JP3945769B2 - 魚釣用リール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドラグ調整可能な魚釣用リールに係り、一度設定したドラグ力をスプールフリー後も正確に復帰し得る構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特に中物以上の魚を釣る場合、魚の引きに対して無理に釣糸(以下、ラインという)を巻き上げたり、スプールの回転をロックすると、ラインが切れたり、魚の口を切ってしまい、いわゆる魚をばらしてしまうことがある。一方、スプールをフリーにして、魚の引きに任せてラインを繰り出してしまうと、そのまま餌を岩場や海草などの入り組んだ所に持って行かれて根がかりし、結局、釣果が得られない。
【0003】
そこで、従来からドラグ調整が行われている。ドラグ調整とは、スプールと該スプールに巻き上げ方向の回転力を付与するモータやハンドルのメインギアとの間に設けられた制動ディスと摩擦ディスクの摩擦係合力、即ちクラッチ圧の強弱調整を行うことによって、スプールに一定以上、ライン繰り出し方向の逆回転力が作用した場合は、クラッチを滑らせてスプールの巻き上げ速度を遅めたり、逆回転を許容するものである。この結果、たとえスプールに巻き上げ方向の回転力が伝達されていたとしても、魚の引きがドラグ力を上回れば、クラッチが滑ってラインのテンション(引張力)を一定以下に保持するから、ライン切れ等を防ぐことができる。これは丁度、クラッチ付きの自動車で坂道発進をするときに半クラッチを用いることと似ている。
【0004】
そして、このようなドラグ調整機構としては、レバードラグ式やスタードラグ式が公知である。特に、ドラグレバーと微調整用ノブの二つの調整ツマミを備え、ドラグ力を細かく設定することができるレバードラグ式リールも公知である(例えば、特許文献1や2を参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−262196号公報
【特許文献2】
特開2003−70397号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術には大きく二つの課題がある。その一つは、最初に設定した最適なドラグ力をスプールフリー後に正確に再現することが困難なところにある。つまり、レバードラグ式ではドラグレバーを操作することによってドラグ力を0から最大まで調整することができるようになっている。即ち、一つのレバーでドラグ調整とスプールフリー調整の双方を行うようにしているのである。このため、従来のドラグレバー式リールでは、仕掛けを投入する度に、ドラグレバーを0位置に戻す必要がある。その後、当初の最適位置にドラグレバーを復帰させるのであるが、その操作はほとんど勘に頼っているため、ドラグレバーを0位置から常に同じ最適位置に復帰させることは困難である。この点、ドラグレバーが最適位置に復帰されなければ、その調整は無意味あるいは逆効果になってしまう程、ドラグ調整は厳格なものである。また、ドラグ調整に精通した熟練者にとっても、0位置から最適位置復帰までの一連のレバー操作は面倒であった。このように、一度設定したドラグ力は実釣時に変更する必要はなく、もってドラグ力は固定的であることが理想であるにも拘わらず、従来の技術では仕掛け投入の度に設定したドラグ力がリセットされてしまうという課題がある。
【0007】
他の一つの課題は、従来技術ではドラグ調整機構の防水・防塵効果が不十分なところにある。即ち、従来のレバードラグ式では制動ディスクと摩擦ディスクを密封するシール構造は採用されていないため、ドラグ調整機構に水や埃などの不純物が入り込むことがある。特に、ドラグレバーを0位置にすることにより、制動ディスクと摩擦ディスクが離れ、いわゆるクラッチが切れた状態になるが、このときディスク間に不純物が入り込むと、その摩擦係合力や滑り具合が変わってしまう。この結果、仮にドラグレバーを当初設定位置に復帰できたとしても、同じドラグ力は得られないし、ドラグ調整機構の故障にもつながるという課題もある。
