JP3947320B2 - 圧接コネクタとその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧接端子を有する帯状の絶縁キャリヤを所要長さに切断して所要の極数に構成した圧接コネクタとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図21は従来の一般的なコネクタと、コネクタを用いたサブワイヤハーネスの製造方法を示すものである。
このコネクタ85は合成樹脂製の雄型のコネクタハウジング86と、電線87に圧着接続された雌型の端子88とで構成される。コネクタハウジング86の端子収容室89内に端子88が挿入される。
【0003】
複数本の電線87の両端にそれぞれ端子88が圧着され、各端子88が各コネクタハウジング86内に挿入されて、全体としてサブワイヤハーネス90が構成される。コネクタハウジング86の端子収容室89は二段ないしそれ以上に多段に設けられ、各端子収容室89に端子88が収容されて、いわゆる多極コネクタ85が構成される。
【0004】
端子88は左右各一対の圧着片91と箱型の電気接触部92とで構成され、各圧着片91が電線87の被覆部と導体部とにそれぞれ加締圧着される。雌型のコネクタハウジング(図示せず)の場合には雄型の端子(図示せず)が使用される。雄型の端子はタブ状の電気接触部と圧着片とを備える。
【0005】
しかしながら、上記従来のコネクタ85にあっては、電線87に端子88を圧着する作業が面倒で且つ多くの工数を要し、また、電線付の端子88を多段のコネクタハウジング86の下側の端子収容室89に挿入する際に、上側の電線87が邪魔になり、それを避けるためにガイド機構を要する等、端子挿入装置が複雑化、大型化すると共に製造タクトが増大するという問題があった。
【0006】
これらの問題を解消するべく、上記コネクタ85に代えて近年、図22〜図24に示すような圧接コネクタが採用されている。
図22の如く、圧接コネクタ93は、上部を開口した合成樹脂製のコネクタハウジング94と、端子収容室95に挿着される圧接端子96とを備えている。コネクタハウジング94は、底壁97と両側壁98と前壁99と、端子収容室95を画成する隔壁100とで構成される。前壁99には、相手側コネクタ(図示せず)の雄端子の電気接触用のタブ部やピン部に対する挿通孔101が形成されている。圧接端子96は、左右各一対の圧接片102と、圧接片102と一体の基板部(図示せず)に続く箱状の電気接触部103とを有している。電気接触部103内には接触用ばね片(図示せず)が設けられている。
【0007】
圧接端子96はコネクタハウジング94の上部開口から端子収容室95に挿入され、図示しない係止爪で係止される。その後、電線104が一対の圧接片102の中央の真上にセットされ、図示しない圧接装置のブレードで下向きに押圧されて、一対の圧接片102の間に圧接される。電線104としてはビニル被覆電線やエナメル線等の被覆電線が使用される。
【0008】
図22はおいては五個の圧接端子96を収容した五極の圧接コネクタ、図23においては二個の圧接端子96を収容した二極の圧接コネクタ105、図24においては十個の圧接端子96を収容した十極の圧接コネクタ106をそれぞれ示している。
【0009】
各コネクタハウジング94,107,108は回路数(電線104の本数や圧接端子96の極数)や回路形態に応じて別々に樹脂成形される。コネクタハウジング94,107,108の上部開口を覆うカバー(図示せず)をヒンジを介して開閉自在に設けることもある。図21の構成と同様に複数本の電線104の両端末に圧接コネクタ93,105,106を配設することでサブワイヤハーネスが構成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の圧接コネクタ93,105,106にあっては、回路数や回路形態に応じて大きさの異なる多種のコネクタハウジング94,107,108を個々に形成しなければならないために、成形金型の費用や製造工数及びコネクタハウジング94,107,108の部品代や製造工数や管理費等が増大し、圧接コネクタ93,105,106及びそれを用いたサブワイヤハーネスの製造コストが高くなるという問題があった。