JP3947508B2 - Pt含有化合物、その合成方法及びこれらの化合物の応用 - Google Patents

Pt含有化合物、その合成方法及びこれらの化合物の応用 Download PDF

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Description

この種のPt含有化合物は、リーダイク、ヨット、ストルクトによる文献Bonding(ベルリン)、67巻53−62頁に示されている。
上記文献には(殊に)蛋白質およびDNA分子に高い親和性を持つ抗癌化合物、シスPt(NHClが開示されており、特にこの化合物は巨大分子中の硫黄族とともにプリン塩基であるグアニン及びアデニン中のN7窒素原子に顕著な親和性を持つことが理解されよう。
二つの塩素リガンドの解離により二つの反応部位が出現し、これらのPt(プラチナ)化合物はこれによって同一あるいは反対側DNA鎖上の隣接する二つのグアニンまたはアデニン塩基を架橋することが出来る。シスプラチナを抗癌剤(サイトスタチカム)として応用することはこの機構に基づいている。
この他にも関連するカルボプラチナ化合物が上記の文献に示されており、これらの化合物もまたシスプラチナ化合物と同様の機構で殊に蛋白質及びDNA分子に高い親和性を持つ。
これに対しPt(ジエン)Clの様な一塩化プラチナ化合物は、DNAに対する親和性を保つことは明白であるが、架橋を作らないため相補的DNA鎖の塩基対形成を殆んど妨げず、従って、抗癌作用を持たない。
米国特許第4,711,955号明細書によれば、非放射性核酸標識技術を利用できれば、現在の医学的−生物学的診療、特に診断にDNA/RNA技術を応用することが望まれている。現在応用されている既知のDNA及びRNAの非放射性標識の方法は、一般的に二つのカテゴリーに分けられる。
1.酵素的あるいは有機合成的経路による標識;例えばビオチン、ブロモデオキシウリジン(BrdU)、ジゴキシゲニン、フルオレセン及び過酸化水素。
2.フォトビオチン、AAF,水銀、ズルフオン族の様に直接的な化学結合による標識。
これらの標識物の応用は特に標識過程の複雑さ、標識すべき合成オリゴヌクレオチドの、時にして限定された長さ、有害化合物の使用そして核酸に結合した時の標識の安定性に関連した多くの問題点を含んでいる。
本発明はその応用時に上記の問題点を効果的に除去出来るPt含有化合物を提供することを企図するものである。
この目的のため本発明は添付の図に示す構造式(1)または(2)の化学式{PtII(w)(x)(y)(z)}あるいはPtIV{(u)(v)(w)(x)(y)(z)}を持ち、u、v、w、x、y、zが同一あるいは異なった且つ互いに結合または非結合のリガンドで、少なくとも一は遊離リガンドを表わし、残りのリガンドのうち少なくとも一は検出可能なマーカー基である化合物を提供する。
これらの化合物は本質的に新規であり、一方例えばハプテン、フルオレセンまたはローダミンといった直接あるいは間接的に検出可能なマーカー基を備え、且つ他方で適切な遊離基を備える特に好適なDNA標識であり、一般的な表示PtM(Ptはプラチナを表わし、Mはマーカー基を意味する)で示され独特の性質を持つ。
既述のように、水溶性媒質中においてこれらの化合物は自然にまた不可逆的にDNAに吸着する。この上このようにして標識されたDNAは、構造式(1)または(2)を持つ残余化合物とアルコール沈澱により分離することが出来る。重要な利点はこのようにして標識されたDNAがハイブリダイゼーション後直ちに蛍光顕微鏡で、あるいは周知の免疫組織化学染色法の一によって間接的に検出され得ることにある。
本発明のプラチナ含有化合物の利点を簡単に要約すれば、
1.酵素若しくは有機合成法を必要としない、直接−殆んど瞬時での−巨大分子の標識
2.簡単な常套の手法による標識分子の一段階精製
3.殆んど全ての周知の(顕微鏡的)手法による直接的あるいは間接的な標識分子の検出にある。
更に有利な点としては、本発明に開示の放射性(14Cまたは35S)Pt(プラチナ)含有化合物は、特殊な目的(例えば超高感度なRNAのインサイチュウハイブリダイゼーション)のためにプローブの簡単で迅速な(非酵素的)標識法として応用され、引き続くオートラジオグラフィーによって直接検出され得ることにある。
