JP3949330B2 - 掘削機械の作業状態監視システム、作業状態表示装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は掘削機械の作業状態監視システム、作業状態表示装置及び記録媒体に係わり、特に車体及び作業機を備えた油圧ショベル等の掘削機械の作業状態をモニタ画面に表示する掘削機械の作業状態監視システム、作業状態表示装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
掘削機械の代表例である油圧ショベルは作業機としてブーム、アーム、バケット等のフロント部材からなるフロント装置を備え、オペレータがブーム等のフロント部材をそれぞれの手動操作レバーによって操作し、溝堀作業あるいは法面形成作業等の掘削作業を行う。しかし、フロント部材の動作を目視するだけでは、所定深さの溝若しくは所定勾配の法面を正確に掘削しているか否かを判断することは困難である。
【0003】
そこで、このような掘削作業を容易にするため、掘削機械の作業状態をモニタ画面に表示する掘削機械の作業状態監視システムが提案されている。
【0004】
例えば、既に製品化されている株式会社日立建機製のEFCTレベルマスタではモニタパネルを備え、このモニタパネルにバケット爪先深さ、バケット角度、車体の左右傾斜角度のモニタ値を順次切り替えて数値で表示できるようにしている。オペレータは作業に必要な状態量のモニタ値を選択し、モニタパネルでその数値を確認しながら作業を行う。例えば、掘削作業を行う場合は、オペレータはバケット爪先深さのモニタ値を選択し、所定の深さより掘り過ぎないようにバケットの爪先深さのモニタ値を数値で確認しながら掘削することにより、掘り過ぎを防止できる。法面成形作業を行う場合は、オペレータはバケット角度のモニタ値を選択し、バケット角度のモニタ値を数値で確認しながら掘削することにより所定の勾配の法面を整形できる。更に、均し作業を行う場合は、オペレータは車体の左右傾斜角度のモニタ値を選択し、車体の足元がほぼ水平に地面を均したかどうかを左右傾斜角度のモニタ値を数値で確認しながら作業を行うことが可能となる。EFCTレベルマスタのモニタパネルは例えば米国特許5,887,365号明細書の図12に示されている。
【0005】
また、特開昭62−185932号公報には、作業機先端(バケット先端)の移動軌跡と目標掘削面とを運転室内に設置したモニタ装置に画像表示する作業状態監視装置が提案されており、この装置によればオペレータはそのモニタ画面を見ながら溝や法面の掘削作業を適正に行える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題がある。
製品化されているEFCTレベルマスタでは、そのモニタパネルを使用した場合、モニタパネルには1つの状態量のモニタ値しか表示できないので、複数の状態量に注意しながら操作を行う必要のある作業には有効ではない。
【0007】
例えば、地面を掘削して掘削凹所の底に所定深さの床を形成する床付け作業では、オペレータは爪先深さとバケット角度の両方に注意しながらバケットを動作させる必要がある。このような床付け作業をEFCTレベルマスタのモニタパネルを用いて行おうとすると、モニタパネルに表示できるモニタ値は1つであるため、爪先深さとバケット角度のいずれかは目視による情報に頼らざるを得ない。また、目視に頼るということはモニタパネルの数値情報を常に見ることはできないことであり、結局モニタパネルを見ながら床付け作業を行うことはできなくなる。
【0008】
特開昭62−185932号公報に示す装置では、バケット先端の移動軌跡と目標掘削面を同時に表示する構成となっているが、実際に油圧ショベルのフロント装置の全体を1画面内に納めようとするとバケット先端部分は極めて小さく描画されるので、目標掘削面とバケット先端の微妙な位置関係は画面内では小さ過ぎてオペレータは正確に把握できない。特にモニタ部が液晶などのドットマトリクスで構成されると、1ドットあたりの分解能が非常に小さく、目標掘削面とバケット先端の距離によってはドット間でうまく分離されず、極めて暖味な表示となる。
【0009】
本発明の目的は、作業状態を示す車体の左右傾斜角、バケット先端の深さおよび前記ケットの底板対地角度の3つの状態量のモニタ値をモニタ画面に同時に分かり易く表示することで、オペレータに作業状態を感覚的に理解し易くし、多様な作業を容易に行えるようにする掘削機械の作業状態監視システム、作業状態表示装置及びそのための記録媒体を提供することである。
【0010】
