JP3947769B2 - 配管洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用者が洗浄現場まで移送し、同洗浄現場で水道管等の配管内に圧縮空気を送り込むことによって同配管の洗浄を行うように構成された配管洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のような配管洗浄装置としては、次のような構成のものが挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。すなわち、配管洗浄装置は、コンプレッサーと、同コンプレッサーに連通された圧縮空気貯留タンクと、圧力調整弁を介して当該圧縮空気貯留タンクを連通せしめる電磁弁とを備えている。これらに加え、該配管洗浄装置は、前記電磁弁の開放時間により圧縮空気量を可変させるためのエアー噴出タイマーと、圧縮空気発射間隔を電磁弁の閉止時間により可変させるためのエアー停止タイマーとを備えている。さらに加えて、該配管洗浄装置は、エアーの噴出・停止からなる1サイクルに回数を乗じた時間によって作業時間を設定するとともに、設定時間経過後作動を停止するようにした総合作業タイマーを備えている。
【0003】
この配管洗浄装置において、コンプレッサーで生成された圧縮空気は、一旦圧縮空気貯留タンクに貯留された後、同圧縮空気貯留タンクから電磁弁へと送られる。その後、電磁弁が開放されることにより、同電磁弁から洗浄対象となる給水管へと圧縮空気が送られる。また、当該電磁弁は、エアー噴出タイマー及びエアー停止タイマーによって開放と閉止とを交互に繰り返し、給水管へ圧縮空気を断続的に発射するように構成されている。この断続的に発射された圧縮空気は、給水管内でウォーターハンマー作用を起こし、給水管の内周面に付着したスケール等を取り除く。そして、前記総合作業タイマーは、洗浄時間を設定することにより、該配管洗浄装置を自動的に作動させ、設定時間経過後には自動的に停止させる。
【0004】
【特許文献1】
特公平2−37236号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の配管洗浄装置においては、コンプレッサーで生成された圧縮空気を圧縮空気貯留タンクに貯留することで洗浄途中の圧力の低下を防止しており、その洗浄時間は、コンプレッサーの容量等に係わらず総合作業タイマーによってのみ設定される。しかし、実際の洗浄作業では、洗浄現場の温度、供給電力等といった作業状況により、コンプレッサーの作動時間が変化する可能性が高い。そして、コンプレッサーの作動時間が変化すると、圧縮空気貯留タンク内に圧縮空気が十分に貯留されていなかったり、コンプレッサーから圧縮空気が送られた直後で圧縮空気が全体で均一な圧力となっていなかったり等の状態が総合作業タイマーの作動中に発生するおそれがある。
【0006】
このような状態であっても、当該配管洗浄装置は、エアー噴出タイマー及びエアー停止タイマーが作動していることから、給水管へ圧縮空気を発射しようとする。すると、洗浄途中で圧縮空気の圧力の低下が頻繁に発生してしまう。このため、作業者が圧縮空気の圧力を常時観測し、低下する度に配管洗浄装置を停止させたり、圧縮空気の圧力を再調整したり等する必要があり、洗浄作業の簡易化を図ることができず、作業効率の低下を招くという問題があった。
【0007】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、洗浄作業の簡易化による作業効率の向上を図ることができる配管洗浄装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の配管洗浄装置の発明は、本体ケースと、同本体ケースに内装されたコンプレッサーとを有し、当該コンプレッサーと配管との間をホースで接続し、同配管内に水を流通させながらコンプレッサーからホースを介して圧縮空気を送り込むことにより当該配管の洗浄を行うように構成された配管洗浄装置であって、前記コンプレッサーとホースとの間には、開閉操作によりコンプレッサーからホースへの圧縮空気の吐出を許容又は規制するための電磁弁を接続し、前記本体ケースには、配管内への圧縮空気の吐出圧力、吐出間隔及び送り込み時間を調整するための操作盤を設けるとともに、当該操作盤には、前記配管内にホースを介して圧縮空気が断続的に吐出されるように、電磁弁を所定時間おきに繰り返し開閉させることによって圧縮空気の吐出間隔を設定するための第1タイマーと、該第1タイマーを一定時間作動させた後、停止させることによって配管内への圧縮空気の送り込み時間を設定するための第2タイマーと、前記コンプレッサーの容量に応じて第2タイマーの作動可能時間及び作動停止時間を設定するための第3タイマーとを設け、該第3タイマーは、前記コンプレッサーの容量が設定値に達してからの一定時間、第2タイマーの作動を停止させることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載の配管洗浄装置の発明は、請求項1に記載の発明において、前記コンプレッサーへ常に一定の電圧で電力を供給するための定電圧装置を備えることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載の配管洗浄装置の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記コンプレッサーは、予め設定された圧縮空気の圧力の下限値及び上限値に基づき、同圧力が下限値以下となったときに作動し、該圧力が上限値に達したときに停止して圧力が下限値以下となるまで待機するように駆動操作されるものであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a),(b)及び(c)は、それぞれ実施形態の配管洗浄装置の正面図、側面図及び平面図である。当該配管洗浄装置は、アルミニウム合金、鉄、ステンレス鋼等の金属を用いて縦長四角箱状に形成された本体ケース11と、同本体ケース11の内部において、底壁上に固定されたコンプレッサー12とを備えている。同本体ケース11の底面の4つの隅角部には、それぞれキャスター13が回動可能に取付けられるとともに、両側面にはそれぞれ引手14が取付けられ、固定されている。そして、当該配管洗浄装置は、本体ケース11の引手14に手を掛けて引っ張り、各キャスター13を転動させることにより、移送作業の簡易化が図られている。
【0012】
また、本体ケース11の上面の両側部には一対の把持部15が突設されており、これら把持部15を把持することにより、移送等の際、配管洗浄装置を持ち上げやすくなっている。加えて、本体ケース11の背面には、合成樹脂、合成ゴム等の弾性材料よりなる円錐台形状の複数の脚部16が取付けられている。これら脚部16で本体ケース11を支持させることにより、配管洗浄装置は、図1のような縦置きの状態の他に横置きの状態でも使用することが可能である。なお、横置きの状態で使用する場合、縦置きの状態に比べて安定性に優れるという利点がある。
【0013】
図1(a)及び図2に示すように、本体ケース11の正面の上部には、配管内への圧縮空気の吐出圧力、吐出間隔及び送り込み時間を調整するための操作盤17が設けられている。該操作盤17上の右側部には、後述する電源コード21を接続するための電源接続部22及び圧縮空気の吐出圧力を調整するための圧力調整つまみ23が取付けられている。また、操作盤17上の左側部には、後述するホース24を接続するためのカプラー25が突設されるとともに、同カプラー25に隣接位置には圧縮空気の吐出圧力を測定するための圧力計26が取付けられている。この圧力計26の右隣には、左側から順番に第3タイマー29、第2タイマー28及び第1タイマー27が取付けられている。そして、第1タイマー27と圧力調整部23との間には、下部にコンプレッサー12をオン・オフするためのメインスイッチ30が、上部に第1タイマー27、第2タイマー28及び第3タイマー29をオン・オフするための打込スイッチ31が取付けられている。
【0014】
図3は、配管洗浄装置の回路図である。本体ケース11の外部において、前記電源接続部22には電源コード21が接続されるとともに、同電源コード21は図示しない電源に接続されている。同電源接続部22には前記メインスイッチ30を介してコンプレッサー12が接続されている。また、電源接続部22とメインスイッチ30との間には、定電圧装置32が接続されている。当該定電圧装置32は、例えば90V、95V等のように異なる電圧の電源に電源コード21が接続された場合であっても、コンプレッサー12に常に一定の電圧(この実施形態では100V)で電力が供給されるように機能している。そして、メインスイッチ30がオンされた際には、電源からコンプレッサー12への給電が許容され、コンプレッサー12が駆動される。
【0015】
本体ケース11の外部において、前記カプラー25にはホース24の一端が接続されている。同ホース24の他端は、配管35の端部に接続された蛇口36の把手部分を外すことにより、同蛇口36に接続されている。本体ケース11の内部において、当該カプラー25には電磁弁33が接続されている。同電磁弁33は、コンプレッサー12に接続され、同コンプレッサー12と連通されている。そして、当該電磁弁33が開閉操作されることにより、コンプレッサー12からホース24への圧縮空気の吐出が許容又は規制される。
