JP3949153B1 - 作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作レバーによるキャビンの破損を防止できると共に操作レバーの操作を容易になし得る作業機を提供する。
【解決手段】トラクタ後部の三点リンク3に連結される作業機本体4と、作業機本体4に前後回動自在に設けられ上方に延出する操作レバー5とを備えた作業機1において、操作レバー5が、作業機本体4に枢支されるレバー基部9と、レバー基部9の上端部に前後回動自在に連結されトラクタ2に当たったとき後方に退避するレバー操作部10と、レバー操作部10を前方に弾発付勢する復帰用スプリングと、レバー操作部10の前方回動を規制する受部と、レバー操作部10と一緒に握るように形成されたグリップレバー13と、グリップレバー13がレバー操作部10と一緒に握られたときレバー操作部10の後方回動を規制するロック機構14と、レバー操作部10の回動規制を解除するようにロック機構14を弾発付勢するロック解除用スプリングとを備えたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、トラクタの三点リンクに連結され上方に延出する操作レバーを有するトラクタ直装作業機に係り、特に操作レバーの安全機構に関する。
トラクタの三点リンクに連結されるトラクタ直装作業機としては、ライムソーワ等の肥料散布機が知られている。肥料散布機は、肥料を収容するホッパに、肥料散布口を形成すると共に肥料散布口の開度を調整するためのシャッタを設けてなるものであり、シャッタ調節用の操作レバーを有するものが一般的である。操作レバーは、ホッパの上方に延びて配置されており、容易に手動操作できるようになっている。
また、トラクタの三点リンクは、肥料散布機のみならず様々な作業機を接続するものであり、接地する作業機に対応するために通常跳ね上げられるようになっている。また特に、三点リンクは、作業機を跳ね上げたときにトラクタのバランスを崩さないように斜め前方に跳ね上がるようになっており、作業プログラム又はスイッチ等の設定により旋回時に自動的に跳ね上がるようになっているものもある。
特開2006−75065号公報
ところで、上述のように三点リンクは斜め上方に跳ね上がるようになっているため、肥料散布機のように上方に延びる操作レバーを有する作業機を不注意等によって跳ね上げると、操作レバーの先端部がトラクタ操作席を覆うキャビンに当たり、キャビンを構成するガラス部を破損してしまう可能性があるという問題があった。
特に近年は低馬力の小型トラクタにもキャビンの製品設定がある機種が多くなり、かかる小型トラクタのキャビンは快適な空間を少しでも確保しようとするため、車体とのバランスが悪くなる程に大きくなる傾向にある。また、作業者の負荷軽減を目的としてトラクタの自動化が進んでおり、作業プログラムの選択ミス、操作スイッチの解除忘れ等により三点リンクがいとも簡単に誤動作することがある。このため、上記問題が発生し易く、ガラスの破損事故が増加する傾向にある。
また、特許文献1には、かかる問題を解決する技術が開示されているが、操作レバーを前方又は後方に回動させるように操作するとき必ず操作レバーを引っ張りながら、または、押し込みながら行わなくてはならず、力のベクトルが90°異なる方向の動作を同時に行う必要があり、操作が煩雑であるという課題があった。特に、肥料散布機のシャッタを開閉する操作レバーは、操作席上の作業者が、トラクタを繰舵しつつキャビンの窓から片手を後方に延ばして操作するものであり、シャッタの開閉は、開く側(操作レバーを前方に引く側)に急速な操作が求められるため、上記のような複雑な操作を行うのはかなり難しいといえる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、操作レバーによるキャビンの破損を防止できると共に操作レバーの操作を容易になし得る作業機を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、トラクタ後部の三点リンクに連結され三点リンクの跳ね上げ動作により斜め前方に跳ね上げられる作業機本体と、作業機本体に前後回動自在に設けられ作業機本体の上方に延出する操作レバーとを備えた作業機において、上記操作レバーが、作業機本体に枢支されるレバー基部と、該レバー基部の上端部に前後回動自在に連結され上記三点リンクの跳ね上げ動作によって上記トラクタに当たったとき後方に回動して退避するレバー操作部と、該レバー操作部を前方に回動させるように弾発付勢する復帰用スプリングと、上記レバー基部に設けられレバー操作部の前方への回動を規制する受部と、上記レバー操作部に回動自在に設けられレバー操作部と一緒に握るように形成されたグリップレバーと、該グリップレバーに連結されグリップレバーが上記レバー操作部と一緒に握られたときレバー操作部の後方回動を規制するロック機構と、上記レバー操作部の回動規制を解除するようにロック機構又はグリップレバーを弾発付勢するロック解除用スプリングとを備えたものである。
