JP3940908B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼装置に関するものであり、特に燃焼ガスの潜熱を利用する熱交換器を備えた燃焼装置として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
床暖房等の暖房器具と、風呂の追い焚き機能を一台の燃焼装置で賄う構造の燃焼装置が知られている。当該燃焼装置では、燃焼ガスの流路内に設けられた気・液熱交換器と、燃焼ガス流路外に設けられた液・液熱交換器を備える。そして液・液熱交換器は、気・液熱交換器の両端側を接続する様に配管されている。また液・液熱交換器には熱動弁等の開閉弁が接続されている。そして気・液熱交換器に暖房器具が接続され、液・液熱交換器には風呂が接続される。したがって気・液熱交換器を中心に考えたとき、液・液熱交換器と暖房器具は並列関係となる。また燃焼ガス流路内には、暖房機器をバイパスするバイパス流路が設けられている。なおバイパス流路についても液・液熱交換器および暖房器具と並列関係となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、省エネルギーや環境保護の観点から、従来の燃焼装置よりもさらにエネルギー効率の高い燃焼装置が切望されている。そこで、本発明者らはかかる要望を解決すべく燃焼ガスの顕熱に加えて潜熱も回収可能な潜熱回収型燃焼装置を試作した。
【0004】
試作した潜熱回収型燃焼装置は、主として燃焼ガスの顕熱を回収する第1熱交換器と、主として潜熱を回収する第2熱交換器とを備えたものであり、従来の燃焼装置に比べて熱効率が高い。
試作した燃焼装置では、第1熱交換器と第2熱交換器は、直列的に接続され、水等の被加熱物は、第2熱交換器から入り、第1熱交換器側に流れる。また暖房機器をバイパスするバイパス流路が設けられており、当該バイパス流路は、第1熱交換器の出入り側を短絡する様に配管接続されている。また液・液熱交換器は、直列的に接続された状態における前記第1、第2熱交換器の両端側を接続する関係に配管接続され、第1熱交換器と第2熱交換器を中心に考えたとき、液・液熱交換器と暖房器具は並列関係となる。
【0005】
バイパス流路についても液・液熱交換器および暖房器具と並列関係となる。なおパイパス流路を設ける理由は、床暖房等の暖房端末が未接続であったり、暖房端末側の熱動弁等が閉止している状態であっても暖房循環ポンプを動作させて熱媒体の循環が可能とするためである。すなわちバイパス流路は暖房機器をバイパスするものであり、第1熱交換器の入側と出側を短絡する様に配管接続されているから、床暖房等の暖房端末が未接続であったり、暖房端末側の熱動弁等が閉止している状態であっても暖房循環ポンプを動作させると熱媒体が第1熱交換器を経由して循環する。
またパイパス流路を設けるもう一つの理由は、暖房端末等に流れ込む熱媒体の量を調節するためである。
【0006】
風呂の追い焚き側の回路は、公知のものと同一であり、ガス流路外に設けられた液・液熱交換器を備え、第1、第2熱交換器と液・液熱交換器は直列的に接続されている。また液・液熱交換器には熱動弁等の開閉弁が接続されている。
【0007】
上記した構成の燃焼装置は、周知の燃焼装置に潜熱回収用の第2熱交換器を付加したものであり、通常運転の際には何ら問題なく動作する。しかしながら、試作機は、凍結防止運転を行う際に予期しない不具合が生じた。
すなわち寒冷地で使用する燃焼装置は、内部の水の凍結を防止するために、一定条件下においてバーナを燃焼させる。そして同時に気・液熱交換器に水等を循環させる。その結果、器具内の水が加熱され、さらに暖房端末(床暖房器具等)を循環して凍結が防止される。また暖房端末の開閉弁等が閉じている場合には、第1熱交換器をバイパスするバイパス流路を水が循環する。
【0008】