【0008】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、スプールフリー後も当初設定した最適なドラグ力に正確に復帰できる魚釣用リールを提供することである。また、ドラグ調整機構を海水や埃などの不純物から防護して、当該機構の耐久性および信頼性を高めることも本発明創作の目的の一つである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために本発明では、電動モータまたは/およびハンドルを駆動源としてメインシャフトに回転可能に支承されたメインギアと、該メインギアと摩擦係合する制動ディスクおよび摩擦ディスクを介して一端が連結するように前記メインシャフトに回転可能に支承されたドライブシャフトと、該ドライブシャフトに回動自在に支承されるスプールと、前記ドライブシャフトの他端と常時係合してドライブシャフトの回転力が伝達され、且つ、前記スプールの他端とは係脱可能に噛合するクラッチギアと、該クラッチギアを前記スプール他端と噛合可能にスライドさせて回転力伝達の入切をするカムと、該カムを操作するクラッチレバーとからなる一方、ドラグ調整用バネを介して前記ドライブシャフトをメインギア側に移動可能に軸方向にスライドするドラグ調整ネジと、該ドラグ調整ネジと螺合して該ドラグ調整ネジを前記軸方向にスライドさせて前記制動ディスクと前記摩擦ディスクにおける摩擦係合力を調節するドラグ調整用ノブとによって魚釣用リールを構成した。この手段において、スプールはクラッチギアをスプールと連結(噛合)することによって、スプールにクラッチギアを介してドライブシャフトの回転力が伝達され、電動モータや手動ハンドルを駆動源としてスプールを巻き取り方向に回転する。クラッチギアはクラッチレバーを操作することによって選択的にスプールと係脱する。他方、ドラグ調整はこれとは全く別の機構によって行われる。つまり、ドラグ調整はノブを操作することによって行われる。このように、本発明では、クラッチギアのスプールに対する回転力伝達機構とドラグ調整機構が互いに干渉することがないため、クラッチレバーを操作してスプールをフリーの状態にした後でも当初設定したドラグ力が正確に復帰される。
【0010】
また、請求項2では、メインギアとドライブシャフトの連結部に前記制動ディスクおよび摩擦ディスクを密封するカバー部材を設けた。この手段によれば、ドラグ力を発生する要となるメインギアとドライブシャフトの連結部、即ち摩擦ディスクと制動ディスクの間に水分や埃、塵などの不純物が侵入することを回避することができる。
【0011】
さらに、請求項3では、クラッチギアをスプール他端から離反する方向に付勢するリターンバネを設けた。この手段によれば、クラッチギアをスプールから確実に離反することができ、回転力伝達機構の入切がより確実なものとなる。
【0012】
さらにまた、請求項4では、ドラグ調整バネはドライブシャフトに形成された内孔奥端とメインシャフトにスライド可能に挿入されるブッシュのフランジとの間に支持し、該ブッシュの端面とドラグ調整ネジの端面を当接させると共に、該ブッシュにはさらにフランジと前記ドラグ調整ネジの端面に位置してブッシュに挿入され、クラッチギアと係合してブッシュ上をスライドするスライド板との間にリターンバネを介装し、クラッチギアとスプール他端との噛合時に係るリターンバネの圧縮力ではドラグ調整用バネは圧縮されないようなリターンバネおよびドラグ調整用バネを採用した。この手段によれば、ドライブシャフトに形成した内孔の内部で、且つ、同一のメインシャフト上にドラグ調整用バネとリターンバネが配備されるから、リール構造が合理化され、この種リールの小型化、構造簡素化に寄与する。しかも、ドラグ調整用バネとリターンバネの弾発力を適正化することによって、回転力伝達機構とドラグ調整機構の干渉をより確実に回避することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール全体を示した断面図である。この実施形態では両軸受の電動リールを示している。なお、この実施形態においては、ある構造が複数の部材からなるものであっても、その機能上、同一部材とみなされるものについては、説明の便宜のため、後述の図7まで含め、共通のハッチング処理をした。また、この実施形態では本発明を構成するのに不可欠な構造だけを説明することとし、従来の魚釣用リールと共通する構成については適宜省略している。その例としては、手巻き用のハンドルやレベルワンダーである。
【0014】
図1において、1は回転不能に両端を固定したメインシャフト、2はメインシャフト1に回転可能に支承されたメインギア、3は電動モータであって、電動モータ3の動力はピニオンギア4、減速ギア5・6を介してメインギア2に伝達される。なお、メインギア2はラチェット7によってラインの巻き取り方向にのみ回転するワンウェイクラッチを構成している。
【0015】
