JP3947024B2 - ローダ作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
トラクタ等の走行車両にフロントローダ等の作業装置を装着してなるローダ作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のローダ作業機として、トラクタの前部にフロントローダを装着してなるものがあり、このフロントローダは、トラクタの車体前部に、該車体から左右方向外方突出状に支持台を設け、この支持台に上方突出状にブーム支持体を設け、このブーム支持体に先端側にバケットを備えたブームの基端側を枢支し、該ブームとブーム支持体との間にブームシリンダを介装し、エンジンから前方に突出する前車軸フレームと、ブーム支持体の上部側との間にブレースを架設したものであった。
【0003】
しかし、このローダ作業機では、ブレースがトラクタのボンネットの側方に位置していたので、ボンネット内等のメンテナンス性を阻害し、運転者の前方視界の妨げたり外観を損ねる原因になっていた。
そこで、本願出願人は、特願平11−120015号(特開2000−309940号公報)において、上記の問題点を解消するべくブレースを省略し、且つブームの支持フレームの強度を確保したローダ作業機を提案している。
このローダ作業機は、走行車両の車体に、該車体から左右方向外方突出状に支持台を設け、この支持台に上方突出状にブーム支持体を設け、このブーム支持体に、先端側に作業具を備えたブームの基端側を支持し、ブーム支持体とブームとの間にブームを揺動させるブームシリンダを設け、車体の側方に、支持台及び車体に固定されたサブフレームを配置し、このサブフレームとブーム支持体とに亘って補強部材を固定したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のローダ作業機は、支持台と車体とをサブフレームにて連結するとともに、サブフレームとブーム支持体とに亘って補強部材が固定されているので、ブレースが無くとも強度を確保でき、それなりに有用であった。
しかしながら、サブフレームとブーム支持体との間に前記補強部材が必要で、他の部分にも数々の補強部材が取り付けられていたため、部品点数がかなり多くなっていた。また、これら多数の補強部材を溶接により接合しているので、製造工数が増大してコストも高騰化し、補強部材が複数箇所から突出しているために外観上雑然として落ち着きが無く、デザイン性にも劣っていた。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたもので、ブームを支持するフレームを簡素な構造として強度も確保できるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明にかかるローダ作業機は、第1に、車体4に固定された取付ブラケット16と、この取付ブラケット16に左右方向の内端部が固定された支持台15と、この支持台15の左右方向外端部側に立設されたブーム支持体17と、このブーム支持体17の上部側に一端が枢支され他端側に作業具14が設けられたブーム13と、前記ブーム支持体17とブーム13との間に設けられ該ブーム13を揺動動作するブームシリンダ33と、ブーム支持体17と車体4とを繋ぐ連結フレーム18とを備え、
前記ブーム支持体17は左右一対の側壁19a,19bと背面壁19cとを有する平面視コ字形に形成され、前記支持台15が取付ブラケット16及びブーム支持体17の下端部を貫通して溶接されており、
前記ブーム支持体17は少なくとも一方の側壁19aの下端部を貫通した支持台15よりも下方に延設することによって取付具36が一体形成され、この取付具36に前記連結フレーム18の先端が支持台15の下方で連結されていることを特徴とするローダ作業機。
【0007】
第2に、車体4に固定された取付ブラケット16と、この取付ブラケット16に左右方向の内端部が固定された支持台15と、この支持台15の左右方向外端部側に立設されたブーム支持体17と、このブーム支持体17の上部側に一端が枢支され他端側に作業具14が設けられたブーム13と、前記ブーム支持体17とブーム13との間に設けられ該ブーム13を揺動動作するブームシリンダ33と、ブーム支持体17と車体4とを繋ぐ連結 フレーム18とを備え、
