以下、本発明の実施の形態に係る体感音響システムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る体感音響システム1の全体の構成を示す斜視図である。図1に示す如く本発明の実施の形態1に係る体感音響システム1は、本発明に係る読み出し装置たるDVD再生装置2と、本発明に係る映像表示装置たるプロジェクタ3と、椅子型体感音響装置4とを各々1つずつ設けた構成となっている。DVD再生装置2は、本発明に係る記録媒体たるDVD(Digital Versatile Disk)5に記録されている映像情報及び音響情報を当該DVD5から読み出し、 かかる映像情報及び音響情報を電気信号の映像信号6及び音響信号7へ夫々変換して出力するようになっている。更に詳しく説明すると、DVD再生装置2は、MPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)方式でエンコードされた映像情報をデコードし、コンポジット映像信号及びコンポーネント映像信号等の映像信号6へ変換して出力するすることが可能に構成されており、またドルビーデジタル方式等でエンコードされた音響情報をデコードし、アナログの音響信号7へ変換して出力することが可能に構成されている。かかる音響信号7は、電圧値によってかかる音響の音の大きさを表しており、周波数によって音の高低を表す交流信号である。更に、DVD再生装置2は、DVD5にリニアPCM方式の音響情報が記録されている場合には、かかる音響情報をDVD5から読み出して音響信号7として出力することも可能に構成されている。
このようなDVD再生装置2は、図1に示す如く、映像信号6をプロジェクタ3へ出力すべく、映像信号伝送用のケーブル2aにてプロジェクタ3に接続されている。このプロジェクタ3は、入力した映像信号6に基づいて、前方に配置されたスクリーン3aに映像を投影し、これによりDVD5に記録されている映像がスクリーン3aに表示されるように構成されている。
また、図1に示す如く、DVD再生装置2の音響信号出力端子(図示せず)は、音響信号伝送用のケーブル2bにて信号増幅装置4aに接続されており、DVD再生装置2から出力された音響信号7の電圧レベルがこの信号増幅装置4aによって増幅されるようになっている。信号増幅装置4aは着脱式となっており、椅子型体感音響装置4に取り付けられている。また、信号増幅装置4aからは音響信号伝送用のケーブル2cが延設されており、このケーブル2cは椅子型体感音響装置4に設けられた入力端子4cに着脱することが可能となっている。そして、ケーブル2cが入力端子4cに接続されているときには、信号増幅装置4aにて増幅された音響信号7が、椅子型体感音響装置4に与えられるようになっている。かかる構成により、DVD再生装置2から出力された音響信号7は、信号増幅装置4aによってその電圧レベルが増大されて椅子型体感音響装置4に与えられることとなる。椅子型体感音響装置4は、以下に詳しく説明するように、音響信号7に基づいて音響を出力するとともに、使用者の身体にこの音響に同調した刺激を与えるように構成されている。
図2及び図3は、本発明の実施の形態1に係る音響体感システムの信号増幅装置4aの他の構成例を夫々示す斜視図である。信号増幅装置4aは、前述の如き着脱式のものではなく、図2に示すように、スタンド4b上に設置するように構成してもよいし、図3に示すように、DVD再生装置2等の上に据え置くように構成してもよい。
図4は、本発明の実施の形態1に係る椅子型体感音響装置4の外観を示す斜視図である。図4に示す如く、本実施の形態に係る椅子型体感音響装置4は、椅子型をなしており、座部8,背凭れ部9,レッグレスト10,及びアームレスト11から主として構成されている。座部8は、その下部両側に夫々脚部8aを有する基台(図示せず)の上部に、上面が座面8bとして用いられるように略平坦に形成されたクッション部8cが配されて構成されている。クッション部8cは、ウレタンフォーム,スポンジ,又は発泡スチロール製の内装材(図示せず)が前記基台の上面に載置されており、更にこれをポリエステル製の起毛トリコット,合成皮革,又は天然皮革等からなる外装材(カバー)にて覆って構成されている。
座部8の上部前側(椅子型体感音響装置4に着座した使用者から見たときの前側をいう。また、以下において左とは椅子型体感音響装置4に着座した使用者から見たときの左をいい、右とは同使用者から見たときの右をいう。)には、使用者の足首及び脹脛に押圧刺激を与えるためのレッグレスト10の上端部が枢着されている。これにより、レッグレスト10は、その上端部を中心にして前後に回動可能とされている。
かかるレッグレスト10は、略チャネル状の2つの下腿支持部12が、チャネルの開口を前方へ向けて左右に並設されて構成されている。下腿支持部12の3つの内面、即ち対向する2つの内側面及び1つの内底面の夫々には、複数の空気袋12aが設けられており、これらの空気袋12aは、座部8又は背凭れ部9に内蔵されたポンプ及びバルブ等からなる給排気装置(図示せず)にエアホース(図示せず)によって接続されていて、該給排気装置からの給排気によって膨張又は収縮するように構成されている。このような構成により、下腿支持部12の溝部分で使用者の下腿を挟んだ状態で空気袋12aの膨張・収縮を繰り返すことで、使用者の下腿に圧迫刺激を与える足揉み動作を行うことができる。
同様の構成の複数の空気袋8dが、座部8の座面奥側に配されている。これらの空気袋8dもまた、エアホース(図示せず)を介して前記給排気装置に接続されており、給排気装置からの給排気によって膨張又は収縮するように構成されている。また、座部8の座面中央の奥側には、本発明に係る振動発生器を構成するバイブレータ8e(図6参照)が設けられている。該バイブレータ8eは、モータ(DCサーボモータ)8fの出力軸に偏心質量が取り付けられた構成のものであり、駆動されることによって微振動を発生することができる。このような構成により、使用者が座部8に着座した状態で空気袋8dの膨張・収縮を繰り返すことで、使用者の臀部に圧迫刺激を与える臀部揉み動作を行うことができ、同状態でバイブレータ8eを駆動することで、使用者の肛門部に振動刺激を与える肛門部バイブレーション動作を行うことができる。なお、バイブレータ8eの代わりに、座面中央の奥側にトランスデューサ等、他の振動発生器を設ける構成としてもよい。
更に座部8の後部には、背凭れ部9が設けられている。背凭れ部9は、使用者の上半身を支持すべく、一般的な体格の成人が椅子型体感音響装置4に着座した際に、該成人の身体の一部がその外部にはみ出ない程度の大きさとされており、前面視略長方形をなしている。背凭れ部9の下端部は、座部8の後部に横方向の枢軸によって枢支されており、この枢軸を中心に背凭れ部9が回動することにより、前後にリクライニングが可能とされている。また背凭れ部9の両側部には、座部8の基台に固定支持されたアームレスト11が夫々設けられている。このアームレスト11は、背凭れ部9の両側部から前方へ延びていて、使用者が椅子型体感音響装置4に着座したときに、肘置きとして用いることができるようになっている。
背凭れ部9の内部には、図5に示す如き刺激供給機構13が設けられている。図5は、本発明の実施の形態1に係る椅子型体感音響装置4が有する刺激供給機構13の構成を示す分解斜視図である。刺激供給機構13は使用者の身体に機械的刺激を与える4つのローラ状の揉み玉14を有している。また、この揉み玉14を変位駆動するDCサーボモータのモータ14a,14bが設けられている。揉み玉14は2つのV字状のアーム15の先端それぞれに取り付けられている。夫々のアーム15は、略V字状をなす2つのコンロッド16に所定の範囲内で回転可能であるように夫々取り付けられている。各コンロッド16には、嵌合孔16aが設けられており、この嵌合孔16aに回転軸17の両端に設けられた傾斜部17aが遊嵌されている。この傾斜部17aは、回転軸17の軸長方向に対して所定角度傾斜した状態で設けられたものである。回転軸17の中間部分には、ヘリカルギヤ18aが同軸的に設けられており、このヘリカルギヤ18aがウォーム18bと噛合している。このように、ヘリカルギヤ18aとウォーム18bとでウォームギヤ機構18が構成されている。
ウォーム18bの一端には、プーリ19aが同軸的に設けられており、ベルト19bによってこのプーリ19aとモータ14aの出力軸に設けられたプーリ19cとが連結されている。従って、モータ14aの回転運動はベルト19bを介してウォーム18bへ伝達され、ウォーム18bの回転によって回転軸17が回転する。そして、回転軸17の回転に伴い、傾斜部17aが円錐形の軌跡を描くように変位し、これによってコンロッド16が規則的に動作して、左右の揉み玉14が近接・離反するように左右及び上下方向へ略楕円を描くように移動する。これが揉み玉14の揉み動作となる。なお、揉み玉14の揉み動作には、左右の揉み玉14が近接するときに前方(使用者側)へ移動し、左右の揉み玉14が離反するときに後方へ移動する動作も含まれる。このように、揉み動作では、揉み玉14が3次元的に移動することとなる。
