JP3947309B2 - 給湯システム、及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湯水混合式の給湯システムに関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、風呂や炊事場等において、温度を設定し水栓を開栓するだけで、即座に設定された温度の湯が出湯する給湯システムが、一般に普及してきている。このような給湯システムは、一般家庭において多く使用されており、低価格化、耐久性、保守性に優れた給湯システムが求められている。
【0003】
以下に従来の給湯システムについて説明する。
(1)図10は一従来例の給湯システムの給湯回路図である。
図10において、1は給湯回路に水を供給する給水路、2は給水路に連通し加熱装置4により加熱される熱交換器5を備え給水される水を加熱する加熱路、3は加熱路に連通し加熱された湯を出湯する出湯路である。加熱装置4は能力調整装置6により熱交換器に与える加熱量が調整されている。7は加熱路2の給水端付近に配設され加熱路への給水流量を検知する流量センサ、8は加熱路2の給水端付近に配設され給水回路の過流を防止する過流防止弁(水ガバナ)、9は出湯路3に配設され出湯される湯の温度を検知する出湯温度センサ、10は加熱路2の給水端に配設され給水温度を検知する給水温度センサ、11は要求する湯の目標温度を設定する温度設定器、12は流量センサ7によって検知される給水流量と給水温度センサ10によって検知される給水温度と出湯温度センサ9により検知される出湯温度と温度設定器11に設定された目標温度Tsとに基づき能力調整装置6を制御して出湯温度の制御を行う制御装置である。
【0004】
以上のように構成された従来の給湯システムにおいて、以下その動作を説明する。
【0005】
まず、温度設定装置11により目標温度を設定した後出湯を開始すると、制御装置12は給水温度センサ10により検知される給水温度と目標温度とに基づき能力調整装置6により加熱量を調整し、加熱装置4が起動し加熱を開始する。次に、定常状態に移ると制御装置12は給水温度センサ10により検知される給水温度と目標温度と出湯温度センサ9により検知される出湯温度とに基づき能力調整装置6により加熱量を調整する。
【0006】
(2)図11は特公平7−18562号公報(以下「イ号公報」と呼ぶ。)に開示されている従来の給湯システムの給湯回路図である。
【0007】
図11において、給水路1、加熱路2、出湯路3、加熱装置4、熱交換器5、能力調整装置6、流量センサ7、過流防止弁8、出湯温度センサ9、給水温度センサ10、温度設定器11については、(1)と同様のものであり、同符号を付けて説明を省略する。
【0008】
本従来例における給湯回路は、給水路1と出湯路3とに連通し熱交換器5に対して並列に配列されたバイパス路2aと、バイパス路を流れる水(以下「バイパス水」と呼ぶ。)の流量を調整する水量調節弁13と、温度設定器11により設定された温度に従って給水温度センサ10で検出される給水温度と流量センサ7によって検出される給水量と出湯温度センサ9によって検出される出湯温度とに基づき能力調整装置6と水量調節弁13とを制御する制御装置12とを備えたことを特徴とする。
【0009】
以上のように構成された従来の給湯システムにおいて、制御装置12は、給水温度センサ10・流量センサ7・出湯温度センサ9の信号により能力調整装置6を作動させると共に、出湯温度センサ9と温度設定器11との温度偏差に比例し且つ給水量と反比例して水量調節弁13の付勢手段の付勢量を制御することにより出湯温度を制御する。
【0010】
(3)図12は一従来例の給湯システムの給湯回路図である。
図12において、給水路1、加熱路2、バイパス路2a、出湯路3、加熱装置4、熱交換器5、能力調整装置6、流量センサ7、出湯温度センサ9、給水温度センサ10、温度設定器11については、(2)と同様のものであり、同符号を付けて説明を省略する。
【0011】
本従来例における給湯回路は、バイパス路2aと加熱路2と出湯路3との接合点に配設され湯とバイパス水との混合比を調節する混合弁14と、出湯路3に配設され出湯量を調整する水量調節弁13と、流量センサ7によって検知される給水流量と給水温度センサ10によって検知される給水温度と出湯温度センサ9により検知される出湯温度と温度設定器11に設定された目標温度Tsとに基づき能力調整装置6及び水量調節弁13並びに混合弁14を制御して出湯温度の制御を行う制御部12とを備えたことを特徴とする。
【0012】
以上のように構成された従来の給湯システムにおいて、以下その動作を説明する。
【0013】
まず、出湯を開始すると、制御装置12は、流量センサ7により検出された給水流量と給水温度センサ10により検出された給水温度とから、温度設定器11の設定温度に対応する加熱量及びバイパス水の混合比を決定し、能力調整装置6及び混合弁14の動作制御を行い、加熱量及びバイパス水の混合比を調節する。次に、加熱装置4が定常加熱状態に移行すると、制御装置12は、混合弁14を調整しバイパス路2aを遮断して加熱路2のみから湯を供給すると同時に、能力調節装置6及び水量調節弁13を調節し温度制御を行う。
【0014】
(4)従来の給湯システムの一従来例として、特開平7−158965号公報(以下「ロ号公報」と呼ぶ。)に「熱交換器からの湯と給水路からの分岐水(バイパス水)とを設定の給湯温度に混合して給湯するミキシング型給湯システムにおいて、該ミキシング型給湯システムの給湯接手部に、給水路からの分岐水を止めて熱交換器からの湯だけを食器洗い器へ流すための弁機構を有する食器洗い器接続用の分岐栓を設けたことを特徴とするミキシング型給湯システム」が開示されている。
【0015】
(5)従来の給湯システムの制御方法の一従来例として、特開平7−243700号公報(以下「ハ号公報」と呼ぶ。)に「給湯システムから出湯温度を制御する給湯システム温度制御方法において、燃焼動作開始時から定常燃焼に至るまでの期間であって出湯温度が設定温度になるまでは、水比例弁を絞って出湯量を制限するようにしたことを特徴とする給湯システム温度制御方法」が開示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の給湯システムでは、以下のような問題点を有していた。
【0017】
a.風呂等で給湯システムを用いる場合、出湯路から水のみを出水する場合が考えられる。このような場合、(1)に記載の従来の給湯システムでは、加熱器を停止した状態で熱交換器内を低温水が通過するため、熱交換器内部で結露し、煤詰まりや低温腐食が発生するという問題点を有していた。
【0018】
b.給湯システムで出湯を行った後、一旦給湯システムを停止し、比較的短時間(数分間程度)後に再び出湯を開始する場合において、出湯を停止した間に、熱交換器は自らの余熱によって熱交換器内に滞留した湯を加熱し湯温を上昇させる、いわゆる「後沸き」と呼ばれる現象が起こる。この時、熱交換器内の湯温は70℃〜90℃程度になる。この状態で出湯を再開すると、出湯開始後の一定時間経過後に、短時間(熱交換器内に滞留した湯が略全て入れ替わる迄の時間)だけ、加熱路から流出する湯の温度がパルス状に急激に上昇する「温度跳ね現象」が発生する。特に、近年では、「温度跳ね現象」は+2℃以内に抑えることが要求されている。しかしながら、(1)、(2)、(4)に記載の従来の給湯システムでは、出湯温度の正確なフィードフォワード制御ができないため、出湯される湯温における「温度跳ね現象」を防止することができないという問題点を有していた。
【0019】
c.加熱装置の加熱能力は有限である為、設定された目標温度に対して単位時間あたりに出湯可能な流量の上限が存在する。目標温度が高くなるほどこの上限値(以下「最大出湯流量限界」と呼ぶ。)は低くなる。最大出湯流量限界を超えて出湯させた場合、要求熱量が加熱装置の熱供給能力を超えるため、目標温度よりも低い温度の湯が出湯する、いわゆる「過流出」と呼ばれる現象が起こる。(4)に記載の従来の給湯システムでは上記過流出を防止することができないという問題点を有していた。
【0020】
d.(1)及び(2)に記載の従来の給湯システムは、上記過流出を防止するため過流防止弁を備えているが、設定される可能性のある全ての目標温度の温度領域において過流出を防止するために、設定可能な最も高い温度(以下「最高設定温度」と呼ぶ。)の最大出湯流量限界に合わせて過流防止弁の流量上限値を設定する必要がある。従って、目標温度が低温に設定された場合にも最高設定温度における最大出湯流量限界以上の流量で出湯させることができないため、加熱装置の能力を十分に使うことができないという問題点を有していた。また、給水される水は一般に水道水が用いられることが多いが、夏と冬とでは給水温度が異なり、冬の最大出湯流量限界の方が夏の最大出湯流量限界よりも低い。従って、年間に渡って使用する給湯システムにおいては、冬の給水温度における最高設定温度に対する最大出湯流量限界に合わせて過流防止弁の流量上限値を設定する必要があるため、特に夏に目標温度を低温に設定して使用する場合に、上記同様の理由により加熱装置の能力を十分に使うことができないという問題点を有していた。
