JP3947345B2 - 多段ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段ポンプに係り、鋼板をプレス成形することにより製作する多段ポンプのポンプケーシングの補強部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4を参照して、従来の鋼板製ポンプケーシングを備えたポンプの構成を説明する。図4は、従来例のポンプの断面図である。
【0003】
図4において、外ケーシング1は、鋼板をプレス成形することにより円筒容器状を形成し、該円筒容器状の中央部を胴部2とし、該胴部2の一方側に底部3を、該胴部2の他方側に開口部20を備えている。前記外ケーシング1の底部側3の中心付近には、吸込みノズル4が適宜な加工手段により固着され、該吸込みノズル4には吸込みフランジ5が同様に固着されている。
【0004】
外ケーシング1には、胴部2の他方側に設けられた開口部20側に、該胴部2に直交するように固定フランジ17が設けられ、該固定フランジ17が、モーター・ブラケット11と接続され、固定・支持されている。
【0005】
該モーター・ブラケット11にはケーシングカバー13が固定されており、該ケーシングカバー13が前記外ケーシング1の胴部2の他方側に設けられた開口部20を閉塞するようになっている。
【0006】
また、外ケーシング1の内部には、鋼板をプレス成形することにより円筒容器状となっている内ケーシング6(内ケーシングの総称)が多段、図示では3段(6−a、6−b、6−c)に収納されている。
【0007】
1段目の内ケーシング6−aは、2段目の内ケーシング6−bに固定・支持され、該2段目の内ケーシング6−bは、3段目の内ケーシング6−cに固定・支持され、該3段目の内ケーシング6−cは、ケーシングカバー13に固定・支持されている。該ケーシングカバー13は、前述の如く、モータブラケット11(高剛性金属)に固定・支持されている。
【0008】
突設部12が、1段目の内ケーシング6ーaの外ケーシングの胴部2に対する垂直な端面に環状に設けられている。前記突設部12は、前記のように、環状に設けなくとも、所定幅を有する部材を、120°対称または90°対称の複数位置に設けても差し支えない。そして、該突設部12が前記外ケーシング1の底部3の内側10と当接するようになつている。前記1段目の内ケーシング6ーaと前記外ケーシング1の底部3の内側10との間隙には、前記突設部12が位置決めするシール部材14が配設されており、該シール部材14により吸込み側の低圧部と吐出し側の高圧部とが分離されている。
【0009】
1段目の内ケーシング6ーaには1段目の羽根車7−1が、2段目の内ケーシング6ーbには2段目の羽根車7−2が、それぞれ収容されている。図示では3段目の内ケーシング6ーcには羽根車が収容されず、空ケーシングとなっているが、必要に応じて、3段目の羽根車が収容しても差し支えない。前記羽根車7−1、7−2は、駆動電動機と直結するポンプ回転軸8に固定・支持されており、該ポンプ回転軸8とケーシングカバー13との間には軸封装置15が設けられている。
【0010】
また、2段目の内ケーシング6ーbおよび3段目の内ケーシング6ーc内には、それぞれ戻り羽根9−1、9−2が固着されている。前記戻り羽根9−1、9−2は、それぞれ1段目の羽根車7−1から吐出された流体を2段目の羽根車7−2に、2段目の羽根車7−2から吐出された流体を3段目の内ケーシング6ーc内に旋回流をなくして圧力を回復して導くようになつている。すなわち、従来のポンプは、その運転時においては、前記羽根車7(羽根車の総称)により加圧された流体は、戻り羽根9(戻り羽根の総称)を通り、流体の旋回流が取り除かれ、次段へ導かれ、さらに加圧され、吐出し口16から吐き出されるように構成されていた。
【0011】
従来のポンプにおいて、図4に示す矢印Pの流体の圧力が、内ケーシング6を加圧する。前記内ケーシング6を加圧する矢印Pの荷重が、外ケーシング1の底部3の内側10に前記内ケーシング6の突設部12において作用する。また、前記外ケーシング1と内ケーシング6との間隙に、前記外ケーシング1の胴部2から底面3に到る曲部の内側10にポンプの吐出し圧Pが、矢印の如く、荷重として作用する。
