以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る通信装置の一実施形態として、ファクシミリ装置の外観を説明するための説明図である。この図を参照して簡単に説明すると、本発明に係るファクシミリ装置Aの操作部23には、テンキーや各種の機能ボタンが設けられている。機能ボタンには、電話帳機能に対応して相手先電話番号に関する蓄積情報としての電話帳データを登録したり、検索したりする際に操作するための電話帳ボタン23Aや、伝言機能などに対応して音声に関する伝言情報としての伝言メッセージデータを再生したり、録音したりする際に操作するための再生/録音ボタン23Bがある。また、操作部23には、伝言メッセージを録音するためのマイク23Cも設けられている。表示部24には、一例として320×240ドットとした液晶ディスプレイが設けられており、各種の操作に応じて一度に多数の情報を表示することができる。
図2は、ファクシミリ装置Aの回路構成を示したブロック図である。この図に示すように、ファクシミリ装置Aは、CPU10、NCU11、RAM12、モデム13、ROM14、NVRAM(不揮発性RAM:Non−Volatile RAM)15、ゲートアレイ16、コーデック17、DMAC18、読取部21、印刷部22、操作部23、表示部24、および外付接続部25などを具備して概略構成されている。CPU10、NCU11、RAM12、モデム13、ROM14、NVRAM15、ゲートアレイ16、コーデック17、およびDMAC18は、バス線27により相互に接続されている。バス線27には、アドレスバス、データバス、および制御信号線が含まれる。ゲートアレイ16には、読取部21、印刷部22、操作部23、表示部24、および外付接続部25が接続されている。NCU11には、公衆電話回線28が接続されている。一方、外付接続部25には、携帯型通信機としての携帯型電話機Bが接続されている。
CPU10は、ファクシミリ装置全体の動作を制御する。NCU11は、公衆電話回線28に接続されて網制御を行う。RAM12は、CPU10の作業領域や一時的なデータの格納領域などを提供する。モデム13は、ファクシミリデータの変調や復調などを行う。ROM14は、CPU10が実行すべきプログラムなどを記憶している。NVRAM15は、電話帳データや伝言メッセージデータを記憶する。特に、NVRAM15には、本装置を共同で使用するのに際して電話帳データや伝言メッセージデータなどを記憶するための記憶領域のほか、私的な携帯型電話機Bの電話帳データを登録するための記憶領域や、携帯型電話機Bの携帯電話番号をパスワード代わりにして伝言メッセージデータを記録するための記憶領域が確保されている。このNVRAM15の詳細については後に説明する。ゲートアレイ16は、CPU10と各部21〜25とのインターフェイスとして機能する。コーデック17は、ファクシミリデータなどの符号化や復号化を行う。DMAC18は、主にRAM12へのデータの書き込みや読み出しを行う。
読取部21は、イメージセンサやLED光源などを備え、原稿などから文字や図形などの画像を読み取る。印字手段としての印刷部22は、たとえばインクジェット方式などにより文字や図形などの画像を用紙上に印刷する。操作部23は、先述したようにテンキーや各種の機能ボタンなどを備え、ユーザからの入力信号をCPU10に伝える。表示部24は、先述したように液晶ディスプレイを備え、各種の情報を表示する。外付接続部25は、携帯型電話機Bをケーブル接続するためのポートであって、この携帯型電話機Bとの間でデータや制御コマンドをやり取りする。なお、携帯型電話機Bは、移動体通信網を介して相手先と音声をやり取りするために主に用いられるものであるが、この携帯型電話機Bの図示しないメモリには、電話帳機能に対応して相手先電話番号などに関する電話帳データが記憶されており、この電話帳データをファクシミリ装置Aへと転送することができる。一般に携帯型電話機Bには、固有識別情報としての携帯電話番号が割り当てられており、この携帯電話番号を主たるキーとすることで以下に説明する機能が実現されている。
要点について説明すると、本ファクシミリ装置AのCPU10は、携帯型電話機Bとの間で制御コマンドをやり取りすることにより、その携帯型電話機Bから携帯電話番号を取得し、その携帯電話番号と一対一に対応する記憶領域をNVRAM15に確保し、その記憶領域に携帯型電話機Bの電話帳データを取り込むといった動作を行う。つまり、NVRAM15には、各携帯電話番号と一対一に対応して各携帯型電話機の電話帳データを登録することができ、こうして登録された電話帳データを該当する携帯型電話機が接続されている場合に呼び出すといったパーソナルサービス機能が実現されている。