【0021】
e.(3)に記載の従来の給湯システムは、「温度跳ね現象」を防止するためにバイパス水を混合する為の調節を行う混合弁と過流出を防止する為の調節を行う水量調節弁とを備えているが、給湯回路に2つの電動弁(混合弁及び水量調節弁)を必要としそれらを制御する制御機構がそれぞれ必要であるため、給湯回路のコンパクト化ができないという問題点を有していた。
【0022】
f.(3)に記載の従来の給湯システムは、給湯回路に2つの電動弁(混合弁及び水量調節弁)を必要としそれらを制御する制御機構(弁モータ等)がそれぞれ必要であるため、給湯回路が複雑であり故障し易く、信頼性の面で問題点を有していた。
【0023】
g.(3)に記載の従来の給湯システムは、給湯回路が複雑であり保守における作業が複雑であり、保守性が悪いという問題点を有していた。
【0024】
また、上記従来の給湯システムの制御方法では、以下のような問題点を有していた。
【0025】
h.(5)に記載の従来の給湯システムの制御方法では、出湯される湯温における「温度跳ね現象」を防止することができないという問題点を有していた。
【0026】
本発明の給湯システムは上記従来の課題を解決するもので、熱交換器内部の結露を防止することが可能であり、「温度跳ね現象」を防止することが可能であり、過流出を防止することが可能であり、加熱装置の能力を最大出湯流量限界以下の全ての範囲に渡って使うことが可能であり、給湯回路が簡単で信頼性・保守性に優れ、コンパクト化が可能で、低コストで生産することのできる給湯システムを提供することを目的とする。
【0027】
また、本発明の給湯システムの制御方法は上記従来の課題を解決するもので、「温度跳ね現象」を防止することが可能であり、簡単な構成により実現可能な給湯システムの制御方法を提供することを目的とする。
【0028】
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の給湯システムは、水を供給する給水路と、加熱装置によって加熱される熱交換器と、給水路に連通し熱交換器を通水する加熱路と、給水路から分流されるバイパス路と、加熱路からの湯とバイパス路からの水とが混合した混合湯を出湯口へ送水する出湯路と、加熱路とバイパス路と出湯路とに連通し一の弁軸の操作によって加熱路の開口度とバイパス路の開口度とを調節する弁体を備えた複合弁と、を備え、複合弁は、流量調節を行う弁軸移動量範囲と混合比調節を行う弁軸移動量範囲とを有し、弁体は、バイパス路を開閉させる部分にバイパス路からの水を漏洩させる切欠き部を備え流量調節を行う弁軸移動量範囲においては加熱路の開口度に対する切欠き部の開口度の比が略一定で加熱路からの湯にバイパス路からの水が略一定の割合で混合され、混合比調節を行う弁軸移動量範囲においてはバイパス路の開口度と加熱路の開口度との比の調節を行うこととした構成より成る。
【0030】
この構成により、熱交換器内部の結露を防止することが可能であり、「温度跳ね現象」を防止することが可能であり、過流出を防止することが可能であり、加熱装置の能力を最大出湯流量限界以下の全ての範囲に渡って使うことが可能であり、給湯回路が簡単で信頼性・保守性に優れ、コンパクト化が可能で、低コストで生産することのできる給湯システムを提供することができる。
【0031】
上記課題を解決するために本発明の給湯システムの制御方法は、給水路の水の流量を検出する流量センサと、給水路の水温を検出する給水温度センサと、熱交換器直後の水温を検出する熱交センサと、出湯路から排出される混合湯の温度の目標値を設定する温度設定器と、複合弁の前記弁軸を駆動する弁モータと、加熱装置の加熱量を調節する能力調節装置と、流量センサと給水温度センサと熱交センサとの検出値及び温度設定器により設定された温度の目標値に基づき前記弁モータと能力調節装置とを制御する制御装置と、を備えた請求項1乃至請求項5の何れか一に記載の給湯システムの制御方法であって、定常出湯状態においては制御装置は複合弁の弁軸移動量の調節による流量調節及び能力調節装置による加熱量の調節により出湯温度を制御し、出湯を停止した状態においては制御装置は熱交センサにより検出される熱交換器直後の湯の温度と給水温度センサにより検出される給水路の水温とに基づき温度設定器により設定された温度の目標値に対応して複合弁の弁軸移動量を調節し加熱湯とバイパス水との混合比を予め調節することによって出湯が再開されたときの出湯温度の予測制御を行うことを特徴とする。
【0032】
これにより、複合弁の弁軸移動量のみの制御により、「温度跳ね現象」と過流出とを防止することが可能な給湯システムの制御方法を提供することができる。
【0033】
【0034】
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の給湯システムは、水を供給する給水路と、加熱装置によって加熱される熱交換器と、給水路に連通し熱交換器を通水する加熱路と、給水路から分流されるバイパス路と、加熱路からの湯とバイパス路からの水とが混合した混合湯を出湯口へ送水する出湯路と、加熱路とバイパス路と出湯路とに連通し一の弁軸の操作によって加熱路の開口度とバイパス路の開口度とを調節する弁体を備えた複合弁と、を備え、複合弁は、流量調節を行う弁軸移動量範囲と混合比調節を行う弁軸移動量範囲とを有し、弁体は、バイパス路を開閉させる部分にバイパス路からの水を漏洩させる切欠き部を備え流量調節を行う弁軸移動量範囲においては加熱路の開口度に対する切欠き部の開口度の比が略一定で加熱路からの湯にバイパス路からの水が略一定の割合で混合され、混合比調節を行う弁軸移動量範囲においてはバイパス路の開口度と加熱路の開口度との比の調節を行うことを特徴としたものであり、この構成により、
【0036】
(1)流量調節を行う弁軸移動量範囲(以下「流量調節範囲」と呼ぶ。)で弁軸を操作することにより加熱路からの湯(以下「加熱湯」と呼ぶ。)の流量調節を行う
ことが可能となる。
【0037】
(2)混合比調節を行う弁軸移動量範囲(以下「混合比調節範囲」と呼ぶ。)で弁軸を操作することによりバイパス路からの水(以下「バイパス水」と呼ぶ。)と加熱湯との混合比調節を行うことが可能となる。
【0038】
(3)一の弁軸の弁軸移動量を操作することにより流量調節と混合比調節との両方を行うことが可能となる。
【0039】
【0040】
【0041】
(4)流量調節範囲において、加熱湯に対して一定の割合でバイパス水が混合される。
【0042】
(5)流量制御時において供給水は加熱路とバイパス路とに分流されるため、加熱湯の流量が抑えられ、熱交換器や複合弁の管内(又は弁内)流速が抑えられる。
【0043】
(6)出湯路から排出される混合湯の温度の目標値が低く設定された場合においても、熱交換器を常に高温に保持することが可能となる。
という作用を有する。
ここで、弁軸移動量とは弁軸の回転角度又は変位量のことであり、弁軸を中心に回転させて弁体を操作する複合弁においては弁軸の回転角が弁軸移動量であり、弁軸の軸方向に直線的に変位させることによって弁体を操作する複合弁においては弁軸の変位量が弁軸移動量である。
【0044】
本発明の請求項2に記載の給湯システムは、請求項1に記載の給湯システムであって、切欠き部は、流量調節を行う弁軸移動量範囲において、バイパス路から漏洩させる水の流量が加熱路からの湯の流量に対して5%以上60%以下であるように形設されていることとしたものであり、この構成により、請求項1に記載の作用に加え、熱交換器や複合弁におけるエロージョンやコロージョンが抑止され、且つ熱交換器内での沸騰が防止されるという作用を有する。
【0045】
本発明の請求項3に記載の給湯システムは、水を供給する給水路と、加熱装置によって加熱される熱交換器と、給水路に連通し熱交換器を通水する加熱路と、給水路から分流されるバイパス路と、加熱路からの湯とバイパス路からの水とが混合した混合湯を出湯口へ送水する出湯路と、バイパス路又は給水路と加熱路の熱交換器の下流側とを連通し加熱路から供給される湯に該湯の流量に対し略一定の割合の流量でバイパス路又は給水路からの水を混合させる常時バイパス路と、加熱路とバイパス路と出湯路とに連通し一の弁軸の操作によって加熱路の開口度とバイパス路の開口度とを調節する弁体を備えた複合弁と、を備え、複合弁は、流量調節を行う弁軸移動量範囲と混合比調節を行う弁軸移動量範囲とを有し、弁体は、流量調節を行う弁軸移動量範囲においてはバイパス路を閉止し加熱路の開口度の調節を行い、混合比調節を行う弁軸移動量範囲においてはバイパス路の開口度と加熱路の開口度との比の調節を行うこととしたものであり、この構成により、請求項1に記載の作用に加え、
【0046】
(1)流量調節範囲において、給水路の水圧は加熱路の水圧よりも高いため、加熱湯に対して一定の割合で給水路から水が供給され混合されることにより、設定温度が低い場合においても熱交換器を常に高温に保持することが可能となる。
【0047】
(2)流量制御時において供給水は加熱路とバイパス路とに分流されるため、加熱湯の流量が抑えられ、熱交換器や複合弁の管内(又は弁内)流速が抑えられる。
という作用を有する。
【0048】
