JP3949310B2 - エージェントシステムおよびエージェントシステムによるサービス提供方法 - Google Patents

エージェントシステムおよびエージェントシステムによるサービス提供方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自律的に動作するエージェントを有するエージェントシステムに関し、特に、ネットワーク上に分散した複数のエージェントが協調することによってサービス要求を処理するマルチエージェントシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エージェントと呼ばれる、自律的に動作する処理主体をネットワーク上に分散させ、複数のエージェントが協調することによって、与えられたサービス要求を処理するマルチエージェントシステムが提案されている。
【0003】
このような従来のマルチエージェントシステムにおいて、ネットワーク上に分散したエージェント間でメッセージのやりとりを行う場合、一般的に、メッセージの送信側は、受信側が処理可能なメッセージの形式を事前に知っており、その形式に則ったメッセージの送信を行う。また、受信側に用意されていない処理を行う必要がある場合には、まず、送信側から受信側へ、その処理に必要な手続きを記述したコードを送り、受信者側でそのコードを実行させる。
【0004】
また、従来のマルチエージェントシステムにおけるメッセージ送受信の通信基盤では、一般的に、送信側のエージェントが受信側のエージェントの名前を直接指定してメッセージ送受信を行うために、送信側が受信側の名前管理を行う必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のシステムでは、受信側エージェントが受信可能なメッセージの形式を、送信側エージェントが正確に知っている必要があり、各エージェントが他のエージェントへサービス要求を出すために、多くの準備をしなければならないという問題がある。
【0006】
さらに、送信側エージェントは、メッセージの送信先となるエージェントの名前が分からない場合には、メッセージを送信することができないという問題もある。このため、各エージェントにおいて、メッセージの送信先となる可能性があるすべてのエージェントの名前を管理しなければならないという負担があり、システムの拡張性を損なう原因ともなっていた。
【0007】
また、受信側エージェントの処理に必要なコードを、送信側エージェントから送りつけて実行させる場合、上記コードの管理責任は送信側エージェントが負うこととなる。従って、例えばコードのバージョンが更新された場合には、受信側エージェントが有する古いバージョンのコードのすべてを、送信側エージェントの責任において新しいバージョンのコードに正確に置き換えなければ、古いバージョンのコードが実行されてしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するために、メッセージの送信先の管理を必要とせずに、エージェント間のメッセージのやりとりが可能なエージェントシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明にかかるエージェントシステムは、ブロードキャスト型の通信基盤と、サービス要求への応答処理を、一連の部分処理に分解し、最初の部分処理の開始メッセージを前記通信基盤へ出力する仲介エージェント装置と、部分処理を実行するサービスエージェント装置とを有し、前記サービスエージェント装置が、前記部分処理の開始メッセージまたは前記部分処理の直前の部分処理の処理結果通知メッセージを前記通信基盤から受け取って前記部分処理の実行を開始し、前記部分処理の終了を通知する処理結果通知メッセージを前記通信基盤へ出力することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、仲介エージェント装置がサービス要求への応答処理を一連の部分処理に分解し、最初の部分処理の開始メッセージを通信基盤へ出力すると、サービスエージェント装置の内、最初の部分処理の実行が可能なサービスエージェント装置が、前記開始メッセージを受け取り、前記最初の部分処理を実行し、その終了を通知する処理結果通知メッセージを通信基盤へ出力する。そして、二番目の部分処理を実行可能なサービスエージェント装置が、前記処理結果通知メッセージを受け取り、二番目の部分処理を実行し、処理結果通知メッセージを通信基盤へ出力する。つまり、サービスエージェント装置から出力される部分処理の処理結果通知メッセージが、次の部分処理の実行を開始させるメッセージとなるので、複数のサービスエージェント装置が、自らが実行可能な部分処理を開始させるメッセージを受け取り、一連の部分処理を順次実行することにより、サービス要求への応答処理がなされることとなる。なお、通信基盤がブロードキャスト型であることにより、通信基盤に流されるメッセージは、すべてのサービスエージェント装置に伝達されるので、サービスエージェント装置同士が直接的にメッセージのやりとりを行うことはない。従って、サービスエージェント装置が、メッセージの送信先を管理する必要がない。この結果、サービスエージェント装置の負荷が軽減されると共に、拡張性の高いエージェントシステムを提供することが可能となる。
【0011】
前記エージェントシステムは、前記仲介エージェント装置が、前記サービスエージェント装置のコードを保持するコード保持手段と、前記一連の部分処理の処理状況を監視し、必要なサービスエージェント装置を前記コードに基づいて起動する監視手段とを備えた構成とすることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、部分処理を実行すべきサービスエージェント装置が起動されていない場合や、他の処理を行っている場合などに、コード保持手段に保持されているコードによってサービスエージェント装置が動的に起動される。これにより、一連の部分処理を停滞することなく実行させることができると共に、従来のように、送信側のエージェントが受信側のエージェントの存在等を確認する必要がなく、サービスエージェント装置の負荷を軽減することができる。
【0013】