また、図5に示すように、コンロッド16の下部には嵌合穴20が設けられており、この嵌合穴20に連結部材21に設けられた突出部22が挿入されている。連結部材21には、横方向の孔23が設けられており、この孔23に、回転軸24の両端部に設けられた偏心部25が遊嵌している。また、回転軸24の中間部分にはプーリ26aが同軸的に設けられており、ベルト26bによってこのプーリ26aとモータ14bの出力軸に設けられたプーリ26cとが連結されている。従って、モータ14bの回転運動はベルト26bを介して回転軸24に伝達され、回転軸24の両端の偏心部25の公転によって連結部材21が略上下に移動する。この結果、コンロッド16が嵌合孔16aを中心に往復回動するので揉み玉14が円弧を描くように略上下に往復移動する。モータ14bを一定速度で回転させたときには、一定の周期で揉み玉14が往復移動することとなり、こが揉み玉14のたたき動作となる。また、モータ14bをその回転速度を変化させながら回転させたときには、変則的な周期で揉み玉14が往復移動することとなり、これが揉み玉14の指圧動作となる。
このように、モータ14aの駆動によって揉み玉14の揉み動作が、モータ14bの駆動によって揉み玉14のたたき動作及び指圧動作が行われ、モータ14a,14bを同時に駆動することにより、揉み動作及びたたき動作又は揉み動作及び指圧動作が合成されて行われることとなる。もちろん、各動作を独立に行うことも可能である。
このような刺激供給機構13は、図4に示すように昇降台28に取り付けられており、この昇降台28の両側端にはローラ28aが設けられている。該ローラ28aは、ガイドレール29に転動することが可能であるように支持されている。また昇降台28には図示しないナットが設けられており、このナットに前記ガイドレール29と平行に設けられたねじ棒30が螺合せしめられている。該ねじ棒30その上下端が枢支されており、またその下端が背凭れ部9の下部に設けられたモータ14c(図6参照)の出力軸に連結されている。従って、該モータ14cの駆動によってねじ棒30が回転したときには、ローラ28aがガイドレール29に係合していることによって、前記ナットを有する昇降台28がねじ棒30と一体的に回転することが規制され、前記ナットと前記ねじ棒30とが相対的に回転して、昇降台28及び刺激供給機構13が昇降することとなる。このような構成により、使用者が背凭れ部9に上半身を凭れかけた状態で刺激供給機構13を昇降させることで、使用者の背中を上下に揉み玉14が転動するローリング動作を行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態1に係る椅子型体感音響装置4においては、本発明に係る刺激部が、バイブレータ8eと、刺激供給機構13とを有する構成とされている。また、上述したように、椅子型体感音響装置4は、足揉み動作、臀部揉み動作、肛門部バイブレーション動作、揉み動作、たたき動作、指圧動作、及びローリング動作の各種のマッサージ動作を実行することが可能なマッサージ機として構成されている。
また、図4に示す如く、椅子型体感音響装置4の座部8には、音響信号によってモータ8f,14a,14bの回転を制御するための制御部33が設けられている。この制御部33により、入力された音響信号7に基づいて各モータの回転を制御し、その結果様々な種類の刺激を使用者の身体に与えることが可能となる。また、椅子型体感音響装置4には、制御部33の制御内容を設定するためのリモートコントローラ34が設けられており、該リモートコントローラ34が操作信号を伝送すべく制御部33に接続されている(図6参照)。また、リモートコントローラ34は、アームレスト11に設けられた支持台34aに着脱することが可能に構成されており、使用者は、支持台34aにリモートコントローラ34を装着した状態でリモートコントローラ34を操作することも可能であるし、リモートコントローラ34を前記支持台34aから取り外し、手にとって操作することも可能である。
更に、背凭れ部9には、着脱式のヘッドレスト31が取り付けられている。かかるヘッドレスト31には、本発明の音響出力部を構成するスピーカ31aが内蔵されている。ヘッドレスト31は、その左右方向中央部分にて、使用者の頭部を支持すべく構成されており、この中央部分の両側に前記スピーカ31aが設けられている。このスピーカ31aは、前述した制御部33に接続されており、制御部33から与えられた音響信号によって音響を可聴音として出力することができるようになっている。また、椅子型体感音響装置4には、制御部33に接続されたヘッドフォン接続端子32a(図6参照)が設けられており、かかる端子にヘッドフォン32を接続することによっても、使用者が音響を鑑賞することができる。この場合には、ヘッドフォン32が本発明の音響出力部を構成することとなる。なお、スピーカ31aは、ヘッドレスト31ではなく、背凭れ部9に内蔵する構成であってもよく、スピーカ31aを設けず、ヘッドフォン32によってのみ音響を鑑賞することが可能な構成としてもよい。
図6は、本発明の実施の形態1に係る体感音響システム1の構成の一部を示すブロック図である。図6に示す如く、制御部33によって3つのモータ8f,14a,14bの動作が制御されるようになっている。また、昇降台28を往復動させるためのモータ14cは音響信号7には依らずに一定ピッチで正回転又は逆回転するように構成されている。もちろん、昇降台28の昇降用のモータ14cも音響信号に同調して動作すべく、その動作を制御するように構成してもよい。
制御部33は、音響信号7の波形を変換し、制御信号7a〜7cとして出力する波形変換部35、及び、出力された制御信号7a〜7cを夫々増幅する増幅器38を有している。波形変換部35は音響信号7の周波数域を選択して透過する複数のフィルタ36a,36b,36cを備えた特定周波数帯信号選択回路36と、フィルタ36a,36b,36cからの出力信号の波形を変換する波形変換回路37a,37b,37cとを備えている。波形変換回路37a〜37cは、その出力先が夫々別個の増幅器38に接続されており、また各増幅器38は、3つのモータ8f,14a,14bの夫々に接続されている。かかる構成とすることにより、モータ8f,14a,14b毎に独自に動作制御することのできる制御回路が配設されていることになる。もちろん、波形変換部35のうち、特定周波数帯信号選択回路36のみを共用することもでき、これにより制御部33の構成が簡素化される。
本実施の形態1では、上記フィルタとして、音響信号7の所定の周波数より高い周波数成分のみを透過するハイパスフィルタ36aと、所定の周波数より低い周波数成分のみを透過するローパスフィルタ36bと、特定周波数帯の成分のみを透過するバンドパスフィルタ36cとを備えている。また、上記波形変換回路37a〜37cは、微分回路、積分回路、整流平滑回路を夫々備えている。この整流平滑回路は、例えば図7に示す如き半波整流平滑回路39a、又は、図8に示す如き全波整流平滑回路39bとされる。図7および図8において(a)は音響信号7の波形を示し、(b)は上記回路を示し、(c)は整流平滑回路からの出力信号を示している。図中、符号Dはダイオードであり、符号Cはコンデンサであり、符号Rは抵抗である。
なお、かかる特定周波数帯信号選択回路36及び波形変換回路37a〜37cは、公知のFET(電界効果トランジスタ)等の電力制御手段を用いて構成してもよい。
また、椅子型体感音響装置4は、上記波形変換部35による音響信号の処理の設定を行う制御回路40を有している。該制御回路40は、CPU、メモリ及び入出力インタフェース等から構成されており、特定周波数帯信号選択回路36は、制御回路40から出力された信号によって、フィルタ36a,36b,36cの出力先を変更することが可能であるように構成されている。具体的には、フィルタ36aの出力先を波形変換回路37aとし、フィルタ36bの出力先を波形変換回路37cとし、フィルタ36cの出力先を波形変換回路37bとするといったように、各フィルタ36a〜36cの出力先を設定することが可能である。また、波形変換回路37a〜37cは、制御回路40からの信号によって、フィルタ36a〜36cからの入力信号を処理する回路の選択をすることができるように構成されている。具体的には、波形変換回路37aでは、該波形変換回路37aが有する微分回路、積分回路及び整流平滑回路のうちから、整流平滑回路のみを選択し、波形変換回路37bでは、整流平滑回路及び微分回路を選択し、波形変換回路37cでは、積分回路のみを選択するといったように、各波形変換回路37a〜37cの夫々において、信号処理に供する回路を選択設定することが可能である。上記のように回路が選択された場合、波形変換回路37aでは、フィルタ36aからの入力信号が整流平滑回路によって変換されて増幅器38へ出力され、波形変換回路37bでは、フィルタ36cからの入力信号が整流平滑回路及び微分回路によって変換されて増幅器38へ出力され、波形変換回路37cでは、フィルタ36bからの入力信号が積分回路によって変換されて増幅器38へ出力されることとなる。
