JP3942476B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、操舵補助用のモータの回転を、一部又は全部が樹脂製の歯車を備える減速装置を介してコラム軸に伝えて操舵を補助する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵補助力の発生源として電動モータを用いてなる電動パワーステアリング装置は、舵取り操作のために操舵手段(ステアリングホイール)に加えられる操舵トルクの検出結果に基づいて操舵補助用の電動モータ(以下単にモータという)を駆動し、該モータの回転力を舵取機構に加えて操舵を補助する構成となっており、車速、操舵角、ヨーレート等、車両の走行状態に応じた補助力特性の変更制御に柔軟に対応することが可能であり、近年、多くの車両に装備されるようになっている。
【0003】
このような電動パワーステアリング装置においては、操舵補助用のモータの回転を舵取機構に伝えるために種々の形式が採用されており、これらの一つに、操舵手段としてのステアリングホイールと舵取機構とを連絡するコラム軸の中途に前記モータの回転を伝達し、前記コラム軸の回転を補助するようにした形式、所謂、コラムアシスト形の電動パワーステアリング装置がある。
【0004】
コラムアシスト形の電動パワーステアリング装置は、コラム軸を回転自在に支持するハウジングの外側に操舵補助用のモータを取り付け、前記ハウジングの内部に延設されたモータの出力軸の回転を減速装置を介してコラム軸に伝達する構成となっている。前記減速装置は、小出力のモータにより十分な操舵補助力を得るために必要であり、省スペースにて高減速比が得られることから、前記モータの出力軸に連設されたウォームを前記コラム軸の中途に嵌着されたウォームホイールに噛合させてなるウォームギヤ減速装置が広く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さて、以上の如く構成されたコラムアシスト形の電動パワーステアリング装置においては、コラム軸の中途に伝動構成されるモータが車室の内部に位置することから、該モータ及び前記減速装置を含めた伝動系の消音対策が重要な課題となっており、従来から、減速装置を構成する歯車の一部又は全部を樹脂製とし、噛合音の低減を図るようにしている。例えば、前述したウォームギヤ減速装置を備える構成においては、少なくともウォームホイール外周の歯部を樹脂製とすることにより噛合音の低減を図ることができる。
【0006】
ところが、以上の如き樹脂製のウォームホイールを用いた場合、該ウォームホイールが、前記ハウジングの内部の空気中の水分を吸収して膨潤し、ウォームとの間に初期設定されたバックラッシが変化して、噛合音の増大、歯面の摩耗、伝動効率の低下等の種々の不具合を引き起こす虞れがあった。
【0007】
このような不具合の発生を防止するため、ウォームホイール及びウォームを支持する軸受として、転動体の一側、又は両側にシール材を備えるシール軸受を用い、前記ハウジング内部のウォームホイール及びウォームの配設室を外気から遮断し、水分の侵入を防止して、樹脂製のウォームホイールの膨潤を防ぐようにしている。しかしながら、前記シール軸受による外気の遮断には限界があり、侵入水分を吸収して生じるウォームホイールの膨潤に起因する前述した不具合の発生を有効に防止することは難しいという問題があった。
【0008】
この問題は、操舵補助用のモータからコラム軸への減速伝動に、平歯車、傘歯車、ハイポイドギヤ等の他の歯車を備える減速装置を用いてなる電動パワーステアリング装置においても、一部又は全部が樹脂製の歯車である場合に同様に発生する問題である。