本発明の請求項4に記載の給湯システムは、請求項3に記載の給湯システムであって、常時バイパス路は、常時バイパス路の水の流量が加熱路からの湯の流量に対して5%以上60%以下であることとしたものであり、この構成により、請求項3に記載の作用に加え、熱交換器や複合弁におけるエロージョンやコロージョンが抑止され、且つ熱交換器内での沸騰が防止されるという作用を有する。
【0049】
本発明の請求項5に記載の給湯システムは、請求項1乃至請求項4の何れか一に記載の給湯システムであって、複合弁は、導水を行う弁軸移動量範囲を有し、弁体は、導水を行う弁軸移動量範囲において加熱路を閉止しバイパス路のみを開弁することとしたものであり、この構成により、請求項1乃至請求項4の何れか一に記載の作用に加え、加熱器を停止して出湯路に供給水を直接導水させる場合、加熱路を遮断してバイパス路を通して導水することが可能となり、熱交換器の結露が防止されるという作用を有する。
【0050】
本発明の請求項6に記載の給湯システムの制御方法は、給水路の水の流量を検出する流量センサと、給水路の水温を検出する給水温度センサと、熱交換器直後の水温を検出する熱交センサと、出湯路から排出される混合湯の温度の目標値を設定する温度設定器と、複合弁の弁軸を駆動する弁モータと、加熱装置の加熱量を調節する能力調節装置と、流量センサと給水温度センサと熱交センサとの検出値及び温度設定器により設定された温度の目標値に基づき前記弁モータと能力調節装置とを制御する制御装置と、を備えた請求項1乃至請求項5の何れか一に記載の給湯システムの制御方法であって、定常出湯状態においては制御装置は複合弁の弁軸移動量の調節による流量調節及び能力調節装置による加熱量の調節により出湯温度を制御し、出湯を停止した状態においては制御装置は熱交センサにより検出される熱交換器直後の湯の温度と給水温度センサにより検出される給水路の水温とに基づき温度設定器により設定された温度の目標値に対応して複合弁の弁軸移動量を調節し加熱湯とバイパス水との混合比を予め調節することによって出湯が再開されたときの出湯温度の予測制御を行うこととしたものであり、この構成により、複合弁の弁軸移動量のみの制御により、「温度跳ね現象」と過流出とを防止することが可能となるという作用を有する。
【0051】
給湯システムの湯水混合に用いられる複合弁は、弁筐と、弁筐内部に形設され水が供給される導水口と湯が供給される導湯口と湯と水とが混合された混合湯が排出される出湯口とに連通した弁室と、弁筐内に挿入され回動可能な弁軸と、弁室に回動可能に密嵌され弁軸により回動され内部に出湯口に向けて開口した混合室が形設された弁体と、弁体外壁から混合室へ貫設された水流入口と、水流入口の位置に対して弁体の回転軸方向及び弁体の回転方向にずらした位置に弁体外壁から混合室へ貫設された湯流入口と、を備え、a.弁軸が導水角位置にある場合には、湯流入口は弁室内壁により閉塞され、水流入口は導水口と重合し、b.弁軸が混合比調節角位置にある場合には、湯流入口は導湯口と部分的に重合し、水流入口は導水口と部分的に重合し、c.弁軸が流量調節角位置にある場合には、湯流入口は導湯口と部分的に重合し、水流入口は弁室内壁により閉塞され、又は、湯流入口は導湯口と部分的に重合し、水流入口は導水口と部分的に重合し、導湯口と湯流入口及び導水口と水流入口との重合する面積の比が略一定であり、d.弁軸が閉止角位置にある場合には、湯流入口は弁室内壁により閉塞され、水流入口は弁室内壁により閉塞されていることとしたものである。この構成により、
【0052】
(1)弁軸が導水角位置にある場合においては、湯用弁は閉止され、水用弁は開弁されるため、導水口から混合室を通って出湯口に水が流れる。
【0053】
(2)弁軸が混合比調節角位置にある場合においては、湯用弁と水用弁との開口度(開口面積)の比が弁軸の回転角と共に変化するため、導湯口から混合室を通って出湯口に流れる水量と導水口から混合室を通って出湯口に流れる水量との比が調節される。
【0054】
(3)弁軸が流量調節角位置にある場合においては、湯用弁の開口度(開口面積)が弁軸の回転角と共に変化するため、導湯口から混合室を通って出湯口に流れる水量が調節され、水用弁は、閉止され、又は該開口度と湯用弁の開口度との比が一定となるように開弁されているため、導水口からの水は、止水され、又は導湯口から混合室を通って出湯口に流れる湯の水量に対して略一定の割合で導水口から混合室を通って出湯口に水が流れる。
【0055】
(4)弁軸が閉止角位置にある場合においては、水用弁及び湯用弁が閉止されるため、導湯口からの湯も導水口からの水も遮断され止水される。
【0056】
(5)上記(1)〜(4)に示したように、導水口から出湯口への水のみの導水と、導湯口から出湯口に流れる湯の流量調節と、導湯口から出湯口に流れる湯と導水口から出湯口に流れる水との混合比調節とを一の弁軸を回転操作する事により行うことが可能となる。
という作用を有する。
【0057】
給湯システムの湯水混合に用いられる複合弁は、湯が供給される導湯口と、水が供給される導水口と、湯と水とが混合された混合湯を排出する出湯口と、を有する弁筐と、弁筐内部に形設され出湯口と導水口とに連通する混合室と、弁筐内部に形設され導湯口と混合室とに連通する湯弁室と、弁筐内に挿入され湯弁室と混合室とに挿通され軸方向に往復動可能な弁軸と、弁軸に遊挿され混合室内を弁軸の軸方向に往復動可能な水用弁体と、混合室と導水口との間に配設され水用弁体と共に水用弁を構成する水用弁座と、弁軸に遊挿され水用弁体を水用弁座の方向に付勢するスプリングと、弁軸に固設され水用弁体が弁軸から抜脱する事を防止するストッパと、弁軸に取り付けられ湯弁室内を弁軸の軸方向に往復動可能な湯用弁体と、導湯口と湯弁室との間に配設され湯用弁体と共に第1湯用弁を構成する第1湯用弁座と、湯弁室と混合室との間に配設され湯用弁体と共に第2湯用弁を構成する第2湯用弁座と、を備え、a.弁軸が導水位置にある場合には、湯用弁体は第1湯用弁座に密嵌し第1湯用弁は閉止され、水用弁体は水用弁座から離脱し水用弁は開弁され、b.弁軸が混合比調節位置にある場合には、湯用弁体は第1湯用弁座と第2湯用弁座との間に位置し第1湯用弁及び第2湯用弁は開弁され、水用弁体は水用弁座から離脱し水用弁は開弁され、c.弁軸が流量調節位置にある場合には、湯用弁体は第1湯用弁座と第2湯用弁座との間に位置し第1湯用弁及び第2湯用弁は開弁され、水用弁体は水用弁座に密嵌し水用弁は閉止され、d.弁軸が閉止位置にある場合には、湯用弁体は第2湯用弁座に密嵌し第2湯用弁は閉止され、水用弁体は水用弁座に密嵌し水用弁は閉止されていることとしたものである。この構成により、
【0058】
(1)弁軸が導水位置にある場合においては、第1湯用弁は閉止され、水用弁が開弁されているので、導水口から水弁室、混合室を通って出湯口に水が流れる。
【0059】
(2)混合比調節位置にある場合においては、第1湯用弁と水用弁との開口度の比が弁軸の変位と共に変化するため、導湯口から出湯口に流れる水量と導水口から出湯口に流れる水量との比が調節される。
【0060】
(3)弁軸が流量調節位置にある場合においては、水用弁は閉止され、第2湯用弁の開口度が弁軸の変位と共に変化するため、導湯口から出湯口に流れる湯の流量が調節される。
【0061】
(4)弁軸が閉止位置にある場合においては、水用弁及び第2湯用弁が閉止されるため、導湯口からの湯も導水口からの水も遮断され止水される。
【0062】
(5)上記(1)〜(4)に示したように、導水口から出湯口への水のみの導水と、導湯口から出湯口に流れる湯の流量調節と、導湯口から出湯口に流れる湯と導水口から出湯口に流れる水との混合比調節とを一の弁軸を軸方向に変位操作する事により行うことが可能となる。
という作用を有する。
【0063】
段落〔0057〕に記載の複合弁であって、弁筐に、導水口と導湯口とを連通する常時バイパス管が形設されていることとしたものでは、この構成により、段落〔0058〕乃至〔0062〕に記載の作用に加え、導水口の水圧を導湯口の水圧よりも一定圧高くすることにより導水口から導湯口に一定の割合で常時バイパス水が供給される。
【0064】
以下に参考例について、図面を参照しながら説明する。
(参考例)
図1は参考例における給湯システムの給湯回路図である。
【0065】
図1において、1は給湯回路に水を供給する給水路、2は給水路1に連通し加熱装置4により加熱される熱交換器5を備え給水される水を加熱する加熱路、2aは給水路1と出湯路3とに連通し熱交換器5に対して並列に配設されたバイパス路、3は加熱路2に連通しバイパス水と加熱湯とが混合した混合湯を出湯する出湯路である。加熱装置4は能力調整装置6により熱交換器5に与える加熱量が調整されている。7は給水路1に配設され給水路1への給水流量を検知する流量センサ、9は出湯路3に配設され出湯される混合湯の温度を検知する出湯温度センサ、10は給水路1の給水端に配設され給水温度を検知する給水温度センサ、15は熱交換器5の出口に配設され熱交換器5の直後の湯温度を検知する熱交センサである。16は加熱路2とバイパス路2aと出湯路3とに連通し、一の弁軸の操作によって加熱路の開口度とバイパス路の開口度とを調節する弁体を有し、流量調節を行う弁軸移動量範囲においてバイパス路を閉止し加熱路の開口度の調節を行い、混合比の調節を行う弁軸移動量範囲においてバイパス路の開口度と加熱路の開口度との比の調節を行うことにより、加熱路を通過する湯とバイパス水とを混合する混合比を調節する混合比調節機能とバイパス水を遮断し加熱路を通過する湯の流量を調節する流量調節機能とを併せ持つ複合弁である。11は要求する湯の目標温度を設定する温度設定器、12は流量センサ7によって検知される給水流量と給水温度センサ10によって検知される給水温度と出湯温度センサ9により検知される出湯温度と熱交センサ15により検知される熱交換器内の湯温度と温度設定器11に設定された目標温度Tsとに基づき能力調整装置6及び複合弁16を制御して出湯温度の制御を行う制御部である。