また、圧接コネクタ93,105,106には端子圧接用の上部開口が必要であるために、図25に示すような多段のコネクタハウジング109を使用することができず、端子の多極化を行うためには、多くの端子収容室95を横並びに設けるために、コネクタハウジング108が横長に肥大化してしまうという問題があった。
【0011】
本発明は、上記した点に鑑み、必要な回路数や回路形態に簡単に且つ低コストで迅速に対応することができ、しかも多段な多極コネクタを形成することができる圧接コネクタとその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、基板部に隔壁が立設された絶縁キャリヤと、該絶縁キャリヤに設けられ、該隔壁で隔てられた圧接端子と、該圧接端子に電線を圧接した電線付絶縁キャリヤを収容するケースとを備え、該ケースは所要極数に切断された該電線付絶縁キャリヤを複数組並列に収容すると共に、それぞれ該電線付絶縁キャリヤが収容されてなる一方のコネクタと他方のコネクタとで該電線付絶縁キャリヤの配列を異ならせた圧接コネクタを採用する(請求項1)。
また、複数の圧接端子を並列に有する帯状の絶縁キャリヤの該圧接端子に各電線の端末を圧接し、電線付絶縁キャリヤを所要極数に切断し、切断した電線付絶縁キャリヤをケースに並列に収容して圧接コネクタを構成する圧接コネクタの製造方法であって、極数の異なる複数の切断済みの電線付絶縁キャリヤを各電線の一端末の圧接コネクタ側と他端末の圧接コネクタ側とで配置を変えて各ケースに収容する圧接コネクタの製造方法を併せて採用する(請求項2)。
前記帯状の絶縁キャリヤをリール状に巻いたことも有効である(請求項3)。また、複数の前記電線付絶縁キャリヤを前記ケースに多段に収容することも有効である(請求項4)。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図5は、本発明に係る圧接コネクタの製造方法の一実施例を工程順に示すものである。
【0014】
図1の如く、帯状の絶縁キャリヤ1に圧接端子2がストックされた状態で、絶縁キャリヤ1がリール状に巻かれている。絶縁キャリヤ1は合成樹脂で形成され、帯状の基板部3に多数の隔壁4が並列に立設されている。各隔壁4の間に圧接端子2が設けられている。
【0015】
圧接端子2は絶縁キャリヤ1にインサート成形等の一体成形により固定させてもよく、あるいは図示しない係止爪等の係止手段で基板部3に係止させてもよい。リール5の巻き方向は図1の如く基板部3を外側としてもよく、あるいは基板部3を内側(隔壁4を外側)にしてもよい。後者の方が圧接端子2の剛性に影響されることなく絶縁キャリヤ1を容易に巻くことができる。圧接端子2は少なくとも基板部3に固着していればよく、必ずしも隔壁4に固着させる必要はない。その方がリール巻き時の屈曲が容易である。
【0016】
図2の如く、リール5から絶縁キャリヤ1を圧接端子2と一体で引き出した状態で(必ずしも絶縁キャリヤ全体を平面的に延ばす必要はない)、必要回路分の圧接端子2に電線6を圧接させていく。電線6の圧接は例えば絶縁キャリヤ1の先端側から順次行っていく。各圧接端子2に各電線6が圧接接続されて、電線付絶縁キャリヤ39が形成される。
【0017】
図2の如く絶縁キャリヤ1全体を平面的に位置させ、回路形態の通りに(回路形態に従って)電線6をランダムに圧接していくことも可能である。この場合、電線6の圧接は絶縁キャリヤ1の先端側からではなく、回路形態に応じた電線位置となるように順不同に行われる。これにより、圧接済の電線6を他方の圧接コネクタ(電線6の両端にそれぞれ圧接コネクタが配設される)に対してクロスして遠くに配線する必要がなくなり、回路が整列化される。
