出力された画素信号は、上述の処理が施されて読取データとしてシステムコントロール回路12に送出される。
【0038】
図8に示すように、ラインセンサ50の各画素上にはR、G、Bの各色フィルタ要素が水平方向に規則的に配列されたストライプフィルタ502を備え、スキャナ光学系54からの画像をRGBの色要素成分に分解する。即ち、記録シートP1上のラインL1 が読取位置M2(図6)にセットされたとき、ラインセンサ50の受光面上には、画素A11のR成分、画素A21のG成分、画素A31のB成分、と3画素周期でRGB成分の印刷画像が結像され、これにより読取データが生成される。
【0039】
図9は読取データを示す図である。読取られたR成分値をR’ij(1≦i≦m、1≦j≦n)とし、同様にG成分値をG’ij、B成分値をB’ijとする。ラインL1 においてR成分値は左から3画素毎に読取られる。同様にG成分値、B成分値も3画素毎に読取られる。
【0040】
読取データはシステムコントロール回路12において、同じアドレスにおける同じ成分の画素データと比較される。例えば、アドレスA11の読取データのR成分値R’11と、画素データ(図2)のR成分値R11との差分値が求められる。この差分値が所定レベル以上であれば、誤差が発生していると認識される。次いでG’21とG21、B’31とB31、・・と順に比較され、誤差の発生の有無が判定される。ラインL1 の全画素について比較が行われた後、1ライン中における誤差の発生割合が求められる。誤差の発生割合が所定値以上であれば、システムコントロール回路12はプリンタエンジン20へ印刷停止信号を出力する。
【0041】
印刷と読取のタイミングについて説明する。システムコントロール回路12から駆動信号が出力され、ステッピングモータが正転し、記録シートP1はステッピングモータの正転により印刷開始位置まで所定量搬送され、印刷動作が開始される。
【0042】
印刷ヘッド48が記録シートP1にラインL1 を印刷できる位置にまで、記録シートP1が搬送されると、前述したように単位印刷と搬送とが繰り返される。単位印刷と搬送とがd回繰り返された後、印刷画像のラインL1 が読取位置M2にまで移動したと判定される。そして印刷位置M1においてラインLd+1 のシアンが印刷されると同時に、読取位置M2における印刷画像のラインL1 がラインセンサ50により読取られる。記録シートP1は光源52により照射されており、その反射光がスキャナ光学系54により集光されて、ラインセンサ50のCCDの受光面上に結像されている。システムコントロール回路12の指令によりラインセンサ50が駆動されると、CCDにおいて光電変換されたラインL1 のRGB成分の情報は、読取データとしてシステムコントロール回路12に出力される。
【0043】
システムコントロール回路12では、画像メモリ18に格納されたラインL1 の画素データと、スキャナ部24から読み取られたラインL1 の読取データとの比較が行われる。システムコントロール回路12は2つの対応するデータの差分値が一定レベル以上であると判定すると、印刷が不適正であるとみなして、プリンタエンジン駆動回路22に指令信号を送り、印刷動作を停止させるとともに、表示装置28により警告表示を行って操作者に報知する。
【0044】
即ち、読取位置M2にラインL1 が位置するとき、印刷位置M1にはラインL1+d が位置しており、記録シートP1の搬送停止のタイミングでラインL1 の読取および誤差検出と、ラインL1+d のシアン成分の印刷とが同時に行われる。不適性印刷と判定されなければ、再び1ラインの搬送が行われ、次のラインについて同様の操作が行われる。以上のようにして記録シートP1上での全印刷データの印刷および誤差検出が完了すると、記録シートP1が手動引き出し可能な位置まで排出口45から排出される。
【0045】
図10および図11は、システムコントロール回路12における不適正印刷検出処理を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS102においてプリンタエンジン20によるラインL1 からの印刷が開始される。ステップS104において印刷画像のラインL1 がスキャナ部24の読取位置M2にまで移動したか否かが判定される。ラインL1 が読取位置M2に位置するまでステップS104が実行され続け、ラインL1 が読取位置M2に位置すると、ステップS106が実行される。
【0047】
ステップS106においてラインL1 の1ライン分だけが読取データとしてスキャナにより読み取られ、ステップS108において対応するライン、即ちラインL1 の画素データが画像メモリ18から読み込まれる。そしてステップS110において、前述したように対応する各画素においてRあるいはG、Bの成分値がそれぞれ比較される。即ち、各画素において、読取データのR成分値あるいはG、B成分値から画素データのR成分値あるいはG、B成分値を減算した差分値が求められる。
【0048】
ステップS112において各画素において差分値が所定レベル以下か否かがそれぞれ判定される。ラインL1 の何れかの画素において、R(あるいはG、B)成分の差分値が所定レベルを超えていると、誤差が発生したとしてステップS120が実行される。
【0049】
ステップS120において、誤差が発生した画素および成分、誤差の大きさ、比較しているライン(ラインL1 )における誤差の発生率が求められる。さらにステップS122において、ステップS120において求められた誤差の発生率が所定レベル以上であるか否かが判定される。所定レベル以上であればステップS124において誤差の発生している画素および成分と、誤差の大きさが表示装置28に表示され、ステップS118において印刷動作が停止され、処理が終了する。
【0050】
ステップS112において、ラインL1 の全画素においてR(またはG、B)成分の差分値がそれぞれ所定レベル以下であればステップS114が実行される。また、ステップS122においてラインL1 における誤差の発生率が所定レベル以下であると判定されると、ステップS114が実行される。ステップS114において全ライン、即ちラインLnまで誤差のチェックが終了したか否かが判定される。ステップS114においてラインL1 のチェックのみであるので、この場合ステップS116が実行される。ステップS116において記録シートP1が次のライン、即ちラインL2 が読取位置M2に位置するまで移送されたか否かが判定される。ステップS116はラインL2 が読取位置M2に位置するまで繰り返し実行される。