前記エージェントシステムは、仲介エージェント装置が、一連の部分処理の各々の実行に伴って前記サービスエージェント装置から前記通信基盤に出力される前記処理結果通知メッセージを記憶するメッセージ記憶手段をさらに備えると共に、前記監視手段が、前記メッセージ記憶手段を参照し、一つの処理結果通知メッセージが出力された後、所定の時間が経過しても次の処理結果通知メッセージが出力されない場合に、部分処理を実行するサービスエージェント装置を動的に起動する構成とすることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、仲介エージェント装置が、一連の部分処理の実行に伴って出力される処理結果通知メッセージのシーケンスを、メッセージ記憶手段に記憶していることにより、通信基盤に出力される一連のメッセージを監視することにより、一連の部分処理の処理状況を知ることができる。また、前記通信基盤がブロードキャスト型であることにより、仲介エージェント装置にも、サービスエージェント装置が出力する処理結果通知メッセージが伝達される。従って、サービスエージェント装置が自主的に処理状況を仲介エージェント装置に通知する手間をかけることなく、仲介エージェント装置が処理状況を監視することができるので、仲介エージェント装置およびサービスエージェント装置の双方の負荷を軽減することが可能となる。
【0015】
前記エージェントシステムは、仲介エージェント装置が、部分処理を実行可能なサービスエージェント装置の存在を確認する検索メッセージを、前記通信基盤へ出力するメッセージ処理手段をさらに備え、前記サービスエージェント装置が、前記検索メッセージに対して、前記部分処理の実行が可能である場合に、前記通信基盤へ処理可能通知メッセージを出力する通知手段を備えると共に、前記仲介エージェント装置のメッセージ処理手段が、前記検索メッセージを出力した後、所定の時間が経過しても、前記通信基盤から前記処理可能通知メッセージを受け取れない場合に、前記監視手段が、前記部分処理を実行するサービスエージェント装置を動的に起動する構成であることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、各部分処理に先立って、仲介エージェント装置が検索メッセージを出力することにより、部分処理を実行可能なサービスエージェント装置の存在を確認し、部分処理を実行可能なサービスエージェント装置が存在しない場合には動的に起動することにより、一連の部分処理を停滞することなく実行さえることができると共に、従来のように、送信側のエージェントが受信側のエージェントの存在等を確認する必要がなく、サービスエージェント装置の負荷を軽減することができる。
【0017】
さらに、前記の構成において、サービスエージェント装置の通知手段が、各サービスエージェント装置に固有の識別子を、前記処理可能通知メッセージに付し、前記仲介エージェント装置のメッセージ処理手段が、前記処理可能通知メッセージを受けた場合、前記部分処理の実行を要求する処理要求メッセージに、前記処理可能通知メッセージに付されていた前記識別子を付して、前記通信基盤へ出力し、各サービスエージェント装置が、自らの識別子と一致する識別子を付された処理要求メッセージにのみ対応することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、仲介エージェント装置が、処理可能通知メッセージを出力したサービスエージェント装置を指定して、部分処理の処理を要求する処理要求メッセージを出力することにより、複数のサービスエージェント装置が、同じ部分処理を同時に実行することを防止できる。
【0019】
前記エージェントシステムは、前記仲介エージェント装置が、前記通信基盤を介して受け取ったコードと、前記コード保持手段に既に保持されているコードとを比較し、前記コードが前記コード保持手段に保持されていなければ、前記コードを前記コード保持手段に格納するコード管理手段をさらに備えた構成であることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、コードの追加や、既存コードのバージョンアップ等が必要になった場合は、通信基盤に新しいコードを流せば、コード管理手段によって、新しいコードがコード保持手段へ格納される。これにより、エージェントシステムの稼働中にコードの入れ替えを動的に行うことが可能となる。
【0021】
前記エージェントシステムは、前記コード保持手段が、前記コードと併せて前記コードのバージョン番号を保持すると共に、前記仲介エージェント装置が、前記通信基盤を介して受け取った受信コードのバージョン番号と、前記コード保持手段に既に保持されている既存コードのバージョン番号とを比較し、前記受信コードが前記既存コードよりも新しいバージョンであれば、前記受信コードを前記コード保持手段に格納するコード管理手段をさらに備えた構成であることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、通信基盤に流されたコードが最新のバージョンである場合に、そのコードがコード保持手段に格納される。これにより、コードのバージョン管理を正確に行うことが可能となる。
【0023】
前記エージェントシステムは、前記通信基盤を複数備えると共に、前記通信基盤間でメッセージを双方向に伝達するメッセージ伝達手段をさらに備えた構成であることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、複数の通信基盤をメッセージ伝達手段で相互接続することにより、複数の通信基盤間でメッセージのやりとりを行うことが可能となる。これにより、拡張性の高いエージェントシステムを提供することができる。
【0025】
前記の構成において、メッセージ伝達手段が、所定の条件に合致するメッセージのみを伝達することが好ましい。
【0026】
この構成によれば、メッセージ伝達手段が所定の条件に合致するメッセージのみを透過させることにより、例えば、第1の通信基盤と第2の通信基盤との間にメッセージ伝達手段が設けられているとすると、第1の通信基盤側から発信されたメッセージの内、第2の通信基盤側の処理に関係するメッセージのみを選択して透過させることができる。これにより、必要のないメッセージが通信基盤に流れることを防止できるので、メッセージの受け手となる仲介エージェント装置やサービスエージェント装置の負荷を軽減することができる。
【0027】
前記の構成において、メッセージ伝達手段が、すべてのメッセージを無条件に伝達する構成であってもよい。
【0028】
この構成によれば、メッセージ伝達手段において透過させるべきメッセージの選択を行わないので、メッセージ伝達手段の負荷を軽減することができると共に、メッセージ伝達手段に接続される通信基盤が制限されないので、拡張性の高いエージェントシステムを提供できる。
【0029】