図3は、NVRAM15のメモリマップ構造を簡略化して示した概要図であって、この図も参照してパーソナルサービス機能の一例について説明すると、はじめて携帯型電話機Bを外付接続部25に接続した状態とし、電話帳ボタン23Aを押下した場合、まず最初にCPU10は、その携帯型電話機Bから携帯電話番号を読み出し、その携帯電話番号がNVRAM15のテーブル領域に既存の携帯電話番号と一致する領域が存在するか否かを照合する。この場合、存在しないとの照合結果が得られることから、CPU10は、携帯型電話機Bの携帯電話番号と一対一に対応したエリア(記憶領域)を実記憶領域内に新たに確保し、そのエリア番号と携帯電話番号とを対応付けてテーブル領域に書き加える。これにより、実記憶領域の対応するエリアには、携帯型電話機Bの電話帳データが登録されることとなる。
その一方、既に登録済みの携帯型電話機Bを外付接続部25に接続して電話帳ボタン23Aを押下した場合には、CPU10によってその携帯型電話機Bから読み出した携帯電話番号がテーブル領域に既に書き込まれたものと一致するとの照合結果が得られる。この場合、CPU10は、携帯型電話機Bから電話帳データを直接読み出して表示部24に表示させ、その次には、実記憶領域内の対応するエリアに既に登録済みの電話帳データを読み出して表示部24に表示させ、最後に、共同で用いるために登録された電話帳データをエリア0から読み出して表示部24に表示させる。このようにして電話帳データを表示させる際には、電話帳ボタン23Aを操作することでスクロール表示させることができる。また、所望とする相手先電話番号については、電話帳データのスクロール表示や文字検索によって選択することができ、こうして選択された相手先電話番号を発呼することができる。もちろん、電話帳データは、表示用データとして用いられるだけでなく、印刷部22を介して相手先電話番号の一覧を用紙上に印字するためにも用いることができる。
また、本ファクシミリ装置Aでは、上記した電話帳データと同様に、伝言メッセージデータについても携帯電話番号と一対一に対応したエリアごとに分けて記録しておくことができる。たとえば、携帯型電話機Bのユーザに宛てた伝言メッセージデータは、その携帯電話番号に対応するエリアに記録され、携帯型電話機Bのユーザ本人が伝言メッセージを聴きたい場合には、携帯型電話機Bを接続するだけで対応した伝言メッセージデータの件数の表示や報知、または自動再生などをさせることができる。
要するに、パーソナルサービス機能によれば、携帯型電話機ごとに異なる携帯電話番号を主キーとして電話帳データや伝言メッセージデータをNVRAM15に登録することができる。また、各携帯型電話機に対応して電話帳データや伝言メッセージデータが既に登録されている場合には、現時点で接続された携帯型電話機に対応する電話帳データや伝言メッセージデータを呼び出すことができる。さらに、NVRAM15の記憶容量が許す限り、携帯型電話機ごとに対応関係をなす記憶領域を確保することができ、多数の携帯型電話機に対処することができる。なお、図3の実記憶領域内における各エリアは、新規に確保する場合および拡張する場合に限らず、必ずしもアドレスが連続した記憶領域である必要はなく、各携帯電話番号との対応関係がテーブル領域に規定される限りにおいては、アドレスが不連続とした領域であっても良い。たとえば、一つの携帯電話番号と一対一に対応するエリアは、分散した状態で存在しても良い。また、新たに領域を確保する場合の領域の大きさは、固定であってもさらに接続される携帯型電話機の蓄積されている情報に合わせて可変しても良い。
すなわち、CPU10は、携帯型通信機の接続/非接続を検出する接続検出手段と、接続検出手段により接続を検出しているときに、携帯型通信機から固有識別情報および蓄積情報を取得する情報取得手段と、情報記憶手段(NVRAM15)内に情報取得手段により取得した固有識別情報と一対一に対応させて、携帯型通信機の蓄積情報を記憶するための記憶領域を確保する記憶領域確保手段と、記憶領域確保手段により確保した記憶領域に対する読み書きを制御する制御手段とを実現している。また、CPU10は、接続検出手段により携帯型通信機の接続を検出しているときに、情報取得手段によりその携帯型通信機から固有識別情報を取得し、その固有識別情報と対応する既存の前記記憶領域が存在するかどうかを照合する固有識別情報照合手段を実現している。さらに、CPU10は、情報記憶手段内に情報取得手段により取得した固有識別情報と一対一に対応させて、外部から伝言情報を記録するための記憶領域を確保する記憶領域確保手段と、記憶領域確保手段により確保した記憶領域に対し、外部からの伝言情報を記録する伝言情報記録手段と、携帯型通信機の接続を検出しているときに、伝言情報記録手段により記憶領域に記録された伝言情報を再生する伝言情報再生手段とを実現している。