前記ブーム支持体17の上部と車体4の前部との間にブレイスが存在しなく、
前記ブーム支持体17は左右一対の側壁19a,19bと背面壁19cとを有する平面視コ字形に形成され、前記支持台15が取付ブラケット16及びブーム支持体17の下端部を貫通して溶接されており、
前記ブーム支持体17は少なくとも一方の側壁19aの下端部を貫通した支持台15よりも下方に延設することによって取付具36が一体形成され、この取付具36に前記連結フレーム18の先端が支持台15の真下でボルト固定されており、
前記ブーム13から支持台15のよりも上側のブーム支持体17の上部に付与される負荷を、前記支持台15のよりも下方突出されたブーム支持体17の下部の取付具36にボルト固定された前記連結フレーム18で受けていることを特徴とする。
【0008】
第3に、前記ブーム支持体17は支持台15の左右方向外端部側に立設されたメインフレーム19と、このメインフレーム19に着脱自在に取り付けられかつブーム13とブームシリンダ33とが連結されるサブフレーム20とで形成されていることを特徴とする。
また前記ローダ作業機は、次の特徴を有する。
車体に対して左右方向の内端部が固定された支持台と、この支持台の左右方向外端部側に立設されたブーム支持体と、このブーム支持体の上部側に一端が枢支され他端側に作業具が設けられたブームと、前記ブーム支持体とブームとの間に設けられ該ブームを揺動動作するブームシリンダと、ブーム支持体と車体とを繋ぐ連結フレームとを備え、
前記ブーム支持体の下端部には、該下端部を前記支持台よりも下方に延設することによって形成された取付具が外方突出状に備えられ、該取付具に連結フレームが取り付けられ、該取付具及び連結フレームを介してブーム支持体の下端部が車体に連結されていることを特徴としている。
【0009】
かかる構成によれば、ブームを支持するブーム支持体と車体とを連結フレームにより直接連結するので、ブームからの負荷に十分耐えうる構造となり、この連結フレームの取付具をブーム支持体に対して備えることにより構造も簡素にできる。
前記取付具はブーム支持体から下方に突出されていることが好ましい。これにより、ブーム支持体の上部側に連結されたブームからの負荷に対して、ブーム支持体の下部側に連結される連結フレームが好適に補強として機能するようになる。
【0010】
また、前記ブーム支持体は左右一対の側壁を有し、前記取付具が、少なくとも一方の側壁を下方に延設することにより構成されていることが推奨される。これによって、取付具を溶接等により接合する必要もなく、製造が容易になり、コストの低減も図られるようになる。
前記支持台がパイプ部材により形成され、この支持台の肉厚がブーム支持体を構成する板材の肉厚よりも厚く形成されていることが好ましい。このようにすることで、支持台の強度が格段に向上し、補強部材も不要となって構造を簡素化することができる。
【0011】
前記支持台は、ブーム支持体を貫通して該ブーム支持体の外側面から突出されていることが好ましい。これによって、ブーム支持体からの負荷を支持台の外面部にて受けることが可能となり、耐荷重性が向上する。また、支持体の突出した部分をブーム支持体に対して溶接等により接合すれば、ブーム支持体の外側での作業となるため接合が容易になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、1は、トラクタ(走行車両)2の前部にフロントローダ3を装着してなるローダ作業機である。
前記トラクタ2の車体4は、エンジン、クラッチハウジング、ミッションケースを前後方向に連結し、エンジンの下側に前車軸フレーム5を固定し、前車軸フレーム5に前車軸ケース6等を支持し、ミッションケースの後部に後車軸ケース7等を固定することにより構成されている。前車軸ケース6には前車軸を介して操向輪となる左右一対の前輪8が取り付けられ、後車軸ケース7には後車軸を介して駆動輪となる左右一対の後輪9が取り付けられている。
