JP2004162958A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャビネットにかかる荷重に影響されることなく、被加熱物を収容する加熱庫からの荷重を検出して、正確に被加熱物の重量を測定する。
【解決手段】キャビネット1に、加熱庫2を上下動可能に内装して、ダンパ10によって加熱庫2を支持する。ダンパ10は、被加熱物を収容した加熱庫2からの荷重を受けると、ダンパ10の内圧が変化する。この圧力が検出器に伝達され、検出器はダンパ10の内圧変化を検出する。検出した圧力の変化に基づいて被加熱物の重量を測定する。
【選択図】 図1
【解決手段】キャビネット1に、加熱庫2を上下動可能に内装して、ダンパ10によって加熱庫2を支持する。ダンパ10は、被加熱物を収容した加熱庫2からの荷重を受けると、ダンパ10の内圧が変化する。この圧力が検出器に伝達され、検出器はダンパ10の内圧変化を検出する。検出した圧力の変化に基づいて被加熱物の重量を測定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱庫に収容した食品等の被加熱物の重量を検出する機能を備えた電子レンジ、オーブン等の加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ターンテーブルを有する電子レンジにおいては、ターンテーブルに載せた食品の重量を測定するように重量センサが設けられている。すなわち、食品の重量は、ターンテーブルの軸を介して重量に比例して可動する板ばねに伝わる。その板ばねと固定板とのギャップによる静電容量の変化を検出することにより、重量が検出される。
【0003】
ところが、ターンテーブルの無い電子レンジでは、食品の重量により可動する部材が無いため、上記の重量センサを採用することができない。ターンテーブルの有無に関係なく、食品を収容した加熱庫の重量を検出できる加熱調理器が特許文献1に記載されている。この加熱調理器では、加熱庫を含む加熱調理部を重量センサの上に設置される。また、複数の重量センサの上に加熱庫が設置された加熱調理器も記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−75172号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前者の加熱調理器では、加熱調理部全体の重量が重量センサにかかるため、加熱調理部の上に物を置いたり、ドアに手を触れていたりすると、被加熱物以外の荷重が重量センサに作用することになる。重量測定時に、これらの影響によって荷重の変動が大きくなり、正確な重量測定が行えない。
【0006】
後者の加熱調理器では、複数の重量センサにかかる荷重に基づいて重量を検出する機構となっている。そのため、上記のような外乱の影響は受けない。しかし、複数の重量センサの出力を演算して、重量を算出しなければならないので、各重量センサの検出精度のばらつきによって、検出誤差が重畳され、重量を正確に検出できないおそれがある。
【0007】
本発明は、上記に鑑み、外乱の影響を受けず、かつ重量センサの検出精度のばらつきにも影響されずに、被加熱物の重量を精度よく検出することができる加熱調理器の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による課題解決手段は、キャビネットに、被加熱物を収容する加熱庫が内装され、該加熱庫からの荷重を受ける作動体と、荷重による前記作動体の変化に基づいて被加熱物の重量を検出する検出器とが設けられたものである。
【0009】
作動体は、加熱庫から荷重を直接的あるいは間接的に受けるようにして、キャビネットからの荷重は受けないようにするようにする。作動体が被加熱物を収容した加熱庫から荷重を受けると、作動体の状態が変化する。状態の変化としては、内圧の変化、位置の変化、大きさの変化がある。この状態は荷重に応じて変化するので、状態の変化を検出器によって検出することにより、被加熱物の重量を測定することができる。検出器としては、圧力センサ、位置センサ、歪センサ等が用いられる。
【0010】
具体的には、キャビネットに、加熱庫が上下動可能に内装され、該加熱庫からの荷重を受けて内圧が変化する作動体と、前記作動体の内圧変化を検出することにより被加熱物の重量を検出する検出器とが設けられる。
【0011】
キャビネット内において、加熱庫が弾性的に支持される、あるいは弾性部材により吊り下げられる構造とすれば、加熱庫はキャビネットに対して独立して上下動する。したがって、キャビネットに荷重がかかっても、加熱庫には外部からの荷重はかからず、作動体には、加熱庫からの荷重のみがかかる。加熱庫からの荷重によって作動体の内圧が変化すると、この圧力の変化を検出器に伝達して、圧力変化を検出して、被加熱物の重量を算出する。このような構成にすることによって、複数の作動体を使用しても、検出器は1つですむ。
【0012】
被加熱物の荷重によって加熱庫が上下動するようにガイドするガイド手段が設けられる。加熱庫をガイドすることによって、被加熱物を収容したときに加熱庫は、傾くことはなくスムーズに上下動する。したがって、加熱庫の荷重が作動体に確実に加わり、測定精度が向上する。
【0013】
ここで、ガイド手段を加熱庫に対して1箇所だけに設けておけば、加熱庫をガイドすることができる。ガイド手段を複数箇所に設けることにより、加熱庫はぶれずに移動する。したがって、複数の作動体によって加熱庫を支持する必要性はなくなり、1つの作動体によって加熱庫を支持できる。
【0014】
また、加熱用の電装品が加熱庫と連動して上下動可能なように設けられる。すなわち、電装品は加熱庫に接続されているので、加熱庫の上下動に影響を及ぼすことがあるが、電装品を上下動するようにしておくことにより、加熱庫の上下動を妨げない。したがって、測定時における電装品の影響を排除できる。
【0015】