このように、制御回路40は、上記特定周波数帯信号選択回路36におけるフィルタ36a,36b,36cの出力先を夫々設定し、また波形変換回路37a〜37cにおける回路の選択、組合せを設定することが可能とされている。かかる構成とすることにより、例えば揉み動作を音響の高音部分に同調させ、たたき動作(又は指圧動作)を音響の低音部分に同調させ、また肛門部バイブレーション動作を音響の中音部分に同調させることができるとともに、選択されたフィルタによって抽出された音響信号を整流平滑回路によって処理した場合には、モータを駆動するに十分な電力を有する出力信号を形成することができ、また微分回路によって処理した場合には、モータの動作にメリハリを付けることができ、更に積分回路によって処理した場合には、モータの動作に緩やかさを付けることが可能となる。
このような特定周波数帯信号選択回路36におけるフィルタ36a,36b,36cの出力先及び波形変換回路37a〜37cにおける回路の選択の数種類の組み合わせは、動作モードとして予め制御回路40に設定されており、使用者がリモートコントローラ34を操作することによって、所望の動作モードを選択することができるようになっている。更に具体的に説明すると、フィルタ36a,36b,36cの出力先及び波形変換回路37a〜37cにおける回路の選択の数種類の組み合わせデータが、リモートコントローラ34の操作に対応付けられて、制御回路40内のルックアップテーブルに格納されている。リモートコントローラ34の表示部(図示せず)には、動作モードのメニューが表示され、使用者がかかるメニューに従い、リモートコントローラ34を使用して所望の動作モードを指示する操作を行った場合には、この操作に対応する組み合わせデータが前記ルックアップテーブルから読み出されて、かかる組み合わせデータに対応する信号が波形変換部35へ出力される。これにより、当該組み合わせデータに応じたフィルタ36a,36b,36cの出力先及び波形変換回路37a〜37cの回路選択の組み合わせで、波形変換部35の設定が行われることとなる。かかる構成とすることにより、使用者は所望の動作モードを指定することによって、自分の好みにあった刺激を受けることができ、一つの動作モードによる刺激に飽きた場合等には、他の動作モードを指定することによって、動作モードの変更が行われ、多様な刺激を受けることができる。
また、制御部33に入力された音響信号7は、特定周波数帯信号選択回路36に与えられるとともに、制御部33からスピーカ31aに出力されるようになっている。また、ヘッドフォン32がヘッドフォン接続端子32aに接続されているときには、制御部33から前記音響信号7がヘッドフォン32に出力されるようになっている。これにより、スピーカ31a及び/又はヘッドフォン32は、前記音響信号7に基づいて当該音響を可聴音として出力し、使用者が音響を鑑賞することができる。
また、DVD再生装置2から出力された映像信号6は、前述したようにプロジェクタ3に与えられ、このプロジェクタ3が当該映像をスクリーン3a(図1参照)に投影する。これにより、使用者は映像を鑑賞することができる。
以上の如き構成により、DVD再生装置2がDVD5の映像及び音響を再生したときには、スクリーン3aによって映像が表示され、また椅子型体感音響装置4のスピーカ31aから音響が出力されるとともに、使用者から指定された動作モードを制御部33が実行し、かかる動作モードに応じてモータ8f,14a,14bが夫々動作して、音響に同調した刺激を使用者の身体に与えることとなる。また、このとき、空気袋8d,12aが夫々膨張・収縮を所定の周期で繰り返すように給気又は排気が行われ、使用者の下腿及び臀部に圧迫刺激を与えることができるようになっている。
以上の椅子型体感音響装置4によれば、制御部33によって、一つの音響信号から、各モータ8f,14a,14bを、当該音響に同調した動作パターンであって、夫々相違する動作パターンで各モータを動作制御することができ、この結果、前記音響に同調した刺激であって、身体部位ごとに相違する刺激を使用者の身体に与えることができる。例えば、当該音響がジャズ等の音楽であった場合には、音響信号のうち、モータ14aにドラムやベースのような低音域の音響部分に同調した制御信号7aを与え、モータ14bにはボーカル、ピアノ、ギターといった中音域の音響部分に同調した制御信号7bを与え、モータ8fにはシンバルのような高音域の音響部分に同調した制御信号7cを与えるといったように、身体部位によって異なる刺激を与えることができる。
また、映像を表示し、音響を可聴音として出力することによって、使用者が映像及び音響を鑑賞することができ、これとともに、音響に同調した刺激を使用者の身体に与えることにより、単に音響を鑑賞し、又はこれとともに音響に同調した刺激を身体に与える場合に比べて、使用者は、より一層高い臨場感、リラックス効果を得ることができる。
また、一般的にDVD5に記録されている映像と音響とは通常互いに同調したものとなっており、音響に同調した刺激を使用者の身体に与えることによって、多くの場合は映像に同調した刺激を使用者の身体に与えることとなる。よって、このような場合には、使用者に更に高い臨場感及びリラックス効果を与えることができる。
また、DVD再生装置2によって映画の映像及び音響を再生した場合には、使用者は映画を鑑賞することができるとともに、当該音響に同調した刺激を受けるため、単に映画を鑑賞している場合に比べて、映像及び音響から使用者が受ける迫力が増し、使用者により一層高い臨場感を与えることができる。
また、揉み又はたたきといった振動とは異なる刺激を使用者の身体に与えることにより、使用者が感じる刺激が単調なものとならず、使用者が刺激に飽きることがなく、また多くのバリエーションの刺激を使用者に与えることができる。
また、揉み又はたたきといった刺激を与えることによって、使用者に高い臨場感及びリラックス効果を与えるだけでなく、血行促進及び疲労回復等の効果も奏することができる。
更に、揉み又はたたきと同時に、空気袋8d,12aによる圧迫刺激を使用者の臀部及び下腿に与えることにより、使用者の全身の血行を促進し、より一層疲労回復の効果を向上させ、またリラックス効果も向上させることできる。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2に係る体感音響システム41の構成の一部を示すブロック図である。本実施の形態2に係る体感音響システム41は、図9に示す如き構成の椅子型体感音響装置42を備えている。
この椅子型体感音響装置42は、波形変換部35と、増幅器38と、制御回路40とを具備する制御部43を備えている。更に、該制御部43は、波形変換部35が有する各波形変換回路37a〜37cと各増幅器38との間の夫々に、本発明に係るゲイン変更部を構成するゲイン調整回路44と、バイアス回路45とを、制御信号出力方向上流側から下流側へ向けてこの順で備えている。ゲイン調整回路44は、各波形変換回路37a〜37cから夫々出力された制御信号7a〜7cの振幅を夫々増減するための回路から構成されている。バイアス回路45は、ゲイン調整回路44から出力された制御信号7a〜7cの振幅に対して一定値の信号または規則的に値が変動する信号を付加したり削除したりする回路から構成されている。一方、規則的に値が変動する信号を付加、削除すれば音楽的なリズムの変動にうねり成分を付加することができる。
図6の制御部33では、音響信号7が存在しなければモータ8f,14a,14bが停止して揉み動作、たたき動作(又は指圧動作)、及び肛門部バイブレーション動作の各動作は行われないが、図9の制御部43では音響信号7が無くてもバイアス回路45によって例えば入力信号に一定値の信号を付加した場合には、常にモータ8f,14a,14bを駆動して前記各動作を行わせることが可能である。
また、本実施の形態2においては、リモートコントローラ34が本発明に係る指示受付部として構成されており、3つのゲイン調整回路44のゲインは、使用者がリモートコントローラ34を操作することによって夫々独立して指示することができるようになっており、この指示信号は制御回路40に与えられて、指示されたゲインで各ゲイン調整回路44が設定されるようになっている。つまり、3つのゲイン調整回路44は、夫々相異なるゲインに設定することが可能である。
