JP3940951B2 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物、硬化フィルム、コーティング剤および封止剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。当該樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は透湿性が低いため、湿気に弱い材料を保護することができ、特に、コーティング剤、有機EL材料等の封止材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックは、軽量で優れた加工性を持ち、様々な分野で使用されている。しかし、プラスチックは透湿性が高いものが多く、例えば、電子機材等の保護等に用いる場合には、電子機材に水分が接触することにより、故障が生じやすくなるため、透湿性を抑えるために様々工夫がされている。例えば、透湿性の低いAl2O3などの金属酸化物を真空蒸着やスパッタリングによりプラスチック表面にコーティングする方法(特許文献1参照)等が挙げられる。また、プラスチックに対して水添石油樹脂を添加することで、透湿性が低くなることは、古くから知られている。
【0003】
また、紫外線などで硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化膜についても、同様の傾向があり、低透湿材料でコーティングする必要があった。そこで、このようなコーティングの必要がなく、単独で低透湿性を有する樹脂が検討されている。例えば、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートと環構造を有する(メタ)アクリレートを有する樹脂組成物(特許文献2参照)や、ポリカーボネート変性ウレタンアクリレート、エチレン性不飽和基を持つモノマーおよび無機充填剤を有する樹脂組成物(特許文献3参照)等が知られている。なお、本出願人は、水酸基を含有する水素化石油樹脂の存在下、アクリル系単量体を重合させたアクリル系重合体組成物を提案している(特許文献4参照)が、当該組成物は粘接着剤等に用いられるものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−171413号公報
【特許文献2】
特開平6−80902号公報
【特許文献3】
特開平7−13173号公報
【特許文献4】
特開2001−288204号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように多くの方法が提案されているが、透湿性の低いAl2O3などの金属酸化物を真空蒸着やスパッタリングなどの方法によりプラスチック表面にコーティングする方法は、連続製造には適していないうえ、経済的ではなかった。3官能以上の多官能(メタ)アクリレートと環構造を有する(メタ)アクリレートとを有する樹脂組成物では、環構造を含有することから比較的透湿度が低いものの、多官能アクリレートを使用しているために硬化収縮によるカールの問題があった。また、ポリカーボネート変性ウレタンアクリレート、エチレン性不飽和基を持つモノマーおよび無機充填剤を有する樹脂組成物を用いた場合には、ウレタンアクリレートを含むことにより硬化収縮を抑制してカール発生を少なくできたものの、ウレタンアクリレートは熱膨張が起こりやすく耐熱性が弱い傾向にあった。また、水添石油樹脂を添加する方法については、水添石油樹脂と相溶する樹脂が限定され、活性エネルギー線硬化性樹脂で相溶するものは、非常に少ないといった問題があった。
【0006】
本発明は、カールが少なく、環構造を有する活性エネルギー線硬化性樹脂よりもさらに低透湿性である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記従来技術の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の石油樹脂と重合性官能基を少なくとも1つ有する化合物とを用いることにより前記課題をことごとく解決し、しかも、重合性官能基を少なくとも1つ有する化合物として脂環構造を有する化合物を用いた場合には、特に優れた透湿性を有する硬化物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、水酸基含有水素化石油樹脂(a)および重合性官能基を少なくとも1つ有する化合物(b)を含有し、かつ重合性官能基を少なくとも1つ有する化合物(b)の50重量%以上が脂環構造を有する化合物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物;当該樹脂組成物を活性エネルギー線により硬化して得られる硬化物;当該樹脂組成物を活性エネルギー線により硬化して得られる硬化フィルム;当該樹脂組成物を含有するコーティング剤および当該樹脂組成物を含有する封止剤に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の構成成分である水酸基含有水素化石油樹脂(a)(以下、(a)成分という)について説明する。(a)成分は、水酸基含有石油樹脂を公知の方法で水素化して得られる。
【0010】
本発明の(a)成分を得るために用いられる水酸基含有石油樹脂とは、例えば、石油留分中に含まれる重合性ジエンモノマーと不飽和アルコールとを共重合させて得られるものが挙げられる。
【0011】
水酸基含有石油樹脂の製造に用いられる石油留分中に含まれる重合性ジエンモノマーとしては、例えば、イソプレン、ペンタジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエンおよびこれらの2量体、3量体さらにこれらの共2量体等のジエン系成分等が挙げられる。
【0012】
水酸基含有石油樹脂の製造に用いられる不飽和アルコールとしては、例えば、アリルアルコール、クロチルアルコール、1,4−ブテンジオール、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートまたは3−メチル−2プロペン−1−オール、2−メチル−2プロペン−1−オール等のアルキル置換アリルアルコールなどが挙げられる。
【0013】
