JP3943267B2 - 減衰力調整構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、減衰力調整構造に関し、特に、車両に搭載される油圧緩衝器の伸縮作動時におけるピストン速度が低速域にあるときの発生減衰力を高低調整する減衰力調整構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されて路面振動で伸縮作動する油圧緩衝器にあって、シリンダ内で摺動するピストンの速度が、すなわち、ピストン速度が低速域にあるときの減衰力は、車両における乗り心地を改善する上で重要になる。
【0003】
ところで、ピストン速度が低速域にあるときの減衰力については、これまでに提案されている多くの油圧緩衝器において、オリフィスによって発生されるとしている。
【0004】
すなわち、周知のように、オリフィスによって得られる減衰力の特性は、図 9中に実線図aで示すように、双曲線特性になるから、ピストン速度が低速域を超えて中速域以上になる時点で所望の減衰力が得られることになる。
【0005】
しかしながら、ピストン速度の低速域においては、すなわち、ピストン速度の低速域を微低速域とこれを超える低速域とに細分化すると、微低速域において十分な減衰力の立ち上りを期待できず、減衰力がいわゆるダレルことになる。
【0006】
そして、このことは、車両が緩やかなウネリ路面を走行するときに、搭乗者の体がゆっくりと上下動するいわゆるフワフワ感となって発現されることになり、乗り心地としては好ましくないことになる。
【0007】
一方、ピストン速度の微低速域におけるフワフワ感を避けるために、オリフィスの径をより小さくして、図9中に破線図bで示すように、十分な減衰力を得るとすると、微低速域を超える低速域にあって、また、低速域を超える中速域以上にあって減衰力が高くなり過ぎ、いわゆるゴツゴツ感が発現されて、乗り心地を悪化させることになる。
【0008】
そこで、ピストン速度が低速域にあるときに、オリフィスに代えて、チョークによるとすれば、図9中に一点鎖線図cで示すように、比例特性の減衰力の発生を期待し得ることになる。
【0009】
すなわち、周知のことであるが、作動油の粘度の影響を受けないチョークオリフィスにおける通路面積をA、ピストン速度をV、比例常数をkとするときに、減衰力Fは、F=k(V/A)2 と、双曲線特性になる。
【0010】
これに対して、作動油の粘度の影響を受けるチョークにおいて、作動油の粘度をμ、ピストン速度をV、比例常数をkとするときに、減衰力Fは、F=kμV
と、比例特性になる。
【0011】
それゆえ、ピストン速度が低速域にあるときの減衰力をチョークによるとすれば、ピストン速度が低速域を超えて中速域以上になっても好ましい減衰力の発生状況を具現化できることになり、したがって、車両における乗り心地を改善し得ることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、油圧緩衝器内の作動油にあっては、温度の高低によって粘度が異なることが周知されており、たとえば、長時間に亙る静止状態にあったために油温が低い油圧緩衝器の場合と、長時間に亙り伸縮作動していたために油温が高くなっている油圧緩衝器の場合とを比較すると、チョークにおける作動油の流通性が異なり、同じチョークであっても発生減衰力が異なることになる。
【0013】
すなわち、同じ寸法のチョークのとき、油温が低い場合には作動油の粘度が高いことからチョークにおける流路抵抗が大きくなって言わば高い減衰力が発生される状況になり、油温が高い場合には作動油の粘度が低いことからチョークにおける流路抵抗が小さくなって言わば低い減衰力が発生される状況になる。
【0014】
その結果、長時間の停車状態にある車両が走行を開始するときに、その油圧緩衝器で発生されるピストン速度の低速域における減衰力が最適な状態になるように設定すると、油温が上昇することで、最適な減衰力の発生状況を現出できなくなる危惧がある。
【0015】
そして、上記と逆に、油温が上昇した場合に、ピストン速度の低速域において最適な減衰力の発生状況を具現化できるように設定すると、油温が上昇するまでの間に最適な減衰力の発生状況を現出できなくなる危惧がある。
【0016】
そこで、この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたもので、その目的とするところは、油圧緩衝器内の作動油の油温が高低のいずれにある場合でも、ピストン速度の低速域における発生減衰力を安定させることを可能にして、車両における乗り心地を改善する油圧緩衝器への利用に最適となる減衰力調整構造を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の手段は、シリンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、ピストンはシリンダ内に上方油室と下方油室を区画し、ピストンには上方油室と下方油室とを連通する伸側ポートと圧側ポートとを形成し、上記伸側ポートと圧側ポートとの各出口端にそれぞれ伸側減衰バルブと圧側減衰バルブとを開閉自在に設け、上記ピストンロッドには上記伸側減衰バルブと圧側減衰バルブとを迂回して上記上方油室と下方油室とを連通するするバイパス路を設け、このバイパス路中に減衰力調整用の中空なロータリバルブを回転自在に挿入している油圧緩衝器において、上記バイパス路はピストンロッド内に形成した縦孔と、同じくピストンロッドに円周方向に沿って隔設されて上記上方油室に連通する複数のスリット又は複数の連通孔と、上記ロータリバルブに形成されて上記縦孔に連通する連通路と、上記ロータリバルブの外周に形成されて上記連通路に接続したチョーク路とからなり、上記ロータリバルブを回転させて上記チョーク路を上記スリットのいずれか一つ又は上記連通孔のいずれか一つに選択的に連通させ、当該連通しているスリット又は連通孔と上記連通路との間の距離に応じて上記チョーク路の長さを調整させることを特徴とするものである。
この場合、チョーク路はロータリバルブの軸線方向に延在された基本長部分となる直線部と、この直線部に連続して螺旋状に延在された可変長部分とされる螺旋部とで構成され、上記螺旋部がスリットのいずれか一つに選択的に連通するのが好ましい。
同じく、チョーク路はロータリバルブの軸線方向に延在された基本長部分となる直線部と、この直線部に連続してロータリバルブの上端部で周方向に延在された可変長部分とされる周回部とで構成され、上記周回部が連通孔のいずれか一つに選択的に連通するようにしても良い。
更に、ピストンの上方にディスクを配在し、このディスクに上方油室に開口する横孔を形成し、この横孔を介してスリット又は連通孔を上方油室に連通させても良い。
【0018】
そして、上記した基本的な構成において、より具体的には、上記の減衰バルブは、ピストン速度が低速域を超えて中速域以上になるときに作動するように設定されてなるとする。
【0019】
