JP3945767B2 - テキスト編集装置及びプログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータを用いてテキスト表示・編集を行うシステムに関し、特にテキスト表示・編集の作業における機能に特徴を有するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
米国IBM社のロータスノーツのようなアプリケーションソフトウェアのテキストの表示・編集機能(以下、テキストの表示及び編集に関する機能をテキスト編集機能と略称する)には、テキストを所定の領域(以下、この領域をセクションと称す)で管理し、セクションごとに表示を省略(表示上隠蔽すること)、展開(視認できる状態にすること)したり、セクションごとのプロパティを設定したりする機能がある。また、このセクションは、階層的にネスト(入れ子状に形成)することができる(例えば、非特許文献1参照。)。
図8は、ロータスノーツのテキスト編集画面を模式的に示した図である。
【0003】
図8に示すように、セクションごとに表示を省略、展開する機能としては、セクションの開始行(以下、タイトル行と称す)901をコマンドボタンとして用い、コマンドボタンであるタイトル行901にマウスポインタを位置させクリックした時に発生するイベントに応じて、タイトル行に続くセクション内のテキストを省略したり、展開したりする。タイトル行の先頭(左端)にはセクションが省略されているか展開されているかを示すマーク902があり、セクションの表示状態の確認が容易となっている。
また、プロパティの設定機能としては、セクションの境界線の種類、表示色の選択や、初期状態で全セクションを省略しておくか、展開しておくかを指定するといった設定を行うことができる。これらの設定を行うには、テキスト表示画面のメニューから所望の設定状態を選択したり、テキスト表示画面とは別に表示される所定の設定画面を用いたりすることができる。
【0004】
ここでは、ロータスノーツのテキスト編集機能を例にとって具体的に例示したが、セクションのタイトル行をコマンドボタンとして使用するのではなく、その付近に省略、展開を指示するためのボタンオブジェクトを表示するというような実装デザイン上の違いはあるものの、同様のテキスト編集機能は、種々のテキストエディタやワードプロセッサ等の文書作成用アプリケーションソフトウェアでも、適宜提供されている。
【0005】
【非特許文献1】
「ロータスノーツ R4.5/4.6 ベーシック」、ロータス株式会社 教育開発センター、1998年1月、p.15−30
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の文書作成用アプリケーションソフトウェアにおけるテキスト編集機能は、セクションの一部のみを表示させることができない、1つの文書内に複数のセクションを含んだり多重にネストされたセクションを多く含んだりする場合に個々のセクションの相互関係を見失いやすい、というような操作上の不便があった。
【0007】
そこで、本発明は、文書作成用アプリケーションソフトウェアにおいて、テキスト編集の作業における操作性の向上を図ることを目的とする。
また、本発明は、テキスト編集の作業における操作性の向上を図るためのツールを備えた文書作成用アプリケーションソフトウェアを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明は、次のように構成されたテキスト編集装置として実現される。すなわち、このテキスト編集装置は、メモリから読み出した編集対象の文書データへの編集処理を制御する文書データ制御部と、この文書データ制御部にて読み出された文書データに基づいて所定の表示装置に文書を表示する文書表示制御部とを備え、この文書表示制御部は、文書データを構成するセクションごとに文書の表示領域を制御し、この表示領域のサイズに応じて、セクションの文書の一部を表示することを特徴とする。
【0009】
より好ましくは、この文書表示制御部は、さらに次のような機能を持つ。すなわち、所定のセクションの表示領域にこのセクションの文書の一部が表示されている場合、この表示領域には表示されていない部分があることを明示的に示す表示を行う。また、展開されて表示されているセクションの表示領域における任意の位置(好ましくは表示領域の最下部)に、このセクションの表示を省略するコマンドを入力するためのコマンドボタンを表示する。さらに、展開されて表示されているセクションの表示領域に対して、当該セクションが展開されていること及びその範囲を示す表示を行う。
さらに好ましくは、このテキスト編集装置は、文書データ制御部にて読み出された文書データの構造を視覚化するセクションナビゲータ画面を生成し、表示装置に表示するセクションナビゲータ画面表示制御部をさらに備える構成とすることができる。
【0010】