ROM14は、携帯型通信機を有線または無線により接続し得る通信装置を制御するためのプログラムを記憶した記憶媒体であって、携帯型通信機の接続/非接続を検出するための接続検出プログラムと、接続検出プログラムに基づいて接続を検出しているときに、携帯型通信機から固有識別情報および蓄積情報を取得するための情報取得プログラムと、固有識別情報取得プログラムに基づいて取得した固有識別情報と一対一に対応させて、携帯型通信機の蓄積情報を記憶するための記憶領域を確保するための記憶領域確保プログラムと、記憶領域確保プログラムに基づいて確保された記憶領域に対し、携帯型通信機から蓄積情報を記憶するための蓄積情報記憶プログラムとを含むプログラムを記憶した記憶媒体を実現している。また、ROM14は、情報取得プログラムに基づいて取得した固有識別情報と一対一に対応させて、外部から伝言情報を記録するための記憶領域を確保するための記憶領域確保プログラムと、記憶領域確保プログラムに基づいて確保した記憶領域に対し、外部からの伝言情報を記録するための伝言情報記録プログラムと、携帯型通信機の接続を検出しているときに、伝言情報記録プログラムに基づいて記憶領域に記録した伝言情報を再生するための伝言情報再生プログラムとを含むプログラムを記憶した記憶媒体を実現している。
次に、パーソナルサービス機能に関連したファクシミリ装置Aの動作について説明する。
図4は、パーソナル電話帳登録処理の動作手順を示すフローチャートである。なお、この処理が始まる際には、携帯型電話機Bが接続されているとする。接続されているとは、通信が可能な状態にあることを示している。
図4において、携帯型電話機Bが接続状態にある場合、CPU10は、携帯型電話機Bと制御コマンドをやり取りしてそれから携帯電話番号を取得する(S1)。
取得した携帯電話番号がNVRAM15のテーブル領域に既に登録済みの場合(S2:YES)、CPU10は、その携帯電話番号に対応して既に登録済みとされた電話帳データと、携帯型電話機Bから直接読み込んで得た電話帳データとの双方の内容が一致するか否かチェックする(S3)。このとき、電話帳データを表示した状態としても、表示しない状態としてもいずれであっても良い。
双方の電話帳データの内容が一致しない場合(S4:NO)、CPU10は、その旨をユーザに伝えるべく報知音を発生させ、さらに表示部24で報知する(S5)。
報知を受けたユーザにより電話帳データを更新すべき指示がなされた場合(S6:YES)、CPU10は、電話帳データの更新処理を行う(S7)。この電話帳データの更新処理においては、双方の電話帳データにおいて重複しないデータが追加されるほか、たとえばNVRAM15に現存する電話帳データを携帯型電話機Bの電話帳データに一括して置き換えるとしても良い。このとき、確保されている領域が必要な領域より小さい場合には、自動または手動で領域の拡張を行うとしても良い。
その後、ユーザにより印刷指示がなされると(S8:YES)、CPU10は、上記携帯電話番号に対応する電話帳データの一覧(パーソナル電話帳)を印刷させ、さらに続けて共同で使用される電話帳データの一覧(一般電話帳)を印刷させることにより、このパーソナル電話帳登録処理を終える。このとき、一般電話帳については、印刷させないとしても良い。
S8において、ユーザにより印刷指示がなされない場合(S8:NO)、CPU10は、そのままこのパーソナル電話帳登録処理を終える。
S6において、ユーザにより電話帳データを更新すべき指示がなされない場合(S6:NO)、CPU10は、NVRAM15に現存する電話帳データをそのままとした状態でS8に進む。
S4において、双方の電話帳データの内容が一致する場合についても(S4:YES)、CPU10は、NVRAM15に現存する電話帳データをそのままとした状態でS8に進む。このとき、ユーザの操作に応じて新たな電話帳データを追加するとしても良い。
