JP3941992B2 - 樹脂ローラの成形金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置に組み込まれる現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等のローラを製造する、金型およびその金型を用いた成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置には現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等のローラが組み込まれている。このようなローラの1例を図9に示す。ローラ10は、芯体11と、樹脂にて形成される円筒状の成形体12とを有する。このようなローラ10を成形するための金型は、例えば、図10に示すように、筒状金型13と、この筒状金型13の上下両端に位置し、前記筒状金型13に内挿された芯体11を保持するとともに筒状金型13の両端を封止する芯体保持部材14とを有する。そして下部側の芯体保持部材14には筒状金型13内のローラ成形空間15に樹脂材料を注入するためのストレート形状の樹脂材料注入口16が形成され、樹脂の流通を規制する規制部材17が装着されている。この樹脂材料注入口16の金型外側に半円状のノズルタッチ部22から成形機の樹脂注入ノズル18を圧接することにより、ローラ成形空間15に樹脂材料が導かれる。他方、上部側の芯体保持部材14にはストレート形状の空気抜き口20が形成されている。上部側の芯体保持部材14には、この空気抜き口20に直交するように、樹脂の流出を閉止する規制部材21が取り付けられている。
【0003】
ここで、例えば、直径10mm〜30mm、長さ200mm〜400mmの大きさの樹脂ローラを成形するための金型の場合、樹脂材料注入口16の断面形状は、通常、円形であり、樹脂材料注入口16の断面積は、通常、1.8mm2〜12.6mm2程度であった。また、樹脂材料注入口16の長さは、通常、15mm〜50mm程度であった。従来の成形金型においては、注入速度を上げることのみが重視されていたため、このように、非常に大きい樹脂材料注入口16が採用されていた。そして樹脂材料注入口16が大きいことによる樹脂もれの弊害を改善する目的で、加熱硬化時には規制部材により閉止するという設計がされていた。さらに、空気をより速く抜くことを目的として抜き口20が設けられる場合、空気抜き口20の断面形状は、通常、円形であり、空気抜き口20の断面積は、通常、1.8mm2〜12.6mm2程度であった。また、空気抜き口20の長さは、通常、15mm〜50mm程度であった。従来の成形金型において、このような空気抜き口20は、樹脂が金型内に注入される際に金型内の成形空間の空気が抜ける流路を形成することを目的として設けられていた。このため、より速く空気を抜くことを目的として、比較的断面積の大きい空気抜き口20が採用されていた。
【0004】
なお、従来、金型のパーティング部(嵌合部)から空気が抜けることを期待して空気抜き口を設けない金型が採用されている例もあるが、この様な場合には、空気が充分には抜けにくく、成形品に気泡などの不良が発生する頻度が高くなりやすいという欠点がある。
【0005】
このような金型による従来のローラの成形方法を以下に説明する。
【0006】
最初に、筒状金型13に内挿された芯体11の上下端を上部および下部の芯体保持部材14によって保持する。次いで、図10に示すように、樹脂材料注入口16を通じてローラ成形空間15に熱硬化型液状樹脂を充填する。樹脂充填中は、上部の芯体保持部材14に設けた第1の規制部材17を開放して、ローラ成形空間15内の空気を空気抜き口20から金型外へ排気する。充填が完了した後、図11に示すように、樹脂材料注入口16の規制部材17を閉止させて、加熱硬化時に筒状金型13内で膨張する樹脂の逆流を防止する。樹脂の充填が完了した後、規制部材17を閉止する。この状態でローラ成形空間15内の樹脂を加熱硬化させる。樹脂の硬化が完了した後、芯体保持部材14を筒状金型13から、その軸方向に沿って、それぞれ上方および下方に抜き去る。次いで、筒状金型13に対して芯体11を押し出す等して、筒状金型13内に保持されている成形品を、取り出す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の金型を用いた成形方法では、得られるローラの寸法安定性が悪いという問題がある。すなわち、このような従来の金型を用いた成形方法では、芯体保持部材14と筒状金型13で構成された金型に熱硬化性樹脂が充填された後に、上部および下部の規制部材17および21が閉じられて金型内が密閉される。そして、密閉された金型内にで充填された樹脂は、加熱されることにより、体積が熱膨張する。熱硬化性樹脂は非圧縮性の樹脂であるので、体積膨張した樹脂は、金型内に、相当な高圧をもたらし、その内圧のために、上部および下部の芯体保持部材14と筒状金型13との間隙、または上部芯体保持部材14と規制部材21との間隙、または下部芯体保持部材14と規制部材17との間隙から、金型外に樹脂が漏れる。樹脂が漏れることにより、成形されたローラの寸法、特にローラ外径が変化する。
【0008】
ここで、その漏れる樹脂量は金型の密閉度合いによって異なる。金型の密閉度合いは、上部および下部の芯体保持部材14と筒状金型13との間隙、または芯体保持部材14と規制部材17、21との間隙によって決まる。その密閉度合いは非常に微妙であり、各々の部材の寸法バラツキや組立構成具合によっても異なる。
【0009】
そして、漏れた樹脂量が個々の金型によって異なり、ひいてはローラの寸法精度、特に外径寸法がばらつく不良が発生する。
【0010】
また、規制部材17、21における樹脂の流通を閉止する大径部31および樹脂の流通を許容する小径部32に樹脂が付着しやすい。付着した樹脂をそのままにしておくと、その場で加熱硬化してしまう。その場で硬化してしまうと、規制部材17、21が動かなくなってしまい、以後の成形ができなくなる。このため、規制部材および規制部材を挿入している穴の部分を、毎回の成形操作ごとに掃除するという極めて労力を要する後工程が必要となり、成形効率が著しく低下する。
