JP3942620B2 - 誘電体フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、高周波装置等に使用する誘電体フィルタに関するものである。
以下、従来の誘電体フィルタについて説明する。従来の誘電体フィルタの平面図を図21に示す。また図21のA−Aの断面図を図22に示す。
誘電体基板1の内層に形成されるとともに一方を開放端とし他方がグランドに接続された第1、第2の共振素子2、3と、この第1、第2の共振素子2、3を互いに電磁界結合させるとともに開放端2a、3a側に形成された幅広部2b、3bと、第1、第2の共振素子2、3の側面電極(共通接地端子つまりグランド)12側に形成された幅狭部2c、3cと、幅広部2b、3bの先端から側面電極12側に向かってL字状に折り曲げられた折り曲げ部2d、3dと、この折り曲げ部2d、3d側の上層に形成された第1、第2の入出力電極4a、5aと、この入出力電極4a、5aから導出された入出力端子4b、5bと、幅広部2b、3bの上層に形成された容量電極11と、入出力電極4a、5aの上層に形成されるとともに側面電極12に接続された上グランド電極6と、第1、第2の共振素子2、3の下層に形成されるとともに側面電極12に接続された下グランド電極7とで構成されていた。
ここで、上グランド電極6と下グランド電極7は、全面がグランドパターンで形成され、幅広部2b、3bと幅狭部2c、3cから上グランド電極6までの距離8は夫々等しかった。また、幅広部2b、3bと幅狭部2c、3cから下グランド電極7までの距離9も夫々等しかった。
また、入出力端子4b、5bはインナービア4c、5cで上グランド電極6の層へ導出されていた。そして、上グランド電極6の端面との間には間隔10a、10bが設けられていた。この間隔10a、10bの必要性は大パターンで形成された上グランド電極6がスクリーン印刷時に流れて、入出力端子4b、5bとをショートさせないために必要な間隔であり、150μm以上の間隔が設けられていた。また、入出力端子4b、5bは上面から見ると円形をしており、その直径は200μm程度あり、誘電体フィルタ全体として図22における横方向がこの入出力端子4b、5bのために略700μm(「200μm+150μm」×2)突出していた。
また、図21において点線で示すように、共振素子2と共振素子3の幅狭部2c、3cは互いに平行に敷設されており、その間で電磁界結合していた。また、容量電極11は幅広部2b、3bと間で電界結合していた。
図23はこの誘電体フィルタのパターンを電気素子に置き換えた置換回路図である。図23において、4bは入出力端子であり、21は入出力電極4aと幅広部2bとの間に形成されるキャパシタンスである。また、22は、幅狭部2cのインダクタンスであり、23はこの幅広部2bとグランド電極6、7との間に形成されるキャパシタンスである。同様に、24は、幅狭部3cのインダクタンスであり、25はこの幅広部3bとグランド電極6、7との間に形成されるキャパシタンスである。そして、26は入出力電極5aと幅広部3bとの間に形成されるキャパシタンスであり、5bはこのキャパシタンス26に接続された入出力端子である。また、27は幅広部2bと容量電極11との間のキャパシタンスであり、28は幅広部3bと容量電極11との間のキャパシタンスである。インダクタンス22と24は、電磁界結合している。なお、幅広部2b、3bは幅が広く、長さが短いので、そのインダクタンス分は無視することができる。
図24は、図23における置換回路図の等価回路図である。図24において29は、キャパシタンス27とキャパシタンス28の合成容量であり、30は幅狭部2cと3cとが電磁界結合したインダクタンスである。このインダクタンス30は幅狭部2cと3cとの間の距離13で制御可能である。図24において、イダクタンス22とキャパシタンス23が並列に接続されて並列接続体32を形成している。また、この並列接続体32の一方はキャパシタンス21を介して入出力端子4bに接続されるとともに、並列接続体32の他方はグランドに接続されている。
同様に、イダクタンス24とキャパシタンス25とが並列に接続されて並列接続体33を形成している。そして、この並列接続体33の一方はキャパシタンス26を介して入出力端子5bに接続されるとともに、並列接続体33の他方はグランドに接続されている。また、並列接続体32の一方と並列接続体33の一方との間にはキャパシタンス29とインダクタンス30との並列接続体が接続されており、全体として、バンドパスフィルタを形成している。
図25は誘電体フィルタの信号通過特性図である。横軸34は周波数であり、縦軸35は減衰量を示し矢印は減衰量が増加する方向を示している。この誘電体フィルタの通過帯域の中心周波数36はインダクタンス22(又は24)とキャパシタンス23(又は25)の積の平方根分の1に比例する。また、インダクタンス22とインダクタンス24の電磁界結合によるインダクタンス30の大きさにより、狭帯域特性37あるいは広帯域特性38を選択することができる。
即ち、狭帯域特性37にするには幅狭部2cと3cの距離13を大きくして疎結合にするか、インダクタンス22(又は24)大きくし、広帯域特性38にするには幅狭部2cと3cの距離13を小さくして密結合にするか、あるいはインダクタンス22(又は24)小さくすることにより実現できる。なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平7−142904号公報
しかしながらこのような従来の誘電体フィルタでは、入出力電極4a、5aの上層全体に上グランド電極6が一体的に形成され、第1、第2の共振素子2、3の下層全体に下グランド電極7が一体的に形成されていた。即ち、幅広部2b、3b或いは幅狭部2c、3cから上グランド電極6までの距離8は共に等しかった。また、幅広部2b、3b或いは幅狭部2c、3cから下グランド電極7までの距離9も共に等しかった。