また、バイパス路は、シリンダ内に上方油室と下方油室とを区画するピストンを介装させるピストンロッドにおける下端嵌合部の軸芯部に形成されて上方油室と下方油室との連通を許容する縦孔を有してなるとする。
【0020】
そしてまた、チョーク路は、上記の縦孔に回動可能に収装されたロータリバルブに形成されてなるとし、このロータリバルブが回動されるときに長短変更されてなるとする。
【0021】
このとき、チョーク路は、ロータリバルブの外周に形成されてなると共に、構成部分たる螺旋部における長さが長短変更可能とされ、あるいは、構成部分たる周回部における長さが長短変更可能とされてなるとする。
【0022】
なお、チョーク路における断面形状は、その断面積に対して十分な長さを有してチョークとして機能するように設定される限りにおいては、任意の断面形状に設定されて良い。
【0023】
それゆえ、上記のチョーク路を有してなるチョーク特性減衰部にあっては、高圧側からの油がバイパス路を、すなわち、チョーク路を介して低圧側に流出されるときにチョーク特性の減衰力を発生し、チョーク路の長さが長短変更されるときに発生減衰力が高低変更されることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図示した実施の形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明の実施の形態による減衰力調整構造は、車両に搭載されて路面振動で伸縮する油圧緩衝器に具現化されるとしている。
【0025】
本発明に係る油圧緩衝器の基本構造は、シリンダ1内にピストン3を介してピストンロッド2が移動自在に挿入され、ピストン3はシリンダ1内に上方油室R1と下方油室R2を区画し、ピストン3には上方油室R1と下方油室R2とを連通する伸側ポート3aと圧側ポート3bとを形成し、上記伸側ポート3aと圧側ポート3bとの各出口端にそれぞれ伸側減衰バルブ4と圧側減衰バルブ5とを開閉自在に設け、上記ピストンロッド2には上記伸側減衰バルブ4と圧側減衰バルブ5とを迂回して上記上方油室R1と下方油室R2とを連通するバイパス路を設け、このバイパス路中に減衰力調整用の中空なロータリバルブ12を回転自在に挿入しているものである。
そして、図1,図5の実施の形態におけるバイパス路は、ピストンロッド2内に形成した縦孔2aと、同じくピストンロッド2に円周方向に沿って隔設されてディスク6の環状凹溝6cと横孔6bを介して上記上方油室R1に連通する複数のスリット2b(図 1 参照)又は複数の連通孔2d(図5参照)と、上記ロータリバルブ12に形成されて上記縦孔2aに連通する連通路12aと、上記ロータリバルブ12の外周に形成されて上記連通路12aに接続したチョーク路Lとからなり、上記ロータリバルブ12を回転させて上記チョーク路Lを上記スリット2bのいずれか一つ又は上記連通孔2dのいずれか一つに選択的に連通させ、当該連通しているスリット2b又は連通孔2dと上記連通路12 a との間の距離に応じて上記チョーク路Lの長さを調整させるようになっている。
このチョーク路Lの長さ調整による減衰力調整構造は、上記の油圧緩衝器において、シリンダ1内で摺動するピストン3の速度が、すなわち、ピストン速度が微低速から低速にかけての低速域にあるときに発生される減衰力を高低調整し得るように構成されるものである。
以下更に詳しく説明する。
【0026】
すなわち、まず、油圧緩衝器は、図1に示すように、車両における車軸(図示せず)側に連結される下端側部材たるシリンダ1と、車両における車体(図示せず)側に連結される上端側部材たるピストンロッド2とを有してなる。
【0027】
そして、この油圧緩衝器は、シリンダ1内に摺動可能に収装されてこのシリンダ1内に上方油室R1と下方油室R2とを区画するピストン3を有してなり、このピストン3は、ピストンロッド2の下端嵌合部(符示せず)に介装される状態に保持されている。
【0028】
このとき、ピストン3は、上方油室R1の下方油室R2への連通を許容する伸側ポート3aと、下方油室R2の上方油室R1への連通を許容する圧側ポート3bとを有すると共に、伸側ポート3a下端開口を開閉可能に閉塞するメインの伸側減衰バルブ4と、圧側ポート3bの上端開口を開閉可能に閉塞するメインの圧側減衰バルブ5とを有している。
【0029】
ちなみに、この各側のメインの減衰バルブ4,5は、ピストン3がシリンダ1内において高速で摺動するときに、すなわち、ピストン速度が高速域にあるときに作動して所定の減衰力を発生するように設定されている。
【0030】
つぎに、この油圧緩衝器にあっては、ピストン3の上方にディスク6が配在されており、このディスク6は、シリンダ1の内周との間に作動油の流通を許容する隙間(符示せず)を有しながらピストン3に直列するように、かつ、ピストン3と同様にピストンロッド2の下端嵌合部に介装される状態に保持されている。
【0031】
このとき、ディスク6は、上方油室R1と下方油室R2との相互間の連通を許容するポート6aを有すると共に、このポート6aの上端開口を開閉可能に閉塞するサブの伸側減衰バルブ7と、ポート6aの下端開口を開閉可能に閉塞するサブの圧側減衰バルブ8とを有している。
【0032】
ちなみに、この各側のサブの減衰バルブ7,8は、ピストン3がシリンダ1内において中速で摺動するときに、すなわち、ピストン速度が中速域になるときに作動して所定の減衰力を発生するように設定されている。
【0033】
なお、図示する実施の形態にあって、圧側減衰バルブ8が、前記したピストン3に配在の伸側減衰バルブ4および圧側減衰バルブ5と同様に、内周端を固定端にして外周端を撓み端とする態様に設定されているのに対して、伸側減衰バルブ7は、内周端を撓み端にするが外周端を固定端にはしない態様に設定されているが、この伸側減衰バルブ7については、圧側減衰バルブ8と同様に、内周端を固定端にして外周端を撓み端とする態様に設定されるとしても良い。
【0034】
また、詳しくは説明しないが、上記のディスク6は、ピストンロッド2の下端嵌合部の言わば上端に介装されるCピン9で係止されるストッパ10に係止されており、前記のピストン3は、ピストンナット11の所定位置への螺合で上記のディスク6に直列する状態に維持されている。
【0035】
ところで、この発明による減衰力調整構造にあっては、上記した減衰バルブとしての伸側減衰バルブ7を迂回するバイパス路(符示せず)を有すると共に、このバイパス路中にピストン速度の低速域における減衰力を発生するチョーク特性減衰部(符示せず)を有してなるとしている。
【0036】
そこで、以下には、このバイパス路とチョーク特性減衰部とについて説明するが、まず、バイパス路は、シリンダ1内に上方油室R1と下方油室R2とを区画するピストン3を介装させるピストンロッド2における下端嵌合部の軸芯部に形成されて下端が下方油室R2に開口する縦孔2aを有してなる。
【0037】
また、このバイパス路は、上記したディスク6において径方向に開穿されて外側端が上方油室R1に開口する横孔6bを有してなると共に、上記したピストンロッド2における下端嵌合部において径方向に開穿されて上記の横孔6bに対向し上記の縦孔2aに連通するスリット2bを有してなる。