8はメインシャフトに回転可能に挿入されたドライブシャフトであって、メインギア2とはライニング9を介して一定の摩擦係合力をもって連結される。具体的には、ドライブシャフト8の左端にはクラッチ面8a(摩擦ディスク)を設けたリム8bが構成され、該クラッチ面8aとメインギア2のクラッチ面2a(摩擦ディスク)とでライニング9(制動ディスク)を挟み込み、後述するドラグ調整機構によりライニング9に対するクラッチ面8a・2aの摩擦係合力、即ちドラグ力を調整可能なクラッチ機構としている。そして通常は、いわゆるクラッチがつながった状態で、メインギア2の回転力はそのままドライブシャフト8に伝達されるのであるが、魚の引きが上記摩擦係合力、即ちドラグ力を越えた場合は、電動モータ3が駆動していても、クラッチが滑ってドライブシャフト8の回転速度がメインギア2よりも遅くなったり、ドライブシャフト8が停止したり、さらにはドライブシャフト8が逆回転をする。
【0016】
なお、この実施形態ではクラッチ機構、即ちライニング9とクラッチ面8a・2aを水や埃などの不純物から保護するために、カバー部材10により当該クラッチ機構を密封している。より具体的には、図2に示すように、カバー部材10は、その周囲を断面コ字状に形成し、一端のピン10aをメインギア2に差込固定すると共に、他端のチャンネル部10bをドライブシャフト8のリム8bに形成した環状凸部8cに引っ掛けることによってクラッチ機構に組み付けられ、さらにチャンネル部10bと環状凸部8cの間にOリング10cを設けている。このようカバー部材10によって、クラッチ機構に水や埃などが侵入することは遮断されるのであるが、このカバー部材10がドライブシャフト8やメインギア2の動作を妨げるものでないことはもちろんである。
【0017】
また、摩擦ディスクと制動ディスクの摩擦係合力は熱によっても変化するから、上記クラッチ機構に熱がこもらないようにするためには、メインギア2やドライブシャフト8のリム8b等を放熱性の高い金属から構成することが好ましい。
【0018】
次に、図1において、11はドライブシャフト8に対して回転可能に挿通されたスプールであり、周知の通り、ラインの巻き取りおよび繰り出しを行う部材である。ここで明らかなように、本発明では、スプール11はメインギア2およびドライブシャフト8に直結されていない。そこで、本発明では、スプール11にドライブシャフト8の回転力を伝達すべく、後述するように、クラッチギア12、クラッチレバー13を取付けた第一カム14、該第一カム14とカム接触する第二カム15からなる回転力伝達機構によって、スプール11をドライブシャフト8とを選択的に連結・切り離し(回転力伝達機構の入切)できるようにしている。
【0019】
さらに、図1において、16はリールのクラッチ機構とは反対側に移動不能かつ回転可能に設けられたドラグ調整用のノブ、17は該ノブ16に形成された内ネジ16aと逆ネジ螺合する外ネジ17aを形成してなる円筒状のドラグ調整ネジである。具体的には、該ドラグ調整ネジ17はメインシャフト1の係合部1aと係合させることによって回転不能とされる一方、ノブ16と螺合されているから、ノブ16を回すことによって、ドラグ調整ネジ17は非回転のまま軸方向にスライドする。そして、ドラグ調整ネジ17の前記スライド運動は、該ドラグ調整ネジ17の端面が当接するブッシュ18を介してドラグ調整用バネ19に伝達され、ドラグ調整用バネ19の圧縮力を利用してドライブシャフト8を上述したクラッチ機構側に軸移動させるようにしている。つまり、本発明ではこれら部材16〜19によってドラグ調整機構を構成している。なお、ドラグ調整用バネ19はブッシュ18のフランジ18aとドライブシャフト8の内孔奥端8dに配置されたバネ受け部材20の間に介装されている。
【0020】
続いて、スプール11とドライブシャフト8の回転力伝達機構について説明する。該機構は、上述のようにクラッチギア12、クラッチレバー13、第一カム14および第二カム15を主要部材として構成されるのであるが、詳述すると、第一カム14および第二カム15は図3に示すように、その合わせ面の一定範囲に互いに合致して係合するカム山14aおよびカム溝15aを形成している。そして、第一カム14をクラッチレバー13によって回転させることにより、カム山14aとカム溝15aの係合が解けると共に、カム山14aが第二カム15を押圧して、該第二カム15を軸方向にスライドさせる。なお、第二カム15の合わせ面には、図4(a)に示すように、カム山14a・カム溝15aの係合位置およびカム山14aによる押圧位置(スライド位置)に嵌合穴15b・15cが形成されると共に、第一カム14の合わせ面には、図4(b)に示すように、前記嵌合穴15b・15cに弾性的に嵌合可能なプランジャ14bが内蔵されている。この構成により、使用者はクラッチレバー13の操作範囲(回転範囲)を認識することができる。