水酸基含有石油樹脂の共重合方法としては、特に限定されず、各種公知の方法を採用することができる。具体的には、例えば、重合性ジエンモノマーと不飽和アルコールの共存下にフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合する方法、重合性ジエンモノマーと不飽和アルコールの共存下にラジカル重合開始剤の存在下に重合する方法、重合性ジエンモノマーと不飽和アルコールの共存下にオートクレーブ中で熱重合する方法等が挙げられる。このようにして得られる水酸基含有石油樹脂の具体例としては、例えばアリルアルコール変性ジシクロペンタジエン樹脂等が透湿性を特に向上させることができるため好ましい。なお、当該樹脂の市販される製品例としてはクイントン1700(日本ゼオン(株)製)、ネオレジンNB−90(新日本石油化学(株)製)等が挙げられる。
【0014】
(a)成分は、原料樹脂である水酸基含有石油樹脂を公知の方法で水素化して得られる。例えば、公知の水素化触媒を用いて、水素化圧力を通常0.2〜30MPa程度の範囲、反応温度を通常80〜350℃程度の範囲として水素化する。該水素化反応は通常水酸基含有石油樹脂を溶融して、または溶剤に溶解した状態で行うことができる。なお、反応形式については、回分式、流通式(固定床式、流動床式等)等を問わない。なお、当該水酸基含有水素化石油樹脂のオレフィン部分の水素化反応率は特に限定されないが、完全に水素化することが色調、臭気、安定性向上の観点から望ましい。
【0015】
(a)成分の軟化点は、使用目的により適宜選択すればよいが、通常、60〜200℃程度である。なお、軟化点が低いと耐熱性が低下するため、軟化点は70℃以上とするのが好ましく、80〜130℃がより好ましい。(a)成分の重量平均分子量は、通常、200〜3,000程度であり、好ましくは200〜2,000である。重量平均分子量が、3,000を超える場合には、活性エネルギー線硬化性樹脂との相溶性が著しく低下する場合があり、200より小さい場合には、硬化させた後に、ブリードアウトしてくる場合がある。
【0016】
(a)成分の水酸基価は10〜250mgKOH/g程度であるのが好ましく、20〜220mgKOH/gであるのがより好ましい。水酸基価が10mgKOH/gより小さい場合、活性エネルギー線硬化性樹脂との相溶性が著しく低下する場合があり、また、250mgKOH/gより大きくすることは、化合物の構造や製造条件の点から難しい。(a)成分の色調は、特に限定されないが、一般的に5ガードナー以下、より好ましくは1ガードナー以下である。
【0017】
なお、(a)成分に酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することにより、その硬化物の安定性や色調をより向上させることができる。
【0018】
重合性官能基を少なくとも1つ有する化合物(b)(以下、(b)成分という)としては、活性エネルギー線で重合するものであれば特に限定されず、公知のものが使用できる。具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレートおよびこれらのオリゴマー類、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートならびにペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレートなどが挙げられる。ただし、本発明は、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する化合物を、50重量%以上とすることで透湿性を著しく向上させるものである。なお、特にジメチロール−トリシクロデカンジアクリレートが、最も透湿性を低くすることができるため好ましい。脂環構造を有する化合物の使用量は、(b)成分の50〜95重量%とすることが好ましい。これら(b)成分は、硬化物の要求性能により適宜単独で、または数種を混合して用いることができる。例えば、柔軟性を向上させたい場合には、各種ウレタンアクリレートを使用することが好ましく、また、硬度を高めたい場合には、多官能アクリレートを使用することが好ましい。
【0019】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、(a)成分および(b)成分を含有するものである。(a)成分と(b)成分の使用割合((a)成分/(b)成分)は、目的とする硬化物の諸物性から決定されるが、通常、重量比で、(a)成分/(b)成分が1/99〜50/50程度、好ましくは5/95〜30/70の範囲である。(a)成分が(a)/(b)=1/99よりも少ないと透湿性を低くする効果が低下する傾向にあり、また、50/50より多くなると活性エネルギー線により硬化させたときに、硬化膜が脆くなる傾向がある。なお、当該樹脂組成物には、本発明の効果を維持できる範囲で、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、具体的には、フィラー等の無機充填材、重合禁止剤、酸化防止剤等を用いることができる。特に、フィラー等の無機充填剤を用いることにより、透湿性をより低くすることができるため好ましい。
【0020】
本発明のコーティング剤は、当該エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有するものであるが、本発明の効果を維持できる範囲において、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、具体的には接着力向上を目的としてカップリング剤やリン化合物、レベリング剤等を用いることができる。
【0021】
本発明の封止剤は、当該エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有するものであるが、本発明の効果を維持できる範囲において、難燃剤、可塑剤等を添加することができる。
