JP3942148B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機に関し、特に、取得した抽選用数値を用いて演算を施し、その演算結果に基づいて遊技者に有利な利益状態を含む複数の遊技状態の内の少なくとも1つを発生可能にした遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近主流のパチンコ機等の弾球遊技機には、遊技盤の遊技領域に特別図柄始動手段が設けられ、制御系に抽選用数値発生手段と抽選用数値取得手段が設けられている。抽選用数値発生手段は複数の抽選用数値(例えば、「0」〜「299」)を順次発生させ、遊技領域に投入された遊技球が特別図柄始動手段(球検知手段)で検知された場合、その検知タイミングで、抽選用数値取得手段により、抽選用数値発生手段で発生させた抽選用数値が取得される。
【0003】
取得された抽選用数値が予め設定された特定数値(例えば、「7」)である場合に大当りと判定され、その後、所定の終了条件が充足される迄の間、遊技領域に設けた開閉式の特別入賞手段が開閉制御されて、遊技者に有利な利益状態が発生する。通常、複数の遊技図柄を例えば3列に夫々変動させてから停止させるように表示する特別図柄表示手段が設けられ、前記大当りと判定された場合、遊技図柄の停止図柄態様が特別態様(「777」等)となるように表示される。
【0004】
ところで、前記球検知手段により遊技球が検知された場合に、抽選用数値取得手段により取得される抽選用数値は、利益状態を発生させるか否かの1回の判定のみのために使われ、次の判定においては、新たに取得される抽選用数値のみに基づいて、利益状態を発生させるか否かを判定するようにしてある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のパチンコ機等の遊技機では、取得される抽選用数値は1回の判定にだけ使われ、次回以降の判定に反映されるものでないため、結局、遊技者の遊技実績を後々に反映させることができない。
本発明の目的は、取得された抽選用数値を次回の抽選判定にも利用することで、遊技者の遊技実績を後々に反映させることができる遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の遊技機は、抽選用数値発生手段は複数の抽選用数値を順次発生させ、検知手段により遊技に関連する所定の動作又は操作が生じたことが検知された場合に、抽選用数値取得手段により、抽選用数値発生手段で発生させた抽選用数値が取得される。この取得された抽選用数値を用いて、演算手段により所定の演算方式の演算が施される。所定の演算方式として用いる1つの演算方式は、演算方式設定手段により、予め記憶された複数の演算方式の中から乱数抽選により決定される。
演算手段により、抽選用数値取得手段が抽選用数値を取得する毎に、その抽選用数値取得手段により取得された最新の抽選用数値と、この演算手段で演算された前回演算結果とを用いて演算し、決定された所定の演算方式の演算結果に基づいて、遊技者に有利な利益状態を含む複数の遊技状態の内の少なくとも1つを発生させるものである。
【0007】
この遊技機は、パチンコ機、アレンジボール機(組合せ式弾球遊技機)、雀球機等の弾球遊技機や、スロットマシン等の種々の遊技機に適用することができる。特に、弾球遊技機に適用する場合には、前記利益状態として、例えば、遊技領域に設けた開閉式の特別入賞手段の開放、遊技領域に設けた検知手段を含む開閉式の入球手段の開閉に関わる普通図柄の変動時間短縮、開閉式入球手段の開放時間増大、等々の利益状態とすることが可能である。
【0008】
前記のように、演算手段で演算された演算結果に基づいて、遊技者に有利な利益状態を含む複数の遊技状態の内の少なくとも1つを発生可能であるが、前記演算結果を利益状態を発生させるか否かの判定に用いてもよいし、また、演算結果に応じた(規模の異なる)利益状態を発生させるようにしてもよい。
【0009】
請求項2の遊技機は、請求項1の発明において、演算手段は、抽選用数値取得手段で取得された抽選用数値を用いて、加算方式、減算方式、乗算方式、除算方式の内の少なくとも1つを含む演算方式にて演算を施すものである。
【0010】
請求項3の遊技機は、抽選用数値発生手段は複数の抽選用数値を順次発生させ、検知手段により遊技に関連する所定の動作又は操作が生じたことが検知された場合に、抽選用数値取得手段により、抽選用数値発生手段で発生させた抽選用数値が取得される。この取得された抽選用数値を用いて、演算手段により所定の演算方式の演算が施され、この演算結果が記憶保持手段で記憶保持される。