前記のエージェントシステムは、サービスエージェント装置が、前記部分処理の機能ブロックを処理するコンポーネントを有し、前記通信基盤の少なくとも一つが、前記サービスエージェント装置内部においてコンポーネント間のメッセージの伝達を行うローカルフィールドであることが好ましい。
【0030】
この構成によれば、サービスエージェント装置内部のコンポーネント間のメッセージのやりとりも、サービスエージェント間のメッセージのやりとりと同様に行うことが可能となり、拡張性の高いエージェントシステムを提供できる。
【0031】
前記エージェントシステムは、サービスエージェント装置が、前記コンポーネントのコードを動的に置き換えるコード置換手段を備えた構成であることが好ましい。
【0032】
この構成によれば、サービスエージェント装置において部分処理の機能ブロックを実行するコンポーネントのコードを動的に置き換えることにより、エージェントシステムの稼働中に、サービスエージェント装置の機能を動的に拡張することが可能となる。
【0033】
前記エージェントシステムは、複数のホストを有し、前記複数のホストの各々が前記通信基盤を少なくとも一つ有する構成であることが好ましい。
【0034】
この構成によれば、エージェントシステムに配置された複数のホストを、各ホストが有する通信基盤を接続することによって、相互に接続することが可能となる。これにより、複数のホストにまたがって広範囲に広がるエージェントシステムを提供することができる。
【0035】
また、前記の目的を達成するために、本発明にかかるエージェントシステムによるサービス提供方法は、ブロードキャスト型の通信基盤上にエージェントを有するエージェントシステムによるサービス提供方法であって、サービス要求への応答処理を、一連の部分処理に分解し、最初の部分処理の開始メッセージを前記通信基盤へ出力し、前記最初の部分処理を実行可能なエージェントが前記開始メッセージを受けて前記最初の部分処理を行い、処理の終了を通知する処理結果通知メッセージを前記通信基盤へ出力し、前記一連の部分処理の各々を実行可能なエージェントが、前の部分処理の処理結果通知メッセージを受けて、各部分処理を行い、処理の終了を通知する処理結果通知メッセージを前記通信基盤へ出力することを、前記一連の部分処理の最後の部分処理が終了するまで繰り返すことを特徴とする。
【0036】
この方法によれば、サービス要求への応答処理を一連の部分処理に分解し、最初の部分処理の開始メッセージを通信基盤へ出力すると、エージェントの内、最初の部分処理の実行が可能なエージェントが、開始メッセージを受け取り、前記最初の部分処理を実行し、処理結果通知メッセージを通信基盤へ出力する。そして、二番目の部分処理を実行可能なエージェントが、前記処理結果通知メッセージを受け取り、二番目の部分処理を実行し、処理結果通知メッセージを通信基盤へ出力する。以降、前の部分処理の処理結果通知メッセージを受けて、部分処理の各々をエージェントが実行することを、最後の部分処理が終了するまで繰り返すことにより、サービス要求への応答処理が行われる。なお、通信基盤がブロードキャスト型であることにより、通信基盤に流されるメッセージは、すべてのエージェントに伝達されるので、エージェント同士が直接的にメッセージのやりとりを行うことはない。従って、エージェントが、メッセージの送信先を管理する必要がない。この結果、エージェントの負荷が軽減され、エージェントシステムにおいて効率の良いサービス提供方法を実現することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施の一形態にかかるマルチエージェントシステムについて説明する。図1は、本実施形態のマルチエージェントシステムの概略構成を示すブロック図である。
【0038】
図1に示すように、本実施形態のマルチエージェントシステム10は、複数のサービスエージェントA1〜A3(サービスエージェント装置)と、メディエータ2(仲介エージェント装置)と、通信基盤としてのフィールド3とを備えている。フィールド3は、マルチエージェントシステム10においてメディエータ2とサービスエージェントとの間の通信やサービスエージェント相互間の通信を媒介すると共に、外部に対するインターフェイスとしても機能する。すなわち、マルチエージェントシステム10は、フィールド3を介して外部からサービス要求を受け付け、このサービス要求を処理した後、フィールド3を介して外部へ回答するようになっている。なお、図1には、3個のサービスエージェントA1〜A3のみを図示したが、サービスエージェントの個数はこれに限定されるものではなく、任意である。
【0039】
サービスエージェントA1〜A3の各々は、処理手続きを記述したモバイルコード(移動コード)に基づいてメディエータ2によって起動されるオブジェクトであり、フィールド3から受け取ったメッセージを処理し、処理結果を記述したメッセージをフィールド3へ出力する。つまり、マルチエージェントシステム10では、サービスエージェントA1〜A3間のメッセージのやりとりは、すべてフィールド3を介して行われるようになっている。
【0040】
フィールド3は、ブロードキャスト型の通信基盤である。すなわち、フィールド3へ送信されたメッセージは、このフィールド3に登録されたすべてのサービスエージェントA1〜A3と、メディエータ2に達することとなる。
【0041】
なお、図1には、一つのフィールド3のみを図示したが、フィールド3は、必要に応じて生成および消去することができるので、マルチエージェントシステム10内に複数のフィールド3が共存することもあり得る。サービスエージェントの各々は、少なくとも一つのフィールド3に登録されている。また、新しいフィールド3の生成時には、新しく生成されたフィールド3に対して少なくとも一つのサービスエージェントが登録される。
【0042】
また、フィールド3は、一つのコンピュータ内で完結する通信媒体であっても良いし、通信回線を介して複数のコンピュータにまたがる通信媒体であってもかまわない。従って、メディエータ2およびサービスエージェントの各々は、一つのコンピュータ上に存在していても良いし、フィールド3が及ぶ範囲の複数のコンピュータ上に散在していても良い。
【0043】
次に、メディエータ2の構成と機能について、詳細に説明する。メディエータ2は、図2に示すように、処理手順記録テーブル2aと、コードテーブル2bと、メッセージシーケンステーブル2cと、コード管理部2dと、処理監視部2eと、メッセージ処理部2fとを含む構成である。
【0044】
