JP3943048B2 - 組織の細胞dnaからの組込みウイルスの直接レスキュー及び増幅の方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
パルボウイルス科のメンバーであるアデノ随伴ウイルス(AAV)は、4.7〜6kb(Mr.1.5−2.0x106)の一本鎖線状DNAゲノムを有する小型のエンベロープの無い正二十面体ウイルスである。AAVは、精製されたアデノウイルスストックにおける汚染物(contaminant)として発見されたのでディペンドウイルス(Dependovirus)属に特定される。AAVの生活環は、AAVゲノムが感染後に宿主染色体に部位特異的に組込まれる潜伏期及びアデノウイルスもしくは単純ヘルペスウイルスのいずれかの重複感染後に、組込みゲノムを続いてレスキューし、複製し、そして感染性ウイルスにパッケージングする増殖もしくは生産期を含む。単純なゲノム構造、非病原性、非分裂細胞を包含する、感染性についての広い宿主範囲、及び潜在的な部位特異的染色体組込みの特性は、AAVを遺伝子導入の魅力的な手段にする。最近の研究は、AAVベクターが安定な遺伝子発現を得るための好ましい媒体であり得ることを示唆する。
【0002】
【従来の技術】
現在まで、AAVの6種の異なる血清型(AAV1−6)が、ヒトもしくは非ヒト霊長類(NHP)から単離され、十分に特性化され、そして遺伝子導入用途のベクターとされている。これらの全ては、霊長類及び非ヒト霊長類起源の汚染されたアデノウイルス調製物もしくは組織検体のいずれかから感染性ウイルスとして単離されている。これらの中で、AAV1及びAAV4は非ヒト霊長類から単離され;AAV2、3及び5はヒトから得られ、そしてAAV6はヒトアデノウイルス調製物の汚染物であった。
【0003】
核に侵入し、宿主に組込みそしてヘルパーウイルス共感染なしに潜伏感染を確立するAAVの能力を利用して、最近、我々は、非ヒト霊長類起源の異なる組織から調製した細胞DNAからの新規なAAVの配列の単離のためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく方法を考案した。この方法を用いて、我々は少なくとも16分子タイプ及び8分子サブタイプの新規なAAVを単離し、遺伝子導入用途におけるそれらの効率を評価するためにそれらの二つに関して組換えウイルスを作製した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
細胞源からAAVビリオンを同定及び単離する信頼できる方法の必要性が依然として当該技術分野にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、細胞DNAを細胞にトランスフェクションし、ウイルスをレスキューし、そしてアデノウイルスヘルパー機能の存在下で連続継代によってウイルスを増幅することにより組織の細胞DNAから新規なAAVウイルスを単離する独特な方法を提供する。この方法は、組織、特に非ヒト霊長類(NHP)及びヒト組織から新規なAAV及び他のヘルパー依存性組込みウイルスを単離する非常に有用なそして実用的な手段である。
【0006】
本発明のこれら及び他の特徴は、以下の本発明の詳細な記述から容易に明らかである。本明細書及び請求項の全体にわたって使用する場合、「含んでなる(comprise)」という用語及びとりわけ「含んでなる(comprises)」、「含んでなっている」を包含するその変形には、他の成分、要素、整数、工程などが含まれる。「からなる」もしくは「からなっている」という用語は、他の成分、要素、整数、工程などを除く。
【0007】
【発明の実施の形態】
一つの態様として、本発明は、ヒトもしくは非ヒト組織からの細胞DNAからの組込みウイルスもしくは非ウイルス配列の直接レスキューの方法を提供する。
【0008】
該方法は、アデノ随伴ウイルス(AAV)のようなヘルパーに依存する組込みウイルスのレスキューにおける使用に特によく適している。例えば、最近単離された新規なAAV血清型を用いて、本発明の方法は非常にうまく機能することが示された。AAV8配列及びrep/capタンパク質発現は、トランスフェクション及び連続継代後に293細胞において劇的に増幅された。しかしながら、本明細書における実施例は、新規なAAV血清型のレスキュー及び増幅を示すが、本発明の方法は、既知及び未知のAAV血清型の両方、並びに宿主細胞のゲノムに組込む他のウイルス及び非ウイルス配列に容易に適用できる。そのような他のウイルス配列には、とりわけ、レトロウイルス[例えば、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、HTLVI及びHTLVII]、及びレンチウイルス亜科[例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ウマ伝染性貧血ウイルス及びスプマウイルス亜科]が包含される。本発明の方法の他の適当な使用は、当業者に容易に明らかである。
【0009】
本明細書において用いる場合、サンプルは核酸を含有する任意の起源、例えば、組織、組織培養物、細胞、細胞培養物、充実性腫瘍、及び限定なしに尿及び血液を包含する生物学的流体である。これらの核酸配列は、プラスミドからのDNAもしくはRNA、細菌、酵母、ウイルス、及び植物もしくは動物のような高等生物を包含する任意の起源からの天然のDNAもしくはRNAであることができる。一つの望ましい態様として、細胞は非ヒト霊長類もしくはヒト起源からである。しかしながら、様々な哺乳動物及び非哺乳動物種からの細胞もまた利用することができる。サンプルの起源及び本発明の方法の適用のために核酸を得る方法は、本発明の制約ではない。場合により、本発明の方法は、DNAの起源に対して直接、もしくはある起源から得られる(例えば抽出される)核酸に対して行うことができる。
【0010】
細胞DNAは、様々な通常の技術のいずれかを用いて細胞源から抽出する。DNAもしくはRNAは、Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(New York:Cold Spring Harbor Laboratory)により記述されているもののような、当業者に既知である様々な技術によりサンプルから抽出する。
【0011】
サンプルからのDNAは、標的組込み外来DNA(例えばAAV)を切断せずに宿主生物に固有のゲノムDNAを優先的に切断するように選択された制限酵素の存在下でインキュベーションする。
【0012】
典型的に、標的組込み外来DNA(例えばAAV)の量は、サンプルにおける宿主DNAの量と比較してわずかである。従って、この消化工程は、AAVを損なわずに保ちながら、細胞サンプルにおける宿主DNAの複数フラグメントへの消化をもたらす。望ましくは、宿主DNA及び使用する任意のヘルパーウイルスにおける複数の認識部位を含有するが、標的AAVゲノム(もしくは他の標的組込みDNA)における最低限の数の認識部位のみを含有する制限酵素を選択する。最も望ましくは、選択する制限酵素は、標的組込みDNAにおけるいかなる認識部位も含有しない。本願において、そのような制限酵素はレアカッター(rare cutter)と称する。そのようなレアカッターの例には、例えば、FseI、PacI、PmeI、PsrI、BcgI、BglI、BsabI、BstXI、DrdI、EcoNI、FseI、MaMI、MslI、MwoI、PshaI、SfiI、SwaI、XcmI及びXmnIなどを包含する、7、8もしくはそれ以上の塩基の認識部位を有するものが包含される。適当なレアカッターは、文献においてそして様々なオンラインデータベース、例えばREBASETMデータベースにおいて当業者が容易に利用できる情報を用いて同定することができる。例えば、標的組込みDNAがAAV血清型8である場合の本発明の方法における使用に適当なレアカッターには、例えばPmeIが包含される。本発明の方法のための他の適当なカッターは、様々なコンピュータープログラム及び/もしくはオンラインデータベースを用いて容易に決定することができる。適当な制限酵素は、とりわけ、例えば、England Biolabs、Obiogene、Life Technology、Roche、BB Clontech、Stratagene、Amersham Pharmaciaを包含する様々な商業供給元から入手できる。
【0013】