【0012】
一方、ポンプ据付時は、吸込みフランジ5と配管側のフランジ(図示せず)とを接続するが、配管(図示せず)に適切な支持部材が設けられてない場合は、配管の自重によりポンプ側の吸込みフランジ5及び吸込みノズル4に荷重が作用していた。しかし、前記荷重は、流体の圧力が小さい場合や配管荷重が小さい場合には小であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
荷重が作用する結果、外ケーシング1の胴部2から底面3に到る曲部には曲げモーメントが作用し、該曲部の内側10に応力が発生していた。該曲部の内側10の応力は、流体圧力Pの大きさ及び内ケーシング6の突設部12と前記曲部の内側10とのポンプ回転軸8からの径差等に比例して大きくなるという問題があった。
【0014】
したがって、突設部12の位置がポンプ回転軸8に近くなるほど応力が大きくなる。また、羽根車7により、加圧された流体の圧力が高くなるほど、応力が大きくなるので、前記羽根車7の段数が増える程、応力が大きくなるという問題があった。
【0015】
内ケーシング6から受ける荷重は、ポンプ口径が大きくなるにしたがい、内ケーシング6が大きくなるため大きくなり、応力も大きくなった。また、前記ポンプ口径が大きくなることにより配管が大きくなり、配管荷重等による吸込みフランジ5や吸込みノズル4に作用する応力が大きくなっていた。
【0016】
前記増大した応力に耐えるためには、板厚を厚くしなければならないが、該板厚を厚くすると、プレス成形での製作が困難となるという問題があった。
【0017】
また、補強材、例えばリブを、ポンプケーシングに多く設ける方法では、コスト高になるという問題があった。
【0018】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決し、口径が大きい場合においても、流体圧力に基づくポンプケーシングに作用する応力と配管荷重に基づくポンプケーシングに作用する応力を低減するようにした多段ポンプを提供することをその目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、内ケーシングと該内ケーシングを覆う外ケーシングを備え、該外ケーシングは胴部と該胴部の一端側に底部を有する円筒形容器状、該底部に吸込みノズルと該吸込みノズルに固定された吸込みフランジが設けられ、前記外ケーシングと前記内ケーシングとの間に吐出し圧と吸込み圧とをシールするシール部材され該シール部材を該外ケーシングの底部近傍の所定位置に位置決めする突設部を該外ケーシングの底部と対向する前記内ケーシングの底部に設け、ポンプ吐出し圧力が前記シール部材よりも吐出し側の前記外ケーシングの底部に、該外ケーシングに内設された該内ケーシングの突設部を介して作用する構造を有し、かつ、該内ケーシング内に、ポンプ回転軸に支持される多段の羽根車を備え、後段側の羽根車から吐出された流体を前記胴部と前記内ケーシングとの間に設けられた吐出しノズルに導く多段ポンプにおいて、前記シール部材は、前記吐出しノズルと連通する高圧の吐出し側の間隙と、吸込みノズルと連通して前記外ケーシングの底部と該内ケーシングの底部との間の間隙とをシールし、前記突設部が前記外ケーシングの底部に当接するように該外ケーシングの底部に段差部を設けるとともに、該段差部の外側面と前記吸込みフランジとの間とを結合る補強部材を設け、前記補強部材は、前記内ケーシングの突設部が当接する前記外ケーシングの部位と、該補強部材が結合する前記外ケーシングの段差部の部位が、r G を該補強部材における前記ポンプ回転軸の中心線からの径方向の長さ、rを前記段差部外側面における前記ポンプ回転軸の中心線からの半径、r F を前記突設部における前記ポンプ回転軸中心線からの径方向の長さ、Rを外ケーシング外側面における前記ポンプ回転軸の中心線からの半径とするとき、(r+r F )/2<r G <(R+r F )/2の関係を満たす構成とする
【0020】
【実施の形態】
図1ないし3を参照して、本発明に係る鋼板製ポンプケーシングの一実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る鋼板製ポンプケーシングを備えた多段ポンプの断面図、図2は、図1の多段ポンプにおける鋼板製ポンプケーシングの一部拡大図、図3は、図1の多段ポンプにおける鋼板製ポンプケーシングの補強部材の機能線図である。