【0013】
エンジンは前部のボンネット10内に収納され、車体4の後部上方には運転席11Aが設けられ、運転席11Aの前方には操縦ハンドル11Bが設けられている。
フロントローダ3は、図2及び図3にも示すように、フレーム12と、ブーム13と、バケット(作業具)14とを備えて主構成されている。
フレーム12は、車体4の前部側方に、該車体4から左右方向外方突出状に配置された支持台15と、この支持台15を車体4に取付固定する取付ブラケット16と、前記支持台15に立設されたブーム支持体17と、車体4の側方に前後方向に配置されていて前端側がブーム支持体17に連結され、後端側が車体4後部に連結された連結フレーム18とを左右一対備えて主構成されている。
【0014】
支持台15は、本実施の形態では、左右方向の軸心を有する円筒状のパイプ材からなり、この支持台15の左右方向内端部に前記取付ブラケット16が溶接等によって固定されている。この取付ブラケット16は板材等から構成されていて前車軸フレーム5等の車体4にボルトにより取付固定されている。
なお、支持台15は角筒状に形成してもよい。
左右の取付ブラケット16は、図示しない連結枠により相互に連結してもよく、この連結枠は車体4の下面に取付固定すればよい。
【0015】
前記ブーム支持体17は、図4に示すように、支持台15の左右方向外端側に固定されたメインフレーム19と、このメインフレーム19に着脱自在に取り付けられるサブフレーム20とから主構成されている。
メインフレーム19は、図5〜図7にも示すように、板材を屈曲することによって左右の側壁19a、19bと背面壁19cとを有する平面視コ字形に形成され、上下方向中途部の前部側に、左右の側壁19a、19bに架設された左右方向の支軸21を備え、上部には左右の側壁19a、19bを貫通する挿通孔22を備えている。
【0016】
図7に示すように、左右の側壁19a,19bの下部には、前記支持台15の左右方向外側部が貫通しており、この支持台15の外端部15aは外側の側壁19aから突出している。そして、支持台15は、その外周面が左右側壁19a,19bの外面(左右の側壁19a,19bの対向面と反対の面)に対して溶接Yにて接合されており、これによって支持台15とメインフレーム19との接合強度が高められている。
また、側壁19a,19bは、その対向内側の狭い空間でなく外面で支持台15に溶接にて接合されるので、この接合作業が容易に行えるようになっている。特に、左右外側の側壁19aから支持台15の外端部15aが突出しているので、当該部分の接合を、メインフレーム19の左右外側から容易に行える。
【0017】
支持台15はメインフレーム19を貫通しているので、ブーム13からメインフレーム19にかかる負荷を支持台15の外面(外周面)で受けることができ、耐荷重性が高められるようになっている。
支持台15は、取付ブラケット16に対しても左右方向に貫通し、その左右方向の内端部15bが取付ブラケット16から突出しており、支持台15の外周面が取付ブラケット16の表裏両面に溶接Yにて接合されている。
前記支持台15を構成するパイプ材の肉厚tは、メインフレーム19よりも厚肉とされ、ここに支持台15自体の強度が高められ、各種の補強部材を不要なものとしている。また、取付ブラケット16についても支持台15と略同様の厚肉の板材が採用されている。
【0018】
図4に示すように、サブフレーム20は、左右の側壁と、背面壁とから平断面前方に開放状のコ字形に形成されており、左右の側壁間に亘って補強板24,25が設けられると共に、左右の側壁間下端前部側には嵌合部材26が設けられ、この嵌合部材26には、下方に向けて開放状の円弧状凹部26aが左右の側壁間に亘って設けられている。
サブフレーム20の上部及び上下方向中途部の前後には、それぞれ左右の側壁を貫通する挿通孔27,28,29が形成されている。
【0019】
そして、サブフレーム20の凹部26aがメインフレーム19の支軸21に上方から嵌合した状態で、サブフレーム20の上下方向中途部後部側の挿通孔27がメインフレーム19の挿通孔22に一致するようになっており、これら挿通孔22,27に亘って連結ピン30を挿通することにより、サブフレーム20がメインフレーム19に対して固定されるようになっている。