いったん適切なサンプル及び消化酵素を選択すると、通常の消化技術を利用する。典型的には、制限酵素と混合したDNAのサンプルを約12〜約48時間インキュベーションする。この後、通常のフェノール/クロロホルム抽出工程を行う。例えば、フェノール/クロロホルム抽出を利用し、続いてエタノールで沈殿させ、そして沈殿物を方法工程の残部における使用のために(例えばTEもしくは別の適当なバッファーに)溶解することができる。例えば、Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,5.28−5.32,Appendix E.3−E.4(Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,New York,1989)を参照。他の適当な方法は、利用する制限酵素の製造業者もしくは販売者により提供されることができるか、もしくはそうでなければ当業者に既知である。
【0014】
サンプルにおける細胞DNAを消化した後、消化したDNAを通常の技術を用いて適当な細胞にトランスフェクションする。好適には、消化したDNAを、細胞においてトランスフェクションされる細胞DNAの濃度を最大にするようにトランスフェクションする。例えば、これは50〜80%の密度の細胞で5x105細胞当たり約0.2μg〜約2μgのDNAの量であることができる。しかしながら、これらの量は、とりわけ、細胞プレートのサイズ及び細胞タイプを考慮に入れて、必要もしくは所望に応じて調整することができる。
【0015】
宿主細胞自体は、原核(例えば細菌)細胞、並びに昆虫細胞、酵母細胞及び哺乳動物細胞を包含する真核細胞を包含する任意の生物学的生物の中から選択することができる。宿主細胞は、DNAの感染もしくはトランスフェクション及びトランスフェクションしたDNAの発現が可能である。特に望ましい宿主細胞は、限定なしに、A549、WEHI、3T3、10T1/2、BHK、MDCK、COS1、COS7、BSC1、BSC40、BMT10、VERO、WI38、HeLa、293細胞(これは機能性アデノウイルスE1を発現する)、Saos、C2C12、L細胞、HT1080、HepG2、並びにヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ及びハムスターを包含する哺乳動物から得られる一次(primary)繊維芽細胞、肝細胞及び筋芽細胞のような細胞を包含する任意の哺乳動物種の中から選択する。細胞を提供する哺乳動物種の選択は本発明の制約ではなく;また哺乳動物細胞のタイプ、すなわち、繊維芽細胞、肝細胞、腫瘍細胞などもそうではない。
【0016】
好適には、AAVの単離及び増幅のために、細胞はAAVの複製に必要なヘルパー機能を含有するかもしくは提供される。これらのヘルパー機能には、少なくとも、アデノウイルスからのE1a、E1b、E2a、E4、及びVAI RNA機能が包含される。例えば、1999年9月23日に公開されたWO 99/47691;RM Kotin,Hu Gene Ther.,5:793−801(1994);1999年4月1日に公開されたWO 99/15685を参照。さらに、場合により、ヘルパーAAV機能を供給することができ、そしてこれはサンプルにおけるAAVの低コピー数が推測される場合に望ましい。
【0017】
アデノウイルスにより提供されるヘルパー機能は、野生型アデノウイルスにより供給することができ、そしてヒトもしくは非ヒト起源、好ましくは非ヒト霊長類(NHP)起源であることができる。Ad5型[Genbank受託番号M73260]を包含する多数のヒトアデノウイルス型のDNA配列がGenbankから入手できる。アデノウイル配列は、血清型2、3、4、7、12及び40のような、そしてさらに任意の現在同定されているヒト型[例えば、Horwitz,“Adenoviridae and Their Replication”,VIROLOGY,2d ed.,pp.1679−1721(1990)を参照]を包含する任意の既知のアデノウイルス血清型から得ることができる。同様に、非ヒト霊長類(例えば、チンバンジー、アカゲザル、マカク及び他のサル種)もしくは他の非ヒト哺乳動物に感染することが既知であるアデノウイルスもまた本発明のベクター構築物において用いることができる。例えば、適当なアデノウイルスはATCCから入手でき、そしてとりわけ、限定なしに、米国特許第6,083,716号に記述されている、チンパンジーアデノウイルスPan5[VR−591]、Pan6[VR−592]、Pan7[VR−593]並びにC1及びC68(Pan9);限定なしにSV1[VR−195];SV25[SV−201];SV35;SV15;SV−34;SV−36;SV−37を包含するサルアデノウイウルス、並びにヒヒアデノウイルス[VR−275]が包含される。野生型アデノウイルスに加えて、必要なヘルパー機能を保有する組換えウイルスもしくは非ウイルスベクター(例えば、感染性及び非感染性プラスミド、エピソームなど)を利用することができる。そのような組換えウイルスは当該技術分野において既知であり、そして公開された技術に従って製造することができる。例えば、ハイブリッドAd/AAVウイルスを記述する、米国特許第5,871,982号及び米国特許6,251,677を参照。アデノウイルス型の選択は、以下の本発明を限定すると予測されない。様々なアデノウイルス株が、American Type Culture Collection,Manassas,Virginiaから入手でき、もしくは様々な商業及び公共の供給元から要求に応じて入手できる。さらに、多数のそのような株の配列は、例えばPubMed及びGenBankを包含する様々なデータベースから入手できる。以下の実施例では、便宜上、アデノウイルス5型(Ad5)、Pan6及びPan9を使用する。しかしながら、他のアデノウイルス株から得られる匹敵する領域を容易に選択しそしてこれらの血清型の代わりに(もしくは組み合わせて)本発明において使用できることを当業者は理解する。
【0018】
一つの態様として、細胞は、AAVを増幅する継代中の汚染ウイルスの相同的組換えを防ぐためにアデノウイルスE1、E2a及び/もしくはE4 ORF6のみを含有する。別の態様として、細胞はアデノウイルスE1a及びE1b遺伝子機能を安定に発現し、そして他の必要なアデノウイルスヘルパー機能をトランスに提供される。適当な細胞の例は、American Type Culture Collection[ATCC],Manassas,Virginia 20110−2209から入手できる細胞系からである293細胞である。他の適当な細胞系は、ATCC、商業供給元から入手でき、もしくは文献に記述されている。
【0019】
AAVヘルパー機能が供給される場合、例えば、サンプルにおけるAAVの低コピー数が推測される場合、宿主細胞は、場合により安定に含有することができ、もしくはそうでなければAAVヘルパー機能を提供されることができる。一つの態様として、AAVヘルパー機能は、capなしに存在するrep機能である。この態様として、rep機能は、単一のAAV血清型により供給することができる。あるいはまた、2種、3種もしくはそれ以上の異なるAAV血清型からのrep機能を選択することができる。好適には、rep機能は、任意の所望のAAV血清型の中から選択することができる。
【0020】
適当なAAV血清型には、文献に記述されている、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5もしくはAAV6、2002年11月12日に出願された国際特許出願第PCT/US02/33630号の主題であるAAV8;国際特許出願第PCT/US02/33631号の主題であるAAV9;及び同時係属中の米国特許出願第10/291,583号に同定されているAAV7、AAV10、AAV11、AAV12などのようなAAV血清型が包含され、これらは引用することにより本明細書に組み込まれる。さらに、AAV7及びAAV8の配列は記述されている[G−P.Gao,et al,Proc NatlAcad.Sci USA,99(18):11854−11859(2002年9月3日);GenBankデータベース受託番号AF513851(AAV7)及び受託番号AF513852(AAV8)]。様々なAAV血清型をこれらの同時係属中の出願に記述されている方法に従って単離することができ、もしくはAmerican Type Culture Collection(ATCC),Manassas Virginiaを包含する様々な供給元から入手することができる。これらのAAV血清型の配列は公開されており、そして多くはPubMed及びGenBankのようなデータベースから入手できる。