【0066】
次に、上記給湯システムに使用される参考例における複合弁について図面を用いて説明する。
【0067】
図2(a)は参考例の給湯システムで使用される複合弁の要部断面図、図2(b)は図2(a)のA面で切った参考例の給湯システムで使用される複合弁の断面端面図である。
【0068】
図2において、29は側壁に加熱路2からの湯(以下「加熱湯」と呼ぶ。)を導湯する導湯口26aとバイパス水を導水する導水口27aとが略90度の角度をなして穿設された複合弁16の弁筐、29aは弁筐29に弁モータを取り付ける為の取付フランジ、1’は給水路1と接続する給水管、2’は加熱路2の給水端と接続する出水管、23は弁筐29に回動自在に嵌設された弁体、23aは弁体23上部に形設され弁体を回動操作する為の弁軸、24は弁体23内部に略円筒空洞状に形設され加熱湯とバイパス水とを混合する混合室、2a’は一端が給水管1’と出水管2’とに連通しており給水管1’からバイパス水を混合室23に導水するバイパス路2aを構成するバイパス管、26は弁体23の側壁に穿設され加熱湯を混合室24に導入する為の湯流入口、27は弁体23の側壁に穿設されバイパス管2a’から供給されるバイパス水を混合室24に導水する為の水流入口、3’は弁筐29の下部に形設された出湯路3の入湯端と接続する出湯管、28は混合室24の下部に開口し出湯管3’に連通する出湯口、30は給水管1’と出水管2’とバイパス管2a’との接合部に穿設され給水温度センサを取り付けるための給水温度センサ取付口である。
【0069】
弁体23は弁軸23aに取り付けられた弁モータ(図示せず)により駆動される。制御装置12はこの弁モータを制御することにより弁軸の回転角(以下「弁軸回転角」と呼ぶ。)θを制御する。
【0070】
図3は参考例の給湯システムで使用される複合弁の弁体の動作模式図であり、図4(a)は参考例の給湯システムで使用される複合弁の弁軸回転角に対する混合比の変化特性図であり、図4(b)は参考例の給湯システムで使用される複合弁の弁軸回転角に対する出湯流量の変化特性図である。
【0071】
図3及び図4において、Aは加熱湯及びバイパス水を止水した止水状態、Bはバイパス水を止水して加熱湯の流量を調節する流量調節範囲、Cはバイパス水と加熱湯との混合比を調節する混合比調節範囲、Dは加熱湯を止水してバイパス水のみを導水させる導水状態を表す。上記A〜Dの状態に対応する導湯口26aと湯流入口26、及び導水口27aと水流入口27との位置関係を図3に模式的に示した。Sh(θ)は弁軸回転角θに対して混合室24に開口する加熱路2の開口面積(導湯口26aと湯流入口26とが重合する面積)、Sb(θ)は弁軸回転角θに対して混合室24に開口するバイパス路2aの開口面積(導水口27aと水流入口27とが重合する面積)を表す。
【0072】
混合比調節範囲Cにおいて、加熱湯の混合比Rhは、給湯回路内で水が非圧縮性であると仮定すれば原理的には、
Rh=Sh(θ)/(Sh(θ)+Sb(θ))
で表され、加熱湯の混合比RhはSh(θ)とSb(θ)との面積比で略決まる。
【0073】
また、この時の出湯流量QはSh(θ)+Sb(θ)に略比例する。流量調節範囲Bにおいて出湯流量QはSh(θ)に略比例する。従って、複合弁において、各弁軸回転角θにおける加熱路2及びバイパス路2aの開口面積Sh(θ),Sb(θ)を調節することにより図4に表示したような流量特性に調整することが可能である。但し、実際には水は圧縮性粘性流体であることや、管路の導水抵抗などの影響もあるため、面積比は実験的に決める必要がある。
【0074】
以下、参考例におけるA〜Dの各状態における弁軸回転角θと加熱湯及びバイパス水の流量との関係について図面を参照しながら説明する。
(1)止水状態A(θ0≦θ≦θ1)では、加熱路2の開口面積Sh及びバイパス路2aの開口面積Sbは共に0であり、加熱湯及びバイパス水は共に止水された状態にある。
(2a)流量調節範囲B(θ1≦θ≦θ3)では、弁軸回転角θがθ1≦θ≦θ2の範囲においては、開口面積Sbは0で、開口面積Shが弁軸回転角θの増加に対して増加する(図3参照)。これにより、加熱水の流量は弁軸回転角θの増加と共に増加し、弁軸回転角により出湯量Qの制御を行うことが可能となる。
(2b)弁軸回転角θがθ2≦θ≦θ3の範囲においては、開口面積Sbは0で、開口面積Shは最大の状態で略一定であり、出湯量Qも略一定となる。
(3)混合比調節範囲C(θ3≦θ≦θ4)では、開口面積Sbは弁軸回転角θの増加に従って増加すると共に、開口面積Shが弁軸回転角θの増加に対して減少する。これにより、弁軸回転角θの変化によって加熱湯とバイパス水との混合比Rhが変化し、弁軸回転角θの制御により混合比Rhを制御することが可能となる。
(4)導水状態D(θ4≦θ≦θ5)では、開口面積Shは0で、開口面積Sbは略一定となる。これにより、加熱路を遮断した状態でバイパス路を通して給水路1から出湯路3に直接導水することが可能となる。
【0075】
以上のように構成された参考例の給湯システムにおいて、以下その制御方法を説明する。
【0076】
(i)定常的に出湯している状態(定常出湯状態)においては、制御装置12は弁軸回転角θを流量調節範囲B(図4におけるθ1≦θ≦θ3の弁軸回転角範囲)とする。このとき、流量センサ7により検出された給水流量(=出湯流量Q)が、給水温度センサ10により検出された給水温度Tcに対する最大出湯流量限界よりも小さい場合には、制御装置12は弁モータにより弁体23を開口面積Shが最大の状態(図4において、θ2≦θ≦θ3の領域)に固定し、能力調整装置6により熱交換器に供給する熱量を調節することによって出湯温度の制御を行う。流量センサ7により検出された給水流量が、給水温度センサ10により検出された給水温度Tcに対する最大出湯流量限界を越えた場合には、能力調整装置6により熱交換器5に供給する熱量を最大に固定し、弁モータにより弁軸回転角θを流量調節範囲B(θ1≦θ≦θ2の領域)で開口面積Shを調節することによって出湯流量Qを調節することにより出湯温度を制御する。このような制御を行うことによって、過流出が防止されると共に、目標温度に対する最大出湯流量限界に応じて出湯流量の調節を開始する出湯流量の最小値を変化させることが可能となるため、加熱装置の能力を最大限利用することが可能となる。
【0077】
(ii)出湯を停止し流量センサ7により検出された給水流量が0となると、加熱路内の湯温度は後沸きにより出湯停止後暫くの間上昇し、その後熱交換器の熱が環境に放出されることにより、加熱路2内の湯温度は徐々に下降する。このとき、制御装置12は、熱交センサ15の検出する湯温度Thと出湯停止前に給水温度センサ10により検出された給水温度Tc0とから、設定された目標温度Tsに対する加熱湯とバイパス水との混合比を予測決定し、弁モータにより弁軸回転角θを混合比調節範囲C(θ3≦θ≦θ4)において調節する。このような制御を行うことによって、出湯を再開したときに「温度跳ね現象」により熱湯が出湯されることを防止することが可能となる。
【0078】
(iii)出湯を再開し、給水により加熱路4内に滞留していた湯が略入れ替わり、熱交換器から供給される熱量が略安定し、出湯温度センサによる出湯温度Tmが安定すると、制御装置12は弁モータにより弁軸回転角θを流量調節範囲Bに回動させ、定常的出湯状態における制御に移行する。
【0079】
(iv)また、加熱装置4を停止させた状態で給水路1から出湯路3に水を通す場合、制御装置12は弁モータにより弁軸回転角θを導水状態D(θ4≦θ≦θ5)とする。このような制御を行うことによって、熱交換器5に低温水を通す
ことなく出湯路3に給水路1から直接導水することが可能となり、熱交換器5の内部に結露が発生し、煤詰まりや低温腐食が発生するということを防止することが可能となる。
【0080】
以上のように、参考例によれば、水を供給する給水路1と、加熱装置4によって加熱される熱交換器5と、給水路1に連通し熱交換器5を通水する加熱路2と、給水路1から分流されるバイパス路2aと、加熱路2からの湯とバイパス路2aからの水とが混合した混合湯を出湯口へ送水する出湯路3と、加熱路2とバイパス路2aと出湯路3とに連通し一の弁軸の操作によって加熱路2の開口度とバイパス路2aの開口度とを調節する弁体を備えた複合弁16と、を備え、複合弁16は、流量調節を行う弁軸移動量範囲と混合比調節を行う弁軸移動量範囲と導水を行う弁軸移動量範囲とを有し、弁体は、流量調節を行う弁軸移動量範囲においてバイパス路2aを閉止し加熱路2の開口度の調節を行い、混合比調節を行う弁軸移動量範囲においてバイパス路2aの開口度と加熱路2の開口度との比の調節を行い、導水を行う弁軸移動量範囲において加熱路2を閉止しバイパス路2aのみを開弁することにより、