S2において、取得した携帯電話番号が未登録の場合(S2:NO)、CPU10は、その携帯電話番号に対応したパーソナル電話帳のための新規エリアを開設する(S10)。つまり、NVRAM15においては、既に登録済みの電話帳データが存在するエリアとは別にして新規エリアが設けられ、その新規エリアとS1にて取得した携帯電話番号とが一対一の対応関係にあることがテーブル領域に記される。なお、このとき確保するエリアは、「0」すなわちテーブル(管理)領域とし、情報を取得するごとに動的に確保するようにしても良い。
こうしてパーソナル電話帳の新規エリアを開設した後、CPU10は、その新規エリアに対して現時点で接続状態にある携帯型電話機Bから取り込んだ電話帳データを登録し(S11)、その後S8に進む。
次に、図5は、パーソナル電話帳検索処理の動作手順を示すフローチャートである。なお、この処理が始まる際にも、携帯型電話機Bが接続されているとするが、このときの携帯型電話機Bは、先述のパーソナル電話帳登録処理に既に用いられたものでも、あるいは未だ用いられていないものでもどちらであっても良い。
図5において、携帯型電話機Bが接続状態にある場合、CPU10は、携帯型電話機Bと制御コマンドをやり取りしてそれから携帯電話番号を取得する(S21)。
取得した携帯電話番号がNVRAM15のテーブル領域に既に登録済みの場合(S22:YES)、CPU10は、その携帯型電話機Bから直接電話帳データを読み出して表示部24に表示させる(S23)。
携帯型電話機Bの電話帳データを表示し終えると、CPU10は、続いて上記携帯電話番号に対応して既にNVRAM15に登録済みとされたパーソナル電話帳を読み出して表示部24に表示させる(S24)。
このような表示を経てユーザにより何らかの検索文字が入力されると(S25:YES)、CPU10は、携帯型電話機Bの電話帳データとNVRAM15に登録済みとされたパーソナル電話帳とを対象として、該当する電話帳データの検索処理を行う(S26)。
検索結果がある場合(S27:YES)、CPU10は、検索結果として該当する全ての電話帳データを順次表示させる(S28)。
検索結果として表示された電話帳データのなかに目的とする電話帳データが見当たらず、ユーザにより電話帳を変更する操作がなされた場合(S29:YES)、CPU10は、NVRAM15から一般電話帳を読み出して表示部24に表示させる(S30)。
そして、CPU10は、一般電話帳を対象として該当する電話帳データの検索処理を行う(S31)。
検索結果がある場合(S32:YES)、CPU10は、検索結果として一般電話帳内において該当する全ての電話帳データを順次表示させる(S33)。
このような表示を経てユーザにより目的とする電話帳データが選択されると(S34:YES)、CPU10は、その電話帳データに含まれる相手先電話番号を公衆電話回線28上に送出するといった発呼処理を行い(S35)、このパーソナル電話帳検索処理を終える。
S34において、検索結果として表示された電話帳データのなかに目的とする電話帳データが見当たらず、ユーザにより何ら選択操作がなされない場合(S34:NO)、CPU10は、発呼処理を行うことなくそのままパーソナル電話帳検索処理を終える。
S32において、検索結果として該当する電話帳データがない場合(S32:NO)、CPU10は、発呼処理を行うことなくそのままパーソナル電話帳検索処理を終える。
S29において、ユーザにより電話帳を変更する操作がなされない場合も(S29:NO)、CPU10は、発呼処理を行うことなくそのままパーソナル電話帳検索処理を終える。
S27において、検索結果として該当する電話帳データがない場合(S27:NO)、CPU10は、S30に進む。
S25において、ユーザにより検索文字が入力されることなく(S25:NO)、表示内容から直接目的とする電話帳データが選択されると(S36:YES)、CPU10は、S35に進んでこの時点で選択された電話帳データに含まれる相手先電話番号を公衆電話回線28上に送出するといった発呼処理を行う。
一方、S36において、目的とする電話帳データが選択されることもなく、ユーザにより何ら操作がなされない場合(S36:NO)、CPU10は、発呼処理を行うことなくそのままパーソナル電話帳検索処理を終える。
S22において、取得した携帯電話番号が未登録の場合(S22:NO)、CPU10は、S30に進む。
なお、上記は一例であり、S24のステップを変更し、携帯型電話機Bに蓄積されている情報とファクシミリ装置Aに蓄積されている情報とを比較する手段を持ち、相違する情報のみ出力するようにしても良い。