例えば、揉み動作による刺激が使用者にとって強すぎる場合、使用者はリモートコントローラ34を操作して、モータ14aに繋がっているゲイン調整回路44のゲインを減少させるように指示することができる。この場合には、制御回路40にこの指示信号が与えられ、制御回路40が当該ゲイン調整回路44のゲインを指示信号に従って変更する。これにより、ゲイン調整回路44から出力される制御信号7aの振幅が調整前のそれに比べて減少し、揉み動作による刺激の強さが低下する。このように、ゲイン調整回路44のゲインを調整することによって、揉み動作、たたき動作(又は指圧動作)、及び肛門部バイブレーション動作の夫々の刺激の強さを調整することができる。
本実施の形態2に係る体感音響システム41のその他の構成及び作用効果は、実施の形態1に係る体感音響システム1の構成及び作用効果と同様であるので、同一の構成要素については同符号を付し、同様の構成及び作用効果についての説明を省略する。
なお、実施の形態1及び2においては、信号増幅装置4aを、DVD再生装置2及び椅子型体感音響装置4とは別個に設けた構成について述べたが、DVD再生装置2又は椅子型体感音響装置4に信号増幅装置を一体化した構成としてもよい。
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3に係る椅子型体感音響装置46の外観を示す斜視図である。図10に示す如く、本実施の形態3に係る椅子型体感音響装置46は、実施の形態1に係る椅子型体感音響装置4と同様の構成の装置本体46aと、該装置本体46aの側方に設けられた料金徴収機46bとを備えている。該料金徴収機46bは、本発明の料金受付部を構成しており、装置本体46aと一体的に構成されている。料金徴収機46bには、貨幣投入口47が設けられており、使用者が貨幣48を投入することが可能とされている。また、料金徴収機46bは、公知の投入金額検出器49(図11参照)を内蔵しており、これによって、使用者から投入された金額を検出することができるようになっている。
図11は、本発明の実施の形態3に係る体感音響システム50の構成の一部を示すブロック図である。図11に示す如く、投入金額検出器49は、制御回路40に信号を送信することが可能であるように接続されており、使用者が料金を投入したときに、この金額を検出し、この金額を表す金額信号を制御回路40に送信するようになっている。また、当該信号を受信したときには、制御回路40内のメモリに格納されたプログラムによって、制御回路40が後述するような処理を行うようになっている。
また、図11に示す如く、入力端子4cの後段、即ち音響信号送信方向下流側の部分には、スイッチ51が設けられており、制御回路40は、該スイッチ51のオン/オフを切り替えることができるようになっている。更に、制御回路40は、図示しない電源から、装置本体46aの各部への電力供給を遮断して装置本体46aを停止させた状態と、前記電源から装置本体46aの各部への電力供給を開始(再開)し、装置本体46aを動作させた状態とを切り替えることも可能となっている。
また、本実施の形態3に係る制御部54は、実施の形態1に係る制御部33の構成要素に加えて、背凭れ部9のリクライニング用のモータ52の駆動用の駆動回路53が設けられており、この駆動回路53が、制御回路40からの制御信号を受け、該制御信号に従ってモータ52を駆動するようになっている。具体的には、使用者は、リモートコントローラ34を操作することにより、背凭れ部9のリクライニング角度の調整を指示することができるようになっており、制御回路40は、この指示を受けたときに、この指示に応じた制御信号を生成して駆動回路53に与え、この結果モータ52を指示に従った回転方向で動作させることができるようになっている。
更に、制御部54には、音声合成回路55が設けられている。この音声合成回路55は、制御回路40から与えられた制御信号に応じて、音声合成処理を行って合成音声を生成し、この合成音声をスピーカ31aから出力させるように構成されている。
図12は、本発明の実施の形態3に係る椅子型体感音響装置4の制御回路40の処理手順を示すフローチャートである。まず、使用者が料金徴収機46bに貨幣48を投入する前は、装置本体46aは停止しており、またスイッチ51もオフ状態とされていて、スピーカ31aから音響が出力されておらず、また揉み動作、たたき動作(又は指圧動作)、肛門部バイブレーション動作等の各動作が停止した状態となっている。
使用者が貨幣48を料金徴収機46bに投入したとき、この金額に応じた金額信号が料金徴収機46bから送信され、この信号を制御回路40が受信する(ステップS1)。制御回路40は、この金額に応じた動作時間を演算する(ステップS2)。この処理は、制御回路40のメモリに、金額に応じた動作時間を算出するためのプログラム、又は金額と動作時間との対応関係を表すルックアップテーブル等を予め格納しておき、このようなプログラム又はルックアップテーブルを使用することによって容易に実現することが可能である。
次に、制御回路40は、計時を開始する(ステップS3)。ステップS3では、料金徴収機46bが料金を受け付けたとき、即ち金額信号を制御回路40が受信したときに、計時を開始するように構成してもよいし、使用者が貨幣48を料金徴収機46bに投入した後に、例えばリモートコントローラ34の所定の操作キーを押下することにより、動作開始の指示をしたときに、計時を開始するように構成してもよい。
次に、制御回路40は、スイッチ51をオンに切り替え、また前記電源から装置本体46aの各部への電力供給を開始(再開)して、装置本体46aの動作開始させる(ステップS4)。このとき、音響信号7が制御部33に与えられ、前述した如き音響に同調した揉み動作、たたき動作(又は指圧動作)、及び肛門部バイブレーション動作が開始される。また、これらの動作と同時に、足揉み動作、臀部揉み動作、及びローリング動作の一又は複数が開始される場合もある。
使用者がリクライニング角度の調整を行う場合、使用者がリモートコントローラ34を操作した結果、制御回路40がリクライニング角度調整の指示信号を受け(ステップS5でYES)、当該指示信号に従った制御信号を駆動回路53へ送信して、背凭れ部9のリクライニング角度の調整を行い(ステップS6)、ステップS7へ処理を移す。また、制御回路40は、リクライニング角度の調整を行わない場合にも(ステップS5でNO)、ステップS7へ処理を移す。
次に、計時開始から動作時間が経過したか否かを判別する(ステップS7)。ステップS7において、計時開始から動作時間が経過していない場合には(ステップS7でNO)、ステップS7の処理を繰り返す。またステップS7において、計時開始から動作時間が経過した場合には(ステップS7でYES)、動作を継続する場合には料金の追加が必要であり、料金の追加がないときには動作を停止する旨の合成音声(終了予告メッセージ)を生成させるべく、音声合成回路55へ制御信号を送信する(ステップS8)。これにより、スピーカ31aから当該合成音声(終了予告メッセージ)が出力され、使用者に動作停止前であることが通知される。
なお、合成音声の出力により、使用者へかかる通知を行う構成ではなく、例えばリモートコントローラ34に設けられた液晶パネル又はスクリーン3aに、この通知内容を示す画面を表示させることによって、かかる通知を行ってもよいし、画面表示及び音声出力の両方にて、かかる通知を行ってもよい。
使用者が追加の貨幣48を料金徴収機46bに投入したとき、この金額に応じた金額信号が料金徴収機46bから送信され、この信号を制御回路40が受信する(ステップS9でYES)。この場合には、制御回路40は、動作時間を再演算し(ステップS10)、ステップS7へ処理を移す。
また、使用者が追加の貨幣48を料金徴収機46bに投入しないとき(ステップS9でNO)、制御回路40は、動作を停止する旨の合成音声(終了メッセージ)を生成させるべく、音声合成回路55へ制御信号を送信する(ステップS11)。これにより、スピーカ31aから当該合成音声(終了メッセージ)が出力され、使用者に動作の停止が通知される。
そして、制御回路40は、スイッチ51をオフに切り替え(ステップS12)、揉み動作、たたき動作、及び肛門部バイブレーション動作を停止する。また、このとき足揉み動作、臀部揉み動作、及びローリング動作の一又は複数が実行されている場合には、これらの動作も同時に停止される。
次に制御回路40は、背凭れ部9を前方へ回動させるための制御信号を駆動回路53へ送信して、モータ52の動作制御を行う(ステップS13)。これにより、背凭れ部9が前方へ起きあがり、使用者の離席が促される。そして、制御回路40は、装置本体46aの各部への電力供給を遮断し、装置本体46aの動作を停止させて(ステップS14)、処理を終了する。
以上の如き構成とすることにより、料金に応じた動作時間だけ、使用者が体感音響システム50を使用することができる。