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、操舵補助用のモータからコラム軸への減速伝動を樹脂製の歯車を備える減速装置によって行わせる構成において、ハウジングの内部に外気と共に侵入する水分の吸収による前記歯車の膨潤を抑制し、この膨潤に伴って生じる不具合を有効に防止することができ、静粛な動作が可能なコラムアシスト形の電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵手段の操作によって回転するコラム軸を支持するハウジングに操舵補助用のモータを取り付け、前記ハウジングの内部に突出する前記モータの出力軸の回転を、一部又は全部が樹脂製である歯車を備える減速装置を介して前記コラム軸に伝え、該コラム軸の回転に応じてなされる操舵を補助する電動パワーステアリング装置において、前記ハウジングの内周面と、前記コラム軸、出力軸、歯車を含む回転部の外周面との間の環状空間にシール手段を介して介装してあり、前記ハウジングの内外の圧力差の作用により前記回転部の軸長方向に移動して、前記ハウジングの内圧を調整する環状の調圧部材を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、ハウジングの内周面と該ハウジング内部の回転部分の外周面との間に環状をなす調圧部材を介装し、該調圧部材がハウジングの内外の圧力差の作用により軸長方向に移動することにより、ハウジングの内圧を外気圧と略等しく保ち、前記ハウジングの内部に外気と共に水分が侵入することを阻止し、侵入水分の吸収によりハウジング内に配された減速装置の樹脂製歯車が膨潤することを防ぎ、噛合音の増大、歯面の摩耗、伝動効率の低下等の不具合の発生を未然に防止する。
【0012】
また第2発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵手段の操作によって回転するコラム軸を支持するハウジングに操舵補助用のモータを取り付け、前記ハウジングの内部に突出する前記モータの出力軸の回転を、一部又は全部が樹脂製である歯車を備える減速装置を介して前記コラム軸に伝え、該コラム軸の回転に応じてなされる操舵を補助する電動パワーステアリング装置において、前記ハウジングの内外を連通するシリンダと、該シリンダに内嵌保持され、両面に加わる前記ハウジングの内外の圧力差の作用により前記シリンダの軸長方向に移動して、前記ハウジングの内圧を調整するピストンとを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、ハウジングの内外を連通するように設けられたシリンダ(調圧シリンダ)内にピストン(調圧ピストン)を嵌挿し、該ピストンがハウジングの内外の圧力差の作用により前記シリンダ内を軸長方向に移動することにより、該シリンダに連通するハウジングの内圧を外気圧と略等しく保ち、ハウジングの内部に外気と共に水分が侵入することを阻止し、侵入水分の吸収によりハウジング内に配された減速装置の樹脂製歯車が膨潤することを防ぎ、噛合音の増大、歯面の摩耗、伝動効率の低下等の不具合の発生を未然に防止する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の第1の実施の形態の要部の構成を示す縦断面図である。
【0019】
図示の電動パワーステアリング装置は、コラム軸1を回転自在に支持するハウジングHの外側に操舵補助用のモータMを取り付け、該モータMの回転を前記ハウジングHの内部に構成された減速装置2を介して前記コラム軸1に伝達し、該コラム軸1の下端部(図における左端部)にユニバーサルジョイントUを介して連結された図示しない舵取機構に伝えて、該舵取機構の動作によってなされる操舵を補助するコラムアシスト形の電動パワーステアリング装置として構成されている。
【0020】
コラム軸1は、トーションバー10を介して同軸上に連結された入力軸11及び出力軸12を備えており、これら両軸11,12の連結部には、操舵手段としての図示しないステアリングホイールの操作に応じて両軸11,12に加わる操舵トルクを検出する公知のトルクセンサ3が構成されている。
【0021】
入力軸11の上端部(図における右端部)は、ハウジングHの上部に連設された筒形の延長ハウジングH1 の内部においてコラプシブルシャフト13に連結され、該コラプシブルシャフト13を介して図示しないステアリングホイールに連結されている。前記コラプシブルシャフト13は、中実の内軸 13aを同形の外筒 13bに内嵌し、これらを嵌合部に充填された樹脂製のシェアピン 13cにより連結し、該シェアピン 13cのせん断許容値を超える軸長方向力の作用時に、外筒 13bの内部への内軸 13aの侵入を伴って軸長方向に縮短する公知の構成を備えている。延長ハウジングH1 も同様のコラプシブル構造を備えており、これらの構成は、車両の衝突時に運転者がステアリングホイールに衝突する二次衝突のエネルギを前記縮短により吸収する作用をなすべく採用されている。