この化合物によって標識されたプローブの別の重要な新たな応用は、電子顕微鏡レベルでのインサイチュウハイブリダイゼーションであり、本発明に開示の化合物中のPt(プラチナ)原子の大きな質量が電子密度の直接的なプローブの特異的な局所上昇をもたらす。
また本発明によれば、遊離リガンドとして(CHSO、HOあるいはClが特に適切であることが明かであろう。構造式(1)または(2)を持つ化合物中の遊離リガンドとしては前記のリガンドが好ましいが、この他に以下の基をもちいることが好適であることが判明している。Br、IまたはF;SO 2−、NO 、PO 3−、CO 2−及び硝酸エチルの様な同族体;燐酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩及びそれらの誘導体;HO、ROH及びRO、(ここでRは有機残基であるが)。且つ置換スルフオキシドRSO、ここでRおよびRは互いに同一または異なる有機残基を表わす。
構造式(1)または(2)を持つ化合物中の検出可能なマーカー基としては、蛍光基が一般的に選択に値する。特にフルオレセンイソチオシアネート(FITC)またはテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)が選択に値する。
本発明に開示の最適な化合物は、{Pt(エチレンジアミン)(MeSO)(フルオレセン−NH(CS)−NHCH)}であり、以下においては単にPtFという。
本発明に開示の新規な化合物はウイルス診断の目的、細菌診断の目的、遺伝子異常の検出あるいは遺伝子表現の検出等に特に適している。
培養不可能あるいは培養が非常に困難なウイルス、血清学的診断方法が極度に複雑なウイルス、あるいは体外では非常に不安定なため感染試験に不適切なウイルスが数多く知られている。
これらのウイルスのいくつかは、病気の急性期、保菌状態あるいはヒトDNAへのウイルスゲノムの挿入との間の分別の必要性によって診断がより妨げられる危惧がある。一方、これに対しDNAプローブを利用することにより進展が図られている。ある種のウイルスは一層重大な病原作用を持ち、悪性腫瘍の進行と関連している。従ってこれらのウイルスおよび患者の臨床的追跡調査との関連性を正確に把握することは重要な問題である。
原理的にウイルス株または亜型はDNA/RNAプローブによって互いに識別されよう。
標識されたDNAあるいはRNAプローブを用いた検出方法により、上述の問題点が確実に解決され得る。DNAおよびRNAウイルスの双方の診断に大きな進展が見られている。これらの方法の利点はウイルスDNA/RNAの存在を直ちに患者の検体(塗末標本、疱疹試料、鼻あるいは他の体液、組織片等)から検査できることにある。既にウイルスに起因する死亡率などに関する重要な情報が提供されている。
更に、類似化合物において本質的には周知の方法により合成されることを特徴とする、構造式(1)または(2)の化学式{PtII(w)(x)(y)(z)}あるいはPtIV{(u)(v)(w)(x)(y)(z)}を持つ本発明に開示のPt含有化合物の製法が本発明に含まれる。このときu、v、w、x、y、zは上記の意味で用いられる。
本発明による望ましいPt含有化合物は、水中でフルオレセン−N=C=SとCHNHとを転換し、pH2〜3に酸性化してフルオレセン−NH(CS)−NHCHを溶液から沈澱させ、得られた沈澱物を水に懸濁し、塩基を加えて懸濁液のpHを10〜11に調整して溶液を鮮黄色にし、この溶液に{Pt(エチレンジアミン)(MeSO)Cl}の水溶液を加え、反応混合物を室温かつ暗所で撹拌し、酸性化により未反応のフルオレセン−NH(CS)−NHCHを沈澱させ、濾過し、最終的に濾過物を凍結乾燥して{Pt(エチレンジアミン)MeSO(フルオレセン−NH(CS)−NHCH)}として得られる。
次いでウイルス、細菌、寄生虫、遺伝子異常、遺伝子発現の検出に使用され得、本発明に開示のPt含有化合物を含む診断用キットに本発明を採用することができる。
ここで以下に実施例を参照して本発明の明確化を図る。
(実施例I)
標識目的のためのPtFの合成
まず100mgのフルオレセン−N=C=Sを100mlの水に溶けた1mlのCHNHと反応させ、フルオレセン−NH(CS)NHCHを作成する。反応は室温、暗所で連続撹拌しながら約1時間行なった。塩酸(1モル/リッター{M})でpHを2〜3に酸性化し、得られた反応産物、フルオレセン−NH(CS)−NHCHを溶液内で沈澱させる。沈澱物を水で洗浄し回収する。