【0038】
ちなみに、上記の横孔6bとスリット2bは、ディスク6の内周に形成の環状凹溝6cを介して全面的に連通状態になるように設定されている。
【0039】
一方、チョーク特性減衰部は、上記のバイパス路中に配在されてチョーク特性の減衰力を発生するチョーク路Lを有すると共に、このチョーク路Lの長さを長短変更可能にしている。
【0040】
すなわち、まず、チョーク路Lは、上記の縦孔2aに回動可能に収装されたロータリバルブ12の外周に形成されており、このとき、このチョーク路Lは、図2に示すように、ロータリバルブ12の軸線方向に延在されて基本長部分となる直線部L1と、この直線部L1に連続して螺旋状に延在されて可変長部分とされる螺旋部L2とで構成されている。
【0041】
つぎに、このチョーク路Lには、前記したスリット2bが常時対向しており、したがって、ロータリバルブ12が回動されることで、図3に示すように、スリット2bの照準される位置が異なることになり、その結果、その長さが変更されるように設定されている。
【0042】
すなわち、たとえば、図1に示す状態が図3中の符号aで示す状態であるとするとき、スリット2bの下端が直線部L1の上端であり螺旋部L2の下端となる部位に照準される状態になり、このとき、チョーク路Lが最短の長さになる。
【0043】
そして、ロータリバルブ12の回動でスリット2bが図3中の符号bで示す位置に移動するときに、スリット2bの中間部が螺旋部L2の中間部に照準される状態になり、このときに、チョーク路Lが言わば中間の長さになる。
【0044】
そしてまた、ロータリバルブ12のさらなる回動でスリット2bが図3中の符号cで示す位置に移動するときには、スリット2bの上端が螺旋部L2の上端に照準される状態になり、このとき、チョーク路Lが最長の長さになる。
【0045】
ちなみに、チョーク路Lの断面形状は、ほぼ矩形となるように設定されるのはもちろんであるが、チョーク路Lの有効長さについては、断面積に対して十分な長さを有してチョークとして機能するように設定される限りにおいては、自由に設定されて良い。
【0046】
また、チョーク路Lの本数についてだが、図示する実施の形態のように一本とされるのに代えて、図示しないが、ロータリバルブ12の外周において、いわゆる反対側にも形成されて二本とされるとしても良い。
【0047】
そして、この場合には、スリット2bについても、図1中に破線図で示すように、ピストンロッド2における下端嵌合部において、いわゆる反対側にも形成されることになるのはもちろんである。
【0048】
さらに、チョーク路Lの直線部L1における基端は、すなわち、図中で下端となる一端は、ロータリバルブ12の肉厚を貫通するようにして開穿された連通孔12aに連通していて、ロータリバルブ12の内周側に、すなわち、下方油室R2に連通するとしている。
【0049】
そしてさらに、上記のロータリバルブ12は、ピストンロッド2の軸芯部に回動可能に挿通されたコントロールロッド13の回動によって回動され、このコントロールロッド13は、図示しないが、ピストンロッド2の上端に保持されるアクチュエータの駆動で回動するように設定されている。
【0050】
なお、上記のロータリバルブ12は、所定位置たるバイパス路を構成する縦孔2a内に収装されるについて、この縦孔2a内に下方から圧入された支持環14にスラストワシャ15の介在下に担持されている。
【0051】
それゆえ、上記のチョーク路Lを有してなるチョーク特性減衰部にあっては、高圧側からの油がバイパス路を、すなわち、チョーク路Lを介して低圧側に流出されるときにチョーク特性の減衰力を発生し、チョーク路Lの長さが長短変更されるときに発生減衰力が高低変更されることになる。
【0052】
すなわち、たとえば、シリンダ1内でピストン3が低速で上昇する伸長作動時には、高圧側となる上方油室R1からの作動油がバイパス路およびこのバイパス路中に配在のチョーク特性減衰部におけるチョーク路Lを介して低圧側の下方油室R2に流出されることになる。
【0053】
そして、このときに、チョーク特性減衰部によって、図4中に破線図aで示すように、チョーク特性(比例特性)の伸側減衰力が発生されることになるが、チョーク路Lの長さが長短異なることによって、図4中に実線図b,cで示すように、言わば高低異なる伸側減衰力が発生されることになる。
【0054】
ちなみに、上記と逆に、シリンダ1内でピストン3が低速で下降する圧縮作動時には、高圧側となる下方油室R2からの作動油がバイパス路およびこのバイパス路中に配在のチョーク特性減衰部におけるチョーク路Lを介して低圧側の上方油室R1に流入され、このときにも、チョーク路Lの長さが長短異なることで、高低異なる圧側の減衰力が発生されることになる。
【0055】
ところで、上記したチョーク路Lを有するロータリバルブ12は、図示する実施の形態にあって、前記したディスク6に配在されている各側のサブの減衰バルブ7,8を介しての上方油室R1と下方油室R2との連通を許容するように設定されている。
【0056】
すなわち、まず、ロータリバルブ12にあっては、前記したチョーク路Lに連通する連通孔12aの下方に同様にして開穿されたほぼ同径の連通孔12bを有している。
【0057】
そして、この連通孔12bは、これに対向するようにピストンロッド2の下端嵌合部において径方向に開穿された連通孔2cに連通し、この連通孔2cは、これに対向するようにディスク6において径方向に開穿されてポート6aに開口する環状溝6dに連通するとしている。
【0058】
それゆえ、たとえば、シリンダ1内でピストン3が中速で上昇する伸長作動時には、高圧側となる上方油室R1からの作動油がディスク6に配在されている伸側減衰バルブ7を介してポート6aに流入すると共に、環状溝6d−連通孔2c−連通孔12b−ロータリバルブ12の内周側のルートで縦孔2a内に、すなわち、下方油室R2に流出することになる。
【0059】
そして、上記と逆に、シリンダ1内でピストン3が中速で下降する圧縮作動時には、高圧側となる下方油室R2からの作動油が縦孔2a内に流入し、ロータリバルブ12の内周側−連通孔12b−連通孔2cのルートでポート6aに流入すると共に、圧側減衰バルブ8を介して上方油室R1に流入することになる。
【0060】
そして、このときに、各側のサブの減衰バルブ7,8によって、ピストン速度が中速域にあるときの所定の減衰力が発生されることになる。
【0061】
そしてまた、ピストン速度が高速域になるときには、作動油がピストン3に配在の各側のメインの減衰バルブ4,5を通過することで、所定の減衰力が発生されることになり、このときには、上記したサブの減衰バルブ7,8によって発生される減衰力と合成された減衰力として発生されることになる。
【0062】
図5に示す油圧緩衝器は、他の実施の形態による減衰力調整構造を有するもので、この減衰力調整構造を前記した実施の形態による減衰力調整構造に比較すれば、チョーク路Lの構成において、また、これに関連するピストンロッド2の下端嵌合部の構成において差異がある。
【0063】