【0051】
ステップS116においてラインL2 が読取位置M2に位置すると判定されると、ステップS106からラインL2 について実行される。このように、印刷途中で誤差が所定レベル以上となって印刷停止が行われない限り、ステップS106からステップS114はn回実行される。全てのラインについてステップS106からステップS114が行わると、ステップS114からステップS118へ進み、印刷動作が停止されて、不適正印刷検出処理は終了する。
【0052】
このように、本実施形態のプリンタ装置によれば、排出口45より印刷ヘッド48側にスキャナ部24が設けられているので、インク切れ等のプリンタ装置10のエラーにより不適正な印刷が行われても、記録シートP1が排出されるより前に不適性が検出される。従って、プリンタ装置10の無駄な動作は少なくて済み、印刷に要する時間等が節約される。また連続印刷などにおいて、印刷の途中で不適正な印刷になったときにも、即座に印刷が停止でき、記録シートPの無駄がなくなる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば全画像の印刷が終了する前に不適正な印刷が検出でき、記録シートの無駄が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタ装置に入力される画像を示す図である。
【図2】図1に示す画像の画素データを2次元的に示す図である。
【図3】図1に示す画像の印刷データを2次元的に示す図である。
【図4】プリンタ装置によって印刷された記録シートを示す平面図である。
【図5】本発明によるプリンタ装置の実施形態を示すブロック図である。
【図6】図5に示すプリンタエンジンおよびスキャナの構成を示す斜視図である。
【図7】図6に示す印刷ヘッドを記録シートと共に示す側面図である。
【図8】図6に示すラインセンサのフィルムを記録シートと共に示す図である。
【図9】図6に示すラインセンサにより読取られた読取データを2次元的に示す図である。
【図10】図5に示すプリンタ装置における不適正印刷検出処理ルーチンの主要部分を示すフローチャートである。
【図11】図5に示すプリンタ装置における不適正印刷検出処理ルーチンの一部分を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 プリンタ装置
20 プリンタエンジン
24 スキャナ部
43 駆動ローラ
44a、44b、44c 従動ローラ
45 排出口
48 印刷ヘッド
50 ラインセンサ
52 光源
54 スキャナ光学系
P、P1 記録シート
Claims (7)
- 複数の画素を備えた画像の、各画素における電気的な情報である画素データを少なくとも一画像分格納する格納手段と、
前記格納手段から得られた画素データに基づいて、各画素における前記画素データを印刷データに変換するデータ変換手段と、
前記画像上に設定された第1の方向に沿って並んだ所定数の画素に相当する前記印刷データに基づいて、単位印刷データを生成する単位印刷データ生成手段と、
前記単位印刷データに基いて記録シートへ一方向に印刷する単位印刷を行う印刷手段と、
前記単位印刷完了後に前記単位印刷における印刷方向とは異なる方向に、所定量だけ前記記録シートを搬送する搬送手段と、
前記単位印刷された記録シート上の画像を読取って、前記第1の方向に沿って並んだ所定数の前記画素における電気的情報である読取データを生成する読取手段と、
前記読取データと、この読取データに対応する画素データとの差分値が所定レベル以上であるときに誤差が発生したと判断する検出手段と、
前記単位印刷データの生成と、前記単位印刷と、前記搬送と、前記単位読取データの生成と、前記誤差の検出とを繰り返し行うことにより全画像を印刷させる制御手段とを備え、
前記第1の方向に沿って並んだ画素の数に対して、前記誤差が所定値以上異なる画素の数の割合が所定値を超える場合、前記制御手段により前記印刷手段による印刷動作が停止させられることを特徴とするプリンタ装置。 - 印刷された記録シートが排出される排出口を備え、前記読取手段が前記印刷手段と前記排出口との間に設けられることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ装置。
- 前記誤差が所定レベル以上の場合、前記誤差とこの誤差が発生している画素の位置とを表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ装置。
- 前記読取手段がラインセンサを備えることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ装置。
- 前記格納手段により格納された画像および前記記録シートに印刷された画像がカラー画像であり、前記画素データおよび前記読取データが、R(赤)、G(緑)、B(青)の3つの色要素成分によりそれぞれ表されることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ装置。
- 前記印刷データが、Cy(シアン)、Mg(マゼンダ)、Ye(イエロー)、Bk(ブラック)の4つの色要素成分により表されることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ装置。
- 前記記録シートに印刷された画像がCy、Mg、Ye、Bkの4色のインクにより再現されたカラー画像であり、
前記印刷手段によって、前記第1の方向に並んだ所定数の画素分の各色インクによる単色印刷が重ねて行われることにより、この所定数の画素分の前記カラー画像が前記記録シート上に再現されることを特徴とする請求項6に記載のプリンタ装置。
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