また、上記の目的を達成する本発明は、コンピュータを用いて所定の表示装置に文書を表示する、次のような表示制御方法として実現される。すなわち、この表示制御方法は、まず、表示装置に表示されている文書に対して行われる、この文書を構成するセクションの表示領域のサイズを変更する操作を受け付ける。そして、この操作に応じて前記セクションの上または下に位置する文書を移動する。さらに、この文書の移動によりサイズの変更された表示領域に、表示可能な行数のセクションの文書を表示することを特徴とする。ここで好ましくは、セクションの文書が表示されている表示領域に対して、このセクションが展開されていること及びその範囲を示す表示を行う。
また、本発明は、コンピュータを制御して上記のテキスト編集装置としての機能を実現するプログラムとして実現することもできる。
これらのプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態による文書作成用アプリケーションソフトウェアを実行するのに好適なコンピュータ装置のハードウェア構成の例を模式的に示した図である。
図1に示すコンピュータ装置は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)101と、M/B(マザーボード)チップセット102及びCPUバスを介してCPU101に接続されたメインメモリ103と、同じくM/Bチップセット102及びAGP(Accelerated Graphics Port)を介してCPU101に接続されたビデオカード104と、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスを介してM/Bチップセット102に接続されたハードディスク105、ネットワークインターフェイス106及びUSBポート107と、さらにこのPCIバスからブリッジ回路108及びISA(Industry Standard Architecture)バスなどの低速なバスを介してM/Bチップセット102に接続されたフロッピーディスクドライブ109及びキーボード/マウス110とを備える。また、ビデオカード104に接続されて、ビデオカード104にて生成された画像を表示する表示装置111を備える。
なお、図1は本実施の形態を実現するコンピュータ装置のハードウェア構成を例示するに過ぎず、本実施の形態を適用可能であれば、他の種々の構成を取ることができる。例えば、ビデオカード104を設ける代わりに、ビデオメモリのみを搭載し、CPU101にてイメージデータを処理する構成としても良いし、ATA(AT Attachment)などのインターフェイスを介してCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)やDVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)のドライブを設けても良い。
【0012】
図2は、図1に示したコンピュータ装置にて実現される本実施の形態によるテキスト編集システムのソフトウェア構成を示す図である。
これ以降、ロータスノーツ風のユーザインターフェイスを拡張すると仮定して、本実施の形態を説明する。
図2に示すように、本実施の形態によるテキスト編集システムは、文書データを管理し当該文書データへの処理を制御する文書データ制御部10と、入力イベントの発生に応じて対応する処理を実行させるイベント制御部20と、テキスト編集のために文書データの表示を制御する文書表示制御部30と、文書データの表示制御において用いられるセクションに関する情報を管理するセクション制御テーブル40と、後述するセクションナビゲータ画面の表示を制御するセクションナビゲータ画面表示制御部50とを備える。
【0013】
上述した文書データ制御部10、イベント制御部20、文書表示制御部30及びセクションナビゲータ画面表示制御部50は、図1に示したメインメモリ103に展開されたプログラムにてCPU101を制御することにより実現される仮想的なソフトウェアブロックである。このプログラムは、オペレーティングシステム(OS)60上で実行されて上記の機能を実現するものとする。
CPU101を制御してこれらの機能を実現させる当該プログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記憶媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供される。本実施の形態では、図1に示したネットワークインターフェイス106やフロッピーディスクドライブ109、図示しないCD−ROMドライブなどを介して当該プログラムを導入し、ハードディスク105に格納する。そして、ハードディスク105に格納されたプログラムをメインメモリ103に読み込んで展開し、CPU101にて実行することにより、図2に示した各構成要素の機能を実現する。
【0014】