それゆえ、以下には、この差異がある部分を中心に説明することにして、他の構成については、その構成が前記した実施の形態の場合と同様となるところについて図中に同一の符号を付するのみとしてその詳しい説明を省略する。
【0064】
すなわち、まず、チョーク路Lは、ロータリバルブ12の外周に形成されているのはもちろんであるが、このとき、この実施の形態では、図6に示すように、ロータリバルブ12の軸線方向に延在されて基本長部分となる直線部L1と、この直線部L1に連続してロータリバルブ12の上端部で周回し可変長部分とされる周回部L3とで構成されている。
【0065】
つぎに、このチョーク路Lには、ピストンロッド2の下端嵌合部において径方向に開穿されディスク6に形成の連通孔6bに連通する連通孔2dが常時対向するとしており、したがって、ロータリバルブ12が回動されることで、図7に示すように、チョーク路Lにおける周回部L3に対する連通孔2dの照準される位置が異なり、その結果、その長さが変更されるように設定されている。
【0066】
すなわち、たとえば、図5に示す状態が図7中の符号aで示す状態であるとするとき、連通孔2dが直線部L1の上端であり周回部L3の言わば基端となる部位に照準される状態になり、このとき、チョーク路Lが最短の長さになる。
【0067】
そして、ロータリバルブ12の回動で連通孔2dが図7中の符号bで示す位置に移動するときに、連通孔2dが周回部L3の中間部に照準される状態になり、このときに、チョーク路Lが言わば中間の長さになる。
【0068】
そしてまた、ロータリバルブ12のさらなる回動で連通孔2dが図7中の符号cで示す位置に移動するときには、連通孔2dが周回部L3の言わば先端に照準される状態になり、このとき、チョーク路Lが最長の長さになる。
【0069】
ちなみに、チョーク路Lの本数についてだが、図示する実施の形態のように一本とされるのに代えて、図示しないが、ロータリバルブ12の外周において、いわゆる反対側にも形成されて二本とされるとしても良い。
【0070】
そして、この場合には、上記の連通孔2dについても、図5中に破線図で示すように、ピストンロッド2における下端嵌合部において、いわゆる反対側にも形成されることになるのはもちろんである。
【0071】
それゆえ、この実施の形態による場合にも、上記のチョーク路Lを有するチョーク特性減衰部にあっては、高圧側からの油がバイパス路を、すなわち、チョーク路Lを介して低圧側に流出されるときにチョーク特性の減衰力を発生し、チョーク路Lの長さが長短変更されるときに発生減衰力が高低変更されることになる(図4参照)。
【0072】
なお、図8は、さらに他の実施の形態によるチョーク路Lを展開して示すが、この実施の形態による場合には、チョーク路Lにおいて基本長部分となる部位なく、可変長部分とされる螺旋部L4のみからなるとする。
【0073】
そして、このチョーク路Lの場合には、前記したピストンロッド2の下端嵌合部に形成される連通孔2dは、周方向にずれながら、かつ、上下となるように複数個所に配在されることになる。
【0074】
ちなみに、この実施の形態による場合も、高圧側からの油がこのチョーク路Lを介して低圧側に解放されるときにチョーク特性の減衰力を発生し、チョーク路Lの長さが長短変更されるときに発生減衰力が高低変更されることになるのはもちろんである。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、この発明にあっては、油圧緩衝器においてピストンがシリンダ内を低速で摺動するときにチョーク特性による減衰力を発生することから、ピストンが微低速で摺動する場合にも所定の減衰力を発生させることが可能になるのはもちろんのこと、チョーク特性の減衰力を発生させるチョーク路がその長さを変更し得るとするから、油圧緩衝器の利用状況に応じて最適となる減衰力の発生状況を実現できることになる。
【0076】
そして、この発明にあっては、チョーク路は、ピストンロッドにおける下端嵌合部の軸芯部に回動可能に配在されるロータリバルブの外周に形成されるから、その形成作業が容易となり、正確なチョーク路を形成し得ることになる。
【0077】
その結果、この発明によれば、油圧緩衝器内の作動油の油温が高低のいずれにある場合でも、ピストン速度の低速域における発生減衰力を安定させることを可能にして、車両における乗り心地を改善する油圧緩衝器への利用に最適となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による減衰力調整構造を具現化した油圧緩衝器を部分的に示す縦断面図である。
【図2】図1におけるロータリバルブを示す正面図である。
【図3】図2のロータリバルブにおけるチョーク路を展開して示す図である。
【図4】この発明の減衰力調整構造によるピストン速度に対する減衰力の発生状況を示す特性図である。
【図5】他の実施の形態による減衰力調整構造を具現化した油圧緩衝器を図1と同様に示す図である。
【図6】図5におけるロータリバルブを示す正面図である。
【図7】図6のロータリバルブにおけるチョーク路を展開して示す図である。
【図8】他の実施の形態によるチョーク路の展開図である。
【図9】ピストン速度に対する減衰力の発生状況を示す特性図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 ピストンロッド
2a バイパス路を構成する縦孔
2b バイパス路を構成するスリット
2c,2d,12a,12b 連通孔
3 ピストン
3a 伸側ポート
3b 圧側ポート
4,7 減衰バルブたる伸側減衰バルブ
5,8 減衰バルブたる圧側減衰バルブ
6 ディスク
6a ポート
6b バイパス路を構成する横孔
6c バイパス路を構成する環状凹溝
6d 環状溝
9 Cピン
10 ストッパ
11 ピストンナット
12 ロータリバルブ
13 コントロールロッド
14 支持環
15 スラストワッシャ
L チョーク路
L1 チョーク路を構成する直線部
L2,L4 チョーク路を構成する螺旋部
L3 チョーク路を構成する周回部
R1 上方油室
R2 下方油室
【発明の属する技術分野】
この発明は、減衰力調整構造に関し、特に、車両に搭載される油圧緩衝器の伸縮作動時におけるピストン速度が低速域にあるときの発生減衰力を高低調整する減衰力調整構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載されて路面振動で伸縮作動する油圧緩衝器にあって、シリンダ内で摺動するピストンの速度が、すなわち、ピストン速度が低速域にあるときの減衰力は、車両における乗り心地を改善する上で重要になる。
【0003】
ところで、ピストン速度が低速域にあるときの減衰力については、これまでに提案されている多くの油圧緩衝器において、オリフィスによって発生されるとしている。
【0004】
すなわち、周知のように、オリフィスによって得られる減衰力の特性は、図 9中に実線図aで示すように、双曲線特性になるから、ピストン速度が低速域を超えて中速域以上になる時点で所望の減衰力が得られることになる。
【0005】