電装品は、加熱庫とは別個に上下動するように、専用の部材によって支持してもよい。あるいは、加熱用の電装品および加熱庫を載置する載置台を設け、一体的に上下動可能とし、載置台を作動体によって上下動可能に支持する。このように、載置台によって一体的に上下動可能とすれば、加熱庫と電装品との互いの悪影響を解消でき、作動体への荷重がより安定的にかかることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態の電子レンジ等の高周波加熱装置を図1、2に示す。キャビネット1内に被加熱物を収容するための加熱庫2が設けられ、キャビネット1は4本の脚3により支持されている。加熱庫2は、前面が開放された箱体とされ、側方にマグネトロン等の高周波を発生させるための加熱用の電装品が配されている。加熱庫2内にはガラステーブルが固定され、食品等の被加熱物が載置される。そして、マグネトロンより発生したマイクロ波は、導波管を通り、アンテナから放射され、ガラステーブルを透過して、被加熱物を加熱する。なお、図中、4は電源スイッチ、加熱スタートスイッチ等を備えた操作パネルであり、5は加熱庫2のドアであって、キャビネット1に開閉自在に取り付けられている。
【0017】
この被加熱物の重量を測定するための重量測定装置としては、図3、4に示すように、加熱庫2を支持する作動体である複数のダンパ10と、加熱庫2の荷重によるダンパ10の変化を検出する検出器である差圧センサ11と、差圧センサ11の出力から被加熱物の重量を演算するマイコンからなる制御部12とを備えている。
【0018】
ダンパ10は、キャビネット1の底板上に、加熱庫2の底面の4隅に対応して設置される。ダンパ10は、図5に示すように、蛇腹状で密閉構造とされたゴム製、合成樹脂製あるいは金属製の容器とされ、内部に不活性ガスが封入されている。不活性ガスには窒素ガスを用いることが好ましい。ダンパ10と加熱庫2の底面との間には、ダンパ押え体13が介装される。ダンパ押え体13を介して加熱庫2からの荷重がダンパ10に伝えられることにより、加熱庫2はキャビネット1に対して上下動自在とされる。そして、ダンパ10は、キャビネット1の底板に取り付けられたケース14に入れられ、水平方向に傾かないように保持される。なお、加熱庫2が上下方向にのみ正確に移動するようになっている場合、ダンパ10のケース14を設けなくてもよい。
【0019】
各ダンパ10とキャビネット1に内装された差圧センサ11とは、図3に示すように、導管21を通じて接続され、導管21内を不活性ガスが流れる。不活性ガスが圧力媒体として作用し、荷重によってダンパ10が変動したときの圧力の変動を差圧センサ11に伝達する。圧力媒体として窒素ガスのような不活性ガスを使用することにより、ダンパ10、シール等に使用するゴムの劣化や使用されている金属の腐食がほとんどなくなり、長寿命を達成することができる。
【0020】
導管21は、ダンパ10の下部から引き出され、差圧センサ11の高圧側入口22に直接接続される。この導管21の中間点から分岐した分岐管23が低圧側入口24に接続される。これにより、差圧センサ11の両側の入口22、24に不活性ガスを介して圧力が加わる。
【0021】
差圧センサ11は、公知の構造のものであり、圧力を受けることにより変形するシリコン単結晶製のダイヤフラムに、熱拡散によりピエゾ抵抗が形成され、4個のピエゾ抵抗がブリッジ接続された構造である。圧力印加により抵抗値が変化して、抵抗変化が電圧変化として出力され、この出力電圧を検出することにより、圧力の変動を検出できる。
【0022】
また、非測定時において差圧センサ11に対する加熱庫2の重量の影響を排除するために、非測定時にダンパ10からの圧力を差圧センサ11に対して伝達しないように遮断する規制体である開閉弁25が設けられている。開閉弁25は、分岐管23の途中に介装され、制御部12からの指令によって開閉する常時開の電磁弁である。開閉弁25が開いた状態のとき、差圧センサ11の両入口22、24にダンパ10からの圧力が加わり、閉じた状態のときには、ダンパ10からの圧力は高圧側入口22のみに加わる。
【0023】
このように、非通電時に開閉弁25を開いておくことによって、差圧センサ11に対するダンパ10からの圧力がキャンセルされ、差圧センサ11のダイヤフラムは変形しない。このとき、ダンパ10には加熱庫2の重量に相当する圧力がかかっているが、差圧センサ11の出力は0である。すなわち、開閉弁25は、差圧センサ11に対して、ダンパ10からの圧力の伝達を遮断することになる。このような分岐管23を開閉する開閉弁25によって、非測定時において差圧センサ11に対する加熱庫2の重量の影響を排除するための保護手段が構成される。
【0024】
開閉弁25は、ドアの開閉に応じて制御部12により開閉制御される。すなわち、制御部12は、ドア開閉検知スイッチ26よりドア5の開状態が検出されたとき、開閉弁25に通電してオンするとともに、重量測定後に開閉弁25への通電を停止してオフする。また、制御部12は、ドア5が開いて、その後ドア5が閉じられたときに重量の測定を行う測定手段を構成するものであり、測定された重量に基づいて入力された調理内容に応じた調理時間を設定して、被加熱物に対する加熱制御を行う。
【0025】
ダンパ10には、常時加熱庫2全体の重量に相当する圧力が加わっている。このとき、キャビネット1の上に物が置かれていても、加熱庫2には荷重がかからず、ダンパ10には、加熱庫2以外の圧力は加わらない。そして、開閉弁25は開いた状態にあるため、この圧力は差圧センサ11の両側の入口22、24に印加され、差圧センサ11には何の応力も発生しない。このように、開閉弁25は常時開状態にあるので、差圧センサ11のダイヤフラムには加熱庫2の重量に相当する変形は発生しない。したがって、非測定時における差圧センサ11にかかる負荷を軽減でき、差圧センサ11の長寿命化を図れる。
【0026】
電源スイッチ27のオン後、制御部12は、ドア開閉検知スイッチ26からの信号により加熱庫2のドア5の開閉状態を検出して、ドア5の開状態を認識すると、開閉弁25を閉じる。このとき、差圧センサ11の低圧側入口24には、加熱庫2全体の重量に相当する圧力がかかった状態に維持される。このような状況において、被加熱物をガラステーブルに載置すると、各ダンパ10にその重量に相当する荷重がかかり、ダンパ10内の圧力が上昇する。この圧力が、圧力媒体により伝達されて、差圧センサ11の高圧側入口22に印加されると、差圧センサ11のダイヤフラムが歪む。ドア5を閉じると、制御部12は、ドア開閉検知スイッチ26によりドア5が閉状態であることを認識して、差圧センサ11の出力電圧を検出する。