【0018】
電線6はサブワイヤハーネス(図示せず)の規定長さに最初から切断しておいてもよく、あるいは圧接と同時に切断してもよい。自動機においては例えは電線6の一端を一方の圧接コネクタ(図示せず)の圧接端子に圧接し、次いで電線6を所要長さに繰り出して、電線6の中間部を他方の圧接コネクタ(図示せず)の圧接端子に圧接すると同時にカッタ(図示せず)で切断する。
【0019】
次いで図3(a) 〜図5(a) の如く、絶縁キャリヤ1を種々の回路数に応じて必要な極数(長さ)に切断する。絶縁キャリヤ1は本例では基板部3の隔壁4寄り(隔壁4の直近)から切断される。本例で絶縁キャリヤ1の切断は圧接端子2に影響しない部位で行っている。隔壁4ごと基板部3を切断することも可能である。切断は例えば図示しない手動プレスや自動プレス等で容易に行うことができる。
【0020】
図3(a) は、絶縁キャリヤ1上に五個の圧接端子2(図1)が位置し、各圧接端子2に各電線6が圧接された状態である。隔壁4は四つであり、絶縁キャリヤ1の両端側に圧接端子2(図1)と電線6が露出して位置する。図4(a) は、絶縁キャリヤ1上に二個の圧接端子2(図1)が位置し、各圧接端子2に各電線6が圧接された状態である。二本の電線6の中間に一つの隔壁4が位置する。図5(a) は、絶縁キャリヤ1上に十個の圧接端子2(図1)が位置し、各圧接端子2に各電線6が圧接された状態である。図3(a) 〜図5(a) において、各絶縁キャリヤ1と圧接端子2と電線6とで異なる極数の電線付絶縁キャリヤ7〜9が構成される。
【0021】
図3(b) 〜図5(b) は図3(a) 〜図5(a) の各電線付絶縁キャリヤ7〜9を収容する合成樹脂製の絶縁性のケース10〜12であり、本例の各ケース10〜12は底壁13と両側壁14,14と前壁15とで構成される。前壁15には、例えば圧接端子2(図1)の電気接触部(図示せず)に相手側コネクタ(図示せず)の雄端子を接続させるための挿通孔(図示せず)が設けられている。前壁15を設けないで、底壁13と両側壁14,14だけで略凹字状のケース(図示せず)を構成させることも可能である。両側壁14,14の間の内寸法は、切断した絶縁キャリヤ1の長さにほぼ等しく、絶縁キャリヤ1は例えば圧入や係止突起等の係止手段でケース10〜12に固定される。ケース12の内側高さH1 は絶縁キャリヤ1の外側高さ(全高)H2 に等しい。
【0022】
なお、ケース10〜12を用いないで、絶縁キャリヤ1のみでコネクタハウジングの代用とすることも可能である。この場合は図3(a) 〜図5(a) の各絶縁キャリヤ1の両端側に隔壁4が位置するように絶縁キャリヤ1を切断する。図3(a) では六つの隔壁4、図3(b) では三つの隔壁4、図3(c) では十一の隔壁4がそれぞれ必要となる。
【0023】
図3(c) 〜図5(c) の如く、ケース10〜12に各電線付絶縁キャリヤ7〜9が上部の開口16から挿入されて収容される。電線付絶縁キャリヤ7〜9を正面の開口17(図3(b) )から挿入することも可能である。各絶縁キャリヤ1の基板部3がケース10〜12の底壁13に接し、隔壁4がケース10〜12の両側壁14,14と同一高さに位置する。電線6は隔壁4から上に突出することなく、隔壁4内に収容されている。両側壁14,14によって両端側の電線6と圧接端子2(図1)とが外部から保護される。
【0024】
図3(c) 〜図5(c) において絶縁キャリヤ1と圧接端子2(図1)とケース10〜12とで圧接コネクタ18〜20が構成される。図3(c) では五極の圧接コネクタ18が構成され、図4(c) では二極の圧接コネクタ19が構成され、図5(c) では十極の圧接コネクタ20が構成される。なお、切断した絶縁キャリヤ1をケース10〜12に収容した後、圧接端子2(図1)に電線6を圧接することも可能である。
【0025】
図6(a) は圧接端子の一形態、図6(b) は絶縁キャリヤに圧接端子を設けた一形態をそれぞれ示すものである。