ここで、誘電体フィルタを小さくするために、キャパシタンス23(又は25)の値を変えないで、幅広部2b、3bの面積を小さくするには、幅広部2b、3bから上グランド電極6までの距離8と、幅広部2b、3bから下グランド電極7までの距離9を小さくする必要がある。しかし、幅狭部2c、3cから上グランド電極6までの距離8或いは下グランド電極7までの距離9を小さくすると、インダクタンス22(又は24)のQが低下し、そのため、該インダクタで構成されたフィルタの通過帯域での損失つまり挿入損失が増えるし、周波数選択性のQも低下することになる。従って、幅広部2b、3bと幅狭部2c、3cとが一体となった距離8或いは距離9を小さくすることはできない。この制約を考慮しながら、特性を劣化させることなく、誘電体フィルタを小さくできないという問題があった。
更に、上グランド電極6が比較的大きいパターンであり、スクリーン印刷時に導電ペーストが流れてしまうため、間隔10a、10bを通常の間隔より広くする必要があり、入出力端子4b、5bの突出部が長くなり、フィルタの面積が大きくなってしまう。
そこで本発明は、この問題を解決したもので、インダクタのQ劣化を防ぎ、フィルタ挿入損失を増大させることなく、小型化を実現した誘電体フィルタを提供することを目的としたものである。
前記従来の課題を解決するために本発明の誘電体フィルタは、積層基板で形成された誘電体フィルタであって、前記誘電体基板の内層に形成されるとともに一方を開放端とし他方がグランドに接続された第1、第2の共振素子と、この第1、第2の共振素子を互いに電磁界結合させるとともに前記開放端側に形成された幅広部と、前記第1、第2の共振素子の前記グランド側に形成された幅狭部と、前記夫々の幅広部側の上層に形成された第1、第2の入出力電極と、この第1、第2の入出力電極の上層に形成されるとともに前記グランド側に接続された複数の上グランド電極と、前記第1、第2の共振素子の下層に形成されるとともに前記グランド側に接続された複数の下グランド電極とを備え、前記上グランド電極は、前記幅広部に対応するとともに前記幅狭部に対応した部分のパターンを不形成とした第1の上グランド電極と、前記幅狭部に対応するとともに前記第1の上グランド電極のある層の更に上層に形成された第2の上グランド電極とで形成され、前記下グランド電極は、前記幅広部に対応するとともに前記幅狭部に対応した部分のパターンを不形成とした第1の下グランド電極と、前記幅狭部に対応するとともに前記第1の下グランド電極のある層の更に下層に形成された第2の下グランド電極とで、形成されたことを特徴とする。
さらに、前記第1、第2の入出力電極に対応する第1の上グランド電極にグランドの不形成部を設け、この不形成部を貫通して前記第1、第2の入出力電極から積層基板の最上層へ入出力端子が夫々導出されたことを特徴とする。
さらに、前記複数の上グランド電極と前記複数の下グランド電極は、夫々幅広部に対応する部分と幅狭部に対応する部分に分割されるとともにそれらの間がインナービアで接続されたことを特徴とする。
さらに、前記幅広部に対応する上層と下層に夫々電界結合させる容量電極を設け、この夫々の容量電極に対応する夫々の幅広部とインナービアで接続されたことを特徴とする。さらに、前記第1の上グランド電極の上層或いは前記第1の下グランド電極の下層に電子回路が形成されたことを特徴とする。
さらに、前記幅広部に接続された第1の幅狭部を互いに平行に敷設するとともにこの第1の幅狭部とグランドとの間に第2の幅狭部を形成し、この第2の幅狭部は前記第1の幅狭部に対して直角に形成するとともに互いに逆方向に向かって一直線状に敷設されたことを特徴とする。
さらに、前記入出力電極間に幅広部に対向した接地電極が設けられたことを特徴とする。
さらに、前記幅広部に対応した第1の上グランド電極と第1の下グランド電極との間に略等間隔に複数個の孔を設け、この孔に誘電体基板の誘電率より誘電率の高い誘電体が充填されたことを特徴とする。
さらに、前記幅狭部に対応した第2の上グランド電極と第2の下グランド電極との間に略等間隔に複数個の孔を設け、この孔に誘電体基板の誘電率より誘電率の低い誘電体が充填されたことを特徴とする。
さらに、前記幅広部に対応した第1の上グランド電極と第1の下グランド電極との間に略等間隔に複数個の孔を設け、この孔に誘電体基板の誘電率より誘電率の高い誘電体が充填されたことを特徴とする。
以上のように本発明によれば、誘電体フィルタの上グランド電極は、幅広部に対応するとともに幅狭部に対応した部分のパターンを不形成とした第1の上グランド電極と、前記幅狭部に対応するとともに前記第1の上グランド電極のある層の更に上層に形成された第2の上グランド電極とで形成され、下グランド部は、前記幅広部に対応するとともに前記幅狭部に対応した部分のパターンを不形成とした第1の下グランド電極と、前記幅狭部に対応するとともに前記第1の下グランド電極のある層の更に下層に形成された第2の下グランド電極とで形成されたものであり、幅広部の上層に第1、第2の共振素子を介して第1の上グランド電極が設けられるとともに、幅広部の下層には直接第1の下グランド電極が設けられているので、幅広部と第1の上下のグランド電極との距離は小さくなっている。
従って、幅広部の大きさを大きくすること無く、必要なキャパシタンスを得ることができるので、誘電体フィルタの小型化を実現することができる。
また、このとき、幅狭部に対向する第1の上下のグランド電極にはパターンが形成されておらず、この第1の上下グランド電極の更に外層に前記幅狭部に対向して第2の上下のグランド電極が形成されている。
従って、幅狭部と第2の上下のグランド電極との間の距離は大きくなり、インダクタンスのQが劣化することはない。
また、グランド電極を第1と第2に分割することにより、各パターン面積が小さくなり、他の信号電極を、狭間隔で配置可能となり、フィルタを含んだ全体のモジュールを小型化できる。
また、本発明によれば、第1、第2の共振素子には、この第1、第2の共振素子を流れる電流により互いに磁界の影響を与え合う電磁界影響部と、前記第1、第2の共振素子を流れる電流により互いが磁界の影響を与えない電磁界不影響部とを有しているので、この電磁界影響部と電磁界不影響部との比を変えることにより、インダクタタンスの値を変えることなく第1、第2の共振素子間の電磁界結合度を変えることができる。
即ち、フィルタの特性を定めるインダクタンス値を変えることなく、第1、第2の共振素子を疎結合にすることができるので、第1、第2の共振素子を近づけることができ、誘電体フィルタの小型化が実現できる。