ところが、本出願人等が試作した燃焼装置では、バイパス流路は、第1熱交換器の両端側だけを短絡するものであるから、暖房端末の開閉弁が閉じていると、第2熱交換器側に通水されない。そのため凍結防止運転の際に、第2熱交換器が止水状態で加熱されることとなり、当該熱交換器内に残留する水が沸騰して異音を発生するという不具合が生じた。
そこで第1熱交換器だけでなく、第2熱交換器をもバイパス流路で短絡させる構成も検討したが、当該流路構成によると第2熱交換器の入力側に高温の湯等が流れ込むタイミングが生じ、熱効率の低下を招く為好ましくない。
【0009】
そこで本発明は、実験によって発見された不具合を解消することを課題とするものであり、凍結防止運転時における、第2熱交換器の止水状態での加熱を防ぐことができる燃焼装置の開発を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、燃料を燃焼する燃焼手段と、当該燃焼手段において発生した燃焼ガスと熱交換を行う第1熱交換器と、第1熱交換器よりも燃焼ガスの下流側に配置され第1熱交換器を通過した燃焼ガスと熱交換を行う第2熱交換器と、燃焼ガスの流路外に置かれ、第1及び第2熱交換器で加熱された液体と風呂の湯水との間で熱交換する第3熱交換器と、ポンプと、第3熱交換器に繋がる開閉弁を有し、前記第1、第2熱交換器は直列的に接続され、第3熱交換器は直列的に接続された状態における前記第1、第2熱交換器の両端側を接続する関係に配管接続され、さらに第1熱交換器と第3熱交換器を結ぶ間と、第2熱交換器と第1熱交換器を結ぶ間同士の間であってポンプの上流側がバイパス流路によって配管接続され、当該バイパス流路は、前記第1、第2熱交換器の内で第一熱交換器だけを短絡するものであり、所定の位置に往き口と戻り口が設けられていて液体が他の機器に対して往き来し、さらに凍結防止運転機能を備え、凍結防止運転に際してはポンプが動作すると共に燃焼手段が燃焼し、開閉弁が開いて第1及び第2熱交換器と第3熱交換器を環状に結ぶ流路を開き、燃焼が終了すると開閉弁が閉じることを特徴とする燃焼装置である。
なお凍結防止運転時におけるポンプの起動、燃焼手段への点火、および開閉弁の開動作の順序は不同であるが、通常は、ポンプが回転を開始した後に燃焼手段に対して点火される。
【0011】
本発明の燃焼装置では、通常の気・液熱交換器たる第1熱交換器の下流に潜熱回収用の第2熱交換器が設けられている。そのため本発明の燃焼装置は、熱効率が高い。また本発明の燃焼装置においては、凍結防止運転に際して燃焼手段が燃焼すると開閉弁が開いて第3熱交換器に至る流路を開く。ここで本発明では、第3熱交換器は、直列的に接続された状態における前記第1、第2熱交換器の両端側を接続する関係に配管接続されている。そのため第1、第2熱交換器の水は、第3熱交換器を経由して循環する。そのため試作機で問題となった様な、第2熱交換器の止水状態での加熱は起こらない。
また本発明の燃焼装置では、燃焼が終了すると開閉弁が閉じるので、熱媒体の熱が風呂側に逃げることがなく、熱の無駄な放散を防ぐことができる。
【0012】
また本発明の燃焼装置では、第3熱交換器によって浴槽内の湯水を追い焚きすることができる。
【0013】
また請求項2に記載の発明は、第1、第2熱交換器は、暖房装置に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置である。
【0014】
本発明の燃焼装置では、第1、第2熱交換器によって室内の温度を適温に保つことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である燃焼装置について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の燃焼装置の配管系統図である。図2は、図1の配管系統図の要部を抜き出して簡略化した配管系統図である。図3は、本発明の燃焼装置の動作を説明するフローチャートである。
【0016】
本発明の燃焼装置は、内部に独立した二系統の缶体及び配管系統を備える。すなわち図1において、右側の缶体1は、給湯用であり、左側の缶体2は、風呂及び暖房器具用に使用される。