この圧接端子21は従来とほぼ同様に、基板部22に各一対の圧接片23を有し、基板部22の前側に例えば環状の電気接触部24を有している。環状の電気接触部24は絶縁キャリヤ1のリール巻き時の屈曲性を高める。電気接触部24に相手側の圧接コネクタ(図示せず)のピン状の雄端子が挿入接続される。
【0026】
圧接端子21は少なくとも絶縁キャリヤ1の基板部3に固着していればよく、必ずしも隔壁4に固着させる必要はない。また、圧接片23と隔壁4との間や電気接触部24と隔壁4との間に隙間を設けることで、絶縁キャリヤ1のリール巻き時の内向きの屈曲性を高めることもできる。あるいは、左右一対の圧接片23を完全に切り離して独立させてもよい。リール巻きにしない場合は例えば一体成形等により隔壁4に圧接片23を固定させて剛性を高めることも可能である。
【0027】
前記ケース10(図3(b) )の前壁15は電気接触部24に対する抜け止め壁としても作用する。ケース10を用いない場合は隔壁4の前端を左右に突出させて、電気接触部24に対する当接部(図示せず)としてもよい。当接部の間をスリット状に開口させることで、絶縁キャリヤ1のリール巻き時の屈曲性が高まる。なお、環状の電気接触部24に代えてピン状の雄型の電気接触部等を形成してもよく、あるいは電気接触部24を排除して、絶縁キャリヤ1の端子収容部25内に圧接片23のみを配置したり、圧接片23を相互にジョイントさせてジョイントコネクタとして使用することも可能である。
【0028】
図7は、上記圧接コネクタを用いたサブワイヤハーネスの一例を示すものである。
このサブワイヤハーネス27は、図3の電線付絶縁キャリヤ7とケース10を用いて、電線6の両端末に圧接コネクタ181 ,182 を構成させたものである。圧接コネクタ181 を相手側コネクタ(図示せす)に嵌合させることで、ケース10の前壁15の挿通孔28から相手側コネクタ(図示せす)の雄端子が挿入されて圧接端子21の電気接触部24に接続される。
【0029】
図7において一方の圧接コネクタ181 はそのままで、他方の圧接コネクタ182 を図4(c) の二極の圧接コネクタ19と図示しない三極の圧接コネクタとに代えることも可能であり、その場合は二極と三極の各圧接コネクタ19…の電線6の長さを相違させてもよい。
【0030】
図8〜図10は、本発明に係る圧接コネクタとその製造方法の第二の形態を示すものである。
この方法は、先ず前例の図2において必要回路分の圧接端子2に電線6を圧接した後、図8〜図10の如く必要回路単位毎に絶縁キャリヤ1を切断して、本例で三つの形態の異なる極数(長さ)の電線付絶縁キャリヤ31〜33を作る。31は五極の電線付絶縁キャリヤ、32は二極の電線付絶縁キャリヤ、33は十極の電線付絶縁キャリヤである。各極の電線付絶縁キャリヤ31〜33は一度に大量に生産される。
【0031】
そして、各極の電線付絶縁キャリヤ31〜33の並び順を変えてケース34に収容する。電線付絶縁キャリヤ31〜33の並び順は、図示しない配線回路図に従って変えられる。ケース34は前例と同様に合成樹脂で形成され、底壁35(図8)と両側壁36,36と前壁37とを有している。本例で使用するケース34は、各電線付絶縁キャリヤ31〜33のトータルの極数が同一であるから、同じ大きさ形状のものを使用する。各絶縁キャリヤ1の形状は、隣接する圧接端子2(図1)の短絡防止を考慮して、少なくとも一端側に隔壁4が立設されていることが好ましい。圧接端子2の形状や電線6との接続形態は前例と同様である。
【0032】
図8における各電線付絶縁キャリヤ31〜33をその並び順でケース34に収容した状態を図11に示す。三つの電線付絶縁キャリヤ31〜33と、各絶縁キャリヤ1上の圧接端子2(図1)と、前例よりも横長のケース34とで圧接コネクタ37が構成されるのは前例と同様である。
【0033】