【0011】
また、規制部材17、21が設置された複雑な構造の金型が必要であるため、金型の製造工程が複雑になり、金型のコストアップにつながる。
【0012】
本発明はかかる現況に鑑みてなされたものであり、その目的は、成形されたローラの寸法安定性を改良し、かつ、後工程における過大な労力を伴う掃除を必要とせず、金型費を削減できる金型およびその金型を用いた成形方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
第1の局面において、本発明の金型は、樹脂ローラの成形に用いる成形金型であって、
該成形金型は、筒状金型と、その筒状金型の両端に配置される一対の芯体保持部材とを有し、該筒状金型および該一対の芯体保持部材がローラ成形空間を形成しており、
一方の芯体保持部材には樹脂材料注入口が設けられ、いずれか一方または両方の芯体保持部材には成形空間の空気抜き口が設けられており、
該空気抜き口の一部に、該空気抜き口の断面積より小さい断面積を有する第1の金型内圧調整口が設けられている。
【0014】
1つの実施態様では、前記第1の金型内圧調整口の断面積が0.7×10-2(mm2)〜5(mm2)である。
【0015】
1つの実施態様では、前記注入口の一部に第2の金型内圧調整口が設けられており、該第2の金型内圧調整口の断面積が、該注入口の断面積よりも小さい。
【0016】
1つの実施態様では、前記第1の金型内圧調整口および第2の金型内圧調整口の断面積が、それぞれ0.7×10-2(mm2)〜5(mm2)である。
【0017】
1つの実施態様では、前記第1の金型内圧調整口の、断面積S(mm2)と軸方向長さL(mm)とが、[(L(mm)/S(mm2))>0.5]である。
【0018】
1つの実施態様では、前記注入口の一部に第2の金型内圧調整口が設けられており、該第2の金型内圧調整口の断面積が、該注入口の断面積よりも小さく、
該第2の金型内圧調整口の、断面積S(mm2)と軸方向長さL(mm)とが、[(L(mm)/S(mm2))>0.5]である。
【0019】
1つの実施態様では、本発明の金型は、前記空気抜き口が、前記樹脂材料注入口が設けられた芯体保持部材に設けられており、
該空気抜き口に、前記第1の金型内圧調整口が設けられており、
該注入口の開閉と該空気抜き口の開閉とを同時に制御する規制部材が設けられている。
【0020】
1つの実施態様では、本発明の金型は、前記樹脂材料注入口が設けられた芯体保持部材に、前記樹脂材料注入口を制御する規制部材が設けられており、
該規制部材には、
該注入口とほぼ同一の断面形状および断面積を有する樹脂注入用開口部と、
該樹脂注入用開口部よりも小さい断面積を有する金型内圧調整用開口部とが設けられており、
該規制部材をスライドさせることにより、該樹脂注入用開口部と該注入口とを連通させることが可能であり、かつ、該規制部材を別の位置にスライドさせることにより、該金型内圧調整用開口部と該注入口とを連通させることも可能である。
【0021】
本発明の第2の局面は、上記のいずれかの金型を用いて樹脂ローラを成形する方法であって、
前記筒状金型の内部に樹脂ローラの芯体を内挿して該芯体の両端部を該芯体保持部材に保持する工程、
前記樹脂材料注入口より熱硬化性樹脂を該ローラ成形空間内へ注入する工程、ならびに
該熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる工程、
を包含する。
【0022】
本発明の第3の局面は、上記の金型を用いて樹脂ローラを成形する方法であって、
前記筒状金型の内部に樹脂ローラの芯体を内挿して該芯体の両端部を前記芯体保持部材に保持する工程、
前記樹脂材料注入口が開き、かつ前記空気抜き口が閉じている状態に前記規制部材を制御して、前記樹脂材料注入口から熱硬化性樹脂を前記ローラ成形空間内へ注入する工程、
該規制部材をスライドさせて、該樹脂材料注入口を閉じ、かつ該空気抜き口を開ける工程、ならびに
該熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる工程、
を包含する。
【0023】
本発明の第4の局面は、上記の金型を用いて樹脂ローラを成形する方法であって、
前記筒状金型の内部に樹脂ローラの芯体を内挿して該芯体の両端部を前記芯体保持部材に保持する工程、
前記樹脂注入用開口部と該樹脂材料注入口とが連通する状態に前記規制部材を制御して、前記樹脂材料注入口から熱硬化性樹脂を該ローラ成形空間内へ注入する工程、
該規制部材をスライドさせて、前記金型内圧調整用開口部と該樹脂材料注入口とを連通させる工程、ならびに
該熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる工程、
を包含する。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の局面)
本発明の第1の局面の成形金型を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1に示すように、成形金型100は、筒状金型13と、筒状金型13の両端に配置される一対の芯体保持部材14とを有し、筒状金型13および一対の芯体保持部材14がローラ成形空間15を形成している。
【0026】
筒状金型13、および芯体保持部材14は、熱硬化性樹脂成形用に用いられる公知の任意の材料から構成され得る。好ましくは、プリハードン鋼、焼き入れ鋼、非磁性鋼、炭素工具鋼、耐食鋼(ステンレス鋼)などである。
【0027】
筒状金型13の内部には、内挿される樹脂ローラの芯体11が、芯体保持部材14に保持されている。樹脂ローラの芯体11として公知の任意の材料、例えば、金属材料や導電性を付与した樹脂材料などが、本発明の成形方法に適用可能である。
【0028】