【問題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、車体及びブーム、アーム、バケットを有する作業機を備えた掘削機械の作業状態をモニタ画面に表示する掘削機械の作業状態監視システムにおいて、前記車体の左右方向の傾斜角度及び前記ブーム、アーム及びバケットの回動角を検出する手段と、前記検出手段からの信号に基づき前記車体の左右傾斜角、バケット先端の深さおよび前記バケットの底板対地角度のモニタ値を演算する作業状態演算手段と、前記モニタ画面を前記作業状態演算手段で求めた前記車体の左右傾斜角、バケット先端の深さおよび前記バケットの底板対地角度のモニタ値に対応して3つの領域に分け、これら3つの領域にそれぞれのモニタ値を同時にかつ数値と動くシンボルの両方で表示させる画像合成処理手段とを備えるものとする。
【0011】
このように検出手段、作業状態演算手段、画像合成処理手段を設け、モニタ画面を車体の左右傾斜角、バケット先端の深さおよび前記ケットの底板対地角度の3つのモニタ値に対応して3つの領域に分け、これら3つの状態量のモニタ値を同時にかつ数値と動くシンボルの両方で表示することにより、3つの状態量のモニタ値がモニタ画面に分かり易く表示されるものとなり、オペレータは作業状態を示す各モニタ値の持つ意味やモニタ値の基となる車体や作業機の状態を感覚的に理解し易くなり、掘削作業、法面形成作業、均し作業等の作業を容易に効率良く行うことができる。また、3つの状態量のモニタ値が同時に分かり易く表示されるので、同時に複数の状態量のモニタ情報を必要とする作業でも容易に効率良く行えるようになり、多様な作業を容易に行うことができる。
【0012】
(2)また、上記目的を達成するために、本発明は、車体及びブーム、アーム及びバケットを有する作業機を備えた掘削機械の作業状態をモニタ画面に表示させる掘削機械の作業状態表示装置において、前記モニタ画面を前記車体の左右傾斜角、バケット先端の深さおよび前記ケットの底板対地角度のモニタ値に対応して3つの領域に分け、これら3つの領域にそれぞれのモニタ値を同時にかつ数値と動くシンボルの両方で表示させるものとする。
【0013】
これにより上記(1)で述べたように、複数の状態量のモニタ値がモニタ画面に分かり易く表示されるものとなり、オペレータは作業状態を感覚的に理解し易くなり、多様の作業を容易に行えるようになる。
【0014】
(3)更に、上記目的を達成するために、本発明は、 車体及びブーム、アーム及びバケットを有する作業機を備えた掘削機械の作業状態をモニタ画面に表示させるプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、コンピュータに、前記モニタ画面を前記車体の左右傾斜角、バケット先端の深さおよび前記ケットの底板対地角度のモニタ値に対応して3つの領域に分け、これら複数の領域にそれぞれのモニタ値を同時にかつ数値と動くシンボルの両方で表示させるものとする。
【0015】
この記録媒体を用いることにより、上記(1)で述べたように、複数の状態量のモニタ値がモニタ画面に分かり易く表示されるものとなり、オペレータは作業状態を感覚的に理解し易くなり、多様の作業を容易に行えるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を油圧ショベルに適用した場合の実施の形態を図1〜図8により説明する。
【0017】
図1において、本発明が適用される油圧ショベルは全体的に符号1で示され、この油圧ショベル1は垂直方向にそれぞれ回動するブーム1a、アーム1b及びバケット1cからなる多関節型のフロント装置1Aと、上部旋回体1d及び下部走行体1eからなる車体1Bとで構成され、フロント装置1Aのブーム1aの基端は上部旋回体1dの前部に支持されている。上部旋回体1dには運転室6が設置されている。
【0018】
また、油圧ショベル1は、可変容量型の油圧ポンプ2a,2bと、この油圧ポンプ2a,2bからの圧油により駆動されるブームシリンダ3a、アームシリンダ3b、バケットシリンダ3c、旋回モータ3d及び左右の走行モータ3e,3fを含む複数の油圧アクチュエータと、操作レバー装置50〜53により操作され、油圧アクチュエータ3a〜3fに供給される圧油の流量を制御する複数の流量制御弁5a−1,5a−2、5b〜5fとを有する油圧駆動装置を備え、ブーム1a、アーム1b、バケット1c、上部旋回体1d及び下部走行体1eはそれぞれブームシリンダ3a、アームシリンダ3b、バケットシリンダ3c、旋回モータ3d及び左右の走行モータ3e,3fにより駆動される。
【0019】