(1)流量調節範囲で弁軸を操作することにより加熱湯の流量調節を行うことが可能となる。
(2)混合比調節範囲で弁軸を操作することによりバイパス水と加熱湯との混合比調節を行うことが可能となる。
(3)一の弁軸の弁軸移動量を操作することにより流量調節と混合比調節との両方を行うことが可能となる。
(4)加熱器を停止して出湯路に供給水を直接導水させる場合、加熱路を遮断してバイパス路を通して導水することが可能となり、熱交換器の結露が防止される。
という作用を有する。
【0081】
以下に本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図5(a)は本発明の実施の形態1の給湯システムで使用される複合弁の弁軸回転角に対する混合比の変化特性図、図5(b)は実施の形態1の給湯システムで使用される複合弁の弁軸回転角に対する出湯流量の変化特性図、図6は実施の形態2の給湯システムで使用される複合弁の弁体の動作模式図である。
【0082】
本実施の形態において、給湯回路及び水流入口27以外の複合弁の構成は参考例と同様であるため説明を省略する。本実施の形態においては、弁軸回転角θが流量調節範囲においてバイパス水が加熱水に対して一定の割合で混合されるように、複合弁16の弁体23に切欠き部27bが形設されていることを特徴とする。
【0083】
以下、本実施の形態におけるA〜Dの各状態における弁軸回転角θと加熱湯及びバイパス水の流量との関係について図面を参照しながら説明する。
【0084】
(1)止水状態A(θ0≦θ≦θ1)では、加熱路2の開口面積Sh及びバイパス路2aの開口面積Sbは共に0であり、加熱湯及びバイパス水は共に止水された状態にある。
【0085】
(2a)流量調節範囲Bでは、弁軸回転角θがθ1≦θ≦θ2の範囲においては、開口面積Shは弁軸回転角θの増加と共に増加すると共に、水流入口27に突出して形設された切欠き部27b(図6参照)により、開口面積比Sh:Sbが略一定となる。これにより、弁軸回転角θの増加と共に出湯量Qが増加すると共に、加熱湯に対してバイパス水が一定の割合で混合される。従って、弁軸回転角θを制御することにより出湯量を制御する事が可能であり、また、常に加熱湯にバイパス水が略一定の割合で混合されるため、加熱装置を常に高温の状態に保持することが可能であり、特に給湯システムが湿度の高い場所に設置された場合に熱交換器内の結露が防止される。また、出湯量に対して、供給水がバイパス路と加熱路とに分流されるため、加熱路を通過する湯の流量を減少させることが可能なため、熱交換器及び複合弁の導水路におけるエロージョンやコロージョンを抑止する作用がある。
【0086】
尚、このとき、バイパス水は加熱湯の5%以上60%以下、好ましくは10%以上50%以下とする。バイパス水が10%以下であれば、熱交換器内の結露防止作用やエロージョンやコロージョンの抑止作用が少なく、バイパス水が50%以上であれば目標温度が最高設定温度に設定された場合、該目標温度の混合湯温度を得るために必要な加熱湯の温度が100℃を超えることが考えられ、熱交換器内で沸騰が生じる可能性があるからである。
【0087】
(2b)弁軸回転角θがθ2≦θ≦θ3の範囲においては、開口面積Sbは弁軸回転角θの増加に対して略一定乃至僅かに増加し、開口面積Shは最大の状態で略一定であり、出湯量Qも最大で略一定乃至僅かに増加する。このとき、バイパス水の混合湯に対する混合比も略一定乃至僅かに増加する。
【0088】
(3)混合比調節範囲C(θ3≦θ≦θ4)では、開口面積Sbは弁軸回転角θの増加に従って増加すると共に、開口面積Shが弁軸回転角θの増加に対して減少する。これにより、弁軸回転角θの変化によって加熱湯とバイパス水との混合比Rhが変化し、弁軸回転角θの制御により混合比Rhを制御することが可能となる。
【0089】
(4)導水状態D(θ4≦θ≦θ5)では、開口面積Shは0で、開口面積Sbは略一定となる。これにより、加熱路を遮断した状態でバイパス路を通して給水路1から出湯路3に直接導水することが可能となる。
【0090】
また、以上のように構成された本実施の形態の給湯システムにおける、その制御方法については、参考例と同様であるため説明を省略する。
【0091】
以上のように、本実施の形態によれば、参考例に記載の構成に加え、弁体は、バイパス路を開閉させる部分にバイパス路からの水を漏洩させる切欠き部が形設されており、流量調節を行う弁軸移動量範囲において加熱路の開口度に対する切欠き部の開口度の比が略一定であることにより、参考例に記載の作用に加え、
(1)流量調節範囲において、加熱湯に対して一定の割合でバイパス水が混合される。
(2)流量制御時において供給水は加熱路とバイパス路とに分流されるため、加熱湯の流量が抑えられ、熱交換器や複合弁の管内(又は弁内)流速が抑えられる。
(3)出湯路から排出される混合湯の温度の目標値が低く設定された場合においても、熱交換器を常に高温に保持することが可能となる。
という作用が得られる。
【0092】
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2における給湯システムの給湯回路図である。
【0093】
図7において、給水路1、加熱路2、バイパス路2a、出湯路3、加熱装置4、熱交換器5、能力調整装置6、流量センサ7、出湯温度センサ9、給水温度センサ10、温度設定器11、熱交センサ15については図1と同様のものであり既に説明したので省略する。
【0094】
本実施の形態の給湯回路700において、2bはバイパス路2aと加熱路2の出湯部付近を接続する常時バイパス路、17はバイパス路2aと加熱路2と出湯路3との接続部に配設され、弁軸回転角により加熱路2を通過する湯とバイパス水とを混合する混合比を調節する混合比調節機能とバイパス水を遮断し加熱路2を通過する湯の流量を調節する流量調節機能とを併せ持つ複合弁、12は流量センサ7によって検知される給水流量と給水温度センサ10によって検知される給水温度と出湯温度センサ9により検知される出湯温度と熱交センサ15により検知される熱交換器直後の湯温度と温度設定器11に設定された目標温度Tcとに基づき能力調整装置6及び複合弁17を制御して出湯温度の制御を行う制御部である。常時バイパス路2bは加熱路2の断面積と比較して断面積の小さい細管で構成され、加熱路2からの加熱湯に対して5%以上60%以下、好ましくは10%以上50%以下の流量のバイパス水が流れるように設定する。
【0095】
次に、上記給湯システムに使用される実施の形態2における複合弁について図面を用いて説明する。
【0096】
図8は実施の形態2の給湯システムで使用される常時バイパス管を備えた複合弁の要部断面図である。
【0097】
図8において、40は複合弁17の弁筐、1’は弁筐40下部側壁に配設され給水路1と接続する給水管、2’は弁筐40下端に配設され給水管1’と連通し加熱路2の給水端と接続する出水管、3’は弁筐40の中央部付近の側壁に配設され出湯路3の入湯端と接続する出湯管、2”は弁筐40の上部付近の側壁に配設され加熱路2の出湯端に接続する導湯管、2b’は給水管1’と導湯管2”とに連通する弁筐40に穿設された細管である常時バイパス管、46aは導湯管2”と常時バイパス管2b’との接続箇所に形設され常時バイパス管2b’から流入する常時バイパス水と導湯管2”から流入する加熱湯とを混合する上部混合室である。上部混合室46aでは、加熱湯と常時バイパス水とを混合し混合湯(以下「初期混合湯」と呼ぶ。)を作る。46bは上部混合室46aの下方に形設され出湯管3’に連通しており初期混合湯とバイパス水とを混合する下部混合室、46cは下部混合室の下方に配設され給水管1’と出水管2’と常時バイパス管2b’とに連通している分水室、46dは上部混合室46aと下部混合室46bとの中間に形設された湯弁室、46eは下部混合室46bと分水室46cとの中間に形設された水弁室である。上記各弁室は、弁筐40内に、上から上部混合室46a、湯弁室46d、下部混合室46b、水弁室46e、分水室46cの順に一軸上に配設されている。47aは上部混合室46aと湯弁室46dとの間に配設された第1湯用弁座、47bは湯弁室46dと下部混合室46bとの間に配設された第2湯用弁座、47cは下部混合室46bと水弁室46eとの間に配設された水用弁座である。上部混合室46aと湯弁室46dとは第1湯用弁座47aの中央に穿設された弁体を挿通させる円形開口部により連通している。湯弁室46dと下部混合室46bとは第2湯用弁座47bの中央に穿設された弁体を挿通させる上向きテーパー状の円形開口部により連通している。下部混合室46bと水弁室46eとは水用弁座47cの中央に穿設された弁体を挿通させる上向きテーパー状の円形開口部により連通している。水弁室46eと分水室46cとはバイパス管2a’により連通している。上記各弁座の円形開口部の中心軸は同軸上にある。