なお、本実施の形態3に係る体感音響システム50のその他の構成及び作用効果は、実施の形態1に係る体感音響システム1の構成及び作用効果と同様であるので、同一の構成要素については同符号を付し、同様の構成及び作用効果についての説明を省略する。
また、椅子型体感音響装置46の装置本体46aを、実施の形態1に係る椅子型体感音響装置4と同様の構成としたが、実施の形態2に係る椅子型体感音響装置42と同様の構成としてもよい。
また、本発明の料金受付部を、貨幣48を投入することができる料金徴収機46bとして構成した場合について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば、貨幣の他、又は貨幣に代えて紙幣を投入することができ、投入した紙幣の金額を検出することができるように構成してもよいし、プリペイドカードに読み書きすることが可能であり、このプリペイドカードによって料金を支払うことができるように構成してもよい。
(実施の形態4)
図13は、本発明の実施の形態4に係る体感音響システム56の全体の構成を示す斜視図である。本実施の形態4に係る体感音響システム56は、1つのDVD再生装置2と、1つのプロジェクタ3と、複数(例えば3つ)の椅子型体感音響装置4とから主として構成されている。図13に示す如く、DVD再生装置2の映像信号出力端子(図示せず)は、映像信号伝送用の図示しないケーブルによってプロジェクタ3に接続されており、またDVD再生装置2の音響信号出力端子は、音響信号伝送用のケーブル2bにて信号増幅装置57に接続されている。この信号増幅装置57は、DVD再生装置2から出力された音響信号7の電圧レベルを増幅するようになっている。また、信号増幅装置57からは複数の音響信号伝送用のケーブル2cが延設されており、これらのケーブル2cが夫々の椅子型体感音響装置4に設けられた入力端子4cに接続されている。信号増幅装置57は、3つの音響信号用の出力端子57aから夫々同時に増幅した音響信号7を出力することができるようになっている。
ケーブル2cの両端部は出力端子57a及び入力端子4cに夫々着脱することが可能に構成されており、ケーブル2cの両端が夫々出力端子57a及び入力端子4cに接続されているときには、信号増幅装置57にて増幅された音響信号7が、椅子型体感音響装置4に与えられる。かかる構成により、DVD再生装置2から出力された音響信号7は、信号増幅装置57によってその電圧レベルが増大されて各椅子型体感音響装置4に同時に与えられることとなる。
このような構成により、1つのDVD再生装置2と、1組のプロジェクタ3及びスクリーン3aと、1つの信号増幅装置57と、複数の椅子型体感音響装置4とによって、リラクゼーションルーム58が構成されている。ここで、リラクゼーションルームとは、複数の使用者に、リラックス、ストレス緩和、疲労回復等の効果を与えることを目的として設けられた設備及び空間のことをいう。
図14は、本発明の実施の形態4に係る体感音響システム56の構成の一部を示すブロック図である。図14に示す如く、信号増幅装置57は、DVD再生装置2から出力された音響信号7を増幅器59によって増幅し、増幅した音響信号7を3つの出力端子57aから各別に出力するように構成されている。なお、増幅器59のゲイン(増幅率)は、一定であってもよいし、調整することが可能な構成とされていてもよい。
本実施の形態4に係る体感音響システム56のその他の構成及び作用効果は、実施の形態1に係る体感音響システム1の構成及び作用効果と同様であるので、同一の構成要素については同符号を付し、同様の構成及び作用効果についての説明を省略する。
また、信号増幅装置57の音響信号7の出力端子57aに、実施の形態1で説明した構成の椅子型体感音響装置4を接続することが可能である他、実施の形態2で説明した構成の椅子型体感音響装置42を接続することも可能であるし、実施の形態3で説明した構成の椅子型体感音響装置46を接続することも可能である。
また、大型の映像表示装置であるプロジェクタ3及びスクリーン3aにより映像を表示する構成としたので、複数の使用者が同時に映像を鑑賞するために十分な画面の大きさを確保することができる。
(実施の形態5)
図15は、本発明の実施の形態5に係る体感音響システム60の全体の構成を示す斜視図である。本例に係る体感音響システム60は、1つのDVD再生装置2と、1つのプロジェクタ3と、複数(例えば3つ)の椅子型体感音響装置61とから主として構成されている。図15に示す如く、DVD再生装置2の映像信号出力端子(図示せず)は、映像信号伝送用の図示しないケーブルによってプロジェクタ3に接続されており、またDVD再生装置2の音響信号出力端子(図示せず)は、音響信号伝送用のケーブル2bにて信号増幅装置62に接続されている。この信号増幅装置62は、DVD再生装置2から出力された音響信号7の電圧レベルを増幅するようになっている。また、信号増幅装置62からは複数の音響信号伝送用のケーブル2cが延設されており、これらのケーブル2cが夫々の椅子型体感音響装置61に設けられた入力端子4cに接続されている。信号増幅装置57は、3つの音響信号用の出力端子62a(図16参照)から夫々同時に増幅した音響信号7を出力することができるようになっている。
ケーブル2cの両端部は出力端子62a及び入力端子4cに夫々着脱することが可能に構成されており、ケーブル2cの両端が夫々出力端子62a及び入力端子4cに接続されているときには、信号増幅装置62にて増幅された音響信号7が、椅子型体感音響装置61に与えられる。かかる構成により、DVD再生装置2から出力された音響信号7は、信号増幅装置62によってその電圧レベルが増大されて各椅子型体感音響装置61に同時に与えられることとなる。椅子型体感音響装置61は、実施の形態1に係る椅子型体感音響装置4からスピーカ31aを取り除き、その他の構成を同様としたものである。
また、信号増幅装置62には、更に1つの音響信号用の出力端子62b(図16参照)が設けられており、この出力端子62bからも、増幅した音響信号7を、他の出力端子62aと同時に出力することができるようになっている。この出力端子62bには、音響信号伝送用のケーブル62cの一端が接続されており、当該ケーブル62cの他端が、スクリーン3aの両脇に配置されたスピーカ63に接続されていて、音響を可聴音としてスピーカ63から出力することができるようになっている。
このような構成により、1つのDVD再生装置2と、1組のプロジェクタ3及びスクリーン3aと、1つの信号増幅装置62と、複数の椅子型体感音響装置61と、一対のスピーカ63によって、リラクゼーションルーム64が構成されている。
図16は、本発明の実施の形態5に係る体感音響システム60の構成の一部を示すブロック図である。図16に示す如く、信号増幅装置62は、DVD再生装置2から出力された音響信号7を増幅器65によって増幅し、増幅した音響信号7を出力端子62a,62bから各別に出力するように構成されている。なお、増幅器65のゲイン(増幅率)は、一定であってもよいし、調整することが可能な構成とされていてもよい。
本実施の形態5に係る体感音響システム60のその他の構成及び作用効果は、実施の形態1に係る体感音響システム1の構成及び作用効果と同様であるので、同一の構成要素については同符号を付し、同様の構成及び作用効果についての説明を省略する。
また、信号増幅装置62の音響信号7の出力端子62aに、実施の形態1の椅子型体感音響装置4からスピーカ31aを取り除いた構成の椅子型体感音響装置61を接続することが可能である他、実施の形態1〜3で夫々説明した構成の椅子型体感音響装置4,41,46を接続することも可能であるし、実施の形態2,3の椅子型体感音響装置42,46からスピーカ31aを取り除いた構成の椅子型体感音響装置を接続することも可能である。
また、大型の映像表示装置であるプロジェクタ3及びスクリーン3aにより映像を表示する構成としたので、複数の使用者が同時に映像を鑑賞するために十分な画面の大きさを確保することができる。
(実施の形態6)
図17は、本発明の実施の形態6に係る体感音響システム66の全体の構成を示す斜視図である。本例に係る体感音響システム66は、DVD再生部67a(図18参照)及びスピーカ67bが内蔵された1つの複合型プラズマディスプレイパネル装置67と、複数(例えば3つ)の椅子型体感音響装置61とから主として構成されている。図17に示す如く、複合型プラズマディスプレイパネル装置67には、音響信号出力用の出力端子67cが設けられており、かかる出力端子67cには、音響信号伝送用のケーブル2bの一端が接続されている。また、ケーブル2bの他端は、信号増幅装置57に接続されている。かかる信号増幅装置57の構成は、実施の形態4にて説明した信号増幅装置57の構成と同様であるので、説明を省略する。