上記の構成において、文書データ制御部10は、編集対象である文書ファイルを読み込み、当該文書ファイルのデータ(以下、文書データ)への編集処理を制御する。また、当該文書データの構造に関する情報を管理する。例えば、文書データが複数のセクションで構成されている場合、当該セクションに関する情報(当該セクションがネストされているならば、その階層構造に関する情報を含む)なども文書データ制御部10にて管理される。編集対象である文書ファイルは、図1に示したハードディスク105等の所定の記憶装置に格納されているものであっても良いし、ネットワークを介して取得したものであっても良い。これらの文書ファイルは編集対象として選択されてメインメモリ103に保持された後、文書データ制御部10にて読み出され、処理される。
【0015】
イベント制御部20は、図1に示したキーボード/マウス110等の入力デバイスを用いた操作によるイベントの発生を監視する。そして、所定のイベントが発生した場合、当該イベントに対応する処理を行う機能ブロック(文書表示制御部30及びセクションナビゲータ画面表示制御部50)に対して通知する。なお、表示装置111にテキストを表示するウィンドウへのイベントの振り分け(どのウィンドウに対するイベントが発生したのかについての判断)は、OS60の制御にて行われる。
【0016】
文書表示制御部30は、表示装置111にウィンドウを表示し、文書データ制御部10に読み込まれた文書データに基づいて、当該ウィンドウに文書を表示する。そして、文書全体の表示領域の成形を行う。また、イベント制御部20からの通知に応じて、文書の表示に関する処理全般を制御する。文書表示制御部30の制御により表示された文書に対して実行された操作は、文書データ制御部10へ通知されて、当該文書データに対する編集操作として処理され、当該文書データに反映される。本実施の形態による文書表示制御部30は、特にセクションの表示に関する制御に特徴を有するが、この処理の詳細については後述する。
また、文書表示制御部30は、内部にサブシステムとして、セクション制御テーブル管理部31を備える。セクション制御テーブル管理部31は、文書表示制御部30によるセクションの表示に関する処理の過程で、必要に応じてセクション制御テーブル40の内容を更新する。
【0017】
セクション制御テーブル40は、文書表示制御部30にて表示されている文書におけるセクションの表示状態の管理、及びセクションの表示に関する設定(プロパティ)情報の管理のために使用されるデータ構造であり、文書表示制御部30による文書の表示に応じて図1に示したメインメモリ103に構築される。セクション制御テーブル40の構成及び管理される情報の詳細については、文書表示制御部30による処理の詳細と共に後述する。
【0018】
セクションナビゲータ画面表示制御部50は、表示装置111にセクションナビゲータ画面を表示する。また、イベント制御部20からの通知に応じて、セクションナビゲータ画面上でのユーザによる入力操作に対する処理を行う。セクションナビゲータ画面とは、文書表示制御部30の制御により表示装置111に表示されている文書のセクションに関する情報を視覚的に提示する画面である。セクションナビゲータ画面の構成については後述する。
【0019】
次に、具体的な文書の表示例を参照して、本実施の形態による文書の表示制御について詳細に説明する。
本実施の形態では、テキスト編集の作業における操作性を向上させるため、セクションの表示に関して特徴的な制御を行う。具体的には、セクション表示領域(範囲)の制御、セクション省略ボタンの追加、セクションの領域表示線の追加、セクションナビゲータ画面の作成を行う。
【0020】
本実施の形態の文書表示制御部30は、表示装置111に文書を表示する際、当該文書に設定されているセクションごとに表示領域を制御する。すなわち、各セクションに対して、省略、展開により当該セクションの文書全体を隠蔽または表示するだけでなく、所定のサイズの領域を設定してセクションの一部のみを表示する。
図3は、文書表示制御部30の制御により、表示装置111に表示されたウィンドウに所定の文書を表示した状態を示す図、図4は、図3に示した文書におけるセクションS1の表示領域を縮小した状態を示す図である。
表示装置111の表示画面のサイズやセクションS1の文書の量、他のセクションとの位置関係等に応じて、図3に示すように展開された文書のセクションS1のうち破線で囲まれた部分のみを表示したい場合を考える。この場合、図4に示すようにセクションS1の表示領域を縮小して所望の部分のみを表示し、他の領域(例えば図示のように直上の領域S0)を多く表示することができる。各セクションの境界には、セクション境界線301を表示し、セクションの境界を視覚的に明示する。なお、以下の説明では、このようにセクションが部分的に表示されている場合も含め、セクション中の文書の表示が省略されていない状態を展開と呼ぶ。
【0021】