【0021】
図1において、外ケーシング1は、鋼板をプレス成形することにより円筒容器状に製作され、該円筒容器状の中央を胴部2とし、該円筒容器状の胴部2の一方側の端面には底部3を、他方側の端面には開口部20を備えている。
【0022】
前記外ケーシング1の底部3側の中心付近には、吸込みノズル4が適宜な加工手段、例えば溶接により固着され、該吸込みノズル4にはその吸込み面と直交するように吸込みフランジ5が固着されている。そして、前記開口部20の近傍の外ケーシング1の胴部2の外側面には吐出しノズル16が固着されている。
【0023】
また、外ケーシング1には、円筒容器状の胴部2において他方側の端面に設けられた開口部20側に前記胴部2に直交する固定フランジ17が設けられ、該固定フランジ17がモーター・ブラケット11と接続され、固定・支持されている。該モーター・ブラケット11に固定されているケーシングカバー13は、前記外ケーシング1の他方側の端面の開口部20を閉塞するように設けられている。
【0024】
また、外ケーシング1の内側には、鋼板をプレス成形することにより、円筒容器状となっている内ケーシング6が僅かな間隙を隔てて配設されている。前記円筒容器状の内ケーシング6は、一方側に駆動電動機と直結するポンプ回転軸8の通し孔と流体水路を兼ねた貫通孔を備えた底部を有し、他方側が開口部(後述)となっている。本実施形態では、前記内ケーシング6は、1段目内ケーシング6−a、2段目内ケーシング6−b、3段目6−cと、3段に配設されている。
【0025】
1段目の内ケーシング6−aの底部は、外ケーシング1の底部3に対向し、前記1段目の内ケーシング6−aの開口部は、2段目の内ケーシング6−bの底部に固定され、前記2段目の内ケーシング6−bの開口部は、3段目の内ケーシング6−cの底部に固定され、前記3段目の内ケーシング6−cの開口部は、前記ケーシングカバー13に固定されている。前記ケーシングカバー13は、モーター・ブラケット11(高剛性金属製)に固定・支持されている。
【0026】
外ケーシング1の底部3に対向する1段目の内ケーシング6−aの底部には、突設部12が環状に設けられ、該突設部12が前記外ケーシング1の底部3の内側10に当接している。前記1段目の内ケーシング6−aの底部と対向する前記外ケーシング1の底部3との間隙には、前記突設部12で位置決めされるシール部材14が配設されており、該シール部材14が低圧の吸込み側と高圧の吐き出し側とを分離している。なお、前記突設部12は、前記内ケーシング6−aの外ケーシング1への当接させるためおよびシール部材14の位置決めのため、前記の如く、環状に設けられているが、必ずしもこれに限定されず、所定幅の部材として、120°対称または90°対称の複数位置に設けても差し支えない。
【0027】
各内ケーシングには羽根車が収容されており、1段目の内ケーシング6−aには1段目の羽根車7−1が、2段目の内ケーシング6−bには2段目の羽根車7−2が、それぞれ収容されている。3段目の内ケーシング6−cは、図示では空ケーシングとなっている。前記羽根車7−1、7−2はポンプ回転軸8に固定支持されており、該ポンプ回転軸8は外ケーシング1および内ケーシング6の円筒容器状の中心軸と同軸となつており、前記ポンプ回転軸8とケーシングカバー13間には軸封装置15が設けられている。
【0028】
2段目の内ケーシング6−bおよび3段目の内ケーシング6−cにはそれぞれ戻り羽根9−1、9−2が固着されている。前記戻り羽根9−1、9−2は、それぞれ1段目の羽根車7−1から吐出された流体を2段目の羽根車7−2に、2段目の羽根車7−2から吐出された流体を吐出しノズル16に旋回流をなくして導かれるようになっている。
【0029】
次ぎに、図2を参照して、外ケーシング1の底部3に設けられた段差部3−a、3−bと、吸込みフランジ5を延設して構成した補強部材5aとを説明する。
【0030】
前記段差部3−a、3−bは、外ケーシング1の胴部2から吸込みノズル4にいたる底部3を、例えばプレス成形し、複数段、図示では3−a、3−bの2段となっている。