またこのように、電磁界影響部と電磁界不影響部が存在することにより、この電磁界影響部と電磁界不影響部の比を変えて、信号の通過特性の波形を制御することができるので、フィルタ設計の自由度を増すことができる。
また、幅広部を小さくしても、幅広部と上下のグランド間の距離を小さくしているので、幅狭部で形成されるインダクタンスとの比が変わることはなく、通過帯域幅が変わることはない。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1における誘電体フィルタは図1、図2に示すように、誘電体基板51の内層に形成されるとともに一方を開放端とし他方がインナービア56a、56bを介してグランドに接続された第1、第2の共振素子52、53と、この第1、第2の共振素子52、53を互いに電磁界結合させるとともに開放端52a、53a側に形成された幅広部52b、53bと、第1、第2の共振素子52、53の側面電極(共通接地端子つまりグランド)64側に形成された幅狭部52c、53cと、幅広部52b、53bの先端から側面電極64側に向かってL字状に折り曲げられた折り曲げ部52d、53dと、この折り曲げ部52d、53d側の上層に形成された第1、第2の入出力電極54a、55aと、この入出力電極54a、55aから導出された入出力端子54b、55bと、幅広部52b、53bの上層に形成された容量電極66と、入出力電極54a、55aの上層に形成されるとともに側面電極64に接続された第1の上グランド電極57(この上グランド電極57は、上グランド電極57aと57bとから構成されている。)と、この第1の上グランド電極57の更に上層に形成された第2の上グランド電極58と、第1、第2の共振素子52、53の下層に形成されるとともに側面電極64に接続された第1の下グランド電極60(この下グランド電極60は、下グランド電極60aと60bとから構成されている。)と、この第1の下グランド電極60の更に下層に形成された第2の下グランド電極61とで構成されている。
ここで、夫々の詳細について説明する。幅広部52b、53bと折り曲げ部52d、53dは長さが短く幅が広いので、インダクタンスにはほとんど寄与することはなく、キャパシタンスのみに寄与するとして考えることができる。第1の上グランド電極57a、57bは入出力電極54a、55aおよび容量電極66の上方に設けられており、幅狭部52c、53cに対応した上方には設けられていない。即ち、幅狭部52c、53cの上方は第1の上グランド電極57a、57bは不形成となっている。また、この第1の上グランド電極57の更に上層に設けられた第2の上グランド電極58は、幅狭部52c、53cの上方にのみ形成されている。この第2の上グランド電極58と第1の上グランド電極57とはインナービア59で接続されている。
同様に、第1の下グランド電極60は、幅広部52b、53bおよび折り曲げ部52d、53dの下方の層に設けられており、幅狭部52c、53cに対応した下方には設けられていない。即ち、幅狭部52c、53cの下方は第1の下グランド電極60は不形成となっている。そして、この第1の下グランド電極60の更に下層に設けられた第2の下グランド電極61は、幅狭部52c、53cの下方にのみ形成されている。この第2の下グランド電極61と第1の下グランド電極60とはインナービア62で接続されている。そして、第1の上グランド電極57と第1の下グランド電極60とはインナービア63で接続されている。
このように、幅広部52b、53bと折り曲げ部52d、53dの上層に入出力電極54a、55aを介して第1の上グランド電極57が設けられるとともに、幅広部52b、53bと折り曲げ部52d、53dの下層には直接第1の下グランド電極60が設けられている。従って、幅広部52b、53bおよび折り曲げ部52d、53dから第1の上グランド電極57までの距離は小さくなっている。また、第1の下グランド電極60までの距離も小さくなっている。従って、グランドとの静電容量を大きくすることができるので、幅広部52b、53bと折り曲げ部52d、53dの大きさを大きくすること無く、必要なキャパシタンスを得ることができ、誘電体フィルタの小型化を実現することができる。また、このとき、幅狭部52c、53cに対向する第1の上下のグランド電極57と60にはパターンが形成されていない。しかし、この上下のグランド電極57と60の更に外層には幅狭部52c、53cに対向して第2の上下のグランド電極58と61が形成されている。従って、幅狭部52c、53cと第2の上下のグランド電極58、61との間の距離は大きくなり、インダクタンスのQが劣化することはない。
また、幅広部52b、53bの大きさを小さくしても、この幅広部52b、53bと上下のグランド電極57と60までの距離を小さくしているので、静電容量が変わることはない。従って、幅狭部52c、53cで形成されるインダクタンスと、幅広部52b、53bと上下のグランド電極57と60間に形成されるキャパシタンスの比を変えて無いので、信号通過特性が変わることはない。
また、図1に示すように、第1の上グランド電極57aには、入出力電極54aに対応してグランドの不形成部65が設けられており、この不形成部65をインナービア54cが貫通して入出力電極54aと入出力端子54bとを接続している。同様に、第1の上グランド電極57bには、入出力電極55aに対応してグランドの不形成部65が設けられており、この不形成部65をインナービア55cが貫通して入出力電極55aと入出力端子55bとを接続している。従って、夫々の入出力端子54b、55bは、第1の上グランド電極57の更に上方の第2の上グランド電極58が設けられている層に形成されているので、誘電体フィルタの外形から突出することは無く、誘電体フィルタを小型化することができる。このように本実施の形態では、第1のグランド電極57の上方の空きスペースを活用することにより、誘電体フィルタの小型化を達成している。
また、第1の上グランド層57は、入出力電極54aに対応する部分のグランド電極57aと、入出力電極55aに対向する部分のグランド電極57bと、第2の上グランド電極58とに3分割されている。同様に、第1の下グランド層60は、幅広部52bと折り曲げ部52dに対向する部分のグランド電極60aと、幅広部53bと折り曲げ部53dに対向する部分のグランド電極60bと、第2の下グランド電極61とに3分割されている。このように、夫々のグランド電極は3分割されているので、グランド電極が形成された層のグランドパターンを小さくすることができる。