しかしながら、ピストン速度の低速域においては、すなわち、ピストン速度の低速域を微低速域とこれを超える低速域とに細分化すると、微低速域において十分な減衰力の立ち上りを期待できず、減衰力がいわゆるダレルことになる。
【0006】
そして、このことは、車両が緩やかなウネリ路面を走行するときに、搭乗者の体がゆっくりと上下動するいわゆるフワフワ感となって発現されることになり、乗り心地としては好ましくないことになる。
【0007】
一方、ピストン速度の微低速域におけるフワフワ感を避けるために、オリフィスの径をより小さくして、図9中に破線図bで示すように、十分な減衰力を得るとすると、微低速域を超える低速域にあって、また、低速域を超える中速域以上にあって減衰力が高くなり過ぎ、いわゆるゴツゴツ感が発現されて、乗り心地を悪化させることになる。
【0008】
そこで、ピストン速度が低速域にあるときに、オリフィスに代えて、チョークによるとすれば、図9中に一点鎖線図cで示すように、比例特性の減衰力の発生を期待し得ることになる。
【0009】
すなわち、周知のことであるが、作動油の粘度の影響を受けないチョークオリフィスにおける通路面積をA、ピストン速度をV、比例常数をkとするときに、減衰力Fは、F=k(V/A)2 と、双曲線特性になる。
【0010】
これに対して、作動油の粘度の影響を受けるチョークにおいて、作動油の粘度をμ、ピストン速度をV、比例常数をkとするときに、減衰力Fは、F=kμV
と、比例特性になる。
【0011】
それゆえ、ピストン速度が低速域にあるときの減衰力をチョークによるとすれば、ピストン速度が低速域を超えて中速域以上になっても好ましい減衰力の発生状況を具現化できることになり、したがって、車両における乗り心地を改善し得ることになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、油圧緩衝器内の作動油にあっては、温度の高低によって粘度が異なることが周知されており、たとえば、長時間に亙る静止状態にあったために油温が低い油圧緩衝器の場合と、長時間に亙り伸縮作動していたために油温が高くなっている油圧緩衝器の場合とを比較すると、チョークにおける作動油の流通性が異なり、同じチョークであっても発生減衰力が異なることになる。
【0013】
すなわち、同じ寸法のチョークのとき、油温が低い場合には作動油の粘度が高いことからチョークにおける流路抵抗が大きくなって言わば高い減衰力が発生される状況になり、油温が高い場合には作動油の粘度が低いことからチョークにおける流路抵抗が小さくなって言わば低い減衰力が発生される状況になる。
【0014】
その結果、長時間の停車状態にある車両が走行を開始するときに、その油圧緩衝器で発生されるピストン速度の低速域における減衰力が最適な状態になるように設定すると、油温が上昇することで、最適な減衰力の発生状況を現出できなくなる危惧がある。
【0015】
そして、上記と逆に、油温が上昇した場合に、ピストン速度の低速域において最適な減衰力の発生状況を具現化できるように設定すると、油温が上昇するまでの間に最適な減衰力の発生状況を現出できなくなる危惧がある。
【0016】
そこで、この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたもので、その目的とするところは、油圧緩衝器内の作動油の油温が高低のいずれにある場合でも、ピストン速度の低速域における発生減衰力を安定させることを可能にして、車両における乗り心地を改善する油圧緩衝器への利用に最適となる減衰力調整構造を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明の手段は、シリンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、ピストンはシリンダ内に上方油室と下方油室を区画し、ピストンには上方油室と下方油室とを連通する伸側ポートと圧側ポートとを形成し、上記伸側ポートと圧側ポートとの各出口端にそれぞれ伸側減衰バルブと圧側減衰バルブとを開閉自在に設け、上記ピストンロッドには上記伸側減衰バルブと圧側減衰バルブとを迂回して上記上方油室と下方油室とを連通するするバイパス路を設け、このバイパス路中に減衰力調整用の中空なロータリバルブを回転自在に挿入している油圧緩衝器において、上記バイパス路はピストンロッド内に形成した縦孔と、同じくピストンロッドに円周方向に沿って隔設されて上記上方油室に連通する複数のスリット又は複数の連通孔と、上記ロータリバルブに形成されて上記縦孔に連通する連通路と、上記ロータリバルブの外周に形成されて上記連通路に接続したチョーク路とからなり、上記ロータリバルブを回転させて上記チョーク路を上記スリットのいずれか一つ又は上記連通孔のいずれか一つに選択的に連通させ、当該連通しているスリット又は連通孔と上記連通路との間の距離に応じて上記チョーク路の長さを調整させることを特徴とするものである。
この場合、チョーク路はロータリバルブの軸線方向に延在された基本長部分となる直線部と、この直線部に連続して螺旋状に延在された可変長部分とされる螺旋部とで構成され、上記螺旋部がスリットのいずれか一つに選択的に連通するのが好ましい。
同じく、チョーク路はロータリバルブの軸線方向に延在された基本長部分となる直線部と、この直線部に連続してロータリバルブの上端部で周方向に延在された可変長部分とされる周回部とで構成され、上記周回部が連通孔のいずれか一つに選択的に連通するようにしても良い。
更に、ピストンの上方にディスクを配在し、このディスクに上方油室に開口する横孔を形成し、この横孔を介してスリット又は連通孔を上方油室に連通させても良い。
【0018】
そして、上記した基本的な構成において、より具体的には、上記の減衰バルブは、ピストン速度が低速域を超えて中速域以上になるときに作動するように設定されてなるとする。
【0019】
また、バイパス路は、シリンダ内に上方油室と下方油室とを区画するピストンを介装させるピストンロッドにおける下端嵌合部の軸芯部に形成されて上方油室と下方油室との連通を許容する縦孔を有してなるとする。
【0020】
そしてまた、チョーク路は、上記の縦孔に回動可能に収装されたロータリバルブに形成されてなるとし、このロータリバルブが回動されるときに長短変更されてなるとする。
【0021】
このとき、チョーク路は、ロータリバルブの外周に形成されてなると共に、構成部分たる螺旋部における長さが長短変更可能とされ、あるいは、構成部分たる周回部における長さが長短変更可能とされてなるとする。
【0022】
なお、チョーク路における断面形状は、その断面積に対して十分な長さを有してチョークとして機能するように設定される限りにおいては、任意の断面形状に設定されて良い。
【0023】
それゆえ、上記のチョーク路を有してなるチョーク特性減衰部にあっては、高圧側からの油がバイパス路を、すなわち、チョーク路を介して低圧側に流出されるときにチョーク特性の減衰力を発生し、チョーク路の長さが長短変更されるときに発生減衰力が高低変更されることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図示した実施の形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明の実施の形態による減衰力調整構造は、車両に搭載されて路面振動で伸縮する油圧緩衝器に具現化されるとしている。