図11の如く、五極と二極の各電線付絶縁キャリヤ31,32の繋ぎの部分及び二極と十極の各電線付絶縁キャリヤ32,33の繋ぎの部分で、各絶縁キャリヤ1の基板部3の端面38が相互に当接して、各絶縁キャリヤ1が隙間なく一体化している。電線6は被覆電線であるから、隔壁4がなくとも何ら問題はないが、圧接端子同士が接触しないように、繋ぎの部分にも隔壁4が必要となる。圧接端子同士が接触する危険のない構造のものであれば、繋ぎの部分の隔壁4は不要である。
【0034】
上記構成を採用することで、例えば図12に示す如く、一方の圧接コネクタ371 のケース34に各電線付絶縁キャリヤ31,32を収容した後、他方の圧接コネクタ372 のケース34に各電線付絶縁キャリヤ31,32を収容する際に二個の電線付絶縁キャリヤ31,32の並び順を逆にするだけで、電線6をクロスさせて、異なる形態の回路に容易に対応することができる。あるいは、回路形態に応じて各電線付絶縁キャリヤ31〜33(図8)の並び順を変えることで、簡単に種々の回路形態に対応することができ、且つ配線作業が簡易化される。
【0035】
図13〜図15は、本発明に係る圧接コネクタとその製造方法の第三の形態を示すものである。
すなわち、前記図2において必要回路分の圧接端子2に電線6を圧接した後、図13の如く、規定の長さに絶縁キャリヤ1を切断し、複数の同一極数(長さ)の電線付絶縁キャリヤ40を得る。本例では五極の電線付絶縁キャリヤ40を四枚形成する。各絶縁キャリヤ1は図3の第一の形態で示したと同様に両端に隔壁4のないものであり、絶縁キャリヤ1の両側の圧接端子と電線6は露出している。
【0036】
次いで、各電線付絶縁キャリヤ40を図14のケース41に多層に積み重ねて収容する。ケース41は絶縁性の合成樹脂で形成され、前例のケース34(図8)よりも十分に深いものである。ケース41は底壁46と両側壁42,42と前壁43とで構成されている。前壁43は図3の形態におけると同様に、形成しない場合もあり得る。ケース41の両側壁42,42の内面に、絶縁キャリヤ1の基板部3に対する係止突起44を設けておいてもよい。係止突起44は少なくとも上側にガイド傾斜面44aを有したものが好ましい。ケース41の内幅は絶縁キャリヤ1の外幅とほぼ等しく、ガタつきを生じないように設定される。
【0037】
図15の如くケース41内に複数枚の電線付絶縁キャリヤ40が収容されて多段の圧接コネクタ45が構成される。このように、圧接端子2(図1)を用いても多段の圧接コネクタ45を容易に作ることができる。圧接端子2の極数は縦横合計で二十極となる。絶縁キャリヤ1の長さが同一であるから、部品の共用化により、製造が容易化し生産性も向上する。従来の圧着端子における面倒な端子挿入作業が不要であることは言うまでもない。
【0038】
なお、ケース41の両側壁42,42に、各絶縁キャリヤ1毎の係止突起44を形成して各絶縁キャリヤ1を係止できるようにし、四枚以下の電線付絶縁キャリヤ40で圧接コネクタを構成させることも可能である。また、図8〜図12の如く複数枚の極数の異なる電線付絶縁キャリヤ31〜33を並列に並べたものを図14のような底の深いケース41に多段に収容することも可能である。また、ケース41の上部にカバー(図示せず)をヒンジで開閉自在に設けることも可能である。
【0039】
図16〜図19は、圧接コネクタの製造装置の一実施例を示すものである。
この製造装置51は、図16〜図17の如く端子圧接機52と絶縁キャリヤ切断機53とを備えたものである。リール状に巻かれた絶縁キャリヤ1は平面的に延ばされて、端子圧接機52⇒絶縁キャリヤ切断機53の順で送られる。
【0040】
端子圧接機52は公知のものであり、図18にも示す如く、圧接ブレード54を固定した昇降自在なスライダ55と、スライダ55の上部のシャンク56に対する係合部57を有するラム58と、ラム58の上部に固定されたクランク59と、クランク59の水平溝60に係合したピン部61を有する回転板62と、回転板62に連結したサーボモータ63とを備えている。スライダ55とシャンク56とを含むアプリケータ64は垂直な回転軸65を支点にモータ66の駆動で回動可能で、圧接端子2(図16)の種類に応じて適宜選択使用される。