【0017】
本発明は風呂及び暖房器具用の配管系統に特徴があるので、当該部位の配管に重点を絞って説明する。
すなわち缶体2は、大別して加熱部3と、加熱部3において発生した燃焼ガスと熱媒体(水等)とが熱交換を行う熱交換部4と、熱交換部4を通過した燃焼ガスを缶体2の外部に排出する排気部5とから構成されている。
【0018】
加熱部3は、ガスや灯油等の液体燃料を燃焼するバーナ(燃焼手段)6と燃焼空間部7とから構成されている。バーナ6において発生した高温の燃焼ガスは、燃焼空間部7を通過し、熱交換部4へと流入する。
【0019】
熱交換部4は、燃焼空間部7に連続した熱交換器8(第1熱交換器)と、熱交換器10(第2熱交換器)とが直列的にに配置されたものである。すなわち本実施形態では、燃焼装置は、第1熱交換器8と、第2熱交換器10という2基の熱交換器を持つ。そして第1熱交換器8と、第2熱交換器10はいずれも燃焼ガスの流路内にあり、両者は燃焼ガスの流路に対して直列に配置されている。
【0020】
熱交換器8は、主要部分が銅製であり、主として前記燃焼ガスの顕熱を回収するものであり、内部に湯水や不凍液などの熱媒体が流れるフィンアンドチューブ方式の熱交換器である。熱交換器8は、燃焼空間部7に連続した位置に設けられており、燃焼空間部7から熱交換部3内に流入した高温の燃焼ガスと熱交換を行う。
【0021】
熱交換器10は、熱交換器8において熱交換を行った後の燃焼ガスと熱交換を行うものである。熱交換器10は、主として燃焼ガスの持つ潜熱を回収するものである。燃焼ガスが保有する熱の中で、熱交換器8において回収されなかった熱エネルギーの大部分が熱交換器10において回収される。そのため、熱交換器10を通過した燃焼ガスは、100℃以下程度の低温となる。熱交換器10は、主要部分がステンレス製等であり、熱交換器8に比べて防錆特性に優れている。そのため、熱交換器10は、燃焼ガスから潜熱を回収する際に発生する酸性の凝結水に晒される雰囲気下に配置されてもほとんど腐食されず、錆が発生しない。
【0022】
また風呂側の回路に属する部材として、第3熱交換器20、風呂熱動弁21、及び風呂水循環ポンプ22がある。一方、暖房側の回路に属する部材として、暖房循環ポンプ23、膨張タンク24、及びバイパス熱動弁25がある。
そして前記した第1熱交換器8と第2熱交換器10は、流路(熱媒流路 具体的には水路)が直列に接続され、その間に膨張タンク24及び暖房循環ポンプ23が接続されている。また暖房端末側をバイパスするために設けられたバイパス流路26が設けられている。なお第1熱交換器8と第2熱交換器10を中心に考えたとき、第3熱交換器20、暖房端末側およびバイパス流路26は互いに並列関係にある。
【0023】
バイパス流路26は、第1熱交換器8の入側と出側を短絡するものであり、第1熱交換器8と第3熱交換器20を結ぶ1−3熱交連結路と、第2熱交換器と第1熱交換器を結ぶ2−1熱交連結路の間がバイパス流路26を介して配管接続されている。
当該バイパス流路26にバイパス熱動弁25が設けられている。またさらにバイパス熱動弁25をバイパスするサブバイパス流路27が設けられている。
【0024】
また燃焼装置には暖房往き口(高温側)30と暖房戻り口31及び暖房往き口(低温側)34が設けられている。そして暖房戻り口31が第2熱交換器10の入り側に接続されている。また第2熱交換器10の出側は膨張タンク24に接続され、さらに暖房循環ポンプ23を経て第1熱交換器8の入り側に接続されている。また第1熱交換器8の出側は、高温側暖房往き口30に接続されている。また暖房循環ポンプ23の出側と第1熱交換器8の入り側の間が分岐され、暖房往き口(低温側)34に接続されている。
膨張タンク24の入り側と第1熱交換器8の出側との間に前記したバイパス流路26があり、当該バイパス流路26にバイパス熱動弁25が設けられている。バイパス流路26は第1熱交換器8の両端を短絡するものであり、第2熱交換器10は短絡されない。したがって第1熱交換器8、バイパス流路26、膨張タンク24及び暖房循環ポンプ23によって一つの環状の循環回路が構成される。