次にこの様にして得られたフルオレセン−NH(CS)NHCH100mg(0.237mmol)を95mlの水に溶かした懸濁液に、NaOH(1M)を加えてpHを10〜11に上げ、鮮黄色を呈する溶液を得た。この溶液に水5mlを溶かした72mg(0.178mmol)の[Pt(エチレンジアミン)(MeSO)Cl]Clあるいは[Pt(エチレンジアミン)Cl]Cl加え、反応混合物を室温、暗所で5〜10分間ゆっくり撹拌した。続いて、HCl(1M)でpH2〜3に酸性化して未反応のフルオレセン−NH(CS)NHCHを沈澱させ、濾過によって除去した。鮮黄色の濾過物を凍結乾燥し、PtFと略される安定で乾燥した化合物{Pt(エチレンジアミン)(MeSO)(フルオレセン−NH(CS)NHCH)}あるいは{Pt(エチレンジアミン)Cl(フルオレセン−NH(CS)NHCH)}を得た。
一般原則として、反応は上記のものを出発材料として用いて類似の方法で行いうる。ただしこの時、フルオレセンを例えばローダミン、AMCA、ビオチン、ジゴキシゲニンあるいは他のハプテンに置き換えるが、二重結合した硫黄(S)原子、−SR基,NR’R’’基あるいは窒素環(−N−)が存在するように変更してもよい。(Hもまた可能である)。但し、R’R’’は同一のあるいは互いに異なった有機残基である。これらのS−またはN−原子はプラチナ原子の結合リガンドとして作用する。
(実施例II)
PtFによる核酸標識
乾燥したPtF化合物を蒸留水に1mg/mlの濃度に溶解し、NaOHでpHを9〜10に上げた。
次に任意の濃度(例えば100μg/ml)のDNA(一本鎖あるいは二本鎖)またはRNAを、約pH8の低濃度塩緩衝液(例えば10mMトリス塩酸)に入れ、出来る限り超音波で断片化した。
この様にして得た核酸溶液に10倍モル量のPtF溶液を加え、適当に混合した後室温、暗所で30〜60分間反応混合物をインキュベートした。
次いで1/10体積容のpH5.6のNaアセテート溶液を反応混合物に加えて混合し、引き続き2体積溶のエタノールを加え完全に撹拌し、反応バイアルを−80℃で15分間、あるいは−20℃で2時間インキュベートした。
その後、10.000gで7分間遠心してPtF標識核酸を沈澱させた。得られた沈澱物を90%エタノールで洗浄し、PtFで標識された核酸を望みとする濃度に任意の緩衝液(例えば10mMトリス塩酸、pH7.5、0.3mMEDTA)で溶解した。
この様にしてPtF標識された核酸は使用可能な状態になった。
PtM標識核酸の使用例:
(実施例III)
ヒト乳頭腫ウイルスは培養できないが、ある種の亜型(HPV16/18)は殊に頸管および陰茎の悪性腫瘍の発生に確実に関連している。
このような乳頭腫ウイルスの精製したDNAをPtMで標識し、例えば頸管の細胞または組織に対してインサイチュウハイブリダイゼーション法を実行することにより、危険性を持つ型の乳頭腫ウイルスの存在が直接蛍光法あるいは抗PtF抗体を用いた間接的な免疫組織化学法によって極めて特異的に示されよう。
(実施例IV)
a)ヒト乳頭腫ウイルスは培養できないが、ある種の亜型(HPV16/18)は高い頻度で頸管あるいは陰茎における悪性腫瘍の進行に確実に関連している。且つ、殊にDNAウイルス(ワクシニア、単純ヘルペス(HSV1/2)、エプスタインバール、アデノウイルス)あるいはRNAウイルス(ロタウイルス、インフルエンザA、コツクサキーB)の検出のためにプローブが開発された。B型肝炎ウイルスはヒト細胞中では培養できないので、今まではこの急性感染の診断がチンパンジーへの接種(!)によってのみ可能であった。
b)帯状疱疹性小疱ウイルスもまた培養が非常に困難であり、培養を評価するまでに5〜14日もかかる。その上このウイルスは不安定で移し変える間に不活化される危惧がある。従ってネガチブ試験は病原体が存在しないことの証明とは一切ならない。且つまたVZV感染は単純ヘルペスウイルス感染と形態的基盤では識別することができない。市販されている抗血清でさえ免疫組織化学検査では何の回答も与えない。
c)サイトメガロウイルスの培養には非常に労力がかかる。一週間程度の時間では診断が不可能であり、6週間でも困難である。CMVは移植患者及び免疫不全の患者(AIDS)における合併症の重大な原因となる。これらの患者に対し優れた検査法は欠かすことができない。