次に、図6は、電話帳登録処理の初期動作手順を示すフローチャートである。なお、この処理が始まる際には、携帯型電話機Bが接続された状態でも、あるいは接続されていない状態でもどちらであっても良い。
図6において、最初にCPU10は、携帯型電話機Bが接続された状態にあるか否かを調べる(S41)。
携帯型電話機Bが接続されておらず(S41:NO)、ユーザにより直接携帯電話番号が入力されることもない場合(S42:NO)、CPU10は、一般電話帳に対して電話帳データを登録する処理を行い(S43)、その後この電話帳登録処理を終える。つまり、S43においては、共同で用いられる電話帳データがユーザのマニュアル操作に応じて登録されることとなる。
S42において、ユーザにより直接携帯電話番号が入力された場合(S42:YES)、CPU10は、その入力された携帯電話番号に対応するパーソナル電話帳に対して電話帳データを登録する処理を行い(S44)、その後この電話帳登録処理を終える。つまり、S44においては、特定の携帯型電話機を接続した場合に利用できる電話帳データがユーザのマニュアル操作に応じて登録されることとなる。
S41において、携帯型電話機Bが接続されている場合(S41:YES)、CPU10は、S44に進んでその携帯型電話機Bから取得した携帯電話番号に対応するパーソナル電話帳に対して電話帳データを登録する処理を行う。つまり、この場合には、接続状態にある携帯型電話機Bに応じて利用できる電話帳データがユーザのマニュアル操作に応じて登録されることとなる。このとき、図4のS11と同様に、現時点で接続状態にある携帯型電話機Bから取り込んだ電話帳データを登録したり、自動的にパーソナル電話帳を更新するとしても良い。
次に、図7は、電話帳検索処理の初期動作手順を示すフローチャートである。なお、この処理が始まる際には、携帯型電話機Bが接続された状態でも、あるいは接続されていない状態でもどちらであっても良い。
図7において、最初にCPU10は、携帯型電話機Bが接続された状態にあるか否かを調べる(S51)。
携帯型電話機Bが接続されておらず(S51:NO)、ユーザにより直接携帯電話番号が入力されることもない場合(S52:NO)、CPU10は、一般電話帳を対象として電話帳データを検索する処理を行い(S53)、その後この電話帳検索処理を終える。つまり、S53においては、共同で用いられる電話帳データの中からユーザが目的とする電話帳データを呼び出すことができる。
S52において、ユーザにより直接携帯電話番号が入力された場合(S52:YES)、CPU10は、その入力された携帯電話番号に対応するパーソナル電話帳を対象として電話帳データを検索する処理を行い(S54)、その後この電話帳検索処理を終える。つまり、S54においては、特定の携帯型電話機を接続した場合に利用できる電話帳データの中からユーザが目的とする電話帳データを呼び出すことができる。
S51において、携帯型電話機Bが接続されている場合(S51:YES)、CPU10は、S54に進んでその携帯型電話機Bから取得した携帯電話番号に対応するパーソナル電話帳を対象として電話帳データを検索する処理を行う。つまり、この場合には、接続状態にある携帯型電話機Bに応じて利用できる電話帳データの中からユーザが目的とする電話帳データを呼び出すことができる。
次に、図8は、伝言メッセージ再生処理の動作手順を示すフローチャートである。なお、この処理を始めるにあたっては、先述したパーソナル電話帳と同様に、携帯型電話機Bの携帯電話番号に対応して伝言メッセージデータをNVRAM15に記録すべく、その携帯電話番号に対応したエリアが設けられているとする。各携帯電話番号に対応したエリアには、伝言メッセージデータが既に記録されているとしても、あるいは未だ記録されていなくてもどちらであっても良い。
図8において、最初にCPU10は、携帯型電話機Bが接続された状態にあるか否かを調べる(S61)。
携帯型電話機Bが接続されておらず(S61:NO)、ユーザにより直接携帯電話番号が入力されることもない場合(S62:NO)、CPU10は、一般メッセージデータを再生する処理を行い(S63)、その後この伝言メッセージ再生処理を終える。一般メッセージデータとは、一般電話帳と同様に共同で利用できる伝言メッセージデータの一群を意味する。つまり、S63においては、共同で用いるために記録された伝言メッセージデータを再生することができるのである。