また、上記の逆の操作によってメインフレーム19からサブフレーム20を取り外すことができ、これによってトラクタ2に対してフロントローダ3が着脱自在に構成されている。
【0020】
なお、メインフレーム19の左右の側壁19aの内面側上部には、サブフレーム20の外面側の、挿通孔27の縁に設けたボスが嵌合するボスガイド31が設けられている。
また、上記ブーム支持体17のメインフレーム19とサブフレーム20とを一体的に構成して、トラクタ2に対してフロントローダ3を着脱不能に固定した形式としてもよい。
前記連結フレーム18は、長尺の板材によって形成され、車体4の下部側方に、前部から後部に亘るように前後方向に配置されている。
【0021】
この連結フレーム18の前部は、メインフレーム19の左右内側(車体4側)の側壁19bを下方に延設することによって形成された取付具36にボルト固定され、連結フレーム18の後部は、後車軸ケース7に対してブラケット37(図1参照)等を介してボルトにより固定されることで車体4に連結されている。
したがって、ブーム13側からブーム支持体17へと付与された負荷を、このブーム支持体17に直接連結された連結フレーム18へ好適に分散でき、ブーム支持体17と支持台15との接合部の応力を小さくすることができる。また、支持台15そのものの肉厚が厚くなっているので、ブーム13からの負荷による曲げやねじれにも好適に耐え得る構造となっている。
【0022】
さらに、支持台15よりも上側でブーム支持体17の上部にブーム13が連結されているのに対して、支持台15よりも下側でブーム支持体17の下部に連結フレーム18が連結されているので、特に、ブーム13から後方への負荷が付与された場合に連結フレーム18が引張り荷重を受け、支持台15に対するねじれを抑制できるようになっている。
上記のような構造により、従来のようなブレイスがなくても強度を確保できるとともに、構造も簡素にすることができる。
【0023】
取付具36は、ブーム支持体17の側壁19bを下方に延設することにより一体に形成されているので、これを他の部材で形成して溶接等により接合する場合に比べて、部品点数減が図れ、製造も容易となる。
なお、連結フレーム18の後端側は、直接車体4に固定してもよく、また、車体4側に取付固定される他の部材に固定してもよい。
また、トラクタ2の後部にバックホーを装着できるタイプのものでは、後車軸ケース7に取付固定されるバックホー取付枠に、連結フレーム18の後端側を連結固定するようにしてもよい。
【0024】
取付具36は、メインフレーム19の左右外側の側壁19aを下方に延設することによって形成してもよく、左右両方の側壁19a、19bを両方に取付具36を形成し、これらに2股、又は2つの連結フレーム18を連結する構造としてもよい。
また、メインフレーム19の背面壁19cに取付具36を後方突出状に設けることも可能である。
ブーム支持体17の下部に連結フレーム18を直接取り付けた構成、支持台15の肉厚を厚くした構成、支持台15をブーム支持体17に貫通し突出させた構成等によりフレーム12の強度が高められており、特にブーム支持体17のメインフレーム19には上記に説明した構成以外の補強部材は設けられておらず、非常に簡素な構造となっている。
【0025】
図1〜図3に示すように、前記ブーム13は左右一対設けられ、基端側(後端側)がサブフレーム20の挿通孔28に挿通されるピンによって、サブフレーム20に左右方向の軸心回りに回動自在に枢着されており、ブーム13の先端側には、バケット14が左右方向の軸心回りに回動自在に枢着されている。
また、左右のブーム13の前部側は連結パイプ32によって相互に連結されている。
ブーム支持体17とブーム13との間にはブームシリンダ33が介装されている。このブームシリンダ33の後端は、サブフレーム20の挿通孔29にピンを介して枢支され、ブームシリンダ33の前端は、ブーム13の中途部にピンを介して枢支され、このブームシリンダ33の伸縮によりブーム13が揺動動作される。