また、文書表示制御部30は、図3、4に示すように、各セクションの表示領域の最下部に、当該セクションの表示を省略するコマンドを入力するためのコマンドボタン302を表示する。従来、セクションに対する表示の省略、展開を行う場合、当該セクションのタイトル行をコマンドボタンとして用いている。しかし、展開されたセクションが非常に長い場合(例えば、画面数ページ分に渡る場合等)、ユーザが文書を閲覧した後でセクションを省略するには、ウィンドウの表示をスクロールしてセクションの先頭に戻り、タイトル行をマウスクリックしなければならず、操作に手間を要する。そこで、セクションの表示領域の最下部に、コマンドボタン302を配置することにより、ユーザが当該セクションの文書を読み終わった後、その表示状態のままで表示を省略する操作を行うことが可能となる。セクションがネストされている場合であっても、全てのセクションの最下部にコマンドボタン302を配置しておけば、コマンドボタン302がクリックされたレベルのセクションのみを省略することができる。
【0022】
さらに、文書表示制御部30は、展開されているセクションの表示領域に対し、当該セクションが展開されていること及びその範囲を示す表示を行う。具体的には、図3、4に示すように、セクションの表示領域に沿って(例えば左端に)セクション領域表示線303を表示する。これにより、ユーザにとって展開されているセクションの認識が容易となる。ここで、セクションがネストされている場合、セクション領域表示線303を多重に表示してしまうと、かえって画面が煩雑になる。したがって、展開されている最も外側のセクションにのみセクション領域表示線303を表示したり、対応するセクションの階層に応じて表示色を変えたりすることにより、展開されているセクションの認識の容易性を損なわないようにする。
【0023】
また、本実施の形態では、テキスト編集の作業における操作性を向上させるため、セクションナビゲータ画面を提供する。セクションナビゲータ画面は、表示装置111に表示されている文書の構造を、セクションを単位としてツリー構造にて視覚化した画面である。したがって、セクションがネストされている場合は、各セクションの階層が当該ツリー構造の深さとして表現される。
セクションナビゲータ画面は、文書表示制御部30にて生成され、表示装置111に表示される。セクションナビゲータ画面は、表示装置111に文書を表示するために表示されたウィンドウの一部の領域に表示しても良いし、当該ウィンドウとは別のウィンドウにて表示装置111に表示しても良い。
【0024】
図5は、セクションナビゲータ画面の例を示す図である。
図5に示すように、セクションナビゲータ画面は、イメージアイコン501及びタイトル行502の文言でセクションを表し、このイメージアイコン501とタイトル行502の文言との組をノードとするツリー構造でセクションを単位とする文書の構造を表す。各ノードには、ノードに対応するセクションが省略されているか展開されているかを示すマークが付される(図示の例では、イメージアイコン501の左に付された「−」が展開されていることを意味し、「+」が省略されていることを意味する)。また、イメージアイコン501自体も対応するセクションが省略されているか展開されているかに応じて変更することができる。
さらに、表示装置111に表示されている文書において、テキスト編集等のためにカーソルを所定の箇所に位置させた場合、当該位置を含むセクションに対応するノードを、色を変えて表示する。これにより、編集操作中のセクションの文書全体に対する位置づけの把握が容易となる。
【0025】
また、図5を参照すると、セクションナビゲータ画面の下部には「すべて展開」と「すべて省略」という2つのコマンドボタン503、504がある。これらのコマンドボタン503、504をマウスクリックすることにより、文書の全てのセクションを一括して展開したり、省略したりすることができる。さらに、ツリー構造の表示においていくつかのノードを選択した上でこれらのコマンドボタン503、504をクリックすることにより、選択されているノードに対応するセクションのみを一括して展開したり、省略したりすることができる。すなわち、これらの操作の結果発生するイベントがセクションナビゲータ画面表示制御部50と共に文書表示制御部30にも通知される。そして、セクションナビゲータ画面が操作に応じて更新されると共に、文書表示制御部30の制御により、表示されている文書の対応するセクションが省略され、あるいは展開される。
【0026】
図6は、文書表示制御部30によって表示される文書のセクション及びセクションナビゲータ画面表示制御部50によって表示されるセクションナビゲータ画面の表示状態を管理するセクション制御テーブル40の構成例を示す図である。これらの情報を管理するセクション制御テーブル40は、文書中のセクションごとに設定される。各セクション制御テーブル40には、対応するセクションの文書の表示状態を管理するため、例えば次のような制御情報が登録される。
・セクション展開、省略状態
・セクション領域の表示部の開始行
・セクション領域の表示部の最終行
・セクション領域の行数
また、セクションの表示に関する設定(プロパティ)情報を管理するため、例えば次のような属性についての情報が登録される。
・セクション境界線の色
・セクション領域表示線の色
・セクションナビゲータ・マークの表示の有無
・セクションナビゲータ・マークの表示時の色
