JP3943707B2 - 樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジシクロペンタジエンを主成分とする成形材料の反応性射出成形〔RIM(Reaction injection moulding)〕に際し、ジシクロペンタジエン成形品の表面を、その成形型内で被覆剤により被覆する、ジシクロペンタジエン成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジシクロペンタジエンは、石油のC5留分に含まれる化合物であり、RIM成形法により、容易に大型成形品が比較的安価な金型や低圧プレスで成形することが出来る。
ジシクロペンタジエンを主成分とするRIM成形法においては、ジシクロペンタジエン及び触媒からなる成分と、ジシクロペンタジエン及び活性化剤からなる成分とを型内注入直前に、主に衝突混合させ、型内に注入し、反応硬化させて成形する。しかしながら、現在のRIMによる成形品の表面状態は、通常の射出成形と比較して良好な表面状態が得難く、表面にピンホールが非常に出来やすい。また、出来たピンホールも肉眼では検出しにくく、全面を拡大鏡で検査しなければならず、莫大な検査費用と時間を要するばかりか、検査漏れの確率も高い。従って、塗装したり、メッキ加工を施して、はじめてピンホール欠陥が現れるため、通常の塗装工程に加え、欠陥部の塗膜研磨→パテ埋め→パテ硬化→パテ研磨→補修塗装の工程が必要となり、著しい生産性の低下と、コストアップとなっている。
【0003】
また、メッキ加工品では、メッキ面の修正は不可能であり、廃棄せざるを得ない。
更に、ジシクロペンタジエン成形品の特性として、成形直後の表面には、水酸基やカルボキシル基、カルボニル基といった官能基がないため、塗料との付着性に劣っており、数日間空気中に曝した後塗装している。ところが、塗装せずに数ヶ月経過した成形品を塗装しようとする場合、再び塗料との付着性が低下するといった性質により、塗装管理上も非常に難しい成形材料である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、生産性の良くかつ塗膜の付着性に優れた、ジシクロペンタジエン成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を達成するため、鋭意検討した結果、ジシクロペンタジエンを主成分とする成形材料を、可動型と固定型とで形成されたキャビティ内に、反応性射出成形法(RIM成形法)により、成形し、同一金型内にて、得られた成形品と金型内壁との間に、被覆剤を注入し、該被覆剤が硬化した後、被覆された成形品を金型から取り出すに際して、被覆剤として、以下の成分:
を含有する被覆剤を使用することにより、上記課題が達成できることを見出し、本発明に到達したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用する、ジシクロペンタジエンを主成分とする成形材料としては、石油のC5留分であるジシクロペンタジエンと、触媒である、例えばタングステン化合物とをA液とし、ジシクロペンタジエンと、触媒活性化剤である、例えば、有機アルミニウム化合物とをB液とする、2液型成形材料が代表的なものとして挙げられる。市販品としては「METTON」(Hercules社製)等がある。
本発明で使用される被覆剤におけるA成分としては、具体的には、エポキシアクリレートオリゴマーや、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ポリエーテルアクリレートオリゴマー、不飽和ポリエステル樹脂、又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0007】
エポキシアクリレートオリゴマーは、エポキシ化合物と不飽和カルボン酸とをエポキシ基1当量当たり、カルボキシル基当量0.5〜1.5となるような割合で、通常のエポキシ基への酸の開環付加反応によって製造される。ここで、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸や、メタクリル酸が代表的なものとして挙げられる。