【0041】
サーボモータ63で回転板62が回動し、ピン部61が水平溝60に沿って水平移動し、それに伴ってクランク59がラム58と一体で下降し、それによってスライダ55が圧接ブレード54と一体に下降し、圧接ブレード54が基台67上で絶縁キャリヤ1(図16)の圧接端子2に電線6を圧接させる。
図16の如く電線6の圧接を完了した電線付絶縁キャリヤ70は絶縁キャリヤ切断機53の真下に供給される。絶縁キャリヤ切断機53は、図19にも示す如く、切断ブレード(カッタ)71と、切断ブレード71を固定したスライダ72と、スライダ72の上部のシャンク73に対する係合部74を有するロッド75と、ロッド75を昇降させる垂直なシリンダ76とを備える。
【0042】
スライダ72はガイド77に沿って昇降自在であり、切断ブレード71はスライダ72に着脱可能である。図16の如く切断ブレード71の真下に、垂直方向の案内溝78を有する受け部79が設けられている。切断ブレード71は本例で各隔壁4,4の中間で絶縁キャリヤ1の基板部3を切断する。この場合、圧接端子2も絶縁キャリヤ1と一体に切断されるが、予め絶縁キャリヤ1の切断予定部に圧接端子2を配置しないことも可能である。絶縁キャリヤ1の切断予定部には電線6を圧接しないでおく。図17の如く切断された電線付絶縁キャリヤ80は絶縁キャリヤ切断機53のキャリヤ送り方向(矢印イ方向)の前方に排出される。図17で72,73は装置フレームを示す。
【0043】
上記製造装置51によって、図20(a) に示すような複数枚の極数(長さ)の等しい電線付絶縁キャリヤ80が形成される。この絶縁キャリヤ80は端子収容部81の中央から切断されているので、絶縁キャリヤ1の両端側には電線6が配置されていない。この点は図15の実施形態と相違しているが、他の構成は同じであり、合成樹脂製のケース82内に複数枚の電線付絶縁キャリヤ80を段積みすることで、図20(b) の如く多段に電線6が配置された多極の圧接コネクタ83が構成される。ケース82に対する絶縁キャリヤ1の係止手段は前例と同様である。
【0044】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、電線を圧接した絶縁キャリヤをケースに収容することで、所要の極数の圧接コネクタを簡単且つ迅速に得ることができ、構造が簡単であるから、部品コストが低減される。また、ケースに絶縁キャリヤを収容する際に、絶縁キャリヤの並び順を変えることで、多種の配線形態(回路形態)に容易に対応することができる。
【0045】
また、請求項2記載の発明によれば、電線を圧接した帯状の絶縁キャリヤを所要極数(所要長さ)に切断することで、簡単且つ迅速に多数の電線付絶縁キャリヤを作ることができ、電線付絶縁キャリヤをケースに収容することで簡単に圧接コネクタを得ることができる。そして、複数種の所要極数の絶縁キャリヤを切断によって簡単に多数個形成することができるから、従来のようにコネクタの種類に応じて一々成形金型を形成する必要がなく、圧接コネクタ及びサブワイヤハーネスの製造コスト及び製造工数が低減されると同時に、種々の回路形態に容易に対応することができる。また、ケースに絶縁キャリヤを収容する際に、絶縁キャリヤの並び順を変えることで、多種の配線形態(回路形態)に容易に対応することができ、種々の配線形態のサブワイヤハーネスを簡単に得ることができる。また、電線をクロスさせた形態のサブワイヤハーネスを簡単に得ることができる。また、請求項3記載の発明によれば、絶縁キャリヤをリール巻きにすることで、絶縁キャリヤの供給が容易化し、圧接コネクタ及びサブワイヤハーネスの生産性が一層向上する。また、請求項4記載の発明によれば、従来の圧接コネクタでは不可能であった多段式の圧接コネクタを簡単に得ることができ、それによって一層の多極化が可能になると共に、横方向へのコネクタの肥大化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧接コネクタの製造方法の一過程(絶縁キャリヤ)を示す正面図である。