・セクションナビゲータ・マークの表示時の配置間隔
・セクション省略用のコマンドボタンの表示の有無
なお、セクションナビゲータ・マークについては後述する。
これらの属性は、ユーザにどのような設定項目を提供するかに関係し、実装依存である。なお、項目によってはセクション毎に情報を保持してもよいし、文書全体のグローバルな設定項目として情報を保持することも可能である。
【0027】
図6を参照すると、セクション制御テーブル40には、情報として、各セクションに対して管理する項目を示すフィールド名、各フィールドの属性、フィールドの値が対応付けて格納されている。
図6に示す例では、フィールド名として、「SECTIONID」、「SECTIONTITLE」、「SECTIONPARENTID」、「SECTIONNESTEDLEVEL」、「SECTIONSTATUS」、「SECTIONSTARTLINE」、「SECTIONENDLINE」、「NUMOFSECTIONLINES」、「SECTIONBORDERCOLOR」、「SECTIONINDICATIONCOLOR」、「SECTIONNAVIGATORMARKREQUIRED」、「SECTIONNAVIGATORMARKCOLOR」、「SECTIONNAVIGATORMARKINTERVAL」、「SECTIONCLOSEBUTTONREQUIRED」が設定されている。
【0028】
「SECTIONID」は、セクションを特定するID情報であり、1文書内でユニークな値である。フィールド属性は整数(Integer)であり、図示の例ではフィールド値は「11」である。
「SECTIONTITLE」は、セクションのタイトルである。フィールド属性は文字列(String)であり、図示の例ではフィールド値は文字列「1.1ABC機能とは」である。
「SECTIONPARENTID」は、セクションがネストしている場合の、親セクションのID情報である。フィールド属性は文字列であり、図示の例ではフィールド値は「1」である。なお、親セクションが存在しない場合は、特別な値(例えば「0」)がセットされる。
「SECTIONNESTEDLEVEL」は、セクションのネストのレベルであり、ネストが無い場合は1、ネストがある場合は階層が下がる毎に+1となる。フィールド属性は整数であり、図示の例ではフィールド値は「2」である。
「SECTIONSTATUS」は、セクションの展開、省略の状況を示す。省略中:0、展開中:1、部分表示中:2である。フィールド属性は整数であり、図示の例ではフィールド値は「0」、すなわち当該セクション(セクションID=1、タイトル「1.1 ABC機能とは」)は省略中である。
【0029】
「SECTIONSTARTLINE」は、表示されているセクションの開始行番号を指定する。セクションの行番号はセクション単位でカウントする。セクションが全て展開されている場合は1、部分表示されている場合は、部分表示における最初の行のセクション内部での行番号を登録する。例えば、セクションが全体で100行あった場合、20行目から70行目までが部分表示されているならば、登録値は20となる。フィールド属性は整数であり、図示の例ではフィールド値は「1」である。
「SECTIONENDLINE」は、セクションの最終行番号である。部分表示されている場合は、部分表示における最終行のセクション内部での行番号を登録する。例えば、セクションが全体で100行あった場合、20行目から70行目までが部分表示されているならば、登録値は70となる。フィールド属性は整数であり、図示の例ではフィールド値は「100」である。
【0030】
「NUMOFSECTIONLINES」は、セクションに含まれる行の数である。フィールド属性は整数であり、図示の例ではフィールド値は「100」である。
「SECTIONBORDERCOLOR」は、セクション境界線301の色である。フィールド属性は文字列であり、図示の例ではフィールド値は「blue」、すなわちセクション境界線が青色で表示されていることを意味する。
「SECTIONINDICATIONCOLOR」は、セクション領域表示線303の色である。フィールド属性は文字列であり、図示の例ではフィールド値は「red」すなわちセクション領域表示線303が赤色で表示されていることを意味する。
【0031】
「SECTIONNAVIGATORMARKREQUIRED」は、セクション領域表示線303上におけるセクションナビゲータ・マークの表示の有無を示す。フィールド属性はブール値(Boolean)であり、図示の例ではフィールド値は「true(真)」、すなわちセクションナビゲータ・マークが表示されていることを意味する。
「SECTIONNAVIGATORMARKCOLOR」は、セクション領域表示線303上におけるセクションナビゲータ・マークの表示色を指定する。フィールド属性は文字列であり、図示の例ではフィールド値は「red」、すなわちセクションナビゲータ・マークが赤色で表示されていることを意味する。
