JP3943477B2 - 補強板接着工法における注入排気パイプ - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、コンクリート等の構築物の外側に鋼板等の補強板を配置固定してその周囲にシールを施し、両者の隙間へ接着剤を注入する際に使用する注入又は排気用のパイプに関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】
鋼板などの補強板を用いた補修方法としては、特公昭64-11763号公報等に開示されたものが公知となっている。
この工法は、コンクリート床版に対して鋼板補強を行うものであり、多数のボルト孔を穿設した鋼板をボルトを用いて床版に固定した後、鋼板の周囲と床版との間をパテでシールすると共に注入用パイプ及び空気抜き用パイプを取り付け、注入用パイプから床版と鋼板との隙間に接着剤を注入しながら隙間内の空気を空気抜き用パイプから排出し、このパイプから接着剤が流出した段階で注入を停止して両パイプを閉塞させ、接着剤を硬化させて鋼板を床版に接着させるようにしたものである。
【0003】
このパイプは、接着剤の注入スピードや圧力を勘案してその径が設計されているが、容器付きチューブを連結して積極的に接着剤をオーバーフローさせたり、逆に接着剤の排出を規制して空気だけを排出できる濾過器を取り付けたり、さらには接着剤の硬化収縮に対応して接着剤を追加注入するための接着剤注入器を接続させる場合があり、パイプ自体の形状を変更できない事情がある。
また、鋼板の内側に望ませる側のパイプ径を単純に細くしてしまうと、接着剤の注入スピードが遅くなったり、排出されるべき空気の量が減少して隙間内における接着剤の内圧が大きくなり、シール機能を果たすべきパテを破損させて注入した接着剤を漏洩させてしまうおそれもある。
【0004】
そのため、床版と鋼板との隙間は、パイプの外径による制約を受け、隙間の間隔を大きいままにして接着剤が注入されているのが現状であった。
注入された多量の接着剤が硬化する際には、大きな収縮が発生し、接着させた鋼板に歪みを発生させて美観を損なう心配があるし、余分な接着剤の分だけ補修コストが高くなる不都合もあった。
【0005】
【技術的課題】
本発明は、コンクリート等の構築物の外側に鋼板等の補強板を配置固定してその周囲にシールを施し、両者の隙間へ接着剤を注入する際に使用する注入又は排気用のパイプにおいて、パイプの先端側の形状を変更させずに構築物と鋼板との隙間を小さくできるようにすることを課題としたものである。
【0006 】
【技術的手段】
この技術的課題を解決するための第一の技術的手段は、(イ)隙間に挿入する偏平な基端筒と外方に突出させる先端筒とからなり、(ロ)両筒を傾斜角を持たせて連結したこと、である。
【0007】
パイプは、隙間に挿入するための基端部が偏平な筒体(基端筒)で構成されているため、基端部の外径を先端筒の外径より小さくすくことができ、構築物と鋼板との隙間を小さくしても挿入することができる。
隙間の外方に突出させる先端筒は、基端筒と傾斜角を持たせて連結させられているから、基端筒を構築物や鋼板と平行にして隙間に臨ませても先端筒の先端は構築物から離れた(浮かせた)ところに位置することになるから、この先端筒に追加接着剤注入用の注入器などを接続しようとしても、構築物が障害となることはない。
したがって、パイプの基端部の形状のみを変更して構築物と鋼板との隙間を小さくすることができることになる。
このパイプは接着剤の注入用として、また、その注入時の隙間の空気の排気用として利用することができる。この場合、注入と排気とを兼用させても良いし、いずれかの用途にのみ単独で使用するようにしても良い。
【0008】
前記の技術的課題を解決するための第二の技術的手段は、(ハ)隙間に挿入する偏平な基端筒と外方に突出させる先端筒とからなり、(ニ)両筒を可撓管を介して連結したことである。
【0009】
第二の技術的手段は、基端筒と先端筒との連結を可撓管を介して行った点で第一の技術的手段と相違し、他は同じ構成となっている。
先端筒を可撓管を介して基端筒と連結させることによって、先端筒の開口部の方向を自由に選択できるから、接着剤注入の作業性を高めることができると共に、第一の技術的手段と同様に、構築物と鋼板との隙間を小さくすることができることになる。
なお、この可撓管としては蛇腹管を好適に使用することができる。
【0010】
基端筒の内側断面積と先端筒の内側断面積とが略同一に形成すると、パイプ全体として狭小部が発生しないため、接着剤の注入時にパイプ内の内圧が高まることはない。
蛇腹管を介して連結する場合には、その小径部によって形成される内側の断面積を基端筒や先端筒の内側断面積と略同一にしておけば、同様の効果を奏することができる。
【0011】