ウレタンアクリレートオリゴマーは、ジイソシアネート化合物、ジオール化合物及びヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを、一括混合して反応させることによって得ることができる。他の方法として、ジオール化合物とジイソシアネート化合物とを反応させて、1分子当たり1個以上のイソシアネート基を含むウレタンイソシアネート中間体を形成し、次いで、この中間体とヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート基とを反応させる方法、ジイソシアネート化合物とヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとを反応させて、1分子当たり1個以上のイソシアネート基を含むウレタン(メタ)アクリレート中間体を形成し、次いで、この中間体とジオール化合物とを反応させる方法等が挙げられる。ここで、ジイソシアネート化合物としては、各種公知のものを用いることができ、具体的には、トルエンジイソシアネートや、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、1,2−ジイソシアナトエタン、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の有機ジイソシアネートを挙げることができる。これらジイソシアネート化合物は、単独又は混合物として用いても良い。また、ジオール化合物としては、エチレングリコールや、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルキレンジオールや、ジカルボン酸又はその無水物のジエステル反応生成物であるジエステルジオール等が代表的なものとして挙げられる。更に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、一般式:
CH2=CRCO2−(CnH2n)−OH
(但し、Rは−H又は−CH3であり、nは2〜8の正数である)で示される化合物が有用である。
【0008】
ポリエステルアクリレートオリゴマーは、例えば、水酸基を末端に有するポリエステルポリオールと、前述の不飽和カルボン酸との反応によって製造することができる。
ポリエーテルアクリレートオリゴマーは、例えば、ポリエチレングリコールや、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオールと、前述の不飽和カルボン酸との反応によって製造することができる。
不飽和ポリエステル樹脂は、例えば、マレイン酸やフマル酸などの不飽和二塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパンなどの多価アルコールとの縮合反応によって製造することができる。
本発明で使用するエチレン性不飽和モノマー(B成分)としては、例えば、スチレンや、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、メチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、シリコーンアクリレート、シリコーンジアクリレート等が代表的なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0009】
エチレン性不飽和モノマーの配合量は、A成分100重量部に対し、20〜200重量部、好ましくは40〜160重量部が適当であり、この範囲で適度な硬化特性と粘性とを有する被覆剤が得られる。
本発明で使用する有機過酸化物重合開始剤(C成分)は、前記ビヒクル成分(A成分)及び(B成分)を重合させるために使用する。有機過酸化物重合開始剤は、1分間半減期温度が90℃〜135℃である必要があり、このような有機過酸化物としては、例えば、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートや、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ラウロイルパーオキサイド、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等が代表的なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
有機過酸化物重合開始剤の1分間半減期温度が135℃よりも高くなると、ジシクロペンタジエンは通常65〜95℃の金型温度で成形されるため、被覆剤の硬化時間が著しく長くなり、場合によっては全く硬化しないことになる。また、1分間半減期温度が90℃よりも低くなると、被覆剤のポットライフが著しく短くなり、被覆剤注入装置内でゲル化し、被覆剤の注入作業ができなくなり好ましくない。
有機過酸化物重合開始剤の配合量は、A成分100重量部に対し、0.1〜15重量部、好ましくは1〜8重量部が適当である。
本発明で使用する促進剤(D成分)は、有機過酸化物重合開始剤の速やかな活性化をさせるために使用する。促進剤としては、ナフテン酸コバルトや、オクチル酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉛、あるいはこれらの混合物が代表的なものとして挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0011】
促進剤の配合量は、A成分100重量部に対し、0.01〜20重量部、好ましくは0.04〜10重量部が適当である。