また、第1の上グランド電極57の上層67aと、第1の下グランド電極60の下層67bとは空きスペースとなっているので、他の電子回路を設けることができる。従って、全体として小型化することができる。例えば、親基板内にモジュールとして本実施の形態における誘電体フィルタを埋設する場合においては、この空きスペースを活用して他の回路を実装することができるものであり、親基板全体として小型化が実現できるものである。
また、図4に示すように、上面から見て円形に形成された入出力端子54b(又は55b)と接続されるインナービア54c(又は55c)と、第1の上グランド電極57a(又は57b)に形成されたグランドの不形成部65との距離65aは、グランドパターンが小さい場合、100μm以上にしている。これは、スクリーン印刷工程においてグランド部57aのパターンが流れ出すことを防止する働きを有するとともに、お互いがショートすることを防止するために必要な距離である。
なお、パターンの流れ出しは、パターンが大きい程、スクリーン印刷工程における流れ出し量が大きい。本実施の形態においては、3分割してパターンを小さくしているので、この流れ出しを少なくすることができる。なお、入出力端子54b、55bに半田ボールが設けておけば、面実装可能な誘電体フィルタを実現することができる。
図2において点線で示すように、共振素子52と共振素子53の幅狭部52c、53cは互いに平行に敷設されおり、その間で電磁界結合している。また、容量電極66は幅広部52b、53bと間で電界結合している。
図5はこの誘電体フィルタのパターンを電気素子に置き換えた置換回路図である。図5において、54bは入出力端子であり、71は入出力電極54aと折り曲げ部52dとの間に形成されるキャパシタンスである。また、72は、幅狭部52cのインダクタンスであり、73はこの幅広部52b及び折り曲げ部52dと、グランド電極57aと60aとの間に形成されるキャパシタンスである。同様に、74は、幅狭部53cのインダクタンスであり、75はこの幅広部53b及び折り曲げ部53dと、グランド電極57bと60bとの間に形成されるキャパシタンスである。そして、76は入出力電極55aと折り曲げ部53dとの間に形成されるキャパシタンスであり、55bはこのキャパシタンス76に接続された入出力端子である。インダクタンス72と74は電磁界結合をしている。また、77は幅広部52bと容量電極66との間のキャパシタンスであり、78は幅広部53bと容量電極66との間のキャパシタンスである。なお、幅広部52b、53bは幅が広く、長さが短いので、そのインダクタンス分は無視することができる。
図6は、図5における置換回路図の等価回路図である。図6において79は、キャパシタンス77とキャパシタンス78の合成容量であり、80は幅狭部52cと53cとが電磁界結合したインダクタンスである。このインダクタンス80は幅狭部52cと53cとの間の距離603で制御可能である。なお、幅狭部52cと53cとは、途中で直角に折れ曲がっているが、この折れ曲がっていることの詳細については実施の形態3で後述する。
図6において、イダクタンス72とキャパシタンス73が並列に接続されて並列接続体82を形成している。また、この並列接続体82の一方はキャパシタンス71を介して入出力端子54bに接続されるとともに、並列接続体82の他方はグランドに接続されている。
同様に、イダクタンス74とキャパシタンス75とが並列に接続されて並列接続体83を形成している。そして、この並列接続体83の一方はキャパシタンス76を介して入出力端子55bに接続されるとともに、並列接続体83の他方はグランドに接続されている。
また、並列接続体82の一方と並列接続体83の一方との間にはキャパシタンス79とインダクタンス80との並列接続体が接続されており、全体として、バンドパスフィルタを形成している。
図7は誘電体フィルタの信号通過特性図である。横軸84は周波数であり、縦軸85は下方向に減衰量を示している。この誘電体フィルタの通過帯域の中心周波数86はインダクタンス72(又は74)とキャパシタンス73(又は75)の積の平方根分の1に比例する。また、狭帯域特性87にするか或いは広帯域特性88にするかはインダクタンス72とインダクタンス73の電磁界結合によるインダクタンス80の大きさで、決まる。即ち、狭帯域特性87にするには、インダクタンス72(又は74)を大きくし、キャパシタンス73(又は75)を小さくするか、幅狭部52cと53cの距離603を大きくして疎結合にし、広帯域特性88にするには、インダクタンス72(又は74)を小さくし、キャパシタンス73(又は75)を大きくするか、幅狭部52cと53cの距離603を小さくして密結合にすることにより実現できる。
以上のことを考慮に入れ、サイズ的に更に小さくした例を、図3を用いて以下に説明する。
共振素子52と53の幅広部52b、53bと側面電極64との間には幅狭部で第1の部分52c、53c、第2の部分52e、53eが形成されており、この幅狭部のうち、幅広部52b、53b側の第1の部分52c、53cは互いに平行に形成されており、共振素子52と53を流れる電流により互いに磁界の影響を与え合う電磁界影響部を形成している。
また、第1の部分52c、53cに続く、側面電極64までの幅狭部52e、53eの第2の部分52e,53eは互いに逆方向に直角に折り曲げられて側面電極64に接続されている。この第2の部分52e,53eは一直線上に設けられており、互いに平行に設けられていないので、共振素子52と53を流れる電流により互いに磁界の影響を与えない、電磁界不影響部を形成している。
共振素子52,53は電磁界結合しない。即ち、電磁界不影響部を形成している。ここで、第1の部分52c、53cの長さは等しくしている。また、第2の部分52e,53eの長さも等しくしている。
このようにして、電磁界影響部と電磁界不影響部とをパターンを用いて簡単な構成で実現しているので、低価格の誘電体フィルタが可能である。また、電磁界不影響部である第2の部分52e,53eを折り曲げて構成することにより、更なる小型化が実現できる。
