JP3947341B2 - モータアクチュエータの配線の製造方法 - Google Patents

モータアクチュエータの配線の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の空調用ドアその他のドアなどの開閉を制御するために用いられるモータアクチュエータの配線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のモータアクチュエータには、一般に、電気絶縁性のプラスチックモールドにより形成された外装ケース内に、モータと、そのモータの回転により外装ケースに形成された軸孔を中心に回動される導電ブラシと、その導電ブラシとの接触状態によってモータの回転を制御するための円弧状の導電片群とが設けられている。
【0003】
そして、そのような導電片群をプリント基板に形成すると非常にコスト高になるので、一体に繋がった状態の導電片群をインサートして外装ケースをプラスチックモールド成形し、その後、導電片群を複数の導電片に分離するようにしている(特許第2842907号公報)。
【0004】
図7は、そのような従来のモータアクチュエータの導電片群91が外装ケース92にインサート成形された状態を示しており、インサート成形前は一繋がりに形成されている導電片群91の周辺部に二つの位置決め用孔93が形成されていて、その両孔93の位置がインサート成形の際の外装ケース92に対する導電片群91の位置決めになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のように外装ケース92に対する導電片群91の位置決めが周辺部を基準に行われていると、円弧状に形成されている導電片群91の中心位置と外装ケース92に形成された軸孔94との位置合わせを高精度に行うことができない。
【0006】
そのため、軸孔94を中心として回動する導電ブラシ(図示せず)と導電片群91との位置関係にずれが生じて、モータの回転/停止位置制御に誤差が発生していた。
【0007】
そこで本発明は、導電片群をインサートして外装ケースをプラスチックモールド成形する際に、外装ケースに形成された導電ブラシの回動軸孔と導電片群との位置関係を正確に形成することができるモータアクチュエータの配線の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のモータアクチュエータの配線の製造方法は、電気絶縁性のプラスチックモールドにより形成された外装ケース内に、モータと、外装ケースに形成された軸孔を中心にモータの回転により回動される導電ブラシと、導電ブラシとの接触状態によってモータの回転を制御するための円弧状の導電片群とが設けられ、導電片群を一体に繋がった状態でインサートして外装ケースをプラスチックモールド成形した後、導電片群を個々の導電片に分離するようにしたモータアクチュエータの配線の製造方法において、円弧状に形成された導電片群の中心軸位置に合わせて位置決め孔が形成された位置決め片を導電片群と一体に形成しておき、導電片群をインサートして外装ケースをプラスチックモールド成形する際に位置決め孔を軸孔に対して位置合わせし、外装ケース成形後に位置決め片を切除するようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図3はモータアクチュエータの全体的構成を分解して示しており、1は、電気絶縁性のプラスチックモールドにより形成された外装ケース。2は、同じ材料で形成された蓋体である。
【0010】
外装ケース1内には、減速歯車群3を構成する各歯車を回転自在に軸支する軸4と、駆動用のモータ5を支える受け部6と、出力軸7が回転自在に嵌合する軸孔8とが形成されている。
【0011】
外装ケース1の外側面の一部は、長方形の筒状断面で外方に開口して形成され、その中に、導電性の複数(例えば4本)の接点ピンが平行に整列して配置されて、外部との電気的接続を行うためのコネクタ部20を形成している。
【0012】
図3は分解斜視図なので、モータアクチュエータの内部に収容される各部品等が取り外されて立体的に示されている。12は、駆動用のモータ5を取り付ける取付板であり、受け部6に差し込んで支えられて外装ケース1内に固定される。
【0013】
そして、モータ5の駆動軸に取着されるウォームギヤ11が、減速歯車群3の第1の歯車3aと噛み合い、減速歯車群3の最終の小歯車3bが、大径の出力歯車10と噛み合うように配置されている。
【0014】
出力歯車10には、出力軸7が圧入連結又は一体成形されていて、その出力軸7の一端部には、蓋体2の外側において、アーム9が一体に回転するように取着される。
【0015】
したがって、モータ5が回転すると、その回転が減速歯車群3で減速されてアーム9が回動する。そしてこのアーム9が、図示されていない空調用のドア等に連結され、そのドア等の開閉が制御される。
【0016】
31は、出力軸7の回転角検出などを行うための導電片群、32は、モータ5に電力を供給するためにモータ5に接続される一対の給電端子、16は、導電片群31に接触するように出力歯車10に固着される導電ブラシである。
【0017】
図4は、電気配線を行うために、一枚の金属板からプレスによって、一繋がりに打ち抜かれた導電板30を示しており、分かり易いようにその表面に斜線を付してある。
【0018】
導電板30は、複数の円弧状の導電片が軸孔8を中心にして同芯状に配置された導電片群31部と、一対の給電端子32部と、4本の接点ピン33部とに大別される。