本発明で使用する離型剤(E成分)は、融点が125℃以下の離型剤が使用される。このような離型剤としては、例えば、ステアリン酸や、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、大豆油レシチン、シリコーン油、脂肪酸エステル、脂肪酸アルコール二塩基酸エステル類が代表的なものとして挙げられる。
離型剤の融点が125℃より高い温度であると、ジシクロペンタジエンの成形温度は通常65〜95℃であり、ジシクロペンタジエンの反応熱による成形品表面温度の上昇を考慮しても、離型剤が十分に溶融せず、本来の離型効果が得られにくい。なお、離型剤は、常温で液状のものであってもよい。
【0012】
離型剤の配合量は、A成分100重量部に対し、0.1〜15重量部、好ましくは0.3〜5重量部が適当で、この範囲で離型効果が発揮される。
本発明の被覆剤は、以上説明したA〜E成分を必須成分として含むものからなるが、その他必要に応じて、重合禁止剤や、紫外線吸収剤、光安定剤、着色顔料、体質顔料、導電性顔料、改質樹脂、表面調整剤等を配合することができる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノンや、ベンゾキノン、パラターシャリブチルカテコール等が挙げられる。
紫外線吸収剤及び光安定剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や、トリアジン系紫外線吸収剤が代表的なものとして挙げられる。
着色顔料としては、例えば酸化チタンや、酸化鉄、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カーボンブラック等が挙げられる。
【0013】
体質顔料としては、炭酸カルシウムや、タルク、シリカ、クレー、マイカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム等が代表的なものとして挙げられる。
導電性顔料としては、例えば、導電性カーボンブラックや、グラファイト等が挙げられる。
改質樹脂は、A成分と相溶性のよいことが必要であるが、ポリメチルメタクリレートや、ポリ酢酸ビニル、飽和ポリエステル、塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。
【0014】
以下、本発明のジシクロペンタジエン成形品の製造方法を実施するためのRIM成形機を、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1において、符号1及び2はそれぞれ互いに対向する成形用型部材である。
型部材1(固定型)及び2(可動型)はそれぞれ型締め装置の固定盤及び可動盤に固定されており、可動盤には型締めシリンダによって進退動作される構成になっている。図1では、型締め装置の固定盤、可動盤及び型締めシリンダは省略してある。そして、両型部材1及び2により、所要形状のキャビティ3が形成されていて、この中にジシクロペンタジエンを主成分とする成形材料が充填され、硬化される。ジシクロペンタジエンを主原料とする成形材料を充填する場合、ジシクロペンタジエン及び触媒からなるA液と、ジシクロペンタジエン及び活性化剤からなるB液を主成分とする原料は、それぞれ貯蔵タンク4及び5で温度調節された後、計量シリンダ6及び7で油圧シリンダ10及び11により、50〜200バールに昇圧され、ミキシングヘッド13中の対向したノズルから噴出し、互いに衝突することで混合される。
【0015】
一方、図1の態様では、被覆剤の注入手段として、シャットオフピン14Aを備えたインジェクタ14、上記インジェクタ14に所定量の被覆剤を供給する被覆剤計量シリンダ15及び被覆剤をその貯蔵部16から上記計量シリンダ15に供給するための供給ポンプ17が装備されている。なお、上記計量シリンダ15には被覆剤注入用のプランジャーレギュレータ15Aが備えられている。
成形に際しては、先ず、型締めシリンダを動作して、金型(成形用型部材1及び2)を閉じ、型締め圧を付加する。この型締め圧は、通常5〜10Kgf/cm2 である。次いで、ミキシングヘッド13からジシクロペンタジエンを主原料とした成形材料が、キャビティ3内に射出される。この過程で、供給ポンプ17が作動し、計量シリンダ15に必要な量の被覆剤を供給する。上記成形材料が、金型内で適正に(被覆剤の注入・流動圧力に耐える程度に)硬化した段階で、上記型締め圧をそのまま、又は低減する。次いで、インジェクタ14は、そのシャットオフピン14Aを動作し、その注入口を開放する。次いで、計量シリンダ15の被覆剤注入用のプランジャーレギュレータ15Aを動作し、キャビティ3、即ち型部材1の内壁と成形品表面との間に被覆剤を充填させる。
再びシャットオフピン14Aを閉じた後、必要に応じ、型締めシリンダを動作させ型締め操作を行い、型内で被覆剤を硬化させる。
