JP3941329B2 - 免震装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、免震される上方構造体と下方構造体との間に設置される免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図13は従来の免震装置の主要部を示す正面図である。図13に示すように、下方構造体12に設けられたX方向レール1と、上方構造体16に上記X方向レール1と直交させて設けられたY方向レール3とを配置し、レール1,3間にスライド部材6を両レール1,3に沿って移動可能に介在させた免震装置が知られている。
【0003】
詳述すると、下方構造体12の上端部に2本のH型鋼でなるX方向レール1が、そのフランジ部分が水平に保たれて平行に設置され、他方、上記下方構造体12と対向する上方構造体16の下端部には2本のH型鋼でなるY方向レール3が、そのフランジ部分が水平に保たれて平行に設置されている。このX方向レール1とY方向レール3とは井桁状に配置され、それらの間には両者が上下に交差する4箇所にスライド部材6がそれぞれ設けられている。
【0004】
上記上方構造体16と下方構造体12とにそれぞれ設けられたレール1,3の間に、それらレール1,3とそれぞれ摺動して相対移動可能に設けられたスライド部材6によって、上方構造体16が下方構造体12に対してX方向とY方向とに相対移動可能に形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の免震装置では、スライド部材6が当該免震装置に組み込まれるために特別に製作される専用部品であるため高価であった。特に、各レール1,3とスライダー2,4とは、上方構造体16の重量を支えつつ面接触するので、摺動面に所定の加工や処理を施す必要があり、免震装置が高価なものになってしまうという課題があった。
【0006】
本発明は以上の問題を解決するためになされたものであり、その目的は安価で製造容易な免震装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1に記載の免震装置は、下方構造体と上方構造体との間に介在され、下方構造体と上方構造体との相対移動を許容する免震装置であって、
下方構造体に水平且つ平行に配置される第1レールと、上方構造体に水平且つ平行に配置され上記第1レールと直交する第2レールと、上記上方構造体との間に自在継ぎ手を介して回動可能に連結されて上記下方構造体に当接される減衰手段と、該減衰手段と下方構造体とにそれぞれ結合されて上方構造体と下方構造体との相対変位を復帰させる復帰手段とを備え、上記各第1レールと係合し当該第1レールに沿って相対移動する、回転軸と、この回転軸に回動自在に設けられた外輪ローラとを有する第1ローラーと、上記各第2レールと係合し当該第2レールに沿って相対移動する、回転軸と、この回転軸に回動自在に設けられた外輪ローラとを有する第2ローラーとを下方構造体と上方構造体との間に設けられる連結部材に一体に結合し、上記復帰手段は前記減衰手段の回動中心の、上記下方構造体と前記上方構造体との相対変位方向への側方且つ上方で前記減衰手段と結合していることを特徴とする。
【0008】
即ち、下方構造体と連結部材との間には、水平方向に相対移動可能な第1レールとこの第1レールと係合する第1ローラーとが設けられ、連結部材と上方構造体との間には、水平方向に相対移動可能な第2レールとこの第2レールに係合する第2ローラーとが設けられているので、連結部材を介して下方構造体および上方構造体のいずれもそれぞれ独立して相対移動することができる。
【0009】
また、上記第1レールと第2レールとが互いに直角をなす方向に配置されているので、下方構造体と上方構造体とは水平面内で直角をなす2方向に相対移動することができる。
【0010】
さらに、レールと係合しているのはローラーなので、摩擦抵抗が小さく上方構造体はその固有振動周期が無限大となって長周期化され振動が抑制されるとともに、安定した制振性能を得ることができる。
【0011】
また、上記ローラーは回転軸付なので、連結部材への取り付けが容易であるとともに、他分野で用いられる汎用の既製品を用いることが可能である。即ち、回転軸と一体となった既製品のローラーは、ローラーに回転軸を取り付ける手間がかからず、精度良く容易に取り付けることができるので製造工数を削減することができ、単価が安いことと相俟って製造コストを削減し安価に免震装置を形成することができる。