一方の芯体保持部材14には樹脂材料注入口16が設けられている。樹脂材料注入口16の断面形状は、任意の形状が可能であるが、円形であることが好ましい。また、2つ以上の複数の樹脂材料注入口を設置することも可能である。
【0029】
樹脂材料注入口16の断面積は、好ましくは、1.7(mm2)〜7.1(mm2)であり、より好ましくは、1.7(mm2)〜4.9(mm2)である。大きすぎる場合には、樹脂を注入する際に、樹脂が金型内に勢い良く入り過ぎて空気の巻き込みが発生し、成形品の気泡(ボイド)の原因となり易い。また金型から離型された成形品に残る注入口部の成形物(ランナー)の除去に必要な手間が増えるという欠点がある。また逆に、樹脂材料注入口16が小さすぎる場合には、樹脂の注入速度が遅くなり易い。
【0030】
樹脂材料注入口16の長さは、好ましくは、8(mm)〜50(mm)であり、より好ましくは、10(mm)〜30(mm)である。長すぎる場合には、注入口部の成形物(ランナー)の樹脂量が多くなり、原料の無駄が増える。短すぎる場合には、芯体保持部材の軸方向の厚みを薄くせざるを得なくなり、芯体保持部材の強度が不足し易い。
【0031】
いずれかの芯体保持部材14には成形空間15内の空気を排出するための空気抜き口20が設けられている。空気抜き口20には、樹脂の流出を調整する第1の金型内圧調整口20bが設けられている。好ましくは、第1の金型内圧調整口20bは、図4に示されるように、さらに樹脂溜部分27に連通される。
【0032】
空気抜き口20は、注入口16が設けられている側の芯体保持部材に設けられてもよく、その反対側の芯体保持部材に設けられてもよい。また両方の芯体保持部材に設けられてもよい。
【0033】
別の実施態様においては、第1の金型内圧調整口20bは、図3に示すように、さらに空気抜き口20cに連通されてもよい。
【0034】
空気抜き口20の断面形状は、任意の形状であり得るが、通常、円形である。
【0035】
第1の金型内圧調整口20bの断面形状は、任意の形状であり得るが、円形断面であることが好ましい。また、2つ以上の複数の空気抜き口を設置することも可能である。
【0036】
第1の金型内圧調整口20bの断面積は、空気抜き口20の断面積より小さい。好ましくは、第1の金型内圧調整口20bの断面積は、樹脂材料注入口16の断面積より小さい。
【0037】
空気抜き口20の断面積は、好ましくは、0.7(mm2)〜7.1(mm2)であり、より好ましくは、0.7(mm2)〜4.9(mm2)である。大きすぎる場合には、金型から離型された成形品に残る空気抜き口部の成形物(ランナー)の除去に必要な手間が増えるという欠点がある。一方、小さすぎる場合には、樹脂の空気抜き不足となり易く、成形品に気泡(ボイド)が発生し易くなる。
【0038】
空気抜き口20の長さは、好ましくは、8(mm)〜50(mm)であり、より好ましくは、10(mm)〜30(mm)である。長すぎる場合には、空気抜き口の成形物(ランナー)の樹脂量が多くなり、原料の無駄が増える。短すぎる場合には、芯体保持部材の軸方向の厚みを薄くせざるを得なくなり、芯体保持部材の強度が低下し易い。
【0039】
第1の金型内圧調整口20bの断面積は、空気抜き口20の断面積よりも小さいことが必要であり、好ましくは、0.7×10-2(mm2)〜5(mm2)であり、より好ましくは、0.7×10-1(mm2)〜3.5(mm2)である。
【0040】
なお、この断面積の範囲は、後述の実験結果から確認された範囲である。この範囲を逸脱すると、金型の内圧を調整する効果が得られにくい。またこの範囲より小さい場合、空気抜き口の金型内圧調整口部の成形物が、成形品を離型した際にちぎれやすく、金型内圧調整口に成形物が残ってしまいやすい。
【0041】
第1の金型内圧調整口20bの長さは、好ましくは、0.5(mm)〜30(mm)であり、より好ましくは、0.5(mm)〜10(mm)である。特に、断面積が小さくて、長すぎる場合には、空気抜き口の金型内圧調整口部の成形物が、成形品を離型した際にちぎれやすく、金型内圧調整口に成形物(ランナー)が残ってしまい易い。また、断面積が大きくて、長すぎる場合には、空気抜き口部の成形物(ランナー)の樹脂量が多くなり、原料の無駄が増える。
【0042】
また、1つの実施態様においては、第1の金型内圧調整口20bにおいて、その断面積S(mm2)と軸方向長さL(mm)とが、[(L(mm)/S(mm2))>0.5]とする。第1の金型内圧調整口20bの断面積S(mm2)と軸方向長さL(mm)とを上記のように調整することにより、金型内に充填された樹脂が加熱硬化する際に漏れる樹脂量を安定させることができる。より好ましくは、[100>(L(mm)/S(mm2))>1]であり、さらに好ましくは、[50>(L(mm)/S(mm2))>1]である。第一の金型内圧調整口20bの断面積は、前記空気抜き口20の断面積よりも小さいことが必要であり、その長さは、好ましくは0.5(mm)〜30(mm)であり、より好ましくは、0.5(mm)〜10(mm)である。従って、[L(mm)/S(mm2)]が大きすぎる場合、空気抜き口の金型内圧調整口部の成形物が、成形品を離型した際にちぎれやすく、金型内圧調整口に成形物(ランナー)が残ってしまい易い。また逆に小さすぎる場合には、金型の内圧を調整する効果が得られにくい。
【0043】
1つの実施態様では、図1に示すように、注入口16に第2の金型内圧調整口16bが設けられている。
【0044】
第2の金型内圧調整口16bの断面形状は、任意の形状であり得るが、円形断面であることが好ましい。
【0045】
第2の金型内圧調整口16bの断面積は、樹脂注入16の断面積より小さいことが必要である。好ましくは、0.7×10-2(mm2)〜5(mm2)であり、より好ましくは、0.7×10-1(mm2)〜3.5(mm2)である。
【0046】
なお、この断面積の範囲は、後述の実験結果から確認された範囲である。この範囲を逸脱すると、金型の内圧を調整する効果が得られにくい。またこの範囲より小さ過ぎる場合、樹脂材料注入口の金型内圧調整口部の成形物が、成形品を離型した際にちぎれやすく、金型内圧調整口に成形物が残ってしまいやすい。また、断面積が小さすぎる場合、金型内に樹脂を注入しにくくなり、樹脂注入時間が長くなり易い。