また、油圧ショベル1は、可変容量型の油圧ポンプ2a,2bと、この油圧ポンプ2a,2bからの圧油により駆動される上記ブームシリンダ3a、アームシリンダ3b、バケットシリンダ3c、旋回モータ3d及び左右の走行モータ3e,3fを含む複数の油圧アクチュエータと、操作レバー装置50〜53により操作され、油圧アクチュエータ3a〜3fに供給される圧油の流量を制御する複数の流量制御弁5a−1,5a−2、5b〜5fとを有する油圧駆動装置を備えている。
【0020】
操作レバー装置50〜53は電気レバー方式であり、操作レバー装置50はブームシリンダ3a、バケットシリンダ3cに対応して設けられた変位センサ4a,4cを備え、操作レバー装置51はアームシリンダ3b、旋回モータ3dに対応して設けられた変位センサ4b,4dを備え、操作レバー装置52,53は左右の走行モータ3e,3fに対応して設けられた変位センサ4e,4fを備えている。操作レバー装置50の操作レバーをXa方向に操作すると変位センサ4aがその変位を検出し、これに対応する電気信号を出力し、操作レバー装置50の操作レバーをXc方向に操作すると変位センサ4cがその変位を検出し、これに対応する電気信号を出力し、操作レバー装置51の操作レバーをXb方向に操作すると変位センサ4bがその変位を検出し、これに対応する電気信号を出力し、操作レバー装置51の操作レバーをXd方向に操作すると変位センサ4dがその変位を検出し、これに対応する電気信号を出力し、操作レバー装置52の操作レバーをXe方向に操作すると変位センサ4eがその変位を検出し、これに対応する電気信号を出力し、操作レバー装置53の操作レバーをXf方向に操作すると変位センサ4fがその変位を検出し、これに対応する電気信号を出力する。
【0021】
操作レバー装置50〜53の各変位センサからの電気信号は制御ユニット9に入力され、制御ユニット9は所定の演算処理を行い、流量制御弁5a−1,5a−2、5b〜5fに電気的な操作信号を出力する。流量制御弁5a−1,5a−2,5b〜5fは電気信号をパイロット圧に変換する電気油圧変換手段、例えば比例電磁弁を両端に備えた電気・油圧操作方式の弁である。
【0022】
以上のような油圧ショベル1に本発明の実施の形態による作業状態監視システム20が設けられている。この作業状態監視システムは、油圧ショベルの上部旋回体1dの左右方向の傾斜角度を検出する傾斜計7と、ブーム1a、アーム1b及びバケット1cのそれぞれの回動支点に設けられ、フロント装置1Aの位置と姿勢に関する状態量としてそれぞれの回動角を検出する角度検出器8a,8b,8cと、傾斜計7と角度検出器8a,8b,8cからの検出信号を入力し、上部旋回体1dの左右傾斜角度とバケット1cの上下方向の深さとバケット1cの底板の地面に対する対地角度を演算する作業状態演算ユニット10と、左右傾斜角度とバケット深さとバケット対地角度のモニタ値と各々のモニタ内容に対応するシンボルを各モニタ値に応じた位置及び角度に画像合成する画像合成処理ユニット11と、油圧ショベルの運転室6内に設置され、画像合成処理ユニット11により合成処理された画像を表示する表示モニタ12により構成されている。画像合成処理ユニット11と表示モニタ12は作業状態表示装置13を構成している。
【0023】
作業状態演算ユニット10と画像合成処理ユニット11はシリアル通信ライン39により接続され、データの送受信を行う。
【0024】
図2に作業状態演算ユニット10のハード構成を示す。図2において、作業状態演算ユニット10は、傾斜計7からの傾斜信号θ及び角度検出器8a,8b,8cからの角度信号α,β,γを入力してデジタル信号に変換するA/D変換器101と、中央演算処理装置(CPU)102と、制御手順のプログラムや制御に必要な定数を格納するリードオンリーメモリー(ROM)103と、演算結果あるいは演算途中の数値を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)104と、通信ライン39に接続され画像合成処理ユニット11と通信を行うシリアルコミュニケーションインターフェース(SCI)105とを含むシングルチップマイコン106と、制御パラメータ等を記憶する不揮発性メモリ(EEPROM)107とで構成されている。
【0025】