演算手段により、抽選用数値取得手段が抽選用数値を取得する毎に、その抽選用数値取得手段により取得された最新の抽選用数値と、この演算手段で演算された前回演算結果とを用いて演算し、利益状態発生手段により、演算手段で演算された数値が、予め設定された複数の第1特定数値の何れかに該当する場合、現在設定されている利益状態がレベルアップされると共に、予め設定された複数の第2特定数値の何れかに該当する場合、現在設定されている利益状態がレベルダウンされるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態は、遊技ホールの島構造体に設置される所謂カード式弾球遊技機であるCR第1種パチンコ機に本発明を適用した場合の一例である。尚、パチンコホールに設けられた島構造体に、その長さ方向に複数のパチンコ機2が配設され、各パチンコ機2の左側にカード式貸出し装置1が配設され、各カード式貸出し装置1は右側のパチンコ機2に電気的に接続されている。
【0013】
図1〜図3に示すように、パチンコ機2は、矩形枠状の外枠3と、外枠3に開閉自在に枢着された前枠4とを有し、外枠3が島構造体に着脱自在に装着されている。前枠4には遊技盤5が裏側から着脱自在に装着され、遊技盤5の前側に窓部6aを有するガラス扉6と、上皿8を取付けた前面板7が夫々開閉自在に枢着されている。
【0014】
前面板7の下側において前枠4の下部に、上皿8から溢流し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9が固定的に設けられ、この下皿9の右側に発射手段10の発射ハンドル11が取付けられている。発射手段10は、回動操作可能な発射ハンドル11と、この発射ハンドル11の回動角度に応じた打撃力で打撃槌12により遊技球を発射させる発射モータ13などを備えている。
【0015】
上皿8の前面部の右部には、操作パネル14が設けられ、この操作パネル14に、カード式貸出し装置1に挿入されている球貸カード(図示略)の度数残高を最大3桁の数字で表示可能な残高表示部14aと、カード式貸出し装置1に所定度数分の遊技球の貸出しを指令する為に操作する貸出スイッチ14bと、カード式貸出し装置1に挿入されている球貸カードの返却を指令する為に操作する返却スイッチ14cが設けられている。
【0016】
図4に示すように、遊技盤5には外レールと内レールとからなるガイドレール15がほぼ環状に設けられ、ガイドレール15の内側に遊技領域5aが形成され、発射手段10により発射された遊技球はガイドレール15にガイドされて遊技領域5aに投入される。
【0017】
この遊技領域5aには、液晶ディスプレイ16からなる表示手段21と、開閉式の入賞手段からなる特別図柄始動手段17と、開閉式の特別入賞手段18と、複数の入賞手段19と、ゲート型の普通図柄始動手段20と、複数(例えば、4つ)の第1保留ランプ25と、複数(例えば、4つ)の第2保留ランプ26等が、夫々所定の位置に配設されている。
【0018】
表示手段21は、3つの特別図柄表示部22a〜22cと、2つの普通図柄表示部23a,23bと、演出結果表示部24とを有する。遊技球が特別図柄始動手段17に入賞し球検知手段(球検知センサ)により検知されたことを条件に、特別図柄表示部22a〜22cに複数の特別図柄(例えば、「0」〜「9」)が夫々変動して停止するように表示される。
【0019】
また、遊技球が普通図柄始動手段20を通過し球検知手段(球検知センサ)により検知されたことを条件に、普通図柄表示部23a,23bに夫々複数の普通図柄(例えば、「−」と「7」)が所定時間(例えば、通常状態で30秒)変動して停止するように表示される。演出結果表示部24には、後述の演算結果Bnが表示される。
【0020】
複数の第1保留ランプ25は、特別図柄始動手段17で検知された遊技球のうち、特別図柄の変動表示に未だ供していない保留球の数を表示するもので、その保留球数に相当する数の保留ランプ25が点灯される。複数の第2保留ランプ26は、普通図柄始動手段20で検知された遊技球のうち、普通図柄の変動表示に未だ供していない保留球の数を表示するもので、その保留球数に相当する数の保留ランプ26が点灯される。
【0021】
特別図柄始動手段17は、開閉自在の左右1対の開閉爪17aを備えた電動チューリップに構成されている。この開閉爪17aは、通常時において図4のように閉状態になっているが、普通図柄表示部23a,23bに表示される普通図柄の停止図柄態様が当り態様(例えば、「77」)になった場合に、開閉爪17aが所定時間(例えば、通常状態で0.2 秒)だけ開放され、その間は特別図柄始動手段17に遊技球が入賞し易くなる。尚、特別図柄始動手段17の球検知手段は、上述のように遊技球を検知するものである。
【0022】