【0021】
別の態様として、rep及びcapの両方をAAVヘルパー機能として利用する。この態様として、rep機能及びcap機能を同じAAV血清型によりもしくは異なるAAV血清型から供給することができる。所望に応じて、rep機能及び/もしくはcap機能を2種、3種もしくはそれ以上の異なるAAV血清型により供給することができ、ここで、repのAAVの起源は、capのAAV血清型の起源と同じもしくは異なる。好適には、rep及びcap機能を任意の所望のAAV血清型の中から選択することができる。
【0022】
本発明において有用な一つの宿主細胞は、rep及びcapをコードする配列で安定に形質転換されそしてアデノウイルスE1、E2a及びE4ORF6 DNAでトランスフェクションされる宿主細胞である。B−50(PCT/US98/19463)のような安定なrep及び/もしくはcap発現細胞系もしくは米国特許第5,658,785号に記述されているものもまた同様に用いることができる。別の望ましい宿主細胞は、E4ORF6を発現するために十分な最低限のアデノウイルスDNAを含有する。さらに別の細胞系を他のAAV rep及び/もしくはcap配列を用いて構築することができる。そのような技術には、周知でありそして上記に引用するSambrook et al.に記述されているcDNA及びゲノムクローニング、ポリメラーゼ連鎖反応と組み合わせた、アデノウイルス及びAAVゲノムの重複するオリゴヌクレオチド配列の使用、合成法、並びに所望のヌクレオチド配列を提供する任意の他の適当な方法が包含される。
【0023】
場合により、所望のAAVヘルパー機能、例えばrep及び/もしくはcapは、所望のヘルパー機能をコードする配列を保有する一つもしくはそれ以上のベクターにより宿主細胞に提供される。例えば、米国特許6,203,975[場合により組換えアデノウイルスに結合したrep/capタンパク質を保有するプラスミド]及び米国特許第6,258,595号[rep及び/もしくはcap機能を保有する多数のプラスミドを記述する]を参照。rep及びcap配列は、それらの発現制御配列と一緒に、単一のベクター上で供給することができ、もしくは各配列をそれ自体のベクター上で供給することができる。好ましくは、rep及びcap配列は、同じベクター上で供給される。あるいはまた、rep及びcap配列は、宿主細胞に導入されるべき他のDNA配列、例えばヘルパーアデノウイルス機能を含有するベクター上で供給することができる。好ましくは、repもしくはcapタンパク質を発現するプロモーターは、当業者に既知であるかもしくは上記に説明するような構成性、誘導性もしくは天然のプロモーターのいずれかであることができる。一つの態様として、AAV P5プロモーター配列をrepタンパク質の発現に用いる。任意のAAV起源から得ることができるが、パルボウイルスP5プロモーターは、好ましくは、rep及びcap遺伝子配列を提供する血清型と同じ血清型である。あるいはまた、プロモーターは、rep及びcap配列を提供するものと別のAAV型からのP5プロモーターであることができる。他のヒトもしくは他の動物に感染することが既知であるAAVもまたP5プロモーターを提供することができる。これらの配列のいずれかを提供するAAVの選択は、本発明を限定しない。別の態様として、repのプロモーターは誘導性プロモーターである。上記に説明するように、誘導性プロモーターには、限定なしに、メタロチオネイン(metallothionine)(MT)プロモーター;デキサメタゾン(Dex)−誘導性マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター;T7ポリメラーゼプロモーター系;エクジソン昆虫プロモーター;テトラサイクリン抑制系;テトラサイクリン誘導系;RU486-誘導系;及びラパマイシン誘導系が包含される。rep発現の一つの好ましいプロモーターはT7プロモーターである。T7プロモーターにより調節されるrep遺伝子、及びcap遺伝子を含んでなるベクターは、T7ポリメラーゼを構成的もしくは誘導的のいずれかで発現する細胞にトランスフェクションもしくは形質転換される。1998年3月12日に公開されたWO 98/10088を参照。
【0024】
AAV rep及びcapタンパク質を提供する代表的な分子は、プラスミド、例えば、pMT−Rep/Cap、pP5−Rep/Cap及びpMMTV−Rep/Capである。これらのプラスミドは、ネオマイシン選択マーカー遺伝子を含有し、そしてそれらの天然のP5プロモーター(pP5−Rep/Cap)、亜鉛誘導性ヒツジメタロチオネインプロモーター(pMTRep/Cap)、もしくはデキサメタゾン(Dex)誘導性マウス乳癌ウイルス(MMTV)プロモーター(pMMTV−Rep/Cap)のいずれかにより導かれるAAV rep/cap遺伝子を発現する。これらのタンパク質は様々な手段により細胞に提供することができるが、本発明の代表的な方法には様々なプラスミドの使用が包含される。プラスミドpMT−Rep/Capの構築のためには、ORF6配列をpMTE4ORF6プラスミド[G.P.Gao et al,J.Virol.,70:8934−8943(1996)]からBamHI消化により取り除き、そしてpSub201プラスミド[RJ Samulski,et al.,J.Virol.,63:3822−3828(1989)]を鋳型として用いてPCR増幅により製造した4.1kbのrep/capフラグメントで置換した。プラスミドpMMTV−Rep/Capは、pMMTVE4ORF6プラスミド[Gao et al.,上記に引用]をベクターバックボーンとして用いたことを除いて、pMT−Rep/Capと同じように構築した。P5−Rep/Capの構築のためには、MTプロモーター及びORF6配列をpMTE4ORF6プラスミド[G.P.Gao et al,J.Virol.,70:8934−8943(1996)]からEcoRI/BamHI消化により取り除き、そしてpSub201プラスミド[RJ Samulski,etal.,J.Virol.,63:3822−3828(1989)]からXbaI消化により単離した4.3kbのP5−Rep/Capフラグメントで置換した。プラスミド構築は、Sambrook et al,上記に引用に記述されているもののような通常の遺伝子工学方法を含んだ。上記に引用する参考文献の全ては、引用することにより本明細書に組み込まれる。
【0025】
rep及び/もしくはcapタンパク質を提供する様々な他のプラスミド構築物は当該技術分野において既知であり、そして本発明の宿主細胞において用いることができる。例えば、rep及び/もしくはcap構築物は、上記の構築物において言及するプロモーターとrep及び/もしくはcap遺伝子間のスペーサーを省くことができる。rep/cap遺伝子の3’にP5プロモーターを配置する米国特許第5,622,856号に記述されているもののような、当該技術分野の他の構築物もまたこれに関連して用いることができる。
【0026】
rep及び/もしくはcapタンパク質を提供する分子は、これらの成分を宿主細胞に導入する任意の形態であることができる。一つの態様として、この分子はプラスミドの形態であり、これはマーカー遺伝子のもののような他の非ウイルス配列を含有することができる。好適には、この分子はAAV ITRを含有せず、そして一般にAAVパッケージング配列を含有しない。従って、様々なベクターが、宿主細胞にAAVヘルパー機能を送達することが既知である。しかしながら、AAVヘルパー機能の送達のための適切なベクターの選択は、本発明の制約ではない。
【0027】
本発明によれば、細胞において安定に(stably)含有されない任意の所望のヘルパー機能(例えば、アデノウイルス、AAV rep、AAV cap、もしくは他のヘルパー機能)は、適当なベクターにより細胞に提供される。本明細書において用いる場合、ベクターは、宿主細胞に送達することができる任意の遺伝子要素、例えば、その上に保有する配列を導入する裸のDNA、プラスミド(感染性もしくは非感染性)、ファージ、エピソーム、トランスポゾン、コスミド、ウイルスなどである。選択したベクターは、トランスフェクション、電気穿孔、リポソーム送達、膜融合技術、高速DNA被覆ペレット、感染及びプロトプラスト融合を包含する任意の適当な方法により細胞に送達することができる。トランスフェクションは、便宜のためにのみ本明細書の全体にわたって言及するが、細胞に遺伝子要素を導入する方法に対する限定ではない。