なお、電磁界不影響部における動作原理の詳細は、実施の形態3で説明する。
また、第1の上、下グランド電極が無く、フィルタ全体に第2の上、下グランド電極のみが構成された場合にも有効である。
(実施の形態2)
図8は実施の形態2における誘電体フィルタの平面図であり、図10は図8のA−A断面図である。また、図11は図8のB−B断面図である。図12はその等価回路図である。なお、実施の形態1と同じものに付いては同一番号を付して説明を簡略化している。
実施の形態2が実施の形態1と異なるところは、2枚の容量電極91、92を設け、この容量電極91、92の一方を夫々インナービア91aと92aで共振素子52、53へ直接接続したところである。即ち、図8、図10、図11において、容量電極91が幅広部53bの上層に幅広部52bに対向して設けられており、この容量電極91の幅広部53b側は、インナービア91aで幅広部53bと直接接続されている。また、容量電極92が幅広部52bの下層に幅広部53bに対向して設けられており、この容量電極92の幅広部52b側は、インナービア92aで幅広部52bと直接接続されている。
図12において、93は幅広部52bと容量電極91との間に形成されるキャパシタンスであり、94は幅広部53bと容量電極92との間に形成されるキャパシタンスである。このように本実施の形態においては、キャパシタンス93と94が並列に接続されていることになるので、静電容量を大きくすることができる。従って、同じ静電容量であるならば、容量電極91、92を小さくすることができる。また、容量電極91、92の夫々一方の端をインナービア91a、92aで直接接続しているので結合が大きくなり、結論として小型化が実現できる。また、図11に示すように第1の上グランド電極57の上層67aと、第1の下グランド電極60の下層67bに空きスペースができるので、他の電子回路を設けることができる。
また、本実施の形態においても、第1の上グランド電極57と幅広部52b(又は53b)との距離95aより、第2の上グランド電極58と幅狭部52c(又は53c)との距離95bの方が大きい。また同様に、第1の下グランド電極60と幅広部52b(又は53b)との距離96aより、第2の下グランド電極61と幅狭部52c(又は53c)との距離96bの方が大きくなっている。従って、実施の形態1と同様、幅狭部52c(又は53c)のQを低下させること無く、幅広部52b(又は53b)とグランド57、60との静電容量を大きくすることができる。即ち、誘電体フィルタの小型化を図ることができる。
実施の形態1と同じ原理で、サイズ的に更に小さくした例を、図9を用いて以下に説明する。
共振素子52と53の幅広部52b、53bと側面電極64との間には幅狭部第1の部分52c、53c、第2の部分52e、53eが形成されており、この幅狭部のうち、幅広部52b、53b側の第1の部分52c、53cは互いに平行に形成されており、共振素子52と53を流れる電流により互いに磁界の影響を与え合う電磁界影響部を形成している。
また、第1の部分52c、53cに続く、側面電極64までの幅狭部の第2の部分52e,53eは、互いに逆方向に直角に折り曲げられて側面電極64に接続されている。この第2の部分52e,53eは一直線上に設けられており、互いに平行に設けられていないので、共振素子52と53を流れる電流により互いに磁界の影響を与えない電磁界不影響部を形成している。
共振素子52,53は電磁界結合しない、即ち電磁界不影響部を形成している。ここで、第1の部分52c、53cの長さは等しくしている。また、第2の部分52e,53eの長さも等しくしている。
このようにして、電磁界影響部と電磁界不影響部とをパターンを用いて簡単な構成で実現しているので、低価格の誘電体フィルタが可能である。また、電磁界不影響部である第2の部分52e,53eを折り曲げて構成することにより、小型化が実現できる。
電磁界不影響部における動作原理の詳細は、実施の形態3で説明する。
また、第1の上、下グランド電極が無く、フィルタ全体に第2の上、下グランド電極のみが構成された場合にも有効である。
(実施の形態3)
図13は実施の形態3における誘電体フィルタの断面図である。実施の形態3における誘電体フィルタは、図14に示すように入出力電極157aと158aとの間に接地電極166を有していることで、実施の形態1、2と相違している。このことにより、本実施の形態においては、入出力電極157aと158aとの間のアイソレーションが向上している。また、本実施の形態において、幅狭部160c、161cが折れ曲がって小型化されていることに付いて説明している。
即ち、本実施の形態における誘電体フィルタは、図13に示すように、誘電体基板151の第1層152に設けられたグランド電極153と、このグランド電極153の上方に積層されるとともに第2層154に設けられた共振器電極155と、この共振器電極155の上方に積層されるとともに第3層156に設けられた入出力電極157a、158aと、この入出力電極157a、158aの上方に積層されるとともに第4層168に設けられたグランド電極159とで構成されている。また、このグランド電極159の上方には保護層151aが設けられている。
図14はその平面図であり、この図14の点線で示すように、第2層154に設けられ
た共振器電極155は、銅或いは銀系のパターンで形成された共振素子160と共振素子161とで形成されている。この共振素子160と161の一方の端は開放されて開放端160a、161aを形成し、他方の端は側面電極163を介してグランド電極153と159に接続されている。
また、共振素子160と161の開放端160a、161a側には夫々幅広部160b、161bが形成され、この幅広部160b、161bは第3層156に銅或いは銀系のパターンで形成された入出力電極157a、158aに夫々対向して設けられている。この入出力電極157a、158aは夫々誘電体フィルタの側面に設けられた入出力端子157b、158bに接続されている。
また、幅広部160b、161bに対向して第3層156に銅或いは銀系のパターンで形成されるとともに幅広部160bと161bと電界結合させる容量電極164が設けられている。更に、この第3層156には入出力電極157a、158aとの間に側面電極165でグランド電極153と159に接続された接地電極166が設けられている。従って、入出力電極157a、158aとの間のアイソレーションを向上させることができる。