【0022】
コラム軸1を支持するハウジングHの内部には、コラム軸1を構成する出力軸12の対応部分を大径に拡径して、減速装置2を収容するギヤ室20が設けてあり、操舵補助用の前記モータMは、前記ギヤ室20の外周部に、前記出力軸12と略直交する軸心を有して取り付けられている。
【0023】
減速装置2は、ハウジングHの内部に突出する前記モータMの出力軸に連結されたウォーム21と、出力軸12の中途に嵌着されたウォームホイール22とを備えるウォームギヤ減速装置である。ウォームホイール22は、出力軸12に嵌着された金属製のボス部 22aと、該ボス部 22aの外側にモールド成形された樹脂製の環状歯部 22bとを備えており、該環状歯部 22bの外周に一体形成されたウォーム歯に前記ウォーム21を噛合させて減速装置2が構成されている。
【0024】
以上の如く構成された電動パワーステアリング装置において、操舵補助用のモータMは、前記トルクセンサ3による操舵トルクの検出結果に基づいて、図示しない制御部から与えられる動作指令に応じて駆動制御される。このモータMの回転は、前記ウォーム21及びウォームホイール22の噛合部において所定の減速比にて減速され、該ウォームホイール22が嵌着された出力軸12に伝えられ、更に、ユニバーサルジョイントUを介して舵取機構に伝わり、該舵取機構の動作によってなされる操舵が補助される。
【0025】
前記トルクセンサ3による検出トルクは、操舵のためのステアリングホイールの操作に応じて前記コラプシブルシャフト13を介して入力軸11及び出力軸12に伝達されるトルクであり、運転者によりステアリングホイールに加えられる操舵力の方向及び大きさに対応するから、この検出トルクに基づいて操舵補助用のモータMを駆動制御することにより適正な操舵補助がなされる。なお、操舵トルクの検出結果に基づく前記モータMの制御において、車速、操舵角度、ヨーレート等の走行状態の検出結果に基づく補正を実施することにより、走行状態に適合する補助力特性を実現することが可能である。走行状態に基づく補正の手順については、従来から多くの発明がなされており、これらのうちから適宜の手順を選定すればよい。
【0026】
前記ウォーム21及びウォームホイール22を備える減速装置2においては、コンパクトな構成により大なる減速比が得られるから、小出力のモータMにより所望の操舵補助が可能となり、減速装置2を含めてコラム軸1の中途に無理なく配設することができる。またウォームホイール22の環状歯部 22bが樹脂製であることから、ウォーム21との噛合音を低レベルに抑えることができ、静粛な動作が可能となる。
【0027】
一方、樹脂製の環状歯部 22bを備えるウォームホイール22は、ギヤ室20の内部の空気中の水分を吸収して膨潤するという問題があり、この膨潤が生じた場合、前述の如く、ウォーム21との間に初期設定されたバックラッシが変化して、噛合音の増大、歯面の摩耗、伝動効率の低下等の不具合を引き起こす虞れがある。
【0028】
本発明においては、以上の如きウォームホイール22の膨潤が、ギヤ室20の内部に水分を含む外気が侵入することに起因して発生することに着目し、前記ギヤ室20の内圧を外圧に等しくなるように調整して、外気及び水分の侵入を防止する作用をなす内圧調整手段4を備えることにより、前記不具合の発生を未然に防止するようにしている。
【0029】
図1に示す実施の形態において内圧調整手段4は、ハウジングHの上部に連設された筒形の延長ハウジングH1 と、該延長ハウジングH1 の内部に支持されたコラプシブルシャフト13との間の環状空間に介装されている。図2は、内圧調整手段4の構成部分の拡大断面図である。
【0030】
図示の如く内圧調整手段4は、延長ハウジングH1 の内周面と、コラプシブルシャフト13を構成する外筒 13bの外周面との間に環状空間に、軸長方向への摺動自在に遊嵌された円環状をなす調圧環(調圧部材)40を備えている。該調圧環40の外周面には、Oリング等を用いてなるシールリング41,41が巻装され延長ハウジングH1 の内周面に弾接させてあり、同じく内周面には、Oリング等を用いてなるシールリング42,42が巻装され外筒 13bの外周面に弾接させてある。