【0028】
従って、全ての必要なヘルパー機能が宿主細胞において安定に含有されない場合、本明細書において記述するように、ヘルパー機能を共トランスフェクション、感染もしくは重複感染により供給する。好適には、細胞に1〜5x105細胞当たり約0.2μg〜約2μgのDNA、そしてより好ましくは5x105細胞当たり約1μg〜約1.8μgのDNAの量でヘルパーを共トランスフェクション/感染させる。本発明は、細胞のこの濃度に限定されず、それはウェルプレート、細胞タイプ、もしくは当業者に既知である他の因子により変えることができる(例えば、103以下の細胞〜1012以上の細胞)。制限酵素で消化したDNA及びヘルパーベクターは、好適には、1:1〜1:10の消化したDNA:ヘルパーの比率で細胞に提供する。あるいはまた、ヘルパーベクターより多量の消化したDNAを細胞に提供することができる。
【0029】
従って、本発明の方法によれば、消化したDNAを標的配列のレスキュー及び増幅のために宿主細胞にトランスフェクションする。一例として、本発明の方法は、霊長類(ヒトもしくは非ヒト)組織からAAVをレスキューするために利用する。
【0030】
一つの態様として、消化したDNAを宿主細胞に一晩トランスフェクションし;細胞を一晩インキュベーションし、そして次にヘルパーアデノウイルスを重複感染させ;完全な細胞変性効果(CPE)後に採取し、そして場合によりさらに継代する。本明細書において用いる場合、重複感染は、宿主細胞により提供されない任意の必要なヘルパー機能を提供するヘルパーウイルスの送達をさす。例えば、ヘルパー機能をアデノウイルスにより提供する場合、AAVパッケージング及び複製は、少なくとも、E1機能(すなわち、E1a及びE1b)、E2a、E4(もしくはORF6フラグメントのようなその機能性フラグメント)及びVAI RNAを必要とする。宿主細胞がE1機能を提供しない場合、ヘルパーベクター、例えばヘルパーアデノウイルスがこれらの機能を供給する。好ましくは、E1機能は、宿主細胞において安定に含有される。
【0031】
従って、選択した宿主細胞のトランスフェクション後に、選択した宿主細胞がヘルパー機能の発現及びAAVの複製をできるように細胞をその後培養する。典型的には、細胞を通常の条件下で約18〜約30時間、便宜上約24時間培養し、この時点でそれらにアデノウイルスヘルパーウイルスを重複感染させる。
【0032】
重複感染には、野生型アデノウイルス遺伝子機能を提供するウイルスベクターを利用することができ、もしくはE1アデノウイルス機能を提供する組換えアデノウイルスゲノムを提供する。あるいはまた、細胞系がE1遺伝子機能を提供する場合、E1を除く全てのアデノウイルス遺伝子機能を含有するウイルスベクターを利用することができる。しかしながら、好適には、宿主細胞に少なくともE1a、E1b、E2a及びVAI RNA機能を提供する。アデノウイルスヘルパー機能は、細胞における他のヘルパー機能を提供するものと同じアデノウイルス血清型から、もしくはトランス相補性(transcomplementing)血清型からであることができる。例えば、ヒトAd5 E1a及びE1bを発現する細胞系並びにヒトもしくはサルアデノウイルスヘルパー機能(例えばチンパンジーC68)を保有するヘルパーウイルスを利用することができる。あるいはまた、ヒトAd5 E1a及びE1bを発現する細胞系、アデノウイルスヘルパー機能を保有する第一のヘルパーベクター、並びに重複感染工程用のアデノウイルスを利用することができる。多数の他の組み合わせが可能であり、そして当業者に容易に明らかである。好適には、ヘルパーウイルスは、2〜5の範囲の感染多重度(MOI)で提供される。しかしながら、他の適当なMOIを当業者は容易に決定することができる。
【0033】
任意の所望のヘルパーAAV機能は、消化したDNAのトランスフェクションの時点もしくは重複感染の時点のいずれかで供給することができる。典型的には、完全なCPEが認められた後に細胞を採取し、これは通常、重複感染後約72〜約96時間である。細胞は、通常の技術を用いて採取する。典型的には、培養物を1回もしくは好ましくは数回の凍結融解に供し、そして得られる粗ライセートを次の継代もしくは標的DNAの検出用に集める。
【0034】
場合により、第一の継代からの全細胞DNA及びタンパク質を含有するペレットを、培養及び収集工程を繰り返すことによりさらなる継代に供する。場合により、適当なベクターは、1回もしくはそれ以上の追加の継代工程中に追加のAAVヘルパー機能を提供することができる。これらの工程は、必要応じて、例えば全部で2〜50継代にわたって繰り返すことができる。しかしながら、継代工程は、所望に応じて、さらに少ない、例えば全部で2〜30継代、2〜20継代、2〜10継代、2〜5継代、もしくはそれ以上であることができる。
【0035】
第二の態様として、消化したDNAは、最低限のアデノウイルスE2a、E4(もしくはその機能性フラグメント)及びVAI RNA機能のみを提供するアデノウイルスヘルパープラスミドと共にアデノウイルスE1機能を発現する宿主細胞に共トランスフェクションし;採取し;そして第一の継代でウイルスを重複感染させる。あるいはまた、宿主細胞はE1機能を提供せず、そしてこれらの機能は、他のヘルパー機能を提供するものと同じもしくは異なることができるヘルパーベクター上で供給される。任意の所望のヘルパーAAV機能は、消化したDNAのトランスフェクションの時点もしくは重複感染の時点のいずれかで供給することができる。
【0036】
この第二の態様では、いかなるCPEも認められず、そして細胞は、典型的に、通常の技術を用いてトランスフェクション後約72〜約96時間後に採取する。典型的には、培養物を上記のような凍結融解に供し、そして粗ライセートを継代用に集める。この時点で、アデノウイルスヘルパー機能を好ましくは感染性プラスミドもしくはウイルスの形態で供給することが必要である。その後、培養物を上記の第一の態様において記述するように継代する。さらに、場合により、消化したDNAでの最初のトランスフェクションの時点、もしくは好ましくは、第一の継代(すなわち、重複感染で)を開始する時点で共トランスフェクションもしくは感染により細胞系に任意の所望のAAV機能を提供することができる。場合により、追加のAAVヘルパー機能(例えばrep)を1回もしくはそれ以上の追加の継代中に供給することができる。
【0037】
さらに第三の態様として、消化したDNAは、感染性プラスミドと共に宿主細胞に共トランスフェクションする。典型的に、感染性プラスミドは、全長アデノウイルスゲノムを含有する。しかしながら、E1機能を発現する細胞系にトランスフェクションする場合、感染性プラスミドは、E1が欠失しているかもしくは非機能性にされていることを除いて全長アデノウイルスゲノムを含有することができる。場合により、細胞はまた、任意の所望のAAVヘルパー機能でトランスフェクションされる。通常の技術を用いてCPEが認められた後に細胞を培養する。典型的には、細胞を上記のように凍結融解に供し、そして粗ライセートを次の継代もしくは標的DNAの検出用に集める。
【0038】
上記の3つの別の態様のいずれを利用するかにかかわらず、第一の継代からの全細胞DNA及びタンパク質を含有する粗ライセートを、場合により、トランスフェクション、培養及び収集工程を繰り返すことによりさらなる継代に供する。これらの工程は、必要応じて、例えば全部で2〜50継代にわたって繰り返すことができる。しかしながら、継代工程は、所望に応じて、さらに少ない、例えば全部で2〜30、2〜20、2〜10、2〜5、もしくはそれ以上であることができる