特別入賞手段18は開閉板18aを備え、この開閉板18aが閉位置と開位置とに変化可能になっている。通常状態では、開閉板18aは閉位置に保持され、特別入賞手段18に遊技球が入賞することはない。特別図柄表示部22a〜22cに表示される特別図柄の停止図柄態様が大当り態様(例えば、同図柄が3つ揃う態様;「000」〜「999」の内の1つ)になった場合、その後、開閉板18aが開閉制御されて利益状態が発生する。
【0023】
この利益状態においては、開閉板18aが閉位置から開位置に切換えられてから、特別入賞手段18の内部に所定個(例えば、10球)の遊技球が入賞するか所定時間(例えば、30秒)経過すると、開閉板18aが開位置から閉位置に切換えられる。このようなラウンドが最高で最大継続ラウンド(例えば、10ラウンド(R)や13Rや15R)繰り返され、各ラウンド中に、特別入賞手段18の内部に設けた特定領域18bに遊技球が入れば次のラウンドへ移行可能となり、特定領域18bに遊技球が入らなければそのラウンドで利益状態は終了する。
【0024】
図2、図3に示すように、前枠4の裏側には、遊技盤5を裏側から押える裏機構板30が着脱自在に装着されている。この裏機構板30には開口部30aが形成され、その上側に賞球タンク33と、これから延びるタンクレール34が設けられている。タンクレール34の左端部下側に払出し手段35が設けられ、裏機構板30の下側には払出し手段35に接続された通路ユニット36が設けられている。払出し手段35は入賞手段17〜19への遊技球の入賞により賞として遊技球を払出すが、払出し手段35からの遊技球は通路ユニット36を経由して上皿8に払出され、上皿8が遊技球で満杯の場合には下皿9に払出される。
【0025】
裏機構板30の開口部30aには、遊技盤5の裏側に装着された裏カバー37と、入賞手段17〜19に入賞した遊技球を排出する入賞球排出樋(図示略)が夫々嵌合されている。この裏カバー37に装着されたケース38の内部に主制御基板39が設けられ、その前側に表示制御基板40が設けられている。
【0026】
主制御基板39の下側において裏カバー37に装着されたケース41aの内部にランプ制御基板42が設けられ、このケース41aに隣接するケース41bの内部にサウンド制御基板43が設けられている。これらケース41a,41bの下側において裏機構板30に装着されたケース44の内部に、電源基板45と払出し制御基板46が設けられ、発射手段10の後側に装着されたケース47の内部に発射制御基板48が設けられている。
【0027】
このように、これら基板39,40,42,43,45,46,48は夫々別基板で構成されており、電源基板45を除く制御基板39,40,42,43,46,48には、CPUとROMやRAM等を有するマイクロコンピュータ(マイコン)が夫々設けられている。主制御基板39とその他の制御基板40,42,43,46とは、複数本の信号線を介して電気的に接続され、主制御基板39から各制御基板40,42,43,46に、所定の遊技動作を実行させる為の種々の制御信号として、制御情報を簡略化して送信可能なコマンド信号を、一方向通信にてデータ送信するように構成されている。
【0028】
次に、パチンコ機2の制御装置に予め格納されている複数の制御プログラムに基づいて達成される種々の機能について、図5の機能ブロックに基づいて説明する。但し、これら種々の機能は前述した複数の制御プログラムとマイクロコンピュータ等の制御装置で達成される。
【0029】
主制御基板39上に構成された主制御手段50は、遊技に関連する制御を司り、後述の表示制御手段60、払出し制御手段70、ランプ制御手段71、サウンド制御手段72等に必要に応じて制御信号であるコマンド信号を送信出力する。 主制御手段50は、抽選用数値発生手段51、抽選用数値取得手段52、演算手段53、記憶手段54、判定手段55、利益状態発生手段56、コマンド送信手段57等を備えている。
【0030】
前記抽選用数値発生手段51は、例えば、抽選用カウンタを用いて微小な更新周期(例えば、約2msec周期)毎に抽選用の数値を「1」ずつカウントアップしながら所定の範囲(例えば、「0」〜「299」)で更新することにより、複数の抽選用数値(「0」〜「299」)を順次発生させる。
前記抽選用数値取得手段52は、特別図柄始動手段17(球検知手段)により遊技球が検知された場合、例えばその遊技球の検知タイミングで、抽選用数値発生手段51が発生した抽選用数値を取得する。
【0031】
前記演算手段53は、抽選用数値取得手段52により取得された抽選用数値を用いて所定の演算方式の演算を施す手段である。その演算方式として、図6に示すように、抽選用数値取得手段52により取得された最新の抽選用数値(An)と、そのときの最新の演算結果(Bn−1 )とを用いて演算する演算方式Iとしてもよいし、抽選用数値取得手段52により取得された最新の抽選用数値(An)と、それよりも過去に取得された抽選用数値(An−1 、An−2 、・・・)とを用いて演算する演算方式IIとしてもよい。