図3に画像合成処理ユニット11のハード構成を示す。図3において、画像合成処理ユニット11は、表示モニタ12側に設けられた表示内容を切り替えるためのスイッチ12b,12c,12dからの信号を入力するインターフェース(I/O)111と、中央演算処理装置(CPU)112と、制御手順のプログラムや制御に必要な定数を格納するリードオンリーメモリー(ROM)113と、演算結果あるいは演算途中の数値を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)114と、通信ライン39に接続され作業状態演算ユニット10と通信を行うシリアルコミュニケーションインターフェース(SCI)115とを含むシングルチップマイコン116と、表示モニタ12に絵を表示させるためのビデオ信号を作成する表示制御部117と、表示制御部117で作成されたビデオ信号を表示モニタ12に出力するインターフェース118とで構成されている。
【0026】
表示モニタ12はモニタ画面12aと上記のスイッチ12b,12c,12dとを備えている。
【0027】
作業状態演算ユニット10で左右傾斜角度とバケット深さとバケット対地角度を演算する処理内容を図4を用いて説明する。この処理内容はマイコン106のROM103にプログラムとして記憶してある。
【0028】
図4において、作業状態演算ユニット10は、左右傾斜角度演算部10aと位置・姿勢演算部10bの機能を有している。
【0029】
左右傾斜角度演算部10aでは、傾斜計7からの傾斜信号θに基づき油圧ショベル1の上部旋回体1dの左右傾斜角度αKを演算する。
【0030】
位置・姿勢演算部10bでは、角度検出器8a,8b,8cからの角度信号α,β,γに基づきバケット1cの先端深さ及び底板の対地角度を演算する。
【0031】
ここで、バケット1c先端の深さをPvzで表すと、このPvzは図5に示す油圧ショベルの座標系及び各部寸法に基づいて以下の式より演算する。
【0032】
また、バケット1cの底板の地面に対する角度をαGで表すと、このαGは以下の式より演算する。
【0033】
αG=−αB−αA−αV−αtip+180°
αtip:バケットの先端角度
画像合成処理ユニット11で左右傾斜角度とバケット深さとバケット対地角度のモニタ値を表示させる処理内容を図6を用いて説明する。この処理内容はマイコン116のROM113にプログラムとして記憶してある。
【0034】
図6において、画像合成処理ユニット11は、モニタ数値表示演算部11a、シンボル位置・角度演算部11b、数値・シンボル合成演算部11cの機能を有している。
【0035】
モニタ数値表示演算部11aでは、モニタ画面12aを図7に示すように3つの領域A,B,Cに分け、これらの領域A,B,Cを左右傾斜角度αK、バケット1c先端の深さPvz、バケット1cの底板対地角度αGに割り当て、作業状態演算ユニット10で演算されたαK,Pvz,αGの各値を図7に示すようにそれぞれの領域A,B,Cの所定の位置に表示するための演算を行う。
【0036】
シンボル位置・角度演算部11bでは、同様にモニタ画面12aを図8に示すように3つの領域A,B,Cに分け、これらの領域A,B,Cを左右傾斜角度αK、バケット1c先端の深さPvz、バケット1cの底板対地角度αGに割り当て、作業状態演算ユニット10で演算されたαK,Pvz,αGの各値に基づく位置及び角度で、図8に示すようにそれぞれの領域A,B,Cに各モニタ値に対応するシンボルを配置表示するための演算を行う。
【0037】
ここで、左右傾斜角度αKは左上に示すように油圧ショベル本体を後方から眺めた絵をシンボルとし、αKが+なら右側に、−なら左側に傾くように動画で描画する。バケット1c先端の深さPvzは右側に示すようにバケット側面図をシンボルとし、GL(地面)と描かれた横線を原点として+値なら上方向に先端にPvz×Ks(Ksスケール変換係数)だけ上側に、−値なら下側に動画で描画する。バケット1cの底板対地角度αGは左下に示すようにバケット側面図をシンボルとし、バケットシンボルの中央を中心としてαGが+値なら時計回りに、−値なら反時計回りに回転させ動画で描画する。
【0038】
数値・シンボル合成演算部11cでは、モニタ数値表示演算部11aで演算された数値表示とシンボル位置・角度演算部11bで演算されたシンボル表示とを図9に示すように合成する。
【0039】
以上のように画像合成処理ユニット11によって画像が合成されると、その画像データは表示制御部112でビデオ信号に変換され、インターフェース118を介して表示モニタ12に出力される。その結果、表示モニタ12のモニタ画面12aには、図9に示すように、3つの領域A,B,CにαK,Pvz,αGのそれぞれのモニタ値が同時にかつ数値と動くシンボルの両方で表示される。
【0040】