【0027】
制御部12は、複数回、差圧センサ11の出力測定を行い、測定値から被加熱物の重量を算出する。このように複数回の検出を行うと、被加熱物を載置したときやドア5を閉めたときの振動、あるいはキャビネット1に何かが当たったときの振動が発生した場合でも、振動が収まった状態において圧力の検出を行うことができる。したがって、ダンパ10への振動の影響をなくして、安定した測定値が得られ、被加熱物の重量を正確に検出できる。
【0028】
そして、算出された重量に基づいて調理時間を決定した後、開閉弁25への通電を停止して、開閉弁25を開く。開閉弁25を開いた後、一定時間内に加熱スタートスイッチ28が操作されると、加熱をスタートして、所望の加熱調理を行う。一定時間内に加熱スタートスイッチ28が操作されない場合は、調理をしないものとして、電源はオフとなる。
【0029】
ところで、被加熱物を収容したとき、加熱庫2は荷重によって下降する。被加熱物の置く位置によっては、加熱庫2のバランスが崩れ、傾くおそれがある。すると、各ダンパ10に均一に荷重が加わらず、検出精度が悪くなる。そこで、加熱庫2が水平方向にずれずに上下動するように、加熱庫2をガイドするガイド手段が設けられる。
【0030】
ガイド手段は、図6、7に示すように、加熱庫2の側面に接するように設けられた支持部材30からなり、加熱庫2の前面を除く3面をガイドする。支持部材30は、キャビネット1の底板に取り付けられ、その垂直面30aが加熱庫2の側面に接触する。これによって、加熱庫2は、複数の支持部材30に沿って上下方向にスライド可能とされ、キャビネット1の底板に対して垂直に上下動し、ぶれることはない。したがって、加熱庫2は、荷重が加わっても傾くことはなく、各ダンパ10に均一に荷重がかかり、重量の検出精度が高まる。
【0031】
さらに、加熱庫2の上下動をスムーズにするために、図8、9に示すように、支持部材30の垂直面30aに、上下方向に滑らかに湾曲した凸部31が突設される。加熱庫2の側面には、凸部31が嵌まり込む縦溝32が形成される。これによって、図10、11に示すように、支持部材30の凸部31が加熱庫2の側面の縦溝32に食い込みながら、加熱庫2は支持部材30にガイドされて上下動する。そのため、加熱庫2の水平方向へのずれを規制でき、そのずれ方向にある支持部材30を不要にできる。すなわち、図11に示すように、加熱庫2の背面側の支持部材30が不要となり、支持部材30の個数を減らすことができる。また、1側面に対して2個の支持部材30でガイドしなくても、1個の支持部材30でガイドすることが可能となる。しかも、加熱庫2と支持部材30との接触面積が減り、加熱庫2の移動がよりスムーズになって、被加熱物による荷重の変化にすばやく追従でき、重量測定の応答性がよくなる。
【0032】
支持部材30の凸部31は、加熱庫2の使用素材よりも軟らかい素材から形成するとよい。例えば、加熱庫2は金属製であるので、凸部31を合成樹脂製とする。このようにすれば、支持部材30の凸部31と加熱庫2とが接触しながら移動しても、加熱庫2の側面の摩滅を防ぐことができ、高周波が漏洩することはない。
【0033】
加熱庫2の上下動をスムーズにするための他の形態として、図12、13に示すように、支持部材30にローラ33を回転自在に取り付ける。図14、15に示すように、加熱庫2の上下動に伴って、ローラ33は加熱庫2の縦溝32に沿って転がる。ローラ33の材質は、加熱庫2の素材より軟らかいものがよく、合成樹脂製あるいはゴム製とする。これによっても、加熱庫2はスムーズに上下動でき、加熱庫2の側面の摩滅を防止できる。
【0034】
そして、加熱庫2と支持部材30との間における摩擦抵抗を減らすための潤滑手段として、加熱庫2における支持部材30との接触部分に対して、フッ素系塗装、あるいはフッ素とセラミックの複合塗装による表面処理を施してもよい。加熱庫2の接触部分に潤滑性のよい被覆膜が形成され、加熱庫2の移動がさらにスムーズになり、摩擦音もなくなる。また、ローラ33に潤滑性に優れた材料を使用しても、同様の効果が得られる。さらにまた、加熱庫2の側面あるいは支持部材30側の接触部分に、潤滑材の塗布あるいはエンボス加工を行うことによっても、摩擦抵抗を減らすことができる。
【0035】
ここで、加熱庫2には、マグネトロン、ヒータ等の電装品が一体に取り付けられ、この電装品とマグネトロンを駆動するための駆動回路や制御部12等の外部電装品とがリード線によって接続されている。通常、外部電装品は、加熱庫と独立して設けられている。加熱庫が上下するとき、外部電装品の影響で測定誤差が発生したり、逆に外部電装品には振動によって断線等の悪影響が及ぶおそれがある。外部電装品も加熱庫2に連動して、一体的に上下動すれば、上記の不具合を解消できる。
【0036】
そこで、図16、17に示すように、これらの加熱用の電装品35および加熱庫2を載置する載置台36を設け、載置台36をダンパ10によって支持する。加熱庫2は、図12に示す支持部材30によってガイドされており、載置台36に、支持部材30を配置するための貫通孔37が形成されている。加熱庫2および電装品35が載った載置台36は上下動し、被加熱物の荷重が載置台36を介してダンパ10に作用する。したがって、加熱庫2および電装品35が一体的に上下動するので、両者間での悪影響を排除できる。なお、図17では、電装品35の図示を省略している。
【0037】
この場合、図18〜20に示すように、ガイド手段として、載置台36をガイドする支持部材30を設け、載置台36にローラ38を回転自在に取り付ける。ローラ38が支持部材30の垂直面30aに形成された縦溝39に沿って転がることによって、載置台36はスムーズにかつ傾くことなく上下動するので、精度よく重量を測定することができる。そして、ローラ38に接触する支持部材30の接触部分に対して、フッ素系塗装、あるいはフッ素とセラミックの複合塗装による表面処理等の上記潤滑手段を適用しておくと、載置台36の移動がさらにスムーズになり、摩擦音もなくなる。また、ローラ38に潤滑性に優れた材料を使用しても、同様の効果が得られる。
【0038】