さらに、上方構造体との間に自在継ぎ手を介して設けられた減衰手段は、下方構造体に当接されているので、上方構造体と下方構造体とが相対移動したときに摩擦力が発生し、その摩擦力は減衰手段が移動する際の負荷となって減衰手段を回動させ、その回動中心の下方部分と上方部分とが屈折されて任意の角度をなす。このとき、減衰手段は傾いた状態で下方構造体と接触する。そして、この減衰手段には、その回動中心の、上記下方構造体と前記上方構造体との相対変位方向への側方且つ上方で復帰手段が結合されているので、減衰手段の傾きに対応して上方構造体の反移動方向側に位置する復帰手段の結合部が水平状態時より上方に押し上げられる。そして、この復帰手段は結合部が押し上げられた分だけ張力が高まり減衰手段を下方に押圧する力が増加して摩擦力が増加するとともに、減衰手段を水平状態に戻す復元力が発生する。即ち、上方構造体と下方構造体との相対移動量が大きくなるにしたがって減衰手段の傾きが大きくなるため、その摩擦力および復元力も上記相対移動量に伴って増大される。したがって、振動エネルギーを摩擦力および復元力に変換して吸収し効率良く振動を減衰させることができる。
また、この減衰手段は復帰手段によって下方構造体と結合されているので、下方構造体に対して相対移動した上方構造体には、元の位置に戻そうとする力が働くため、上方構造体が下方構造体から外れ落ちることを防止することができる。
【0012】
また、請求項2に記載の免震装置は、上記各レールが断面C字状のチャンネル材でなり、上記各ローラーとの係合状態を維持させることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、レールが断面C字状のチャンネル材なので、各ローラーの回転軸をそのレール方向に沿った開口部から突出させつつ、レールとローラーとの係合状態が維持される。即ち、地震等によって鉛直方向の振動が発生しても上方構造体が下方構造体から外れ落ちることを防止でき、また、連結部材と下方構造体および連結部材と上方構造体とが水平方向に相対移動しても、勿論レールから外れ落ちることを防止することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の免震装置は、上記ローラーがニードルローラーを備えてなることを特徴とする。
【0015】
即ち、上記ローラーはその構造上、上方構造体等の重量を支持しているため、大きな荷重を支える必要があるが、上記ローラーがニードルローラーを備える構成としたので、下方構造体と上方構造体との滑らかな相対移動を確保するとともに、重量の大きな上方構造体をも支え得る免震装置を形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図5は本発明の免震装置を備え彫刻等を展示するための免震台に適用した第1の実施形態を示し、図1は免震台の平断面図、図2は図1のA−A断面図、図3は免震装置の係合部分を示す拡大図、図4は本免震台に適用した減衰手段の静止状態を示す側断面図、図5は減衰手段が機能した状態を示す側断面図である。
【0020】
本実施形態の免震台10は、床面に設置され下方構造体をなす基台12と、その上方に載置される上方構造体をなす載置台16と、それらの間に介在され基台12と載置台16との水平方向の相対移動を許容して載置台16の振動を抑制する免震装置14とで構成されている。
【0021】
上記基台12は直方体状をなし、その上面12aには、X方向に沿わされる一対の平行な第1レール22が備えられている。この第1レール22は1本づつ下ベース盤32に固定され、この下ベース盤32がボルト34で基台12に固定されている。
【0022】
上記一対の第1レール22はそれぞれ断面がC字状のチャンネル材でなり、それらの開放された部分が対向するように内側に向けられている。即ち、第1レール22をなすチャンネル材はC字状に形成される3つの平面部が、上下に間隔を隔てて平行に配置される上面部22aおよび下面部22bと、それらの一方の端辺部同士を連結する側面部22cとをなしている。
【0023】
上記載置台16は、上記基台12の上面12aと上下方向に間隔を隔てて対向する高剛性の平板状をなしている。この載置台16の下面には、上記第1レール22と同形状の2本のチャンネル材でなる第2レール24が互いに平行をなし、上ベース盤36を介してボルト34で固設されている。この第2レール24は、載置台16が基台12上に位置する状態で、第1レール22と直角をなすY方向に沿わされて第1レール22とともに井桁状をなしている。
【0024】
上記井桁状に組まれた第1レール22および第2レール24の内側に各レール22,24に対向させて四辺形の枠体状をなす連結部材30が配置されている。この連結部材30には、第1レール22と係合しその第1レールに沿って相対移動する第1ローラー26および第2レール24と係合しその第2レールに沿って相対移動する第2ローラー28とがそれぞれ、各レールに22,24に2つづつ間隔を隔てて設けられている。
【0025】