【0031】
以上の如き調圧環40の一側(図における左側)は、図1に示す如く、延長ハウジングH1 を介してハウジングHの内部に連通しており、該ハウジングHの内圧P1 が作用する。なお、この連通状態を確保するため、前記ギヤ室20の内部においてウォームホイール22の上側を支持する軸受23は、図1に示す如く、ボールの両側にシール部材を備えない玉軸受としてあり、ウォームホイール22の下側を支持する軸受24は、ボールの一側にシール部材を備えるシール玉軸受としてある。
【0032】
また調圧環40の他側(図における右側)は、図示しない延長ハウジングH1 の上側開口部を介して外部に連通しており、外気圧P2 が作用している。ここで調圧環40の両側は、内外周の前記シールリング41,41,42,42によって気密に封止されており、該調圧環40は、ハウジングHの内外の圧力差(=P1 −P2 )の作用により軸長方向に移動することとなり、ハウジングHの内圧P1 が外気圧P2 よりも高い場合、図の右向きに移動してハウジングHの内容積が増大し、ハウジングHの内圧P1 が外気圧P2 よりも低い場合、外気圧P2 が高い場合、図の左向きに移動してハウジングHの内容積が減少する。
【0033】
従って、以上の如き調圧環40の移動により、延長ハウジングH1 を含めたハウジングHの内圧P1 が外気圧P2 と略等圧に保たれることとなり、該ハウジングHの内外の空気の出入りがなくなり、吸湿による樹脂製のウォームホイール22の膨潤を防止し、この膨潤に伴う前述した不具合の発生を未然に防止することができる。
【0034】
なお、以上の実施の形態の構成は、内外周にシールリング41,41,42,42を備える調圧環40を追加するだけで簡易に実現することができる。また調圧環40の構成は、図2に示す構成に限らず、例えば、延長ハウジングH1 の内面に軸長方向への摺動自在に遊嵌されたオイルシール等のシール材を調圧環40として用いることも可能である。更に調圧環40の装着位置は、延長ハウジングH1 とコラプシブルシャフト13の外筒 13bとの間に限らず、コラム軸1、モータMの出力軸、ウォーム21及びウォームホイール22を含む回転部分とハウジングHの一部との間の適宜の環状空間に設定することができる。
【0035】
図3は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の第2の実施の形態における内圧調整手段4の構成部分の拡大断面図である。
【0036】
本図は、図1における III−III 線によるギヤ室20の横断面図となっており、該ギヤ室20の内部において噛合するウォーム21及びウォームホイール22が示されている。図示の如くウォーム21は、両端を玉軸受25,26により支持させ、ウォームホイール22の外周に沿って、これの軸心に直交するようにハウジングHの内部に架設されている。ウォーム21の一側(玉軸受26による支持側)は、同側のハウジングHを拡径して構成されたモータ座27に取り付けられた操舵補助用のモータMの出力軸28にカップリング29を介して連結されており、前記モータMからの伝動により軸回りに回転するようになしてある。
【0037】
この実施の形態において内圧調整手段4は、ウォーム21の他側(玉軸受25による支持側)において、該ウォーム21と略同軸上に前記ハウジングHの内部を外部に連通するように設けられた調圧シリンダ43と、該調圧シリンダ43に軸長方向への摺動自在に内嵌保持された調圧ピストン44とを備えて構成されている。
【0038】
以上の構成において、調圧ピストン44の一側(図における右側)は、ハウジングHの内部に連通しており、該ハウジングHの内圧P1 が作用する。なお、この連通状態を確保するため、ウォーム21の同側を支持する軸受25は、図示の如く、ボールの両側にシール部材を備えない玉軸受としてあり、同じく下側を支持する軸受26は、ボールの両側にシール部材を備えるシール玉軸受としてある。
【0039】