次いで、型締めシリンダを動作させ、両型部材1及び2を離間し、被覆された成形品を金型から取り出す。
【0016】
【実施例】
以下、本発明について更に実施例等により詳細に説明する。
実施例1、比較例1
長さ400mm、幅200mm、高さ30mmの箱形状のジシクロペンタジエンを主原料とする樹脂成形品を得るためのキャビティを有する金型で、成形品に対する型内被覆を実施する場合に、上記金型温度を型部材1を95℃、型部材2を60℃に設定して、先ずジシクロペンタジエンを主原料とする成形材料〔「METTON」(Hercules社製)〕を、10Kgf/cm2の型締め圧力で型締めされた金型内に射出し、1分間硬化させた。
次いで、型締め圧力をそのままで、以下の表1に記載した各被覆剤を計量シリンダ15に、12cm3 計量した。そして、キャビティ3内に約3秒かけて注入した。注入完了後、型締め圧力を1秒かけて15Kgf/cm2まで加圧し、2分間保持した後両型部材1及び2を離間し、成形品を金型から取り出した。
得られた成形品の外観及び被覆剤の付着性評価結果を以下の表2に示す。
【0017】
【表1】
表1 (単位:重量部)
実施例1
被覆剤組成物 A B C D
ウレタンアクリレートオリゴマー(1) 100.0 − − −
ウレタンアクリレートオリゴマー(2) − 10.0 − −
エポキシアクリレートオリゴマー(1) − 90.0 − −
エポラックSD4000 − − 100.0 100.0
スチレン − 65.0 − −
1,6-ヘキサンジオールジアクリレート 65.0 − − −
8%オクチル酸コバルト 0.5 1.0 1.0 1.0
LOXIOL G60 1.0 1.5 1.5 1.5
飽和ポリエステル樹脂 − 10.0 − 40.0
酸化チタン 150.0 10.0 20.0 20.0
タルク − 90.0 45.0 45.0
ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル) 3.0 2.0 2.0 2.0
パーオキシジカーボネート
注)ウレタンアクリレートオリゴマー(1)
1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン 582重量部、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンのε−カプロラクトン付加物(平均分子量500) 500重量部、3−ヒドロキシプロピルアクリレート 533重量部から合成した、ウレタンアクリレートオリゴマー(アクリレート基の数2個)
ウレタンアクリレートオリゴマー(2)
ポリプロピレングリコール(平均分子量1000) 1000重量部、2,4−及び2,6−トルエンジイソシアネートの混合物 349重量部、ヒドロキシエチルアクリレート 233重量部から合成した、ウレタンアクリレートオリゴマー(アクリレート基の数2個)
エポキシアクレリートオリゴマー(1)
エピコート828(シェル化学社製)1000重量部、メタクリル酸 490重量部から合成した、エポキシアクリレートオリゴマー(アクリレート基の数2個)
エポラックSD4000
不飽和ポリエステル樹脂の40%スチレン溶液(日本触媒社製)
LOXIOL G60
脂肪族アルコール二塩基酸エステル、融点42〜46℃(ヘンケル社製)(離型剤)
ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート
1分間半減期温度 92℃
t−ブチルパーオキシベンゾエート
1分間半減期温度 169℃
(以下、同様)
【0018】
【表2】
表1(続き)
比較例1
被覆剤組成物 E F G
ウレタンアクリレートオリゴマー(1) 100.0 100.0 100.0
ウレタンアクリレートオリゴマー(2) − − −
エポキシアクリレートオリゴマー(1) − − −
エポラックSD4000 − − −
スチレン − − −
1,6-ヘキサンジオールジアクリレート 65.0 65.0 65.0
8%オクチル酸コバルト 0.5 − 0.5
LOXIOL G60 1.0 1.0 −
飽和ポリエステル樹脂 − − −
酸化チタン 150.0 150.0 150.0
タルク − − −
ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル) − 3.0 3.0
パーオキシジカーボネート
t- ブチルパーオキシベンゾエート 3.0 − −
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
実施例2