【0047】
また、金型内圧調整口16bの断面積が大きすぎる場合には、樹脂材料注入口16から樹脂が勢い良く金型内に注入されるため、金型内の空気が巻き込まれて、成形品に気泡が発生しやすい。
【0048】
第2の金型内圧調整口16bの長さは、好ましくは、0.5(mm)〜30(mm)であり、より好ましくは、0.5(mm)〜10(mm)である。特に、断面積が小さくて、長い場合、空気抜き口の金型内圧調整口部の成形物が、成形品を離型した際にちぎれやすく、金型内圧調整口に成形物(ランナー)が残ってしまい易い。また、断面積が大きくて、長い場合、空気抜き口部の成形物(ランナー)の樹脂量が多くなり、原料の無駄が増える。
【0049】
また、1つの実施態様においては、第2の金型内圧調整口16bにおいて、その断面積S(mm2)と軸方向長さL(mm)とが、[(L(mm)/S(mm2))>0.5]とする。第2の金型内圧調整口16bの断面積S(mm2)と軸方向長さL(mm)とを上記のように調整することにより、金型内に充填された樹脂が、加熱硬化する際に漏れる樹脂量を安定させることができる。より好ましくは、[100>(L(mm)/S(mm2))>0.5]であり、さらに好ましくは、[50>(L(mm)/S(mm2))>1]である。
【0050】
第2の金型内圧調整口16bの断面積は、空気抜き口16の断面積よりも小さいことが必要であり、その長さは、0.5(mm)〜30(mm)であり、より好ましくは、0.5(mm)〜10(mm)である。
【0051】
(L(mm)/S(mm2))が大きすぎる場合には、空気抜き口の金型内圧調整口部の成形物が、成形品を離型した際にちぎれやすく、金型内圧調整口に成形物(ランナー)が残ってしまい易い。逆に小さすぎる場合には、金型内圧を調整する効果が得られにくい。
【0052】
1つの実施態様においては、図8に示すように、第2の金型内圧調整口16bの代わりに、従来の金型の規制部材17を樹脂材料注入口16に設けることができる。規制部材17としては、樹脂の流通を規制し得る任意の部材が適用可能である。ここで、「規制する」とは、樹脂を流通させるか、または流通を止めるかの、制御を行うことをいう。従って、規制部材17として、従来のローラ成形用金型に用いられていた規制部材を使用してもよい。この実施態様では、樹脂を注入する際に、第2の金型内圧調整口16bによる剪断応力が発生せず、樹脂の注入時間を短縮することができる。
【0053】
このような金型により、公知の任意の大きさの樹脂ローラが成形され得る。一般的には、直径10mm〜30mm、長さ200mm〜400mmの大きさの樹脂ローラが好適に成形される。
【0054】
本発明の別の好適な実施態様の成形金型は、後述する第3の局面の方法に利用され得る金型である。このような金型の例を図5Aおよび図5Bに基づいて説明する。
【0055】
この実施態様の金型は、例えば図5Aに示されるように、樹脂材料注入口16が設けられた芯体保持部材14に、空気抜き口20が設けられており、空気抜き口20に、第1の金型内圧調整口20bが設けられており、注入口16の開閉と空気抜き口20の開閉とを同時に制御する規制部材17が設けられている。規制部材17は、例えば、樹脂注入口用開口部と、空気抜き口用開口部とを備える。例えば、規制部材17をスライドさせることにより、注入口16と樹脂注入口用開口部とを連通させ、また別の位置に規制部材17をスライドさせることにより、空気抜き口20を空気抜き口用開口部とを連通させる設計とすることができる。
【0056】
ここで、規制部材17は、空気抜き口20と交差するよう設けられてもよく、金型内圧調整口20bと交差するように設けられてもよく、空気抜き口20と金型内圧調整口20bとの接続部分と交差するように設けられてもよい。
【0057】
規制部材17が金型内圧調整口20と交差している場合、空気抜き口20の開閉は、金型内圧調整口20bの開閉により行われる。従って、本明細書中において、空気抜き口20の開閉は、それに連通している金型内圧調整口20bの開閉をも意味する。
【0058】
規制部材17は、図5Aに示すように、樹脂注入口用開口部と、空気抜き口用開口部との両方を有してもよいが、単一の共用開口部を設けて、その共用開口部が樹脂注入口用開口部と、空気抜き口用開口部とを兼ねてもよい。
【0059】
樹脂注入用開口部の断面形状および断面積は、樹脂注入口の断面形状および断面積とほぼ同一かまたは、それより大きい断面形状および断面積が採用されることが好ましい。樹脂注入口の断面積よりも小さい断面積を採用することも可能であるが、樹脂注入時間の所要時間が長くなりやすい。
【0060】
空気抜き口用開口部の断面形状および断面積は、金型内圧調整口20bの断面形状および断面積とほぼ同一かまたは、それより大きい断面形状および断面積が採用されることが好ましい。断面積が小さ過ぎる場合には、成形時に空気抜きが不十分になりやすく、成形品に気泡が生じやすい。
【0061】
空気抜き口用開口部と樹脂注入用開口部との間の距離については、任意の設計が可能である。
【0062】
この実施態様の金型を用いれば、樹脂材料注入口16から樹脂を注入した後、規制部材17をスライドさせて、金型内圧調整口20bを開放して加熱硬化を行うことができる。このような金型および成形方法を採用することにより、樹脂注入速度が低下する弊害なく、かつ、1つの規制部材17の1つの動作のみにより、容易に、樹脂材料注入口16および金型内圧調整口20bの両方の開閉を同時に制御することができる。
【0063】
本発明のまた別の好適な実施態様の成形金型は、後述する第4の局面の方法に利用され得る金型である。このような金型の例を図5Cおよび図5Dに基づいて説明する。
【0064】
注入口16側の芯体保持部材14には、樹脂材料注入口16に交差する規制部材17が設けられている。
【0065】