処理手順記録テーブル2aには、フィールド3を介して受け取ったサービス要求を処理するために必要な手順が記録されており、メディエータ2は、処理手順記録テーブル2aを参照し、受け取ったサービス要求の処理を複数段階に分解する。例えば、図1に示した例では、フィールド3に対して外部から入力されたサービス要求をM0とし、このサービス要求M0に対する最終的な回答をM1とすると、処理手順記録テーブル2aには、サービス要求M0に対する回答M1を得るために、3段階の部分処理p1、p2、およびp3が必要であることが記録されている。
【0045】
なお、図1に示した例では、部分処理p1を実行するのがサービスエージェントA1であり、部分処理p2を実行するのがサービスエージェントA2、部分処理p3を実行するのがサービスエージェントA3である。メディエータ2の処理手順記録テーブル2aには、部分処理p1、p2、およびp3の各々を実行するために必要なサービスエージェントのクラス名も記録されている。
【0046】
また、メディエータ2のコード管理部2dは、後に詳述するが、各段階の部分処理を実行するサービスエージェントが存在しない場合や、サービスエージェントが他の処理を行っていて当該部分処理を実行することが不可能な場合に、当該部分処理を実行するサービスエージェントを動的に起動させる機能を持つ。
【0047】
各サービスエージェントの処理手順を記述したコード(プログラム)は、上記のコードテーブル2bに記憶されている。なお、これも後に詳述するが、コードのバージョン管理を行うことを可能とするために、コードテーブル2bに保持されているコードの各々は、そのバージョン番号と共に記憶されている。
【0048】
メディエータ2は、さらに、上記したメッセージシーケンステーブル2cに、一連の処理に関連するメッセージのシーケンスを記憶している。例えば、図1に示した例では、メッセージシーケンステーブル2cには、サービス要求M0を受け取った後に最初の部分処理p1をスタートさせるために必要なメッセージがm0であり、部分処理p1の処理結果として出力されるメッセージがm1であり、このメッセージm1を受けて実行される部分処理p2の処理結果として出力されるメッセージがm2であり、メッセージm2を受けて実行される部分処理p3の処理結果として出力されるメッセージがm3であることが記録されている。
【0049】
また、メディエータ2の処理監視部2eは、メッセージシーケンステーブル2cに記録されたメッセージのシーケンスに基づき、各段階の処理が正しく行われているか否かを監視する機能を持つ。つまり、処理監視部2eは、あるメッセージがフィールド3に流れた後、所定の時間が経過しても、上記メッセージの次のメッセージがフィールド3に流れない場合には、上記メッセージを処理するサービスエージェントが起動されていないと判断し、コードテーブル2bから当該サービスエージェントのコードを取り出して、そのサービスエージェントを起動する。
【0050】
メディエータ2のメッセージ処理部2fは、フィールド3を介して入力されたサービス要求の処理を複数段階の部分処理に分解し、最初の部分処理をスタートさせるために必要なメッセージをフィールド3へ投げる処理や、最後の部分処理の処理結果を、最終的な回答としてフィールド3へ返す処理を行う。
【0051】
ここで、サービス要求があった場合の、マルチエージェントシステム10の処理の手順を、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
【0052】
外部からフィールド3に対してサービス要求が入力されると、メディエータ2はフィールド3を介してこのサービス要求を受け取り、メッセージ処理部2fが、処理手順記録テーブル2aを参照し、上記サービス要求の処理を複数段階の部分処理に分解する(ステップMS1)。
【0053】
さらに、メッセージ処理部2fは、最初の部分処理をスタートさせるための第1の開始メッセージをメッセージシーケンステーブル2cから取得して、フィールド3へ出力する(ステップMS2)。なお、上記の第1の開始メッセージは、図1に示した例では、メッセージm0に相当する。
【0054】
フィールド3に登録されているサービスエージェントの各々は、第1の開始メッセージを受け取ると、自らが当該部分処理を実行可能であるか否かを判断し(ステップAS1)、実行可能であれば、第1の開始メッセージを取り込んで最初の部分処理を実行し、処理結果を記述した処理結果通知メッセージをフィールド3へ出力する(ステップAS2)。ここでの処理結果として出力されるメッセージは、図1に示した例では、メッセージm1に相当するものであり、次の部分処理(p2)をスタートさせる第2の開始メッセージとなる。
【0055】
メディエータ2の処理監視部2eは、フィールド3に出力された処理結果通知メッセージを受けると(ステップMS3にてYES)、メッセージシーケンステーブル2cを参照し、後続の部分処理がまだ残っていれば(ステップMS6にてNO)、ステップMS3へ戻る。
【0056】
一方、メディエータ2において、処理監視部2eは、メッセージシーケンステーブル2cの内容に基づいて、フィールド3に流れるメッセージを監視する。つまり、メッセージシーケンステーブル2cには、第1の開始メッセージの次にフィールド3に流れるべきメッセージが第2の開始メッセージであることが記録されている。従って、処理監視部2eは、ステップMS2で第1の開始メッセージが出力された後、所定の時間内にサービスエージェントから第2の開始メッセージが出力されなかった場合には(ステップMS3にてNO)、最初の部分処理を実行可能なサービスエージェントが存在しないものと判断する。
【0057】
この場合、処理監視部2eは、最初の部分処理を実行可能なサービスエージェントを起動するためのコードがコードテーブル2bにあるか否かを確認し(ステップMS4)、コードが存在すれば、コードテーブル2bからそのコードを取得し、サービスエージェントを起動する(ステップMS5)。
【0058】
上記したように、複数段階の部分処理の各々が終了する毎に、次の部分処理の開始メッセージがフィールド3に流され、このメッセージを実行可能なサービスエージェントが次の部分処理を実行することを繰り返し、最後の部分処理が終了すると(ステップMS6にてYES)、メディエータ2の処理監視部2eが、最後の部分処理の結果としてフィールド3へ出力されたメッセージを検知し、メッセージ処理部2fが、そのメッセージを最終的な回答(図1に示す回答M1)に変換してフィールド3へ出力することにより(ステップMS7)、サービス要求に対する処理が終了する。
【0059】
このように、本実施形態のマルチエージェントシステム10では、サービスエージェント同士が直接的にメッセージの送受信を行わず、各サービスエージェントは、自らが実行可能なメッセージのみを取り込んで処理し、処理結果をフィールド3へ出力するだけで良い。すなわち、サービスエージェントがメッセージの送信先を管理する必要がないという利点がある。
