JP3945060B2 - 紡糸巻取機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラバースされる糸をコンタクトローラにてガイドして、糸をボビンにパッケージとして巻取る紡糸巻取機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の紡糸巻取機としては、タレット式など種々のタイプのものが知られている。このタレット式の紡糸巻取機は、給糸側からの糸をトラバース装置にてトラバースさせ、2本のボビンホルダをタレットの回転操作により巻取位置と待機位置とに切り換え、該巻取位置にあるボビンホルダのボビンにコンタクトローラを接触回転させることで、トラバースされる糸をボビンにパッケージとして巻取るものである。又、紡糸巻取機では、コンタクトローラを昇降ボックスに支持し、該昇降ボックスを接圧シリンダによって昇降することで、ボビン(パッケージ)に対するコンタクトローラの接圧力を調整する構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の紡糸巻取機では、パッケージの巻幅両端に耳高現象が発生するという問題があった。この耳高現象は、パッケージの品質を低下させ、良好なパッケージ製品とすることができない。
【0004】
耳高現象を解消するものとしては、トラバース幅を周期的に変えるクリーピングが知られている。このクリーピングを実現する手段としては、紡糸巻取機以外の巻取機に種々の手段が採用されているが、紡糸巻取機に適した手段はないというのが現状である。
【0005】
本発明の紡糸巻取機は、耳高現象の発生を防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の紡糸巻取機は、巻取中に、パッケージとコンタクトローラとを接触および離間させ、かつ、ボビンに巻取られるパッケージとコンタクトローラとの接触位置から、コンタクトローラをパッケージに対して離間させる距離を制御する離間手段を設けてなるものである。
コンタクトローラは、パッケージとの接触位置から離間される距離が制御されるので、パッケージ径に関係なく、任意量又は一定量を持って離間できる。
コントローラの離間距離を制御することで、パッケージ径に関係なく、該コンタクトローラより糸が離れる接触終点からボビン(パッケージ)に糸が導入される巻取接点までのフリーレングスも任意量又は一定量の別に制御可能となる。
又、巻取中にパッケージとコンタクトローラを接触させたり離したりすることを繰り返すことで、巻取中にフリーレングスが変化し、トラバース幅が変更されるため、耳高が防止される。
【0007】
離間手段としては、コンタクトローラを支持する昇降ボックスに設けられて接触位置を検出する検出手段と、検出手段で検出された接触位置から昇降ボックスを任意量上昇させる昇降手段とを備えてなるもの、又コンタクトローラを支持する昇降ボックスに昇降自在に支持されたガイド手段と、ガイド手段を把持固定する把持手段と、ガイド手段を昇降ボックスに対して保持するガイド保持手段と、昇降ボックスを昇降させる昇降手段と、昇降ボックスの上昇量を規定する上昇規定手段とを備えてなるものを採用する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の紡糸巻取機について説明する。
本発明の紡糸巻取機は、糸巻取中に、コンタクトローラとボビンとを接触および離間させることを繰り返すことで、ボビンに巻取られる糸の耳高現象を防止する。
又、紡糸巻取機は、ボビンに巻取られるパッケージ径(糸の巻径)に関係なく、コンタクトローラをボビンに対して離間させる距離を制御し、もってフリーレングス(自由長)を制御可能となす離間手段を設けたものである。これにより、耳高が適正に防止され、パッケージ形状が良好になる。
【0009】
以下、本発明の実施形態における紡糸巻取機について、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
図1〜図3において、紡糸巻取機1は、機体フレーム2にタレット3、昇降ボックス4および離間装置5(離間手段)とを備え、制御手段(CPU6)によってシステム全体が制御される。この機体フレーム2には、該前壁2a下端から前方に突出する台座ブラケット7が一体形成され、又前壁2a上端から台座ブラケット板7に対峙する支持ブラケット8が取付けられている。
【0011】