上記のように、ガイド手段によって加熱庫2を垂直に上下動するようにガイドすることができるので、移動するときのがたつきがなくなり、加熱庫2を支持するダンパ10の個数を減らすことが可能となる。例えば、図21に示すように、加熱庫2の左右側面を支持部材30によりガイドする場合、2個のダンパ10によって加熱庫2を支持できる。さらに、電装品35の一部を含む加熱庫2の重心位置の下方にダンパ10を配置すれば、図22に示すように、1個のダンパ10によって加熱庫2を支持できる。ただし、ダンパ10は、加熱庫2の重量を支えるだけの強度を有するものとする。また、加熱庫2および電装品35を載置する載置台36を使用する場合、重心バランスを取りやすくなるので、1個あるいは2個のダンパ10によって載置台36を支持できる。このように、ダンパ10を減らすことができるので、ダンパ10から差圧センサ11までの配管等の部材を少なくすることができ、重量測定装置の構成を簡素化できる。しかも、接続箇所も減るので、圧力伝達時の損失が減って、測定精度を高めることができる。
【0039】
図23に示すように、載置台36に取り付けたローラ38の移動を規制するように、支持部材30の縦溝39を形成する。載置台36の上限位置および下限位置が決まり、載置台36が支持部材30から外れることを防止でき、しかも載置台36が下がりすぎて、ダンパ10に過度の圧力がかかることを防げる。なお、加熱庫2の縦溝32においても同様である。
【0040】
また、加熱庫2はキャビネット1に対して上下動する。しかし、加熱庫2のドア5に対向する前面パネル40とキャビネット1の側板41とは、高周波が漏洩しないように図24(a)に示すような接合構造とされるが、この構造では上下動できない。そこで、図24(b)に示すように、前面パネル40と側板41との間に隙間を設けた接合構造にする。これによって、加熱庫2はキャビネット1に対して上下動可能となり、しかも高周波の漏洩も防げる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。上記の高周波加熱装置では、ターンテーブルの無いものであったが、ターンテーブル等のように上下動可能な載置台を有する加熱調理器に本実施形態の重量測定装置を適用することもできる。また、オーブン、炊飯器、電磁調理器等の加熱調理器に適用してもよい。
【0042】
作動体としてシリンダを用いてもよく、シリンダの圧力変動を圧力センサにより検出する、あるいはシリンダの変位を変位センサ、位置センサ等の検出器により検出して、シリンダの変動から重量を算出してもよい。また、ダンパやシリンダ等の作動体によって加熱庫からの荷重を直接受ける代わりに、レバー、リンクといった部材を介してダンパ、シリンダ等の作動体が荷重を間接的に受けるようにしてもよい。
【0043】
保護手段として、開閉弁の代わりに導管の分岐点に切換弁を配してもよく、非測定時には差圧センサの両入口に導管が連通するようにし、測定時には高圧側入口にのみ導管が連通するように切り換える。
【0044】
ガイド手段として、キャビネット内に、上下方向にガイドレールを形成し、加熱庫の側面に、ガイドレールに係合してスライドする案内片を形成したり、ローラを取り付けてもよい。また、図25に示すように、複数のローラ33を支持部材30に回転自在に取り付けてもよい。上下方向において加熱庫を複数箇所で支持することになるので、加熱庫が斜めになることを防止でき、正確な鉛直方向の上下移動が可能となる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、加熱庫による荷重を直接検出しているので、キャビネットにかかる荷重による影響を受けない。したがって、重量の測定時に、キャビネットの上に物が置かれたり、あるいはドアが開閉されたりしても、このような外乱の影響を受けずに正確に重量を測定することができる。また、加熱庫の荷重は作動体によって受け、その出力を1つの検出器によって検出する構造にしているので、検出器のばらつきに関係なく重量を測定でき、検出精度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の高周波加熱装置内部の正面図
【図2】高周波加熱装置の外観図
【図3】重量測定装置の概略構成図
【図4】重量測定装置の制御ブロック図
【図5】ダンパの断面図
【図6】ガイド手段を有する高周波加熱装置内部の正面図
【図7】同じく高周波加熱装置内部の平面図
【図8】支持部材を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は加熱庫をガイドしているときの平面図
【図9】加熱庫の斜視図
【図10】他のガイド手段を有する高周波加熱装置内部の正面図
【図11】同じく高周波加熱装置内部の平面図
【図12】他の支持部材を示し、(a)は一部破断正面図、(b)は横断面図
【図13】他の支持部材が加熱庫をガイドしている状態を示し、(a)は正面図、(b)は平面図
【図14】他の支持部材を有する高周波加熱装置内部の正面図
【図15】同じく高周波加熱装置内部の平面図
【図16】載置台を有する高周波加熱装置内部の正面図
【図17】同じく高周波加熱装置内部の平面図
【図18】載置台に対する支持部材を示し、(a)は正面図、(b)は平面図
【図19】載置台をガイドした高周波加熱装置内部の正面図
【図20】同じく高周波加熱装置内部の平面図
【図21】2個のダンパを配置した高周波加熱装置内部の平面図
【図22】1個のダンパを配置した高周波加熱装置内部の平面図
【図23】他の形態の支持部材の一部破断正面図
【図24】加熱庫の前面パネルとキャビネットの側板との接合部分を示し、(a)は従来の場合、(b)は本発明の場合
【図25】他の形態の支持部材を示し、(a)は一部破断正面図、(b)は平面図
【符号の説明】
1 キャビネット
2 加熱庫
5 ドア
10 ダンパ
11 差圧センサ
12 制御部
30 支持部材
31 凸部
32 縦溝
33 ローラ
35 電装品
36 載置台
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱庫に収容した食品等の被加熱物の重量を検出する機能を備えた電子レンジ、オーブン等の加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ターンテーブルを有する電子レンジにおいては、ターンテーブルに載せた食品の重量を測定するように重量センサが設けられている。すなわち、食品の重量は、ターンテーブルの軸を介して重量に比例して可動する板ばねに伝わる。その板ばねと固定板とのギャップによる静電容量の変化を検出することにより、重量が検出される。