そして、上記各ローラー26,28は、載置台16の中心が基台12の中心に位置するように載置台16が基台12上に載置されたときに、各ローラー26,28とそれらが係合している各レール22,24の端部との距離が、免震装置14によって許容される基台12と載置台16との相対移動距離より十分長くなるように配置されている。また、これら第1レール22および第2レール24の各端部には、ローラー26,28の弾性材でなるストッパ18がそれぞれ設けられている。
【0026】
上記第1,第2ローラー26,28は、図3に示すように一端部にネジが形成された回転軸26b,28bと、この回転軸26b,28bの他端部にニードルベアリング26cを介して回動自在に設けられ、各レール22,24と転がり接触する外輪ローラー26a,28aとが一体に構成されている。この種のローラーとしては例えば、THK(株)製のカムフォロアなどの既製品が存在し、これらを用いることが望ましい。
【0027】
そして、外輪ローラー26a,28aが各レール22,24の内部に備えられて、上面部22a,24a、下面部22b,24b、側面部22c,24cによってガイドされ、その回転軸26b,28bがそれぞれ係合するレール22,24に対して直角をなして各レール22,24から相対向する側に突出している。
【0028】
そして、上記連結部材30の第1ローラー26は第1レール22の下面部22bに支持され、第2ローラー28は第2レール24の上面部24aをそれぞれ支持して、第2レール24が固設された載置台16は第1レール22が固設された基台12に支持されている。
【0029】
また、X方向に向けられた第1レール22と係合するすべての第1ローラー26が同じ挙動をし、Y方向に向けられた第2レール24と係合するすべての第2ローラー28が同じ挙動をするように形成されている。したがって、各レール22,24それぞれにおいて、いずれかのローラー26,28だけが他のローラー26,28に先行したりまたは遅れたりすることがなく、載置台16と基台12とを第1,第2レール22,24に沿わせて滑らかに相対移動させることができる。
【0030】
そして、基台12と連結部材30との間には、水平方向に相対移動可能な第1レール22とこの第1レール22と係合する第1ローラー26とが設けられ、また、連結部材30と載置台16との間には、水平方向に相対移動可能な第2レール24とこの第2レール24と係合する第2ローラー28とが設けられているので、連結部材30を介して基台12および載置台16のいずれもそれぞれ独立して相対移動することができる。また、上記第1レール22と第2レール24とが互いに直角をなす方向に配置されているので、基台12と載置台16とは水平面内で直角をなす2方向に相対移動することができる。
【0031】
さらに、載置台16の中央には、その下面に垂設され筒状をなす支持部16eに自在継ぎ手44を介して回動自在に減衰手段46が設けられている。
【0032】
上記自在継ぎ手44は、軸部44aと回動部44bとで構成され、軸部44aの一端にはその外周に上記支持部16eの内側に螺着されるねじが形成され、他端部44cは球状に形成されている。また、回動部44bは円柱状をなし、その一端に上記軸部44aの球状の端部44cが挿入される同球面状の凹部44dが形成され、外周には減衰手段46と螺合するねじが形成されている。
【0033】
上記減衰手段46は、円柱状の本体部46aとこの本体部46aに固設される4枚の板状部材でなる引張部46bと基台12に当接される摩擦部材46cとで構成されている。上記本体部46aは、その一端部に上記回動部44bの外周ねじが螺合される穴が設けられ、他端部に摩擦部材46cがねじで固定されている。さらに、この本体部46aの外周には、上記引張部46bが鉛直方向に立てられた状態で本体部46aを中心として四方にほぼ十字状に固設されている。この引張部46bは、減衰手段46が自在継ぎ手44を介して載置台16中央の真下に位置して摩擦部材46cが基台12に当接したときに、自在継ぎ手44の回動中心より高い位置まで延設されている。
【0034】
そして、上記引張部46bの延設された部分にはそれぞれ、基台12と載置台16との相対変位を復帰させるための復帰手段をなすコイルばね40が取り付けられている。このコイルばね40は、上記引張部46bと同様に本体部46aを中心として四方にほぼ十字状に配置され、他端部が基台12上面に取り付けられて、載置台16と基台12との相対変位がない状態で載置台16の中心が基台12の中心に位置するように各ばね力がつり合わされている。
【0035】
即ち、上記コイルばね40は基台12の中央側の一端が基台12上面より上方に位置する引張部46bに取り付けられ、他端が基台12上面に取り付けられているので、載置台16を基台12側に引き付け、上記摩擦部材46cを基台12上面に押圧している。
【0036】
