JP3946075B2 - 加熱調理器の重量測定方法および重量測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品等の被加熱物を加熱庫に収容して加熱する電子レンジ、オーブン等の加熱調理器における被加熱物の重量を測定するための重量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ターンテーブルを有する電子レンジにおいては、ターンテーブルに載せた食品の重量を測定するように重量センサが設けられている。すなわち、食品の重量は、ターンテーブルの軸を介して重量に比例して可動する板ばねに伝わる。その板ばねと固定板とのギャップによる静電容量の変化を検出することにより、重量が検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ターンテーブルの無い電子レンジでは、食品の重量により可動する部材が無いため、上記の重量センサを採用することができない。そこで、ターンテーブルの無い電子レンジにおいて、重量測定をする場合は、電子レンジ全体の重量を測定することになる。しかし、20kg程度の電子レンジの重量に対し、食品の重量の検知精度を10gとする場合、重量センサにおけるダイナミックレンジが広くなるため、精度が要求され、従来のような静電容量式重量センサでは測定が困難となる。
【0004】
そこで、本発明は、上記に鑑み、加熱調理器全体の重量の変化を検出しながらでも、被加熱物の重量を精度よく検出することができる加熱調理器の重量測定装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による課題解決手段は、キャビネットの加熱庫に被加熱物が収容され、前記キャビネットを支持する支持体が設けられ、前記キャビネットから支持体にかかる加重の変動を検出する検出器と、検出された加重の変動に基づいて被加熱物の重量を算出する測定手段とを備えたものである。
【0006】
非測定時に検出器に対する加重の伝達を遮断する保護手段を設けておく。この保護手段によって、非測定時に検出器に対する加重の伝達が遮断され、検出器に対するキャビネットの重量の影響を排除することができる。測定時には、保護手段の作動を解除すれば、検出器に加重が伝達され、重量を測定できる。
【0007】
そして、加熱庫に被加熱物が収容されたとき、支持体が受けるキャビネットからの加重の変動を検出器によって検出することにより、被加熱物の重量を算出することができる。
【0008】
ここで、加重の変動は、圧力の変動あるいは位置の変化として検出器に伝達される。そこで、検出器は、支持体に加わる加重を直接的に検出する圧力センサ、歪センサであったり、あるいは他の部材を介して伝達された支持体の変化を間接的に検出する圧力センサ、位置センサである。保護手段としては、開閉弁、切換弁、シャッタのように圧力の伝達を遮断するもの、クラッチのように支持体と検出器との関係を機械的に切り離すものとする。あるいは、支持体にキャビネットからの加重がかからないように、補助的な支持体を設けた機構としてもよく、非測定時に補助的な支持体によってキャビネットを支持して、支持体への加重をなくす。
【0009】
具体的な解決手段は、キャビネットの複数の脚にかかる加重に反応する作動体と、加重による前記作動体の変化を検出する検出器と、該検出器の出力から被加熱物の重量を演算する制御部とを備えたものである。脚はキャビネットに対して相対的に移動可能に取り付けられる。また、検出器に対するキャビネットの重量の影響を排除するための保護手段が設けられる。
【0010】
作動体は、キャビネットからかかる加重に対する反力を生じるものであればよく、キャビネットからの加重によって反応するダンパ、シリンダが適しており、脚に内蔵される。作動体の反応は、圧力変動あるいは変位といった変化として出力され、流体、連結部材等の媒体を介して検出器に伝達される。保護手段は、制御部によって加熱庫内の被加熱物の有無に応じて動作を制御され、被加熱物がある場合、保護手段の作動は解除され、被加熱物がない場合、保護手段は作動して、非測定時に検出器に対する作動体からの出力の伝達を遮断する。
【0011】
被加熱物の有無は、例えば加熱庫のドアの開閉によって判断する。ドアが開いている状態では、被加熱物を収容可能であるので、被加熱物がありと判断する。あるいは、加熱庫内に被加熱物があるか否かを直接検出してもよい。被加熱物がなければ、非測定時であると判断される。
【0012】
検出器として差圧センサを用いるとき、差圧センサと作動体とが導管により連結され、流体の圧力媒体を介して作動体から差圧センサに圧力が伝達される。圧力媒体が封入された作動体は、差圧センサの高圧側入口および低圧側入口に導管を通じて接続される。