規制部材17には、注入口16とほぼ同一の断面形状および断面積を有する樹脂注入用開口部と、樹脂注入用開口部よりも小さい断面積を有する金型内圧調整用開口部とが設けられている。
【0066】
金型内圧調整用開口部の断面形状および断面積は、上記の金型内圧調整口と同様の断面形状および断面積が採用可能である。このような形状および断面積が採用されることにより、金型内圧調整用開口部が注入口に連通された場合に、金型内圧調整口として機能することができる。
【0067】
金型内圧調整用開口部と、樹脂注入用開口部との間の距離については、任意の設計がなされ得る。しかし、この距離が長すぎると、規制部材の動作距離が大きくなり、動作時間が長くなりやすい。逆に短すぎると、金型内圧調整用開口部と樹脂注入用開口部との間の規制部材の強度が低下しやすい。
【0068】
規制部材17をスライドさせることにより、該樹脂注入用開口部と注入口16とを連通させることが可能であり、かつ、規制部材17を別の位置にスライドさせることにより、金型内圧調整用開口部と注入口16とを連通させることも可能である。このような機能により、規制部材の単純な動作のみで、注入口16の注入口としての役割、および金型内圧調整口としての役割の両方を、自在に切り替えながら行うことが可能になる。
【0069】
この実施態様の金型を用いれば、口径の大きい注入口16から高速で樹脂材料を注入することが可能であり、かつ、加熱硬化時には、金型調整用開口部により、金型内圧を調整することができる。
【0070】
(第2の局面)
以下、本発明の第2の局面である、成形方法の手順を説明する。
【0071】
本発明の成形方法では、まず、熱硬化性樹脂を注入する。
【0072】
樹脂を金型内に注入する注入装置の注入ノズル18から、一方の芯体保持部材に設けられたノズルタッチ部22、および注入口16から金型内へ樹脂が注入される。樹脂が金型内に注入されると金型内の空気は、もう一方の芯体保持部材14に設けられた空気抜き口20を通じて、金型の外へ抜けていく。
【0073】
熱硬化性樹脂の注入は、任意の方法を用いることができる。射出成形機のような装置を用いて強制的に注入してもよく、または熱硬化性樹脂の液体を単に流し込んでもよい。
【0074】
本発明の成形方法における樹脂の注入方法の好ましい例を説明する。
【0075】
例えば、末端アリル化ポリオキシプロピレン系重合体にポリシロキサン系硬化剤と導電性付与材(カーボンブラック)を配合する。注入樹脂の粘度は、導電付与材の混合部数によるが、好ましくは200〜800ポイズである。樹脂の注入には、例えば、液状樹脂用射出注入機を用いる。ローラ外径がφ16mmで、成形体部の長さが250mmのローラを成形する場合であれば、注入時の注入圧力は、好ましくは、0.5MPa〜4MPaとする。そして、例えば、樹脂成形体部の肉厚が4mmの場合、金型の樹脂材料注入口の径は、好ましくは1mm〜2mmである。また、注入時の金型の向きは金型の長手方向を垂直に立て、金型の下部から注入することが望ましい。
【0076】
樹脂注入後、金型を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる。具体的には、例えば、金型内への設定量の樹脂注入が完了した後、注入ノズルがノズルタッチ部から離れ、加熱工程において設定温度に加熱される。
【0077】
注入ノズルがノズルタッチ部から離れる際には、注入樹脂に注入圧力が懸かっていないため、加熱する前に、樹脂材料注入口から、樹脂は漏れにくい。
【0078】
特に、粘度が200〜800ポイズ程度である樹脂を注入する場合には、その粘性のため、加熱する前に樹脂材料注入口から樹脂は漏れにくい。
【0079】
金型の加熱は、従来公知の任意の方法で行うことができる。具体的には、例えば、加熱ファンが設けられた加熱炉内で加熱する方法、金型の周囲に電気ヒータを配して加熱する方法、または誘導加熱コイルを金型周辺に配して加熱する方法がある。
【0080】
金型の温度は、熱硬化性樹脂の注入および加熱硬化を行うことができる任意の温度が選択可能であるが、樹脂の注入時は、樹脂が注入しやすく、かつ硬化しない温度、例えば20℃〜80℃程度が好ましい。また、樹脂の加熱温度は、樹脂に配合される硬化遅延剤の分量にもよるが、80℃〜200℃程度が望ましい。
【0081】
金型内に注入された樹脂は、加熱により膨張する。樹脂が加熱により膨張している状態を図6に示す。膨張した樹脂は、第1の金型内圧調整口20bを通じて漏れようとする。この際に、樹脂と第1の金型内圧調整口20bの内面との間に、剪断応力が発生し、樹脂の漏れる速度が制限される。このため、樹脂の漏れ始めから加熱硬化するまでの間に漏れる樹脂量が一定になり、成形品の寸法バラツキが低減される。
【0082】
樹脂の硬化が完了した後、必要に応じて、金型の空気抜き口20および注入口16周辺に付着した樹脂を除去し、芯体保持部材14と筒状金型13を分離し、その軸方向に成形体を押し出すなどして、成形品を得る。
【0083】
金型外に漏れた樹脂は、金ブラシで擦ったり、圧縮空気で吹き飛ばすことにより、容易に除去できる。
【0084】
図7に示すように、金型から離型された成形品には、空気抜き口、および樹脂材料注入口の成形物(ランナー)がローラの成形体部分と結合して成形される。この結合部分は、ナイフやハサミ、またはレーザーカッタなどの公知の手段で除去され得る。
【0085】
1つの実施態様において、本発明の成形方法は、図8に示すように、第2の金型内圧調整口16bの代わりに、規制部材17を有する金型を用いてもよい。この場合には、図8に示すように、規制部材17を開放した状態で、樹脂の注入を行い、その後、図2に示すように規制部材17を閉じて、樹脂を加熱硬化させる。
【0086】
本発明の成形方法に使用可能な成形樹脂材料としては、熱硬化性樹脂が用いられる。例えばシリコーン、ウレタン、アクリロニトリル・ブタジエン共重合(NBR)、エチレン・プロピレン・ジエン・メチレン共重合体(EPDM)などが使用できる。
【0087】