また、信号増幅装置57の夫々の出力端子57a(図18参照)には、夫々音響信号伝送用のケーブル2cの一端が接続されており、これらのケーブル2cが夫々の椅子型体感音響装置61に設けられた入力端子4cに接続されている。かかる椅子型体感音響装置61の構成は、実施の形態5にて説明した椅子型体感音響装置61の構成と同様であるので、説明を省略する。
このような構成により、1つの複合型プラズマディスプレイパネル装置67と、1つの信号増幅装置57と、複数の椅子型体感音響装置61とによって、リラクゼーションルーム69が構成されている。
図18は、本発明の実施の形態6に係る体感音響システム66の構成の一部を示すブロック図である。図18に示す如く、複合型プラズマディスプレイパネル装置67には、DVD再生部67aと、スピーカ67bと、プラズマディスプレイパネル部67dとを有している。DVD再生部67aは、実施の形態1に係るDVD再生装置2と同様の構成であり、本発明に係る記録媒体たるDVD(図示せず)に記録されている映像情報及び音響情報を当該DVDから読み出し、 かかる映像情報及び音響情報を電気信号の映像信号6及び音響信号7へ夫々変換して出力するようになっている。
また、複合型プラズマディスプレイパネル装置67は、信号増幅回路67eを内蔵しており、DVD再生装置2から出力された音響信号7は、信号増幅回路67eへ与えられて増幅され、更にスピーカ67bへ出力されるようになっている。これにより、DVDから音響情報が読み出された場合には、スピーカ67bから音響が可聴音として出力される。
プラズマディスプレイパネル部(プラズマディスプレイパネル装置)67dは、プラズマディスプレイパネルとその駆動回路を有しており、DVD再生部67aから映像信号6が与えられ、当該映像を表示するように構成されている。また、DVD再生部67aから出力された音響信号7は、信号増幅回路67eに与えられるとともに、出力端子67cから外部へ出力されるように構成されており、該出力端子67cから出力された音響信号7は、信号増幅装置57に与えられるようになっている。
本実施の形態6に係る体感音響システム66のその他の構成及び作用効果は、実施の形態1に係る体感音響システム1の構成及び作用効果と同様であるので、同一の構成要素については同符号を付し、同様の構成及び作用効果についての説明を省略する。
また、信号増幅装置57の音響信号7の出力端子57aに、実施の形態1の椅子型体感音響装置4からスピーカ31aを取り除いた構成の椅子型体感音響装置61を接続することが可能である他、実施の形態1〜3で夫々説明した構成の椅子型体感音響装置4,41,46を接続することも可能であるし、実施の形態2,3の椅子型体感音響装置42,46からスピーカ31aを取り除いた構成の椅子型体感音響装置を接続することも可能である。
また、大型の映像表示装置であるプラズマディスプレイパネル部(プラズマディスプレイパネル装置)により映像を表示する構成としたので、複数の使用者が同時に映像を鑑賞するために十分な画面の大きさを確保することができる。
また、DVD再生部67aと、スピーカ67bと、プラズマディスプレイパネル部67dとを複合型プラズマディスプレイパネル装置67として一体的に構成するだけでなく、DVD再生装置、スピーカ、及びプラズマディスプレイパネル装置を別個に設け、DVD再生装置から出力する音響信号をスピーカに与え、DVD再生装置から出力する映像信号をプラズマディスプレイパネル装置に与えるように構成してもよい。
(実施の形態7)
図19は、本発明の実施の形態7に係る体感音響システム70の構成の一部を示す側面図であり、図20は、そのブロック図である。図19に示す如く、本実施の形態7に係る体感音響システム70は、本発明の映像表示装置たるプラズマディスプレイパネル装置71と、椅子型体感音響装置72とを備えている。プラズマディスプレイパネル装置71は、3つのプラズマディスプレイパネル71a〜71cを上下方向へ並設した構成となっており、下段のプラズマディスプレイパネル71aは、その表示面が鉛直に設けられ、中段のプラズマディスプレイパネル71bは、その表示面が鉛直面より所定角度下方へ向くように傾斜されており、上段のプラズマディスプレイパネル71cは、その表示面が中段のプラズマディスプレイパネル71bより更に下方へ向くように傾斜されている。
また、図20に示す如く、椅子型体感音響装置72は、背凭れ部9のリクライニング用のモータ52と、モータ52の駆動用の駆動回路53と、背凭れ部9のリクライニング角度検出量の角度センサ73とを有している。モータ52及び駆動回路53の構成は、実施の形態3で説明したモータ52及び駆動回路53の構成と同様であるので、説明を省略する。
実施の形態3での説明と同様に、使用者がリモートコントローラ34に対してリクライニング角度を変更する操作を行った場合には、制御回路40がこの信号を受けて、駆動回路53へ制御信号を送信し、これによって駆動回路53がモータ52を駆動して、背凭れ部9のリクライニング角度が変更されるようになっている。
角度センサ73は、制御回路40に信号線にて接続されており、検出したリクライニング角度を表す角度信号を、制御回路40へ送信するようになっている。制御回路40は、角度センサ73から角度信号を受信し、このリクライニング角度を所定の閾値と比較して、背凭れ部9の傾倒角度が所定の3段階の角度の何れかにあるかを判断する。具体的に説明すると、図19で実線で示した、背凭れ部9が最も起こされた角度Aと、図19で二点鎖線で示した、背凭れ部9が最も寝かされた角度Cと、その中間の角度Bとの3つの角度を予め定めておき、背凭れ部9のリクライニング角度が角度A〜Cの何れにあるかを判断する。なお、説明を簡単にするために、3つの角度A〜Cとして説明したが、実際は背凭れ部9のリクライニング角度が、所定の3つの角度範囲の何れに属するかを判断するようになっている。
また、図20に示す如く、プラズマディスプレイパネル装置71は、CPU、メモリ、入出力インタフェース等を備えた制御回路74と、各プラズマディスプレイパネル71a〜71cを駆動する駆動回路75とを有している。制御回路74は、信号線によって椅子型体感音響装置72の制御回路40に接続されており、互いにデータ通信が可能とされている。また、制御回路74は、駆動回路75に制御信号を送信することができるように接続されている。
椅子型体感音響装置72の制御回路40は、角度センサ73から角度信号を受信したとき、背凭れ部9のリクライニング角度が角度A〜Cのうちの何れにあるかを判断し、この判断結果を表すデータを制御回路74へ送信する。制御回路74は、このデータを受信したときに、プラズマディスプレイパネル71a〜71cのうちから、背凭れ部9のリクライニング角度に対応する1つを選択する。具体的に説明すると、背凭れ部9のリクライニング角度が角度Aのときには、下段のプラズマディスプレイパネル71aを選択し、背凭れ部9のリクライニング角度が角度Bのときには、中段のプラズマディスプレイパネル71bを選択し、背凭れ部9のリクライニング角度が角度Cのときには、上段のプラズマディスプレイパネル71cを選択することとなる。
次に、制御回路74は、プラズマディスプレイパネル71a〜71のうちから選択したものに映像を表示させるべく、駆動回路75に表示対象のプラズマディスプレイパネルを指示する制御信号を送信する。駆動回路75は、DVD再生装置2からの映像信号6を受け、プラズマディスプレイパネル71a〜71cのうちのこの制御信号にて指示された1つを駆動して、プラズマディスプレイパネル71a〜71cのうちの表示対象の1つに映像を表示させることができるように構成されている。
なお、本実施の形態7に係る体感音響システム70のその他の構成及び作用効果は、実施の形態1に係る体感音響システム1の構成及び作用効果と同様であるので、同一の構成要素については同符号を付し、同様の構成及び作用効果についての説明を省略する。
以上の如き構成により、背凭れ部9のリクライニング角度に合わせて、プラズマディスプレイパネル71a〜71cの表示切り替えが行われ、常に使用者が略正対した画面に映像が表示されることとなり、リクライニング角度によって画面を視認しにくくなることがなく、また画面に合わせて使用者が無理な姿勢をとる必要がない。
なお、本実施の形態7においては、3つのプラズマディスプレイパネル71a〜71cのうちの、背凭れ部9のリクライニング角度に合った1つに映像を表示させる構成としたが、同様の構成をプロジェクタ及びスクリーンで構成してもよい。
(実施の形態8)
図13に示す如く、本発明の実施の形態8に係る体感音響システム76は、DVD再生装置2と、プロジェクタ3及びスクリーン3aと、信号処理装置77と、複数(例えば3つ)の椅子型体感音響装置78とを備えている。DVD再生装置2の音響信号出力端子は、音響信号伝送用のケーブル2bにて信号処理装置77に接続されている。この信号処理装置77は、DVD再生装置2から出力された音響信号7の波形を変換し、増幅するようになっている。また、信号処理装置77からは複数の音響信号及び制御信号伝送用のケーブル79が延設されており、これらのケーブル79が夫々の椅子型体感音響装置78に設けられた入力端子80に接続されている。信号処理装置77は、3つの音響信号及び制御信号用の出力端子77aから夫々同時に増幅した音響信号7及び制御信号7a〜7cを出力することができるようになっている。
