JP3947187B2 - 木材又は紙用塗料 - Google Patents
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一方、カシューナットシェルオイルは安価であるため、天然漆の代替として広く使用されているが、そのままでは硬化せず、ホルムアルデヒドやヘキサミンなどを反応させてオリゴマー化したものを塗料などの硬化成分として使用していた。しかし、このオリゴマー化反応は工程が増えて、価格も高くなるだけでなく、依然として、天然漆と同様の「乾燥に長時間を要する」という問題を有していた。
すなわち、本発明は次の(1)〜(3)である。
本発明における(B)一般式:XnSi(OR)m(但し、式中、Xはアミノ基、アルキルアミノ基、アミノアルキル基、エポキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル基及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基からなる群から選ばれる基であり、Rはアルキル基であり、かつ、nとmはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい1〜3の整数であり、nとmの合計は4である。)で表わされる化合物は、漆類、カシューナットシェルオイルのフェノール性水酸基を変性して、その硬化を顕著に促進させるためのものである。このXは、具体的には、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、エポキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基などであり、このうち、アミノ基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、エポキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル基又はβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基が好ましい。Rとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基などが挙げられ、このうち、メチル基が好ましい。
この化合物は、単独で使用できるだけではなく、2種以上を混合して使用することができる。混合使用した場合、縮合度の異なるハイブリッド漆類及び/又はハイブリッドカシューナットシェルオイルが得られ、耐水性の向上や乾燥速度の調節も容易となる。
本発明における漆類とは、漆料植物から得られる漆液(生漆)、生漆をJIS K 5950の方法によって「クロメ」(加熱脱水)処理して得られる精製漆、生漆のアセトン可溶成分を濃縮して得られるウルシオール、ラッコール又はチチオール、化学合成によって得られるアルケニルカテコール、又はこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。アルケニルカテコールとしては、具体的には、3−(8−ペンタデセニルカテコール)、3−(8,11−ペンタデカジエニルカテコール)、3−ペンタデカトリエニルカテコールなどが挙げられる(永瀬、宮腰:塗装工学、Vol.32、No.11、p22〜35(1997)参照)。本発明において、漆類は天然漆液に含まれるラッカーゼ酵素を含むものである。カシューナットシェルオイルは、カシュー樹の実から得られるものであり、カルダノールを有効成分とするものである。特に、生漆を「クロメ」処理して得られる精製漆と、これ以外の前記漆類或いはカシューナットシェルオイルとを混合して使用するのが好ましい。また、カシューナットシェルオイルと前記漆類とを混合して使用することもできるが、カシューナットシェルオイルが主成分の場合は、前記一般式で表される化合物を作用させると粘度と乾燥速度が高くなり、漆類が主成分の場合は、粘度と乾燥速度が低くなる傾向にある。
実施例1
中国産生漆のアセトン可溶分を濃縮して得たウルシオール100gに、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン50gを滴下し、液温が50℃を超えないよう制御しながら攪拌して反応を行って、常温になった時を終点として共縮合体を得た。この反応生成物の粘度は8200mPa・s/20℃であった。
これを76±5μmのフィルムアプリケーターでガラス板に塗布して常温、40〜50%RHの室内に静置したところ、30分間で指触乾燥し、2時間で硬化乾燥した。24時間後の乾燥塗膜の鉛筆硬度は5Hであり、淡赤褐色を示した。
なお、比較のために、同条件で試験した市販の精製漆塗膜は、24時間経過しても乾燥していなかった。
カテコールと亜麻仁油のクロスカップリング反応によって得た3−アルケニルカテコール100gにN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン100gを滴下し反応させた以外は実施例1と同様にして共縮合物を得た。
この反応生成物は、粘度が7000mPa・s/20℃であり、塗膜形成後、常温、40〜50%RH、1時間で指触乾燥し、2.5時間で硬化乾燥した。24時間後の乾燥塗膜の鉛筆硬度は3Hであり、60度反射光沢度計による乾燥塗膜の光沢は100%を示した。
カシューナットシェルオイル100gにN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランとβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとの混合物100gを滴下し反応させた以外は実施例1と同様にして共縮合物を得た。
この反応生成物の粘度は5500mPa・s/20℃であり、常温、40〜50%RH、2時間で指触乾燥し、5時間で硬化乾燥した。24時間後の乾燥塗膜の鉛筆硬度は2Hであり、淡黄色を示した。
中国産生漆のアセトン可溶分を濃縮して得たウルシオール100gとカシューナットシェルオイル100gを混合し、この中にN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン50gを滴下し反応させた以外は実施例1と同様にして共縮合物を得た。
この反応生成物は、粘度が5500mPa・s/20℃であり、塗膜形成後、常温、40〜50%RH、1時間で指触乾燥し、3時間で硬化乾燥した。24時間後の乾燥塗膜の鉛筆硬度は3Hであり、60度反射光沢度計による乾燥塗膜の光沢は100%を示した。
中国産生漆をJIS K 5950の方法に準じて「クロメ」処理した(ラッカーゼ酵素を含む)精製漆100gにN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランとβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとの混合物60gを滴下し反応させた以外は実施例1と同様にして共縮合物を得た。
この反応生成物の粘度は8500mPa・s/20℃であり、塗膜形成後、常温、40〜50%RH、30分間で指触乾燥し、2時間で硬化乾燥した。24時間後の乾燥塗膜の鉛筆硬度は5Hであった。
中国産生漆をJIS K 5950の方法に準じて「クロメ」処理した(ラッカーゼ酵素を含む)精製漆50gとカシューナットシェルオイル50gを混合し、この中にN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランとβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランとの混合物100gを滴下した以外は実施例1と同様にして共縮合物を得た。
この反応生成物の粘度は4000mPa・s/20℃であり、塗膜形成後、常温、40〜50%RH、40分間で指触乾燥し、3時間で硬化乾燥した。24時間後の乾燥塗膜の鉛筆硬度は3Hであった。
Claims (3)
- (A)ラッカーゼ酵素を含む漆類及び/又はカシューナットシェルオイルと、(B)一般式:XnSi(OR)m(但し、式中、Xはアミノ基、アルキルアミノ基、アミノアルキル基、エポキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル基及びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基からなる群から選ばれる基であり、Rはアルキル基であり、nとmはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい1〜3の整数であり、かつ、nとmの合計は4である。)で表わされる化合物を、(A)成分の有効成分100gに対して(B)成分を10〜500gの割合で、かつ50℃を超えないよう温度制御しながら、反応させて得られた、常温速乾性のラッカーゼ酵素を含むハイブリッド漆類及び/又はハイブリッドカシューナットシェルオイルを含有すること、を特徴とする木材又は紙用塗料。
- (A)成分がラッカーゼ酵素を含む漆類である、請求項1に記載の木材又は紙用塗料。
- (A)成分がカシューナットシェルオイルである、請求項1に記載の木材又は紙用塗料。
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