タレット3は、機体フレーム2に回転自在に軸支されて、タレット板9(円板)とタレット軸10とを連続して形成してなる。このタレット板9は各ブラケット7、8前方に配置されており、2本のボビンホルダ11、12を機体フレーム2反対側に突出させて回転可能に軸支している。各ボビンホルダ11、12には2本のスピンドル13、14のそれぞれによって機体フレーム2内の各駆動用モータ15、16に連結されており、各駆動用モータ15、16は制御手段のCPU6によって駆動制御される。これら各ボビンホルダ11、12はタレット板9周回りの巻取位置P1又は待機位置P2のそれぞれに位置されており、各ボビンホルダ11、12には糸Yをパッケージとして巻取る複数個(例えば6個)のボビンBが装着される。又タレット軸10は機体フレーム2の中心軸aと同心として各スピンドル13、14間に配置され、該各スピンドル13、14と平行して機体フレーム2内に延びている。このタレット軸10は機体フレーム2(前壁2a)に取付けた軸受29で軸支されており、一対のプーリ17およびベルト18にて切換用モータ19に連結されている。この切換用モータ19はCPU6によって駆動制御される。
これで、タレット3は切換用モータ19の駆動によって回転されて、各ボビンホルダ11、12を巻取位置P1から待機位置P2に、又待機位置P2から巻取位置P1に切り換える。又各ボビンホルダ11、12は、巻取位置P1において各駆動用モータ14、15の駆動によって各ボビンBを回転させる。
【0012】
昇降ボックス4は、巻取位置P1の各ボビンB上側で昇降自在として機体フレーム2に設けられ、コンタクトローラ20とトラバース装置21とを支持している。このコンタクトローラ20は昇降ボックス4内の補助駆動用モータ30に連結されており、該補助駆動用モータ30はCPU6によって駆動制御される。又トラバース装置21にはトラバースガイド21Aが設けられ、該トラバースガイド21Aが給糸側からの糸Yをガイドしてトラバース範囲をストローク(往復動)することで、糸Yを巻取位置P1にある各ボビンBに向けてトラバースさせる〔図3参照〕。
【0013】
この昇降ボックス4は、2本のガイド支柱22でガイドされつつ、1つの接圧シリンダ23によって昇降される。各ガイド支柱22は昇降ボックス4を貫通して各ブラケット7、8間で延びており、機体フレーム2の幅両側の各スピンドル13、14(タレット軸10)と干渉(接触)しない位置に配置されている。又接圧シリンダ23はタレット板9とガイド支柱22間で昇降ボックス4下端に取付けられ、機体フレーム2の幅両側の各スピンドル13、14(タレット軸10)と干渉(接触)しない位置に配置されている。接圧シリンダ23のロッド先端は台座ブラケット7に固定されており、該ロッドはエアの給排によって進退される。
これで、昇降ボックス4は、自重と接圧シリンダ23に導入される流体圧とのバランスよってコンタクトローラ20を巻取位置P1にある各ボビンB(ボビンホルダ)に所定の圧力で圧接させる。そして、各モータ30、15によってコンタクトローラ20と巻取位置P1のボビンホルダ11とを同回転数で同期させることで、トラバースガイド21Aによってトラバースされる糸Yをコンタクトローラ20外周でガイドしつつ各ボビンBに導入する。
【0014】
離間装置5は、糸巻取中に、コンタクトローラ20を各ボビンBから離間させる距離を制御するもので、ボールネジ付き駆動用モータ24、スライダー25およびスライダーヘッド26からなる昇降手段31を備えている。
駆動用モータ24は、各ガイド支柱22と機体フレーム2との間に位置して台座ブラケット7上に取付けられており、該ボールネジ27が支持ブラケット8まで延びている。駆動用モータ24は機体フレーム2の幅両側の各スピンドル13、14(タレット軸10)と干渉(接触)しない位置に配置され、CPU6によって駆動制御される。又、スライダー25は駆動用モータ24のボールネジ27に螺着されており、ガイド支柱22側に突出している。又、スライダーヘッド26は昇降ボックス4の幅一方側に支持されて、スライダー25上側で重なるようにボールネジ27側に突出している。
又離間装置5には、コンタクトローラ20の接触位置P3を検出する検出センサー28(検出手段)を備え、該検出センサー28はスライダーヘッド26に取付けられて、スライダー25に向けて検出光を照射して反射される光(反射光)を検出して、制御手段のCPU6に出力する。
尚、紡糸巻取機1においては、機体フレーム2内の後側で各モータ15、16、19上に設置される接圧シリンダ23、ガイド支柱22にてコンタクトローラ20を昇降させるタイプのものがあり、この場合には、これら接圧シリンダ23、ガイド支柱22に並べて離間装置5を配置する。
【0015】