そして、この免震装置14は、載置台16に連結された減衰手段46が基台12に当接しているので、地震等によって載置台16と基台12とが相対移動すると、減衰手段46と基台12とが摺動して摩擦力が発生する。
【0037】
このとき載置台16と減衰手段46との間には自在継ぎ手44が回動自在に設けられているので、減衰手段46が移動する際には上記摩擦力が負荷となって減衰手段46は回動され、その回動中心の下方部分と上方部分とが屈折されて任意の角度をなす。よって、減衰手段46は傾いた状態で基台上面12aと接触する。そして、この減衰手段46に設けられた引張部46bには上記回動中心の側方且つ上方でコイルばね40が結合されているので、減衰手段の46の傾きに対応して載置台16の反移動方向側に位置する結合部が水平状態時より上方に押し上げられる。そして、この押し上げられた分だけ張力が高まり、減衰手段46を下方に押圧する力が増加して摩擦力が増加するとともに、減衰手段46を水平状態に戻そうとする復元力が発生する。
【0038】
即ち、載置台16と基台12との相対移動量が大きくなるにしたがって減衰手段46の傾きが大きくなるため、その押圧力および復元力も上記相対移動量に伴って増大される。よって、入力された振動エネルギーを摩擦力および復元力に変換して吸収し効率良く振動を減衰させることができる。
【0039】
このとき、各レール22,24と各ローラー26,28との間に働く転がり摩擦は滑り摩擦に比べて摩擦抵抗が極めて小さいため、上記減衰手段の摩擦力による振動エネルギーを吸収する作用に影響することなく、確実に振動エネルギーを吸収することができる。
【0040】
また、上記ローラー26,28は回転軸付なので、取り付けが容易であるとともに、他分野でも用いられる汎用の既製品を用いることが可能である。即ち、回転軸26b,28bと一体となった既製品のローラ26,28は、回転軸26b,28bと外輪ローラー26a,28aおよびニードルローラー26c,28cとを組み立てる手間がかからず、さらに、回転軸26b,28bの一端部にはローラー26,28を固定するためのねじが形成されているので、精度良く容易に取り付けることができる。したがって、製造工数を削減して製造コストを低減するとともに、安価な汎用のローラ26,28を用いることと相俟って安価に免震装置14を備えることができる。
【0041】
また、第1、第2レール22,24をチャンネル材で構成したので、第1レール22には第1ローラー26との係合を維持するガイド部材として上面部22aが備えられ、第2レール24には第2ローラー28との係合を維持するガイド部材として下面部24bが備えられて両者の係合状態が維持される。よって、地震等によって免震台10に鉛直方向の振動が入力されても第1レール22から第1ローラー26が、第2レール24から第2ローラー28が外れ落ちることはなく、確実に免震効果を得ることができる。また、レール22,24に別部品としてローラー26,28の脱落防止部材を特別に備える必要がないので、部品単価および製造コストを抑えて、安価に免震台10を形成することができる。
【0042】
また、上記ローラー26,28はニードルベアリング26c,28cを備えた構成としたので、載置台16および載置物品等の重量によって大きな荷重がローラー26,28に加えられたとしても、載置台16および載置物品を支持しつつ滑らかに相対移動し、重量の大きな載置物品にも適用可能な免震装置14を備えた免震台10を形成することができる。
【0043】
図6〜12は本発明の免震装置を備えた免震台の第2の実施形態を示し、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。
【0044】
本実施形態においては、上記一対の第1レール22がそれぞれ断面C字状のチャンネル材でなり、それらの開放された部分が対向するように内側に向けられている。即ち、第1レール22をなすC字状のチャンネル材を構成する3つの平面部が、上下に間隔を隔てて平行に配置される上面部22aおよび下面部22bと、それらの一方の端辺部同士を連結する側面部22cとをなしている。そして、上面部22aおよび下面部22bには、側面部22cとは反対側の端辺部からそれぞれ上面部22aから垂設される垂面部22dと、下面部22bから立設される立面部22eとが設けられている。この垂面部22dの下端部と立面部22eの上端部とは、間隔を隔てて対向し、両者の間にはスリット22fが形成されている。
【0045】
上記載置台16は、上記基台12の上面12aと上下方向に間隔を隔てて対向し、基台12の上面12aと同じ平面形状をなす高剛性の載置板16aとその全周縁から垂下される周壁部16bとを備え、載置板16aの下方には周壁部16bで囲まれた空間が形成されている。この空間内の載置板16aの下面には、上記第1レール22と同形状の2本のチャンネル材でなる第2レール24が互いに平行をなし、上ベース盤36を介してボルト34で固設されている。この第2レール24は、載置台16が基台12上に位置する状態で、第1レール22と直角をなすY方向に沿わされて第1レール22とともに井桁状をなしている。そして、第1レール22と第2レール24とは、両者が交差する位置からそれぞれ、免震装置14によって許容される基台12と載置台16との相対移動距離より長く延出されている。