【0031】
また、補強部材5aは、吸込みフランジ5を、外ケーシング1における胴部2の径方向と同一方向へ平行に延長し、該延長部分をプレス成形で、前記ポンプ回転軸8と同軸の円筒状に折曲げられている。さらに、前記補強部材5aにおいて前記吸込みフランジ5の反対側の端部が、前記外ケーシング1の胴部2における径方向と同一方向で、且つポンプ回転軸8に向かう方向と反対方向へ、折曲げ加工されている。なお、前記補強部材5aは、本実施形態の如く、円筒状に全周に亘って構成されている必要は必ずしもなく、突設部12の如く、120°対称の位置もしくは90°対称の位置に所定幅の部材として複数設けて差し支えない。この時、補強部材5aは、少なくとも、強度、機能の面から3個所以上が好ましい。
【0032】
補強部材5aにおいて吸込みフランジ5の反対側への端部の折曲げ加工部が、段差部の一つである3−aに固着されている。該折曲げ加工部を設けたのは、前記段差部3−aとの固着を容易にするためである。また、折曲げ加工部の代わりに、前記補強部材5aの吸込みフランジ5の反対側端部に拡大部を設けても差し支えない。前記補強部材5aの折曲げ加工部と外ケーシング1の段差部3−aとの固着部の内側に、図示では1段目の内ケーシング6−aに設けた突設部12を当接させている。
【0033】
再び、図1を参照して、吸込みフランジ5と取付けフランジ21との接続を説明する。前記吸込みフランジ5と段差部3との間隔が小であるので、取付けボルト22および同用ナツト23を手で差し込み、取り付けることができない。
【0034】
予め、前記取付けボルト用ナツト23を前記吸込みフランジ5の裏面の所定位置に適宜な手段で固着しておくようにする。前記固着したナツト23に取付けボルト22を挿入し、両者を螺合せしめ、吸込みフランジ5および取付けフランジ21を固定させる。
【0035】
次ぎに、図2を参照して、補強部材5aの段差部との結合位置が内ケーシングに対する突設部12の当接位置とずれた場合、流体圧力に基づくポンプ回転軸8のスラスト方向の荷重への影響を説明する。図2においては、図1で図示した吸込みフランジ5と取付けフランジ21との接続に用いられる取付けボルト22および同用ナツト23の図示は煩瑣となるので省略し、取付けボルト孔25のみを示し、補強部材5aと突設部12の位置関係が明確となるもののみを示した。
【0036】
図2において、rGは前記補強部材における該ポンプ回転軸中心線から径方向の長さ、rは前記段差部外側面の前記ポンプ回転軸の中心線からの半径、rFは前記突設部の前記ポンプ回転軸中心線からの径方向の長さ、Rは外ケーシング外側面の前記ポンプ回転軸の中心線からの半径を表すとすれば、
前記において、(r+rF)/2<rG<(R+rF)/2・・・・・・・・・(1)
(1)式のもつ物理的意味を考えると、rとrFの中間点の位置からRとrFの中間点の位置までの間でrGの位置を定める。すなわち、rとrFの中間点からRとrFの中間点までの間の位置で、補強部材5aを段差部3−aに固着して補強すればよいことになる。
【0037】
図3を参照して、(1)式(r+rF)/2<rG<(R+rF)/2において、前記rとrFの中間点からRとrFの中間点までの間でrGを定めれば、応力を緩和することについて、板厚T、板厚2Tについて、実験例を説明する。
【0038】
図3において、横軸がrG、補強部材の位置(前記補強部材の前記ポンプ回転軸の中心線からの半径)、rFは前記突設部の前記ポンプ回転軸の中心線からの半径、図示では80(mm)であり、Rは外ケーシング外側面の前記ポンプ回転軸の中心線からの半径、図示では100(mm)であり、縦軸は応力比(補強部材がある場合の最大応力/補強部材がない場合の最大応力)、rは、前記段差部外側面の前記ポンプ回転軸の中心線からの半径であり、図示では60(mm)であるとする。
【0039】
図3から、rGがrとrFの中間点(60+70)/2=70(mm)からRとrFの中間点(80+100)/2=90までの間である場合は、応力比(前記)が少ないことがわかる。rF=rG、すなわち前記突設部12の前記ポンプ回転軸8に平行な中心線と、前記補強部材5の前記ポンプ回転軸8に平行な中心線とが一致していることが応力比がほぼ最小であり、最も効果的であることがわかる。このことは、板厚をT、2Tに変化させても、同様の傾向を示している。