49は弁筐40の上部に貫設された弁取り付け口40aに嵌合する弁蓋である。弁蓋49の中心軸もまた上記各弁座の円形開口部の中心と同軸上にある。50は、弁蓋49の中心軸上に穿設された弁軸取付口49aに上下に摺動自在に嵌合しており、上端部は弁軸取付口49aから突出しており、下部は、第1湯用弁座47aの円形開口部、第2湯用弁座47bの円形開口部、水用弁座47cの円形開口部に挿通し下端部が水弁室46b内の底部までに延出する円柱状の弁軸である。弁軸50の下端には同軸上に段状に細くなった円柱突起部50bが形設されており、その先端は、水弁室46eの底部から分水室46cの天井部まで中心軸上に貫設されたガイド孔49bに摺動自在に嵌合している。51は弁軸50の中ほどに環装固定され弁軸50の動きに従って湯弁室46d内を上下に可動する湯用弁体である。湯用弁体51は弁軸50の上下動に伴って上下に変位し、弁軸50が最上位まで変位したときに第1湯用弁座47aを下方より閉塞して上部混合室46aと湯弁室46dとの通水を遮断し、弁軸50が最下位まで変位したときに第2湯用弁座47bを上方から閉塞して湯弁室46dと下部混合室46bとの通水を遮断する。55は下部混合室46b内の底部付近で弁軸50に摺動自在に環装され弁軸50の上下動に伴い下部混合室46b内を上下に可動する水用弁体である。53は弁軸50の湯用弁体51と水用弁体55との間に嵌装され水用弁体55を下方に付勢するスプリング、52は水用弁体55の下方で弁軸50に環装固定されており水用弁体55が弁軸50から抜脱するのを防止するストッパである。弁軸50の上下動に伴い水用弁体55は上下に変位し、弁軸50が中位まで変位したときに水用弁体55は水用弁座47cを上方から閉塞し水弁室46eと下部混合室46bとの通水を遮断し、更に弁軸50が下方に変位すると、水用弁体55は水用弁座47cに押圧されスプリング53を圧縮しながら弁軸50を摺動する。56は弁軸50を上下方向に駆動するモータである。
【0098】
以上のように構成された本実施の形態における給湯システムの複合弁について、以下その弁体の動作を説明する。
【0099】
(1)弁軸50が最上位まで変位している状態(以下「導水状態」と呼ぶ。)では、湯用弁体51は第1湯用弁座47aの開口部を閉塞しており上部混合室46aと湯弁室46dとは通水が遮断されている。このとき水用弁体55は下部混合室46bの中央部付近に位置する。この状態では、バイパス水のみが、分水室46cからバイパス管2a’、水弁室46eを通過して下部混合室46bに流入する。従って、出湯管3’からは給水管1’より流入した水がそのまま流出する。
【0100】
(2)次に、弁軸50が最上位から下方に変位しており、湯用弁体51は第1湯用弁座47aと第2湯用弁座47bとの中間に位置し第1湯用弁座47aの開口部は開弁されており、水用弁体55が水用弁座47cの開口部を閉塞していない弁軸変位量範囲(以下「混合比調節範囲」と呼ぶ。)においては、上部混合室46aには導湯管2”からの加熱湯と常時バイパス管2b’からの常時バイパス水とが流入し混合されて初期混合湯となって湯弁室46dを通過して下部混合室46bに流入する。このとき、水用弁座47cの開口部も開弁されているので、バイパス管2a’及び水弁室46eを通過して下部混合室46bにバイパス水も流入する。従って、下部混合室46bには初期混合湯とバイパス水とが流入し、出湯管3’からは混合湯(初期混合湯とバイパス水との混合された湯)が流出する。このとき、弁軸50の変位と共に湯用弁体51と第1湯用弁座47aとの間隙の幅(以下「絞り幅」と呼ぶ。)が変化することにより導水抵抗が変化し初期混合湯の流量が変化し、また、弁軸50の変位と共に水用弁体55と水用弁座47cとの絞り幅が変化することにより導水抵抗が変化しバイパス水の流量が変化する。湯用弁体51と第1湯用弁座47aとの絞り幅は弁軸50の下方変位に対して比例して広がり、逆に、水用弁体55と水用弁座47cとの絞り幅は弁軸50の下方変位に対して逆比例して狭まるので、弁軸50を変位させることにより初期混合湯とバイパス水との混合比Rhを調節することが可能となる。
【0101】
(3)更に、弁軸50が中位まで変位しており、湯用弁体51は第1湯用弁座47aと第2湯用弁座47bとの中間に位置しており、水用弁体55が水用弁座47cの開口部を閉塞している状態においては、第1湯用弁座47aと第2湯用弁座47bとは開弁しており水用弁座47cのみが閉塞されているので、バイパス水は遮断され初期混合湯のみが上部混合室46aから湯弁室46dを通過して下部混合室46bに流入し、出湯管3' からは初期混合湯が流出する。
【0102】
(4)更に、弁軸50が中位から下方に向けて変位しており、水用弁体55が水用弁座47cを閉塞しており、水用弁体55が水用弁座47cに押止されているため水用弁体55がスプリング53を押圧し圧縮されている弁軸変位量範囲(以下「流量調節範囲」と呼ぶ。)においては、弁軸50の変位に従って湯用弁体51は第1湯用弁座47aと第2湯用弁座47bとの間で変位し、湯用弁体51と第2湯用弁座47bとの絞り幅が変化することにより導水抵抗が変化し初期混合湯の流量が変化する。このとき、バイパス水は水用弁体55により遮断されている。従って、出湯管3' から流出する初期混合湯の流量は湯用弁体51の変位により制御することが可能となる。
【0103】
(5)弁軸が最下位まで変位した状態(以下「止水状態」と呼ぶ。)では、湯用弁体51は第2湯用弁座47bの開口部を閉塞し、水用弁体55は水用弁座47cの開口部を閉塞するため、通水が遮断される。
【0104】
図9(a)は弁軸の変位に対する混合比の変化特性図、図9(b)は弁軸の変位に対する出湯流量の変化特性図である。
【0105】
図9において、弁軸変位xがx0のときは導水状態であり、加熱湯は遮断されバイパス水のみが出湯管3’から出水される。弁軸変位xが混合比調節範囲(x0≦x≦x1の範囲)にある場合、変位xの増加に従って加熱湯の流量Qhは増加しバイパス水の流量Qbはある一定値まで減少する。弁軸変位xがx1では、加熱湯の流量Qhは最大で略一定となる。弁軸変位xが流量調節範囲(x1≦x≦x3の範囲)にある場合、Qh:Qbは略一定値を保持し弁軸変位xの増加に従って出湯量Q(=Qh+Qb)は減少する。弁軸変位xがx3である止水状態では、加熱湯及びバイパス水は遮断され出湯は停止する。
【0106】
尚、流量調節範囲においては、バイパス水は加熱湯の5%以上60%以下、好ましくは10%以上50%以下とする。バイパス水が10%以下であれば、熱交換器内の結露防止作用やエロージョンやコロージョンの抑止作用が少なく、バイパス水が50%以上であれば目標温度が最高設定温度に設定された場合、該目標温度の混合湯温度を得るために必要な加熱湯の温度が100℃を超えることが考えられ、熱交換器内で沸騰が生じる可能性があるからである。
【0107】
以上のように構成された本実施の形態における給湯システムにおいて、以下その制御方法について説明する。
【0108】
(i)定常的に出湯している状態(定常出湯状態)においては、制御装置12は弁軸50の変位量xを流量調節範囲B(図9におけるx1≦x≦x3の弁軸変位範囲)とする。このとき、流量センサ7により検出された給水流量(=出湯流量Q)が、給水温度センサ10により検出された給水温度Tcに対する最大出湯流量限界よりも小さい場合には、制御装置12は弁モータ56により弁軸変位を流量Qが最大の状態(図9において、x1≦x≦x2の領域)に固定し、能力調整装置6により熱交換器に供給する熱量を調節することによって出湯温度の制御を行う。流量センサ7により検出された給水流量が、給水温度センサ10により検出された給水温度Tcに対する最大出湯流量限界を越えた場合には、能力調整装置6により熱交換器5に供給する熱量を最大に固定し、弁モータ56により弁軸変位xを流量調節範囲(x2≦x≦x3)で弁軸変位xを調節することで出湯流量Qを調節することにより出湯温度を制御する。このような制御を行うことによって、過流出が防止されると共に、目標温度に対する最大出湯流量限界に応じて出湯流量の調節を開始する出湯流量の最小値を変化させることが可能となるため、加熱装置の能力を最大限利用することが可能となる。
【0109】
(ii)出湯を停止し流量センサ7により検出された給水流量が0となると、加熱路2内の湯温度は後沸きにより出湯停止後暫くの間上昇し、その後熱交換器5の熱が外界に放出されることにより、加熱路内の湯温度は徐々に下降する。このとき、制御装置12は、熱交センサ15の検出する湯温度Thと出湯停止前に給水温度センサ10により検出された給水温度Tc0とから、設定された目標温度Tsに対する加熱湯とバイパス水との混合比を予測決定し、弁モータ56により弁軸変位xを混合比調節範囲(x0≦x≦x1)において調節する。このような制御を行うことによって、出湯を再開したときに「温度跳ね現象」により熱湯が出湯されることを防止することが可能となる。
【0110】
(iii)出湯を再開し、給水により加熱路2内に滞留していた湯が略入れ替わり、熱交換器5から供給される熱量が略安定し、出湯温度センサ9による出湯温度Tm検出値が安定すると、制御装置12は弁モータ56により弁軸変位xを流量調節範囲(x2≦x≦x3)に変位させ、定常的出湯状態における制御に移行する。