実施する最終継代工程からの細胞ペレットの収集後に、標的組込みDNA、すなわち、AAVの存在を検出するためにペレット中の細胞DNA及びタンパク質をアッセイする。この検出工程は、任意の適当な方法を用いて行うことができる。一つの態様として、TaqMan PCR技術を利用する。一般的には、本明細書に引用するSambrook et alを参照。別の代案として、ゲノム歩行技術(Siebert et al.,1995,Nucleic Acid Research,23:1087−1088,Friezner−Degen et al.,1986,J.Biol.Chem.261:6972−6985,BD Biosciences Clontech,Palo Alto,CA)を用いて感染性AAVを単離することができる。別の態様として、本発明者等の研究所において開発された新規な検出方法を利用することができる。この方法は、新規なそして/もしくは未知の血清型のAAV の検出に特によく適しており、そして引用することにより本明細書に組み込まれる「アデノ随伴ウイルス(AAV)配列を検出及び/もしくは同定する方法並びにそれにより同定される新規な配列を単離する方法(“A Method of Detecting and/or Identifying Adeno−Associated Virus(AAV)Sequences and Isolating Novel Sequences Identified Thereby”)」という表題の2001年11月12日に出願された同時係属中の出願、米国特許出願第10/291,583号の主題である。
【0039】
あるいはまた、継代後に、細胞ペレットを標準的な方法に従ってAAVビリオンの精製用に採取する。そのような標準的な方法の中には、塩化セシウム(CsCl)勾配精製、カラムクロマトグラフィー、及び文献において記述されているもの[Gao et al,Hu Gene Therapy,11:2079−2091(2002年10月)]などのような技術がある。
【0040】
例えば、細胞をトランスフェクション培地と一緒にスクレーパーにより採取し、そしてエタノール−ドライアイス及び37℃の水浴における3回の凍結融解に供することができる。細胞を例えば4℃で15分間遠心分離することができる。一般的には、本明細書に引用するSambrook et alを参照。
【0041】
従って、本発明の方法は、標的ウイルス配列、特に組込みウイルス配列の検出、同定及び単離を可能にする。本発明はさらに、本発明の方法を用いて同定及び単離される新規なウイルスを提供する。いったんそのように単離及び同定されると、当業者に既知である方法を用いて新規なウイルスを特性化し、そして当業者に容易に明らかである様々な目的に利用することができる。
【0042】
本発明の方法は、新規なAAV血清型を含むことができる、AAV配列の検出、同定及び単離における使用に特によく適している。本発明の方法は、様々な疫学研究、生体内分布の研究、AAVベクター及び他の組込みウイルスから得られるベクターによる遺伝子治療のモニタリングに容易に用いることができる。従って、これらの方法は、臨床医、研究者及び疫学者による使用のために事前包装したキットにおける使用によく適している。
II.診断キット
別の態様として、本発明は、サンプルにおける既知もしくは未知の組込み標的、例えばアデノ随伴ウイルス(AAV)の存在を検出するための診断キットを提供する。そのようなキットは、とりわけ、稀な制限酵素、抽出したDNAを継代するための細胞、ヘルパーウイルスプラスミド及び/もしくはウイルスを含有するバイアルを含むことができる。
【0043】
本発明はさらに、本発明の方法に従って検出されるAAV血清型を同定するため及び/もしくは既知のAAVから新規なAAVを区別するために有用なキットを提供する。さらに、本発明のキットは、使用説明書、陰性及び/もしくは陽性コントロール、容器、サンプルの希釈剤及びバッファー、特徴(signature)比較のための表示図、使い捨て手袋、汚染除去使用説明書、アプリケーター棒もしくは容器、及びサンプル準備カップ、並びに培地、洗浄試薬及び濃縮試薬を包含する任意の所望の試薬を含むことができる。そのような試薬は、本明細書において記述する試薬の中から、そして通常の濃縮試薬の中から容易に選択することができる。一つの望ましい態様として、洗浄試薬は、リン酸緩衝食塩水(PBS)のような生理的pHに酸性度を調節されている等張食塩水溶液であり;溶出試薬は0.4M NaClを含有するPBS、並びに濃縮試薬及び装置である。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)もしくはNH4SO4のような試薬、もしくはフィルター装置のような装置が有用であり得ることを当業者は認識する。例えば、100K膜を有するフィルター装置はrAAVを濃縮する。
【0044】
本発明により提供されるキットは、本明細書において記述する方法を行うことそして生体内分布、疫学、ヒト及びNHPにおける新規なAAV血清型の伝達形態の研究に有用である。
【0045】
従って、本発明の方法及びキットは、標的ウイルス配列、特に組込みウイルス配列の検出、同定及び単離を可能にする。該方法及びキットは、新規なAAV血清型を含むことができる、AAV配列の検出、同定及び単離における使用に特によく適している。
【0046】
【実施例】
以下の実施例は、本発明のいくつかの特徴及び態様を例示する。
実施例1:アカゲザル組織におけるAAV8配列の検出及び定量
リアルタイムPCR分析(TaqMan)用にAAV8キャプシド遺伝子の超可変領域4内に位置する一続きの配列に基づいて一組のプライマー及びプローブを考案した。TaqMan分析は、2つの異なる集団の11匹のアカゲザルの各々10の組織からの110のDNAサンプルにわたって行った。一匹のサル(98E056)の心臓及び肝臓組織は、AAV8配列が最も豊富であることが見出された。1μgのDNA当たりのAAV8配列のゲノムコピーは心臓では88000、そして肝臓では22000である。これら2つのDNAサンプルにおけるそのような多量のAAV8配列のために、これらはAAV8ウイルスのレスキューの優れた候補であると考えられた。
実施例2:組織DNAの制限酵素消化
サル組織DNAからAAV8をレスキューするために、適切な細胞へのDNAの送達は第一の工程である。哺乳動物細胞への高分子量細胞DNAの直接トランスフェクションは、通常、乏しい遺伝子導入効率をもたらす。この障壁を克服するために、サル#98E056の5μgの肝臓DNAをAAV8ゲノムにおける非カッター(non−cutter)であるPmeIで一晩処理し、そして次にフェノール/クロロホルム抽出し、エタノール沈殿させ、そしてTE(1M Tris,pH 8.0、0.5M EDTA,pH 8.0、dH2O)に溶解した。
実施例3:293細胞におけるAAV8のトランスフェクション及びレスキューこの研究では、ヒトアデノウイルス血清型5のE1遺伝子で形質転換したヒト胚腎臓繊維芽細胞細胞系、293細胞をその高いトランスフェクション能力(transfectability)及び異なる血清型の様々なAAVベクターを生産することにおける成功した利用のためにレスキュー用の宿主として選択した。異なる血清型の組換えAAVの生産のための293細胞の三重トランスフェクションにおいて一般に用いられた方法であるリン酸カルシウム法は、この実験におけるトランスフェクションの方法であった。
【0047】
AAVゲノムのレスキューのための別の重要な必要条件は、適切なアデノウイルスヘルパー機能の存在である。この実験において、我々は、ヒトアデノウイルス血清型5を2つの結果に基づいて出発するヘルパーとして選択した。第一のものは、293細胞の三重トランスフェクションにおけるAd5ヘルパープラスミドの使用が、AAV2/8ベクターの高収量生産をもたらすことであり、Ad5が優れたヘルパーであることを示唆した。第二の結果は、高コピー数のAAV8配列が肝臓及び心臓において検出されたサル98E056が、殺される前に肝静脈投与によって組換えアデノウイルスベクターで処理されたことであった。これは、アデノウイルスの感染が、このサルのいくつかの組織におけるAAV8ゲノムのレスキュー及び増幅をもたらしたという考察につながることができた。
【0048】
293細胞をウェル当たり5x105細胞の密度で12ウェルプレートにおいて接種した。トランスフェクション及びレスキュー実験を以下のように実施した。
【0049】
グループA−1:1μgのPmeI処理した肝臓DNA+1μgのpBluescript DNA(キャリヤーDNA)
グループA−2:0.2μgのPmeI処理した肝臓DNA+1.8μgのpBluescript DNA(キャリヤーDNA)
グループB−1:1μgのPmeI処理した肝臓DNA+1μgのpAdΔF6 DNA(非感染性Adヘルパープラスミド)