ケーブル79の両端部は出力端子77a及び入力端子80に夫々着脱することが可能に構成されており、ケーブル79の両端が夫々出力端子77a及び入力端子80に接続されているときには、信号処理装置77から出力された音響信号7及び制御信号7a〜7cが、椅子型体感音響装置78に与えられる。
このような構成により、1つのDVD再生装置2と、1組のプロジェクタ3及びスクリーン3aと、1つの信号処理装置77と、複数の椅子型体感音響装置78とによって、リラクゼーションルーム81が構成されている。
図21は、本発明の実施の形態8に係る体感音響システム76の構成の一部を示すブロック図である。図21に示す如く、信号処理装置77は、DVD再生装置2から出力された音響信号7を入力端子77bから取り入れ、制御部33に与える。かかる制御部33の構成は、実施の形態1にて説明した制御部33の構成と同様であるので、同一の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
信号処理装置77の正面部分には、複数の操作用のボタン及びキー等が配置された操作部82が設けられている。かかる操作部82は、制御回路40に接続されており、使用者の操作に応じた操作信号を制御回路40へ出力するようになっている。使用者は、かかる操作部82を操作することによって、実施の形態1での説明と同様に、所望の動作モードを選択することができるようになっており、これにより、動作モードの変更が行われる。なお、動作モード設定に係る信号処理装置77の動作は、実施の形態1にて説明した動作モード設定に係る椅子型体感音響装置4の動作と同様であるので、その説明を省略する。
入力端子77bから取り込まれた音響信号7及び各増幅器38から出力された制御信号7a〜7cは、夫々3つの出力端子77aから信号処理装置77の外部へと出力されるようになっている。そして、これらの音響信号7及び制御信号7a〜7cは、ケーブル79を通じて椅子型体感音響装置78に与えられる。
図22は、本発明の実施の形態8に係る椅子型体感音響装置78の構成の一部を示すブロック図である。図22に示す如く、本実施の形態8に係る椅子型体感音響装置78は、3つの増幅器83を備えており、入力端子80から夫々入力された制御信号7a〜7cを夫々の増幅器83にて各別に増幅するように構成されている。増幅器83から出力された制御信号7aはモータ14aに、増幅器83から出力された制御信号7bはモータ14bに、また増幅器83から出力された制御信号7cはモータ8fに夫々与えられ、これによって、音響に同調した揉み動作、たたき動作、及び肛門部バイブレーション動作が夫々実行されるようになっている。
また、入力端子80から入力された音響信号7はスピーカ31aに出力されるようになっている。また、ヘッドフォン32がヘッドフォン接続端子32aに接続されているときには、前記音響信号7がヘッドフォン32に出力されるようになっている。これにより、スピーカ31a及び/又はヘッドフォン32は、前記音響信号7に基づいて当該音響を可聴音として出力し、使用者が音響を鑑賞することができる。
本実施の形態8に係る体感音響システム76のその他の構成及び作用効果は、実施の形態1に係る体感音響システム1の構成及び作用効果と同様であるので、同一の構成要素については同符号を付し、同様の構成及び作用効果についての説明を省略する。
以上の如き構成により、各椅子型体感音響装置78に音響信号の波形変換を行う制御部を設ける必要がなく、椅子型体感音響装置78を安価に構成することができる。また、信号処理装置77によって音響信号7の波形を変換して制御信号7a〜7cを生成し、これらの制御信号7a〜7cを複数の椅子型体感音響装置78に与えて、各モータ8f,14a,14bを動作制御することにより、各椅子型体感音響装置78を同一の動作パターンで動作させることができる。
(実施の形態9)
図23は、本発明の実施の形態9に係る体感音響システムの全体の構成を模式的に示す斜視図である。図23に示す如く本発明の実施の形態9に係る体感音響システム101は、本発明に係る読み出し装置たる送受信システム102を備えている。送受信システム102は、本発明に係る送信装置たるサーバ装置103と、本発明に係る受信装置たるクライアント装置104とを備えている。クライアント装置104は、例えば使用者の所有する家屋等のような、プロジェクタ3及び椅子型体感音響装置4が設置されている建物内に設置されており、サーバ装置103は、この建物内ではなく、例えば音響情報及び映像情報を提供する業者が所有する建物内に設置されている。また、サーバ装置103及びクライアント装置104は、光通信回線、電話回線、無線、インターネット接続専用回線等を介してインターネット105に接続することが可能であるように構成されており、インターネット105を介して互いにデータを送受信することが可能となっている。
図24は、送受信システムの構成を示すブロック図である。図24に示すように、サーバ装置103は、CPU111と、ROM112と、RAM113と、ハードディスク114と、通信インタフェース115とから主として構成されている。
CPU111は、ROM112に記憶されているプログラム及び/又はRAM113にロードされたプログラムを実行することが可能である。
ROM112は、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等から構成されており、CPU111に実行されるプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。
RAM113は、SRAM又はDRAM等により構成されている。RAM113は、ROM112及びハードディスク114に記録されているプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのプログラムを実行するときに、CPU111の作業領域として利用される。
ハードディスク114は、CPU111に実行させるための種々のプログラムがインストールされている。また、当該ハードディスク114には、クライアント装置104へ提供するための音響情報及び映像情報が一体的に結合された音響映像データ114aが記憶されている。この音響映像データ114aは、所定の音響データ圧縮方式(MP3,ATRAC等)及び映像データ圧縮方式(MPEG-1,MPEG-2等)で圧縮され、また同期が取られた音響情報及び映像情報によって構成されており、対応する再生プログラムによって当該音響映像データ114aを処理することによって音響及び映像を再生することが可能である。
通信インタフェース115は、例えばモデム、TA及びDSU、又はEthernet(登録商標)インタフェースであり、これによりサーバ装置103は、TCP/IPを使用してインターネット105に接続された他の機器との間でデータの送受信が可能である。
また、クライアント装置104は、CPU121と、ROM122と、RAM123と、通信インタフェース124と、信号出力インタフェース125と、使用者からの操作を受け付ける操作パネル126とから主として構成されている。
CPU121は、ROM122に記憶されているプログラム及び/又はRAM123にロードされたプログラムを実行することが可能である。
ROM122は、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等から構成されており、CPU121に実行されるプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。かかるROM122に記録されているプログラムには、前述した再生プログラムが含まれている。この再生プログラムによって、前述した音響映像データ114aを、プロジェクタ3が映像出力することが可能な形式の映像信号6及び椅子型体感音響装置4が音響出力することが可能な形式の音響信号7へ夫々変換することができる。
RAM123は、SRAM又はDRAM等により構成されている。RAM123は、ROM122に記録されているプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのプログラムを実行するときに、CPU121の作業領域として利用される。更に、前述した音響映像データ114aを当該クライアント装置104が受信したときに、このRAM123に音響映像データ114aが一時的に格納されるようになっている。