また、共振素子160と161の幅広部160b、161bと側面電極163との間には幅狭部160c、161cが形成されており、この幅狭部160c、161cの内、幅広部160b、161b側の第1の部分160d、161dは互いに平行に形成されており、これらの間では共振素子160、161は電磁界結合する。即ち、電磁界影響部を形成している。また、第1の部分160d、161dに続く、側面電極163までの幅狭部160c、161cの第2の部分160e、161eは互いに逆方向に直角に折り曲げられて側面電極163に接続されている。この第2の部分160e、161eは一直線上に設けられており、互いに平行に設けられていないので、この部分においては、共振素子160、161は電磁界結合しない。即ち、電磁界不影響部を形成している。ここで、第1の部分160d、161dの長さは等しくしている。また、第2の部分160e、161eの長さも等しくしている。このようにして、電磁界影響部と電磁界不影響部とをパターンを用いて簡単な構成で実現している。従って、低価格の誘電体フィルタを実現することができる。また、電磁界不影響部である第2の部分160e、161eを折り曲げて構成することにより、小型化が実現できる。
また、グランド電極153と159は幅広部160b、161bに対向して設けられている。また、図示はしていないが、第1層152の下面には幅狭部160c、161cに対向してグランド電極141が設けられている。同様に、保護層151aの上面には幅狭部160c、161cに対向してグランド電極142が設けられている。そしてこれらのグランド電極141、142はインナービアでグランド電極153、159に接続されている。従って、実施の形態1、2と同様であって、幅狭部152c、153cのQを大きくするとともに、幅広部152b、153bとグランド153、159との静電容量を大きくしている。なお、幅狭部160c、161cに対向した場所にはグランド電極153、159は形成されていない。このことは実施の形態1、2と同様である。なお、この誘電体フィルタの形状は縦3.5mm、横3.5mm、厚み0.4mmである。
図15はパターンを電気素子に置き換えた誘電体フィルタの置換回路図である。図15において、157bは入出力端子であり、171は入出力電極157aと幅広部160bとの間に形成されるキャパシタンスである。また、172は、幅狭部160dのインダクタンスであり、173は幅狭部160eのインダクタンスである。また、174は共振素子160とグランド電極153、159及び接地電極166との間に形成されるキャパシタンスである。
同様に、175は、幅狭部161dのインダクタンスであり、176は幅狭部161eのインダクタンスである。また、177は共振素子161とグランド電極153、159及び接地電極166との間に形成されるキャパシタンスである。なお、幅広部160b、161bは幅が広く且つ長さが短いので、そのインダクタンスを無視することができる。ここで、第1の部分160d、161dの長さを等しくしている。また、第2の部分160e、161eの長さも等しくしている。従って、インダクタンス172とインダクタンス175は等しく、インダクタンス173とインダクタンス176は夫々等しくなる。同様にキャパシタンス174とキャパシタンス177も夫々等しくなる。
また、178は幅広部160bと容量電極164との間のキャパシタンスであり、179は容量電極164と幅広部161bとの間のキャパシタンスである。また、180は入出力電極158aと幅広部161bとの間に形成されるキャパシタンスである。158bはキャパシタンス180に接続された入出力端子である。
また、本実施の形態では、グランド電極159、142と、グランド電極153、141とで誘電体フィルタの上下面ともにグランドで遮蔽されており、外部からの影響を受け難くしている。また、上下面共にグランド電極を設けているので、共振器電極155との間の静電容量も大きくなり、小型化に寄与することができる。
図16は、図15における置換回路図の等価回路図である。この図16において181は、キャパシタンス178とキャパシタンス179とが合成されたキャパシタンスであり、182は共振素子160と161との電磁界結合のインダクタンスである。183は、インダクタンス172とインダクタンス173の合成インダクタンスであり、184は、インダクタンス175とインダクタンス176の合成インダクタンスである。
即ち、この誘電体フィルタは、インダクタンス183とキャパシタンス174が並列接続された並列接続体185と、この並列接続体185の一方の端子がグランドに接続されるとともに、他方の端子はキャパシタンス171を介して入出力端子157bに接続されたものと、インダクタンス184とキャパシタンス177が並列接続された並列接続体186と、この並列接続体186の一方の端子がグランドに接続されるとともに、他方の端子はキャパシタンス180を介して入出力端子158bに接続されたものと、並列接続体185と並列接続体186の他方の端子間に接続されたキャパシタンス181とインダクタンス182の並列接続体187とで構成されている。なお、並列接続体187を構成するキャパシタンス181とインダクタンス182は並列共振回路を形成しノッチフィルタを実現している。このようにしてノッチフィルタで指定された周波数を除去するバンドパスフィルタを構成している。
ここで、インダクタンス182をLmとすると(数1)の関係が成り立つ。なお、(数1)において、L1は第1の部分160d(又は161d)であり、Lbは第2の部分160e(又は161e)であり、Kは誘導結合を表す結合係数である。
Figure 0003942620
この(数1)から判るにように、インダクタンス182はLb(即ち、幅狭部160c、161cの第2の部分である160e、161e)の二乗に比例することが分かる。即ち、L1に該当する第1の部分160d、161d間の距離167を小さくして、誘導結合を強めてもLbに該当する第2の部分160e、161eを大きくすることにより、インダクタンス182を大きくすることができる。即ち、共振素子160、161を直角に折り曲げて電磁界結合をしない第2の部分160e、161eを形成することにより、誘導結合と略独立にインダクタンス182を変化させることができる。このようにして、電磁界結合する誘導結合とインダクタンスの大きさの制御が可能となり、共振素子160、161間の距離167を小さくしても疎結合にすることができる。従って、小型化された狭帯域フィルタを実現することができる。