上記グリップレバーは、上記レバー操作部に前後方向に回動するように設けられるとよい。
上記ロック機構は、上記レバー操作部に長手方向に沿ってスライド自在に設けられると共に上記グリップレバーに連結されるピンと、上記レバー基部に設けられ上記ピンに係脱自在に嵌合される嵌合穴とを備えるとよい。
本発明によれば、操作レバーによるキャビンの破損を防止できると共に操作レバーの操作を容易になし得る。
本発明の好適実施の形態を添付図面を用いて説明する。
図1に示すように、作業機たる肥料散布機1は、トラクタ2の後部の三点リンク3に連結され三点リンク3の跳ね上げ動作により斜め前方に跳ね上げられる散布機本体4と、散布機本体4に前後回動自在に設けられ散布機本体4の上方に延出する操作レバー5とを備えて構成されている。図1、図4及び図5に示すように、散布機本体4は、肥料を収容すると共に底部に肥料散布口(図示せず)を有するホッパ6と、ホッパ底部に車幅方向スライド自在に設けられた散布量調節用のシャッタ7とを備える。シャッタ7は、車幅方向の一方方向にスライドされることで肥料散布口の開度を大きくし、他方方向にスライドされることで肥料散布口の開度を小さくするようになっている。
操作レバー5は、肥料の散布量を手動にて調節するためのものであり、リンク機構8を介してシャッタ7に連結されている。操作レバー5は、前方に回動されることで肥料散布口の開度を大きくするようにシャッタ7をスライドさせ、後方に回動されることで肥料散布口の開度を小さくするようにシャッタ7をスライドさせるようになっている。図2(a)、(b)及び図4に示すように、操作レバー5は、散布機本体4に車幅方向に延びる軸回り回動自在に枢支されるレバー基部9と、レバー基部9の上端部に前後回動自在に連結されトラクタ運転者が把持・操作するためのレバー操作部10と、レバー基部9に設けられレバー操作部10を前方に回動させるように弾発付勢する復帰用スプリング11と、レバー基部9に設けられレバー操作部10の前方への回動を規制する受部12と、レバー操作部10に回動自在に設けられレバー操作部10と一緒に握るように形成されたグリップレバー13と、グリップレバー13に連結され、グリップレバー13がレバー操作部10と一緒に握られたときレバー操作部10の後方回動を規制するロック機構14と、レバー操作部10の回動規制を解除するようにロック機構14を弾発付勢するロック解除用スプリング15とを備えて構成されている。
図2(a)、(b)及び図6に示すように、レバー操作部10は、上下に延びる棒状に形成されており、三点リンク3の跳ね上げ動作によってトラクタ2のキャビン16等に当たったとき後方に回動して退避するようになっている。レバー操作部10の上端には、樹脂等の緩衝材からなるキャップ17が設けられており、キャビン16等に当たったときの衝撃を吸収するようになっている。また、レバー操作部10には、後述するロック機構14のピン18をガイドするためのガイド部19が径方向に延びて設けられている。復帰用スプリング11は、レバー基部9とレバー操作部10とを連結する枢支軸20に巻回される弦巻バネからなり、一端をレバー基部9に留められると共に他端をレバー操作部10に留められている。図2(b)及び図3に示すように、受部12は、レバー基部9の上端にアングル状に屈曲する水平部を形成してなる。図3に示すように、受部12にはレバー操作部10を収容する平面視U字状の切欠21が形成されており、レバー操作部10に車幅方向の力が加わったときその力をU字の両側で受け、枢支軸20に無理な力が作用しないようになっている。
図2(a)、(b)、(c)に示すように、グリップレバー13は、レバー操作部10の上端部に水平軸回り回動自在に設けられ上方に延びるニギリ部22と、ニギリ部22の基端から略直角に延びロック機構14に連結される連結レバー部23とからなる。ニギリ部22は、ロック機構14を介してロック解除用スプリング15の弾発力を受けるようになっており、この弾発力により上端側をレバー操作部10から離間させるようになっている。また、ニギリ部22は、連結レバー部23よりも長く形成されており、レバー操作部10と一緒に握られたときその力を大きくしてロック機構14に伝えるようになっている。ニギリ部22はレバー操作部10の後方に位置されており、肥料散布機1が三点リンク3によって跳ね上げられてもトラクタ2のキャビン16等に当たらないようになっている。また、グリップレバー13は、レバー操作部10と一緒に握られたときニギリ部22の上端がレバー操作部10に当接して回動を規制されると共に、解放されたときニギリ部22の下端部がレバー操作部10に当接して回動を規制されるようになっており、ロック解除用スプリング15を常に弾性変形させた状態に保ち、かつ、過度に変形させないようになっている。