【0016】
該コンプレッサー12が駆動され、その作動時に生成された圧縮空気は、電磁弁33が開放され、ホース24への圧縮空気の吐出が許容された状態で、電磁弁33及びカプラー25を介してホース24へ吐出される。同ホース24へ吐出された圧縮空気は、蛇口36を介して配管35内へ送り込まれる。この際、配管35内への水の供給は停止されておらず、配管35内を水が流通したままの状態でコンプレッサー12から圧縮空気が送り込まれる。そして、送り込まれた圧縮空気は、水と混合された状態で配管35内を流通し、配管35の内周面のスケール等のような付着物を除去し、この除去された付着物とともに図示しない他の蛇口から吐出される。また、開閉操作により電磁弁33が閉止されると、ホース24への圧縮空気の吐出が規制され、配管35内への圧縮空気の送り込みが停止される。
【0017】
電磁弁33とコンプレッサー12との間には、吐出圧調整手段を構成するレギュレータ34が接続されている。同レギュレータ34は、前記圧力調整つまみ23を使用することにより、圧縮空気を減圧又は加圧させることで圧縮空気の吐出圧力を調整可能に構成されている。そして、配管35内への圧縮空気の吐出圧力は、配管35の径、長さ等の洗浄規模に応じ、当該レギュレータ34によって調整される。また、当該レギュレータ34には、上述した圧力計26が接続されている。コンプレッサー12から電磁弁33へと送られる圧縮空気の圧力は、同レギュレータ34を通過する際、圧力計26によって測定される。この圧力計26を視認することにより、作業者は配管35内への圧縮空気の吐出圧力を確認することができるように構成されている。
【0018】
前記コンプレッサー12の駆動は、具体的には、図4(a)のタイミングチャートに示すようにして行われる。すなわち、コンプレッサー12は、その容量に応じ、同コンプレッサー12内での圧縮空気の圧力の上限値P1及び下限値P2が予め設定されている。なお、コンプレッサー12内での圧縮空気の圧力は、図3に示す圧力スイッチ12aで常時検出される。吐出によってコンプレッサー12内での圧縮空気の圧力が上限値P1の状態から低減して下限値P2に達したことが圧力スイッチ12aで検出されると、同圧力スイッチ12aからのオン信号に基づき、コンプレッサー12は作動され、昇圧動作を行う。
【0019】
昇圧動作により圧力が上限値P1に達したことが圧力スイッチ12aで検出されると、同圧力スイッチ12aからのオフ信号に基づき、コンプレッサー12は作動を停止し、内部の圧縮空気の圧力が再び下限値P2以下となるまで待機される。そして、コンプレッサー12が待機された状態で、前記電磁弁33が開放され、同コンプレッサー12から圧縮空気が吐出される。この実施形態で下限値P2は、6kg/cm2に設定され、上限値P1は、8kg/cm2に設定されている。
【0020】
一般のコンプレッサーは、例えば夏場の消費電力過多、旧式の電源からの電力供給等の理由により、供給される電力が不足すると、昇圧動作を行っても内部の圧縮空気の圧力が上限値に達しなかったり、作動時間が変化したり、駆動されなかったり等の不具合を発生させる確率が高くなる。
【0021】
当該コンプレッサー12は、前記定電圧装置32により常に一定の電圧で電力が供給されている。このため、コンプレッサー12の作動時間であり、下限値P2から上限値P1までの昇圧動作を行うt2〜t0の間隔は、常に一定となる。また、前記レギュレータ34等の吐出圧調整手段により吐出される圧縮空気の圧力が一定であり、後述する第2タイマー28により配管35内への圧縮空気の送り込み時間が一定であることから、同圧縮空気の吐出量も一定である。このため、コンプレッサー12の待機時間であり、圧縮空気の吐出により上限値P1から下限値P2となるまでのt1〜t2の間隔も常に一定となる。この実施形態でt1〜t2の間隔は6秒、t2〜t0の間隔は34秒となる。
【0022】
本体ケース11の内部では、メインスイッチ30とコンプレッサー12との間で配線が分岐されるとともに、同分岐された配線は、打込スイッチ31に接続されている。また、同打込スイッチ31には、順番に第3タイマー29、第2タイマー28及び第1タイマー27が直列に接続されるとともに、当該第1タイマー27には前記電磁弁33が電気的に接続されている。メインスイッチ30がオンされた状態で打込スイッチ31がオンされた際、定電圧装置32で一定の電圧とされた電力は、第3タイマー29、第2タイマー28及び第1タイマー27の順番で供給される。そして、第3タイマー29、第2タイマー28及び第1タイマー27は、一定の電圧で駆動されることから、狂いなく常に正確な時間で作動するように構成される。