【0026】
各ブーム13の前部上側にはバケットシリンダ34が配置され、このバケットシリンダ34の基端側はブーム13の中途部に枢着され、バケットシリンダ34の先端側には一対のリンクを介してバケット14が連結され、このバケットシリンダ34の伸縮によりバケット14がスクイ・ダンプ動作されるように構成されている。
なお、ブーム支持体17のメインフレーム19には、ブームシリンダ33及びバケットシリンダ34を制御するコントロールバルブ49とこれを操作する操作レバー50が設けられている。また、上記バケット14に代えて他の作業具(ロールグラブやフォーク等)をブーム13に装着してもよい。
【0027】
ブーム13は、図8及び図9に示すように、前部構成体40と、後部構成体41と、これらを繋ぐ中間構成体42とを備えている。
前部構成体40及び後部構成体41は、左右一対の側壁部43aと、この一対の側壁部43aの上部間に設けられた上壁部43bと、一対の側壁部43aの下部間に設けられた下壁部43cとによって断面矩形状の箱形を呈している。
左右側壁部43a,43a及び上壁部43bは、板材をコ字形に屈曲することによって一体に成形され、下壁部43cは、左右側壁部43aの下部間に架け渡されて溶接にて接合された板材により構成されている。
【0028】
中間構成体42は、前部構成体40及び後部構成体41の上壁部43b、43b同士を繋ぐ上連結板44aと、側壁部43a,43a同士を繋ぐ横連結板44bとを有し、前後の下壁部43c,43c同士は互いに突き合わされて溶接にて接合されている。
左右の横連結板44b,44bの前部側は、前部構成体40の上壁部43bよりも上方に突出しており、この突出部分に、バケットシリンダ34の基部を枢支する枢支部44cを形成している。一方、後部構成体41の左右側壁部43a,43aの前部側は、下壁部43cよりも下方に突出し、この突出部分に、ブームシリンダ33の基部を枢支する枢支部43dを形成している。
【0029】
従来のブームでは、上記上連結板44aを後部構成体41の上壁部43b上面で後方に延伸し、前部構成体40の上壁部43b上面には他の補強板を貼着した構造となっていたが、本実施形態では、上連結板44aの前後部が前後の上壁部43b、43bとわずかにオーバーラップし、他の補強板も省略したものとなっており、構造が簡素化されている。
また、連結パイプ32の周囲で前部構成体40の内側面には、側面視楕円状の側板45が固着されている。
【0030】
従来のブームでは、前部構成体40の上壁部43bと連結パイプ32の上面との間に補強板を架設した構造となっており、部品点数が多く構造も複雑であったが、本実施形態では、かかる補強板をも省略し、上記側板45を設けることで連結パイプ32と側壁部43aとの接続部を厚肉として強度を高め、構造を簡素なものとしている。
図10及び図11には、ブーム支持体17に対するブーム13の枢支部(後端部)の構造が示されており、左右の側壁部(第1の壁部)43a,43aと上壁部(第2の壁部)43bとが板材を屈曲することによって一体的なコ字形に形成され、下壁部(第2の壁部)43cがこれとは別体とされて溶接にて接合されている。
【0031】
また、左右の側壁部43a、43aの間には、ブーム支持体17との連結軸が挿通される筒形のボス部46が架設されている。
上壁部43bの後端部には、該上壁部43bとボス部46とを連結する補強片47が設けられている。
この補強片47は、後部構成体41の上側を展開して示す図12の如く、上壁部43bと一体に形成されており、破線で屈曲することによって、補強片47の下端がボス部46上面に突き合わされ、溶接にて接合されるようになっている。
【0032】
したがって、かかる補強片47を別体として構成し、これを上壁部43bとボス部46との双方に溶接にて接合する場合に比べて、部品点数減、製造工数減が図れ、コストの削減に繋がる。
なお、47aは、補強片47と側壁部43a及び上壁部43bとの間に形成された孔であり、補強片47や側壁部43aを屈曲したときの割れやこれらの境界部の応力集中を防止するものとなっている。