【0025】
本発明に係る油圧緩衝器の基本構造は、シリンダ1内にピストン3を介してピストンロッド2が移動自在に挿入され、ピストン3はシリンダ1内に上方油室R1と下方油室R2を区画し、ピストン3には上方油室R1と下方油室R2とを連通する伸側ポート3aと圧側ポート3bとを形成し、上記伸側ポート3aと圧側ポート3bとの各出口端にそれぞれ伸側減衰バルブ4と圧側減衰バルブ5とを開閉自在に設け、上記ピストンロッド2には上記伸側減衰バルブ4と圧側減衰バルブ5とを迂回して上記上方油室R1と下方油室R2とを連通するバイパス路を設け、このバイパス路中に減衰力調整用の中空なロータリバルブ12を回転自在に挿入しているものである。
そして、図1,図5の実施の形態におけるバイパス路は、ピストンロッド2内に形成した縦孔2aと、同じくピストンロッド2に円周方向に沿って隔設されてディスク6の環状凹溝6cと横孔6bを介して上記上方油室R1に連通する複数のスリット2b(図 1 参照)又は複数の連通孔2d(図5参照)と、上記ロータリバルブ12に形成されて上記縦孔2aに連通する連通路12aと、上記ロータリバルブ12の外周に形成されて上記連通路12aに接続したチョーク路Lとからなり、上記ロータリバルブ12を回転させて上記チョーク路Lを上記スリット2bのいずれか一つ又は上記連通孔2dのいずれか一つに選択的に連通させ、当該連通しているスリット2b又は連通孔2dと上記連通路12 a との間の距離に応じて上記チョーク路Lの長さを調整させるようになっている。
このチョーク路Lの長さ調整による減衰力調整構造は、上記の油圧緩衝器において、シリンダ1内で摺動するピストン3の速度が、すなわち、ピストン速度が微低速から低速にかけての低速域にあるときに発生される減衰力を高低調整し得るように構成されるものである。
以下更に詳しく説明する。
【0026】
すなわち、まず、油圧緩衝器は、図1に示すように、車両における車軸(図示せず)側に連結される下端側部材たるシリンダ1と、車両における車体(図示せず)側に連結される上端側部材たるピストンロッド2とを有してなる。
【0027】
そして、この油圧緩衝器は、シリンダ1内に摺動可能に収装されてこのシリンダ1内に上方油室R1と下方油室R2とを区画するピストン3を有してなり、このピストン3は、ピストンロッド2の下端嵌合部(符示せず)に介装される状態に保持されている。
【0028】
このとき、ピストン3は、上方油室R1の下方油室R2への連通を許容する伸側ポート3aと、下方油室R2の上方油室R1への連通を許容する圧側ポート3bとを有すると共に、伸側ポート3a下端開口を開閉可能に閉塞するメインの伸側減衰バルブ4と、圧側ポート3bの上端開口を開閉可能に閉塞するメインの圧側減衰バルブ5とを有している。
【0029】
ちなみに、この各側のメインの減衰バルブ4,5は、ピストン3がシリンダ1内において高速で摺動するときに、すなわち、ピストン速度が高速域にあるときに作動して所定の減衰力を発生するように設定されている。
【0030】
つぎに、この油圧緩衝器にあっては、ピストン3の上方にディスク6が配在されており、このディスク6は、シリンダ1の内周との間に作動油の流通を許容する隙間(符示せず)を有しながらピストン3に直列するように、かつ、ピストン3と同様にピストンロッド2の下端嵌合部に介装される状態に保持されている。
【0031】
このとき、ディスク6は、上方油室R1と下方油室R2との相互間の連通を許容するポート6aを有すると共に、このポート6aの上端開口を開閉可能に閉塞するサブの伸側減衰バルブ7と、ポート6aの下端開口を開閉可能に閉塞するサブの圧側減衰バルブ8とを有している。
【0032】
ちなみに、この各側のサブの減衰バルブ7,8は、ピストン3がシリンダ1内において中速で摺動するときに、すなわち、ピストン速度が中速域になるときに作動して所定の減衰力を発生するように設定されている。
【0033】
なお、図示する実施の形態にあって、圧側減衰バルブ8が、前記したピストン3に配在の伸側減衰バルブ4および圧側減衰バルブ5と同様に、内周端を固定端にして外周端を撓み端とする態様に設定されているのに対して、伸側減衰バルブ7は、内周端を撓み端にするが外周端を固定端にはしない態様に設定されているが、この伸側減衰バルブ7については、圧側減衰バルブ8と同様に、内周端を固定端にして外周端を撓み端とする態様に設定されるとしても良い。
【0034】
また、詳しくは説明しないが、上記のディスク6は、ピストンロッド2の下端嵌合部の言わば上端に介装されるCピン9で係止されるストッパ10に係止されており、前記のピストン3は、ピストンナット11の所定位置への螺合で上記のディスク6に直列する状態に維持されている。
【0035】
ところで、この発明による減衰力調整構造にあっては、上記した減衰バルブとしての伸側減衰バルブ7を迂回するバイパス路(符示せず)を有すると共に、このバイパス路中にピストン速度の低速域における減衰力を発生するチョーク特性減衰部(符示せず)を有してなるとしている。
【0036】
そこで、以下には、このバイパス路とチョーク特性減衰部とについて説明するが、まず、バイパス路は、シリンダ1内に上方油室R1と下方油室R2とを区画するピストン3を介装させるピストンロッド2における下端嵌合部の軸芯部に形成されて下端が下方油室R2に開口する縦孔2aを有してなる。
【0037】
また、このバイパス路は、上記したディスク6において径方向に開穿されて外側端が上方油室R1に開口する横孔6bを有してなると共に、上記したピストンロッド2における下端嵌合部において径方向に開穿されて上記の横孔6bに対向し上記の縦孔2aに連通するスリット2bを有してなる。
【0038】
ちなみに、上記の横孔6bとスリット2bは、ディスク6の内周に形成の環状凹溝6cを介して全面的に連通状態になるように設定されている。
【0039】
一方、チョーク特性減衰部は、上記のバイパス路中に配在されてチョーク特性の減衰力を発生するチョーク路Lを有すると共に、このチョーク路Lの長さを長短変更可能にしている。
【0040】
すなわち、まず、チョーク路Lは、上記の縦孔2aに回動可能に収装されたロータリバルブ12の外周に形成されており、このとき、このチョーク路Lは、図2に示すように、ロータリバルブ12の軸線方向に延在されて基本長部分となる直線部L1と、この直線部L1に連続して螺旋状に延在されて可変長部分とされる螺旋部L2とで構成されている。
【0041】
つぎに、このチョーク路Lには、前記したスリット2bが常時対向しており、したがって、ロータリバルブ12が回動されることで、図3に示すように、スリット2bの照準される位置が異なることになり、その結果、その長さが変更されるように設定されている。
【0042】