すなわち本実施形態では、第1熱交換器8の出側と暖房往き口(高温側)30の間に分岐部48が設けられてバイパス流路26が設けられ、バイパス流路26の他端側は、第2熱交換器10と膨張タンク24の間に接続されている。
【0025】
また図1,2の様に、第1及び第2熱交換器8,10に対して直列的に第3熱交換器20が設けられている。第3熱交換器20は、第1及び第2熱交換器8,10で加熱された水と、風呂の湯水との間で熱交換するものであり、液・液型の熱交換器である。したがって第3熱交換器20には一次側(熱媒体通過側)と二次側(風呂水循環側)があり、それぞれに入り側と出側がある。
【0026】
第3熱交換器20は、第2及び第1熱交換器に対して直列的且つ環状に配されたものであり、第3熱交換器は、直列的に接続された状態における前記第1、第2熱交換器の両端側を短絡して接続する関係に配管接続されている。
【0027】
すなわち第3熱交換器20の一次側の一方の接続口は、第1熱交換器8の出側と暖房往き口30の間に接続されている。具体的には、第1熱交換器8の出側と暖房往き口30の間に分岐点46が設けられ、第3熱交換器20の一次側の他方の接続口(入り側)は当該分岐点46に接続されている。なお本発明においては、分岐点46,48のいずれが上流であるか下流であるかは問題ではない。
【0028】
第3熱交換器20の一次側の他方の接続口は、暖房戻り口31から第2熱交換器に至る間に接続されている。すなわち暖房戻り口31から第2熱交換器に至る間に分岐点45が設けられ、第3熱交換器20の一次側の他方の接続口から延長された32配管が合流している。
【0029】
一方、第3熱交換器20の二次側は、風呂戻り口33と風呂往き口35に接続され、風呂戻り口33と第3熱交換器20の間には風呂水循環ポンプ22が設けられている。
暖房往き口(高温側)30及び暖房戻り口31は、ファンコンベクタ等の高温の熱媒体を使用する暖房端末に接続される。一方、暖房往き口(低温側)34及び暖房戻り口31の間には、床暖房装置等の低温の熱媒体を使用する暖房端末に接続される。風呂往き口35及び風呂戻り口33は、図示しない浴槽に接続される。
【0030】
また燃焼装置には、高温側温度センサー40と、低温側温度センサー41が設けられている。すなわち高温側温度センサー40は、第1熱交換器8の出口側に設けられている。高温側温度センサー40は、第1熱交換器8を出た直後の熱媒温度を測定するものである。
低温側温度センサー41は膨張タンク24の底部に設けられている。低温側温度センサー41は第2熱交換器10を出て、膨張タンク24に入った熱媒体の温度を測定するものである。
【0031】
そしてファンコンベクタや床暖房等の暖房機器を使用する際には、缶体2内の下部に設けられた送風機によって缶体2内に送風しつつ、バーナ6で火炎を発生させる。また同時に暖房循環ポンプ23を動作させる(暖房循環ポンプ23は通常運転時には常時動作している)。その結果、暖房端末を経由して水等の熱媒体が第1及び第2熱交換器8,10に流れる。
すなわち端末側から暖房戻り口31を経て熱媒体が戻り、最初に第2熱交換器10を流れる。第2熱交換器10によってある程度の温度に加熱された熱媒体は、膨張タンク24と暖房循環ポンプ23を経た後に第1熱交換器8側と暖房往き口(低温側)34側に分岐される。そして第2熱交換器10によってある程度の温度に加熱された熱媒体の一部は暖房往き口(低温側)34から排出され、低温の熱媒体を使用する床暖房装置等に送られる。また第2熱交換器10を出た熱媒体の残部は、第1熱交換器8の入り、さらに加熱される。そして第1熱交換器8を出た熱媒体は、暖房往き口(高温側)30からファンコンベクタ等の高温を要する暖房端末に送られ、室内等を温める。
【0032】