【0032】
更に、前記演算方式として、図7に示すように、a)加算演算方式を採用してもよいし、b)減算演算方式を採用してもよいし、c)乗算演算方式を採用してもよいし、d)除算演算方式を採用してもよいし、e)複合演算方式を採用してもよい。尚、e)複合演算方式とは、前記演算方式a)〜d)の内の少なくとも2つを複合した演算方式である。
【0033】
前記記憶手段54(記憶保持手段)は、抽選用数値取得手段52により取得された抽選用数値を記憶保持するとともに、演算手段53により演算された演算結果を記憶保持する。尚、記憶手段54に記憶される抽選用数値や演算結果は順次更新されることになるが、その更新方法については、演算方式等の違いによって異なるものとなる。
【0034】
前記判定手段55は、演算手段53で演算されて記憶手段54に記憶保持されている演算結果に基づいて、遊技者に有利な利益状態を含む複数の遊技状態の内の少なくとも1つを発生させるか否かを判定する。この場合、前記演算結果を利益状態を発生させる否か(契機)を判定するものであってもよいし、前記演算結果に応じた(規模の異なる)利益状態の発生を判定するものであってもよいし、これら両方を判定するものであってもよい。
【0035】
前記利益状態発生手段56は、判定手段55による判定結果を受け、演算手段53で演算された演算結果に基づいて、遊技者に有利な複数の利益状態の内の少なくとも1つを発生させるものである。
【0036】
この利益状態としては、例えば、図8に示すように、1)特別入賞手段の開放(パターン1;最大継続ラウンドが10R)、2)特別入賞手段の開放(パターン2;最大継続ラウンドが13R)、3)特別入賞手段の開放(パターン3;最大継続ラウンドが15R)、4)普通図柄の変動時間短縮(30秒→5秒)、5)特別図柄始動手段の開放時間増大(0.2 秒→2秒)、6)大当りとなる確率の高確率への変動(1/300 →1/60)、等々がある。
【0037】
前記コマンド送信手段57は、判定手段55による判定結果を受け、その判定結果に基づくコマンド信号や、その他の必要に応じた種々のコマンド信号を、表示制御手段60、払出し制御手段70、ランプ制御手段71、サウンド制御手段72に送信する。
【0038】
さて、図5に示すように、表示制御基板40上に構成された表示制御手段60は、特別図柄表示制御手段61と、普通図柄表示制御手段62と、演算結果表示制御手段63とを有し、コマンド送信手段57から送信されてきた表示制御に関するコマンド信号に基づいて、表示手段21を制御する。
【0039】
特別図柄表示制御手段61は、特別図柄始動手段17(球検知手段)により遊技球が検知されたことを条件に、特別図柄表示部22a〜22cに複数の特別図柄を夫々変動させ、例えば、少なくとも特別入賞手段18を開放して利益状態を発生させる場合には、特別図柄の停止図柄態様を予め設定された特別態様(「777」等)とするように、それ以外の場合には、停止図柄態様を特別態様以外の態様とするように表示制御する。
【0040】
普通図柄表示制御手段62は、普通図柄始動手段20により遊技球が検知されたことを条件に、普通図柄表示部23a,23bに複数の普通図柄を所定時間(例えば、通常状態で30秒)夫々変動させ、特別図柄始動手段17の開閉爪17aを開閉させる場合には、普通図柄の停止図柄態様を予め設定された特別態様(「77」等)とするように、特別図柄始動手段17の開閉爪17aを開閉させない場合には、停止図柄態様を特別態様以外の態様とするように表示制御する。
【0041】
演算結果表示制御手段63は、前記演算結果に関連する情報を演算結果表示部24に表示するように制御する。つまり、演算結果表示部24と演算結果表示制御手段63が、前記演算結果に関連する表示を行う表示手段に相当する。尚、特別図柄表示部22a〜22cと特別図柄表示制御手段61も、前記演算結果に関連する表示を行う表示手段に相当するものとしてもよい。
【0042】
尚、払出し制御基板46上に払出し制御手段70が構成され、ランプ制御基板42上にランプ制御手段71が構成され、サウンド制御基板43上にサウンド制御手段72が構成され、発射制御基板48上に発射制御手段73が構成されている。そして、主制御手段50からのコマンド信号に基づいて、払出し制御手段70は払出し手段35を制御し、ランプ制御手段71はランプ群LPを点灯制御し、サウンド制御手段72はスピーカSPを制御し各種効果音を発生させる。
【0043】
ここで、主制御手段50が実行する一連の基本的な制御について、図9のフローチャートに基づいて説明する。この制御は電源の投入とともに開始され、先ず、初期設定(S1)が行われ、記憶手段54のメモリがクリアされ、nに0が設定される。
【0044】