制御手段のCPU6は、各ボビンホルダ11、12およびコンタクトローラ20の回転数から各駆動用モータ15、16や補助駆動用モータ30の駆動を制御する。又CPU6は検出センサー28の検出結果に基づいて、離間装置5の駆動用モータ24の駆動をも制御する。このCPU6による制御は、予め入力された巻取プログラムに従って一定周期ごと、又は非周期(ランダム)ごとにクリーピングを実行するもので、該クリーピングは駆動用モータ24を駆動してスライダー25をスライダーヘッド26に向けて上昇させる。そして、CPU6はスライダー25がスライダーヘッド26に当接することで、検出センサー28の出力する反射光の感度が最も大きくなると、その地点を巻取位置P1の各ボビンB(パッケージ)とコンタクトローラ20との接触位置P3と判断して、該接触位置P3からスライダー25を任意量上昇させる。これで、コンタクトローラ20は、昇降ボックス4の上昇に伴って接触位置P3から任意量だけ上昇され、各ボビンB(パッケージ)に対して離間される。
【0016】
次に、本発明の紡糸巻取機1による糸の巻取手順を説明する。
糸をパッケージとして巻取るには、まず、オペレータが紡糸巻取機1を操作することで、CPU6によるプログラムを実行させる。これによって、紡糸巻取機1の各モータ15、30、接圧シリンダ23およびトラバース装置21が作動される。次いで、オペレータが作動した紡糸巻取機1に糸掛けを行う。糸Yの巻取りはトラバース装置21のトラバースガイド21Aによってトラバースされる糸Yをコンタクトローラ20外周にてガイドし、接圧シリンダ23によってコンタクトローラ20を巻取位置P1の各ボビンBに所定の圧力で圧接する。そして、制御手段のCPU6によって各モータ15、30を駆動制御することで、コンタクトローラ20と巻取位置P1の各ボビンB(ボビンホルダ11)とを同回転数に同期させて、糸Yを各ボビンBにパッケージとして巻取って行く。
この状態では、コンタクトローラ20と各ボビンB(パッケージ)とが接触しており、該コンタクトローラ20より糸Yが離れる接触終点bから各ボビンBに糸Yが導入される巻取接点cまでのフリーレングスL(自由長L)はL0 =0となる〔図4(a)参照〕。
又、各ボビンBに巻取られる糸Yは、図5に示す如くトラバースガイド21Aのトラバース速度と各ボビンB(ボビンホルダ11)の周速で決まる綾角θにて巻取られていき、トラバースガイド21Aがトラバース幅端(ストローク端)に達すると、糸道YAをとり、トラバースガイド21Aのトラバース折り返し点での減速による遅れによって糸道YBに変位する。そして、フリーレングスLがL0=0のときは、各ボビンBに巻取られるパッケージに対する糸巻幅Wが最大幅W0となる。
【0017】
この糸巻幅W0による一定巻取りの後、CPU6はプログラムに従ってクリーピングを実行する。即ち、CPU6は駆動用モータ24を駆動させることで、コンタクトローラ20を各ボビンBのパッケージから離間させて、トラバース幅を変化させる。これは、検出センサー28にてコンタクトローラ20と各ボビンBのパッケージとの接触位置P3を検出し、該接触位置P3からコンタクトローラ20を、例えばl1、l2(l1<l2)などの任意量上昇させることで、各l1、l2に対応するフリーレングスL1、L2(L1<L2)に制御する〔図4(b)および(c)参照〕。
このフリーレングスLを制御すると、図5に示す如くトラバースガイド21Aのトラバース折り返し点で糸道がYAからYBに変位することから、フリーレングスLの短い状態L1では糸巻幅WがW0からW1に狭まり、又フリーレングスLの長い状態L2では糸巻幅WがW0からW2(W1>W2)に更に狭まることになる。尚、CUP6はコンタクトローラ20を離間させた後に、該補助駆動用モータ30や駆動用モータ15の駆動を制御することで、糸Yが適切に各ボビンBに巻取られるようにする。
【0018】
続いて、糸巻幅の狭められたW1又はW2によって、糸Yを各ボビンBにパッケージとして巻取ることで、該各ボビンBのパッケージの巻幅両側に耳高現象が発生するのを防止する。そして、糸巻幅W1又はW2による所定巻取りの後、スライダー25を下降させるとともに、昇降ボックス4の自重と接圧シリンダ23によってコンタクトローラ20を各ボビンBのパッケージに接圧させることで、フリーレングスLをL0=0として糸巻幅WをW0にする。
【0019】
このように、離間装置5によってコンタクトローラ20をボビンB(パッケージ)から離間し、又接圧シリンダ23にてコンタクトローラ20をボビンBに接触させることを繰り返すことで、耳高現象の発生を防止しつつパッケージに巻取って行くものである。尚、コンタクトローラ20を離間させる時間は、コンタクトローラ20をボビンB(パッケージ)に接触させる時間より短くすることが好ましい。