【図2】同じく絶縁キャリヤに電線を圧接した状態を示す正面図である。
【図3】 (a) は電線付絶縁キャリヤの第一形態、(b) はケースの第一形態、(c) は圧接コネクタの第一形態をそれぞれ示す正面図である。
【図4】 (a) は電線付絶縁キャリヤの第二形態、(b) はケースの第二形態、(c) は圧接コネクタの第二形態をそれぞれ示す正面図である。
【図5】 (a) は電線付絶縁キャリヤの第三形態、(b) はケースの第三形態、(c) は圧接コネクタの第三形態をそれぞれ示す正面図である。
【図6】 (a) は圧接端子の一例、(b) は圧接端子を絶縁キャリヤに設けた一例をそれぞれ示す斜視図である。
【図7】サブワイヤハーネスの一形態を示す平面図である。
【図8】複数の電線付絶縁キャリヤをケースに収容する第一形態を示す正面図である。
【図9】複数の電線付絶縁キャリヤをケースに収容する第二形態を示す正面図である。
【図10】複数の電線付絶縁キャリヤをケースに収容する第三形態を示す正面図である。
【図11】第一形態における圧接コネクタの完成状態を示す正面図である。
【図12】サブワイヤハーネスの他の形態を示す平面図である。
【図13】複数の電線付絶縁キャリヤの一形態を示す正面図である。
【図14】ケースの一形態を示す正面図である。
【図15】多段式の圧接コネクタを示す正面図である。
【図16】圧接コネクタの製造装置の一例を示す正面図である。
【図17】同じく圧接コネクタの製造装置を示す平面図である。
【図18】端子圧接機を示す縦断面図である。
【図19】絶縁キャリヤ切断機を示す縦断面図である。
【図20】 (a) は複数の電線付絶縁キャリヤをケースに入れる状態、(b) は多段式の圧接端子の一形態をそれぞれ示す正面図である。
【図21】従来の圧着端子を挿入する形態のコネクタを示す分解斜視図である。
【図22】 (a) は従来の圧接コネクタの第一形態を示す平面図、(b) は同じく正面図である。
【図23】 (a) は圧接コネクタの第二形態を示す平面図、(b) は同じく正面図である。
【図24】 (a) は圧接コネクタの第二形態を示す平面図、(b) は同じく正面図である。
【図25】従来の圧着端子挿入用の多段式コネクタを示す正面図である。
【符号の説明】
1 絶縁キャリヤ
2 圧接端子
3 基板部
4 隔壁
6 電線
7〜9,31〜33,39,40,80 電線付絶縁キャリヤ
10〜12,34,41,82 ケース
18〜20,37,371 ,372 ,45,83 圧接コネクタ
Claims (4)
- 基板部に隔壁が立設された絶縁キャリヤと、該絶縁キャリヤに設けられ、該隔壁で隔てられた圧接端子と、該圧接端子に電線を圧接した電線付絶縁キャリヤを収容するケースとを備え、該ケースは所要極数に切断された該電線付絶縁キャリヤを複数組並列に収容すると共に、それぞれ該電線付絶縁キャリヤが収容されてなる一方のコネクタと他方のコネクタとで該電線付絶縁キャリヤの配列を異ならせたことを特徴とする圧接コネクタ。
- 複数の圧接端子を並列に有する帯状の絶縁キャリヤの該圧接端子に各電線の端末を圧接し、電線付絶縁キャリヤを所要極数に切断し、切断した電線付絶縁キャリヤをケースに並列に収容して圧接コネクタを構成する圧接コネクタの製造方法であって、極数の異なる複数の切断済みの電線付絶縁キャリヤを各電線の一端末の圧接コネクタ側と他端末の圧接コネクタ側とで配置を変えて各ケースに収容することを特徴とする圧接コネクタの製造方法。
- 前記帯状の絶縁キャリヤをリール状に巻いたことを特徴とする請求項2記載の圧接コネクタの製造方法。
- 複数の前記電線付絶縁キャリヤを前記ケースに多段に収容することを特徴とする請求項2又は3記載の圧接コネクタの製造方法。
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