長さ400mm、幅200mm、高さ30mmの箱形状のジシクロペンタジエンを主原料とする樹脂成形品を得るためのキャビテイを有する金型で、成形品に対する型内被覆を実施する場合に、上記金型温度を型部材1を95℃、型部材2を70℃に設定して、先ず実施例1と同様のジシクロペンタジエンを主原料とする成形材料を、10Kgf/cm2 の型締め力で型締めされた金型内に射出し、1分間硬化させた。
【0021】
次いで、型締め圧力をそのままで、以下の表3に記載した各被覆剤を計量シリンダ15に、15cm3 計量した。そして、キャビティ3内に約3秒かけて注入した。注入完了後、型締め圧力を1秒かけて15Kgf/cm2 間で加圧し、2分間保持した後、両型部材1及び2を離型し、成形品を金型から取り出した。
【0022】
【表5】
表3 (単位:重量部)
実施例
被覆剤組成物 H I J
ウレタンアクリレートオリゴマー(1) 10.0 30.0 −
エポキシアクリレートオリゴマー(1) 90.0 70.0 100.0
スチレン 65.0 65.0 100.0
8%オクチル酸コバルト 1.0 − 1.5
Intelimer 6050 − 3.0 −
飽和ポリエステル樹脂 10.0 − 20.0
メチルメタクリレート樹脂 − 10.0 −
酸化チタン 10.0 10.0 10.0
炭酸カルシウム 100.0 100.0 150.0
タルク 10.0 10.0 −
LOXIOL G60 1.5 1.5 2.0
ビス(4-t−ブチルシクロヘキシル) 2.0 1.0 1.0
パーオキシジカーボネート
t−アミルパーオキシ2−エチル − 1.0 1.0
ヘキサノエート
注)Intelimer 6050
コバルト促進剤(LANDEC社製)
t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート
1分間半減期温度 127℃
次いで、以下のようにして、公知のメッキ方法により前記被覆成形品表面にメッキ層を形成した。
【0023】
第1段階として、前記被覆成形品表面を化学メッキ工程にて処理する。化学メッキ工程は、まずアルカリ脱脂法にて表面の不純物を除去し、水洗後、界面活性剤含有溶液にて脱脂する。次いで、クロム酸/硫酸混液からなるエッチング液によりエッチング処理し、被覆膜表面にアンカー状の微小孔をあける。次いで、水洗、酸洗、水洗処理にてクロム酸を除去する。次いで、キャタリスト処理、水洗、アクセレーター処理、水洗した後、塩化ニッケル/次亜リン酸ソーダ水溶液中で表面にニッケルを析出させ、導電性を付与し、最後に水洗処理する。
第2段階として、電気メッキ工程にて処理する。電気メッキ工程は、まず酸洗後、ストライクメッキ処理し、導電性を向上させ、次いで銅メッキ処理により鏡面光沢を得る。次いで半光沢ニッケルメッキ処理、光沢ニッケルメッキ処理、シールニッケルメッキ処理し、最後にクロムメッキ処理により仕上げ、メッキ層を形成せしめる。
得られたメッキ処理した成形品におけるメッキ層の光沢、平滑性、付着性の各試験を行い、その結果を表4に示した。
【0024】
【表6】
【0025】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、ジシクロペンタジエン成型品表面に、成形型内で生産性よく被覆剤により被覆出来、また得られた塗膜は、外観、付着性とも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法を実施するのに適するRIM成形機の構成を示す図。
【符号の説明】
1、2 型部材 3 キャビティー
4、5 ジシクロペンタジエン貯蔵タンク 6、7 計量シリンダ
8、9 ピストンストローク制御装置 10、11 油圧シリンダ
12 油圧ユニット 13 ミキシングヘッド
14 インジェクタ 14A シャットオフピン
15 計量シリンダ 15A プランジャーレギュレータ
16 被覆剤貯蔵部 17 被覆剤供給ポンプ
Claims (1)
- ジシクロペンタジエンを主成分とする成形材料を、可動型と固定型とで形成されたキャビティ内に、反応性射出成形法により、成形し、同一金型内にて、得られた成形品と金型内壁との間に、被覆剤を注入し、該被覆剤が硬化した後、被覆された成形品を金型から取り出す諸工程を含む、ジシクロペンタジエンを主成分とする樹脂成形品の製造方法において、該被覆剤が、
(A)少なくとも2個の(メタ)アクリレート基を有するオリゴマー、又は不飽和ポリエステル樹脂の少なくとも1種 100重量部
(B)エチレン性不飽和モノマー 20〜200重量部
(C)ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート
0.1〜15重量部
(D)有機過酸化物重合開始剤用の促進剤 0.01〜20重量部
(E)融点が125℃以下の離型剤 0.1〜15重量部
からなることを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
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