以上のように構成した本発明の実施の形態においては、運転室内に設置された表示モニタ12のモニタ画面12a上に車体の左右傾斜角度とバケット1c先端の深さとバケット底板対地角度のモニタ値がその数値と同時に、各モニタ値の示す内容を分かり易く表したシンボルで表示し、かつ各モニタ値に応じて各シンボルがその表示位置及び表示角度が変化することにより、それぞれのモニタ値がモニタ画面12aに分かり易く表示されるものとなり、オペレータはモニタ値の持つ意味やモニタ値の基となる車体やフロント装置の状態を感覚的に容易に理解することができ、多様の作業を容易に行うことができる。
【0041】
例えば、掘削作業を行う場合は、オペレータは所定の深さより掘り過ぎないようにバケットの爪先深さのモニタ値を数値とシンボルで確認しながら掘削することにより、掘り過ぎを防止できると共に、掘削作業を容易に効率良く行うことができる。法面成形作業を行う場合は、オペレータはバケット角度のモニタ値を数値とシンボルで確認しながら掘削することにより所定の勾配の法面を整形できると共に、法面成形作業を容易に効率良く行うことができる。更に、均し作業を行う場合は、オペレータは車体の足元がほぼ水平に地面を均したかどうかを左右傾斜角度のモニタ値を数値とシンボルで確認しながら、均し作業を容易に効率良く行うことができる。
【0042】
また、モニタ画面12aには車体の左右傾斜角度とバケット1c先端の深さとバケット底板対地角度の3つのモニタ値が同時にかつ数値と動くシンボルの両方で表示されるので、床付け作業のように同時にバケット1cの深さとバケット底板対地角度の複数のモニタ情報が必要な場合でも、2つのシンボルを見ながら作業を行うことにより、モニタ数値だけを見て作業を行う場合よりも容易に効率良く床付け作業を行うことができる。
【0043】
床付け作業を図10を用いて説明する。床付け作業とは図10(a)に示すように地面を掘削し、掘削凹所の底に床を形成する作業である。この床付け作業では、図10(b)及び(c)に示すように、形成された床が所定の深さに平らに形成されてるかどうかを確認し修正する作業も含まれる。
【0044】
このような床付け作業を行う場合、掘削作業では図10(a)のように地面の下方を掘削するため、オペレータにはバケット先端が見えにくいが、表示モニタ12のモニタ画面12aには図9に示すようにバケット1c先端の深さのモニタ値が数値と動くシンボルで表示されているので、オペレータはこれを見ながら掘削作業を容易に効率良く行うことができる。また、掘削後の確認作業も、図10(b)及び(c)に示すように、オペレータはモニタ画面12aでバケット1c先端の深さのモニタ値やバケット底板対地角度のモニタ値をそれぞれ数値で確認しながら、所定深さ、角度に達していない場合は修正掘削することで、容易に確認修正作業を行うことができる。
【0045】
更に、水中の土砂掘削作業のようにバケット1cの状態が運転室からは把握できないような場合には、本発明の実施の形態による作業状態監視システムは更に有効となる。
【0046】
以上のように本発明の実施の形態によれば、運転室内に設置された表示モニタ12のモニタ画面12a上に車体の左右傾斜角度とバケット1c先端の深さとバケット底板対地角度を同時にかつ数値と動くシンボルの両方で表示するので、それらモニタ値が分かり易く表示されるものとなり、オペレータは各モニタ値の持つ意味やモニタ値の基となる車体や作業機の状態を感覚的に理解し易くなり、掘削作業、法面形成作業、均し作業等の作業を容易に効率良く行うことができる。また、複数の状態量のモニタ値が同時に分かり易く表示されるので、床付け作業のように同時に複数の状態量のモニタ情報を必要とする作業でも容易に効率良く行えるようになり、多様な作業を容易に行うことができる。
【0047】
なお、本発明の掘削機械の作業状態監視システムは上述の実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記の実施の形態ではモニタ画面12aを3つの領域に分け、3つのモニタ値を表示したが、モニタ値の数はこれに限定されるものではない。例えば、モニタ画面を2つ又は4つ以上の領域に分け、2つ又は4つ以上のモニタ値を表示しても良い。また、上記の実施の形態ではモニタ画面12aに3つのモニタ値を表示する場合だけを説明したが、1つ、2つ、又は3つの状態量を選択的に表示できるように切換可能な構成にしても良い。
【0048】
また、上記の実施の形態においては、モニタ画面を選択するスイッチを、表示モニタ12に設けたが、他の位置に設けることも可能である。
【0049】
また、上記の実施の形態では、操作レバー装置は電気レバー方式としたが、油圧パイロット方式の操作レバー装置でもよい。また、フロント装置の位置と姿勢に関する状態量を検出する手段として回動角を検出する角度検出器を用いたが、シリンダのストロークを検出するストローク計を用いてもよい。
【0050】