【0021】
一方、クラッチギア12は、図5に示すように、筒体12aの端部にフランジ12bを一体に設けてなり、さらに筒体12aには先端で開口する切欠き溝12cが形成されると共に、フランジ12bにはクラウンギア12dが設けられている。このクラッチギア12に対して、ドライブシャフト8は、その端部に前記切欠き溝12cと常時係合する係合突片8eを形成してなる。なお、クラッチギア12は前記カム15のスライド運動を受けて軸方向にスライドするため、そのスライド長を吸収し得る深さに切欠き溝12cは形成されている。また、クラッチギア12はそのスライド運動によってスプール11と連結するように、スプール11の回転力伝達機構側リム11aの端面にはクラッチギア12のクラウンギア12dと噛合可能なクラウンギア11bが形成されている。
【0022】
上記構成からなる回転力伝達機構の動作を図6、7に従って説明する。図6は回転力伝達機構が解除されスプール11が回転フリーとなっている状態を示している。即ち、クラッチレバー13が所定位置にあるとき、第一カム14のカム山14aと第二カム15のカム溝15aは係合した状態にあり、この状態では第二カム15がクラッチギア12をスライドさせないから、結果、クラッチギア12のクラウンギア12dはスプール11のクラウンギア11bと離反状態となる。なお、図6、7において、21は回転力伝達機構のリターンバネであり、ベアリング22を介してブッシュ18のフランジ18aに支持される挟持板23とドラグ調整ネジ17の端面で支持され、かつ、ブッシュ18上を摺動可能なスライド板24の間に介装されている。さらに、スライド板24はクラッチギア12の内孔段部12eと係合して、クラッチギア12と連動してブッシュ18上をスライドし、リターンバネ21を圧縮させる。
【0023】
この回転フリー状態にあるスプール11をドライブシャフト8と連結して、メインギア2側の回転力を伝達するには、図7に示したように、クラッチレバー13を操作することによって行われる。即ち、クラッチレバー13を回転させることによって、第一カム14が回転して、そのカム山14aの押圧力によって第二カム15が第一カム14から離反する方向へ軸移動する。第二カム15の軸移動は適宜設けたベアリング25を介してクラッチギア12をスプール11側にスライドさせるように伝達され、クラッチギア12のクラウンギア12dとスプール11のクラウンギア11bが噛合する。この結果、ドライブシャフト8の回転力はクラッチギア12を介してスプール11に伝達され、スプール11を電動モータ3によって巻き上げ方向に駆動させることができる。そして、通常は、この状態でドラグ調整を行い、魚を釣り上げた後、仕掛けを再度投入するときは、スプール11を回転フリーとするため、クラッチレバー13を上記連結とは反対方向に操作することにより、第一カム14と第二カム15のカム山14a・カム溝15aを係合させると共に、リターンバネ21の弾発復元力によりクラッチギア12をスライド板24を介して所定位置に押し戻して、クラッチギア12とスプール11のクラウンギア12dと11bを離反し、もってクラッチギア12とスプール11の連結を解除するのである。
【0024】
ところで、リターンバネ21の戻り位置はドラグ調整機構のドラグ調整ネジ17によって規制される。従って、クラッチギア12とスプール11を連結した状態でドラグ調整するとドラグ調整ネジ17の端面位置が変わり、リターンバネ21の戻り位置、即ちクラッチギア12の戻り位置も厳密には変わることになる。しかしながら、ドラグ調整時におけるドラグ調整ネジ17の移動距離は微少であるから、その移動距離は無視することができる。つまり、ドラグ調整ネジ17の移動はクラッチギア12が戻り位置に復帰することに何ら影響せず、その戻り位置においてクラッチギア12とスプール11の連結は確実に解除される。
【0025】
これに対して、クラッチギア12とスプール11を連結したときは、リターンバネ21が圧縮され、その圧縮力が挟持板23、ベアリング22およびブッシュ18のフランジ18aを介してドラグ調整用バネ19に伝達されることになるが、ドラグ調整用バネ19はリターンバネ21よりも十分に大きい弾発力を有する。従って、リターンバネ21の圧縮力によってはドラグ調整用バネ19は圧縮せず、結果、クラッチギア12とスプール11の連結時にドラグ調整は行われない。
【0026】