【0046】
上記井桁状に組まれた第1レール22および第2レール24によって形成される四角形の四つの角部近傍に位置させて、当該各角部を形成している第1レール22と係合し相対移動する第1ローラー26および第2レール24と係合し相対移動する第2ローラー28とがそれぞれ設けられている。
【0047】
上記第1,第2ローラー26,28は、一端部にネジが形成された回転軸26b,28bと、この回転軸26b,28bの他端部にニードルベアリング26c,28cを介して回動自在に設けられ、各レール22,24と転がり接触する外輪ローラー26a,28aとが一体に構成されている。そして、外輪ローラー26a,28aが各レール22,24の内部に備えられて、上面部22a,24a、下面部22b,24b、側面部22c,24c、垂面部22d,24d、立面部22e,24eによってガイドされ、その回転軸26b,28bがそれぞれ係合するレール22,24に対して直角をなしてスリット22f,24fから突出している。ここで、上記各ローラー26,28の外輪ローラー26a,28aの肉厚は、係合する各レール22,24の垂面部22d,24dおよび立面部22e,24eの高さより十分厚く形成され、ローラー26,28が各レール22,24にガイドされる際の摩擦抵抗が大きくならないようになっている。また、第1,第2レール22,24のスリット22f,24fの巾は、上記ローラー26,28の外輪ローラー26a,28aの外径より狭く形成され、ローラー26,28が第1,第2レール22,24からの脱落することを防止している。
【0048】
上記第1ローラー26および第2ローラー28は、第1レール22と第2レール24とが交差して形成される四辺形の四隅にそれぞれ設けられる結合体30aに螺合されて一体をなしている。この結合体30aは、底面形状が正方形をなす正四角柱状に形成され、その隣り合う側面に第1ローラー26と第2ローラー28とが備えられ、上記各レール22,24と接触しないように形成されている。
【0049】
そして、上記4箇所に設けられた結合体30aの第1ローラー26は第1レール22の下面部22bに支持され、第2ローラー28は第2レール24の上面部24aをそれぞれ支持して、第2レール24が固設された載置台16は第1レール22が固設された基台12に支持されている。
【0050】
また、上記4つの結合体30aは、それぞれ各レール22,24と平行に設けられたジョイント部材30bによって一体に連結されて四角形状をなす連結部材30を形成している。この連結部材30は、その四角形が変形しないように十分な剛性を備えている。そして、X方向に向けられた第1レール22と係合するすべての第1ローラー26が同じ挙動をし、Y方向に向けられた第2レール24と係合するすべての第2ローラー28が同じ挙動をするように形成されている。
【0051】
このとき、上記周壁部16bの下端部16cは、基台12の上面12aと接触しない程度まで垂下されている。さらに、この周壁部16bの左右面には、基台12と載置台16とが相対移動したときに、周壁部16bが第1レール22に当たらないように切り欠き部16dが設けられている。
【0052】
そして、基台12と連結部材30との間には、水平方向に相対移動可能な第1レール22とこの第1レール22と係合する第1ローラー26とが設けられ、また、連結部材30と載置台16との間には、水平方向に相対移動可能な第2レール24とこの第2レール24と係合する第2ローラー28とが設けられているので、連結部材30を介して基台12および載置台16のいずれもそれぞれ独立して相対移動することができる。また、上記第1レール22と第2レール24とが互いに直角をなす方向に配置されているので、基台12と載置台16とは水平面内で直角をなす2方向に相対移動することができる。即ち、基台12と載置台16との間に、両者のX方向およびY方向の相対移動を許容して振動を抑制する免震装置14を備えた免震台10が形成される。
【0053】
以上説明した第2実施形態の免震台10にあっては、地震等によって基台12に入力される水平方向の振動は、第1レール22が配置されたX方向および第2レール24が配置されたY方向とに分かれて作用し、載置台16は基台12に対して第1,第2レール22,24に沿ってX方向とY方向とにそれぞれ相対移動する。このとき、各レール22,24と係合しているのは各ローラー26,28なので摩擦抵抗が小さく、載置台16はその固有振動周期が無限大となって長周期化され振動が抑制されるとともに、安定した制振性能を得ることができる。よって、載置台16への振動が抑制されて、その上に載置された彫刻等の物品が転倒および落下することを防止することができる。