S62において、ユーザにより直接携帯電話番号が入力された場合(S62:YES)、CPU10は、その入力された携帯電話番号に対応する伝言メッセージデータがNVRAM15に記録されているか否かを調べる(S64)。
携帯電話番号に対応する伝言メッセージデータがある場合(S64:YES)、CPU10は、パーソナルメッセージデータを再生する処理を行い(S65)、その後この伝言メッセージ再生処理を終える。パーソナルメッセージデータとは、パーソナル電話帳と同様に、携帯電話番号ごとに対応して利用できる伝言メッセージデータの一群を意味する。つまり、S65においては、携帯電話番号をパスワード代わりに用い、その携帯電話番号に対応して記録された伝言メッセージデータを再生することができるのである。
一方、S64において、携帯電話番号に対応する伝言メッセージデータがない場合(S64:NO)、CPU10は、そのままこの伝言メッセージ再生処理を終える。
S61において、携帯型電話機Bが接続されている場合(S61:YES)、CPU10は、S64に進んでその携帯型電話機Bから取得した携帯電話番号に対応する伝言メッセージデータがNVRAM15に記録されているか否かを調べる。つまり、この場合には、接続状態にある携帯型電話機Bに応じて利用できる伝言メッセージデータがNVRAM15に記録されていると、携帯型電話機Bそのものをパスワード代わりに用いて対応する伝言メッセージデータを再生することができるのである。
次に、図9は、伝言メッセージリモート再生処理の動作手順を示すフローチャートである。なお、この処理を始めるにあたっても、携帯型電話機Bの携帯電話番号に対応して伝言メッセージデータをNVRAM15に記録すべく、その携帯電話番号に対応したエリアが設けられているとする。各携帯電話番号に対応したエリアには、伝言メッセージデータが既に記録されているとしても、あるいは未だ記録されていなくてもどちらであっても良い。
図9において、最初にCPU10は、公衆電話回線28を通じて着信があるか否かを監視している(S71)。
着信があった場合(S71:YES)、CPU10は、その着信に応じて発信元から発信者電話番号の通知があるか否かを調べる(S72)。
発信元から発信者電話番号の通知がない場合(S72:NO)、さらにCPU10は、NVRAM15に登録済みの携帯電話番号が発信元のリモート操作に応じて入力されたか否かを監視する(S73)。
発信元からリモート操作によって携帯電話番号が入力されない場合(S73:NO)、CPU10は、携帯電話番号の入力とは異なる所定のリモート操作に応じた入力信号を発信元から受信することにより、図8のS63と同様に、一般メッセージデータの再生処理を行い(S74)、その後この伝言メッセージリモート再生処理を終える。この場合、再生された伝言メッセージは、公衆電話回線28を通じて発信元に伝えられることとなる。
S73において、発信元からリモート操作によって携帯電話番号が入力された場合(S73:YES)、CPU10は、図8のS65と同様に、パーソナルメッセージデータの再生処理を行い(S75)、その後この伝言メッセージリモート再生処理を終える。この場合、入力された携帯電話番号に対応する伝言メッセージデータが再生されることとなり、そうして再生された伝言メッセージは、公衆電話回線28を通じて発信元に伝えられることとなる。
S72において、発信元から発信者電話番号の通知がある場合(S72:YES)、CPU10は、S75に進む。この場合、発信元から通知された携帯電話番号に対応する伝言メッセージデータが再生されることとなり、そうして再生された伝言メッセージは、公衆電話回線28を通じて発信元に伝えられることとなる。
S71において、着信がない場合(S71:NO)、CPU10は、着信があるまでS71に繰り返し戻って待機する。
次に、図10は、対応電話帳変更処理の動作手順を示すフローチャートである。なお、この処理を始めるにあたっては、携帯型電話機の買い替えなどに応じて携帯電話番号を変更するための所定の操作がユーザにより行われるとする。
図10に示すように、CPU10は、携帯電話番号を変更するための操作に応じて旧携帯電話番号を取得する(S81)。ここで、旧携帯電話番号とは、変更する前に利用していた携帯電話番号であって、ユーザにより入力されるものである。なお、旧携帯電話番号は、ユーザにより直接入力されるほか、既に登録済みの携帯電話番号の一覧からユーザが選択するようにしても良い。
そして、CPU10は、入力された旧携帯電話番号が既に登録済みの携帯電話番号であるか否かを判断する(S82)。