「SECTIONNAVIGATORMARKINTERVAL」は、セクション領域表示線303上におけるセクションナビゲータ・マークの配置間隔を指定する。フィールド属性は整数であり、図示の例ではフィールド値は「10」、すなわち10行ごとにセクションナビゲータ・マークが表示されていることを意味する。
「SECTIONCLOSEBUTTONREQUIRED」は、セクション省略用のコマンドボタン302を表示するか否かを指定する。フィールド属性はブール値であり、図示の例ではフィールド値は「false(偽)」、すなわちコマンドボタン302は表示されていないことを意味する。
【0032】
次に、表示装置111に表示された文書への操作に対して実行される文書表示制御部30及びセクションナビゲータ画面表示制御部50の処理について説明する。
(1)セクション領域の省略、展開
文書表示制御部30の制御により、表示装置111に表示された文書において、省略されているセクションを展開する場合、ユーザは、当該セクションのタイトル行をマウスクリックする。このクリックによるイベントの発生をイベント制御部20が検出し、文書表示制御部30に通知する。文書表示制御部30は、イベント制御部20からの通知を受信すると、クリックされたタイトル行の下方に表示されている文書を下方へ移動し、空いた場所にクリックされたタイトル行のセクションの文書を表示する。そして、展開されたセクションの表示領域に対してセクション領域表示線303を表示する。また、セクション制御テーブル管理部31に指示して、セクション制御テーブル40の該当セクションに関する情報を更新させる。
一方、展開されているセクションを省略する場合、ユーザは、当該セクションのタイトル行またはセクション省略用のコマンドボタン302をマウスクリックする。このクリックによるイベントの発生をイベント制御部20が検出し、文書表示制御部30に通知する。文書表示制御部30は、イベント制御部20からの通知を受信すると、タイトル行またはコマンドボタン302をクリックされたセクションの文書を消去し、当該セクションの下方に表示されている文書を当該セクションのタイトル行の直下へ移動する。また、セクション制御テーブル管理部31に指示して、セクション制御テーブル40の該当セクションに関する情報を更新させる。
【0033】
(2)セクションの表示領域の制御
図3に示した文書表示画面(ウィンドウ)において、ユーザがセクションS1に対して破線で囲んだ部分のみを表示させるように、セクションS1の表示領域を縮小する操作を行うものとする。
この場合、ユーザは、セクションS1の表示領域の境界に表示されているセクション境界線301をマウスポインタで指してドラッグする。このドラッグによるイベントの発生をイベント制御部20が検出し、文書表示制御部30に通知する。文書表示制御部30は、イベント制御部20からの通知を受信すると、ドラッグ操作に応じてセクション境界線301を移動させる。また、セクションS1の上側に表示されたセクション境界線301aの上方の文書、及びセクションS1の下側に表示されたセクション境界線301bの下方の文書を、それぞれセクション境界線301a、301bの移動にしたがって移動させる(図4参照)。以上の操作により、セクションS1の表示領域のサイズが縮小されたので、セクションS1の文書の表示(行数)が制限される。そこで、文書表示制御部30は、セクション境界線301a、301bの移動距離及び表示されている文書における文字フォントのサイズなどの情報に基づいて、セクションS1の表示領域における表示可能な行数を計算し、当該表示領域にセクションS1の文書を表示する。また、セクション制御テーブル管理部31に指示して、セクション制御テーブル40の該当セクションのエントリに開始行、最終行の値をセットさせる。
【0034】
セクションの表示領域の縮小により、セクションの文書が一部しか表示されなくなった場合は、図4に示すように、マーク304を表示したり、セクション境界線301の色を変えたりすることにより、表示領域に表示されていない部分が存在することを明示的に表すことができる。
【0035】
図7は、表示装置111に表示された文書における所定のセクションの表示領域を縮小する場合の動作手順を説明するフローチャートである。
図7に示すように、まずユーザが所望のセクションの境界付近(例えばセクション境界線301上)でマウスボタンを押すと(ステップ701)、この操作がイベント制御部20にて検出され、文書表示制御部30に通知される。そして、マウスポインタの表示が変更され、セクション境界線301が移動可能な状態となる(ステップ702)。
次に、ユーザがマウスポインタをドラッグし、セクション境界線301を移動すると(ステップ703)、この操作がイベント制御部20にて検出され、文書表示制御部30に通知される。そして、当該セクションの上または下に位置する文書がセクション境界線301に伴って移動し、サイズの変更された表示領域に表示可能な行数の文書が表示される(ステップ704)。