【0060】
次に、メディエータ2によるコードの管理について説明する。前述したように、メディエータ2は、サービスエージェントを動的に起動するためのコードを、コードテーブル2bに記憶している。システム管理者等が、必要に応じて、新しいコードの追加や既存のコードのバージョンアップを行う可能性があるので、コードテーブル2bには、前述したように、各コードのバージョン番号が併せて記憶されている。
【0061】
例えば、新しいコードの追加や、既存のコードのバージョンアップを行う場合、システム管理者等は、新しいコードを、モバイルコードとして、一般のメッセージと同様にフィールド3へ流す。なお、このとき、新しいコードのバージョン番号を上記モバイルコードに付しておく。
【0062】
ここで、フィールド3にモバイルコードが流されたときのメディエータ2の処理手順について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
【0063】
メディエータ2において、メッセージ処理部2fが、通常のメッセージと同様に、フィールド3からモバイルコードを受け取ると(ステップS1)、コード管理部2dがコードテーブル2bを参照することにより、受け取ったモバイルコードが、コードテーブル2bに既に記憶されているコードと同じであるか否かを判断する(ステップS2)。
【0064】
そして、受け取ったモバイルコードが、コードテーブル2bに記憶されているコードでなければ(ステップS2にてNO)、ステップS4へ進む。一方、受け取ったモバイルコードが、コードテーブル2bに既に記憶されているコードと同じであれば(ステップS2にてYES)、ステップS3へ進み、受け取ったモバイルコードのバージョン番号と、コードテーブル2bに記憶されているコードのバージョン番号とを比較する。
【0065】
この比較の結果、受け取ったモバイルコードに付けられたバージョン番号の方が新しければ(ステップS3にてYES)、ステップS4へ進む。また、受け取ったモバイルコードに付けられたバージョン番号が、コードテーブル2bに記憶されているコードのバージョン番号よりも古い場合または同じである場合(ステップS3にてNO)は、処理を終了する。
【0066】
ステップS4では、受け取ったモバイルコードを、そのバージョン番号と共に、コードテーブル2bへ保存する。なお、このときに、古いバージョンのコードを破棄してもよいし、新しいバージョンのコードとは別に保存しておいても構わない。
【0067】
このように、本実施形態のマルチエージェントシステム10では、ブロードキャスト型のフィールド3に流されるコードを受け取って、メディエータ2が自律的にコードの管理を行うことにより、コードの送り手が、コードの送り先を意識する必要がないので、コードの管理が容易となるという利点がある。
【0068】
また、本実施形態のマルチエージェントシステム10では、通信基盤としてブロードキャスト型のフィールド3を用いたことにより、例えばpeer−to−peerタイプの通信基盤を用いた場合と比較すると、次の点で有利である。つまり、メディエータ2が、サービス要求の一連の処理の全体を逐次管理する必要がなく、部分処理を実行したサービスエージェントからフィールド3へ出力されるメッセージのみを監視していれば良いので、複数のサービス要求を並列処理することも可能である。
【0069】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施にかかる他の形態について説明する。なお、前記した実施の形態1で説明した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0070】
本実施形態のマルチエージェントシステムは、前記した実施の形態1のマルチエージェントシステム10と同様の構成を有するが、メディエータ2が、各部分処理に先だって、当該部分処理を実行可能なサービスエージェントの存在を確認する処理を行う点において、実施の形態1と異なる。
【0071】
ここで、図5に示すように、フィールド3上に、2つのサービスエージェントC1およびC2と、メディエータ2とが存在するものとし、外部からサービス要求があった場合の処理手順について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。なお、サービスエージェントC1およびC2は、特定のメッセージCのみを処理可能なサービスエージェントであるものとする。
【0072】
外部からフィールド3に対してサービス要求が入力されると、メディエータ2はフィールド3を介してこのサービス要求を受け取り、メディエータ2のメッセージ処理部2fが、処理手順記録テーブル2aを参照して上記サービス要求の処理を複数段階の部分処理に分解する。(ステップMS11)。なお、ここでは、最初の部分処理が、メッセージCの処理に相当するものとし、メッセージシーケンステーブル2cにおいて、当該サービス要求のメッセージのシーケンスの先頭に、メッセージCが記録されているものとする。
【0073】
次に、メッセージ処理部2fは、部分処理を実行可能なサービスエージェントの存在を問い合わせるための検索メッセージを、フィールド3へ出力する(ステップMS12)。ここでは、最初の部分処理として、メッセージCの処理を実行可能なサービスエージェントの存在を問い合わせる検索メッセージが出力されることとなる。
【0074】
フィールド3に登録されているサービスエージェントC1およびC2は、上記の検索メッセージを受け取ると、自らが当該部分処理を処理可能であるか否かを判断する(ステップAS11)。ここでは、ステップAS11の判断結果がYESであるので、処理可能である旨を通知するための処理可能通知メッセージを作成し、自らの識別子を付けて、フィールド3へ出力する(ステップAS12)。
【0075】
このように、検索メッセージに対して、複数のサービスエージェントが処理可能通知メッセージを出力した場合には、フィールド3に対して最も早く出力された処理可能通知メッセージのみがメディエータ2に受け付けられ、他の処理可能通知メッセージは無視される。従って、サービスエージェントC1およびC2のうち、フィールド3に対して処理可能通知メッセージを最も早く出力したサービスエージェントが、当該部分処理を実行することとなる。
【0076】
上記のようにステップMS12で検索メッセージを出力した後、所定の時間内にいずれかのサービスエージェントから処理可能通知メッセージを受け取った場合には(ステップMS13にてYES)、メディエータ2のメッセージ処理部2fは、最初の部分処理として、メッセージCの処理を要求する処理要求メッセージをフィールド3へ出力する(ステップMS16)。