ロック機構14は、レバー操作部10に長手方向に沿ってスライド自在に設けられると共にグリップレバー13に連結されるピン18と、レバー基部9に設けられピン18に係脱自在に嵌合される嵌合穴24とを備えて構成されている。ピン18は、レバー操作部10と平行に延びる棒状に形成されており、上端をグリップレバー13の連結レバー部23の先端に水平軸回り回動自在に連結されると共に、下端部をレバー操作部10に設けられたガイド部19に軸方向スライド自在にガイドされている。ガイド部19には、ピン18を挿通させるガイド孔25が形成されており、常にピン18の外周面に当接されるようになっている。また、ピン18は、下端を先細に形成されている。嵌合穴24は、受部12にピン18の下端を挿入するための穴を形成してなるものであり、ピン18が下方にスライドされたときピン18を挿入させ、ピン18が上方にスライドされたときピン18から離脱されるようになっている。ロック解除用スプリング15は、ピン18の下端部に設けられピン18を上方に弾発付勢するコイルバネからなる。具体的には、ロック解除用スプリング15は、ピン18の外周に同軸上に配置されており、ピン18の外周に形成された凸部26に上端を係合されると共にガイド部19の上面に下端を係合され、凸部26を上方に弾発付勢するようになっている。
次に本実施の形態の作用を述べる。
トラクタ運転者が肥料散布機1の操作レバー5を操作してシャッタ7を開く場合、レバー操作部10を把持し、前方に引く。このとき、レバー操作部10は、復帰用スプリング11により前方に弾発付勢され、さらに、レバー基部9の受部12に当接されて前方への回動を規制されているため、レバー操作部10は枢支軸20回りに回動することなく力をレバー基部9に伝達する。これにより、レバー操作部10とレバー基部9は一体的に前方に回動される。レバー基部9の回動運動は、リンク機構8を介してシャッタ7に伝達され、肥料散布口の開度を大きくするようにシャッタ7をスライドさせる。このため、トラクタ運転者はシャッタ7を開く場合、レバー操作部10を手前、すなわち自分側に引き寄せるのみでよい。
また、トラクタ運転者が操作レバー5を操作してシャッタ7を閉じる場合、レバー操作部10と一緒にグリップレバー13を把持し、そのままレバー操作部10を後方に押す。グリップレバー13はレバー操作部10と一緒に把持されることでピン18を下方に押す。下方に押されたピン18は、ロック解除用スプリング15を押し縮めながらガイド孔25に沿って下降し、嵌合穴24に嵌合される。これにより、レバー操作部10とレバー基部9とが一体化される。この状態でレバー操作部10が後方に押されると、レバー操作部10とレバー基部9は一体に後方に回動し、リンク機構8を介してシャッタ7に力を伝達し、肥料散布口の開度を小さくするようにシャッタ7をスライドさせる。このため、トラクタ運転者はシャッタ7を閉じる場合、レバー操作部10をグリップレバー13と一緒に握り、レバー操作部10を自分から離れる方向、すなわち、後方に押すだけでよく、操作レバー5を上下方向等の通常の操作とは異なる方向に操作する必要はない。
図6に示すように、トラクタ2の三点リンク3に肥料散布機1を装着し、農作業を行っているとき、作業プログラムの選択ミス、操作スイッチの解除忘れ等により意図せずに三点リンク3が跳ね上がった場合、肥料散布機1が斜め前方にリフトし、レバー操作部10がトラクタ操作席を覆うキャビン16の後部ガラス等に当たることとなる。このとき、図2(b)に示すようにピン18は、ロック解除用スプリング15により上方に弾発付勢されて上がっており、嵌合穴24から外れた状態となっているため、図6及び図7に示すように、レバー操作部10はキャビン16に先端を当てこすりながら復帰用スプリング11の弾発力に抗して枢支軸20回りに後方に回動し、後部ガラスから退避する。この動作により、キャビン16を構成する後部ガラス等を破損するといった事故を防止することができる。