【0020】
又、各ボビンBに対する糸Yの巻取りが開始されると、巻取経過に伴ってパッケージも巻き太りし、該パッケージ径が小径から大径に変化する。
この状態で、離間装置5は、パッケージ径(糸の巻径)に関係なく、該ボビンBに巻取られるパッケージとコンタクトローラ20との接触位置P3を検出し、該接触位置P3から駆動用モータ24を駆動させてスライダー25によってコンタクトローラ20(昇降ボックス4)を任意量上昇させる。これによって、コンタクトローラ20は、図6(a)に示す如くパッケージ径が小径のとき、又は図6(b)に示す如くパッケージ径が大径のときなどのパッケージ径に関係なく、パッケージに対して任意量上昇できる。
ところで、本発明の離間装置5を設けることなく、糸巻取中に、接圧シリンダ23によってコンタクトローラ20をボビンB(パッケージ)から上昇(離間)させて、図7(a)および(b)の如くフリーレングスを変化させることで、トラバース幅を変える(クリーピング)ことが考えられる。しかしながら、接圧シリンダ23によってコンタクトローラ20の上昇量を制御することは、一般的に困難であり、コンタクトローラ20を接圧シリンダ23のストロークSを持って上昇させるだけのものとなる。したがって、糸巻取中に、巻き太りするパッケージからコンタクトローラ20を上昇(離間)させる上昇量が、該パッケージ径によって異なることになる。即ち、図7(a)に示す如くパッケージ径が小径のときはコンタクトローラ20を上昇させる距離lが長く、フリーレングスLも長くなり、又、図7(b)に示す如くパッケージ径が大径のときはコンタクトローラ20を上昇させる距離lが短く、フリーレングスLも短くなる。このようにフリーレングスLが一定しないと、パッケージを適正な形状に巻取れず、糸の解舒時に悪影響を及ぼすことになる。
したがって、本発明の如く離間装置5を設けて、該離間装置5によってパッケージ径に関係なく、コンタクトローラ20の上昇量を制御することで、フリーレングスを任意量に制御可能となすことが重要であり〔図6(a)および(b)参照〕、特にパッケージ径が小径、大径のいずれのときでも、コンタクトローラ20の上昇量を制御することで、各々のフリーレングスLを一定量にして、トラバース幅を一定変化できる。
【0021】
本発明の紡糸巻取機1では、図1〜図3の離間装置5の他に、図8の示す離間装置35を採用することができる。
図8に示す離間装置35は、プランジャー36(ガイド手段)、ストッパ37(上昇量規定手段)、グリッパ38およびチャッカー42(把持手段)を備え、接圧シリンダ23を昇降手段として兼用したものである。
プランジャー36は、昇降ボックス4の幅一方側から機体フレーム2側に突出する支持ヘッド40を摺動自在に貫通して台座ブラケット7まで延びている。このプランジャー36は、該鍔板36aと台座ブラケット7側の支持ヘッド40間に介装される付勢バネ41にて昇降ボックス4に、通常はこれと一体的に移動するように保持されている。そして、これら鍔板36a、支持ヘッド40および付勢バネ41にてプランジャー36を昇降ボックス4に保持するガイド保持手段を構成している。又、ストッパ37は、プランジャー36の支持ブラケット8側に突出するネジ39に螺着されており、ネジ39に対する回動によってコンタクトローラ20との距離が調整自在にされている。又グリッパ38は、プランジャー36の台座ブラケット7側に嵌め込まれており、チャッカー42(把持手段)にて把持される。このチャッカー42は制御手段のCPU6によって作動制御される。尚、離間装置35を構成する各部材36〜38などは、タレット板9と機体フレーム2の前壁2aの間に位置し、且つ機体フレーム2の両幅側の各スピンドル14、15(タレット軸10)と干渉(接触)しない位置に配置する。尚、紡糸巻取機1においては、機体フレーム2内の後側で各モータ15、16、19上に設置される接圧シリンダ23、ガイド支柱22にてコンタクトローラ20を昇降させるタイプのものがあり、この場合には、これら接圧シリンダ23、ガイド支柱22に並べて離間装置35を配置する。
【0022】