また、インダクタンス183をL2とすると(数2)の関係が成り立つ。(数2)において、L1は(数1)と同様であって、第1の部分160d(又は161d)であり、Lbは第2の部分160e(又は161e)である。
Figure 0003942620
即ち、インダクタンス183は、第1の部分160d(又は161d)と第2の部分160e(又は161e)の和で表せる。
一方、誘電体フィルタの通過中心周波数は、インダクタンス183(又は184)と、キャパシタンス174(又は177)の積の平方根分の1に比例する。本実施の形態において、第1の部分160d(又は161d)と第2の部分160e(又は161e)の比を変えることにより、インダクタンス183を一定にしたままで、結合係数(誘導結合度)を変えたようにみえる。逆に言えば誘導結合を変えないでインダクタンス183を変えることができる。従って、信号通過特性を変えることなく小型化された狭帯域フィルタを実現することができる。また、広帯域フィルタや狭帯域フィルタの設計の自由度が増すものである。
図17は誘電体フィルタの信号通過特性図であり、190は信号の通過特性曲線である。また、横軸191は周波数(GHz)であり、縦軸192は減衰量(dB)である。この通過特性曲線190において、誘電体フィルタの中心周波数193はインダクタンス183(又は184)とキャパシタンス174(又は177)の積の平方根分の1に比例し、その通過特性は、インダクタンス183とインダクタンス184の電磁界結合によるインダクタンス182の大きさで、決まる。従って、本発明によれば、結合係数Kとインダクタンス183(又は184)とを略独立に制御できるので、共振素子160と161間の距離167を小さくしても狭帯域フィルタを実現することができ、小型化に貢献できる。
また、194はノッチ周波数であり、インダクタンス182とキャパシタンス181の積の平方根分の1に比例する。
(実施の形態4)
図18は実施の形態4における誘電体フィルタの平面図であり、図19は図18のA−A断面図である。なお、実施の形態1と同じものに付いては同一番号を付して説明を簡略化している。
実施の形態4が実施の形態1と異なるところは、幅広部52b、53bと、第1の上下グランド電極57、60の間の誘電率を大きくするとともに、幅狭部52c、53cと、第2の上下グランド電極58、61の間の誘電率を小さくしたところである。
即ち、図18、図19に示すように、幅広部52b、53bと、第1の上下グランド電極57、60の間に孔201を略等間隔に複数個設け、この孔201に誘電体基板51より誘電率の高い誘電体202を充填したものである。この孔201の間隔は、誘電体202の熱膨張率と誘電体基板51の熱膨張率の違いにより、誘電体基板51に過大のストレスがかからない程度に密着して設けることが重要である。また、この孔201は幅広部52b、53bからはみ出しても良い。
このことにより、幅広部52b、53bに対応したグランド電極57、60との間の誘電率が誘電体基板51の誘電率より高くなるので、幅広部52b、53bとグランド電極57、60との間で形成される静電容量を大きくすることができる。即ち、同じ静電容量ならば幅広部52b、53bを小さくすることができ、誘電体フィルタの小型化を図ることができる。
また、幅狭部52c、53cと、第2の上下グランド電極58、61の間に孔203を略等間隔に複数個設け、この孔203に誘電体基板51より誘電率の低い誘電体204を充填したものである。この孔203の間隔は、誘電体204の熱膨張率と誘電体基板51の熱膨張率の違いにより、誘電体基板51に過大のストレスをかけない程度に密着して設けることが重要である。また、この孔203は幅狭部52c、53cからはみ出しても良い。なお、孔203の直径は孔201の直径と同一にしている。
このことにより、幅狭部52c、53cに対応したグランド電極58、61との間の誘電率が低くなるので、幅狭部52c、53cの導体損を小さくすることができる。即ち、誘電体フィルタを形成するインダクタンスのQを大きくすることができる。
なお、孔201に強誘電体を充填することにより、DCバイアスを制御すれば誘電率が変化し、フィルタ特性を変化させられるアクティブフィルタを実現することができる。
(実施の形態5)
図20は実施の形態5における誘電体フィルタの断面図である。なお、実施の形態1と同じものに付いては同一番号を付して説明を簡略化している。
実施の形態5は、実施の形態4と思想的に近似している。実施の形態4と異なるところは、グランド電極205、206が一体的に設けられていることである。即ち、図20に示すように、幅広部52b、53bと、グランド電極205、206の間に孔201を略等間隔に複数個設け、この孔201に誘電体基板51より誘電率の高い誘電体202を充填したものである。この孔201の間隔は、誘電体202の熱膨張率と誘電体基板51の熱膨張率の違いにより、誘電体基板51に過大のストレスをかけない程度に密着して設けることが重要である。また、この孔201は幅広部52b、53bからはみ出しても良い。
このことにより、幅広部52b、53bに対応したグランド電極205、206との間の誘電率が誘電体基板51の誘電率より高くなるので、幅広部52b、53bとグランド電極205、206との間で形成される静電容量を大きくすることができる。即ち、同じ静電容量ならば幅広部52b、53bを小さくすることができ、誘電体フィルタの小型化を図ることができる。また、グランド電極205、206は夫々一体化されているので、製造が容易となる。
また、幅狭部52c、53cと、グランド電極205、206の間にも孔203を略等間隔に複数個設け、この孔203に誘電体基板51より誘電率の低い誘電体204を充填している。この孔203の間隔は、誘電体204の熱膨張率と誘電体基板51の熱膨張率の違いにより、誘電体基板51に過大のストレスをかけない程度に密着して設けることが重要である。また、この孔203は幅狭部52c、53cからはみ出しても良い。なお、孔203の直径は孔201の直径と同一にしている。
