JP3781333B2 - 樹脂ローラの成形方法および成形金型 - Google Patents

樹脂ローラの成形方法および成形金型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置に組み込まれる現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等のローラを製造する、成形方法およびそのための金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンターや複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式を採用した各種装置には現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ等のローラが組み込まれている。このようなローラの1例を図6に示す。ローラ10は、芯体11と、樹脂にて形成される円筒状の成形体12とを有する。このようなローラ10を成形するための金型は、例えば、図7に示すように、筒状金型13と、この筒状金型13の上下両端に位置し、前記筒状金型13に内挿された芯体11を保持するとともに筒状金型13の両端を封止する芯体保持部材14とを有する。そして下部側の芯体保持部材14には筒状金型13内のローラ成形空間15に樹脂材料を注入するためのストレート形状の樹脂注入口16が形成され、樹脂の流通を規制する閉止機構17が装着されている。この樹脂注入口16の金型外側に半円状のノズルタッチ部22から成形機の樹脂注入ノズル18を圧接することにより、ローラ成形空間15に樹脂材料が導かれる。他方、上部側の芯体保持部材14にはストレート形状の空気抜き口20が形成されている。上部側の芯体保持部材14には、この空気抜き口20に直交するように、樹脂の流出を閉止する閉止機構21が取り付けられている。
【0003】
このような金型による従来のローラの成形方法を以下に説明する。
【0004】
最初に、筒状金型13に内挿された芯体11の上下端を上部および下部の芯体保持部材14によって保持する。次いで、図7に示すように、樹脂注入口を通じてローラ成形空間15に熱硬化型液状樹脂を充填する。樹脂充填中は、上部の芯体保持部材14に設けた第1の閉止部材21を開放して、ローラ成形空間15内の空気を空気抜き口20から金型外へ排気する。充填が完了した後、図8に示すように、樹脂注入口16の閉止部材17を閉止させて、加熱硬化時に筒状金型13内で膨張する樹脂の逆流を防止する。樹脂の充填が完了した後、閉止部材21を閉止する。この状態でローラ成形空間15内の樹脂を加熱硬化させる。樹脂の硬化が完了した後、芯体保持部材14を筒状金型13から、その軸方向に沿って、それぞれ上方及び下方に抜き去る。次いで、筒状金型13に対して芯体11を押し出す等して、筒状金型13内に保持されている成形品を、取り出す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の金型を用いた成形方法では、得られるローラの寸法安定性が悪いという問題がある。すなわち、このような従来の成形方法では、芯体保持部材14と筒状金型13で構成された金型に熱硬化性樹脂が充填された後に、上部及び下部の閉止機構17および21が閉じられて金型内が密閉される。そして、密閉された金型内にで充填された樹脂は、加熱されることにより、体積が熱膨張する。熱硬化性樹脂は非圧縮性の樹脂であるので、体積膨張した樹脂は、金型内に、相当な高圧をもたらし、その内圧のために、上部および下部の芯体保持部材14と筒状金型13との間隙、または上部芯体保持部材14と閉止機構21との間隙、または下部芯体保持部材14と閉止機構17との間隙から、金型外に樹脂が漏れる。樹脂が漏れることにより、成形されたローラの寸法、特にローラ外径が変化する。
【0006】
ここで、その漏れる樹脂量は金型の密閉度合いによって異なる。金型の密閉度合いは、上部および下部の芯体保持部材14と筒状金型13との間隙、または芯体保持部材14と閉止部材17および21との間隙によって決まる。その密閉度合いは非常に微妙なものであり、各々の部材の寸法バラツキや組立構成具合によっても異なる。
【0007】
そして、漏れた樹脂量が個々の金型によって異なり、ひいてはローラの寸法精度、特に外径寸法がばらつく不良が発生する。
【0008】
本発明はかかる現況に鑑みてなされたものであり、その目的は、成形されたローラの寸法安定性を改良できる成形方法およびそのための金型を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の局面において、本発明の成形方法は、樹脂ローラの成形金型を用いる、樹脂ローラの成形方法であって、