この離間装置35では、コンタクトローラ20と各ボビンBに巻取られるパッケージとの接触位置P3で、チャッカー42にてグリッパ38を把持することで、プランジャー36が固定され、昇降ボックス4がプランジャー36にガイドされつつ移動可能になる。そして、チャッカー42がプランジャー36を把持した時点から、接圧シリンダ23によって昇降ボックス4をガイド支柱22、プランジャー36でガイドしつつストッパ37に当接するまで上昇することで、コンタクトローラ20を各ボビンBに巻取られるパッケージから上昇させる。又、ストッパ37をプランジャー36に対して回動して、コンタクトローラ20との距離を調整することで、該コンタクトローラ20を任意量上昇できることになる。尚、チャッカー42によるグリッパー38の把持を解除すると、プランジャー36及びストッパ37は昇降ボックス4とともに昇降されるものである。
【0023】
このように、離間装置35においても、接触位置P3からコンタクトローラ20を任意量上昇させることができるので、図1〜図3と同様な効果を得ることが可能となる。
【0024】
尚、本発明の紡糸巻取機1では、コンタクトローラ20および各ボビンホルダ11、12とを各モータ14、15、30の駆動によって回転させる方式のものを示したが、各ボビンボルダ11、12のみをモータの駆動によって回転させる方式やコンタクトローラ20のみをモータの駆動によって回転させる方式を採用できる。又、トラバース装置21としてはトラバースガイド21Aを往復動させるものを示したが、羽根トラバースとしても良い。この羽根トラバースでは、トラバース幅を変化させることが困難であり、本発明の離間装置5、35によれば効果的に耳高現象を防止できる。
【0025】
【発明の効果】
本発明の紡糸巻取機は、コントローラのパッケージに対する離間距離を制御できるため、パッケージ径に関係なく、該コンタクトローラより糸が離れる接触終点からボビン(パッケージ)に糸が導入される巻取接点までのフリーレングスが制御可能となる。
この結果、糸巻取中に、ボビンに巻取られるパッケージの巻幅両側に耳高現象が発生することを防止して、良好なパッケージ製品にできる。
【0026】
又、離間手段としては、コンタクトローラを支持する昇降ボックスに設けられて接触位置を検出する検出手段と、検出手段で検出された接触位置から昇降ボックスを任意量上昇させる昇降手段とを備えてなるもの、又コンタクトローラを支持する昇降ボックスに昇降自在に支持されたガイド手段と、ガイド手段を把持固定する把持手段と、ガイド手段を昇降ボックスに対して保持するガイド保持手段と、昇降ボックスを昇降させる昇降手段と、昇降ボックスの上昇量を規定する上昇規定手段とを備えてなるものを採用するので、簡単な構造でコンタクトローラをパッケージに対して離間させる距離を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態の紡糸巻取機を示す断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のC−C断面図である。
【図4】紡糸巻取機による糸の巻取手順を示す模式図である。
【図5】紡糸巻取機にてフリーレングスを制御すれは糸巻幅が狭まる原理を説明する模式図である。
【図6】紡糸巻取機による糸の巻取手順を示す模式図である。
【図7】紡糸巻取機で離間手段無しの場合の離間距離とフリーレングスとの関係を説明する模式図である。
【図8】本発明の別の実施形態の紡糸巻取機を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 紡糸巻取機
5 離間手段
20 コンタクトローラ
28 検出センサー
37 ストッパ
B ボビン
Y 糸
Claims (3)
- トラバースされる糸をコンタクトローラにてガイドし、コンタクトローラとボビンとを接触回転させて、糸をボビンにパッケージとして巻取る紡糸巻取機において、
糸巻取中に、パッケージとコンタクトローラとを接触および離間させ、かつ
ボビンに巻取られるパッケージと、コンタクトローラとの接触位置から、該コンタクトローラをパッケージから離間させる距離を制御する離間手段を設けてなる紡糸巻取機。 - 前記離間手段は、前記コンタクトローラを支持する昇降ボックスに設けられ、前記接触位置を検出する検出手段と、該検出手段で検出された接触位置から前記昇降ボックスを任意量上昇させる昇降手段とを、備えてなる請求項1に記載の紡糸巻取機。
- 前記離間手段は、前記コンタクトローラを支持する昇降ボックスに昇降自在に支持されたガイド手段と、該ガイド手段を把持固定する把持手段と、前記ガイド手段を前記昇降ボックスに対して保持するガイド保持手段と、前記昇降ボックスを昇降させる昇降手段と、前記昇降ボックスの上昇量を規定する上昇規定手段とを、備えてなる請求項1に記載の紡糸巻取機。
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