【0040】
次に、図1および2を参照して、ポンプにおいて発生する応力に対する補強部材の機能を説明する。
【0041】
駆動電動機(図示せず)が駆動され、駆動回転軸(図示せず)に直結するポンプ回転軸8が回転し、ポンプが運転される。前記ポンプの吸込みノズル4から吸込まれた流体は、1段目の内ケーシング6−a内の1段目羽根車7−1内に導かれる。前記1段目羽根車7−1から吐出された流体は、戻り羽根9−1によつて圧力が回復され、2段目の内ケーシング6−b内の2段目羽根車7−2内に導かれる。前記2段目羽根車7−2内から吐出された流体は、戻り羽根9−2によつて圧力が回復され、3段目の内ケーシング6−cに導かれる。前記3段目の内ケーシング6−cに導かれた流体は、吐出しノズル16から吐出されると共に、外ケーシング1と内ケーシング6との間隙に流入する。
【0042】
外ケーシング1と内ケーシング6との間隙に流入した流体の吐出し圧力Pが、ポンプ回転軸8のスラスト方向の荷重として、前記外ケーシング1の段差部3−aの内側10で、且つ該外ケーシング1と内ケーシング6との間隙に加わる。
【0043】
また、1段目の内ケーシング6−aの内部には、3段目の内ケーシング6−cおよび2段目の内ケーシング6−bを介して流体の吐出し圧力Pが加わり、この流体の吐出し圧力Pと吸込みノズル4内の吸込み圧力との差圧が、前記1段目の内ケーシング6に設けた突設部12を介して、前記外ケーシング1の段差部3−aに、ポンプ回転軸8のスラスト方向の荷重として加わる。
【0044】
吸い込みフランジ5を折曲加工した補強部材5−aが外ケーシング1の底部3に設けた段差部3−aに固着されているので、流体の吐出し圧力Pに基づく前記外ケーシング1と内ケーシング6との間隙に加わるポンプ回転軸8のスラスト方向の荷重及び突設部12を介するポンプ回転軸8のスラスト方向の荷重に対して、前記補強部材5−aが段差部3−aを介して拮抗し、支えることになる。
【0045】
前記吸込みフランジ5を折曲加工した前記補強部材5がスラスト荷重の補強として働き、前記段差部3−aに加わる荷重を支えるため、前記外ケーシング1の胴部2から底部3へ到る曲部がうける曲げモーメントが低減し、且つ前記段差部3−aの内側10に発生する応力を低減させることができる。
【0046】
さらに、多段ポンプを据付け時においては、配管の取付けフランジ21と吸込みフランジ5とが接続され、前記吸込みフランジ5を延設した補強部材5−aが外ケーシング1の段差部3に固着されるため、前記吸込みフランジ5に加わる荷重を支え、該吸込みフランジ5の剛性が高くなり、吸込みノズル4に加わる応力を緩和することができる。
【0047】
このように、本実施形態は、円筒状の内ケーシング6がポンプ運転時に加わる流体圧力Pによりポンプ回転軸8のスラスト方向に荷重を受け、前記内ケーシング6が内設されている円筒容器状の外ケーシング1が前記流体圧力Pに基づくスラスト荷重をうけた時、前記外ケーシング1の底部3に設けた複数の段差部3−aもしくは3−bが、ポンプ回転軸8からの径方向の所定の位置にて、該段差部3−aもしくは3−bと前記外ケーシング1の底部3に設けた吸込みフランジ5を延設した補強部材5aとを固着して該外ケーシング1を補強するものである。
【0048】
このようにして、スラスト荷重を補強部材5aが直接支えるため、前記段差部に働く荷重を低減させることができ、外ケーシング1の底部3が受ける曲げモーメントを低減し、底部3の内側に発生する応力を低減させることができるようにしたものである。
【0049】
さらに、ポンプを据付けした際に、吸込みフランジ5に加わる配管荷重に対し、該吸込みフランジ5が外ケーシング1の段差部3−aもしくは3−bに固着されるため、当該吸込みフランジ5の剛性が高くなり、吸込みノズル4への応力を緩和することができる。また、前記応力が低下するので、ポンプ口径が大きくなってもポンプケーシングの板厚を厚くする必要がないので、プレス成形により製作することが可能となるという効果がある。補強部材の設置も最小限ですむので製造コストを低減する効果がある。