【0013】
このとき、保護手段としては、低圧側入口と作動体とを連通する導管中に介装された開閉自在な開閉弁、切換弁、シャッタといった規制体とする。規制体は、測定時に低圧側入口への作動体からの圧力を遮断するために閉じ、非測定時に低圧側入口に作動体からの圧力を伝達するために開くように制御される。
【0014】
より具体的な構成として、脚に、前記キャビネットからの加重により内圧が変化する作動体が設けられ、被加熱物が収容されたときの加重による前記作動体の内圧変化を検出する差圧センサと、前記作動体からの圧力を前記差圧センサに伝達する導管と、前記差圧センサの出力から被加熱物の重量を演算する制御部とを備える。導管は、差圧センサに達する手前の中間点で分岐され、一方の導管が前記差圧センサの高圧側入口に接続され、他方の導管が前記差圧センサの低圧側入口に接続され、他方の導管中に開閉自在な規制体が介装され、該規制体は、常時開状態とされ、被加熱物の重量測定時に閉状態とされる。
【0015】
加熱庫のドアが開けられたとき規制体を閉じ、被加熱物が収容されてドアが閉じられたときに重量測定を行い、測定後に規制体を開く。これにより、重量の測定後、調理中や次にドアが開けられるまで差圧センサには差圧が印加されないので、過大な加重や衝撃がキャビネットに加わっても、差圧センサには影響が及ばず、差圧センサが破損することはない。
【0016】
あるいは、測定後、加熱スイッチがオンされたときに規制体を開くようにしてもよい。加熱スイッチがオンされるまで規制体は閉じているので、再びドアを開けて、被加熱物の追加や交換を行っても再び重量を測定することができる。
【0017】
重量を測定するに際して、検出器による検出を複数回行い、各測定値のばらつきが所定の範囲内にあるとき、全測定値の平均値に基づいて被加熱物の重量を算出する。より詳細には、加熱庫のドアが閉じられた後、1回目の重量測定を行い、所定時間後に2回目の重量測定を行い、1回目の測定値と2回目の測定値との差および両測定値の平均値を求め、前記差を平均値で割り、割った値が一定範囲にある場合、前記平均値に基づいて被加熱物の重量を算出する。
【0018】
このように、複数の測定値に基づいて重量を算出することにより、被加熱物を置いたり、ドアを閉めたときの振動、キャビネットに何かが当たったときの衝撃によって、測定誤差が大きくなっても、振動、衝撃が収まった状態で圧力を検出できる。したがって、精度の高い重量の測定を行える。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のターンテーブルの無い電子レンジを図1に示す。キャビネット1内に被加熱物を収容するための加熱庫2が形成され、加熱庫2内にガラステーブル3が載置台として固定されている。なお、キャビネット1は4本の脚4により支持されている。そして、マグネトロン5より発生したマイクロ波は、導波管6を通り、アンテナ7から放射され、ガラステーブル3を透過して、ガラステーブル3に載置された食品等の被加熱物を加熱する。
【0020】
この食品の重量を測定するための重量測定装置としては、図1、2に示すように、キャビネット1全体の加重に反応する作動体であるダンパ10と、加重によるダンパ10の変化を検出する検出器である差圧センサ11と、該差圧センサ11の出力から被加熱物の重量を演算するマイコンからなる制御部12とを備えている。なお、図中、13は電源スイッチ、14は加熱スタートスイッチ、15は加熱庫2のドアの開閉状態を検出するドア開閉検知スイッチである。
【0021】
図3に示すように、各脚4は、キャビネット1の底板1aに隙間をあけて取り付けられ、脚4とキャビネット1とは上下方向に相対的に移動可能な構造とされる。キャビネット1の加重がかかる脚4にダンパ10が内蔵されている。ダンパ10と底板1aとの間には、ダンパ押え体20が介装され、ダンパ押え体20がキャビネット1からの加重をダンパ10に伝えることにより、テーブル等の台に設置された脚4に対してキャビネット1が上下動する。
【0022】
ダンパ10は、密閉構造とされ、内部に不活性ガスが封入されている。不活性ガスには窒素ガスを用いることが好ましい。各脚4に配されたダンパ10とキャビネット1に内装された差圧センサ11とは、図4に示すように、導管21を通じて接続され、導管21内を不活性ガスが流れる。不活性ガスが圧力媒体として作用し、加重によってダンパ10が変動したときの圧力の変動を差圧センサ11に伝達する。圧力媒体として窒素ガスのような不活性ガスを使用することにより、ダンパ10等に使用するゴムの劣化がほとんどなくなり、長寿命を達成することができる。
【0023】
各ダンパ10からの導管21は、差圧センサ11の高圧側入口22に直接接続され、この導管21の中間点から分岐した分岐管23が低圧側入口24に接続される。これにより、差圧センサ11の両側の入口22、24に不活性ガスを介して圧力が加わる。