セクション境界線301の移動が完了したならば(マウスボタンがリリースされたならば)、マウスポインタの表示が通常の表示に戻る(ステップ705、706)。そして、文書表示制御部30により、セクション制御テーブル管理部31を介して、該当セクションのセクション制御テーブル40が更新される(ステップ707)。
【0036】
(3)セクションナビゲータ画面の表示
文書表示制御部30の制御により表示装置111に表示されている文書に関してセクションナビゲータ画面を表示しようとする場合、ユーザは、セクション領域表示線303をマウスクリックする。このクリックによるイベントの発生をイベント制御部20が検出し、文書表示制御部30に通知する。文書表示制御部30は、イベント制御部20からの通知を受信すると、セクションナビゲータ画面表示制御部50に指示して、当該文書データのセクションナビゲータ画面を生成させ、表示装置111に表示させる。なお、図3に示すように、文書表示制御部30の制御により、セクション領域表示線303上に所定の間隔でセクションナビゲータ・マーク305を表示しておき、セクション領域表示線303をクリックする代わりに、セクションナビゲータ・マーク305をクリックすることによってセクションナビゲータ画面が表示されるようにしても良い。
セクションナビゲータ画面に対して行われた操作は、イベント制御部20により、イベントとしてセクションナビゲータ画面表示制御部50に通知される。当該通知を受けたセクションナビゲータ画面表示制御部50は、行われた操作に応じてセクションナビゲータ画面の表示を更新する。また、文書表示制御部30は、セクションナビゲータ画面で行われた操作に応じて、セクションナビゲータ画面表示制御部50からの指示に基づき文書の表示状態を更新すると共に、セクション制御テーブル管理部31に指示して、セクション制御テーブル40の該当セクションのエントリを更新させる。
【0037】
以上の動作の説明において、ユーザの操作としてマウス等のポインティングデバイスを用いたクリックやドラッグが行われた場合に、これをイベントとして検出し、動作の開始条件とした。この他、文書表示制御部30により表示装置111に表示されたウィンドウのメニューや、OS60の制御下でマウス操作により表示されるドロップダウンメニューから所定のコマンドが選択された場合に、これをイベントとして検出し、上記の処理を実行するようにしても良い。
また、文書表示制御部30は、上記の動作において、セクション境界線301やセクション領域表示線303の表示色、セクションナビゲータ・マークの表示色や配置間隔等を、セクション制御テーブル40にて管理されているプロパティに基づいて決定する。
【0038】
なお、上記の実施の形態において、文書表示制御部30の制御によりセクションの表示領域に表示されるコマンドボタン302は、各セクションの最下部に表示するとしたが、コマンドボタン302の表示位置はユーザにとって操作の利便性の高い位置であれば良く、必ずしもこの位置に限るものではない。例えば、所定のセクションにおける表示領域のサイズが文書表示制御部30、70にて表示装置111に表示された文書表示用のウィンドウの数ページ分にあたる場合、適当な行数ごとにコマンドボタン302を表示しても良い。
【0039】
また、上記の実施の形態では、セクションが展開されていること及びその範囲を示す表示として、セクション領域表示線303を表示することとしたが、展開されているセクションの表示領域において、バックグラウンドの色を変える等の手段により、当該セクションが展開されていることを明示的に表すことも可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、文書作成用アプリケーションソフトウェアにおいて、テキスト編集の作業における操作性の向上を図ることができる。また、本発明によれば、テキスト編集の作業における操作性の向上を図るためのツールを備えた文書作成用アプリケーションソフトウェアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態による文書作成用アプリケーションソフトウェアを実行するのに好適なコンピュータ装置のハードウェア構成の例を模式的に示した図である。
【図2】 図1に示したコンピュータ装置にて実現される本実施の形態によるテキスト編集システムのソフトウェア構成を示す図である。
【図3】 本実施の形態における文書表示制御部の制御により、表示装置に表示されたウィンドウに所定の文書を表示した状態を示す図である。
【図4】 図3に示した文書におけるセクションS1の表示領域を縮小した状態を示す図である。
【図5】 本実施の形態におけるセクションナビゲータ画面の例を示す図である。
【図6】 本実施の形態におけるセクション制御テーブルの構成例を示す図である。
【図7】 本実施の形態において、表示装置に表示された文書における所定のセクションの表示領域を縮小する場合の動作手順を説明するフローチャートである。
【図8】 ロータスノーツのテキスト編集画面を模式的に示した図である。
【符号の説明】