すなわち、たとえば、図1に示す状態が図3中の符号aで示す状態であるとするとき、スリット2bの下端が直線部L1の上端であり螺旋部L2の下端となる部位に照準される状態になり、このとき、チョーク路Lが最短の長さになる。
【0043】
そして、ロータリバルブ12の回動でスリット2bが図3中の符号bで示す位置に移動するときに、スリット2bの中間部が螺旋部L2の中間部に照準される状態になり、このときに、チョーク路Lが言わば中間の長さになる。
【0044】
そしてまた、ロータリバルブ12のさらなる回動でスリット2bが図3中の符号cで示す位置に移動するときには、スリット2bの上端が螺旋部L2の上端に照準される状態になり、このとき、チョーク路Lが最長の長さになる。
【0045】
ちなみに、チョーク路Lの断面形状は、ほぼ矩形となるように設定されるのはもちろんであるが、チョーク路Lの有効長さについては、断面積に対して十分な長さを有してチョークとして機能するように設定される限りにおいては、自由に設定されて良い。
【0046】
また、チョーク路Lの本数についてだが、図示する実施の形態のように一本とされるのに代えて、図示しないが、ロータリバルブ12の外周において、いわゆる反対側にも形成されて二本とされるとしても良い。
【0047】
そして、この場合には、スリット2bについても、図1中に破線図で示すように、ピストンロッド2における下端嵌合部において、いわゆる反対側にも形成されることになるのはもちろんである。
【0048】
さらに、チョーク路Lの直線部L1における基端は、すなわち、図中で下端となる一端は、ロータリバルブ12の肉厚を貫通するようにして開穿された連通孔12aに連通していて、ロータリバルブ12の内周側に、すなわち、下方油室R2に連通するとしている。
【0049】
そしてさらに、上記のロータリバルブ12は、ピストンロッド2の軸芯部に回動可能に挿通されたコントロールロッド13の回動によって回動され、このコントロールロッド13は、図示しないが、ピストンロッド2の上端に保持されるアクチュエータの駆動で回動するように設定されている。
【0050】
なお、上記のロータリバルブ12は、所定位置たるバイパス路を構成する縦孔2a内に収装されるについて、この縦孔2a内に下方から圧入された支持環14にスラストワシャ15の介在下に担持されている。
【0051】
それゆえ、上記のチョーク路Lを有してなるチョーク特性減衰部にあっては、高圧側からの油がバイパス路を、すなわち、チョーク路Lを介して低圧側に流出されるときにチョーク特性の減衰力を発生し、チョーク路Lの長さが長短変更されるときに発生減衰力が高低変更されることになる。
【0052】
すなわち、たとえば、シリンダ1内でピストン3が低速で上昇する伸長作動時には、高圧側となる上方油室R1からの作動油がバイパス路およびこのバイパス路中に配在のチョーク特性減衰部におけるチョーク路Lを介して低圧側の下方油室R2に流出されることになる。
【0053】
そして、このときに、チョーク特性減衰部によって、図4中に破線図aで示すように、チョーク特性(比例特性)の伸側減衰力が発生されることになるが、チョーク路Lの長さが長短異なることによって、図4中に実線図b,cで示すように、言わば高低異なる伸側減衰力が発生されることになる。
【0054】
ちなみに、上記と逆に、シリンダ1内でピストン3が低速で下降する圧縮作動時には、高圧側となる下方油室R2からの作動油がバイパス路およびこのバイパス路中に配在のチョーク特性減衰部におけるチョーク路Lを介して低圧側の上方油室R1に流入され、このときにも、チョーク路Lの長さが長短異なることで、高低異なる圧側の減衰力が発生されることになる。
【0055】
ところで、上記したチョーク路Lを有するロータリバルブ12は、図示する実施の形態にあって、前記したディスク6に配在されている各側のサブの減衰バルブ7,8を介しての上方油室R1と下方油室R2との連通を許容するように設定されている。
【0056】
すなわち、まず、ロータリバルブ12にあっては、前記したチョーク路Lに連通する連通孔12aの下方に同様にして開穿されたほぼ同径の連通孔12bを有している。
【0057】
そして、この連通孔12bは、これに対向するようにピストンロッド2の下端嵌合部において径方向に開穿された連通孔2cに連通し、この連通孔2cは、これに対向するようにディスク6において径方向に開穿されてポート6aに開口する環状溝6dに連通するとしている。
【0058】
それゆえ、たとえば、シリンダ1内でピストン3が中速で上昇する伸長作動時には、高圧側となる上方油室R1からの作動油がディスク6に配在されている伸側減衰バルブ7を介してポート6aに流入すると共に、環状溝6d−連通孔2c−連通孔12b−ロータリバルブ12の内周側のルートで縦孔2a内に、すなわち、下方油室R2に流出することになる。
【0059】
そして、上記と逆に、シリンダ1内でピストン3が中速で下降する圧縮作動時には、高圧側となる下方油室R2からの作動油が縦孔2a内に流入し、ロータリバルブ12の内周側−連通孔12b−連通孔2cのルートでポート6aに流入すると共に、圧側減衰バルブ8を介して上方油室R1に流入することになる。
【0060】
そして、このときに、各側のサブの減衰バルブ7,8によって、ピストン速度が中速域にあるときの所定の減衰力が発生されることになる。
【0061】
そしてまた、ピストン速度が高速域になるときには、作動油がピストン3に配在の各側のメインの減衰バルブ4,5を通過することで、所定の減衰力が発生されることになり、このときには、上記したサブの減衰バルブ7,8によって発生される減衰力と合成された減衰力として発生されることになる。
【0062】
図5に示す油圧緩衝器は、他の実施の形態による減衰力調整構造を有するもので、この減衰力調整構造を前記した実施の形態による減衰力調整構造に比較すれば、チョーク路Lの構成において、また、これに関連するピストンロッド2の下端嵌合部の構成において差異がある。
【0063】
それゆえ、以下には、この差異がある部分を中心に説明することにして、他の構成については、その構成が前記した実施の形態の場合と同様となるところについて図中に同一の符号を付するのみとしてその詳しい説明を省略する。
【0064】
すなわち、まず、チョーク路Lは、ロータリバルブ12の外周に形成されているのはもちろんであるが、このとき、この実施の形態では、図6に示すように、ロータリバルブ12の軸線方向に延在されて基本長部分となる直線部L1と、この直線部L1に連続してロータリバルブ12の上端部で周回し可変長部分とされる周回部L3とで構成されている。
【0065】
つぎに、このチョーク路Lには、ピストンロッド2の下端嵌合部において径方向に開穿されディスク6に形成の連通孔6bに連通する連通孔2dが常時対向するとしており、したがって、ロータリバルブ12が回動されることで、図7に示すように、チョーク路Lにおける周回部L3に対する連通孔2dの照準される位置が異なり、その結果、その長さが変更されるように設定されている。
【0066】
すなわち、たとえば、図5に示す状態が図7中の符号aで示す状態であるとするとき、連通孔2dが直線部L1の上端であり周回部L3の言わば基端となる部位に照準される状態になり、このとき、チョーク路Lが最短の長さになる。