【0050】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した如く、本発明の構成によれば、ポンプケーシングに加わる流体圧力と配管荷重により、ポンプケーシングの吸込み側の平坦部と吸込みノズルに発生する応力を低減し、口径が大きくなってもポンプケーシングの破壊を防止するようにした多段ポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る鋼板製ポンプケーシングを備えた多段ポンプの断面図である。
【図2】図1の多段ポンプにおける鋼板製ポンプケーシングの一部拡大図である。
【図3】図1の多段ポンプにおける鋼板製ポンプケーシングの補強部材の機能線図である。
【図4】従来例の多段ポンプの断面図である。
【符号の説明】
1…外ケーシング
2…外ケーシングの胴部
3…外ケーシングの底部
3−a、3−b…外ケーシングの底部に設けた段差部
4…吸込みノズル
5…吸込みフランジ
6…内ケーシングの総称
6−a…1段目の内ケーシング
6−b…2段目の内ケーシング
6−c…2段目の内ケーシング
7…羽根車の総称
7−1…1段目の羽根車
7−2…2段目の羽根車
8…電動機駆動軸と直結するポンプ回転軸
8a…ポンプ回転軸の中心線
9…戻し羽根の総称
9−1…1段目の戻し羽根
9−2…2段目の戻し羽根
10…外ケーシング1の胴部2から底面3に到る曲面の内側部
11…モータブラケット
12…内ケーシング6−aに設けた突設部
13…ケーシングカバー
14…シール部材
20…外ケーシングの開口部
21…配管用取付けフランジ
22…取付けボルト
23…取付けボルト用ナット

Claims (3)

  1. 内ケーシングと該内ケーシングを覆う外ケーシングを備え、該外ケーシングは胴部と該胴部の一端側に底部を有する円筒形容器状、該底部に吸込みノズルと該吸込みノズルに固定された吸込みフランジが設けられ、前記外ケーシングと前記内ケーシングとの間に吐出し圧と吸込み圧とをシールするシール部材され該シール部材を該外ケーシングの底部近傍の所定位置に位置決めする突設部を該外ケーシングの底部と対向する前記内ケーシングの底部に設け、ポンプ吐出し圧力が前記シール部材よりも吐出し側の前記外ケーシングの底部に、該外ケーシングに内設された該内ケーシングの突設部を介して作用する構造を有し、かつ、該内ケーシング内に、ポンプ回転軸に支持される多段の羽根車を備え、後段側の羽根車から吐出された流体を前記胴部と前記内ケーシングとの間に設けられた吐出しノズルに導く多段ポンプにおいて、
    前記シール部材は、前記吐出しノズルと連通する高圧の吐出し側の間隙と、吸込みノズルと連通して前記外ケーシングの底部と該内ケーシングの底部との間の間隙とをシールし、
    前記突設部が前記外ケーシングの底部に当接するように該外ケーシングの底部に段差部を設けるとともに、該段差部の外側面と前記吸込みフランジとの間とを結合る補強部材を設け
    前記補強部材は、前記内ケーシングの突設部が当接する前記外ケーシングの部位と、該補強部材が結合する前記外ケーシングの段差部の部位が、
    G を該補強部材における前記ポンプ回転軸の中心線からの径方向の長さ、rを前記段差部外側面における前記ポンプ回転軸の中心線からの半径、r F を前記突設部における前記ポンプ回転軸中心線からの径方向の長さ、Rを外ケーシング外側面における前記ポンプ回転軸の中心線からの半径とするとき、
    (r+r F )/2<r G <(R+r F )/2
    の関係を満たすことを特徴とする多段ポンプ。
  2. 請求項1記載の多段ポンプにおいて、
    前記補強部材は、前記吸込みフランジの径方向に延設され、該延設部分が折り曲げられて前記ポンプ回転軸と同軸的な円筒状とされ、該円筒状の一方の端部が前記段差部に結合される構成であることを特徴とする多段ポンプ。
  3. 請求項1記載の多段ポンプにおいて、
    前記補強部材は、前記吸込みフランジと前記段差部との間に、前記ポンプ回転軸と平行で、かつ所定幅を有する部材が複数個配され、該部材の両端がそれぞれ前記吸込みフランジと前記段差部とに結合された構成であることを特徴とする多段ポンプ。
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