10…文書データ制御部、20…イベント制御部、30、70…文書表示制御部、31…セクション制御テーブル管理部、40…セクション制御テーブル、50…セクションナビゲータ画面表示制御部、60…オペレーティングシステム(OS)、71、81…インターフェイス、80…機能拡張部、101…CPU、102…M/Bチップセット、103…メインメモリ、105…ハードディスク、106…ネットワークインターフェイス、110…キーボード/マウス

Claims (9)

  1. メモリから読み出した編集対象の文書データへの編集処理を制御する文書データ制御部と、
    前記文書データ制御部にて読み出された前記文書データに基づいて所定の表示装置に文書を表示する文書表示制御部とを備え、
    前記文書表示制御部は、
    前記文書データを構成するセクションごとに文書の表示領域を制御し、当該表示領域のサイズに応じて、当該セクションの文書の一部または全部を表示し、かつ個々のセクションの表示領域の上端および下端に当該セクションの範囲を明示的に示す境界線を表示し、
    前記セクションの上端または下端に表示される境界線を移動することにより当該セクションの表示領域のサイズを変更する操作を受け付けて、当該セクションの上または下に位置する文書を移動すると共に、当該文書の移動によりサイズの変更された前記表示領域に、表示可能な行数の当該セクションの文書を表示することを特徴とするテキスト編集装置。
  2. 前記文書表示制御部は、所定のセクションの前記表示領域に当該セクションの文書の一部が表示されている場合、当該表示領域には表示されていない部分があることを明示的に示す表示を行うことを特徴とする請求項1に記載のテキスト編集装置。
  3. 前記文書表示制御部は、展開されて表示されているセクションの表示領域における任意の位置に、当該セクションの表示を省略するコマンドを入力するためのコマンドボタンを表示することを特徴とする請求項1に記載のテキスト編集装置。
  4. 前記文書データ制御部にて読み出された前記文書データの構造を視覚化するセクションナビゲータ画面を生成し、前記表示装置に表示するセクションナビゲータ画面表示制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のテキスト編集装置。
  5. 前記文書表示制御部は、前記セクションナビゲータ画面表示制御部にて生成された前記セクションナビゲータ画面に対して行われた操作に基づいて、表示されている文書における操作に対応するセクションの表示状態を変更することを特徴とする請求項4に記載のテキスト編集装置。
  6. コンピュータを制御して、所定の機能を実現させるプログラムにおいて、
    メモリから編集対象の文書データを読み出し、当該文書データへの編集操作を受け付けて編集処理を行う文書データ制御手段と、
    前記メモリから読み出された前記文書データに基づいて所定の表示装置に文書を表示すると共に、前記文書データを構成するセクションごとに文書の表示領域を制御し、かつ個々のセクションの表示領域の上端および下端に当該セクションの範囲を明示的に示す境界線を表示し、当該セクションの上端または下端に表示される境界線を移動することにより当該セクションの表示領域のサイズを変更する操作を受け付けて、当該セクションの上または下に位置する文書を移動すると共に、当該文書の移動によりサイズの変更された前記表示領域に、表示可能な行数の当該セクションの文書を表示する文書表示制御手段として
    前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  7. 前記プログラムにて実現される前記文書表示制御手段としての機能は、展開されて表示されているセクションの表示領域における任意の位置に、当該セクションの表示を省略するコマンドを入力するためのコマンドボタンを表示することを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
  8. 前記メモリから読み出された前記文書データの構造を、セクションをノードとするツリー構造にて視覚化するセクションナビゲータ画面を生成し、前記表示装置に表示するセクションナビゲータ画面表示制御手段として、前記コンピュータをさらに機能させることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
  9. コンピュータを用いて所定の表示装置に文書を表示する表示制御方法において、
    前記表示装置に表示されている文書に対して行われる、当該文書を構成するセクションの上端または下端に表示される当該セクションの範囲を示す境界線を移動することにより 当該セクションの表示領域のサイズを変更する操作を受け付け、
    前記操作に応じて前記セクションの上または下に位置する文書を移動すると共に、当該文書の移動によりサイズの変更された前記表示領域に、表示可能な行数の当該セクションの文書を表示することを特徴とする表示制御方法。
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