また調圧ピストン44の他側(図における左側)は、調圧シリンダ43の端部に設けた開口 43aを介してハウジングHの外部に連通しており、外気圧P2 が作用する。従って調圧ピストン44は、ハウジングHの内外の圧力差(=P1 −P2 )の作用により調圧シリンダ43の内部で軸長方向に移動することとなり、ハウジングHの内圧P1 が外気圧P2 よりも高い場合、調圧シリンダ43の先端側に移動してハウジングHの内容積が増大し、ハウジングHの内圧P1 が外気圧P2 よりも低い場合、調圧シリンダ43の基部側に移動してハウジングHの内容積が減少する。
【0040】
従って、以上の如き調圧ピストン44の移動により、ハウジングHの内圧P1 が外気圧P2 と略等圧に保たれることとなり、該ハウジングHの内外の空気の出入りがなくなり、吸湿による樹脂製のウォームホイール22の膨潤を防止し、この膨潤に伴う前述した不具合の発生を未然に防止することができる。
【0041】
なお調圧シリンダ43の連設位置は、図3に示す位置に限らず、ギヤ室20の内部に連通し得る位置であれば、ハウジングHの適宜位置に設定することができる。この実施の形態の構成は、ハウジングHの一部に昇圧ピストン44を内嵌保持する調圧シリンダ43を追加するのみで簡易に実現することができる。
【0051】
なお以上の実施の形態においては、ハウジングHの内部の減速装置2が、ウォーム21及びウォームホイール22を備えるウォームギヤ減速装置である場合について述べたが、前記減速装置2が、平歯車、傘歯車等の他の歯車を備える減速装置である場合においても本発明の適用は可能であり、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る電動パワーステアリング装置においては、コラム軸のハウジングの内圧を外気圧と略等圧に保つ内圧調整が可能であり、ハウジング内への水分を伴う外気の侵入が有効に阻止され、前記ハウジング内に配された減速装置の樹脂製歯車の膨潤を抑制することができ、噛合音の増大、歯面の摩耗、伝動効率の低下等、前記膨潤に伴う種々の不具合の発生を効果的に防止して静粛な動作が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電動パワーステアリング装置の第1の実施の形態の要部の構成を示す縦断面図である。
【図2】 第1の実施の形態における内圧調整手段の構成部分の拡大断面図である。
【図3】 本発明に係る電動パワーステアリング装置の第2の実施の形態における内圧調整手段の構成部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 コラム軸
2 減速装置
4 内圧調整手段
20 ギヤ室
21 ウォーム
22 ウォームホイール
40 調圧環(調圧部材)
43 調圧シリンダ(シリンダ)
44 調圧ピストン(ピストン)
H ハウジング
M モータ
Claims (2)
- 操舵手段の操作によって回転するコラム軸を支持するハウジングに操舵補助用のモータを取り付け、前記ハウジングの内部に突出する前記モータの出力軸の回転を、一部又は全部が樹脂製である歯車を備える減速装置を介して前記コラム軸に伝え、該コラム軸の回転に応じてなされる操舵を補助する電動パワーステアリング装置において、
前記ハウジングの内周面と、前記コラム軸、出力軸、歯車を含む回転部の外周面との間の環状空間にシール手段を介して介装してあり、前記ハウジングの内外の圧力差の作用により前記回転部の軸長方向に移動して、前記ハウジングの内圧を調整する環状の調圧部材を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 操舵手段の操作によって回転するコラム軸を支持するハウジングに操舵補助用のモータを取り付け、前記ハウジングの内部に突出する前記モータの出力軸の回転を、一部又は全部が樹脂製である歯車を備える減速装置を介して前記コラム軸に伝え、該コラム軸の回転に応じてなされる操舵を補助する電動パワーステアリング装置において、
前記ハウジングの内外を連通するシリンダと、該シリンダに内嵌保持され、両面に加わる前記ハウジングの内外の圧力差の作用により前記シリンダの軸長方向に移動して、前記ハウジングの内圧を調整するピストンとを備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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