該成形金型は、筒状金型と、該筒状金型の両端に配置される一対の芯体保持部材とを有し、該筒状金型および該一対の芯体保持部材がローラ成形空間を形成しており、
一方の芯体保持部材には樹脂注入口が設けられ、該樹脂注入口には、樹脂の流通を規制する第1の規制部材が設けられ、
他方の芯体保持部材には成形空間内の空気を排出するための空気抜き口が設けられ、該空気抜き口には、樹脂の流出を規制する第2の規制部材が設けられており、
ここで、該成形方法は、
該筒状金型の内部に樹脂ローラの芯体を内挿して該芯体の両端部を該芯体保持部材に保持する工程、
該第1の規制部材を開放し、該第2の該規制部材を閉止した状態で、該樹脂注入口より熱硬化性樹脂を該ローラ成形空間内へ注入する工程、
樹脂注入後、該第1の規制部材を閉止する工程
該金型を加熱して該熱硬化性樹脂を硬化させる工程、ならびに
該樹脂の注入後、かつ、樹脂の加熱硬化の終了よりも前に、該第2の規制部材を開放する工程、
を包含する。
【0010】
1つの実施態様では、前記第2の規制部材を開放する工程における金型の温度が、樹脂注入時の金型の温度よりも20℃以上高い。
【0011】
1つの実施態様では、前記第2の規制部材を開放する工程が、熱硬化性樹脂の加熱硬化により金型内に懸かる内圧が80気圧以上に上昇している際に行われる。
【0012】
1つの実施態様では、前記第1の規制部材および前記第2の規制部材が、それぞれ規制ピンであり、
該規制ピンは、樹脂の流通を閉止する大径部と、樹脂の流通を許容する小径部とを備え、それぞれ該樹脂注入口および該空気抜き口に交差するように金型に取り付けられており、
該規制ピンを押し引きすることにより、該規制ピンの該大径部または該小径部のうちの一方を該樹脂注入口との交点に合わせることが可能であり、そのことにより、それぞれ、該樹脂注入口および該空気抜き口の開閉が行われる。
【0013】
第1の局面の1つの実施態様では、前記第2の規制部材または該規制部材を制御する部材が形状記憶合金製であり、
温度変化による該形状記憶合金の動作により、該規制部材の開閉が制御される。
【0014】
第1の局面の1つの実施態様では、前記第2の規制部材にバネが接続され、
該バネは、樹脂が流出しようとする圧力に対抗できるように配置されており、該バネの動作により、該規制部材の開閉が制御される。
【0015】
本発明の第2の局面における金型は、樹脂ローラの成形に用いる成形金型であって、
該成形金型は、筒状金型と、その筒状金型の両端に配置される一対の芯体保持部材とを有し、該筒状金型および該一対の芯体保持部材がローラ成形空間を形成しており、
一方の芯体保持部材には樹脂注入口が設けられ、該樹脂注入口には、樹脂の流通を規制する第1の規制部材が設けられ、
他方の芯体保持部材には成形空間の空気を排出するための空気抜き口が設けられ、
該空気抜き口には、樹脂の流出を規制する第2の規制部材が設けられており、ここで、該第2の規制部材または該規制部材を制御する部材が形状記憶合金製であり、
温度変化による形状記憶合金の動作により該規制部材の開閉が制御される。
【0016】
本発明の第3の局面における金型は、樹脂ローラの成形に用いる成形金型であって、
該成形金型は、筒状金型と、その筒状金型の両端に配置される一対の芯体保持部材とを有し、該筒状金型および該一対の芯体保持部材がローラ成形空間を形成しており、
一方の芯体保持部材には樹脂注入口が設けられ、該樹脂注入口には、樹脂の流通を規制する第1の規制部材が設けられ、
他方の芯体保持部材には成形空間の空気を排出するための空気抜き口が設けられ、
該空気抜き口には、樹脂の流出を規制する第2の規制部材が設けられており、該第2の規制部材にバネが接続され、
該バネは、樹脂が流出しようとする圧力に対抗できるように配置されており、該バネの動作により、該規制部材の開閉が制御される。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の局面の成形方法を実施するのに好適な成形金型を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1に示すように、成形金型100は、筒状金型13と、筒状金型13の両端に配置される一対の芯体保持部材14とを有し、筒状金型13および一対の芯体保持部材14がローラ成形空間15を形成している。
【0019】
一方の芯体保持部材14には樹脂注入口16が設けられている。樹脂注入口16には、樹脂の流通を規制する第1の規制部材17が設けられている。
【0020】
他方の芯体保持部材14には成形空間15内の空気を排出するための空気抜き口20が設けられている。該空気抜き口20には、樹脂の流出を規制する第2の規制部材21が設けられている。