次に、遊技球が検知されると(S2;Yes)、nが(n+1)にインクリメントされ(S3)、抽出された抽選用数値がAnに設定され(S4)、演算処理;Bn←f(Bn−1 ,An)が行われる(S5)。この演算処理で用いる演算方式;f(Bn−1 ,An)は、取得された最新の抽選用数値(An)と、そのときの最新の演算結果(Bn−1 )とを用いて演算する演算方式Iを採用したものである。尚、B0(n=1のとき)は0である。
【0045】
次に、S5で演算された演算結果Bnに関連する情報の表示制御指示が行われ(S6)、その後、演算結果Bnに基づいて、利益状態の発生条件が充足されなければ(S7;No )S2リターンし、利益状態の発生条件が充足されると(S7;Yes)、図8のような複数の利益状態の内から少なくとも1つの利益状態を発生させ(S8)S1へリターンする。
【0046】
このフローチャートは、第I演算方式を採用したものであるが、図6に示すように、取得された最新の抽選用数値(An)と、それよりも過去に取得された抽選用数値(An−1 、An−2 、・・・)とを用いて演算する演算方式IIを採用した場合には、図10に示すフローチャートになる。即ち、図10のS5において、演算処理Bn←f(An,An−1 ,An−2 ,・・・)が行われ、その他のステップは図9のフローチャートと同様のステップとなる。
【0047】
次に、主制御手段50で実行される一連の制御をより具体化した種々の具体例について説明する。
1〕図11のフローチャートに示すように、このS1〜S4は図9、図10のフローチャートのS1〜S4と同様であり、図12に示すように、抽選用数値Anの範囲;0〜299 、演算結果Bnの範囲;0〜10000 、特定数値;300 ×m(m=1,2,3,・・・33)が予め設定されている。
【0048】
また、図13に示すように、演算方式f(An,Bn−1 )についても、演算方式Ia;Bn=(Bn−1 )+An、演算方式Ib;Bn=(Bn−1 )−An、演算方式Ic;Bn=(Bn−1 )×An、演算方式Id;Bn=(Bn−1 )÷An、演算方式Ie;Bn=(Bn−1 )×Cが予め用意されている。但し、n=1,2,3・・・、B0(n=1のとき)=0、C=0である。
【0049】
図11に示すように、取得された抽選用数値がAnに設定されると(S4)、その後、前記演算方式Ia〜Ieの中から採用される1つの演算方式が設定される(S5)。この演算方式の設定は、例えば抽選にて行われ、例えば、図14に示すように、演算方式Ia〜Ieが抽選される抽選確率が、40/50, 5/50, 2/50, 2/50, 1/50 に夫々設定されている。なお、S5における構成が、「演算方式設定手段」に相当する。
【0050】
その後、設定された演算方式を用いて演算処理(S6)が行われ、その演算結果Bnに関連する情報の表示制御指示が行われ(S7)、次に、演算結果Bnが前記特定数値か否かが判断される(S8)。演算結果Bnが特定数値でないときには(S8;No )S2へリターンするが、演算結果Bnが特定数値であるときには(S8;Yes)、その後、図8のような複数の利益状態の内から少なくとも1つの利益状態を発生させ(S9)S1へリターンする。
【0051】
例えば、S1の初期設定の後、抽選用数値Anが(45)→(138) →(5) →(203) →(34)→(3) →(267) の順で取得され、演算方式がIa→Ic→Ia→Id→Ia→Ia→Ibの順で設定変更された場合、演算結果Bnは、(45)→(6075)→(6080)→(29)→(63)→(66)→(0) の順で変化する。尚、Bnが少数になる場合にはそれを切捨てるものとして、Bnが0以下のときには0とし、Bnが10000 以上のときには、Bnを10000 としてもよいし10000 との差をBnとしてもよい。
【0052】
2〕図15のフローチャートに示すように、このS1〜S4は図9〜図11のフローチャートのS1〜S4と同様であり、図16に示すように、抽選用数値Anの範囲;0〜299 、演算結果Bnの範囲;0〜10000 、特定数値;7が予め設定されている。
【0053】
また、図17に示すように、演算方式f(An,Bn−1)についても、演算方式Ia1;Bn=(Bn−1)+An、演算方式Ia2;Bn=(Bn−1)+2×An、演算方式Ia3;Bn=(Bn−1)+3×An、演算方式Ia4;Bn=(Bn−1)+4×Anが予め用意されされている。但し、n=1,2,3・・・、B0(n=1のとき)=0である。
【0054】
図15に示すように、取得された抽選用数値がAnに設定されると(S4)、その後、前記演算方式Ia1〜Ia4の中から採用される1つの演算方式が設定される(S5)。この演算方式の設定は、例えば、抽選にて行われ、図18に示すように、演算方式Ia1〜Ia4が抽選される抽選確率が、40/50, 5/50, 3/50, 2/50 に夫々設定されている。なお、S5で行なわれる構成が、「演算方式設定手段」に相当する。