なお本実施形態では、二つの暖房往き口30,31から吐出される熱媒体の割合を、バイパス流路26に設けられたバイパス熱動弁25の開閉によって調節している。すなわちバイパス熱動弁25を全開にすると、第1熱交換器8を出た熱媒体の多くがバイパス流路26を流れて膨張タンク24側に戻る。その結果、暖房往き口(高温側)30から排出される熱媒体の量が減少し、暖房往き口(低温側)34から排出される熱媒体の量が増大する。逆に、バイパス熱動弁25を閉止すると、第1熱交換器8を出た熱媒体の多くが暖房往き口(高温側)30から排出されるので、暖房往き口(高温側)30から排出される熱媒体の量が増大し、暖房往き口(低温側)34から排出される熱媒体の量が減少する。
【0033】
なお本実施形態では、二つの熱交換器8,10の内、第1熱交換器8の出入口だけをバイパス流路26で短絡し、第2熱交換器10は短絡しないが、第2熱交換器10についてもバイパス流路で短絡させる構成とすると、第2熱交換器に流入する熱媒体の温度が高くなり過ぎ、第2熱交換器の熱効率が低下してしまうという不具合がある。特にバイパス熱動弁25を開いて第1熱交換器10を出た熱媒体を上流側に戻す際、第1、第2熱交換器8,10の双方を短絡させる構成とすると、第1熱交換器10を出た高温の熱媒体が直接的に第2熱交換器10に流れ込んでしまい、第2熱交換器10の熱効率を低下させてしまう。そのため第2熱交換器8,10を短絡する構成は、採用できない。
【0034】
浴槽内の湯水を加熱する際には風呂水循環ポンプ22を起動し、風呂熱動弁21を開く。その結果、熱媒体が第3熱交換器側20の一次側に流れ、同二次側には浴槽内の水が流れる。そして熱媒体と浴槽内の水の間で熱交換が行われ、浴槽内の湯水が加熱される。
すなわち風呂熱動弁21を開くと、第3熱交換器側20の一次側の流路が開放される。より具体的には、第3熱交換器側20を含む並列流路たる、分岐点46,45間が連通する。その結果、暖房循環ポンプ23によって加圧され、第1熱交換器8を通過した熱媒が、分岐点46から分岐路47に入り、第3熱交換器側20を流れ、さらに分岐流路32を流れて分岐点45から暖房戻り口31側の流路に入る。そして再度第2熱交換器10に流れ込む。
一方、第3熱交換器側20の二次側には、風呂水循環ポンプ22によって浴槽内の水が流れ込むので、第3熱交換器側20で熱交換が行われ、二次側の浴槽水が加熱される。
【0035】
次に凍結防止運転について説明する。凍結防止運転は、燃焼装置内の温度又は図示しないヘッダーの温度が所定の温度以下となった事を契機として開始される。すなわち図3に示すフローチャートにおいて、ステップ1,2で高温側温度センサー40と、低温側温度センサー41及びヘッダー部の温度センサーを監視し、これらのいずれかが5℃以下を示すと凍結防止運転が開始される。
具体的には、ステップ3に移行して暖房循環ポンプ23が起動され、同時に暖房端末の熱動弁(図示せず)が開かれる。その結果、暖房端末を経由して第1、第2熱交換器に熱媒体が流れる。
【0036】
続いてステップ4に移行し、風呂熱動弁21が開かれる。その結果第3熱交換器20の一次側に熱媒体が流れる。
ここで前記した様にステップ3で暖房端末を開くことによって暖房端末を経由して第1、第2熱交換器に熱媒体が流れるから、あえてステップ4で第3熱交換器20の一次側に熱媒体を流す必要性が低い様にも思われるが、本実施形態では、ステップ4で第3熱交換器20の一次側に熱媒体を流す。
この理由は、暖房端末の元弁が閉じていたり、暖房端末自体が繋がれていない様な場合もあり得るためであり、この様な状況下においては、第2熱交換器10側に熱媒体が流れないからである。そこで本実施形態では、ステップ4で風呂熱動弁21を開いて第3熱交換器20の一次側に熱媒体を流し、第3熱交換器20の一次側を経由して第1、第2熱交換器8,10に熱媒体を循環させている。すなわちステップ4で風呂熱動弁21が開かれると、第1及び第2熱交換器8,10と第3熱交換器20を環状に結ぶ流路が開き、第1、第2熱交換器に熱媒体が流れる。
【0037】
そして続いてステップ5でバーナ(燃焼手段)6を点火する。そしてステップ6で高温側温度センサー40が20℃以上を示すのを待つ。