【0111】
(iv)また、加熱装置4を停止させた状態で給水路1から出湯路3に水を通す場合、制御装置12は弁モータ56により弁軸変位xを導水状態の変位x0とする。このような制御を行うことによって、熱交換器5に低温水を通すことなく出湯路3に給水路1から直接導水することが可能となり、熱交換器5の内部に結露が発生し、煤詰まりや低温腐食が発生するということを防止することが可能となる。
【0112】
以上のように、本実施の形態によれば、参考例に記載の構成に加え、バイパス路又は給水路と加熱路の熱交換器の下流側とを連通し加熱路から供給される湯に該湯の流量に対し略一定の割合の流量でバイパス路又は給水路からの水を混合させる常時バイパス路を備えたことにより、参考例に記載の作用に加え、
(1)流量調節範囲において、給水路の水圧は加熱路の水圧よりも高いため、加熱湯に対して一定の割合で給水路から水が供給され混合されることにより、設定温度が低い場合においても熱交換器を常に高温に保持することが可能となる。
(2)流量制御時において供給水は加熱路とバイパス路とに分流されるため、加熱湯の流量が抑えられ、熱交換器や複合弁の管内(又は弁内)流速が抑えられる。
(3)出湯路から排出される混合湯の温度の目標値が低く設定された場合においても、熱交換器を常に高温に保持することが可能となる。
という作用が得られる。
【0113】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載の給湯システムによれば、水を供給する給水路と、加熱装置によって加熱される熱交換器と、給水路に連通し熱交換器を通水する加熱路と、給水路から分流されるバイパス路と、加熱路からの湯とバイパス路からの水とが混合した混合湯を出湯口へ送水する出湯路と、加熱路とバイパス路と出湯路とに連通し一の弁軸の操作によって加熱路の開口度とバイパス路の開口度とを調節する弁体を備えた複合弁と、を備え、複合弁は、流量調節を行う弁軸移動量範囲と混合比調節を行う弁軸移動量範囲とを有し、弁体は、バイパス路を開閉させる部分にバイパス路からの水を漏洩させる切欠き部を備え流量調節を行う弁軸移動量範囲においては加熱路の開口度に対する切欠き部の開口度の比が略一定で加熱路からの湯にバイパス路からの水が略一定の割合で混合され、混合比調節を行う弁軸移動量範囲においてはバイパス路の開口度と加熱路の開口度との比の調節を行うことにより、(1)「温度跳ね現象」が抑止され、(2)過流出を防止することが可能であり、(3)加熱装置を加熱装置の最大出湯流量限界以下の全範囲で使用することが可能であり、(4)給湯回路が簡単で信頼性・保守性に優れ、(5)給湯回路がコンパクトであり、(6)低コストで生産可能な給湯システムを提供することが可能となるという有利な効果が得られる。
【0114】
また、(7)熱交換器や複合弁におけるエロージョンやコロージョンが抑止され、熱交換器が常に高温に保持されるため、高湿な環境においても熱交換器における結露が発生しにくく、それによる煤詰まりや低温腐食の発生が防止され、低コストで生産可能な給湯システムを提供することが可能となるという有利な効果が得られる。
【0115】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の給湯システムにおいて、切欠き部は、流量調節を行う弁軸移動量範囲において、バイパス路から漏洩させる水の流量が加熱路からの湯の流量に対して5%以上60%以下であるように形設されていることにより、請求項1に記載の効果に加え、熱交換器内での沸騰が防止された給湯システムを提供することが可能となるという有利な効果が得られる。
【0116】
また、請求項3に記載の発明によれば、水を供給する給水路と、加熱装置によって加熱される熱交換器と、給水路に連通し熱交換器を通水する加熱路と、給水路から分流されるバイパス路と、加熱路からの湯とバイパス路からの水とが混合した混合湯を出湯口へ送水する出湯路と、バイパス路又は給水路と加熱路の熱交換器の下流側とを連通し加熱路から供給される湯に該湯の流量に対し略一定の割合の流量でバイパス路又は給水路からの水を混合させる常時バイパス路と、加熱路とバイパス路と出湯路とに連通し一の弁軸の操作によって加熱路の開口度とバイパス路の開口度とを調節する弁体を備えた複合弁と、を備え、複合弁は、流量調節を行う弁軸移動量範囲と混合比調節を行う弁軸移動量範囲とを有し、弁体は、流量調節を行う弁軸移動量範囲においてはバイパス路を閉止し加熱路の開口度の調節を行い、混合比調節を行う弁軸移動量範囲においてはバイパス路の開口度と加熱路の開口度との比の調節を行うことにより、請求項1に記載の効果に加え、(1)熱交換器や複合弁におけるエロージョンやコロージョンが抑止され、(2)高湿な環境においても熱交換器における結露が発生しにくい為、煤詰まりや低温腐食の発生が防止され、(3)低コストで生産可能な給湯システムを提供することが可能となるという有利な効果が得られる。
【0117】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の給湯システムにおいて、常時バイパス路は、常時バイパス路の水の流量が加熱路からの湯の流量に対して5%以上60%以下であることにより、請求項3に記載の効果に加え、熱交換器内での沸騰が防止された給湯システムを提供することが可能となるという有利な効果が得られる。
【0118】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4の何れか一に記載の給湯システムにおいて、複合弁は、導水を行う弁軸移動量範囲を有し、弁体は、導水を行う弁軸移動量範囲において加熱路を閉止しバイパス路のみを開弁することにより、請求項1乃至請求項4の何れか一に記載の効果に加え、加熱器を停止して出湯路に供給水を直接導水させる場合に、熱交換器における結露が発生しにくい為、煤詰まりや低温腐食の発生が抑止された給湯システムを提供することが可能となるという有利な効果が得られる。
【0119】
また、請求項6に記載の給湯システムの制御方法によれば、給水路の水の流量を検出する流量センサと、給水路の水温を検出する給水温度センサと、熱交換器直後の水温を検出する熱交センサと、出湯路から排出される混合湯の温度の目標値を設定する温度設定器と、複合弁の弁軸を駆動する弁モータと、加熱装置の加熱量を調節する能力調節装置と、流量センサと給水温度センサと熱交センサとの検出値及び温度設定器により設定された温度の目標値に基づき前記弁モータと能力調節装置とを制御する制御装置と、を備えた請求項1乃至請求項5の何れか一に記載の給湯システムの制御方法であって、定常出湯状態においては制御装置は複合弁の弁軸移動量の調節による流量調節及び能力調節装置による加熱量の調節により出湯温度を制御し、出湯を停止した状態においては制御装置は熱交センサにより検出される熱交換器直後の湯の温度と給水温度センサにより検出される給水路の水温とに基づき温度設定器により設定された温度の目標値に対応して複合弁の弁軸移動量を調節し加熱湯とバイパス水との混合比を予め調節することによって出湯が再開されたときの出湯温度の予測制御を行うことにより、簡単な給湯回路及び制御回路により実現可能な給湯システムの制御方法が提供されるという有利な効果が得られる。
【0120】
また、給湯システムの湯水混合に用いられる複合弁であって、弁筐と、弁筐内部に形設され水が供給される導水口と湯が供給される導湯口と湯と水とが混合された混合湯が排出される出湯口とに連通した弁室と、弁筐内に挿入され回動可能な弁軸と、弁室に回動可能に密嵌され弁軸により回動され内部に出湯口に向けて開口した混合室が形設された弁体と、弁体外壁から混合室へ貫設された水流入口と、水流入口の位置に対して弁体の回転軸方向及び弁体の回転方向にずらした位置に弁体外壁から混合室へ貫設された湯流入口と、を備え、a.弁軸が導水角位置にある場合には、湯流入口は弁室内壁により閉塞され、水流入口は導水口と重合し、b.弁軸が混合比調節角位置にある場合には、湯流入口は導湯口と部分的に重合し、水流入口は導水口と部分的に重合し、c.弁軸が流量調節角位置にある場合には、湯流入口は導湯口と部分的に重合し、水流入口は弁室内壁により閉塞され、又は、湯流入口は導湯口と部分的に重合し、水流入口は導水口と部分的に重合し、導湯口と湯流入口及び導水口と水流入口との重合する面積の比が略一定であり、d.弁軸が閉止角位置にある場合には、湯流入口は弁室内壁により閉塞され、水流入口は弁室内壁により閉塞されているものでは、(1)出湯口に水を流したい場合、導湯口を閉止することが可能であり、(2)給湯システムの過流出を防止する為の流量制御と、「温度跳ね現象」を防止するための混合比制御とを一の弁軸の回転操作により行うことが可能な複合弁を提供することができ、(3)上記(2)に記載の効果により、給湯システムの流量制御を一の弁モータで行うことが可能となり、制御機構を簡単化することが可能となる、という有利な効果が得られる。
【0121】