【0024】
差圧センサ11は、公知の構造のものであり、図5に示すように、圧力を受けることにより変形するシリコン単結晶製のダイヤフラムに、熱拡散によりピエゾ抵抗25が形成され、4個のピエゾ抵抗25がブリッジ接続された構造である。それぞれのピエゾ抵抗25において、圧力印加により、a、bの抵抗25の抵抗値が大きくなる方向にダイヤフラムが変形すれば、c、dの抵抗25の抵抗値は小さくなる。定電流源26を設けておくことにより、圧力による抵抗変化が電圧変化として出力され、この出力電圧を電圧検出回路27によって検出すれば、圧力の変動を検出できる。
【0025】
また、非測定時において差圧センサ11に対するキャビネット1の重量の影響を排除するために、非測定時にダンパ10からの圧力を差圧センサ11に対して伝達しないように遮断する規制体である開閉弁28が設けられている。開閉弁28は、分岐管23の途中に介装され、制御部12からの指令によって開閉する常時開の電磁弁である。開閉弁28が開いた状態のとき、差圧センサ11の両入口22、24にダンパ10からの圧力が加わり、閉じた状態のときには、ダンパ10からの圧力は高圧側入口22のみに加わる。
【0026】
このように、非通電時に開閉弁28を開いておくことによって、差圧センサ11に対するダンパ10からの圧力がキャンセルされ、差圧センサ11のダイヤフラムは変形しない。このとき、ダンパ10にはキャビネット1の重量に相当する圧力がかかっているが、差圧センサ11の出力は0である。すなわち、開閉弁28は、差圧センサ11に対して、ダンパ10からの圧力の伝達を遮断することになる。このような分岐管23を開閉する開閉弁28によって、非測定時において差圧センサ11に対するキャビネット1の重量の影響を排除するための保護手段が構成される。
【0027】
開閉弁28は、ドアの開閉に応じて制御部12により開閉制御される。すなわち、制御部12は、ドア開閉検知スイッチ15によりドアの開状態が検出されたとき、開閉弁28に通電してオンするとともに、重量測定後に開閉弁28への通電を停止してオフする。また、制御部12は、ドアが開いて、その後ドアが閉じられたときに重量の測定を行う測定手段を構成するものであり、測定された重量に基づいて入力された調理内容に応じた調理時間を設定して、被加熱物に対する加熱制御を行う。
【0028】
次に、食品等の被加熱物の重量測定方法を図6のフローチャートに基づいて説明する。ダンパ10には常時キャビネット1全体の重量に相当する圧力が加わっており、その圧力は、キャビネット1の重量を20kgとし、ダンパ10を押さえるダンパ押え体20の面積が4ヶ所で合計20cm2とすれば、1kg/cm2となる。開閉弁28は開いた状態にあるため、この圧力は差圧センサ11の両側の入口22、24に印加され、差圧センサ11には何の応力も発生しない。このように、開閉弁28は常時開状態にあるので、差圧センサ11のダイヤフラムにはキャビネット1の重量に相当する変形は発生しない。したがって、非測定時における差圧センサ11にかかる負荷を軽減でき、差圧センサ11の長寿命化を図れる。
【0029】
電源スイッチ13のオン後、制御部12は、ドア開閉検知スイッチ15からの信号により加熱庫2のドアの開閉状態を検出して、ドアの開状態を認識すると、開閉弁28を閉じる。このとき、差圧センサ11の低圧側入口24には、キャビネット1全体の重量に相当する圧力がかかった状態に維持される。このような状況において、被加熱物をガラステーブル3に載置すると、各ダンパ10にその重量に相当する加重がかかり、ダンパ10内の圧力が上昇する。この圧力は、圧力媒体により伝達され、差圧センサ11の高圧側入口22に印加される。例えば被加熱物の重量を20gとすると、上昇圧力は0.001kg/cm2となる。したがって、差圧センサ11のb側圧力はa側圧力より0.001kg/cm2大きくなり、差圧センサ11のダイヤフラムが歪む。ドアを閉じると、制御部12は、ドア開閉検知スイッチ15によりドアが閉状態であることを認識して、差圧センサ11の出力電圧を検出する。
【0030】
制御部12は、この検出から一定時間経過後に、再度差圧センサ11の出力電圧を検出してから、1回目の測定値と2回目の測定値との差および両測定値の平均値を求め、前記差を平均値で割り、割った値が一定範囲にある場合、平均値に基づいて被加熱物の重量を算出する、といった所定のプログラムにしたがって重量を算出する。なお、差圧センサ11の出力測定は2回に限らず、3回以上行ってもよい。このように時間をあけて複数回の検出を行うと、被加熱物を載置したときやドアを閉めたときの振動、あるいはキャビネット1に何かが当たったときの振動が発生した場合でも、振動が収まった状態において圧力の検出を行うことができる。したがって、ダンパ10への振動の影響をなくして、安定した測定値が得られ、被加熱物の重量を正確に検出できる。