下壁部43cの後端部にも、該下壁部43cとボス部46とを連結する補強片48が設けられており、この補強片48は下壁部43cと一体に形成されるとともに、屈曲することによりボス部46の下面に突き合わされ、溶接にて接合されている。
【0033】
したがって、この補強片48も下壁部43cと別体で構成する場合に比べて、部品点数減、製造工数減、コストダウンが図られる。
なお、上記において、一方の補強片47,48のみを上壁部43b又は下壁部43cと一体に形成した構成(他方は上壁部43b,下壁部43cと別体として溶接にて接合)としてもよく、4面の壁部43a,43b,43cを一枚の板材を屈曲することにより形成したものであってもよい。また、ブーム13の断面形状は、四角形の角部を傾斜状の平面とした八角形状とすることもできる。
【0034】
図1及び図2に示すように、トラクタ2のフロントグリルの前側には、トラクタ2の前面を保護するフロントガード51が設けられている。
このフロントガード51は、図13及び図14に詳細を示すように、上下方向に長い左右一対の側枠材52と、この左右側枠材52の間に架設された横枠材53と、この側枠材52を前車軸フレーム5に取り付けるための取付板54とを有している。
側枠材52は、上下方向に延びる主部52aと、この主部52aの下端から後方へ延伸する後方延伸部52bとを有し、この後方延伸部52bの後端部に取付板54が固着されている。
【0035】
側枠材52は、正面視において上下中途部が左右外方に膨出(折曲)されており、側面視において、後方延伸部52bが主部52aに比べて広幅となっている。
横枠材53は複数(図例では3本)設けられ、主部52aに対してほぼ等間隔で配置されている。
トラクタ2の後部に他の作業機を装着した場合、前後のバランスを図るためにトラクタ2前部にウエイトを装着することがあるが、本実施形態のフロントガード51には、このウエイトWの装着部55を一体に備えたものとなっている。
【0036】
したがって、フロントガード51をトラクタ2から取り外してウエイト装着用のブラケットに付け替えなくとも、フロントガード51を残したままウエイトWを取り付けることができるようになっている。
上記装着部55は、左右の側枠材52の下部間に架設された前後の連結板56,57を有し、前側の連結板56は、側枠材52の前端部に縦向きに配設されてウエイトWの係止部とされ、後側の連結板57は、取付板54の前面に突き合わされるように横向きに配設されてウエイトWの後部を上側から受ける受部とされている。
【0037】
このように装着部55を左右側枠材52に架設された連結板56,57により構成することで、かかる装着部55にフロントガード51の補強としての機能を持たせることができ、逆に言えば、フロントガード51の補強としての連結板56,57を用いてウエイトの装着部55を構成することが可能となるので、部品点数の増大を抑え、軽量化やコストダウンが図れるようになっている。
特に、後側の連結板57を取付板54に突き合わせて溶接にて接合し、両者で略T字状を形成していることによって、前車軸フレーム5に対するフロントガード51の取付基部の構造が強化されている。
【0038】
連結板56,57は、側枠材52の側面範囲内に配設されていて該側枠材52から前方に突出しないため、また、横枠材53よりも後側に配設されているため、これに装着したウエイトWがフロントガード51から大きく突出し過ぎないようにその突出量が抑制されている。
なお、上記横枠材53の数は上記(3本)に限ることなく変更可能であり、左右側枠材52,52の上端のみに1つの横枠材53を備えた構成としてもよい。この場合、横枠材53と側枠材52とを板材を屈曲することにより一体に構成してもよい。
【0039】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、ブームを支持するフレームを簡素な構造にして強度も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ローダ作業機の側面図である。
【図2】 ブーム支持構造の正面図である。
【図3】 フロントローダの平面図である。