また、給湯システムの湯水混合に用いられる複合弁であって、湯が供給される導湯口と、水が供給される導水口と、湯と水とが混合された混合湯を排出する出湯口と、を有する弁筐と、弁筐内部に形設され出湯口と導水口とに連通する混合室と、弁筐内部に形設され導湯口と混合室とに連通する湯弁室と、弁筐内に挿入され湯弁室と混合室とに挿通され軸方向に往復動可能な弁軸と、弁軸に遊挿され混合室内を弁軸の軸方向に往復動可能な水用弁体と、混合室と導水口との間に配設され水用弁体と共に水用弁を構成する水用弁座と、弁軸に遊挿され水用弁体を水用弁座の方向に付勢するスプリングと、弁軸に固設され水用弁体が弁軸から抜脱する事を防止するストッパと、弁軸に取り付けられ湯弁室内を弁軸の軸方向に往復動可能な湯用弁体と、導湯口と湯弁室との間に配設され湯用弁体と共に第1湯用弁を構成する第1湯用弁座と、湯弁室と混合室との間に配設され湯用弁体と共に第2湯用弁を構成する第2湯用弁座と、を備え、a.弁軸が導水位置にある場合には、湯用弁体は第1湯用弁座に密嵌し第1湯用弁は閉止され、水用弁体は水用弁座から離脱し水用弁は開弁され、b.弁軸が混合比調節位置にある場合には、湯用弁体は第1湯用弁座と第2湯用弁座との間に位置し第1湯用弁及び第2湯用弁は開弁され、水用弁体は水用弁座から離脱し水用弁は開弁され、c.弁軸が流量調節位置にある場合には、湯用弁体は第1湯用弁座と第2湯用弁座との間に位置し第1湯用弁及び第2湯用弁は開弁され、水用弁体は水用弁座に密嵌し水用弁は閉止され、d.弁軸が閉止位置にある場合には、湯用弁体は第2湯用弁座に密嵌し第2湯用弁は閉止され、水用弁体は水用弁座に密嵌し水用弁は閉止されているものでは、(1)出湯口に水を流したい場合、導湯口を閉止することが可能であり、(2)給湯システムの過流出を防止する為の流量制御と、「温度跳ね現象」を防止するための混合比制御とを一の弁軸の回転操作により行うことが可能な複合弁を提供することができ、(3)上記(2)に記載の効果により、給湯システムの流量制御を一の弁モータで行うことが可能となり、制御機構を簡単化することが可能となる、という有利な効果が得られる。
【0122】
また、段落〔0121〕に記載の複合弁において、弁筐に、導水口と導湯口とを連通する常時バイパス管が形設されているものでは、段落〔0121〕に記載の効果に加え、出湯口から排出される混合湯の温度は常時バイパス路から供給される水により下げられるため、低温の湯を出湯する必要がある場合にも、給湯口から供給される湯の温度を高くすることができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例における給湯システムの給湯回路図
【図2】 (a)参考例の給湯システムで使用される複合弁の要部断面図
(b)参考例の給湯システムで使用される複合弁の断面端面図
【図3】 参考例の給湯システムで使用される複合弁の弁体の動作模式図
【図4】 (a)参考例の給湯システムで使用される複合弁の弁軸回転角に対する混合比の変化特性図
(b)参考例の給湯システムで使用される複合弁の弁軸回転角に対する出湯流量の変化特性図
【図5】 (a)本発明の実施の形態1の給湯システムで使用される複合弁の弁軸回転角に対する混合比の変化特性図
(b)実施の形態1の給湯システムで使用される複合弁の弁軸回転角に対する出湯流量の変化特性図
【図6】 実施の形態1の給湯システムで使用される複合弁の弁体の動作模式図
【図7】 本発明の実施の形態2における給湯システムの給湯回路図
【図8】 実施の形態2の給湯システムで使用される常時バイパス管を備えた複合弁の要部断面図
【図9】 (a)弁軸の変位に対する混合比の変化特性図
(b)弁軸の変位に対する出湯流量の変化特性図
【図10】 一従来例の給湯システムの給湯回路図
【図11】 イ号公報に開示されている従来の給湯システムの給湯回路図
【図12】 一従来例の給湯システムの給湯回路図
【符号の説明】
1 給水路
1’ 給水管
2 加熱路
2’ 出水管
2” 管
2a バイパス路
2a’ バイパス管
2b 常時バイパス路
2b’ 常時バイパス管
3 出湯路
3’ 出湯管
4 加熱装置
5 熱交換器
6 能力調整装置
7 流量センサ
8 過流防止弁(水ガバナ)
9 出湯温度センサ
10 給水温度センサ
11 温度設定器
12 制御装置
13 水量調節弁
14 混合弁
15 熱交センサ
16,17 複合弁
23 弁体
23a 弁軸
24 混合室
26 湯流入口
26a 導湯口
27 水流入口
27a 導水口
27b 切欠き部
28 出湯口
29 弁筐
29a 取付フランジ(鍔(ツバ)継手)
30 給水温度センサ取付口
40 弁筐
40a 弁取り付け口
46a 上部混合室
46b 下部混合室
46c 分水室
46d 湯弁室
46e 水弁室
47a 第1湯用弁座
47b 第2湯用弁座
47c 水用弁座
49 弁蓋
49a 弁軸取付口
49b ガイド孔
50 弁軸
50b 円柱突起部
51 湯用弁体
52 ストッパ
53 スプリング
55 水用弁体
56 弁モータ
700 給湯回路
Claims (6)
- 水を供給する給水路と、加熱装置によって加熱される熱交換器と、前記給水路に連通し前記熱交換器を通水する加熱路と、前記給水路から分流されるバイパス路と、前記加熱路からの湯と前記バイパス路からの水とが混合した混合湯を出湯口へ送水する出湯路と、前記加熱路と前記バイパス路と前記出湯路とに連通し一の弁軸の操作によって前記加熱路の開口度と前記バイパス路の開口度とを調節する弁体を備えた複合弁と、を備え、前記複合弁は、流量調節を行う弁軸移動量範囲と混合比調節を行う弁軸移動量範囲とを有し、前記弁体は、前記バイパス路を開閉させる部分に前記バイパス路からの水を漏洩させる切欠き部を備え前記流量調節を行う弁軸移動量範囲においては前記加熱路の開口度に対する前記切欠き部の開口度の比が略一定で前記加熱路からの湯に前記バイパス路からの水が略一定の割合で混合され、前記混合比調節を行う弁軸移動量範囲においては前記バイパス路の開口度と前記加熱路の開口度との比の調節を行うことを特徴とする給湯システム。
- 前記切欠き部は、前記流量調節を行う弁軸移動量範囲において、前記バイパス路から漏洩させる水の流量が前記加熱路からの湯の流量に対して5%以上60%以下であるように形設されていることを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
- 水を供給する給水路と、加熱装置によって加熱される熱交換器と、前記給水路に連通し前記熱交換器を通水する加熱路と、前記給水路から分流されるバイパス路と、前記加熱路からの湯と前記バイパス路からの水とが混合した混合湯を出湯口へ送水する出湯路と、前記バイパス路又は前記給水路と前記加熱路の前記熱交換器の下流側とを連通し前記加熱路から供給される湯に該湯の流量に対し略一定の割合の流量で前記バイパス路又は前記給水路からの水を混合させる常時バイパス路と、前記加熱路と前記バイパス路と前記出湯路とに連通し一の弁軸の操作によって前記加熱路の開口度と前記バイパス路の開口度とを調節する弁体を備えた複合弁と、を備え、前記複合弁は、流量調節を行う弁軸移動量範囲と混合比調節を行う弁軸移動量範囲とを有し、前記弁体は、前記流量調節を行う弁軸移動量範囲においては前記バイパス路を閉止し前記加熱路の開口度の調節を行い、前記混合比調節を行う弁軸移動量範囲においては前記バイパス路の開口度と前記加熱路の開口度との比の調節を行うことを特徴とする給湯システム。
- 前記常時バイパス路は、前記常時バイパス路の水の流量が前記加熱路からの湯の流量に対して5%以上60%以下であることを特徴とする請求項3に記載の給湯システム。
- 前記複合弁は、導水を行う弁軸移動量範囲を有し、前記弁体は、前記導水を行う弁軸移動量範囲において前記加熱路を閉止し前記バイパス路のみを開弁することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一に記載の給湯システム。
- 前記給水路の水の流量を検出する流量センサと、前記給水路の水温を検出する給水温度センサと、前記熱交換器直後の水温を検出する熱交センサと、前記出湯路から排出される混合湯の温度の目標値を設定する温度設定器と、前記複合弁の前記弁軸を駆動する弁モータと、前記加熱装置の加熱量を調節する能力調節装置と、前記流量センサと前記給水温度センサと前記熱交センサとの検出値及び前記温度設定器により設定された温度の目標値に基づき前記弁モータと前記能力調節装置とを制御する制御装置と、を備えた請求項1乃至請求項5の何れか一に記載の給湯システムの制御方法であって、定常出湯状態においては前記制御装置は前記複合弁の弁軸移動量の調節による流量調節及び前記能力調節装置による加熱量の調節により出湯温度を制御し、出湯を停止した状態においては前記制御装置は前記熱交センサにより検出される前記熱交換器直後の湯の温度と前記給水温度センサにより検出される前記給水路の水温とに基づき前記温度設定器により設定された温度の目標値に対応して前記複合弁の弁軸移動量を調節し前記加熱湯とバイパス水との混合比を予め調節することによって出湯が再開されたときの出湯温度の予測制御を行うことを特徴とする給湯システムの制御方法。
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