上記a、b、cのケースではウイルス診断例の多くの可能性の中の僅かな一例しか開示してないが、PtM標識されたプローブを用いたハイブリダイゼーションの手法を応用する事により、これらのケースでの診断が大幅に簡略化され、また迅速化されよう。
(実施例V)
細菌診断
DNAプローブを用いた細菌核酸の検出もまた近年可能となったことは明らかであろう。これにより細菌毒素の遺伝子が明らかになる。しかしながらこれらの遺伝子が発現しているか否かを常に識別することは不可能である。染色体およびプラスミドにコードされた病原性因子(殊にリステリアモノサイトジーン、ガス菌腸毒素、コレラ腸毒素、大腸菌腸毒素そしてインバシビティー、シゲラ及びエルシニアエンテロコルチチカ、エンテロインバシビチィー)の迅速な検出は、食中毒及び食品産業での品質管理(最終産物管理)の診断において重要である。
胃炎患者の胃バイオプシーにPtMを用いてDNAインシチュウハイブリダイゼーションを行ない、ヘリコバクター(以前はカンピロバクター)ピロリを検出することは十分に可能である。
クラミジアトラコーマティスDNAもまた例えばサンドウイッチ検定あるいはインサイチュウハイブリダイゼーションの手法により検出できよう。
(実施例VI)
寄生虫感染の診断
世界中で二百万人の人々がマラリヤで死んでいる。原理的には、時をえた正確な診断によってこれは防ぐ事ができる。現在の(常例の)顕微鏡的手法は、第三世界の国々には殆んど全てが複雑すぎる。西洋においても困難な顕微鏡的手法は、PtMプローブを用いた常例の試料に対するインサイチュウハイブリダイゼーションに置換されよう。これによりマラリヤ種の鑑別診断が相当に簡素化されまた最小限の訓練を受けた人によって行うことができた。第三世界ではPtMに基づいてディップスティック試験が迅速で簡単な診断のための適当な方法となる。
シストーマ、トリパノゾーマ、トキソプラズマ等によって引き起こされる感染症に対しても同様な例が有効である。
(実施例VII)
遺伝子異常の検出
PtMプローブを用いたハイブリダイゼーションの手法は、例えば羊水穿刺物や絨毛膜バイオプシーによる先天性異常の胎仔期診断の可能性を提供する。HLA関連症診断のためのHLA型の検出の増進と供に、異常(例えば悪性腫瘍)の出生後の検出もまた可能である。
制限フラグメント多様性:全てのヒトゲノムは、制限酵素で処理すると断片化され莫大な数の特異的なフラグメント、制限フラグメントになる。仮に突然変異によって制限酵素が作用する部位の塩基配列が変化すれば、これは異常なフラグメントの発達をもたらすものと考えられる。これらのフラグメントはDNAブロッティング法を用いた適切な(PtM標識)プローブによって検出されよう(例えば鎌状赤血球貧血、デユシエン筋ジストロフィー、嚢胞性線維症、ハンチングトン舞踏病において)。
DNA異常に属する塩基配列が既知であれば(β−地中海貧血、抗トロンビン欠乏症、成長ホルモン欠乏症、B型血友病、PKU等)、合成オリゴヌクレオチドプローブを用いた異常DNAの迅速な検出が行われよう。
ヒトカリオサイト中の転座、欠損、転位及び重複の様な染色体異常の検出は、インサイチュウハイブリダイゼーション及びこれに引き続く直接PtF蛍光法あるいは制限フラグメントのサザンブロッティングによって行われよう。
(実施例VIII)
遺伝子発現の検出
免疫組織化学の手法を用いた細胞内抗原の存在の可視化によっては、その時点で関連した遺伝子が発現していることは証明されない。またその可視化された産物が細胞内に起因するのか細胞外に起因するものであるかも示されない。細胞内でのmRNAの検出が遺伝子発現の直接の証拠を提供する。この情報は、細胞の機能性に関するデーターを与えるばかりでなく、診断の手助けともなろう。
非放射性標識を用いたこのRNA ISH(RISH)の手法を実施するための現在の問題点を鑑みると、特に十分に浸透性のある免疫組織化学的検出システムを処置する必要性から問題が派生しているので、まさに直接のPtM標識の応用はそのような診断を実行する上で適切な方法である。このことはPtMフルオレシンの応用については未解決のままである。
遺伝性疾患の指標として異常mRNAを放射性cDNAプローブを用いたブロッティングによって検出することは、多くの先天性異常に対してすでに可能であることが証明されている。その迅速さと応用性は、非放射性(あるいは放射性)PtM標識により顕著に増大するであろう。