【0003】
ところが、ターンテーブルの無い電子レンジでは、食品の重量により可動する部材が無いため、上記の重量センサを採用することができない。ターンテーブルの有無に関係なく、食品を収容した加熱庫の重量を検出できる加熱調理器が特許文献1に記載されている。この加熱調理器では、加熱庫を含む加熱調理部を重量センサの上に設置される。また、複数の重量センサの上に加熱庫が設置された加熱調理器も記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−75172号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前者の加熱調理器では、加熱調理部全体の重量が重量センサにかかるため、加熱調理部の上に物を置いたり、ドアに手を触れていたりすると、被加熱物以外の荷重が重量センサに作用することになる。重量測定時に、これらの影響によって荷重の変動が大きくなり、正確な重量測定が行えない。
【0006】
後者の加熱調理器では、複数の重量センサにかかる荷重に基づいて重量を検出する機構となっている。そのため、上記のような外乱の影響は受けない。しかし、複数の重量センサの出力を演算して、重量を算出しなければならないので、各重量センサの検出精度のばらつきによって、検出誤差が重畳され、重量を正確に検出できないおそれがある。
【0007】
本発明は、上記に鑑み、外乱の影響を受けず、かつ重量センサの検出精度のばらつきにも影響されずに、被加熱物の重量を精度よく検出することができる加熱調理器の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による課題解決手段は、キャビネットに、被加熱物を収容する加熱庫が内装され、該加熱庫からの荷重を受ける作動体と、荷重による前記作動体の変化に基づいて被加熱物の重量を検出する検出器とが設けられたものである。
【0009】
作動体は、加熱庫から荷重を直接的あるいは間接的に受けるようにして、キャビネットからの荷重は受けないようにするようにする。作動体が被加熱物を収容した加熱庫から荷重を受けると、作動体の状態が変化する。状態の変化としては、内圧の変化、位置の変化、大きさの変化がある。この状態は荷重に応じて変化するので、状態の変化を検出器によって検出することにより、被加熱物の重量を測定することができる。検出器としては、圧力センサ、位置センサ、歪センサ等が用いられる。
【0010】
具体的には、キャビネットに、加熱庫が上下動可能に内装され、該加熱庫からの荷重を受けて内圧が変化する作動体と、前記作動体の内圧変化を検出することにより被加熱物の重量を検出する検出器とが設けられる。
【0011】
キャビネット内において、加熱庫が弾性的に支持される、あるいは弾性部材により吊り下げられる構造とすれば、加熱庫はキャビネットに対して独立して上下動する。したがって、キャビネットに荷重がかかっても、加熱庫には外部からの荷重はかからず、作動体には、加熱庫からの荷重のみがかかる。加熱庫からの荷重によって作動体の内圧が変化すると、この圧力の変化を検出器に伝達して、圧力変化を検出して、被加熱物の重量を算出する。このような構成にすることによって、複数の作動体を使用しても、検出器は1つですむ。
【0012】
被加熱物の荷重によって加熱庫が上下動するようにガイドするガイド手段が設けられる。加熱庫をガイドすることによって、被加熱物を収容したときに加熱庫は、傾くことはなくスムーズに上下動する。したがって、加熱庫の荷重が作動体に確実に加わり、測定精度が向上する。
【0013】
ここで、ガイド手段を加熱庫に対して1箇所だけに設けておけば、加熱庫をガイドすることができる。ガイド手段を複数箇所に設けることにより、加熱庫はぶれずに移動する。したがって、複数の作動体によって加熱庫を支持する必要性はなくなり、1つの作動体によって加熱庫を支持できる。
【0014】
また、加熱用の電装品が加熱庫と連動して上下動可能なように設けられる。すなわち、電装品は加熱庫に接続されているので、加熱庫の上下動に影響を及ぼすことがあるが、電装品を上下動するようにしておくことにより、加熱庫の上下動を妨げない。したがって、測定時における電装品の影響を排除できる。
【0015】
電装品は、加熱庫とは別個に上下動するように、専用の部材によって支持してもよい。あるいは、加熱用の電装品および加熱庫を載置する載置台を設け、一体的に上下動可能とし、載置台を作動体によって上下動可能に支持する。このように、載置台によって一体的に上下動可能とすれば、加熱庫と電装品との互いの悪影響を解消でき、作動体への荷重がより安定的にかかることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態の電子レンジ等の高周波加熱装置を図1、2に示す。キャビネット1内に被加熱物を収容するための加熱庫2が設けられ、キャビネット1は4本の脚3により支持されている。加熱庫2は、前面が開放された箱体とされ、側方にマグネトロン等の高周波を発生させるための加熱用の電装品が配されている。加熱庫2内にはガラステーブルが固定され、食品等の被加熱物が載置される。そして、マグネトロンより発生したマイクロ波は、導波管を通り、アンテナから放射され、ガラステーブルを透過して、被加熱物を加熱する。なお、図中、4は電源スイッチ、加熱スタートスイッチ等を備えた操作パネルであり、5は加熱庫2のドアであって、キャビネット1に開閉自在に取り付けられている。
【0017】
この被加熱物の重量を測定するための重量測定装置としては、図3、4に示すように、加熱庫2を支持する作動体である複数のダンパ10と、加熱庫2の荷重によるダンパ10の変化を検出する検出器である差圧センサ11と、差圧センサ11の出力から被加熱物の重量を演算するマイコンからなる制御部12とを備えている。
【0018】