熱硬化性樹脂は、好ましくは、常温で液状の樹脂が使用される。より好ましくは、100ポイズ〜1000ポイズの粘度の樹脂組成物が使用される。さらに好ましくは、200ポイズ〜800ポイズである。
【0088】
粘度が低すぎる場合には、樹脂が金型の嵌合部から漏れ易くなる。粘度が高すぎる場合は、樹脂の注入に時間がかかったり、高圧で注入する装置が必要となるため好ましくない。
【0089】
なお、常温で高粘度の樹脂を用いる場合には、予め、熱硬化しない温度で樹脂を予備加熱して、粘度を下げて注入してもよい。
【0090】
熱硬化性樹脂には、必要に応じてその他の各種添加剤を添加することができる。例えば、カーボン等の抵抗制御剤を添加すれば、ローラの電気抵抗を制御することができる。
【0091】
上記熱硬化性樹脂には、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、硬化遅延剤などの、熱硬化反応を調整する材料が添加される。上記熱硬化性樹脂には、必要に応じて、有機または無機の充填剤を添加できる。さらに上記熱硬化性樹脂には、必要に応じて有機または無機の各種顔料、増粘剤、離型剤などを添加することができる。
【0092】
(第3の局面)
第3の局面において、本発明の成形方法は、例えば、図5Aおよび図5Bに示すような金型を用いて行われる。
【0093】
第3の局面に用いられる金型においては、空気抜き口20が、樹脂材料注入口16が設けられた芯体保持部材14に設けられており、空気抜き口20に、第1の金型内圧調整口20bが設けられており、注入口16の開閉と空気抜き口20の開閉とを同時に制御する規制部材17が設けられている。
【0094】
第3の局面の方法では、図5Aに示すように、樹脂材料注入口が開き、かつ空気抜き口20が閉じている状態に規制部材17を制御して、樹脂材料注入口16から熱硬化性樹脂を該ローラ成形空間内へ注入する。口径の大きい樹脂材料注入口が開いていることにより、樹脂を高速に注入することができる。
【0095】
次いで、図5Bに示すように、規制部材17をスライドさせることにより、樹脂材料注入口16を閉じ、かつ空気抜き口20を開ける。
【0096】
このように、第3の局面の方法によれば、樹脂材料注入口16から樹脂を注入した後、規制部材17をスライドさせて、金型内圧調整口20bを開放して加熱硬化を行うことができる。
【0097】
このため、樹脂注入速度が低下する弊害なく、かつ、1つの規制部材17の1つの動作のみにより、容易に、樹脂材料注入口16および金型内圧調整口20bの両方の開閉を同時に制御することができる。
【0098】
また、規制部材17が注入口16および空気抜き口20の両方の開閉を制御できるので、成形手順が簡略化される。
【0099】
またさらに、別々に開閉を制御する部材を設けるよりも金型構造が簡略化されて、金型の製造コストを低減でき、かつ金型のメンテナンスも容易になる。
【0100】
(第4の局面)
第4の局面の本発明の成形方法は、例えば、図5Cおよび図5Dに示すような金型を用いて行われる。
【0101】
第4の局面の方法において用いられる金型においては、樹脂材料注入口16が設けられた芯体保持部材14に、樹脂材料注入口16を制御する規制部材が設けられている。規制部材17には、注入口16とほぼ同一の断面形状および断面積を有する樹脂注入用開口部と、樹脂注入用開口部よりも小さい断面積を有する金型内圧調整用開口部とが設けられている。規制部材17は、樹脂注入用開口部と注入口16とを連通させる位置にスライドさせることが可能であり、かつ、金型内圧調整用開口部と注入口とを連通させる位置にスライドさせることも可能である。
【0102】
第4の局面の方法では、図5Cに示すように、樹脂材料注入用開口部が樹脂材料注入口16と連通している状態に規制部材17を制御して、樹脂材料注入口16から熱硬化性樹脂をローラ成形空間15内へ注入する。
【0103】
そして、規制部材17をスライドさせて、図5Dに示すように、金型内圧調整用開口部と樹脂材料注入口16とを連通させ、その状態で、熱硬化性樹脂を加熱して硬化させて、成形品を得る。
【0104】
このように、第4の局面の方法では、規制部材17の単純な動作のみで、樹脂材料注入口16の注入口としての役割、および金型内圧調整口としての役割の両方を、自在に切り替えながら行うことが可能になる。その結果、成形作業の工程が簡略化され、成形プロセス全体としての成形コストを低減することが可能になる。
【0105】
(作用)
以下に、本発明の作用について説明する。
【0106】
従来の金型において、成形されたローラの寸法安定性が悪いことの主な原因は、熱硬化樹脂が金型内で加熱され、体積膨張する際の樹脂圧力に、金型の密閉力が圧倒されて、樹脂が金型外に漏れる際に、その金型の密閉力が都度異なるために樹脂漏れ量も異なることである。したがって、金型の密閉度合いを安定化させることにより、各成形品間の樹脂漏れ量が安定化される。このことにより、成形されたローラの寸法バラツキが少なくなると考えられる。
【0107】
また、規制部材を用いない実施態様で実施することも可能であり、この場合、規制部材に付着する樹脂を掃除する作業が不要となる。
【0108】
【実施例】
以下に、本発明の非限定的な実施例について説明する。
【0109】
(実施例)
本発明の図1の金型を用いて、ローラ外径がφ16mm、樹脂成形部の長さが250mmのローラを成形した。
【0110】
注入樹脂材料として、以下の表1に記載する熱硬化性樹脂組成物を用いた。
【0111】
【表1】
Figure 0003941992
【0112】
配合された注入樹脂材料の粘度は、600ポイズであった。
【0113】
注入は、液状樹脂用射出注入機を用いて行った。注入圧力を4MPaに設定して注入を行った。
【0114】
金型100の樹脂材料注入口16および空気抜き口20は、円形断面形状であり、その直径は、それぞれ2mmであった。
【0115】
第1および第2の金型内圧調整口16bおよび20bは、円形断面形状であり、直径は、0.5mmであり、断面積Sは、0.196mm2であり、長さLは3mmであった。従って、(L(mm)/S(mm2))=15.3であった。