【0019】
導電片群31と接点ピン33とは3組が一体のものとして連続的に形成され、一対の給電端子32は、一方が導電片群31の一部に連続して形成され、もう一方は接点ピン33の一つと連続して形成されている。
【0020】
導電板30は、複数箇所に形成された細い連結部35によって全体が一体に繋がって形成されており、外装ケース1にインサート成形された後で連結部35部分が切除される。
【0021】
円弧状に形成された導電片群31の内側の領域は、軸孔8が位置する部分なので導電板30部分があってはならないが、インサート成形される前の状態においては、細い四本の繋ぎ部37によって導電片群31と繋がった位置決め片39が中央位置に存在している。
【0022】
そして、位置決め片39には、円弧状に形成された導電片群31の中心位置に合わせて円形の位置決め孔38が形成されている。また、導電片群31の周辺部分には、もう一個の位置決め孔36が形成されている。
【0023】
図1は、このように形成された導電板30をインサートして外装ケース1をプラスチックモールド成形した状態を示しており、分かり易いように軸孔8部分だけは外装ケース1側にもハッチングを付してある。図2は、軸孔8の中心を通るII−II断面図である。
【0024】
本発明による外装ケース1を成形する際には、外装ケース1に対して周辺部の位置決め孔36の位置が位置合わせされるのと同時に、図2に示されるように、位置決め片39の位置決め孔38の中心軸線38Aが、軸孔8の中心軸線8Aと位置合わせされる。
【0025】
このような円形孔どうしの芯合わせは非常に高精度に容易に行うことができる。したがって、外装ケース1成形時に、円弧状に形成されている導電片群31の中心位置と外装ケース1に形成された軸孔8との芯合わせが高精度に行われる。
【0026】
導電板30をインサートして外装ケース1のプラスチックモールド成形ができたら、図5に示されるように、連結部35を切除するのと同時に、繋ぎ部37を切断して位置決め片39を切除する。
【0027】
このようにして形成されたモータアクチュエータにおいては、導電片群31が軸孔8に対して高精度に位置合わせされているので、導電ブラシ16の回動により行われるモータ5の回転/停止位置制御の誤差を非常に小さくすることができる。
【0028】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば導電板30の形状は、図6に示されるようなものの他どのような形状であっても差し支えない。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、円弧状に形成された導電片群の中心軸位置に合わせて位置決め孔が形成された位置決め片を導電片群と一体に形成しておき、導電片群をインサートして外装ケースをプラスチックモールド成形する際に位置決め孔を軸孔に対して位置合わせし、外装ケース成形後に位置決め片を切除するようにしたことにより、導電片群をインサートして外装ケースをプラスチックモールド成形する際に、外装ケースに形成された導電ブラシの回動軸孔と導電片群との位置関係を正確に形成することができ、小さな誤差でモータの回転/停止位置制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のモータアクチュエータの配線の製造方法による導電板がインサートされて外装ケースがモールド成形された直後の状態の平面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】本発明の実施例のモータアクチュエータの分解斜視図である。
【図4】本発明の実施例の導電板の平面図である。
【図5】本発明の実施例のモータアクチュエータの配線の製造方法による導電板がインサートされた外装ケース成形が完了した状態の平面図である。
【図6】本発明の第2の実施例の導電板の平面図である。
【図7】従来のモータアクチュエータの配線の製造方法による導電板がインサートされて外装ケースがモールド成形された直後の状態の平面図である。
【符号の説明】
1 外装ケース
8 軸孔
31 導電片群
36 位置決め孔
37 繋ぎ部
38 位置決め孔
39 位置決め片

Claims (1)

  1. 電気絶縁性のプラスチックモールドにより形成された外装ケース内に、モータと、上記外装ケースに形成された軸孔に回転自在に嵌合する出力軸と、上記モータの回転により上記出力軸と一体に回動される導電ブラシと、上記導電ブラシとの接触状態によって上記モータの回転を制御するための円弧状の導電片群とが設けられ、上記導電片群を一体に繋がった状態でインサートして上記外装ケースをプラスチックモールド成形した後、上記導電片群を個々の導電片に分離するようにしたモータアクチュエータの配線の製造方法において、
    円弧状に形成された上記導電片群の中心軸位置に合わせて上記軸孔より小さな位置決め孔が形成された位置決め片を上記導電片群と一体に形成しておき、上記導電片群をインサートして上記外装ケースをプラスチックモールド成形する際に上記位置決め孔の中心軸線を上記軸孔の中心軸線に対して位置合わせし、上記外装ケース成形後に、上記位置決め片が上記軸孔を塞がない状態に上記位置決め片を切除するようにしたことを特徴とするモータアクチュエータの配線の製造方法。
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