【0031】
具体的には、最初に検出した圧力をK1、一定時間後に検出した圧力をK2とすると、K1とK2との平均値をKとし、KをK1とK2との差の絶対値で割った値Cが所定値、例えば39より大きいか判定する。大きければ、K1とK2の平均値であるKを被加熱物の重量に相当する圧力として認識する。このK値に基づいて載置された重量を算出する。所定値より小さければ、差圧センサ11の圧力検出を最初からやり直す。また、K1とK2との差が0であれば、平均値を差の絶対値で割ることはせずに、検出された値を被加熱物の重量に相当する圧力とする。なお、この図6に示す具体的な算出方法では、上記の説明とは値Cの計算を逆にしているので、所定値より大きいときに重量の算出を行うが、Cの逆数で見れば、一定範囲内にあるときに該当する。また、上記の一定範囲あるいは所定値は、差圧センサ11の精度に基づいて決められるものである。
【0032】
そして、算出された重量に基づいて調理時間を決定した後、開閉弁28への通電を停止して、開閉弁28を開く。開閉弁28を開いた後、一定時間内に加熱スタートスイッチ14が操作されると、加熱をスタートして、所望の加熱調理を行う。一定時間内に加熱スタートスイッチ14が操作されない場合は、調理をしないものとして、電源はオフとなる。
【0033】
ところで、被加熱物をガラステーブル3に載置して、ドアを閉じた後、被加熱物を追加したり、あるいは別のものに変える場合がある。このような場合における他の形態の重量測定方法として、制御部12では、重量を算出した後、自動的に開閉弁28を開くようにはせずに、加熱スタートスイッチ14が操作されたときに開閉弁28を開くように制御する。その他の構成および方法は上記の実施形態と同じである。
【0034】
すなわち、図7に示すように、上記と同様に差圧センサ11の検出圧力より重量を算出して、調理時間を決定した後、一定時間内に加熱スタートスイッチ14が操作されると、開閉弁28を開いて、加熱を開始する。一定時間内に加熱スタートスイッチ14が操作されず、ドア開閉検知スイッチ15によりドアが開状態にあることが検出されると、再度差圧検知シーケンスに戻る。算出した重量は取り消し、変更された場合の重量の測定を開始する。一定時間内に加熱スタートスイッチ14が操作されず、かつドアが閉じた状態の場合は、調理をしないものとして、開閉弁28が開かれ、電源はオフとなる。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。上記の電子レンジでは、ターンテーブルの無いものであったが、ターンテーブル等のように上下動可能な載置台を有する加熱調理器に本実施形態の重量測定装置を適用することもできる。また、電子レンジ以外のオーブン、炊飯器、電磁調理器等の加熱調理器に適用してもよい。
【0036】
脚の代わりにキャビネットを1本の支持体により支持する構造として、支持体が受けるキャビネットからの加重の変動を直接圧力センサあるいは歪センサといった検出器により検出して、加重の変動量から被加熱物の重量を算出してもよい。また、この支持体にシリンダを内蔵する、あるいは支持体をシリンダとして、作動体としてのシリンダの圧力変動を圧力センサにより検出する、あるいはシリンダの変位を変位センサ、位置センサ等の検出器により検出して、シリンダの変動から重量を算出してもよい。
【0037】
また、ダンパやシリンダ等の作動体をレバー、リンクといった連結部材によって圧力センサ、位置センサ等の検出器と接続し、圧力変動、変位といった出力の変化を伝達する構造とし、途中にクラッチを設け、出力の伝達を断続するようにしてもよい。このクラッチが保護手段として機能し、非測定時にはクラッチを切って、検出器への出力を遮断し、測定時にクラッチを接続して、検出器に出力を伝達する。なお、作動体の変位を検出器に伝達する場合、微小な変位を増幅するために増幅手段を設けておくとよい。増幅手段としては、てこを応用する。
【0038】
保護手段として、開閉弁の代わりに導管の分岐点に切換弁を配してもよく、非測定時には差圧センサの両入口に導管が連通するようにし、測定時には高圧側入口にのみ導管が連通するように切り換える。また、開閉弁、切換弁やクラッチを設ける代わりに、キャビネットの底板に上下動可能な補助支持体を設ける。補助支持体は、例えばソレノイド、シリンダとして、非測定時にキャビネットから下降させて、支持体の代わりにキャビネットを支持する。そして、ドアが開いたときに補助支持体を上昇させて、支持体にキャビネットからの加重がかかるようにする。このように、作動体にキャビネットの加重がかからないようにすることにより、圧力センサへの負荷を軽減できる。