通信インタフェース124は、例えばモデム、TA及びDSU、又はEthernet(登録商標)インタフェースであり、これによりクライアント装置104は、TCP/IPを使用してインターネット105に接続された他の機器との間でデータの送受信が可能である。
信号出力インタフェース125は、プロジェクタ3及び椅子型体感音響装置4に夫々信号伝送用のケーブル2a,2bにて接続されており、CPU111から与えられた映像信号6をプロジェクタ3に伝送し、CPU111から与えられた音響信号7を椅子型体感音響装置4に伝送することが可能であるように構成されている。
操作パネル126は、複数の操作キーを有しており、使用者が操作キーを所定の手順で押下することにより、再生する音響映像データ114aの選択、サーバ装置103からのダウンロードの開始を指示することができるようになっている。
次に、本発明の実施の形態9に係る体感音響システム101の動作について説明する。図25は、本発明の実施の形態9に係る体感音響システムの動作の流れを示すフローチャートである。図25に示すように、使用者がクライアント装置104の操作パネル126を操作することによって、ダウンロードする音響映像データ114aの選択及びダウンロード開始の指示を入力する。クライアント装置104はこの操作を受け付け(ステップS101)、選択された音響映像データ114aを特定するデータを含むダウンロード開始要求データをサーバ装置103へ送信する(ステップS102)。
サーバ装置103は、ダウンロード開始要求データを受信し(ステップS103)、このデータによって特定される音響映像データ114aをハードディスク114からRAM113へ読み出し(ステップS104)、この音響映像データ114aを通信インタフェース115からクライアント装置104へ送信する(ステップS105)。
クライアント装置104は、サーバ装置103から送信された音響映像データ114aを受信し(ステップS106)、かかる音響映像データ114aから映像信号6及び音響信号7を生成し、出力する(ステップS107)。このとき、音響映像データ114aの全てを受信し終わった後に、一括して映像信号6及び音響信号7へ変換する構成であってもよいし、音響映像データ114aの受信と平行して、映像信号6及び音響信号7への変換を行う(ストリーミング)構成であってもよい。このように映像信号6がプロジェクタ3へ伝送され、音響信号7が椅子型体感音響装置4へ伝送されることによって、映像がスクリーン3aに投影され、音響がスピーカ31a及び/又はヘッドフォン32から可聴音として出力されると共に、音響に同調した刺激を使用者の身体に与えるように椅子型体感音響装置4が動作することとなる。そして、映像信号6及び音響信号7の伝送が終了した後に、クライアント装置104の動作が終了する。
以上の如き構成とすることにより、音響情報及び映像情報が記録されたDVD等の記録媒体を各使用者が購入する等して用意しなくても、音響情報及び映像情報を提供する業者が新たな音響映像データ114aをサーバ装置103のハードディスクに記録することにより、新たな音響映像データ114aを容易に使用者に提供することができる。また、複数の使用者が夫々新たな記録媒体を購入しなくても、前記業者がサーバ装置103に新たな音響映像データ114aを記録するだけで、各使用者が新たな音響映像データ114aの提供を受けることが可能となる。
本実施の形態9に係る体感音響システム101のその他の構成及び作用効果は、実施の形態1に係る体感音響システム1の構成及び作用効果と同様であるので、同一の構成要素については同符号を付し、同様の構成及び作用効果についての説明を省略する。
また、1つの空間内に複数の椅子型体感音響装置4と1組のプロジェクタ3及びスクリーン3a及び1つのクライアント装置104を設置することによって、リラクゼーションルームを構成することもできる。
また、本実施の形態においては、音響及び映像を再生する都度、サーバ装置103へクライアント装置104がアクセスし、音響映像データ114aをダウンロードする構成について述べたが、これに限定されるものではなく、クライアント装置104が例えばハードディスク、カード型メモリ、DVD−R、DVD−RW、CD−R、CD−RW等のような読み書き可能な記録媒体に対してデータの読み書きを行うドライブ装置を備えており、一度ダウンロードした音響映像データ114aは当該ドライブ装置によって前記記録媒体に記録され、再度同じ音響及び映像を再生する場合にはサーバ装置103にアクセスすることなく、前記ドライブ装置が前記記録媒体から音響映像データ114aを読み出すように構成することもできる。
また、本実施の形態においては、音響及び映像を再生する都度、使用者が好みの音響映像データ114aを選択し、これをサーバ装置103からダウンロードする構成について述べたが、これに限定されるものではなく、例えば一定期間毎(毎週、毎月等)にサーバ装置103にクライアント装置104がアクセスし、自動的に新たに追加された音響映像データ114aをクライアント装置104へダウンロードする構成であってもよい。
(実施の形態10)
図26は、本発明の実施の形態10に係る体感音響システムの構成を示す側面図であり、図27は、その正面図である。図26及び図27に示す如く、本発明の実施の形態10に係る体感音響システム201は、1つの椅子型体感音響装置4を内部に収容する椅子型体感音響装置用カバー202を備えている。この椅子型体感音響装置用カバー202は、椅子型体感音響装置4よりも若干大きいサイズとされており、椅子型体感音響装置4の一方の側部(本実施の形態10においては左側)を除いて、椅子型体感音響装置4を取り囲む隔壁203を有している。この隔壁203は、椅子型体感音響装置4を最大角度までリクライニングさせた状態、即ち背凭れ部9を限界まで傾倒させた状態において、当該椅子型体感音響装置4を外部から他者が殆ど視認することができない程度の高さとされている。これによって、隔壁203によって椅子型体感音響装置4と外部とが隔たれ、椅子型体感音響装置用カバー202の内部が一種の個室となり、使用者が他者の目を気にすることなく映像、音響を視聴し、またマッサージを受けることができる。つまり、椅子型体感音響装置用カバー202の内部には、個人用のリラクゼーションルームが構成されることとなる。
また、図26及び図27に示すように、椅子型体感音響装置用カバー202の隔壁203は、椅子型体感音響装置4のレッグレスト10の前方に張り出しており、レッグレスト10が覆い隠されるようになっている。これにより、椅子型体感音響装置4のレッグレスト10を上方へ回動させ、使用者の脚部が略真っ直ぐに横に延びる状態となったときに、使用者の足先が外部から見えず、使用者がリラックスして映像、音響を視聴し、またマッサージを受けることができる。
また、かかる椅子型体感音響装置用カバー202は、隔壁203が椅子型体感音響装置4の背凭れ部9の上端部の上方まで延びており、更にその部分からはフレキシブルアーム204が延びていて、当該フレキシブルアーム204の先端に液晶ディスプレイ205が設けられている。フレキシブルアーム204は可撓性を有しており、このフレキシブルアーム204を自由に湾曲させることによって、液晶ディスプレイ205の表示面の角度を自由に設定することが可能となっている。
また、椅子型体感音響装置用カバー202の内部には、液晶ディスプレイ205と接続されたDVD再生装置2が配されている。これにより、DVD再生装置2によって再生された映像が液晶ディスプレイ205にて表示され、再生された音響が椅子型体感音響装置4のスピーカ31aによって出力され、また椅子型体感音響装置4によって使用者の身体に前記音響に同調した刺激が与えられることとなる。
本実施の形態10に係る体感音響システム201のその他の構成及び作用効果は、実施の形態1に係る体感音響システム1の構成及び作用効果と同様であるので、同一の構成要素については同符号を付し、同様の構成及び作用効果についての説明を省略する。
なお、以上説明した如き実施の形態1〜10においては、椅子型体感音響装置4,42,46,61,72を、マッサージ機として構成したものについて述べたが、これに限定されるものではなく、背凭れ部、座部、及びレッグレストの一又は複数に振動発生器を設け、各振動発生器を音響に合わせて駆動し、音響に同調した振動刺激を使用者の身体に与えるように構成してもよい。
また、実施の形態4,5,6,8においては、映像表示装置と複数(3つ)の椅子型体感音響装置が配置された空間をリラクゼーションルーム58,64,69,81として構成したものについて述べたが、リラクゼーションルームは、映像表示装置と椅子型体感音響装置とを各1つずつ配置した空間であってもよい。
更に、上述した実施の形態1〜9は夫々一実施形態であり、本願発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。