【0055】
その後、設定された演算方式を用いて演算処理(S6)が行われ、その演算結果Bnに関連する情報の表示制御指示が行われ(S7)、次に、抽選用数値Anが前記特定数値か否かが判断される(S8)。抽選用数値Anが特定数値でないときには(S8;No )S2へリターンするが、抽選用数値Anが特定数値であるときには(S8;Yes)、演算結果Bnに応じた利益状態を発生させる(S9)。
【0056】
抽選用数値Anが特定数値であるとき、S9においては、図19に示すように、演算結果Bnが0〜4000のときには、図8の1)特別入賞手段の開放(パターン1;最大継続ラウンドが10R)とする1つの利益状態が発生し、演算結果Bnが4001〜8000のときには、図8の2)特別入賞手段の開放(パターン2;最大継続ラウンドが13R)と、図8の4)普通図柄の変動時間短縮(30秒→5秒)と、図8の5)特別図柄始動手段の開放時間増大(0.2 秒→2秒)とする3つの利益状態が発生する。
【0057】
また、演算結果Bnが8001〜10000 のときには、図8の3)特別入賞手段の開放(パターン3;最大継続ラウンドが15R)と、図8の4)普通図柄の変動時間短縮(30秒→5秒)と、図8の5)特別図柄始動手段の開放時間増大(0.2 秒→2秒)と、図8の6)大当りとなる確率の高確率への変動(1/300 →1/60)とする4つの利益状態が発生する。尚、大当りとなる確率の高確率への変動については、前記特定数値を多くすることにより達成することができる。
【0058】
3〕図20のフローチャートに示すように、このS1〜S5は図9、図10のフローチャートのS1〜S5と同様であり、図21に示すように、抽選用数値Anの範囲;0〜299 、演算結果Bnの範囲;0〜10000 、第1特定数値;250 ×m(m=1,2,3・・・40)、第2特定数値;250 ×m−5(m=1,2,3・・・40)が予め設定されている。
【0059】
また、通常状態、利益状態1、利益状態2、利益状態3の4つの状態の内から1つの状態が設定されるようになっており、図22に示すように、利益状態が発生しない状態が通常状態であり、利益状態1では、普通図柄の変動時間短縮を行う1つの利益状態が発生し、利益状態2では、普通図柄の変動時間短縮と、特別図柄始動手段の開放時間増大とを行う2つの利益状態が発生し、利益状態3では、特別入賞手段の開放を行う1つの利益状態が発生する。
【0060】
S8において演算結果Bnが第1特定数値か否かが判定され、第1特定数値であるときには(S8;Yes)、利益状態のレベルアップ(S9)が行われ、現在の状態が、通常状態のときには利益状態1に切換えられ、利益状態1のときには利益状態2に切換えられ、利益状態2のときには利益状態3に切換えられる。次に、利益状態が終了するときには(S10;Yes)S1へリターン、利益状態が終了しないときには(S10;No )S2リターンする。
【0061】
また、第1特定数値でないときには(S8;No )、S11において演算結果Bnが第2特定数値か否かが判定される。演算結果Bnが第2特定数値であるときには、利益状態のレベルダウン(S12)が行われ、現在の状態が、利益状態3のときには利益状態2に切換えられ、利益状態2のときには利益状態1に切換えられ、利益状態1のときには通常状態に切換えられてS2へリターンする。
【0062】
4〕上記3〕の具体例においては、更に、前記演算方式を複数種類用意し、現在設定されている遊技状態によって異なる演算方式を採用するように構成してもよい。例えば、図23に示すように、演算方式として、通常状態ではBn=fn1を採用し、利益状態1ではBn=fn2を採用し、利益状態2ではBn=fn3を採用してもよい。
【0063】
fn1,fn2,fn3の具体的な演算方式の記載は省略するが、勿論、これらfn1,fn2,fn3は異なる演算方式であり、例えば、通常状態→利益状態1→利益状態2程、有利な(例えば、Bnが特定数値になり易い)演算方式とするように、一定の規則を以て定めてもよい。
【0064】
5〕前記演算方式として加算方式(例えば、前記のBn=(Bn−1 )+An)を採用するとともに、演算手段53で演算された抽選用数値の加算値、つまり演算結果Bnが、所定値以上になった場合に、遊技者に有利な遊技状態を発生させるように構成してもよい。
【0065】
この場合、主制御手段50で実行される制御は、例えば、図24のフローチャートに示す通りになり、図25に示すように、抽選用数値Anの範囲;0〜299 、演算結果Bnの範囲;0〜10000 、前記所定の得点である利益発生得点BC;10000 が予め設定されている。
【0066】