【0054】
上記実施形態では、免震装置14を免震台10に適用した例を示したが、これに限るものではない。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に示す免震装置にあっては、下方構造体と上方構造体との間に備えられたレールとローラーとが係合して上方構造体が下方構造体と相対移動するので、摩擦抵抗が小さく上方構造体は長周期化され振動が抑制される。
また、上記ローラーは回転軸付なので、汎用の既製品を用いることができるため安価であり、容易に取り付けることもできるので製造工数を削減して安価に免震装置を形成することができる。
また、上方構造体に連結された減衰手段が下方構造体に当接しているので、入力された振動エネルギーをこの摩擦力に変換させて振動を減衰させることができる。
特に、上方構造体と減衰手段との間には自在継ぎ手が設けられ、減衰手段にはその回動中心の側方且つ上方で復帰手段が結合されているので、相対移動量の大さに伴って振動エネルギーを吸収して効率良く振動を減衰させることができる。
また、この減衰手段は復帰手段によって下方構造体と連結されているので、上方構造体が下方構造体から外れ落ちることを防止することができる。
【0056】
また、請求項2では、レールが断面C字状のチャンネル材なので、地震等によって振動が発生しても上方構造体が下方構造体から外れ落ちることを防止できる。
【0057】
また、請求項3では、上記ローラーがニードルローラーを備えた構成としたので、大きな荷重がローラーに加えられても、上方構造体を確実に支持しつつ滑らかに相対移動する免震装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る免震装置を適用した免震台の一実施形態を示す平断面図である。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 レールとローラーとの係合部分を示す拡大図である。
【図4】 減衰手段の静止状態を示す側断面図である。
【図5】 減衰手段が機能した状態を示す側断面図である。
【図6】 本発明に係る免震装置を適用した免震台の第2の実施形態を示す平面図である。
【図7】 図6のB−B断面図である。
【図8】 図6の正面図である。
【図9】 図6の側面図である。
【図10】 図7のC−C断面図である。
【図11】 第2実施形態におけるレールとローラーとの係合部分を示す拡大図である。
【図12】 図11の斜視図である。
【図13】 従来の免震装置示す正面拡大図である。
【符号の説明】
10 免震台
12 基台(下方構造体)
14 免震装置
16 載置台(上方構造体)
22 第1レール
24 第2レール
26 第1ローラー
26c ニードルローラー
28 第2ローラー
28c ニードルローラー
30 連結部材
44 自在継ぎ手
46 減衰手段
40 (コイルばね)復帰手段

Claims (3)

  1. 下方構造体と上方構造体との間に介在され、下方構造体と上方構造体との相対移動を許容する免震装置であって、
    下方構造体に水平且つ平行に配置される第1レールと、
    上方構造体に水平且つ平行に配置され上記第1レールと直交する第2レールと、
    上記上方構造体との間に自在継ぎ手を介して回動可能に連結されて上記下方構造体に当接される減衰手段と、
    該減衰手段と下方構造体とにそれぞれ結合されて上方構造体と下方構造体との相対変位を復帰させる復帰手段とを備え、
    上記各第1レールと係合し当該第1レールに沿って相対移動する、回転軸と、この回転軸に回動自在に設けられた外輪ローラとを有する第1ローラーと、上記各第2レールと係合し当該第2レールに沿って相対移動する、回転軸と、この回転軸に回動自在に設けられた外輪ローラとを有する第2ローラーとを下方構造体と上方構造体との間に設けられる連結部材に一体に結合し、
    上記復帰手段は前記減衰手段の回動中心の、上記下方構造体と前記上方構造体との相対変位方向への側方且つ上方で前記減衰手段と結合していることを特徴とする免震装置。
  2. 上記各レールが断面C字状のチャンネル材でなり、上記各ローラーの係合状態が維持されることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  3. 上記ローラーがニードルローラーを備えてなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の免震装置。
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