グループB−2:0.2μgのPmeI処理した肝臓DNA+1.8μgのpAdΔF6 DNA(非感染性Adヘルパープラスミド)
グループC−1:1μgのPmeI処理した肝臓DNA+1μgのpAdCMVLacZ(感染性Adプラスミド)
グループC−2:0.2μgのPmeI処理した肝臓DNA+1.8μgのpAdCMVLacZ(感染性Adプラスミド))
トランスフェクション後24時間で、A−1及びA−2の細胞にAd5wtウイルスを2のMOIで感染させた。A−1、A−2、B−1及びB−2の細胞をトランスフェクション後96時間で採取し、そして3サイクルの凍結/融解により溶解させた。C−1及びC−2の細胞は、トランスフェクション後15日で完全な細胞変性効果(CPE)が認められた後に粗ライセート調製用に採取した。
【0050】
各グループからの全粗細胞ライセートを次に293細胞の100mmプレート上に継代した。グループB−1及びB−2には、細胞にE1欠失Ad5wtウイルスも5のMOIで重複感染させた。コントロールとして、293細胞の100mmプレートに同じAd5wtウイルスを5のMOIで感染させた。完全なCPEが認められた場合、各感染を採取した。1/10の各感染を3サイクルの凍結融解用に取っておき、そして次の継代用に293細胞の別の100mmプレート上に継代した。残りの感染は、全細胞DNA及びタンパク質の調製用の細胞ペレットを集めるために回転して落とした。該工程を最初の特性化のための継代2及び3の各サンプル用に繰り返した。
実施例4:異なる継代で再感染した293細胞の全DNA、タンパク質及び粗ライセートの特性化
A.TaqMan PCR
AAV8配列が連続継代中にレスキューされそして増幅されるかどうかを調べるために、各実験グループの異なる継代から抽出した全DNAをAAV8 cap遺伝子配列のTaqMan分析に供した。結果を以下に要約する(GC=ゲノムコピー)。表1を参照。
【0051】
【表1】
【0052】
データは以下のことを示唆した:
A−1、B−1及びB−2及びC−1グループにおいて、AAV8ウイルスはトランスフェクション工程においてレスキューされ、そして連続継代中にさらに増幅された。そのような増幅は、おそらく293細胞におけるAAVの限られたパッケージング能力及びアデノウイルスとAAV間の競合的増殖阻害のために継代中に劇的ではない。
【0053】
A−2及びC−2において0.2μgのサルDNAを用いた場合、あらゆる継代においていかなる有意なAAV8配列も検出されなかった。これは、AAVの最初のゲノムコピーの閾値が、293細胞におけるレスキュー及び増幅のアデノウイルス阻害を克服するために必要とされることを意味することができる。しかし、B−2の場合、AAV8及びアデノウイルスレスキューの両方が同時に起こったので、アデノウイルス複製及びパッケージングによるAAV8レスキュー、複製及びパッケージングの阻害は害が少なく、より低いゲノムコピーでさえAAV8の成功レスキュー及び増幅につながる。
【0054】
これは、どのようにしてそしていつアデノウイルスヘルパー機能を提供するかが、この方法によるAAVのレスキュー及び増幅にとって重要であることを示唆する。
【0055】
B.PCRクローニング
TaqManデータは、AAV8プローブ/プライマーと293細胞のDNA配列間のいくらかの交差反応性を示唆した。感染におけるAAV配列の存在を確かめるために、2つの追加試験を実施した。
【0056】
1.ユニバーサルプライマー組を用いるAAVシグネチャー領域の通常のPCR増幅
パッケージングされていないAAV8ゲノムを消化するためにA−1−P3、C−1−P3及びAd−コントロール−P3の粗ライセートをDNアーゼIで37℃で1時間処理した。各々0.4μlの処理したライセートを50μlのPCR増幅に用いた。PCR産物を2%アガロースゲル電気泳動により調べた。結果は、A−1−P3及びC−1−P3サンプルにおいて予想される250bpのシグネチャーPCR産物を示し、一方、Ad−コントロール−P3は、全くバンドを示さなかった。これは、A−1及びC−1においてTaqManにより捕捉されるシグナルがAAV配列であることを裏付けた。
【0057】
2.特定のAAV配列を同定するためのPCRクローニング及び塩基配列決定
AAV配列のどの分子タイプ(一つもしくは複数)がこの実験においてレスキューされそしてパッケージングされたかを同定するために、全cap遺伝子及びrep遺伝子の3’末端にまたがる3.1kbの配列を増幅するように一対のユニベーサルプライマー組を考案した。PCR産物をクローン化し、そして同定のために部分的に塩基配列を決定した。
【0058】
C.ウェスタンブロット
粗ライセートにおけるAAVウイルスの存在を確かめる別の方法として、異なる継代でのAAV Rep及びCapタンパク質発現を調べた。以前の実験において、AAV2キャプシドタンパク質に対するマウスモノクローナル抗体、クローンB1は、AAV1、5、7及び8からのキャプシドタンパク質とよく交差反応できることが見出された。AAVの全てのタイプの詳細な配列比較により、Rep領域における強い類似性が示された。ウェスタンブロット分析には、AAV2 Repタンパク質に対するマウスモノクローナル抗体、クローン259.5を使用すると決定した。
【0059】
いくつかの感染の継代3の細胞ペレットから全細胞タンパク質を抽出し、そして定量した。各々5μgの全タンパク質をウェスタンブロット分析に用いた。結果を以下の表2に要約する。
【0060】
【表2】
【0061】
データは、AAV8配列のゲノムコピーとRep/Cap発現間の相関関係を示唆し、細胞に与えたAAV8配列が転写的そして翻訳的に活性であることを示した。
実施例5:AAV8ビリオンの増大
TaqMan分析、PCR/クローニング及びウェスタンブロット分析は、本明細書において記述するようなAAV配列の存在及びrep/cap遺伝子発現を示した。
【0062】
TaqMan技術を用いて、サル#98E056における2つの組織はAAV8配列が最も豊富であることが決定されている。それらは心臓及び肝臓である(それぞれ、DNAのμg当たり88,000及び22,000GCのAAV8)。組織DNAにおけるAAV8配列がレスキュー可能でありそしてビリオンにパッケージング可能であるかどうかを調べるために、このサルの肝臓DNAをAAV8ゲノムにおける非カッターPmeIで制限し、そして感染性もしくは非感染性アデノウイルスヘルパープラスミドと293細胞にトランスフェクションし、もしくは続いて24時間後にアデノウイルスを感染させた。各トランスフェクションもしくはトランスフェクション/感染からの粗ライセートをトランスフェクション後72時間で採取し、そして連続継代に供した。
【0063】
より特に、サル肝臓から調製した細胞DNAをPmeIエンドヌクレアーゼで制限し、そして通常のリン酸カルシウム方法論を用いて感染性及び非感染性アデノウイルスプラスミドもしくはコントロールプラスミドと293細胞に共トランスフェクションした(アカゲザル肝臓DNA)。コントロールプラスミドを擬似トランスフェクションに使用した(pBluescript)。非感染性アデノウイルスヘルパープラスミドは、E2a、E4及びVARNAヘルパー機能を提供した。感染性E1欠失組換えアデノウイルスプラスミドを293細胞において感染させるために使用した(pAdΔF6)。A−1及びA−2グループでは、ヘルパーアデノウイルスをトランスフェクション後24時間で加え、そして細胞ライセートを継代用に48時間後に採取した(pAdCMVLacZ)。C−1、C−2及びコントロールグループでは、細胞ライセートをトランスフェクション後72時間で調製し、そしてヘルパーウイルスを第一の継代において293細胞に加えた(Ad5 wtウイルス)。表3を参照。
【0064】
【表3】
【0065】
粗ライセートにおけるAAVウイルスの存在を確かめる方法として、異なる継代でのAAV Rep及びCapタンパク質発現を調べた。以前の実験において、AAV2キャプシドタンパク質に対するマウスモノクローナル抗体、クローンB1は、AAV1、5、7及び8からのキャプシドタンパク質とよく交差反応できることが見出された(データは示さない)。AAVの全てのタイプの詳細な配列比較もまた、Rep領域における強い類似性を示した。
【0066】