図24のフローチャートに示すように、このS1〜S6は前記のフローチャートと略同様であるが、S7において演算結果Bnと利益発生得点BCの大小が比較され、Bn≧BCのときに(S8;Yes)、利益状態が発生して(S8;Yes)S1へリターンし、Bn≧BCでないときに(S8;No )S2へリターンする。
【0067】
6〕図26に示すように、演算手段53に、抽選用数値取得手段52により取得された抽選用数値Anに応じた得点Cnを求める得点算出手段53aを設け、演算手段54はその得点Cnを用いて演算するようにしてもよい。
【0068】
図27に示すように、抽選用数値Anの範囲;0〜299 、演算結果Bnの範囲;0〜1000、特定数値;7が予め設定されており、得点算出手段53aにより、抽選用数値Anに応じた得点Cnを求める算出方法として、例えば、図27に示すように、Anが0〜49の場合にはCnは0点、Anが50〜99の場合にはCnは1点、Anが100 〜149 の場合にはCnは2点、Anが150 〜199 の場合にはCnは3点、Anが200 〜249 の場合にはCnは4点、Anが250 〜299 の場合にはCnは5点、になる算出方法が採用されている。
【0069】
さて、主制御手段50で実行される制御においては、図29のフローチャートに示すように、S1〜S5は前記フローチャートと略同様であり、S6の演算処理において、前記の算出方法にて、抽選用数値取得手段52で取得された抽選用数値Anに応じた得点Cnが求められ、その得点Cnに対して所定の演算方式の演算が施されBnが求められる。
【0070】
その後、Bnに関連する情報の表示制御指示が行われ(S7)、取得された抽選用数値Anが特定数値のときには(S8;Yes)、Bnに応じた利益状態を発生させ(S9)S1へリターンする。Bnに応じた利益状態としては、例えば、前述した図19に示す(但し、Bnの範囲は異なる)利益状態の内容のようにしてもよいし、その他の内容としてもよい。
【0071】
尚、上記数例の実施形態の内の少なくとも一部を入れ替えたり組合せたりして、種々の変更形態として勿論実施することは可能である。
【0072】
その他の変更形態について説明する。
1〕表示手段21の演算結果表示部26には、演算結果Bnだけでなく、それに関連する情報を表示してもよいし、取得された抽選用数値Anや、採用されている演算方式等を表示してもよい。
2〕表示手段21に特別図柄を表示しないようにし、普通図柄は別として、前記演算結果Bnに関連する情報のみを表示するようにしてもよい。
【0073】
3〕演算結果Bnに関連する情報については、液晶ディスプレイ16からなる表示手段の他に、セグメント型発光ダイオードディスプレイ(LED)やドット型LED等の種々の表示手段に表示するように構成してもよい。
4〕前記のパチンコ機1以外の種々の構成のパチンコ機に本発明を適用可能であるし、パチンコ機に限らず、アレンジボール機(組合せ式弾球遊技機)、雀球機等の弾球遊技機に本発明を適用可能である。
【0074】
5〕弾球遊技機以外に、スロットマシンに本発明を適用することができる。この場合、回転リールを始動させるスタートレバーを操作する、所定の操作が生じたことを検知する検知手段が設けられ、この検知手段により所定の操作が生じたことが検知された場合に、抽選用数値取得手段により、抽選用数値発生手段で発生させた抽選用数値が取得される。
【0075】
そして、演算手段により、抽選用数値取得手段で取得された抽選用数値を用いて所定の演算方式の演算が施され、その演算結果に基づいて、遊技者に有利な利益状態(例えば、ビックボーナス、レギュラーボーナス、小役集中、リプレイ態様になる可能性の増大、等々)を含む複数の遊技状態の内の少なくとも1つを発生させることができる。
6〕その他、本発明を逸脱しない範囲において、種々の変更を付加して実施することが可能である。
【0076】
【発明の効果】
上記のように、本件の遊技機によれば、抽選用数値取得手段で取得した抽選用数値を用いて、演算手段により所定の演算方式の演算を施し、所定の演算方式として用いる1つの演算方式は、演算方式設定手段により、予め記憶された複数の演算方式の中から乱数抽選により決定され、演算手段により、抽選用数値取得手段が抽選用数値を取得する毎に、その抽選用数値取得手段により取得された最新の抽選用数値と、この演算手段で演算された前回演算結果とを用いて演算し、決定された所定の演算方式の演算結果に基づいて、遊技者に有利な利益状態を含む複数の遊技状態の内の少なくとも1つを発生させるようにしたので、取得された抽選用数値を次回以降の抽選判定にも利用し、遊技者の遊技実績を後々に反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ機の斜視図である。
【図2】パチンコ機の背面図である。