【図4】 ブームを支持するフレームの側面図である。
【図5】 左側の支持台、取付ブラケット、ブーム支持体(メインフレーム)の側面図である。
【図6】 左側の支持台、取付ブラケット、ブーム支持体(メインフレーム)の平面図である。
【図7】 左側の支持台、取付ブラケット、ブーム支持体(メインフレーム)の正面図である。
【図8】 ブームの全体側面図である。
【図9】 (a)は左側のブームの前部側平面図、(b)は図8のA−A矢示図、(c)は図8のB−B矢示図、(d)は図8のC−C矢示図である。
【図10】 ブームの後端部の側面断面図である。
【図11】 ブーム後端部の背面図である。
【図12】 ブーム後端部の左右側壁部、上壁部を展開して示す図である。
【図13】 フロントガードの側面断面図である。
【図14】 フロントガードの正面図である。
【符号の説明】
4 車体
15 支持台
17 ブーム支持体
18 連結フレーム
19a 側壁
19b 側壁
33 ブームシリンダ
36 取付具
Claims (3)
- 車体(4)に固定された取付ブラケット(16)と、この取付ブラケット(16)に左右方向の内端部が固定された支持台(15)と、この支持台(15)の左右方向外端部側に立設されたブーム支持体(17)と、このブーム支持体(17)の上部側に一端が枢支され他端側に作業具(14)が設けられたブーム(13)と、前記ブーム支持体(17)とブーム(13)との間に設けられ該ブーム(13)を揺動動作するブームシリンダ(33)と、ブーム支持体(17)と車体(4)とを繋ぐ連結フレーム(18)とを備え、
前記ブーム支持体(17)は左右一対の側壁(19a,19b)と背面壁(19c)とを有する平面視コ字形に形成され、前記支持台(15)が取付ブラケット(16)及びブーム支持体(17)の下端部を貫通して溶接されており、
前記ブーム支持体(17)は少なくとも一方の側壁(19a)の下端部を貫通した支持台(15)よりも下方に延設することによって取付具(36)が一体形成され、この取付具(36)に前記連結フレーム(18)の先端が支持台(15)の下方で連結されていることを特徴とするローダ作業機。 - 車体(4)に固定された取付ブラケット(16)と、この取付ブラケット(16)に左右方向の内端部が固定された支持台(15)と、この支持台(15)の左右方向外端部側に立設されたブーム支持体(17)と、このブーム支持体(17)の上部側に一端が枢支され他端側に作業具(14)が設けられたブーム(13)と、前記ブーム支持体(17)とブーム(13)との間に設けられ該ブーム(13)を揺動動作するブームシリンダ(33)と、ブーム支持体(17)と車体(4)とを繋ぐ連結フレーム(18)とを備え、
前記ブーム支持体(17)の上部と車体(4)の前部との間にブレイスが存在しなく、
前記ブーム支持体(17)は左右一対の側壁(19a,19b)と背面壁(19c)とを有する平面視コ字形に形成され、前記支持台(15)が取付ブラケット(16)及びブーム支持体(17)の下端部を貫通して溶接されており、
前記ブーム支持体(17)は少なくとも一方の側壁(19a)の下端部を貫通した支持台(15)よりも下方に延設することによって取付具(36)が一体形成され、この取付具(36)に前記連結フレーム(18)の先端が支持台(15)の真下でボルト固定されており、
前記ブーム(13)から支持台(15)のよりも上側のブーム支持体(17)の上部に付与される負荷を、前記支持台(15)のよりも下方突出されたブーム支持体(17)の下部の取付具(36)にボルト固定された前記連結フレーム(18)で受けていることを特徴とするローダ作業機。 - 前記ブーム支持体(17)は支持台(15)の左右方向外端部側に立設されたメインフレーム(19)と、このメインフレーム(19)に着脱自在に取り付けられかつブーム(13)とブームシリンダ(33)とが連結されるサブフレーム(20)とで形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のローダ作業機。
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