このように、肥料散布機1の操作レバー5が、散布機本体4に枢支されるレバー基部9と、レバー基部9の上端部に前後回動自在に連結され三点リンク3の跳ね上げ動作によってトラクタ2に当たったとき後方に回動して退避するレバー操作部10と、レバー操作部10を前方に回動させるように弾発付勢する復帰用スプリング11と、レバー基部9に設けられレバー操作部10の前方への回動を規制する受部12と、レバー操作部10に回動自在に設けられレバー操作部10と一緒に握るように形成されたグリップレバー13と、グリップレバー13に連結されグリップレバー13がレバー操作部10と一緒に握られたときレバー操作部10の後方回動を規制するロック機構14と、レバー操作部10の回動規制を解除するようにロック機構14を弾発付勢するロック解除用スプリング15とを備えるものとしたため、トラクタ2のキャビン16に操作レバー5が当たったとき、操作レバー5先端のレバー操作部10を後方に屈曲させてキャビン16から逃がすことができ、操作レバー5によるキャビン16の破損を防止できる。そして、シャッタ7を開くときには従前の肥料散布機1と同様にレバー操作部10を前方に引くだけでよく、シャッタ7を閉じるときにはレバー操作部10と一緒にグリップレバー13を握って後方に押すだけでよく、特許文献1記載の作業機のように操作レバー5を上方に引っ張りながらや下方に押し込みながら前後に回動させるといったベクトルが異なる複数の動作を同時に行う必要がなく、レバー操作が難しくなるのを防ぐことができる。
また、グリップレバー13は、レバー操作部10に前後方向に回動するように設けられるものとしたため、レバー操作部10と一緒にグリップレバー13を握る操作を、レバー操作部10と同じ前後方向の操作にでき、より簡単なものにできる。
ロック機構14は、レバー操作部10に長手方向に沿ってスライド自在に設けられると共にグリップレバー13に連結されるピン18と、レバー基部9に設けられピン18に係脱自在に嵌合される嵌合穴24とを備えるものとしたため、簡易な構造で確実にレバー操作部10の回動を規制することができ、肥料散布機1を安価なものにできる。
なお、作業機が肥料散布機1である場合について述べたが、これに限るものではない。作業機は、トラクタ後部の三点リンク3に連結される作業機本体と、作業機本体の上方に延出する操作レバーとを備えた他のものであってもよい。
また、ロック解除用スプリング15は、ロック機構14のピン18を弾発付勢するものとしたが、グリップレバー13を弾発付勢するものとしてもよい。またさらに、グリップレバー13の回動範囲を規制することでロック機構14の可動範囲を規制するものとしたが、ロック機構14がピン18の可動範囲を規制する規制手段を備えるものとしてもよい。
本発明の好適実施の形態を示すトラクタと肥料散布機の側面図である。 (a)は操作レバーの要部側面図であり、(b)は(a)の側断面図であり、(c)はグリップレバーを回動させた操作レバーの要部側断面図である。 図2(a)のA−A線矢視断面図である。 肥料散布機の正面図である。 図4の側面図である。 三点リンクで跳ね上げられた肥料散布機の側面図である。 レバー操作部が回動された操作レバーの側面図である。
符号の説明
1 肥料散布機(作業機)
2 トラクタ
3 三点リンク
4 散布機本体(作業機本体)
5 操作レバー
9 レバー基部
10 レバー操作部
11 復帰用スプリング
12 受部
13 グリップレバー
14 ロック機構
15 ロック解除用スプリング
18 ピン
24 嵌合穴

Claims (3)

  1. トラクタ後部の三点リンクに連結され三点リンクの跳ね上げ動作により斜め前方に跳ね上げられる作業機本体と、作業機本体に前後回動自在に設けられ作業機本体の上方に延出する操作レバーとを備えた作業機において、上記操作レバーが、作業機本体に枢支されるレバー基部と、該レバー基部の上端部に前後回動自在に連結され上記三点リンクの跳ね上げ動作によって上記トラクタに当たったとき後方に回動して退避するレバー操作部と、該レバー操作部を前方に回動させるように弾発付勢する復帰用スプリングと、上記レバー基部に設けられレバー操作部の前方への回動を規制する受部と、上記レバー操作部に回動自在に設けられレバー操作部と一緒に握るように形成されたグリップレバーと、該グリップレバーに連結されグリップレバーが上記レバー操作部と一緒に握られたときレバー操作部の後方回動を規制するロック機構と、上記レバー操作部の回動規制を解除するようにロック機構又はグリップレバーを弾発付勢するロック解除用スプリングとを備えたことを特徴とする作業機。
  2. 上記グリップレバーは、上記レバー操作部に前後方向に回動するように設けられた請求項1記載の作業機。
  3. 上記ロック機構は、上記レバー操作部に長手方向に沿ってスライド自在に設けられると共に上記グリップレバーに連結されるピンと、上記レバー基部に設けられ上記ピンに係脱自在に嵌合される嵌合穴とを備えた請求項1又は2記載の作業機。
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