【0022】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線によって硬化することができる。活性エネルギー線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線、アルファ線、ベータ線、ガンマ線等をいい、これら活性エネルギー線の線源としては、組成物をコーティング後短時間で硬化させるという目的が得られる限り特に制限を受けるものではないが、赤外線の線源としては、例えば、ランプ、抵抗加熱板、レーザー等、可視光線の線源としては、例えば、直射日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等、紫外線の線源としては、例えば、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等、電子線の線源としては、例えば、市販されているタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰極方式およびイオン化したガス状分子と金属電極との衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式等が挙げられる。アルファ線、ベータ線およびガンマ線の線源としては、例えばCo60等の核分裂物質が挙げられ、ガンマ線については加速電子を陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。これら活性エネルギー線は、単独もしくは2種以上を同時に照射してもよい。なお、本発明の樹脂組成物には、硬化時間を短縮させるために重合開始剤を添加することが好ましく、そのような重合開始剤としては、公知の放射線照射により活性ラジカル種を発生させる化合物(以下、(放射線重合開始剤)という)が用いられる。
【0023】
上記放射線重合開始剤は、紫外線照射等により活性ラジカル種を発生させる化合物であり、具体例として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロアセトフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド等などが挙げられる。これらの市販品としては、例えば、IRGACURE184、651、500、907、DAROCURE1116、1173、(以上、チバ・スベシャルティ・ケミカルズ(株)製)およびLUCIRINE LR8728(以上、BASF(株)製)、ユベクリルP36(UCB(株)製)およびVICURE55(アクゾ(株)製)、ESACURE KIP 150、KIP 75LT(日本シイベルヘグナー(株)製)等が挙げられる。これらの中では、IRGACURE184、ESACURE KIP 150が好ましい。放射線重合開始剤を用いる場合は、通常、硬化性組成物の固形分100重量部に対し0.1〜10重量部程度配合され、好ましくは1〜5重量部配合される。0.1重量部未満の場合には、硬化速度は遅く、10重量部を超えると経済的でない。
【0024】
前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、型にいれた後、前記方法により硬化させることで、透湿性の改良された硬化物を得ることができる。また、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をバーコーターなどによりガラス表面に塗布した後に活性エネルギー線を照射することにより、硬化フィルムとすることができる。当該硬化フィルムは、通常のプラスチックフィルムと比較し透湿性が改善されたものであり、カール性も良好である。
【0025】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化して得られた硬化物またはフィルムは、通常の活性エネルギー線硬化性樹脂に比べ透湿性が低く、湿気に対して弱い物質の保護コーティングとして用いることができる。そのため、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を封止剤として用いた場合には、有用である。さらに、活性エネルギー線により硬化するため、熱硬化に比べはるかに速く硬化する。また、真空蒸着やスパッタリングを行わないので、工程が簡単で経済的である。
【0026】
【実施例】
以下に製造例、実施例および比較例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、部および%は重量基準である。
【0027】
実施例1
攪拌機、分水器、温度計、空気吹込み管、窒素吹き込み口を備えた反応装置に水酸基含有水素化石油樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「KR−1842」、Mw:470、軟化点:120℃、水酸基価:190mgKOH/g)30部、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート(共栄社化学(株)製、商品名「ライトアクリレートDCP−A」)50部、2官能ウレタンアクリレート(荒川化学工業(株)製、商品名「ビームセット505R」)20部、および重合禁止剤としてメトキノン0.1部を仕込み、液中に空気を吹込み、窒素気流下80℃で2時間撹拌し、KR−1842を完全に溶解させた。そして、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名「イルガキュア184」)5部を仕込み、さらに1時間撹拌して溶解させた。粘度は、1,800mPa・s/25℃であった。
【0028】
実施例2
実施例1と同様の反応装置に、水酸基含有水素化石油樹脂(商品名「KR−1842」)10部、水添ビスフェノール−ジグリシジルエーテルアクリル酸付加物90部、および重合禁止剤としてメトキノン0.1部を仕込み、液中に空気を吹込み、窒素気流下80℃で2時間撹拌し、KR−1842を完全に溶解させた。そして、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」)5部を仕込み、さらに1時間撹拌して溶解させた。粘度は、460,000mPa・s/25℃であった。
【0029】
実施例3