【0077】
なお、上記の処理要求メッセージには、メディエータ2が受け取った処理可能通知メッセージに付けられていたサービスエージェントの識別子が含まれる。これにより、各サービスエージェントは、フィールド3へ出力された処理要求メッセージに含まれる識別子が自らの識別子と一致した場合にのみ(ステップAS13にてYES)、この処理要求メッセージを取り込み、要求された部分処理を実行する(ステップAS14)。
【0078】
その後、部分処理を実行したサービスエージェントは、処理結果を通知する処理結果通知メッセージをフィールド3へ出力する。メディエータ2の処理監視部2eは、このメッセージを受けると、メッセージシーケンステーブル2cを参照し、後続の部分処理がまだ残っていれば(ステップMS17にてNO)、ステップMS12へ戻り、次の部分処理を実行するためのメッセージ名をメッセージシーケンステーブル2cから取得し、そのメッセージを処理可能なサービスエージェントの存在を問い合わせる検索メッセージを、フィールド3へ出力する。
【0079】
例えば、ここで、次の部分処理を実行するためのメッセージ名をメッセージDとすると、この時点でフィールド3上に存在するサービスエージェントC1およびC2は、メッセージCのみを処理可能であるので、ステップMS12で検索メッセージが出力されてから所定の時間が経過しても、いずれのサービスエージェントからも処理可能通知メッセージは出力されない(ステップMS13にてNO)。
【0080】
この場合、処理監視部2eは、メッセージDを処理可能なサービスエージェントが存在しないものと判断する。そこで、処理監視部2eは、メッセージDを処理可能なサービスエージェントを起動するためのコードがコードテーブル2bにあるか否かを確認し(ステップMS14)、コードが存在すれば、コードテーブル2bからそのコードを取得し、図5に破線で示したように、メッセージDを処理可能なサービスエージェントD1を起動する(ステップMS15)。
【0081】
以降、ステップMS17において、最後の部分処理が終了したと判断されるまで、上述の処理を繰り返すことにより、部分処理の各々が、適当なサービスエージェントによって実行される。そして、最後の部分処理が終了すると、メディエータ2のメッセージ処理部2fが、その結果をフィールド3へ出力することにより、サービス要求に対する最終的な回答がなされることとなる(ステップMS18)。
【0082】
このように、本実施形態のマルチエージェントシステム10は、メディエータ2が、サービス要求の部分処理を実行可能なサービスエージェントの存在を確認するための検索メッセージをフィールド3へ出力し、処理可能通知メッセージを最も早く出力したサービスエージェントに各部分処理を実行させる。従って、メディエータ2は、部分処理を実行可能なサービスエージェントの名前を予め知っておく必要がないという利点がある。
【0083】
また、本実施形態のマルチエージェントシステム10では、通信基盤としてブロードキャスト型のフィールド3を用いたことにより、例えばpeer−to−peerタイプの通信基盤を用いた場合と比較すると、次の点で有利である。つまり、メディエータ2が、サービス要求の一連の処理の全体を逐次管理する必要がなく、部分処理を実行したサービスエージェントからフィールド3へ出力されるメッセージのみを監視していれば良いので、複数のサービス要求を並列処理することも可能である。
【0084】
(実施の形態3)
本発明の実施にかかるさらに他の形態について説明する。
【0085】
本実施形態のマルチエージェントシステムは、図7に示すように、実施の形態1で説明したマルチエージェントシステム10と同様の構成を有するマルチエージェントシステム11に、ゲートウェイエージェントG1(メッセージ伝達手段)を介して、サービスエージェントB1が接続された構成である。
【0086】
なお、マルチエージェントシステム11は単一のフィールド31を有し、サービスエージェントB1も、ローカルに生成された単一のフィールド32を有し、ゲートウェイエージェントG1は、フィールド31とフィールド32とを接続するものである。フィールド31および32の双方とも、実施の形態1で説明したフィールド3と同様に、ブロードキャスト型の通信基盤である。
【0087】
マルチエージェントシステム11において、前記したフィールド31には、実施の形態1のメディエータ2と同様の機能を有するメディエータ21と、サービスエージェントA1およびA2が登録されている。また、ゲートウェイエージェントG1も、フィールド31に登録されている。
【0088】
サービスエージェントB1において、フィールド32には、メディエータ22と、コンポーネントE1およびE2が登録されている。また、ゲートウェイエージェントG1も、フィールド32に登録されている。コンポーネントとは、サービスエージェントの中で自律的に動作する処理主体であり、サービスエージェントと粒度が異なるだけで、同様の機能を有する。なお、図7では、サービスエージェントB1内のコンポーネントとして、コンポーネントE1およびE2の2個のみを図示したが、コンポーネントの数は任意である。
【0089】
すなわち、サービスエージェントが、サービス要求の処理を複数段階に分解した部分処理の各々を実行するものであるのに対し、コンポーネントは、サービスエージェントが実行する部分処理をさらに細分化した処理を行うものである。例えば、図7に示すサービスエージェントB1が所定の部分処理を行う機能を有する場合、コンポーネントE1およびE2は、上記部分処理を、さらに複数の機能ブロックに分解し、各機能ブロックの処理を分担して行う。
【0090】
また、メディエータ22は、実施の形態1のメディエータ2が備える処理手順記録テーブル2a、コードテーブル2b、メッセージシーケンステーブル2c、コード管理部2d、処理監視部2e、およびメッセージ処理部2fと同様の機能を有する構成を有し、メディエータ2がサービスエージェントに対して行う処理と同様の処理を、コンポーネントに対して行う。
【0091】
ゲートウェイエージェントG1は、前記したように、ブロードキャスト型の通信基盤であるフィールド31に登録されているので、フィールド31に流されるメッセージのすべてを受信する。そして、ゲートウェイエージェントG1は、受信したメッセージの内、サービスエージェントB1に関するメッセージのみを選択し、フィールド32へ出力する機能を有する。
【0092】
ここで、フィールド31に、サービスエージェントB1が実行可能な部分処理の開始メッセージが流された場合の処理について説明する。