ダンパ10は、キャビネット1の底板上に、加熱庫2の底面の4隅に対応して設置される。ダンパ10は、図5に示すように、蛇腹状で密閉構造とされたゴム製、合成樹脂製あるいは金属製の容器とされ、内部に不活性ガスが封入されている。不活性ガスには窒素ガスを用いることが好ましい。ダンパ10と加熱庫2の底面との間には、ダンパ押え体13が介装される。ダンパ押え体13を介して加熱庫2からの荷重がダンパ10に伝えられることにより、加熱庫2はキャビネット1に対して上下動自在とされる。そして、ダンパ10は、キャビネット1の底板に取り付けられたケース14に入れられ、水平方向に傾かないように保持される。なお、加熱庫2が上下方向にのみ正確に移動するようになっている場合、ダンパ10のケース14を設けなくてもよい。
【0019】
各ダンパ10とキャビネット1に内装された差圧センサ11とは、図3に示すように、導管21を通じて接続され、導管21内を不活性ガスが流れる。不活性ガスが圧力媒体として作用し、荷重によってダンパ10が変動したときの圧力の変動を差圧センサ11に伝達する。圧力媒体として窒素ガスのような不活性ガスを使用することにより、ダンパ10、シール等に使用するゴムの劣化や使用されている金属の腐食がほとんどなくなり、長寿命を達成することができる。
【0020】
導管21は、ダンパ10の下部から引き出され、差圧センサ11の高圧側入口22に直接接続される。この導管21の中間点から分岐した分岐管23が低圧側入口24に接続される。これにより、差圧センサ11の両側の入口22、24に不活性ガスを介して圧力が加わる。
【0021】
差圧センサ11は、公知の構造のものであり、圧力を受けることにより変形するシリコン単結晶製のダイヤフラムに、熱拡散によりピエゾ抵抗が形成され、4個のピエゾ抵抗がブリッジ接続された構造である。圧力印加により抵抗値が変化して、抵抗変化が電圧変化として出力され、この出力電圧を検出することにより、圧力の変動を検出できる。
【0022】
また、非測定時において差圧センサ11に対する加熱庫2の重量の影響を排除するために、非測定時にダンパ10からの圧力を差圧センサ11に対して伝達しないように遮断する規制体である開閉弁25が設けられている。開閉弁25は、分岐管23の途中に介装され、制御部12からの指令によって開閉する常時開の電磁弁である。開閉弁25が開いた状態のとき、差圧センサ11の両入口22、24にダンパ10からの圧力が加わり、閉じた状態のときには、ダンパ10からの圧力は高圧側入口22のみに加わる。
【0023】
このように、非通電時に開閉弁25を開いておくことによって、差圧センサ11に対するダンパ10からの圧力がキャンセルされ、差圧センサ11のダイヤフラムは変形しない。このとき、ダンパ10には加熱庫2の重量に相当する圧力がかかっているが、差圧センサ11の出力は0である。すなわち、開閉弁25は、差圧センサ11に対して、ダンパ10からの圧力の伝達を遮断することになる。このような分岐管23を開閉する開閉弁25によって、非測定時において差圧センサ11に対する加熱庫2の重量の影響を排除するための保護手段が構成される。
【0024】
開閉弁25は、ドアの開閉に応じて制御部12により開閉制御される。すなわち、制御部12は、ドア開閉検知スイッチ26よりドア5の開状態が検出されたとき、開閉弁25に通電してオンするとともに、重量測定後に開閉弁25への通電を停止してオフする。また、制御部12は、ドア5が開いて、その後ドア5が閉じられたときに重量の測定を行う測定手段を構成するものであり、測定された重量に基づいて入力された調理内容に応じた調理時間を設定して、被加熱物に対する加熱制御を行う。
【0025】
ダンパ10には、常時加熱庫2全体の重量に相当する圧力が加わっている。このとき、キャビネット1の上に物が置かれていても、加熱庫2には荷重がかからず、ダンパ10には、加熱庫2以外の圧力は加わらない。そして、開閉弁25は開いた状態にあるため、この圧力は差圧センサ11の両側の入口22、24に印加され、差圧センサ11には何の応力も発生しない。このように、開閉弁25は常時開状態にあるので、差圧センサ11のダイヤフラムには加熱庫2の重量に相当する変形は発生しない。したがって、非測定時における差圧センサ11にかかる負荷を軽減でき、差圧センサ11の長寿命化を図れる。
【0026】
電源スイッチ27のオン後、制御部12は、ドア開閉検知スイッチ26からの信号により加熱庫2のドア5の開閉状態を検出して、ドア5の開状態を認識すると、開閉弁25を閉じる。このとき、差圧センサ11の低圧側入口24には、加熱庫2全体の重量に相当する圧力がかかった状態に維持される。このような状況において、被加熱物をガラステーブルに載置すると、各ダンパ10にその重量に相当する荷重がかかり、ダンパ10内の圧力が上昇する。この圧力が、圧力媒体により伝達されて、差圧センサ11の高圧側入口22に印加されると、差圧センサ11のダイヤフラムが歪む。ドア5を閉じると、制御部12は、ドア開閉検知スイッチ26によりドア5が閉状態であることを認識して、差圧センサ11の出力電圧を検出する。
【0027】
制御部12は、複数回、差圧センサ11の出力測定を行い、測定値から被加熱物の重量を算出する。このように複数回の検出を行うと、被加熱物を載置したときやドア5を閉めたときの振動、あるいはキャビネット1に何かが当たったときの振動が発生した場合でも、振動が収まった状態において圧力の検出を行うことができる。したがって、ダンパ10への振動の影響をなくして、安定した測定値が得られ、被加熱物の重量を正確に検出できる。
【0028】
そして、算出された重量に基づいて調理時間を決定した後、開閉弁25への通電を停止して、開閉弁25を開く。開閉弁25を開いた後、一定時間内に加熱スタートスイッチ28が操作されると、加熱をスタートして、所望の加熱調理を行う。一定時間内に加熱スタートスイッチ28が操作されない場合は、調理をしないものとして、電源はオフとなる。
【0029】
ところで、被加熱物を収容したとき、加熱庫2は荷重によって下降する。被加熱物の置く位置によっては、加熱庫2のバランスが崩れ、傾くおそれがある。すると、各ダンパ10に均一に荷重が加わらず、検出精度が悪くなる。そこで、加熱庫2が水平方向にずれずに上下動するように、加熱庫2をガイドするガイド手段が設けられる。
【0030】