このように、本発明ではドラグ調整用バネ19とリターンバネ21をメインシャフト1上に連続して設けるなど、ドラグ調整機構と回転力伝達機構をスプール11の一方に集約するも、それぞれは全く干渉することなく、実質的に別個独立の動作を行うのである。従って、回転伝達機構を操作してもドラグ調整は行われず、且つ、ドラグ調整しても回転伝達機構は操作されず、結果、スプール11の駆動状態でドラグ調整を行い、その後、スプール11を一旦フリーの状態にしてから駆動状態に切り替えても、常に当初設定したドラグ力が保持される。
【0027】
なお、上記実施形態では本発明を電動リールに適用したが、手動リールに適用することも可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればスプールを回転フリーに切り替える機構とドラグ調整機構が互いに干渉しない別個独立な状態で構成されるから、スプールを回転フリーから巻き取り動作状態に移行しても、常に初期設定されたドラグ力に復帰させることができる。このため、初心者であっても最初だけ熟練者に最適なドラグ調整をしてもらえば、後は電動リールのプログラムにほぼ任せた状態で釣りを楽しむことができるし、熟練者やプロ(漁師等)にとってもスプールフリーの度にドラグ力を一々再調整する手間が省けるから、釣りに専念できる時間が多くなる。また、カバー部材によってドラグ力を決定するディスクを密封したので、不純物の侵入が阻止され、もってドラグ調整の耐久性および信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る魚釣用リール全体の断面図
【図2】同、リールのメインギア側の拡大断面図
【図3】同、リールのカムを示した説明図
【図4】同、リールの第一カムと第二カムの合わせ面を示した側面図
【図5】同、リールのクラッチギアおよびその周辺に係る詳細図
【図6】同、リールの回転力伝達機構およびドラグ調整機構側の拡大断面図(スプールフリー状態)
【図7】同、リールの回転力伝達機構およびドラグ調整機構側の拡大断面図(スプール駆動状態)
【符号の説明】
1 メインシャフト
2 メインギア
3 モータ
4 ピニオンギア
5・6 減速ギア
7 ラチェット
8 ドライブシャフト
9 ライニング
10 カバー部材
11 スプール
12 クラッチギア
13 クラッチレバー
14・15 カム
16 調整ノブ
17 ドラグ調整ネジ
18 ブッシュ
19 ドラグ調整用バネ
20 バネ受け部材
21 リターンバネ
22・25 ベアリング
23 挟持板
24 スライド板

Claims (4)

  1. 電動モータまたは/およびハンドルを駆動源としてメインシャフトに回転可能に支承されたメインギアと、該メインギアと摩擦係合する制動ディスクおよび摩擦ディスクを介して一端が連結するように前記メインシャフトに回転可能に支承されたドライブシャフトと、該ドライブシャフトに回動自在に支承されるスプールと、前記ドライブシャフトの他端と常時係合してドライブシャフトの回転力が伝達され、且つ、前記スプールの他端とは係脱可能に噛合するクラッチギアと、該クラッチギアを前記スプール他端と噛合可能にスライドさせて回転力伝達の入切をするカムと、該カムを操作するクラッチレバーとからなる一方、ドラグ調整用バネを介して前記ドライブシャフトをメインギア側に移動可能に軸方向にスライドするドラグ調整ネジと、該ドラグ調整ネジと螺合して該ドラグ調整ネジを前記軸方向にスライドさせて前記制動ディスクと前記摩擦ディスクにおける摩擦係合力を調節するドラグ調整用ノブとからなることを特徴とした魚釣用リール。
  2. メインギアとドライブシャフトの連結部に前記制動ディスクおよび摩擦ディスクを密封するカバー部材を設けた請求項1記載の魚釣用リール。
  3. クラッチギアをスプール他端から離反する方向に付勢するリターンバネを設けた請求項1または2記載の魚釣用リール。
  4. ドラグ調整バネはドライブシャフトに形成された内孔奥端とメインシャフトにスライド可能に挿入されるブッシュのフランジとの間に支持し、該ブッシュの端面とドラグ調整ネジの端面を当接させると共に、該ブッシュにはさらにフランジと前記ドラグ調整ネジの端面に位置してブッシュに挿入され、クラッチギアと係合してブッシュ上をスライドするスライド板との間にリターンバネを介装し、クラッチギアとスプール他端との噛合時に係るリターンバネの圧縮力ではドラグ調整用バネは圧縮されないようなリターンバネおよびドラグ調整用バネを採用した請求項3記載の魚釣用リール。
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