PtMプローブを用いたRISHあるいはブロッティングは、特定の遺伝子転写産物(例えば甲状腺転移におけるカルシトニンmRNA、悪性腫瘍におけるオンコジーンの発現)あるいは胚線条(ヘテロ接合体の欠損)や遺伝子再配列の欠如(リンパ腫)を検出することにより、癌の診断に応用されよう。
本発明は、次の実施形態が可能である。
(1)前述の各構造式1または2を持つ化学式{PtII(w)(x)(y)(z)}または{PtIV(u)(v)(w)(x)(y)(z)}をとり、u、v、w、x、y、zが同一あるいは異なった必ずしも互いに結合している必要のないリガンドを表し、その中で少なくとも一つは遊離リガンドであり、残りのリガンドのうち少なくとも一つは検出可能なマーカー基を表しているPt含有化合物。
(2)遊離リガンドが(CHSO、ClまたはHOであることを特徴とする化合物。
(3)検出可能なマーカー基が蛍光基であることを特徴とする化合物。
(4)蛍光基がフルオレシンまたはテトラメチルローダミンであることを特徴とする化合物。
(5){Pt(エチレンジアミン)(MeSO)(フルオレシン−NH(CS)−NHCH)}であることを特徴とする化合物。
(6)上述のそれぞれ構造式1または2を持つ化学式{PtII(w)(x)(y)(z)}または{PtIV(u)(v)(w)(x)(y)(z)}をとり、u、v、w、x、y、zが前述の意味を持つPt含有化合物の合成方法であって、Pt含有化合物が類似化合物にとっては本質的に周知の方法で合成されることを特徴とする合成方法。
(7){Pt(エチレンジアミン)(MeSO)(フルオレシン−NH(CS)−NHCH)}が合成されることを特徴とし、水中でフルオレシン−N=C=SとCHNHとを転換し、pH2〜3に酸性化することにより前記フルオレシン−NH(CS)NHCH溶液から沈澱させ、その後得られた沈澱物を水に懸濁し塩基を加えて懸濁液のpHを10〜11の値に調整して淡黄色の溶液を得、この溶液に水に溶かした{Pt(エチレンジアミン)(MeSO)Cl}を加え反応化合物を室温、暗所で撹拌し、次に未反応のフルオレシン−NH(CS)NHCHを酸性化することにより沈澱させ、濾過し、最後に濾過液を凍結乾燥して{Pt(エチレンジアミン)(MeSO)(フルオレシン−NH(CS)−NHCH)}(PtF)が産生されることを特徴とする合成方法。
(8)前述のPt含有化合物を用いたウィルス、細菌または寄生虫感染の医学的診断、遺伝子異常の検出、遺伝子発現の検出方法。
(9)前述のPt含有化合物を含む、ウィルス、細菌、遺伝子異常または遺伝子発現の検出に使用される診断キット。

Claims (4)

  1. 検出する固有序列を補足する核酸序列でなるハイブリダイゼーションによる固有序列検出用の核酸プローブであって、該核酸プローブが、下記の構造式(1)または(2)で表わされ、化学式{Pt(II)(w)(x)(y)(z)}または{Pt(IV)(u)(v)(w)(x)(y)(z)}を持つ、Pt含有化合物の少なくとも一つで標識されており、
    Figure 0003947508
    式中のu、v、w、x、y、zはそれぞれ同一または異なった、結合または非結合のリガンドを表わし、その中の一つはCl、(CHSO、HO、Br、I、F、SO 2−、NO 、PO 3−、CO 2−、硝酸エチル、燐酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩および置換スルフオキシドでなる群から選ばれた遊離リガンドであり、残りのリガンドの中の少なくとも一つは検出可能なマーカー基であって、検出可能なマーカー基がフルオレセン、テトラメチルローダミン、ビオチン、ジゴキシゲニンまたはAMCAであることを特徴とする核酸プローブ。
  2. 検出可能なマーカー基がフルオレセンまたはテトラメチルローダミンであることを特徴とする請求項1に記載の核酸プローブ。
  3. 検出可能なマーカー基がビオチン、ジゴキシゲニン、またはAMCAであることを特徴とする請求項1に記載の核酸プローブ。
  4. Pt含有化合物が{Pt(エチレンジアミン)(MeSO)(フルオレセン−NH(CS)−NHCH}であることを特徴とする請求項1に記載の核酸プローブ。
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