AAV2 Repタンパク質に対するマウスモノクローナル抗体(クローン259.5)をウェスタンブロット分析における使用のために選択した。実験B−1及びB−2の継代1の細胞ペレットから全細胞タンパク質を抽出し、そして定量した。各々2μgの全タンパク質をrep及びcapのウェスタンブロット分析に用いた。B−1及びB−2グループの継代1から抽出した細胞DNAにおけるAAV8 cap遺伝子配列の存在もまた、AAV8 cap特異的プライマー及びプローブを用いてTaqManにより定量した。
【0067】
レスキューされるAAVゲノムが実際にAAV8であることを決定するために、C−1及び擬似トランスフェクションの継代3のDNアーゼI処理した粗ライセートからの3.1kb cap領域のPCR増幅及びクローニングを実施した。予想されるように、擬似トランスフェクションしたサンプルではいかなるPCRバンドも検出されなかったが、C−1クローンの配列分析は、アデノウイルスヘルパーの存在下で293細胞においてレスキューされそしてパッケージングされたゲノムがAAV8であることを裏付けた(データは示さない)。
【0068】
次の工程は、この分子存在のAAVビリオンを単離することである。実施例6においてさらに記述するように、A−1、B−1、C−1及びAd−コントロールの粗ライセートを293細胞の1、5及び50の150mmプレート上に連続して継代した。細胞ペレットを標準的な方法に従ってAAVビリオンのCsCl勾配精製用に感染後42時間で採取した。
実施例6:AAV8ビリオンの透過型電子顕微鏡検査及び感染性クローンの作製いったんAAVビリオンが単離されると、AAVビリオンの形態を示すために陰性染色サンプルの透過型電子顕微鏡検査を行う。さらに、Xiao et al.,J.Virol.,73(5):3994−4003(1999年5月)に記述されている方法に従って、ビリオンにパッケージングされたAAVゲノムの感染性分子クローンをさらなる特性化のために作製する。
【0069】
AAV8の物理的(physical)ビリオンを調べるために、グループC−1の連続継代の粗ライセートを擬似トランスフェクショングループのものと一緒に50プレート感染に増やし、そしてAAVビリオンの精製のためのCsCl勾配遠心分離に供した。AAV8のゲノムコピー濃度は、TaqMan分析により決定した。陰性染色サンプルの透過型電子顕微鏡検査を行った。結果(示さない)としてC−1サンプルは典型的なAAVビリオンを示したが、擬似トランスフェクションはいかなる可視のAAV構造も有さなかった。
実施例7:脾臓組織において同定される新規なAAVのレスキュー
本明細書において記述する方法(実施例3を参照)を用いて、アカゲザルの脾臓組織において同定される新規なサルAAVをレスキューするために実験を行った。細胞DNAをPmeIで処理し、そして293細胞においてサルアデノウイルスPan6のE1欠失分子クローン、サルアデノウイルスPan9のE1欠失分子クローン及びヒトAd5のE1欠失分子クローンで等量(各々1μg)で共トランスフェクションした。AAV力価は、これらの実施例において記述するようにトランスフェクション後継代1でTaqMan分析により決定した。
【0070】
【表4】
【0071】
このデータは、サルアデノウイルス血清型がサルAAV血清型のレスキューにおいていっそう効率がよい可能性があることを示唆する。
【0072】
本明細書に引用する全ての公開は、引用することにより本明細書に組み込まれる。本発明は特定の好ましい態様に関連して記述されているが、本発明の精神からそれずに改変を行うことができると理解される。そのような改変は、請求項の範囲内に入るものとする。
【0073】
本発明の特徴及び態様を示せば、以下のとおりである。
1. (a)天然のAAVゲノムにおいて切断しない制限酵素で哺乳動物細胞源からのゲノムDNAのサンプルにおけるDNAを消化し;
(b)消化したDNAを細胞にトランスフェクションし;
(c)トランスフェクションした細胞を、AAVのパッケージング及び複製に必要な少なくとも最低限のアデノウイルス機能が細胞において発現される条件下で培養し;
(d)ヘルパー機能を発現する細胞において(c)の培養工程から得られるライセートを継代し;そして
(e)場合により継代工程からのライセートをさらなる継代に供する:
組織からの細胞DNAからのアデノ随伴ウイルス(AAV)の直接レスキューの方法。
2. 消化工程をPmeI、FseI、PacI、PsrI、BcgI、BglI、BsabI、BstXI、DrdI、EcoNI、FseI及びMaMIよりなる群から選択される制限酵素を用いて行う上記1に記載の方法。
3. 消化工程が、サンプルからのDNAをPmeIとインキュベーションすること、フェノール/クロロホルム抽出を行うこと、エタノールで沈殿すること及び沈殿物を溶解することの工程をさらに含んでなる上記1もしくは2に記載の方法。
4. インキュベーションする工程を約12〜48時間行う上記3に記載の方法。
5. 哺乳動物細胞源が非ヒト霊長類もしくはヒトからの組織である上記1〜4のいずれかに記載の方法。
6. 工程(b)の細胞をE1a及びE1b遺伝子産物の発現を導く調節制御要素の制御下のアデノウイルスE1a及びE1b遺伝子で安定に形質転換する上記1〜5のいずれかに記載の方法。
7. 工程(b)の細胞が293細胞である上記1〜6のいずれかに記載の方法。
8. 工程(b)の細胞がAAVヘルパー機能を発現する上記1〜5のいずれかに記載の方法。
9. 工程(b)の細胞がAAV repタンパク質を発現する上記1〜8のいずれかに記載の方法。
10. 工程(b)の細胞をアデノウイルスE1a、E1b、E2a、E4(もしくはその機能性フラグメント)及びVAI RNAからなるアデノウイルス配列を含有するベクターと共トランスフェクションする上記1〜5のいずれかに記載の方法。
11. 工程(b)の細胞をアデノウイルスE2a、E4(もしくはその機能性フラグメント)及びVAI RNAからなるアデノウイルス配列を含有するベクターと共トランスフェクションする上記1〜5のいずれかに記載の方法。
12. アデノウイルスヘルパー機能をプラスミド上で提供する上記1〜5のいずれかに記載の方法。
13. ヘルパー機能を一つもしくはそれ以上のアデノウイルス血清型により提供する上記1〜12のいずれかに記載の方法。
14. アデノウイルスE1a及びE1b機能をヒトアデノウイルスにより提供する上記1〜13のいずれかに記載の方法。
15. 他の必要なアデノウイルスヘルパー機能をチンパンジーアデノウイルス血清型により提供する上記14に記載の方法。
16. 工程(b)の細胞を0.2μg〜2μgでトランスフェクションする上記12〜14のいずれかに記載の方法。
17. 非感染性ヘルパーアデノウイルスプラスミドでトランスフェクションすること及び継代中に野生型アデノウイルスを細胞に重複感染させることの工程をさらに含んでなる上記1に記載の方法。
18. 非感染性ヘルパーアデノウイルスプラスミドでトランスフェクションすること及び継代中にE1欠失アデノウイルスを細胞に重複感染させることの工程をさらに含んでなる上記1〜5のいずれかに記載の方法。
19. 継代工程を293細胞において行う上記1〜18のいずれかに記載の方法。
20. 継代工程を繰り返す上記1〜18のいずれかに記載の方法。
21. (a)天然のAAVゲノムにおいて切断しない制限酵素で哺乳動物細胞源からのゲノムDNAのサンプルにおけるDNAを消化し;
(b)消化したDNAを細胞にトランスフェクションし;
(c)トランスフェクションした細胞をインキュベーションし;
(d)トランスフェクションした細胞に、細胞がAAVのパッケージング及び複製に必要な少なくとも最低限のアデノウイルス機能を含有するようにアデノウイルスヘルパー機能を重複感染させ;
(e)重複感染細胞をAAVの複製に必要なヘルパー機能が発現される条件下で培養し;
(f)重複感染培養物から粗ライセートを採取し;そして
(g)粗ライセートを継代する:
組織からの細胞DNAからのアデノ随伴ウイルス(AAV)の直接レスキュー及び検出の方法。
22. 採取する工程が、粗ライセートを得るために重複感染細胞培養物を凍結融解に供することをさらに含んでなる上記21に記載の方法。
23. 粗ライセートを2回もしくはそれ以上の継代に供する上記21に記載の方法。
24. (a)天然のAAVゲノムにおいて切断しない制限酵素で哺乳動物細胞源からのゲノムDNAのサンプルにおけるDNAを消化し;
(b)消化したDNA並びに宿主細胞により供給されないAAVのパッケージング及び複製に必要な最低限のアデノウイルス機能からなるアデノウイルス配列を含んでなる非感染性アデノウイルスヘルパープラスミドを共トランスフェクションし;