本発明によれば、作業状態を示す車体の左右傾斜角、バケット先端の深さおよび前記ケットの底板対地角度の3つのモニタ値がモニタ画面に同時に分かり易く表示され、オペレータは作業状態を感覚的に理解しやすくなるので、掘削作業、法面形成作業、均し作業等の作業を容易に効率良く行うことができる。また、3つの状態量のモニタ値が同時に分かり易く表示されるので、同時に複数の状態量のモニタ情報を必要とする作業でも容易に効率良く行えるようになり、多様な作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による掘削機械の作業状態監視システムを示す図である。
【図2】図1に示した作業状態演算ユニットのハード構成を示す図である。
【図3】図1に示した画像合成処理ユニットのハード構成を示す図である。
【図4】図1に示した作業状態演算ユニットのの処理内容を示す機能ブロック図である。
【図5】図4に示した作業状態演算ユニットでの演算に用いる油圧ショベルの座標系及び各部寸法を示す図である。
【図6】図1に示した画像合成処理ユニットの処理内容を示す機能ブロック図である。
【図7】図6に示した画像合成処理ユニットのモニタ数値表示演算部で演算された表示内容を示す図である。
【図8】図6に示した画像合成処理ユニットのシンボル位置・角度演算部で演算された表示内容を示す図である。
【図9】図6に示した画像合成処理ユニットの数値・シンボル合成演算部で合成された表示内容を示す図である。
【図10】本発明の作業状態監視システムに係わる作業例として、床付け作業及びその後の確認作業を示す図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル(掘削機械)
1A フロント装置
1B 車体
1a ブーム
1b アーム
1c バケット
1d 上部旋回体
1e 下部走行体
2a,2b 油圧ポンプ
3a〜3f 油圧アクチュエータ
4a〜4f 変位センサ
5a−1,5a−2,5b〜5f 流量制御弁
6 運転室
7 傾斜計
8a,8b,8c 角度検出器
9 制御ユニット
10 作業状態演算ユニット
11 画像合成処理ユニット
12 表示モニタ
12a モニタ画面
12b,12c,12d スイッチ
13 作業状態表示装置
20 作業状態監視システム
39 シリアル通信ライン
50〜53 操作レバー装置
113 ROM(記録媒体)
Claims (3)
- 車体及びブーム、アーム、バケットを有する作業機を備えた掘削機械の作業状態をモニタ画面に表示する掘削機械の作業状態監視システムにおいて、
前記車体の左右方向の傾斜角度及び前記ブーム、アーム及びバケットの回動角を検出する手段と、
前記検出手段からの信号に基づき前記車体の左右傾斜角、バケット先端の深さおよび前記バケットの底板対地角度のモニタ値を演算する作業状態演算手段と、
前記モニタ画面を前記作業状態演算手段で求めた前記車体の左右傾斜角、バケット先端の深さおよび前記バケットの底板対地角度のモニタ値に対応して3つの領域に分け、これら3つの領域にそれぞれのモニタ値を同時にかつ数値と動くシンボルの両方で表示させる画像合成処理手段とを備えることを特徴とする掘削機械の作業状態監視システム。 - 車体及びブーム、アーム、バケットを有する作業機を備えた掘削機械の作業状態をモニタ画面に表示させる掘削機械の作業状態表示装置において、
前記モニタ画面を前記車体の左右傾斜角、バケット先端の深さおよび前記バケットの底板対地角度のモニタ値に対応して3つの領域に分け、これら3つの領域にそれぞれのモニタ値を同時にかつ数値と動くシンボルの両方で表示させることを特徴とする掘削機械の作業状態表示装置。 - 車体及びブーム、アーム、バケットを有する作業機を備えた掘削機械の作業状態をモニタ画面に表示させるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記プログラムは、コンピュータに、
前記モニタ画面を前記車体の左右傾斜角、バケット先端の深さおよび前記バケットの底板対地角度のモニタ値に対応して3つの領域に分け、これら3つの領域にそれぞれのモニタ値を同時にかつ数値と動くシンボルの両方で表示させることを特徴とする記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34382899A JP3949330B2 (ja) | 1999-12-02 | 1999-12-02 | 掘削機械の作業状態監視システム、作業状態表示装置及び記録媒体 |
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