【0039】
重量測定を開始するときの開閉弁を閉じるタイミングとして、ドアの開閉に基づいて被加熱物の有無を検出する代わりに、ガラステーブル等の載置台上の被加熱物を検出する赤外線センサ、光センサといった物体検出器を設け、この物体検出器を利用して、電源スイッチのオンオフに関係なく、加熱庫内に被加熱物が入ってきたことを常時検出するようにする。被加熱物が侵入してきたときに、開閉弁を閉じ、その後ガラステーブルに被加熱物が載置される。これによって、先に被加熱物を載置して、ドアを閉じてから電源スイッチがオンされた場合、ドアの開閉が行われないので、開閉弁は開いた状態のままであり、差圧センサにより圧力の変化を検出できなくなるが、上記のように被加熱物の有無を常時検出すれば、確実に重量測定を行うことができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、キャビネットを支持する脚等の支持体にかかる加重の変動を検出器により検出することにより、ターンテーブルの無い電子レンジ等の加熱調理器においても被加熱物の重量測定を行うことができる。そして、キャビネットの重量の影響を検出器が受けないようにすることにより、載置された被加熱物の重量による加重の変動のみを検出することができる。そのため、検出器に精度の高いものを使用することが可能となり、重量を精度よく検出することができる。
【0041】
また、非測定時には、差圧センサ等の検出器に加重の伝達を遮断しているので、キャビネットに過大な衝撃が加わっても、検出器には影響が及ばない。したがって、検出器の経時変化による劣化を軽減でき、さらに検出器の破損を防止できることにより、長期の信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の電子レンジの内部構成を示す図
【図2】 電子レンジの重量測定装置の制御ブロック図
【図3】 ダンパを内蔵した脚の断面図
【図4】 重量測定装置の概略構成図
【図5】 差圧センサの電気回路図
【図6】 重量測定のフローチャート
【図7】 他の形態の重量測定のフローチャート
【符号の説明】
1 キャビネット
2 加熱庫
3 ガラステーブル
4 脚
10 ダンパ
11 差圧センサ
12 制御部
13 電源スイッチ
14 加熱スタートスイッチ
15 ドア開閉検知スイッチ
21 導管
22 高圧側入口
24 低圧側入口
28 開閉弁
Claims (6)
- キャビネットの加熱庫に被加熱物が収容され、前記キャビネットに複数の脚が設けられた加熱調理器において、前記脚に、前記キャビネットからの加重により内圧が変化する密閉構造の作動体が設けられ、被加熱物が収容されたときの加重による前記作動体の内圧変化を検出する差圧センサと、圧力媒体を介して前記作動体からの圧力を前記差圧センサに伝達するために前記作動体と差圧センサとを連結し、中間点で分岐して差圧センサの両側の入口に接続された導管と、導管の中間点と差圧センサの一方の入口との間に介装された開閉自在な規制体と、前記規制体の開閉を制御して、前記差圧センサの出力から被加熱物の重量を演算する制御部とを備え、前記制御部は、前記規制体を常時開状態とし、前記被加熱物の重量測定時に閉状態にすることを特徴とする加熱調理器の重量測定装置。
- 前記作動体としてダンパまたはシリンダが用いられ、圧力媒体として不活性ガスが用いられたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器の重量測定装置。
- 前記制御部は、前記加熱庫のドアが開けられたとき前記規制体を閉じ、前記ドアが閉じられたときに重量測定を行い、測定後に前記規制体を開くように制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の加熱調理器の重量測定装置。
- 前記加熱庫内の前記被加熱物を検出する物体検出器が設けられ、前記被加熱物が前記加熱庫に入ってきたことが検出されると、前記制御部は、前記規制体を閉じるように制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の加熱調理器の重量測定装置。
- 請求項3記載の加熱調理器における重量測定方法であって、前記加熱庫のドアが開けられたとき、前記制御部は、前記加熱庫に前記被加熱物があると判断して、前記規制体を閉状態にし、前記ドアが閉じられたことを認識すると、前記差圧センサの出力を検出して、前記被加熱物の重量を算出することを特徴とする加熱調理器の重量測定方法。
- 複数回重量を測定してから、前記規制体を開状態にすることを特徴とする請求項5記載の加熱調理器の重量測定方法。
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