(c)トランスフェクションした細胞を、AAVのパッケージング及び複製に必要な最低限のアデノウイルス機能のみが細胞において発現される条件下で培養し;
(d)粗ライセートを得るために細胞培養物を処理し;
(e)細胞に粗ライセートをトランスフェクションしそして細胞がAAVのパッケージング及び複製に必要な少なくとも最低限のアデノウイルス機能を含有するようにアデノウイルスヘルパー機能を細胞に重複感染させることにより粗ライセートを第一の継代に供し;そして
(f)場合によりもう2回もしくはそれ以上継代する:
組織からの細胞DNAからのアデノ随伴ウイルス(AAV)の直接レスキューの方法。
25. a)天然のAAVゲノムにおいて切断しない制限酵素で哺乳動物細胞源からのゲノムDNAのサンプルにおけるDNAを消化し;
(b)消化したDNA並びに宿主細胞により供給されないAAVのパッケージング及び複製に必要な最低限のアデノウイルス機能を含んでなる感染性アデノウイルスヘルパープラスミドを共トランスフェクションし;
(c)トランスフェクションした細胞を、AAVのパッケージング及び複製に必要な最低限のアデノウイルス機能が細胞において発現される条件下で培養し;
(d)粗ライセートを得るために細胞培養物を処理し;そして
(e)粗ライセートを細胞にトランスフェクションすることにより場合により粗ライセートを2回もしくはそれ以上の継代に供する:
組織からの細胞DNAからのアデノ随伴ウイルス(AAV)の直接レスキューの方法。
26. AAVの存在に関して上記1、22、24もしくは25の方法のいずれかから得られる粗ライセートをアッセイすることの工程を含んでなる、組織における細胞DNAからアデノ随伴ウイルス(AAV)を検出する方法。
27. (a)細胞ペレットを提供するために上記1、22、24もしくは25の方法のいずれかから得られる粗ライセートを遠心分離すること;及び
(b)細胞ペレットからAAVを精製すること:
の工程を含んでなる、組織における細胞DNAからアデノ随伴ウイルス(AAV)を精製する方法。
28. 上記1、22、24もしくは25のいずれかの方法による組織の細胞DNAからのアデノ随伴ウイルス(AAV)の直接レスキューに有用なキット。
29. 上記26の方法により組織からの細胞DNAからアデノ随伴ウイルス(AAV)を検出するのに有用なキット。
30. 上記27の方法により組織からの細胞DNAからアデノ随伴ウイルス(AAV)を精製するのに有用なキット。
Claims (12)
- (a)天然のアデノ随伴ウイルス(AAV)ゲノムにおいて切断しないレアカッター制限酵素で哺乳動物細胞源からのゲノムDNAのサンプルにおけるDNAを消化し;
(b)消化したDNAを細胞にトランスフェクションし;
(c)トランスフェクションした細胞を、AAVのパッケージング及び複製に必要な少なくとも最低限のアデノウイルス機能が細胞において発現される条件下で培養し;
(d)ヘルパー機能を発現する細胞において(c)の培養工程から得られるライセートを継代し;そして
(e)ライセートからAAVを検出、同定及び / または単離する
の工程を含んでなる、組織からの細胞DNAからのAAVの直接レスキューの方法。 - 工程(d)からのライセートを更に2回もしくはそれ以上の継代に供することを含んでなる、請求項1の方法。
- (a)天然のアデノ随伴ウイルス(AAV)ゲノムにおいて切断しないレアカッター制限酵素で哺乳動物細胞源からのゲノムDNAのサンプルにおけるDNAを消化し;
(b)消化したDNAを細胞にトランスフェクションし;
(c)トランスフェクションした細胞をインキュベーションし;
(d)トランスフェクションした細胞に、細胞がAAVのパッケージング及び複製に必要な少なくとも最低限のアデノウイルス機能を含有するようにアデノウイルスヘルパー機能を重複感染させ;
(e)重複感染細胞を、AAVの複製に必要なヘルパー機能が発現される条件下で培養し;
(f)重複感染培養物からの粗ライセートを採取し;
(g)粗ライセートを継代し;そして
(h)ライセートからAAVを検出、同定及び / または単離する
の工程を含んでなる、組織からの細胞DNAからのAAVの直接レスキューの方法。 - (a)天然のアデノ随伴ウイルス(AAV)ゲノムにおいて切断しないレアカッター制限酵素で哺乳動物細胞源からのゲノムDNAのサンプルにおけるDNAを消化し;
(b)消化したDNA並びに、宿主細胞により供給されないAAVのパッケージング及び複製に必要な最低限のアデノウイルス機能からなるアデノウイルス配列を含んでなる非感染性アデノウイルスヘルパープラスミドを、共トランスフェクションし;
(c)トランスフェクションした細胞を、AAVのパッケージング及び複製に必要な最低限のアデノウイルス機能のみが細胞において発現される条件下で培養し;
(d)粗ライセートを得るために細胞培養物を処理し;
(e)細胞中に粗ライセートをトランスフェクションし、そして細胞がAAVのパッケージング及び複製に必要な少なくとも最低限のアデノウイルス機能を含有するようにアデノウイルスヘルパー機能を細胞に重複感染させることにより、粗ライセートを第一の継代に供し、;そして
(f)ライセートからAAVを検出、同定及び / または単離する
の工程を含んでなる、組織からの細胞DNAからのAAVの直接レスキューの方法。 - 粗ライセートを細胞中にトランスフェクトすることにより、粗ライセートを2回もしくはそれ以上の継代に供することを含んでなる、請求項4の方法。
- a)天然のアデノ随伴ウイルス(AAV)ゲノムにおいて切断しないレアカッター制限酵素で哺乳動物細胞源からのゲノムDNAのサンプルにおけるDNAを消化し;
(b)消化したDNA、並びに宿主細胞により供給されないAAVのパッケージング及び複製に必要な最低限のアデノウイルス機能を含んでなる感染性アデノウイルスヘルパープラスミドを、共トランスフェクションし;
(c)トランスフェクションした細胞を、AAVのパッケージング及び複製に必要な最低限のアデノウイルス機能が細胞において発現される条件下で培養し;
(d)粗ライセートを得るために細胞培養物を処理し;そして
(e)ライセートからAAVを検出、同定及び / または単離する
の工程を含んでなる、組織からの細胞DNAからのAAVの直接レスキューの方法。 - 粗ライセートを細胞中にトランスフェクトすることにより、粗ライセートを2回もしくはそれ以上の継代に供することを含んでなる、請求項6の方法。
- アデノ随伴ウイルス(AAV)の存在に関して請求項1、4もしくは6の方法のいずれかから得られる粗ライセートをアッセイすることの工程を含んでなる、組織における細胞DNAからAAVを検出する方法。
- (a)細胞ペレットを提供するために請求項1、4もしくは6の方法のいずれかから得られる粗ライセートを遠心分離すること;及び
(b)細胞ペレットからAAVを精製すること:
の工程を含んでなる、組織における細胞DNAからアデノ随伴ウイルス(AAV)を精製する方法。 - (a)哺乳動物からのゲノムDNAのサンプルのDNAを消化できる、天然のアデノ随伴ウイルス(AAV)を切断しない1もしくはそれ以上のレアカッター制限酵素
(b)AAVのパッケージング及び複製に必要な少なくとも最低限のアデノウイルス機能を含む、ヘルパー機能を発現する細胞
を含んでなる、請求項1、4もしくは6のいずれかの方法による組織の細胞DNAからのAAVの直接レスキューのためのキット。 - (a)哺乳動物からのゲノムDNAのサンプルのDNAを消化できる、天然のアデノ随伴ウイルス(AAV)を切断しない1もしくはそれ以上のレアカッター制限酵素
(b)AAVのパッケージング及び複製に必要な少なくとも最低限のアデノウイルス機能を含む、ヘルパー機能を発現する細胞
を含んでなる、請求項8の方法により組織からの細胞DNAからAAVを検出するためのキット。 - (a)哺乳動物からのゲノムDNAのサンプルのDNAを消化できる、天然のアデノ随伴ウイルス(AAV)を切断しない1もしくはそれ以上のレアカッター制限酵素
(b)AAVのパッケージング及び複製に必要な少なくとも最低限のアデノウイルス機能を含む、ヘルパー機能を発現する細胞
を含んでなる、請求項9の方法により組織からの細胞DNAからAAVを精製するためのキット。
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