ガイド手段は、図6、7に示すように、加熱庫2の側面に接するように設けられた支持部材30からなり、加熱庫2の前面を除く3面をガイドする。支持部材30は、キャビネット1の底板に取り付けられ、その垂直面30aが加熱庫2の側面に接触する。これによって、加熱庫2は、複数の支持部材30に沿って上下方向にスライド可能とされ、キャビネット1の底板に対して垂直に上下動し、ぶれることはない。したがって、加熱庫2は、荷重が加わっても傾くことはなく、各ダンパ10に均一に荷重がかかり、重量の検出精度が高まる。
【0031】
さらに、加熱庫2の上下動をスムーズにするために、図8、9に示すように、支持部材30の垂直面30aに、上下方向に滑らかに湾曲した凸部31が突設される。加熱庫2の側面には、凸部31が嵌まり込む縦溝32が形成される。これによって、図10、11に示すように、支持部材30の凸部31が加熱庫2の側面の縦溝32に食い込みながら、加熱庫2は支持部材30にガイドされて上下動する。そのため、加熱庫2の水平方向へのずれを規制でき、そのずれ方向にある支持部材30を不要にできる。すなわち、図11に示すように、加熱庫2の背面側の支持部材30が不要となり、支持部材30の個数を減らすことができる。また、1側面に対して2個の支持部材30でガイドしなくても、1個の支持部材30でガイドすることが可能となる。しかも、加熱庫2と支持部材30との接触面積が減り、加熱庫2の移動がよりスムーズになって、被加熱物による荷重の変化にすばやく追従でき、重量測定の応答性がよくなる。
【0032】
支持部材30の凸部31は、加熱庫2の使用素材よりも軟らかい素材から形成するとよい。例えば、加熱庫2は金属製であるので、凸部31を合成樹脂製とする。このようにすれば、支持部材30の凸部31と加熱庫2とが接触しながら移動しても、加熱庫2の側面の摩滅を防ぐことができ、高周波が漏洩することはない。
【0033】
加熱庫2の上下動をスムーズにするための他の形態として、図12、13に示すように、支持部材30にローラ33を回転自在に取り付ける。図14、15に示すように、加熱庫2の上下動に伴って、ローラ33は加熱庫2の縦溝32に沿って転がる。ローラ33の材質は、加熱庫2の素材より軟らかいものがよく、合成樹脂製あるいはゴム製とする。これによっても、加熱庫2はスムーズに上下動でき、加熱庫2の側面の摩滅を防止できる。
【0034】
そして、加熱庫2と支持部材30との間における摩擦抵抗を減らすための潤滑手段として、加熱庫2における支持部材30との接触部分に対して、フッ素系塗装、あるいはフッ素とセラミックの複合塗装による表面処理を施してもよい。加熱庫2の接触部分に潤滑性のよい被覆膜が形成され、加熱庫2の移動がさらにスムーズになり、摩擦音もなくなる。また、ローラ33に潤滑性に優れた材料を使用しても、同様の効果が得られる。さらにまた、加熱庫2の側面あるいは支持部材30側の接触部分に、潤滑材の塗布あるいはエンボス加工を行うことによっても、摩擦抵抗を減らすことができる。
【0035】
ここで、加熱庫2には、マグネトロン、ヒータ等の電装品が一体に取り付けられ、この電装品とマグネトロンを駆動するための駆動回路や制御部12等の外部電装品とがリード線によって接続されている。通常、外部電装品は、加熱庫と独立して設けられている。加熱庫が上下するとき、外部電装品の影響で測定誤差が発生したり、逆に外部電装品には振動によって断線等の悪影響が及ぶおそれがある。外部電装品も加熱庫2に連動して、一体的に上下動すれば、上記の不具合を解消できる。
【0036】
そこで、図16、17に示すように、これらの加熱用の電装品35および加熱庫2を載置する載置台36を設け、載置台36をダンパ10によって支持する。加熱庫2は、図12に示す支持部材30によってガイドされており、載置台36に、支持部材30を配置するための貫通孔37が形成されている。加熱庫2および電装品35が載った載置台36は上下動し、被加熱物の荷重が載置台36を介してダンパ10に作用する。したがって、加熱庫2および電装品35が一体的に上下動するので、両者間での悪影響を排除できる。なお、図17では、電装品35の図示を省略している。
【0037】
この場合、図18〜20に示すように、ガイド手段として、載置台36をガイドする支持部材30を設け、載置台36にローラ38を回転自在に取り付ける。ローラ38が支持部材30の垂直面30aに形成された縦溝39に沿って転がることによって、載置台36はスムーズにかつ傾くことなく上下動するので、精度よく重量を測定することができる。そして、ローラ38に接触する支持部材30の接触部分に対して、フッ素系塗装、あるいはフッ素とセラミックの複合塗装による表面処理等の上記潤滑手段を適用しておくと、載置台36の移動がさらにスムーズになり、摩擦音もなくなる。また、ローラ38に潤滑性に優れた材料を使用しても、同様の効果が得られる。
【0038】
上記のように、ガイド手段によって加熱庫2を垂直に上下動するようにガイドすることができるので、移動するときのがたつきがなくなり、加熱庫2を支持するダンパ10の個数を減らすことが可能となる。例えば、図21に示すように、加熱庫2の左右側面を支持部材30によりガイドする場合、2個のダンパ10によって加熱庫2を支持できる。さらに、電装品35の一部を含む加熱庫2の重心位置の下方にダンパ10を配置すれば、図22に示すように、1個のダンパ10によって加熱庫2を支持できる。ただし、ダンパ10は、加熱庫2の重量を支えるだけの強度を有するものとする。また、加熱庫2および電装品35を載置する載置台36を使用する場合、重心バランスを取りやすくなるので、1個あるいは2個のダンパ10によって載置台36を支持できる。このように、ダンパ10を減らすことができるので、ダンパ10から差圧センサ11までの配管等の部材を少なくすることができ、重量測定装置の構成を簡素化できる。しかも、接続箇所も減るので、圧力伝達時の損失が減って、測定精度を高めることができる。
【0039】
図23に示すように、載置台36に取り付けたローラ38の移動を規制するように、支持部材30の縦溝39を形成する。載置台36の上限位置および下限位置が決まり、載置台36が支持部材30から外れることを防止でき、しかも載置台36が下がりすぎて、ダンパ10に過度の圧力がかかることを防げる。なお、加熱庫2の縦溝32においても同様である。