【0116】
上記の条件で得られた成形品の軸方向の外径バラツキは25μ以下であり、外観上も、気泡巻き込みなどの不良が発生しなかった。
【0117】
(比較例)
図10に示す金型を用いて、ローラ外径がφ16mm、樹脂成形部の長さが250mmのローラを、実施例と同一の配合樹脂および同一の注入条件で、成形した。
【0118】
樹脂材料注入口16および空気抜き口20は、円形断面形状であり、その直径はそれぞれ2mmであった。
【0119】
まず、第1の規制部材17を開放し、第2の規制部材21を開放した状態で、樹脂材料注入口16より熱硬化性樹脂をローラ成形空間15内へ注入した。樹脂注入後、第1の規制部材17および第2の規制部材21を閉止した。その後、金型100を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させた。
【0120】
樹脂の加熱硬化の終了後、ローラを取り出した。得られたローラの軸方向の外径バラツキを測定した結果、軸方向の外径バラツキが30μ〜50μであった。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、単純な構造で、コストダウンが図れる金型が提供される。本発明の成形方法によれば、成形品の寸法バラツキを低減させることができ、金型の掃除工程を簡略化することができ、成形サイクルの短縮、良品率の向上などが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の局面における本発明の金型を示す断面図である。
【図2】 第1の局面の1つの実施態様における本発明の金型を示す断面図である。
【図3】 第1の局面の1つの実施態様における本発明の金型を示す断面図である。
【図4】 第1の局面の1つの実施態様における本発明の金型を示す断面図である。
【図5A】 第1の局面の好適な実施態様における本発明の金型を示す断面図である。
【図5B】 第1の局面の好適な実施態様における本発明の金型を示す断面図である。
【図5C】 第1の局面の好適な実施態様における本発明の金型を示す断面図である。
【図5D】 第1の局面の好適な実施態様における本発明の金型を示す断面図である。
【図6】 本発明の金型に樹脂を注入した後、加熱硬化している状態を示す断面図である。
【図7】 本発明の金型を用いて樹脂ローラを成形し、型から離型した直後の状態を示す断面図である。
【図8】 本発明の金型の1つの実施態様を示す断面図である。
【図9】 本発明の金型を用いて成形される樹脂ローラを示す断面図である。
【図10】 従来技術の金型を示す断面図である。
【図11】 従来技術の金型を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ローラ
11 芯体
12 回転体
13 筒状金型
14 芯体保持部材
15 ローラ成形空間
16 樹脂材料注入口
16b 第2の金型内圧調整口
17 規制部材
18 ノズル
20 空気抜き口
20b 第1の金型内圧調整口
21 規制部材
22 ノズルタッチ部
25 漏れた樹脂
27 樹脂溜部分
28、29 ランナー
100 成形金型

Claims (21)

  1. 樹脂ローラの成形に用いる成形金型であって、
    該成形金型は、筒状金型と、その筒状金型の両端に配置される一対の芯体保持部材とを有し、該筒状金型および該一対の芯体保持部材がローラ成形空間を形成しており、
    一方の芯体保持部材には樹脂材料注入口が設けられ、いずれか一方または両方の芯体保持部材には成形空間の空気抜き口が設けられており、
    該空気抜き口の一部に、該空気抜き口の断面積より小さい断面積を有する第1の金型内圧調整口が設けられ
    ここで、該第1の金型内圧調整口と該成形空間とが該空気抜き口により連通される、金型。
  2. 前記第1の金型内圧調整口の断面積が0.7×10−2(mm)〜5(mm)である、請求項1に記載の金型。
  3. 前記注入口の一部に第2の金型内圧調整口が設けられており、該第2の金型内圧調整口の断面積が、該注入口の断面積よりも小さい、請求項1に記載の金型。
  4. 前記第1の金型内圧調整口および第2の金型内圧調整口の断面積が、それぞれ0.7×10−2(mm)〜5(mm)である、請求項3に記載の金型。
  5. 前記第1の金型内圧調整口の、断面積S(mm)と軸方向長さL(mm)とが、[(L(mm)/S(mm))>0.5]である、請求項1に記載の金型。
  6. 前記注入口の一部に第2の金型内圧調整口が設けられており、該第2の金型内圧調整口の断面積が、該注入口の断面積よりも小さく、
    該第2の金型内圧調整口の、断面積S(mm)と軸方向長さL(mm)とが、[(L(mm)/S(mm))>0.5]である、請求項5に記載の金型。
  7. 前記空気抜き口が、前記樹脂材料注入口が設けられた芯体保持部材に設けられており、
    該空気抜き口に、前記第1の金型内圧調整口が設けられており、
    該注入口の開閉と該空気抜き口の開閉とを同時に制御する規制部材が設けられている、請求項1に記載の金型。
  8. 前記樹脂材料注入口が設けられた芯体保持部材に、該樹脂材料注入口を制御する規制部材が設けられており、
    該規制部材には、
    該注入口とほぼ同一の断面形状および断面積を有する樹脂注入用開口部と、
    該樹脂注入用開口部よりも小さい断面積を有する金型内圧調整用開口部とが設けられており、
    該規制部材をスライドさせることにより、該樹脂注入用開口部と該注入口とを連通させることが可能であり、かつ、該規制部材を別の位置にスライドさせることにより、該金型内圧調整用開口部と該注入口とを連通させることも可能である、請求項1に記載の金型。
  9. 請求項1に記載の金型を用いて樹脂ローラを成形する方法であって、
    前記筒状金型の内部に樹脂ローラの芯体を内挿して該芯体の両端部を前記芯体保持部材に保持する工程、