【0023】
前記第3タイマー29は、コンプレッサー12の容量に応じて第2タイマー28の作動可能時間及び作動停止時間を設定するものであり、第2タイマー28への給電を所定時間行った後、同第2タイマー28への給電を一定時間停止するように作動する。具体的には、図4(a)に示すように、第3タイマー29は、前記コンプレッサー12の作動停止に伴って第2タイマー28をオフし、一定時間経過後に第2タイマー28をオンする。
【0024】
この第2タイマー28の作動可能時間及び作動停止時間について説明する。内部の圧力が上限値P1に達し、コンプレッサー12が作動停止直後の状態となったとき、同コンプレッサー12の内部の圧縮空気は、全体で均一な圧力となっていない可能性が高い。また、極僅かな可能性ではあるが、洗浄現場の状況によってはコンプレッサー12の作動時間が若干延びる可能性がある。そして、コンプレッサー12の作動停止時であるt0から配管35内への圧縮空気の吐出を開始した場合、吐出開始時の圧縮空気の圧力が上限値P1に達していないおそれがある。
【0025】
従って、吐出開始時の圧縮空気の圧力を常に上限値P1とするには、コンプレッサー12の作動停止時であるt0から一定時間をおき、コンプレッサー12内の圧縮空気の圧力が安定した後、圧縮空気の吐出を開始する必要がある。そこで、コンプレッサー12内の圧縮空気の圧力が安定するまでの時間として、第3タイマー29は、t0〜t1の間隔で第2タイマー28をオフするように動作されており、これを第2タイマー28の作動停止時間とした。また、コンプレッサー12内の圧縮空気の圧力が安定した後ならば、配管35内への圧縮空気の吐出はいつ開始してもよい。このことから、第3タイマー29は、t1〜t0の間であればいつでも第2タイマー28を作動可能に動作されており、これを第2タイマー28の作動可能時間とした。この実施形態でt0〜t1の間隔は2秒に設定され、t1〜t0の間隔は40秒に設定されている。
【0026】
前記第2タイマー28は、その作動可能時間内で配管35内への圧縮空気の送り込み時間を設定するものであり、前記第1タイマー27を一定時間作動させた後、停止させるように作動する。具体的には、図4(a),(b)に示すように、第2タイマー28の作動可能時間の開始時であるt1で第1タイマー27をオンするように動作するとともに、コンプレッサー12の作動時間の開始時であるt2に合わせて第1タイマー27をオフするように動作する。そして、第2タイマー28は、配管35内へ6〜8kg/cm2の圧縮空気を一定時間送り込むことにより、その作動可能時間内で配管35内へ一定量の圧縮空気が吐出されるように機能している。この実施形態で第2タイマー28による圧縮空気の送り込み時間は、t1〜t2の間隔に合わせて6秒に設定されている。
【0027】
前記第1タイマー27は、圧縮空気の吐出間隔を設定するものであり、電磁弁33を開閉操作し、所定時間おきに繰り返し開放又は閉止させるように作動する。具体的には、図4(b)に示すように、第2タイマー28によってオンされている間、一定時間おきに電磁弁33を繰り返しオン・オフするように動作する。第1タイマー27により、繰り返し開放及び閉止される電磁弁33は、配管35内へ圧縮空気を断続的に吐出させる。そして、配管35内へ断続的に吐出された圧縮空気は、配管35内でウォーターハンマー作用を起こし、配管35の内周面に付着したスケール等をその衝撃により振動させて取り除く。この実施形態で第1タイマー27は、0.2秒毎に電磁弁33をオン・オフするように設定されている。
【0028】
前記配管洗浄装置の作用について以下に記載する。
さて、配管洗浄装置を使用して配管35の洗浄を行うときには、まず作業現場まで配管洗浄装置を移送した後、洗浄現場の広さに合わせ、本体ケース11を縦置き又は横置きの状態で設置する。次に、図3に示したように、操作盤17の電源接続部22と電源との間を電源コード21で接続した後、カプラー25と蛇口36との間をホース24で接続する。その後、コンプレッサー12の容量に応じた圧縮空気の圧力の上限値P1及び下限値P2に基づき、操作盤17の第3タイマー29、第2タイマー28及び第1タイマー27の作動時間を手動で設定することにより、洗浄準備が完了する。
【0029】