【0021】
第1の局面において、本発明の成形方法は、樹脂ローラの成形方法に関する。
【0022】
公知の任意の大きさの樹脂ローラについて、本発明の成形方法は、適用可能である。一般的には、直径10mm〜30mm、長さ200mm〜400mmの大きさである。
【0023】
樹脂ローラ成形金型は、筒状金型13の両端に一対の芯体保持部材14を配置して形成されている。
【0024】
筒状金型13、および芯体保持部材14は、熱硬化性樹脂成形用に用いられる公知の任意の材料から構成され得る。好ましくは、プリハードン鋼、焼き入れ鋼、非磁性鋼、炭素工具鋼、耐食鋼(ステンレス鋼)などである。
【0025】
筒状金型13の内部には、内挿される樹脂ローラの芯体11が、芯体保持部材14に保持されている。樹脂ローラの芯体11として公知の任意の材料、例えば、金属材料や導電性を付与した樹脂材料などが、本発明の成形方法に適用可能である。
【0026】
一方の芯体保持部材14には樹脂注入口16が設けられている。樹脂注入口16の断面形状は、任意の形状が可能であるが、通常は円形である。
【0027】
樹脂注入口16には、規制部材17が設けられている。規制部材17としては、樹脂の流通を規制し得る任意の部材が適用可能である。ここで、「規制する」とは、樹脂を流通させるか、または流通を止めるかの、制御を行うことをいう。従って、規制部材21として、従来のローラ成形用金型に用いられていた閉止機構を使用してもよい。
【0028】
他方の芯体保持部材14には成形空間の空気を排出するための空気抜き口20が設けられている。空気抜き口20の断面形状は、任意の形状が可能であるが、通常、円形である。
【0029】
空気抜き口20には、樹脂の流出を規制する規制部材21が設けられている。規制部材21としては、樹脂の流通を規制し得る任意の部材が適用可能である。ここで、規制部材21として、従来のローラ成形用金型に用いられていた閉止部材を使用することも可能である。
【0030】
第2の規制部材21は、空気抜き口20との間で可動となるように調整されているために、規制部材21と空気抜き口20との間には、規制部材21が閉じられた状態においても、樹脂は流出しないが、金型内の空気は自在に抜ける程度の間隙が設けられることは自明である。
【0031】
1つの実施態様では、樹脂注入口16および第2の規制部材21として樹脂の流通を阻止する大径部31とその流通を許す小径部32とを備えた規制ピン21が、前記樹脂注入口16、および空気抜き口20に交差するように金型に取り付けられている。規制ピン21を押し引きすることにより、規制ピン21の大径部31または小径部32のうちの一方を樹脂注入口16および空気抜き口20との交点に合わせることが可能であり、そのことにより、それぞれ、樹脂注入口16および空気抜き口20の自在に可動し開閉が行われるため、規制ピン21と空気抜き口20との間には、規制ピン21が閉じられた状態において、樹脂は流出しないが、金型内の空気が自在に抜ける程度の間隙が設けられる。
【0032】
別の実施態様では、例えば、図3および図4に示すように、空気抜き口20の樹脂の流出を規制する部材21aの開閉が形状記憶合金の動作により制御される。該形状記憶合金製規制部材は、典型的には、変形可能な平板状部とこの平板状部から空気抜き口方向へ突出する柱状部とを有する断面T字形に形成され、ここで、排出口24が空気抜き口20に連通して設けられており、温度樹脂加熱硬化時の金型温度において空気抜き口20が開放されるように形状記憶させておく。形状記憶合金としては、ニッケルチタンなどの公知の任意の形状記憶合金が使用される。この実施態様によれば、樹脂注入時には空気抜き口20を閉止する形状に形状記憶合金を形状記憶させ、加熱硬化時には然るべき任意の温度で空気抜き口20を開放する形状に形状記憶させておけば、外部機構により第2の規制部材21を閉止および開放する必要がない。
【0033】
この実施態様において、形状記憶合金が自在に空気抜き口20を自在に可動して、閉止および開放することから、第2の規制部材21と空気抜き口20との間には、第2の規制部材21が閉じられた状態において、樹脂は流出しないが、金型内の空気は自在に抜ける程度の間隙が設けられるのは言うまでもない。
【0034】
さらに別の実施態様では、図5に示すように、第2の規制部材21をバネ25が押さえている。このバネ25は、流出樹脂圧に対抗する方向に配置されている。ここで、排出口24が空気抜き口20に連通して設けられている。バネ25は、樹脂注入時には空気抜き口20が閉じられるように付勢されており、かつ、加熱硬化時に生じる金型内圧がかかることにより規制部材21bが空気抜き口20内を退行して、空気抜き口20を排出口24に連通して空気を開放するように付勢されている。この実施態様によれば、樹脂注入時や加熱硬化時に第2の規制部材21を外部から閉止、および開放する必要がない。