    前記樹脂材料注入口より熱硬化性樹脂を前記ローラ成形空間内へ注入する工程、ならびに
    該熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる工程、
    を包含する、成形方法。
  10. 請求項7に記載の金型を用いて樹脂ローラを成形する方法であって、
    前記筒状金型の内部に樹脂ローラの芯体を内挿して該芯体の両端部を前記芯体保持部材に保持する工程、
    前記樹脂材料注入口が開き、かつ前記空気抜き口が閉じている状態に前記規制部材を制御して、前記樹脂材料注入口から熱硬化性樹脂を該ローラ成形空間内へ注入する工程、
    該規制部材をスライドさせて、該樹脂材料注入口を閉じ、かつ該空気抜き口を開ける工程、ならびに
    該熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる工程、
    を包含する、成形方法。
  11. 請求項8に記載の金型を用いて樹脂ローラを成形する方法であって、
    前記筒状金型の内部に樹脂ローラの芯体を内挿して該芯体の両端部を前記芯体保持部材に保持する工程、
    前記樹脂注入用開口部と前記樹脂材料注入口とが連通する状態に前記規制部材を制御して、該樹脂材料注入口から熱硬化性樹脂を該ローラ成形空間内へ注入する工程、
    該規制部材をスライドさせて、前記金型内圧調整用開口部と該樹脂材料注入口とを連通させる工程、ならびに
    該熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる工程、
    を包含する、成形方法。
  12. 樹脂ローラの成形に用いる成形金型であって、
    該成形金型は、筒状金型と、その筒状金型の両端に配置される一対の芯体保持部材とを有し、該筒状金型および該一対の芯体保持部材がローラ成形空間を形成しており、
    一方の芯体保持部材には樹脂材料注入口が設けられ、いずれか一方または両方の芯体保持部材には成形空間の空気抜き口が設けられており、
    該空気抜き口の一部に、該空気抜き口の断面積より小さい断面積を有する第1の金型内圧調整口が設けられ、
    該第1の金型内圧調整口の、断面積S(mm )と軸方向長さL(mm)とが、[(L(mm)/S(mm ))>0.5]である、金型。
  13. 前記第1の金型内圧調整口の断面積が0.7×10 −2 (mm )〜5(mm )である、請求項12に記載の金型。
  14. 前記注入口の一部に第2の金型内圧調整口が設けられており、該第2の金型内圧調整口の断面積が、該注入口の断面積よりも小さい、請求項12に記載の金型。
  15. 前記第1の金型内圧調整口および第2の金型内圧調整口の断面積が、それぞれ0.7×10 −2 (mm )〜5(mm )である、請求項14に記載の金型。
  16. 前記注入口の一部に第2の金型内圧調整口が設けられており、該第2の金型内圧調整口の断面積が、該注入口の断面積よりも小さく、
    該第2の金型内圧調整口の、断面積S(mm )と軸方向長さL(mm)とが、[(L(mm)/S(mm ))>0.5]である、請求項12に記載の金型。
  17. 前記空気抜き口が、前記樹脂材料注入口が設けられた芯体保持部材に設けられており、
    該空気抜き口に、前記第1の金型内圧調整口が設けられており、
    該注入口の開閉と該空気抜き口の開閉とを同時に制御する規制部材が設けられている、請求項12に記載の金型。
  18. 前記樹脂材料注入口が設けられた芯体保持部材に、該樹脂材料注入口を制御する規制部材が設けられており、
    該規制部材には、
    該注入口とほぼ同一の断面形状および断面積を有する樹脂注入用開口部と、
    該樹脂注入用開口部よりも小さい断面積を有する金型内圧調整用開口部とが設けられており、
    該規制部材をスライドさせることにより、該樹脂注入用開口部と該注入口とを連通させることが可能であり、かつ、該規制部材を別の位置にスライドさせることにより、該金型内圧調整用開口部と該注入口とを連通させることも可能である、請求項12に記載の金型。
  19. 請求項12に記載の金型を用いて樹脂ローラを成形する方法であって、
    前記筒状金型の内部に樹脂ローラの芯体を内挿して該芯体の両端部を前記芯体保持部材に保持する工程、
    前記樹脂材料注入口より熱硬化性樹脂を前記ローラ成形空間内へ注入する工程、ならびに
    該熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる工程、
    を包含する、成形方法。
  20. 請求項17に記載の金型を用いて樹脂ローラを成形する方法であって、
    前記筒状金型の内部に樹脂ローラの芯体を内挿して該芯体の両端部を前記芯体保持部材に保持する工程、
    前記樹脂材料注入口が開き、かつ前記空気抜き口が閉じている状態に前記規制部材を制御して、前記樹脂材料注入口から熱硬化性樹脂を該ローラ成形空間内へ注入する工程、
    該規制部材をスライドさせて、該樹脂材料注入口を閉じ、かつ該空気抜き口を開ける工程、ならびに
    該熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる工程、
    を包含する、成形方法。
  21. 請求項18に記載の金型を用いて樹脂ローラを成形する方法であって、
    前記筒状金型の内部に樹脂ローラの芯体を内挿して該芯体の両端部を前記芯体保持部材に保持する工程、
    前記樹脂注入用開口部と前記樹脂材料注入口とが連通する状態に前記規制部材を制御して、該樹脂材料注入口から熱硬化性樹脂を該ローラ成形空間内へ注入する工程、
    該規制部材をスライドさせて、前記金型内圧調整用開口部と該樹脂材料注入口とを連通させる工程、ならびに
    該熱硬化性樹脂を加熱して硬化させる工程、
    を包含する、成形方法。
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