【図3】パチンコ機の側面図である。
【図4】パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図5】パチンコ機の機能ブロック図である。
【図6】演算方式を示す図表である。
【図7】演算方式を示す図表である。
【図8】利益状態の内容を示す図表である。
【図9】制御手段で実行される基本的な制御のフローチャートである。
【図10】制御手段で実行される基本的な別の制御のフローチャートである。
【図11】具体例1〕のフローチャートである。
【図12】具体例1〕の演算方式を示す図表である。
【図13】具体例1〕の各種設定値を示す図表である。
【図14】具体例1〕の演算方式の抽選確率を示す図表である。
【図15】具体際2〕のフローチャートである。
【図16】具体例2〕の各種設定値を示す図表である。
【図17】具体例2〕の演算方式を示す図表である。
【図18】具体例2〕の演算方式の抽選確率を示す図表である。
【図19】具体例2〕の利益状態の内容を示す図表である。
【図20】具体例3〕のフローチャートである。
【図21】具体例3〕の各種設定値を示す図表である。
【図22】具体例3〕の利益状態の内容を示す図表である。
【図23】具体例4〕の演算方式を示す図表である。
【図24】具体例5〕のフローチャートである。
【図25】具体例5〕の各種設定値を示す図表である。
【図26】具体例6〕の機能ブロック図の要部である。
【図27】具体例6〕の各種設定値を示す図表である。
【図28】具体例6〕の得点算出用のテーブルである。
【図29】具体例6〕のフローチャートである。
【符号の説明】
2 パチンコ機
17 特別図柄始動手段
24 演算結果表示部
51 抽選用数値発生手段
52 抽選用数値取得手段
53 演算手段
53a 得点算出手段
63 演算結果表示制御手段
Claims (3)
- 複数の抽選用数値を順次発生させる抽選用数値発生手段(51)と、
遊技に関連する所定の動作又は操作が生じたことを検知する検知手段(17)と、
前記検知手段(17)により遊技に関連する所定の動作又は操作が生じたことが検知された場合に、前記抽選用数値発生手段(51)が発生した抽選用数値を取得する抽選用数値取得手段(52)と、
前記抽選用数値取得手段(52)により取得された抽選用数値を用いて所定の演算方式の演算を施す演算手段(53)と、
複数の演算方式を予め記憶しておき、前記演算手段(53)による演算毎にその演算に先行して、記憶していた複数の演算方式の中から、前記所定の演算方式として用いる1つの演算方式を乱数抽選により決定する演算方式設定手段と、
前記演算手段 (53) は、抽選用数値取得手段 (52) が抽選用数値を取得する毎に、その抽選用数値取得手段 (52) により取得された最新の抽選用数値と、この演算手段 (53) で演算された前回演算結果とを用いて演算し、
前記演算手段(53)で演算された演算結果に基づいて、遊技者に有利な利益状態を含む複数の遊技状態の内の少なくとも1つを発生可能に構成した、
ことを特徴とする遊技機。 - 前記演算方式は、加算方式、減算方式、乗算方式、除算方式の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 複数の抽選用数値を順次発生させる抽選用数値発生手段(51)と、
遊技に関連する所定の動作又は操作が生じたことを検知する検知手段(17)と、
前記検知手段(17)により遊技に関連する所定の動作又は操作が生じたことが検知された場合に、前記抽選用数値発生手段(51)が発生した抽選用数値を取得する抽選用数値取得手段(52)と、
前記抽選用数値取得手段(52)により取得された抽選用数値を用いて所定の演算方式の演算を施す演算手段(53)と、
前記演算手段 (53) による演算結果を記憶保持する記憶保持手段 (54) と、
前記演算手段(53)で演算された演算結果に基づいて、遊技者に有利な利益状態を含む複数の遊技状態の内の少なくとも1つを発生させる利益状態発生手段(56)とを備え、
前記演算手段 (53) は、抽選用数値取得手段 (52) が抽選用数値を取得する毎に、抽選用数値取得手段 (52) により取得された最新の抽選用数値と、前記記憶保持手段 (54) に記憶されている演算結果とを用いて演算し、
前記利益状態発生手段(56)は、演算手段(53)で演算された数値が、予め設定された複数の第1特定数値の何れかに該当する場合には、現在設定されている利益状態をレベルアップすると共に、予め設定された複数の第2特定数値の何れかに該当する場合には、現在設定されている利益状態をレベルダウンするように構成された、
ことを特徴とする遊技機。
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