【0093】
前述したように、上記の開始メッセージは、ゲートウェイエージェントG1によって選択され、フィールド32へ出力される。メディエータ22は、フィールド32からこの開始メッセージを受け取り、上記部分処理の実行を開始するために、実施の形態1のメディエータ2がサービス要求の処理を複数段階の部分処理に分解するのと同様に、上記部分処理を、一連の機能ブロックに分解して、最初の機能ブロックの処理を開始させるメッセージを作成し、フィールド32へ出力する。
【0094】
そして、コンポーネントE1およびE2が、実施の形態1のサービスエージェントA1〜A3と同様に、自らが処理可能な機能ブロックを処理し、処理結果を通知するメッセージをフィールド32へ出力する。これにより、上記一連の機能ブロックが順次処理され、すべての機能ブロックの処理が終了することにより、サービスエージェントB1における部分処理が完了する。
【0095】
なお、機能ブロックの処理に必要なコンポーネントが起動されていない場合には、実施の形態1のメディエータ2がサービスエージェントを起動するのと同様に、メディエータ22が、保持しているコードに基づいて、コンポーネントを起動すればよい。
【0096】
サービスエージェントB1における部分処理が完了すると、メディエータ22が、この部分処理の結果を記述したメッセージをフィールド32に出力し、ゲートウェイエージェントG1が、上記メッセージをフィールド31へ出力する。これにより、サービスエージェントB1による部分処理に続く部分処理が残っている場合には、マルチエージェントシステム11において、後続の部分処理が実行されることとなる。
【0097】
なお、サービスエージェントB1において、メディエータ22は、一連の機能ブロックの処理を逐次管理する必要はなく、フィールド32へ出力されるメッセージのシーケンスを監視するだけでよいので、複数のコンポーネントによって複数のメッセージを並列に処理することが可能である。
【0098】
また、サービスエージェントB1の各コンポーネントを、さらに複数のコンポーネントとローカルフィールドとによって構成することも可能である。この場合、サービスエージェントB1のフィールド32と上記ローカルフィールドとを接続するゲートウェイエージェントを設ければよい。
【0099】
このように、ブロードキャスト型の通信基盤であるフィールドと、フィールド同士を接続して必要なメッセージのみを選択的に透過させるゲートウェイエージェントとを用いることにより、メッセージの送信先を指定しなくても、サービスエージェントおよびコンポーネント間でメッセージのやりとりを行うことが可能となる。
【0100】
また、サービスエージェントB1においてコンポーネントのコードのバージョンアップ等を行う場合には、フィールド31にコンポーネントのモバイルコードを流し、ゲートウェイエージェントG1がこのモバイルコードをフィールド32へ送ることにより、サービスエージェントB1内のコンポーネントのコードを動的に入れ替えることができる。
【0101】
なお、このとき、メディエータ22は、フィールド32からモバイルコードを受け取ると、コードテーブルを参照し、受け取ったモバイルコードのバージョンが最新のバージョンであれば、同じ機能を持つコンポーネントを終了させるメッセージをフィールド32へ流し、その後、受信したモバイルコードを用いてコンポーネントを再起動させるようにすればよい。
【0102】
以上のように、マルチエージェントシステムに、ローカルに生成したフィールドを有するサービスエージェントを、ゲートウェイエージェントを介して接続することにより、システムを容易に拡張することができる。
【0103】
(実施の形態4)
本発明の実施にかかるさらに他の形態について説明する。
【0104】
本実施形態のマルチエージェントシステムは、図8に示すように、ネットワーク上のホスト41および42の各々に、ブロードキャスト型の通信基盤であるフィールド33および34を設け、ホストコンピュータ41上に設けられたリピータR1(メッセージ伝達手段)によって、フィールド33とフィールド34とを接続した構成である。
【0105】
リピータR1は、実施の形態3のゲートウェイエージェントG1と同様に、接続したフィールド間でメッセージを透過させる機能を持つが、透過させるメッセージの選択を行わず、すべてのメッセージを無条件に透過させる点において、ゲートウェイエージェントとは異なっている。
【0106】
ホスト41上には、上記のフィールド33とリピータR1の他に、メディエータ23と、サービスエージェントA1およびA2とが存在する。なお、メディエータ23と、サービスエージェントA1およびA2とは、フィールド33に登録されており、フィールド33に流されるメッセージのすべてを受信することができる。
【0107】
ホスト42上には、上記のフィールド34の他に、サービスエージェントF1およびF2が存在する。サービスエージェントF1およびF2は、フィールド34に登録されており、フィールド34に流されるメッセージのすべてを受信することができる。なお、ホスト42側には、メディエータは存在しない。
【0108】
メディエータ23は、実施の形態1のメディエータ2と同様の機能を有し、受け取ったサービス要求の処理を複数段階の部分処理に分解し、最初の部分処理を開始させるための開始メッセージをフィールド33へ出力する。この開始メッセージは、フィールド33を介してサービスエージェントA1およびA2に伝達され、さらにリピータR1およびフィールド34を介してサービスエージェントF1およびF2にも伝達される。
【0109】
そして、実施の形態1で説明したように、いずれかのサービスエージェントが、上記開始メッセージを処理し、さらに後続の部分処理が各サービスエージェントに順次実行されることにより、サービス要求への回答が作成される。
【0110】
また、所定の時間が経過しても各部分処理の処理結果を通知する処理結果通知メッセージがフィールド33に流れない場合には、実施の形態1のメディエータ2と同様に、メディエータ23が、当該部分処理を実行するためのサービスエージェントを動的に起動する。
【0111】
以上のように、リピータR1が、フィールド33からフィールド34へ、また、フィールド34からフィールド33へ、双方向にすべてのメッセージを無条件に透過させることにより、複数のホストにまたがったマルチエージェントシステムを実現できる。これにより、コンピュータ資源を有効に活用することができ、拡張性の高いシステム構築が可能となる。
【0112】