実施例1と同様の反応装置に、水酸基含有水素化石油樹脂(商品名「KR−1842」)30部、イソボロニルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名「IBXA」)40部、2官能ウレタンアクリレート(商品名「ビームセット505R」)30部、および重合禁止剤としてメトキノン0.1部を仕込み、液中に空気を吹込み、窒素気流下、80℃で2時間撹拌し、KR−1842を完全に溶解させた。そして、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」)5部を仕込み、さらに1時間撹拌して溶解させた。粘度は、8,600mPa・s/25℃であった。
【0030】
実施例4
実施例1と同様の反応装置に、水酸基含有水素化石油樹脂(商品名「KR−1842」)30部、1,9−ノナンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名「ビスコート#260」)30部、水添ビスフェノール−ジグリシジルエーテルアクリル酸付加物40部、および重合禁止剤としてメトキノン0.1部を仕込み、液中に空気を吹込み、窒素気流下、80℃で2時間撹拌し、KR−1842を完全に溶解させた。そして光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」)5部を仕込み、さらに1時間撹拌し、溶解させた。粘度は、100mPa・s/25℃であった。
【0031】
比較例1
実施例1と同様の反応装置に、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート(商品名「ライトアクリレートDCP−A」)60部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(荒川化学工業(株)製、商品名「ビームセット700」)40部、および光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」)5部を仕込み、液中に空気を吹込み、窒素気流下80℃で1時間撹拌し、完全に溶解させた。
【0032】
比較例2
実施例1と同様の反応装置に、イソボロニルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名「IBXA」)40部、2官能ウレタンアクリレート(荒川化学工業(株)製、商品名「ビームセット505R」)40部、重合禁止剤としてメトキノン0.1部、および光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」)5部を仕込み、液中に空気を吹込み、窒素気流下80℃で2時間撹拌し、完全に溶解させた。粘度は、6,000mPa・s/25℃であった。
【0034】
比較例3
実施例1と同様の反応装置に、水素化石油樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「アルコンP−115」Mw:710、軟化点:115℃)30部、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート(商品名「ライトアクリレートDCP−A」)70部、重合禁止剤としてメトキノン0.1部、および光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」)5部を仕込み、液中に空気を吹込み、窒素気流下80℃で2時間撹拌したが、白濁し溶解しなかった。
【0035】
評価例1〜4および比較評価例1〜3
上記実施例1〜4および比較例1〜3で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、ガラス板上に30〜100μmに塗工し、これに高圧水銀灯を照射して硬化させ(120W/cm×10cm(H)×1灯×10m/分×3パス)、これを硬化塗膜とした。この硬化塗膜を用いて、各種試験を行った。
【0036】
透湿度:JIS Z0208に記載の方法(カップ法)に従い、透湿度測定を行った。乾燥剤として無水塩化カルシウム10gをカップに入れ、上記の方法で得られた硬化フィルム(膜厚:40μm)をその上に置き、封ろう剤で密閉した。得られた試験カップを室温で1時間放置した後、精秤した。精秤したカップを40℃、90%RHで24時間放置した後の重量変化を測定した。透湿度は以下の式で算出した。
透湿度(g/m2)=サンプルの増加重量(g)/測定面積(m2)
(測定面積はフィルムの露出面積(直径6cm))
【0037】
加工性:膜厚100μmの硬化塗膜の加工性(割れ性)を評価した。硬化塗膜を、棒に巻きつけて、割れたときの棒の直径で評価した。
◎:直径5mm未満でも割れない
○:直径5mmのときに割れる
△:直径7mmのときに割れる
×:直径9mmのときに割れる
【0038】
カール性:100μmの硬化塗膜を10cm×10cmにし、4角の高さの平均でカールを評価した。
○:1mm未満
△:1mm以上3mm未満
×:3mm以上
【0039】
【表1】
【0040】
比較例3は、硬化前の溶液が白濁し、使用できなかった。
Claims (7)
- 水酸基含有水素化石油樹脂(a)および重合性官能基を少なくとも1つ有する化合物(b)を含有し、かつ重合性官能基を少なくとも1つ有する化合物(b)の50重量%以上が脂環構造を有する化合物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 水酸基含有水素化石油樹脂(a)が、アルコール変性ジシクロペンタジエン系樹脂の水素化物である請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 脂環構造を有する化合物が、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジ(メタ)アクリレートおよび水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線により硬化して得られる硬化物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線により硬化して得られる硬化フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有するコーティング剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有する封止剤。
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