先端筒の形状は、接着剤注入器やチューブなどを接続する場合のことを勘案すると、断面円形のものを使用することが望ましいが、この形状に限定されるものではない。
基端筒の形状は、断面長方形や楕円形状にしておくと、十分な断面積を確保するのに便利である。
【0012】
基端筒の左右の壁部に透孔を穿設した場合には、鋼板を垂直面に固定する際に垂直方向に形成される隙間に対応させることができる。すなわち、垂直方向の隙間に対して接着剤を注入すると、内部の空気は隙間の上部に滞留して基端筒の上側に臨む場合がある。基端筒の左右の壁部に透孔を穿設しておくと、この透孔からも脱気されるから、隙間内の空気をより完全に脱気することができる。
したがって、この構成のパイプは排気用として好適に使用することができるが、注入用として使用することもできるのは勿論である。
【0013】
【本発明の効果】
パイプの先端側の形状を変更せずに構築物と鋼板との隙間を小さくできる結果、円滑な接着剤の注入が保障され、接着剤をオーバーフローや濾過器の取り付け、さらには接着剤の追加注入など、従来からの作業工程に何らの影響を及ぼさずに接着剤を注入することができる。
また、鋼板との隙間を小さくできる結果、補修箇所の突出する厚みを小さくできるし、接着剤の注入量の減少が硬化時の収縮を小さくさせることになるから、鋼板の歪みをほとんどなくし、補修部の美観が大きく変化するのを防止できる利点もある。
【0014】
【実施の形態】
図1はパイプ1の平面図、図2はその中央縦断面図、図3は右側面図を示したものである。
図示しない構築物と補強用鋼板との間に臨ませる基端筒2は、内のりが縦約2mm、横約25mmの矩形に形成し、筒体の肉厚を縦2mm、横1mm程度に設計している(図3参照)。その先端側に開口部3を設け、後端側を閉塞させた有底の筒体となっている。
先端筒5は内径約8mm、肉厚約1mmの円形パイプで構成してあり、その下端部6を基端筒の後端部上面に、本実施形態では約45°の角度を設けて固着させ、筒体2、5同志を連通させている。
先端筒5の大きさは従来から使用されているサイズである。その開口断面積は約50.2mm2 であるが、この実施形態では、基端筒2の開口断面積が50mm2 となり、略同一の大きさとなっている。
【0015】
上記の筒体2、5は、ポリプロピレン樹脂で一体に形成しているが、他の素材で形成しても良いのはもちろんである。
また、この実施形態では先端筒を基端筒の筒壁面に角度を持たせて直接連結させた例を示しているが、基端筒の底部に先端筒を連結し、先端筒を屈曲させる構成を採用しても良い。
【0016】
図4は、基端筒2と先端筒5とを可撓管としての蛇腹部7を介して連結させた例を示している(請求項2参照)。
蛇腹部7は、基端筒2及び先端筒5と一体に成形してもよいし、別体に成形したものを接着などによって一体化させたものであってもよい。
また、図5は、図1〜3に示したパイプの基端筒2の側壁に透孔9、9を穿設したものである(請求項4参照)。
このパイプは排気パイプとして使用した場合に、その威力を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パイプの平面図
【図2】中央縦断面図
【図3】右側面図
【図4】基端筒と先端筒とを蛇腹部を介して連結したパイプの正面図
【図5】パイプの基端筒を断面で示した右側面図
【符号の説明】
1パイプ、 2基端筒、 3基端筒開口部、 5先端筒、 6先端筒の下部、
7蛇腹部、 9透孔
Claims (5)
- コンクリート等の構築物の外側に鋼板等の補強板を配置固定してその周囲にシールを施し、両者の隙間へ接着剤を注入する際に使用する注入又は排気用のパイプにおいて、隙間に挿入する偏平な基端筒と外方に突出させる先端筒とからなり、先端筒と基端筒とを傾斜角を持たせて連結したパイプ。
- コンクリート等の構築物の外側に鋼板等の補強板を配置固定してその周囲にシールを施し、両者の隙間へ接着剤を注入する際に使用する注入又は排気用のパイプにおいて、隙間に挿入する偏平な基端筒と外方に突出させる先端筒とからなり、先端筒と基端筒とを可撓管を介して連結したパイプ。
- 基端筒の内側断面積と先端筒の内側断面積とが略同一である請求項1又は2に記載のパイプ。
- 先端筒が断面円形のパイプである請求項1、2又は3に記載のパイプ。
- 基端筒の左右の壁部に透孔を穿設した請求項1、2、3又は4に記載のパイプ。
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- 2002-10-17 JP JP2002302491A patent/JP3943477B2/ja not_active Expired - Lifetime
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