洗浄準備が完了した後、まず操作盤17のメインスイッチ30がオンされ、コンプレッサー12が駆動され、その作動により昇圧動作が開始される。その後、コンプレッサー12の作動停止に基づき圧縮空気の圧力が上限値P1に達したことを確認した後、配管35内に水が流通され、打込スイッチ31がオンされる。すると、第3タイマー29、第2タイマー28及び第1タイマー27の動作に基づき、配管35内に圧縮空気が断続的に送り込まれる。同配管35内では、圧縮空気と水とが混合され、この圧縮空気と水とが混合されてなる混合水が配管35内を流通する。この混合水が配管35内を流通するとき、圧縮空気の衝撃波により、配管35の内壁に付着した油分、錆、塵埃等の異物が除去され、水中に分散される。この状態で同配管35に接続された他の蛇口を開放することにより、除去された異物が水中に分散された混合水が同蛇口から吐出され、配管35の洗浄が行われる。
【0030】
洗浄中においては、コンプレッサー12の容量に応じた圧力の上限値P1及び下限値P2に基づき、第3タイマー29、第2タイマー28及び第1タイマー27の作動時間が設定されることにより、その駆動に合わせて電磁弁33の開閉操作が行われる。従って、洗浄中はその作業の大半が自動化されており、作業者が圧力を常時観測し、圧力の再調整を行う必要がなく、簡易なものとされる。そして、所定時間が経過し、他の蛇口から異物が吐出されなくなったことを確認した後、打込スイッチ31、メインスイッチ30の順番でオフすることにより、洗浄作業が完了し、配管洗浄装置が他の洗浄現場へと移送される。
【0031】
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態の配管洗浄装置は、コンプレッサー12の駆動に応じて電磁弁33の開閉操作を行うための第3タイマー29、第2タイマー28及び第1タイマー27を設けることにより、洗浄中の圧縮空気の圧力低下を防止している。このため、洗浄作業の大半を自動化することができ、洗浄作業の簡易化による作業効率の向上を図ることができる。
【0032】
・ また、定電圧装置32を設けたことにより、コンプレッサー12、第3タイマー29、第2タイマー28及び第1タイマー27には常に一定の電圧で電力が供給されている。このため、コンプレッサー12においては、夏場の消費電力過多、旧式の電源からの電力供給等の状況にあっても、昇圧動作等の作動時間を常に一定とすることができるとともに、不具合を発生させることなく安定して駆動させることができる。また、第3タイマー29、第2タイマー28及び第1タイマー27においては、その作動時間が狂うことなく、正確に作動させることができる。
【0033】
・ また、コンプレッサー12は、その容量に応じて予め設定された圧縮空気の圧力の下限値P2及び上限値P1に基づいて、作動による昇圧、作動の停止、待機等の駆動操作が行われるように構成されている。従って、コンプレッサー12を効率よく運用することができ、洗浄作業のさらなる簡易化を図ることができる。
【0034】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記第3タイマー29と、コンプレッサー12の圧力スイッチ12aとを電気的に接続し、圧力の上限値P1及び下限値P2に基づいて第3タイマー29がオン・オフされるように構成してもよい。または、前記第2タイマー28と、コンプレッサー12の圧力スイッチ12aとを電気的に接続し、圧力の上限値P1及び下限値P2に基づいて第2タイマー28がオン・オフされるように構成してもよい。このように構成した場合、第3タイマー29、第2タイマー28及び第1タイマー27の作動時間の設定を簡易なものとすることができる。
【0035】
・ 電源接続部22と電源コード21との間又は電源コード21と電源との間には、コンプレッサー12のオン・オフを遠隔地から操作可能な、例えばリモートコントローラ、電源スイッチ等の遠隔操作手段を接続してもよい。また、同遠隔操作手段により、コンプレッサー12のみならず、第3タイマー29のオン・オフを操作可能に構成してもよい。このように構成した場合、配管洗浄装置が設置された洗浄現場まで戻らずとも、洗浄開始時又は洗浄終了後に配管洗浄装置をオン・オフすることができ、作業効率をさらに向上させることができる。また、配管洗浄装置が複数設置されている場合には、これら配管洗浄装置を一度にオン・オフすることも可能であり、作業効率をさらに向上させることができる。
【0036】
・ メインスイッチ30と定電圧装置32との間、メインスイッチ30とコンプレッサー12との間等に第4タイマーを接続し、同第4タイマーでトータルの洗浄時間を設定可能に構成してもよい。このように構成した場合、洗浄作業をさらに簡易なものとすることができる。
【0037】
・ 打込スイッチ31を省略して構成してもよい。このように構成した場合、構成を簡易化することができる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0038】