【0035】
この実施態様において、バネ25が自在に空気抜き口20を自在に可動して、閉止および開放することから、第2の規制部材21と空気抜き口20との間には、第2の規制部材21が閉じられた状態において、樹脂は流出しないが、金型内の空気は自在に抜ける程度の間隙が設けられることはいうまでもない。
【0036】
以下、本発明の成形方法の手順を説明する。本発明の成形方法では、まず、第1の規制部材17を開放し、第2の規制部材21を閉止した状態で、熱硬化性樹脂を注入する、
樹脂注入後、第1の規制部材17を閉止する、
金型を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる、ついで、
樹脂の注入後、加熱硬化の終了前に、第2の規制部材21を開放する。
【0037】
熱硬化性樹脂の注入は、任意の方法を用いることができる。射出成形機のような装置を用いて強制的に注入してもよく、または熱硬化性樹脂の液体を単に流し込んでもよい。
【0038】
本発明の成形方法における樹脂の注入方法の好ましい例を説明すると、例えば、末端アリル化ポリオキシプロピレン系重合体にポリシロキサン系硬化剤と導電性付与材(カーボンブラック)を配合し、液状樹脂用射出注入機において、ローラ外径がφ16mmで、成形体部の長さが250mmのローラを成形する場合、配合された注入樹脂の粘度は、導電付与材の混合部数によるが、200〜800ポイズで、注入時の注入圧力は0.5MPa〜4MPaである。そして、例えば、上記寸法形状のローラで、樹脂成形体部の肉厚が4mmの場合、金型の樹脂注入口の径は、1mm〜2mmとなっている。また、注入時の金型の向きは金型の長手方向を垂直に立て、金型の下部から注入することが望ましい。
【0039】
金型の加熱は、従来公知の任意の方法で行うことができる。具体的には、例えば、加熱ファンが設けられた加熱炉内で加熱する方法、金型の周囲に電気ヒータを配して加熱する方法、または誘導加熱コイルを金型周辺に配して加熱する方法がある。
【0040】
金型の温度は、熱硬化性樹脂の注入および加熱硬化を行うことができる任意の温度が選択可能であるが、樹脂の注入時は、樹脂が注入しやすく、かつ硬化しない温度、例えば20℃〜80℃程度が好ましい。また、樹脂の加熱温度は、樹脂に配合される硬化遅延剤の分量にもよるが、80℃〜200℃程度が望ましい。
【0041】
第2の規制部材21の開放は、熱硬化性樹脂の注入後で、かつ樹脂の加熱硬化が終了する前に行う。樹脂の加熱硬化が終了する時間は、樹脂種および加熱条件などにより変化するが、特定の樹脂種および加熱条件における、樹脂の加熱硬化が終了する時間は、当業者が適宜実験を行えば、容易に把握され得る。
【0042】
樹脂注入の完了前に、第2の規制部材21を開放すると、樹脂注入口16から樹脂が勢い良く金型内に注入され、金型内の空気を巻き込み、成形品内に気泡が発生する。
【0043】
樹脂の加熱硬化が終了するまで、第2の規制部材21を閉じておくと、樹脂の加熱に伴う体積膨張により発生する内圧により、樹脂の漏れが生じ、成形品の寸法安定性が低下する。
【0044】
1つの実施態様では、金型温度が樹脂注入時の温度より20度以上高くなっている際に、第2の規制部材21が開放される。
【0045】
別の実施態様では、樹脂注入後、加熱硬化により金型の内圧が80気圧以上に上昇している際に、第2の規制部材21が開放される。
【0046】
本発明の第2および第3の局面は、上記の第1の局面の成形方法に使用される金型に関する。これらの金型の構成および特徴は、上記の第1の局面の説明の中で説明された通りである。
【0047】
本発明の成形方法に使用可能な成形樹脂材料としては、熱硬化性樹脂が用いられる。例えばシリコーン、ウレタン、アクリロニトリル・ブタジエン共重合(NBR)、エチレン・プロピレン・ジエン・メチレン共重合体(EPDM)などが使用できる。
【0048】
熱硬化性樹脂には、必要に応じてその他の各種添加剤を添加することができる。例えば、カーボン等の抵抗制御剤を添加すれば、ローラの電気抵抗を制御することができる。
【0049】
上記熱硬化性樹脂には、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、硬化遅延剤などの、熱硬化反応を調整する材料が添加される。上記熱硬化性樹脂には、必要に応じて、有機または無機の充填剤を添加できる。さらに上記熱硬化性樹脂には、必要に応じて有機または無機の各種顔料、増粘剤、離型剤などを添加することができる。