【0067】
そして、ロータリバルブ12の回動で連通孔2dが図7中の符号bで示す位置に移動するときに、連通孔2dが周回部L3の中間部に照準される状態になり、このときに、チョーク路Lが言わば中間の長さになる。
【0068】
そしてまた、ロータリバルブ12のさらなる回動で連通孔2dが図7中の符号cで示す位置に移動するときには、連通孔2dが周回部L3の言わば先端に照準される状態になり、このとき、チョーク路Lが最長の長さになる。
【0069】
ちなみに、チョーク路Lの本数についてだが、図示する実施の形態のように一本とされるのに代えて、図示しないが、ロータリバルブ12の外周において、いわゆる反対側にも形成されて二本とされるとしても良い。
【0070】
そして、この場合には、上記の連通孔2dについても、図5中に破線図で示すように、ピストンロッド2における下端嵌合部において、いわゆる反対側にも形成されることになるのはもちろんである。
【0071】
それゆえ、この実施の形態による場合にも、上記のチョーク路Lを有するチョーク特性減衰部にあっては、高圧側からの油がバイパス路を、すなわち、チョーク路Lを介して低圧側に流出されるときにチョーク特性の減衰力を発生し、チョーク路Lの長さが長短変更されるときに発生減衰力が高低変更されることになる(図4参照)。
【0072】
なお、図8は、さらに他の実施の形態によるチョーク路Lを展開して示すが、この実施の形態による場合には、チョーク路Lにおいて基本長部分となる部位なく、可変長部分とされる螺旋部L4のみからなるとする。
【0073】
そして、このチョーク路Lの場合には、前記したピストンロッド2の下端嵌合部に形成される連通孔2dは、周方向にずれながら、かつ、上下となるように複数個所に配在されることになる。
【0074】
ちなみに、この実施の形態による場合も、高圧側からの油がこのチョーク路Lを介して低圧側に解放されるときにチョーク特性の減衰力を発生し、チョーク路Lの長さが長短変更されるときに発生減衰力が高低変更されることになるのはもちろんである。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、この発明にあっては、油圧緩衝器においてピストンがシリンダ内を低速で摺動するときにチョーク特性による減衰力を発生することから、ピストンが微低速で摺動する場合にも所定の減衰力を発生させることが可能になるのはもちろんのこと、チョーク特性の減衰力を発生させるチョーク路がその長さを変更し得るとするから、油圧緩衝器の利用状況に応じて最適となる減衰力の発生状況を実現できることになる。
【0076】
そして、この発明にあっては、チョーク路は、ピストンロッドにおける下端嵌合部の軸芯部に回動可能に配在されるロータリバルブの外周に形成されるから、その形成作業が容易となり、正確なチョーク路を形成し得ることになる。
【0077】
その結果、この発明によれば、油圧緩衝器内の作動油の油温が高低のいずれにある場合でも、ピストン速度の低速域における発生減衰力を安定させることを可能にして、車両における乗り心地を改善する油圧緩衝器への利用に最適となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による減衰力調整構造を具現化した油圧緩衝器を部分的に示す縦断面図である。
【図2】図1におけるロータリバルブを示す正面図である。
【図3】図2のロータリバルブにおけるチョーク路を展開して示す図である。
【図4】この発明の減衰力調整構造によるピストン速度に対する減衰力の発生状況を示す特性図である。
【図5】他の実施の形態による減衰力調整構造を具現化した油圧緩衝器を図1と同様に示す図である。
【図6】図5におけるロータリバルブを示す正面図である。
【図7】図6のロータリバルブにおけるチョーク路を展開して示す図である。
【図8】他の実施の形態によるチョーク路の展開図である。
【図9】ピストン速度に対する減衰力の発生状況を示す特性図である。
【符号の説明】
1 シリンダ
2 ピストンロッド
2a バイパス路を構成する縦孔
2b バイパス路を構成するスリット
2c,2d,12a,12b 連通孔
3 ピストン
3a 伸側ポート
3b 圧側ポート
4,7 減衰バルブたる伸側減衰バルブ
5,8 減衰バルブたる圧側減衰バルブ
6 ディスク
6a ポート
6b バイパス路を構成する横孔
6c バイパス路を構成する環状凹溝
6d 環状溝
9 Cピン
10 ストッパ
11 ピストンナット
12 ロータリバルブ
13 コントロールロッド
14 支持環
15 スラストワッシャ
L チョーク路
L1 チョーク路を構成する直線部
L2,L4 チョーク路を構成する螺旋部
L3 チョーク路を構成する周回部
R1 上方油室
R2 下方油室
Claims (4)
- シリンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在に挿入され、ピストンはシリンダ内に上方油室と下方油室を区画し、ピストンには上方油室と下方油室とを連通する伸側ポートと圧側ポートとを形成し、上記伸側ポートと圧側ポートとの各出口端にそれぞれ伸側減衰バルブと圧側減衰バルブとを開閉自在に設け、上記ピストンロッドには上記伸側減衰バルブと圧側減衰バルブとを迂回して上記上方油室と下方油室とを連通するするバイパス路を設け、このバイパス路中に減衰力調整用の中空なロータリバルブを回転自在に挿入している油圧緩衝器において、上記バイパス路はピストンロッド内に形成した縦孔と、同じくピストンロッドに円周方向に沿って隔設されて上記上方油室に連通する複数のスリット又は複数の連通孔と、上記ロータリバルブに形成されて上記縦孔に連通する連通路と、上記ロータリバルブの外周に形成されて上記連通路に接続したチョーク路とからなり、上記ロータリバルブを回転させて上記チョーク路を上記スリットのいずれか一つ又は上記連通孔のいずれか一つに選択的に連通させ、当該連通しているスリット又は連通孔と上記連通路との間の距離に応じて上記チョーク路の長さを調整させることを特徴とする油圧緩衝器における減衰力調整構造。
- チョーク路はロータリバルブの軸線方向に延在された基本長部分となる直線部と、この直線部に連続して螺旋状に延在された可変長部分とされる螺旋部とで構成され、上記螺旋部がスリットのいずれか一つに選択的に連通する請求項1の油圧緩衝器における減衰力調整構造。
- チョーク路はロータリバルブの軸線方向に延在された基本長部分となる直線部と、この直線部に連続してロータリバルブの上端部で周方向に延在された可変長部分とされる周回部とで構成され、上記周回部が連通孔のいずれか一つに選択的に連通する請求項1の油圧緩衝器における減衰力調整構造。
- ピストンの上方にディスクを配在し、このディスクに上方油室に開口する横孔を形成し、この横孔を介してスリット又は連通孔を上方油室に連通させている請求項1、2、又は3の油圧緩衝器における減衰力調整構造。
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