・ 前記定電圧装置は、コンプレッサーとともに第1タイマー、第2タイマー及び第3タイマーへ常に一定の電圧で電力を供給する請求項2又は請求項3に記載の配管洗浄装置。このように構成した場合、第1タイマー、第2タイマー及び第3タイマーを正確に作動させることができる。
【0039】
・ 前記第3タイマーは、コンプレッサーの作動停止に伴って第1タイマー及び第2タイマーへの給電を一定時間停止させるものである請求項2又は請求項3に記載の配管洗浄装置。このように構成した場合、圧縮空気の圧力が上限値となっている状態で洗浄を開始することができる。
【0040】
・ 前記コンプレッサーと電磁弁との間には、コンプレッサーから電磁弁へと送られる圧縮空気の吐出圧力を調整するための吐出圧調整手段を設けることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の配管洗浄装置。このように構成した場合、洗浄規模に応じ、圧縮空気の圧力を調整することができる。
【0041】
・ 前記操作盤には、電源からコンプレッサーへの給電を許容又は規制するためのメインスィッチと、同メインスィッチにより電源からコンプレッサーへの給電が許容された状態で、電源から第1タイマー、第2タイマー及び第3タイマーへの給電を許容又は規制するための打込スィッチとを設ける請求項1から請求項3のいずれかに記載の配管洗浄装置。このように構成した場合、コンプレッサーと第1タイマー、第2タイマー及び第3タイマーとを個別に作動させることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、洗浄作業の簡易化による作業効率の向上を図ることができる。
【0043】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、コンプレッサーを常に一定の作動時間で安定して駆動させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、コンプレッサーを効率よく運用することができ、洗浄作業のさらなる簡易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は実施形態の配管洗浄装置を示す正面図、(b)は配管洗浄装置を示す側面図、(c)は配管洗浄装置を示す平面図。
【図2】 操作盤を示す正面図。
【図3】 配管洗浄装置の内部における回路図。
【図4】 (a)はコンプレッサー、第3タイマー及び第2タイマーの動作を説明するタイミングチャート、(b)は第2タイマー及び第1タイマーの動作を説明するタイミングチャート。
【符号の説明】
P1…上限値、P2…下限値、11…本体ケース、12…コンプレッサー、17…操作盤、24…ホース、27…第1タイマー、28…第2タイマー、29…第3タイマー、32…定電圧装置、33…電磁弁、35…配管。

Claims (3)

  1. 本体ケースと、同本体ケースに内装されたコンプレッサーとを有し、当該コンプレッサーと配管との間をホースで接続し、同配管内に水を流通させながらコンプレッサーからホースを介して圧縮空気を送り込むことにより当該配管の洗浄を行うように構成された配管洗浄装置であって、
    前記コンプレッサーとホースとの間には、開閉操作によりコンプレッサーからホースへの圧縮空気の吐出を許容又は規制するための電磁弁を接続し、前記本体ケースには、配管内への圧縮空気の吐出圧力、吐出間隔及び送り込み時間を調整するための操作盤を設けるとともに、当該操作盤には、前記配管内にホースを介して圧縮空気が断続的に吐出されるように、電磁弁を所定時間おきに繰り返し開閉させることによって圧縮空気の吐出間隔を設定するための第1タイマーと、該第1タイマーを一定時間作動させた後、停止させることによって配管内への圧縮空気の送り込み時間を設定するための第2タイマーと、前記コンプレッサーの容量に応じて第2タイマーの作動可能時間及び作動停止時間を設定するための第3タイマーとを設け、該第3タイマーは、前記コンプレッサーの容量が設定値に達してからの一定時間、第2タイマーの作動を停止させることを特徴とする配管洗浄装置。
  2. 前記コンプレッサーへ常に一定の電圧で電力を供給するための定電圧装置を備える請求項1に記載の配管洗浄装置。
  3. 前記コンプレッサーは、予め設定された圧縮空気の圧力の下限値及び上限値に基づき、同圧力が下限値以下となったときに作動し、該圧力が上限値に達したときに停止して圧力が下限値以下となるまで待機するように駆動操作されるものである請求項1又は請求項2に記載の配管洗浄装置。
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