【0050】
(作用)
以下、作用について説明する。
【0051】
従来の金型において、成形されたローラの寸法安定性が悪いことの主な原因は、熱硬化樹脂が金型内で加熱され、体積膨張する際の樹脂圧力に、金型の密閉力が圧倒されて、樹脂が金型外に漏れる際に、その金型の密閉力が都度異なるために樹脂漏れ量も異なることである。したがって、金型の密閉度合いを安定化させることにより、各成形品間の樹脂漏れ量が安定化される。このことにより、成形されたローラの寸法バラツキが少なくなると考えられる。
【0052】
本発明の成形方法によれば、注入樹脂が加熱硬化して樹脂が体積膨張する際の、体積膨張分の樹脂は、第2の規制部材21が開放されているために、空気抜き口20を通じて金型外に流出する。体積膨張量と樹脂の硬化温度は樹脂材料に依存するが、同一樹脂材料を使用する限り、その変動は微小である。第2の規制部材21が開放されている場合、その漏れ樹脂量は金型に依らず常に実質的に一定になる。その結果、実質的に成形品の外径のバラツキがなくなり、寸法安定性が良好になる。
【0053】
なお、樹脂注入時に第2の規制部材21は閉止されているが、意外なことに、空気抜きの不足による成形品内に気泡が発生するなどの問題は、実質的に存在しない。その理由は、液状の樹脂が抜ける間隙よりも遙かに微小な間隙から空気が抜け得るために、第2の規制部材21が閉止されているにもかかわらず、金型内の空気は、空気抜き口20と第2の規制部材21との間の微小な間隙、または注入口16もしくは金型各部分の微小な間隙から十分抜けるからと考えられる。
【0054】
【実施例】
以下に、本発明の非限定的な実施例について説明する。
【0055】
(実施例)
本発明の図1および図2の金型を用いて、ローラ外径がφ16mm、樹脂成形部の長さが250mmのローラを成形した。
【0056】
まず、第1の規制部材17を開放し、第2の規制部材21を閉止した状態で、樹脂注入口16より熱硬化性樹脂をローラ成形空間15内へ注入した。樹脂注入後、第1の規制部材17を閉止した。その後、金型100を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させた。そして樹脂の注入後、かつ、樹脂の加熱硬化の終了よりも前に、第2の規制部材を開放した。
【0057】
樹脂の加熱硬化の終了後、ローラを取り出した。得られたローラの軸方向の外径バラツキを測定した結果、7μ〜25μであった。
【0058】
(比較例)
図7および図8に示す金型を用いて、ローラ外径がφ16mm、樹脂成形部の長さが250mmのローラを成形した。
【0059】
まず、第1の規制部材17を開放し、第2の規制部材21を開放した状態で、樹脂注入口16より熱硬化性樹脂をローラ成形空間15内へ注入した。樹脂注入後、第1の規制部材17および第2の規制部材21を閉止した。その後、金型100を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させた。
【0060】
樹脂の加熱硬化の終了後、ローラを取り出した。得られたローラの軸方向の外径バラツキを測定した結果、軸方向の外径バラツキが30μ〜50μであった。
【0061】
【発明の効果】
本発明の成形方法によれば、成形品の寸法バラツキを低減させ、安定的に良品を得ることが可能となる。
【0062】
本発明の金型によれば、外部から閉止部材を閉止、および開放する操作の必要がなくなり、容易に寸法安定性の良好な成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の成形方法における、樹脂注入時の金型の状態を示す断面図である。
【図2】 本発明の成形方法における、樹脂加熱硬化時の金型の状態を示す断面図である。
【図3】 本発明の成形方法の1つの実施態様における、樹脂注入時の金型の状態を示す断面図である。
【図4】 本発明の成形方法の1つの実施態様における、樹脂加熱硬化時の金型の状態を示す断面図である。
【図5】 本発明の成形方法の1つの実施態様における、樹脂注入時の金型の状態を示す断面図である。
【図6】 本発明の成形方法により成形される樹脂ローラを示す断面図である。
【図7】 従来技術の成形方法における、樹脂注入時の金型の状態を示す断面図である。
【図8】 従来技術の成形方法における、樹脂加熱硬化時の金型の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ローラ
11 芯体
12 回転体
13 筒状金型
14 芯体保持部材
15 ローラ成形空間
16 注入口
18 ノズル
20 空気抜き口
21 規制部材
22 ノズルタッチ部
24 排出口
25 バネ
100 成形金型