このことにより、幅狭部52c、53cに対応したグランド電極205、206との間の誘電率が低くなるので、幅狭部52c、53cの導体損を小さくすることができる。即ち、誘電体フィルタを形成するインダクタンスのQを大きくし、挿入損失を減らせることができる。
本発明にかかる誘電体フィルタは、インダクタのQを劣化させることなく小型化を実現することができるので、小型化された高周波機器等に適用できる。
本発明の実施の形態1における誘電体フィルタの断面図 同、透し平面図 同、別の透し平面図 同、要部平面図 同、誘電体フィルタのパターンを電気素子に置き換えた置換回路図 同、等価回路図 同、信号通過特性図 本発明の実施の形態2における誘電体フィルタの透し平面図 同、別の透し平面図 同、A−A断面図 同、B−B断面図 同、誘電体フィルタのパターンを電気素子に置き換えた置換回路図 本発明の実施の形態3における誘電体フィルタの断面図 同、透し平面図 同、誘電体フィルタのパターンを電気素子に置き換えた置換回路図 同、等価回路図 同、信号通過特性図 本発明の実施の形態4における誘電体フィルタの透し平面図 同、断面図 本発明の実施の形態5における誘電体フィルタの断面図 従来の誘電体フィルタの透し平面図 同、断面図 同、誘電体フィルタのパターンを電気素子に置き換えた置換回路図 同、等価回路図 同、信号通過特性図
符号の説明
51 誘電体基板
52 共振素子
52a 開放端
52b 幅広部
52c 幅狭部
52d 折り曲げ部
53 共振素子
53a 開放端
53b 幅広部
53c 幅狭部
53d 折り曲げ部
54a 入出力電極
54b 入出力端子
55a 入出力電極
55b 入出力端子
56a インナービア
56b インナービア
57 第1の上グランド電極
57a 第1の上ブランド電極
57b 第1の上グランド電極
58 第2の上グランド電極
60 第1の下グランド電極
60a 第1の下グランド電極
60b 第1の下グランド電極
61 第2の下グランド電極
63 インナービア
64 側面電極(共通接地端子:グランド)
66 容量電極
91 容量電極
91a インナービア

Claims (10)

  1. 積層基板で形成された誘電体フィルタであって、
    前記誘電体基板の内層に形成されるとともに一方を開放端とし他方がグランドに接続された第1、第2の共振素子と、
    この第1、第2の共振素子を互いに電磁界結合させるとともに前記開放端側に形成された幅広部と、
    前記第1、第2の共振素子の前記グランド側に形成された幅狭部と、前記夫々の幅広部側の上層に形成された第1、第2の入出力電極と、
    この第1、第2の入出力電極の上層に形成されるとともに前記グランド側に接続された複数の上グランド電極と、前記第1、第2の共振素子の下層に形成されるとともに前記グランド側に接続された複数の下グランド電極とを備え、
    前記上グランド電極は、前記幅広部に対応するとともに前記幅狭部に対応した部分のパターンを不形成とした第1の上グランド電極と、前記幅狭部に対応するとともに前記第1の上グランド電極のある層の更に上層に形成された第2の上グランド電極とで形成され、
    前記下グランド電極は、前記幅広部に対応するとともに前記幅狭部に対応した部分のパターンを不形成とした第1の下グランド電極と、前記幅狭部に対応するとともに前記第1の下グランド電極のある層の更に下層に形成された第2の下グランド電極とで、
    形成された誘電体フィルタ。
  2. 前記第1、第2の入出力電極に対応する第1の上グランド電極にグランドの不形成部を設け、この不形成部を貫通して前記第1、第2の入出力電極から積層基板の最上層へ入出力端子が夫々導出された請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  3. 前記複数の上グランド電極と前記複数の下グランド電極は、夫々幅広部に対応する部分と幅狭部に対応する部分に分割されるとともにそれらの間がインナービアで接続された請求項2に記載の誘電体フィルタ。
  4. 前記幅広部に対応する上層と下層に夫々電界結合させる容量電極を設け、この夫々の容量電極に対応する夫々の幅広部とインナービアで接続された請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  5. 前記第1の上グランド電極の上層或いは前記第1の下グランド電極の下層に電子回路が形成された請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  6. 前記幅広部に接続された第1の幅狭部を互いに平行に敷設するとともにこの第1の幅狭部とグランドとの間に第2の幅狭部を形成し、この第2の幅狭部は前記第1の幅狭部に対して直角に形成するとともに互いに逆方向に向かって一直線状に敷設された請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  7. 前記入出力電極間に幅広部に対向した接地電極が設けられた請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  8. 前記幅広部に対応した第1の上グランド電極と第1の下グランド電極との間に略等間隔に複数個の孔を設け、この孔に誘電体基板の誘電率より誘電率の高い誘電体が充填された請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  9. 前記幅狭部に対応した第2の上グランド電極と第2の下グランド電極との間に略等間隔に複数個の孔を設け、この孔に誘電体基板の誘電率より誘電率の低い誘電体が充填された請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  10. 前記幅広部に対応した第1の上グランド電極と第1の下グランド電極との間に略等間隔に複数個の孔を設け、この孔に誘電体基板の誘電率より誘電率の高い誘電体が充填された請求項9に記載の誘電体フィルタ。
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