ステップ6で高温側温度センサー40が20℃以上となった事が確認されるとステップ7に移行し、暖房燃焼を終了すると共に風呂熱動弁21を閉じる。
ここで風呂熱動弁21を閉じるのは、熱媒体の熱が風呂側に逃げることを防ぐためである。
すなわち風呂熱動弁21が開いており、さらに風呂水循環ポンプ22が起動すると第3熱交換器20内で熱交換が行われ、熱媒体の熱が風呂側に逃げる。そのため熱媒体の温度が急速に低下し、上記した凍結防止の為の燃焼(暖房燃焼)を頻繁に行う結果となる。そこで本実施形態では、このような事態を防ぐために、暖房燃焼が終了すると風呂熱動弁21を閉じる。
【0038】
そしてステップ8に移行し、5分経過を待つ。5分が過ぎて機器内に熱媒体が行き渡り、機器内の温度が上昇すると、ステップ9に移行して端末熱動弁を閉じる。そして暖房循環ポンプ23をポスト循環した後、暖房循環ポンプ23を停止し、ステップ1に戻る。
【0039】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の燃焼装置では、潜熱回収用の第2熱交換器が設けられているので熱効率が高い。また本発明の燃焼装置では、凍結防止運転に際して燃焼手段が燃焼すると開閉弁が開いて、第1、第2熱交換器に対してこれらを短絡する関係にある第3熱交換器に至る流路を開く。その結果、第1、第2熱交換器の水等は、第3熱交換器を経由して循環する。そのため本発明の燃焼装置では、凍結防止運転の際に、第2熱交換器が止水状態で加熱されることが防止される。
また本発明の燃焼装置では、燃焼が終了すると開閉弁が閉じるので、熱媒体の熱が風呂側に逃げることがなく、熱の無駄な放散を防ぐことができる。
【0040】
さら本発明の燃焼装置では、第3熱交換器によって浴槽内の湯水を追い焚きすることができる。
【0041】
また請求項2に記載の燃焼装置では、第3熱交換器によって室内の温度を適温に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の燃焼装置の配管系統図である。
【図2】 図1の配管系統図の要部を抜き出して簡略化した配管系統図である。
【図3】 本発明の燃焼装置の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
2 缶体
3 加熱部
8 第1熱交換器
10 第2熱交換器
20 第3熱交換器
21 風呂熱動弁
22 風呂水循環ポンプ
23 暖房循環ポンプ
24 膨張タンク
25 バイパス熱動弁
26 バイパス流路
Claims (2)
- 燃料を燃焼する燃焼手段と、当該燃焼手段において発生した燃焼ガスと熱交換を行う第1熱交換器と、第1熱交換器よりも燃焼ガスの下流側に配置され第1熱交換器を通過した燃焼ガスと熱交換を行う第2熱交換器と、燃焼ガスの流路外に置かれ、第1及び第2熱交換器で加熱された液体と風呂の湯水との間で熱交換する第3熱交換器と、ポンプと、第3熱交換器に繋がる開閉弁を有し、前記第1、第2熱交換器は直列的に接続され、第3熱交換器は直列的に接続された状態における前記第1、第2熱交換器の両端側を接続する関係に配管接続され、さらに第1熱交換器と第3熱交換器を結ぶ間と、第2熱交換器と第1熱交換器を結ぶ間同士の間であってポンプの上流側がバイパス流路によって配管接続され、当該バイパス流路は、前記第1、第2熱交換器の内で第一熱交換器だけを短絡するものであり、所定の位置に往き口と戻り口が設けられていて液体が他の機器に対して往き来し、さらに凍結防止運転機能を備え、凍結防止運転に際してはポンプが動作すると共に燃焼手段が燃焼し、開閉弁が開いて第1及び第2熱交換器と第3熱交換器を環状に結ぶ流路を開き、燃焼が終了すると開閉弁が閉じることを特徴とする燃焼装置。
- 第1、第2熱交換器は、暖房装置に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
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