入力された旧携帯電話番号が登録済みの場合(S82:YES)、CPU10は、ユーザの入力操作に応じて新しい携帯電話番号を取得する(S83)。なお、新規の携帯型電話機Bが既に接続された状態にある場合には、その携帯型電話機Bと制御コマンドをやり取りして新しい携帯電話番号を取得するとしても良い。
最終的に、CPU10は、ユーザにより携帯電話番号の書き換えを指示する操作がなされると(S84:YES)、登録済みの携帯電話番号を新しい携帯電話番号に書き換える処理を行い(S85)、その後この対応電話帳変更処理を終える。つまり、NVRAM15のテーブル領域に既存の旧携帯電話番号は、新しい携帯電話番号に変更される。なお、携帯電話番号を変更する際に新規の携帯型電話機Bが接続された状態にある場合は、旧携帯電話番号に対応したパーソナル電話帳を新規の携帯型電話機Bに対して転送するとしても良い。そうした場合、買い替え前に利用していたパーソナル電話帳が新規の携帯型電話機Bに一括して登録され、ユーザの手間を省くことができる。
S84において、ユーザにより携帯電話番号の書き換えが許可されない場合(S85:NO)、CPU10は、書き換え中止のメッセージを表示させ(S86)、その後この対応電話帳変更処理を終える。
S82において、入力された携帯電話番号が登録済みの携帯電話番号に無い場合(S82:NO)、CPU10は、入力間違いによりユーザに対して再入力を促すためのメッセージを表示させ(S87)、その後S81に戻る。
したがって、上記ファクシミリ装置Aによれば、携帯型電話機Bの携帯電話番号と一対一に対応するエリアがNVRAM15に確保され、そのエリアに該当する携帯型電話機Bの電話帳データが登録されるので、携帯電話番号を主キーとして携帯型電話機ごとに電話帳データを簡単に登録することができ、NVRAM15の記憶容量が許す限り多くの携帯型電話機に対処することができる。
また、既に携帯電話番号が登録済みとされた携帯型電話機が接続状態にある場合には、その携帯電話番号を主キーとして対応するNVRAM15のエリアからパーソナル電話帳を簡単に呼び出すことができる。
さらに、携帯型電話機の携帯電話番号と一対一に対応するエリアがNVRAM15に確保され、各エリアごとに伝言メッセージデータが記録されるので、携帯電話番号をパスワード代わりに用いて接続状態にある携帯型電話機に応じた伝言メッセージデータを再生させることができ、NVRAM15の記憶容量が許す限り多くの携帯型電話機に対処することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
通信装置としては、携帯型電話機を接続可能とした据置型電話機などにも適用できる。携帯型電話機との接続方式は、有線によるか無線によるかを問わない。ただし、無線で接続する方式では、複数の携帯型電話機が無線通信圏内に存在する場合、どの携帯型電話機と接続するかをユーザが選択するための接続装置選択手段、および強制的に接続を切り離すなどのための手段を設け、接続の制御を行う必要がある。
携帯型通信機としては、携帯型電話機に限らず、たとえば電子手帳などといった携帯情報端末であっても良い。
蓄積情報は、電話帳データに限らず、電子メールデータや留守録機能などに応じて録音された録音データであっても良い。伝言情報についても、伝言メッセージデータに限らず、電子メールデータや留守録機能などに応じて録音された録音データであっても良い。
また、他の実施形態としては、たとえばユーザにより通話用の相手先電話番号を呼び出すための操作がなされた場合、そのような通話用電話番号が主として多く登録された携帯型電話機から先に電話帳を呼び出して表示や印字を行い、その次にパーソナル電話帳について行い、最後に一般電話帳について表示や印字を行う順としても良い。その一方、ユーザによりファクシミリ通信用の相手先電話番号を呼び出すための操作がなされた場合、一般にファクシミリ用電話番号を含むパーソナル電話帳から先に呼び出して表示や印字を行い、その次に一般電話帳について行い、最後に携帯型電話機の電話帳について表示や印字を行う順としても良い。これは、ユーザが呼び出したい電話番号の種類をほとんど含まない電話帳が先に呼び出されるとかえって使い難くなり、電話帳を呼び出す優先順位としては、ユーザにより選択された電話番号の種類を多く含む電話帳を優先的に呼び出す順とする方が使い勝手が良いからである。
携帯電話番号の書き換えは、新規の携帯型電話機を接続するときに既存の携帯電話番号を書き換えるようにしても良い。