【0040】
また、加熱庫2はキャビネット1に対して上下動する。しかし、加熱庫2のドア5に対向する前面パネル40とキャビネット1の側板41とは、高周波が漏洩しないように図24(a)に示すような接合構造とされるが、この構造では上下動できない。そこで、図24(b)に示すように、前面パネル40と側板41との間に隙間を設けた接合構造にする。これによって、加熱庫2はキャビネット1に対して上下動可能となり、しかも高周波の漏洩も防げる。
【0041】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。上記の高周波加熱装置では、ターンテーブルの無いものであったが、ターンテーブル等のように上下動可能な載置台を有する加熱調理器に本実施形態の重量測定装置を適用することもできる。また、オーブン、炊飯器、電磁調理器等の加熱調理器に適用してもよい。
【0042】
作動体としてシリンダを用いてもよく、シリンダの圧力変動を圧力センサにより検出する、あるいはシリンダの変位を変位センサ、位置センサ等の検出器により検出して、シリンダの変動から重量を算出してもよい。また、ダンパやシリンダ等の作動体によって加熱庫からの荷重を直接受ける代わりに、レバー、リンクといった部材を介してダンパ、シリンダ等の作動体が荷重を間接的に受けるようにしてもよい。
【0043】
保護手段として、開閉弁の代わりに導管の分岐点に切換弁を配してもよく、非測定時には差圧センサの両入口に導管が連通するようにし、測定時には高圧側入口にのみ導管が連通するように切り換える。
【0044】
ガイド手段として、キャビネット内に、上下方向にガイドレールを形成し、加熱庫の側面に、ガイドレールに係合してスライドする案内片を形成したり、ローラを取り付けてもよい。また、図25に示すように、複数のローラ33を支持部材30に回転自在に取り付けてもよい。上下方向において加熱庫を複数箇所で支持することになるので、加熱庫が斜めになることを防止でき、正確な鉛直方向の上下移動が可能となる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、本発明によると、加熱庫による荷重を直接検出しているので、キャビネットにかかる荷重による影響を受けない。したがって、重量の測定時に、キャビネットの上に物が置かれたり、あるいはドアが開閉されたりしても、このような外乱の影響を受けずに正確に重量を測定することができる。また、加熱庫の荷重は作動体によって受け、その出力を1つの検出器によって検出する構造にしているので、検出器のばらつきに関係なく重量を測定でき、検出精度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の高周波加熱装置内部の正面図
【図2】高周波加熱装置の外観図
【図3】重量測定装置の概略構成図
【図4】重量測定装置の制御ブロック図
【図5】ダンパの断面図
【図6】ガイド手段を有する高周波加熱装置内部の正面図
【図7】同じく高周波加熱装置内部の平面図
【図8】支持部材を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は加熱庫をガイドしているときの平面図
【図9】加熱庫の斜視図
【図10】他のガイド手段を有する高周波加熱装置内部の正面図
【図11】同じく高周波加熱装置内部の平面図
【図12】他の支持部材を示し、(a)は一部破断正面図、(b)は横断面図
【図13】他の支持部材が加熱庫をガイドしている状態を示し、(a)は正面図、(b)は平面図
【図14】他の支持部材を有する高周波加熱装置内部の正面図
【図15】同じく高周波加熱装置内部の平面図
【図16】載置台を有する高周波加熱装置内部の正面図
【図17】同じく高周波加熱装置内部の平面図
【図18】載置台に対する支持部材を示し、(a)は正面図、(b)は平面図
【図19】載置台をガイドした高周波加熱装置内部の正面図
【図20】同じく高周波加熱装置内部の平面図
【図21】2個のダンパを配置した高周波加熱装置内部の平面図
【図22】1個のダンパを配置した高周波加熱装置内部の平面図
【図23】他の形態の支持部材の一部破断正面図
【図24】加熱庫の前面パネルとキャビネットの側板との接合部分を示し、(a)は従来の場合、(b)は本発明の場合
【図25】他の形態の支持部材を示し、(a)は一部破断正面図、(b)は平面図
【符号の説明】
1 キャビネット
2 加熱庫
5 ドア
10 ダンパ
11 差圧センサ
12 制御部
30 支持部材
31 凸部
32 縦溝
33 ローラ
35 電装品
36 載置台
Claims (6)
- キャビネットに、被加熱物を収容する加熱庫が内装され、該加熱庫からの荷重を受ける作動体と、荷重による前記作動体の変化に基づいて被加熱物の重量を検出する検出器とが設けられたことを特徴とする加熱調理器。
- キャビネットに、被加熱物を収容する加熱庫が上下動可能に内装され、該加熱庫からの荷重を受けて内圧が変化する作動体と、前記作動体の内圧変化を検出することにより被加熱物の重量を検出する検出器とが設けられたことを特徴とする加熱調理器。
- 被加熱物の荷重によって加熱庫が上下動するようにガイドするガイド手段が設けられたことを特徴とする請求項1または2記載の加熱調理器。
- 加熱用の電装品が加熱庫に連動して上下動可能なように設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加熱調理器。
- 加熱用の電装品および加熱庫を載置する載置台が設けられ、該載置台が作動体に上下動可能に支持されたことを特徴とする請求項4記載の加熱調理器。
- ガイド手段は、加熱庫に対して複数箇所に設けられ、1つの作動体によって前記加熱庫が支持されたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の加熱調理器。
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- 2002-11-11 JP JP2002327229A patent/JP2004162958A/ja active Pending
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