なお、上述した実施の形態のそれぞれにおいて説明したメディエータ、サービスエージェント、ゲートウェイエージェント、およびリピータの各々は、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されたプログラムや、コンピュータ等の記憶装置にインストールされたプログラムとして実施することが可能である。
【0113】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ブロードキャスト型の仲介エージェント装置を介してメッセージのやりとりを行うことによって、各エージェント装置がメッセージの送信先の情報を管理することなく、複数のエージェント装置が協調してサービス要求を処理するエージェントシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかるマルチエージェントシステムの概略構成を、メッセージの流れと共に示す説明図
【図2】 前記マルチエージェントシステムが備えるメディエータの構成を示すブロック図
【図3】 前記マルチエージェントシステムにおいて、サービス要求を受けたときの、メディエータとサービスエージェントの処理の手順を示すフローチャート
【図4】 前記メディエータにおけるコード管理の処理手順を示すフローチャート
【図5】 本発明の実施の形態2にかかるマルチエージェントシステムの概略構成を示すブロック図
【図6】 実施の形態2にかかるマルチエージェントシステムにおいて、サービス要求を受けたときの、メディエータとサービスエージェントの処理の手順を示すフローチャート
【図7】 本発明の実施の形態3にかかるマルチエージェントシステムの概略構成を示すブロック図
【図8】 本発明の実施の形態4にかかるマルチエージェントシステムの概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
2・21〜23 メディエータ
2a 処理手順記録テーブル
2b コードテーブル
2c メッセージシーケンステーブル
2d コード管理部
2e 処理監視部
2f メッセージ処理部
3・31〜34 フィールド
10・11 マルチエージェントシステム
41・42 ホスト

Claims (3)

  1. 複数のエージェント装置と通信接続可能であり、通信接続された一つのエージェント装置から受信したメッセージを、通信接続された他のエージェント装置の全てに送信する通信基盤と、
    サービス要求への応答処理を、各サービス要求ごとにあらかじめ用意された手順に従って一連の部分処理に分解し、最初の部分処理の開始メッセージを前記通信基盤へ出力する仲介エージェント装置と、
    部分処理を実行するサービスエージェント装置とを有し、
    前記サービスエージェント装置が、前記部分処理の開始メッセージまたは前記部分処理の直前の部分処理の処理結果通知メッセージを前記通信基盤から受け取って前記部分処理の実行を開始し、前記部分処理の終了を通知する処理結果通知メッセージを前記通信基盤へ出力し、
    前記仲介エージェント装置が、前記サービスエージェント装置のそれぞれの処理手順を記述したプログラムであるコードを保持するコード保持手段と、前記一連の部分処理の処理状況を監視し、前記一連の部分処理のうちの一つの部分処理を行うサービスエージェント装置が起動されていないと判断したときに、該サービスエージェント装置を前記コードに基づいて起動する監視手段とを備え、
    前記仲介エージェント装置が、一連の部分処理の各々の実行に伴って前記サービスエージェント装置から前記通信基盤に出力される前記処理結果通知メッセージを記憶するメッセージ記憶手段をさらに備えると共に、
    前記監視手段が、前記メッセージ記憶手段を参照し、一つの処理結果通知メッセージが出力された後、所定の時間が経過しても次の処理結果通知メッセージが出力されない場合に、該次の処理結果通知メッセージを処理結果として出力する部分処理を実行するサービスエージェント装置を動的に起動するエージェントシステム。
  2. 複数のエージェント装置と通信接続可能であり、通信接続された一つのエージェント装置から受信したメッセージを、通信接続された他のエージェント装置の全てに送信する通信基盤と、
    サービス要求への応答処理を、各サービス要求ごとにあらかじめ用意された手順に従って一連の部分処理に分解し、最初の部分処理の開始メッセージを前記通信基盤へ出力する仲介エージェント装置と、
    部分処理を実行するサービスエージェント装置とを有し、
    前記サービスエージェント装置が、前記部分処理の開始メッセージまたは前記部分処理の直前の部分処理の処理結果通知メッセージを前記通信基盤から受け取って前記部分処理の実行を開始し、前記部分処理の終了を通知する処理結果通知メッセージを前記通信基盤へ出力し、
    前記仲介エージェント装置が、前記サービスエージェント装置のそれぞれの処理手順を記述したプログラムであるコードを保持するコード保持手段と、前記一連の部分処理の処理状況を監視し、前記一連の部分処理のうちの一つの部分処理を行うサービスエージェント装置が起動されていないと判断したときに、該サービスエージェント装置を前記コードに基づいて起動する監視手段とを備え、
    前記仲介エージェント装置が、部分処理を実行可能なサービスエージェント装置の存在を確認する検索メッセージを、前記通信基盤へ出力するメッセージ処理手段をさらに備え、
    前記サービスエージェント装置が、前記検索メッセージに対して、前記部分処理の実行が可能である場合に、前記通信基盤へ処理可能通知メッセージを出力する通知手段を備えると共に、
    前記仲介エージェント装置のメッセージ処理手段が、前記検索メッセージを出力した後、所定の時間が経過しても、前記通信基盤から前記処理可能通知メッセージを受け取れない場合に、前記監視手段が、前記部分処理を実行するサービスエージェント装置を動的に起動するエージェントシステム。
  3. 前記サービスエージェント装置の通知手段が、各サービスエージェント装置に固有の識別子を、前記処理可能通知メッセージに付し、
    前記仲介エージェント装置のメッセージ処理手段が、前記処理可能通知メッセージを受けた場合、前記部分処理の実行を要求する処理要求メッセージに、前記処理可能通知メッセージに付されていた前記識別子を付して、前記通信基盤へ出力し、
    各サービスエージェント装置が、自らの識別子と一致する識別子を付された処理要求メッセージを受け取ったときのみ要求された部分処理を実行する請求項に記載のエージェントシステム。
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