Claims (8)

  1. 樹脂ローラの成形金型を用いる、樹脂ローラの成形方法であって、
    該成形金型は、筒状金型と、該筒状金型の両端に配置される一対の芯体保持部材とを有し、該筒状金型および該一対の芯体保持部材がローラ成形空間を形成しており、
    一方の芯体保持部材には樹脂注入口が設けられ、該樹脂注入口には、樹脂の流通を規制する第1の規制部材が設けられ、
    他方の芯体保持部材には成形空間内の空気を排出するための空気抜き口が設けられ、該空気抜き口には、樹脂の流出を規制する第2の規制部材が設けられており、
    ここで、該成形方法は、
    該筒状金型の内部に樹脂ローラの芯体を内挿して該芯体の両端部を該芯体保持部材に保持する工程、
    該第1の規制部材を開放し、該第2の規制部材を閉止した状態で、該樹脂注入口より熱硬化性樹脂を該ローラ成形空間内へ注入する工程、
    樹脂注入後、該第1の規制部材を閉止する工程
    該金型を加熱して該熱硬化性樹脂を硬化させる工程、ならびに
    該樹脂の注入後、かつ、樹脂の加熱硬化の終了よりも前に、該第2の規制部材を開放する工程、
    を包含する、
    成形方法。
  2. 前記第2の規制部材を開放する工程における金型の温度が、樹脂注入時の金型の温度よりも20℃以上高い、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の規制部材を開放する工程が、熱硬化性樹脂の加熱硬化により金型内に懸かる内圧が80気圧以上に上昇している際に行われる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の規制部材および前記第2の規制部材が、それぞれ規制ピンであり、
    該規制ピンは、樹脂の流通を閉止する大径部と、樹脂の流通を許容する小径部とを備え、それぞれ該樹脂注入口および該空気抜き口に交差するように金型に取り付けられており、
    第1の規制部材である規制ピンを押し引きすることにより、該規制ピンの該大径部または該小径部のうちの一方を該樹脂注入口との交点に合わせることが可能であり、
    該第2の規制部材である規制ピンを押し引きすることにより、該規制ピンの該大径部または該小径部のうちの一方を該空気抜き口との交点に合わせることが可能であり、
    そのことにより、それぞれ、該樹脂注入口および該空気抜き口の開閉が行われる、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第2の規制部材または該規制部材を制御する部材が形状記憶合金製であり、
    温度変化による該形状記憶合金の動作により、該規制部材の開閉が制御される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2の規制部材にバネが接続され、
    該バネは、樹脂が流出しようとする圧力に対抗できるように配置されており、 該バネの動作により、該規制部材の開閉が制御される、請求項1に記載の方法。
  7. 樹脂ローラの成形に用いる成形金型であって、
    該成形金型は、筒状金型と、その筒状金型の両端に配置される一対の芯体保持部材とを有し、該筒状金型および該一対の芯体保持部材がローラ成形空間を形成しており、
    一方の芯体保持部材には樹脂注入口が設けられ、該樹脂注入口には、樹脂の流通を規制する第1の規制部材が設けられ、
    他方の芯体保持部材には成形空間の空気を排出するための空気抜き口が設けられ、
    該空気抜き口には、樹脂の流出を規制する第2の規制部材が設けられており、 ここで、該第2の規制部材または該規制部材を制御する部材が形状記憶合金製であり、
    温度変化による形状記憶合金の動作により、該規制部材の開閉が制御される、金型。
  8. 樹脂ローラの成形に用いる成形金型であって、
    該成形金型は、筒状金型と、その筒状金型の両端に配置される一対の芯体保持部材とを有し、該筒状金型および該一対の芯体保持部材がローラ成形空間を形成しており、
    一方の芯体保持部材には樹脂注入口が設けられ、該樹脂注入口には、樹脂の流通を規制する第1の規制部材が設けられ、
    他方の芯体保持部材には成形空間の空気を排出するための空気抜き口が設けられ、
    該空気抜き口には、樹脂の流出を規制する第2の規制部材が設けられており、該第2の規制部材にバネが接続され、
    該バネは、樹脂が流出しようとする圧力に対抗できるように配置されており、 該バネの動作により、該規制部材の開閉が制御される、
    金型。
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