JP3940700B2 - 楽器用ケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばクラシックギタ−等の弦楽器用ケ−スに好適で、軽量で高い断熱性と緩衝作用を得られ、搬送時や保管時における湿気や温度、衝撃から楽器を防護し、音色の変化や音質の劣化を防止するとともに、その損傷や破損を防止し、またケ−ス本体と蓋体との開閉操作の合理化と、開閉作動の円滑かつ安定化を図り、ケ−ス内の密閉性を高める一方、ケ−ス本体内のポケットを合理的に構成し、ケース本体のスペ−スの有効利用を図るとともに、楽器の表面板ないし駒への接触および押圧等を極力阻止し、その音色の変化や音質の劣化を阻止して、楽器を安全に搬送し保管できるようにした楽器用ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
ギタ−等の弦楽器は、一般に衝撃等に弱く、また湿気や温度の変化に非常に敏感で音色が微妙に変化する。
例えば弦楽器の響胴の表面板が膨張し或いは収縮すると、表面板の振動ないし共鳴作用が変化して音色が変化し、楽器が変質したり性能が劣化したりする。
更に、弦楽器を例えば直射日光や車中等で高温に晒すと、前述のように音色が変化するとともに、楽器周面に塗布したワニスや塗料が溶解して、楽器や楽器用ケ−スを汚損する惧れがある。
【0003】
このため、楽器用ケ−スは、楽器の保管や搬送に際して、湿気や熱、衝撃等に細心の注意を払っている。例えば、従来の楽器用ケ−スは、楽器を収納するベニヤ板製の本体と、該本体に蝶番を介して回動可能に連結したベニヤ板製の蓋体とで構成し、該ベニヤ板の外側面にビニ−ルシ−トを合着し、該シ−トに発泡ウレタンを貼り付け、またベニヤ板の内側面にウレタンを貼り付けていた(例えば、特許文献1)。
【0004】
しかし、前記楽器用ケ−スは、本体と蓋体とがベニヤ板を基本板としているため、強度が向上するが大重量化し、またベニヤ板に複数の合成樹脂層を積層しているため、大重量化を助長するとともに、十分な断熱効果を得られなかった。
【0005】
そこで、前記問題を解決するものとして、出願人は、楽器を収納するケ−ス本体と、該本体に開閉可能に連結した蓋体と、それらの内部に発泡合成樹脂製の本体コアとカバ−コアとを収納し、前記ケ−ス本体のネック部にポケットを設けた、楽器用ケ−スを既に提案している(例えば、特許文献2)。
【0006】
しかし、前記楽器用ケ−スは、軽量で所定の強度を得られるが、十分な断熱効果を得られず、またケ−ス本体と蓋体との三箇所を蝶番で連結していたが、ケ−ス本体と蓋体の密着性に不安があった。
特に、ケ−ス本体と蓋体の先端部は曲面状に形成されているため、当該部の蝶番が略点接触状態で取り付けられ、蝶番の取り付け強度や開閉動作の円滑性に不安があった。また、前記ポケットは収納スペ−スが小さいため、例えば折り畳み可能な演奏用の足台を収納することができなかった。
【0007】
このような問題を解決するものとして、楽器を収納する収納箱と、害収納箱を開閉する蓋体とを備え、前記蓋体を固定蓋と開閉蓋とで構成し、固定蓋の一端を収納箱の上端縁に接続し、固定蓋の他端に開閉蓋を折り曲げ可能に連結した弦楽器等の収納ケ−スがある(例えば、特許文献3)。
【0008】
しかし、前記収納ケ−スは、開口部の一部に固定蓋が位置しているため、楽器の出し入れが面倒で、また開閉蓋を略平板状に形成しているため、収納ケ−スに十分な収納スペ−スを確保し難く、楽器の収納時はギタ−の表面板に蓋体が接触することとなって、楽器の防護上および音色維持上具合悪い。
【0009】
また、前記ポケットの問題を解決するものとして、ケ−ス主体の中間部に小物容器部を設け、該容器部の一端に中蓋の基端部を上下に回動可能に連結した弦楽器用ケ−スがある(例えば、特許文献4)。
【0010】
しかし、前記弦楽器用ケ−スの小物容器部は、ケ−ス主体の長さ方向の両端を垂直壁で仕切り形成しているため、小物容器部の隣に楽器のヘッド全体を収容するスペ−スを要して、ケ−ス主体が長尺になり、ケ−スの大形重量化を助長する問題があった。
また、中蓋の先端を垂直壁の上端に押し当てて、小物容器部を閉塞しているため、楽器の取り出し後、中蓋がケ−ス主体の姿勢や振動によって容易に開放し、小物容器部内の収納物が外部へ飛び出てしまう問題があった。
【0011】
一方、弦楽器用ケ−スには、搬送中の楽器の移動やガタを防止する手段として、蓋の内面に押圧スポンジを設け、閉蓋時に押圧スポンジをエレキギタ−主体の表面板に押し付けて、所期の目的を達成している(例えば、特許文献5)。
【0012】
この場合、エレキギタ−は構造上、弦の振動で音色を発生し、クラシックギタ−やバイオリンのように、表面板の振動や共鳴によって音色を形成しないから、前述のように押圧スポンジを表面板に押し付けても、エレキギタ−の音色に変化はなく、エレキギタ−が変質したり性能が劣化することはない。
しかし、前述の手段をクラシックギタ−やバイオリンに適用すると、表面板が押圧されて張力が変化し、表面板の振動や共鳴作用が変化して音色が変わるため、前述の手段を採用することはできない。
【0013】
【特許文献1】
特公昭59−53042号公報
【特許文献2】
特許第3321752号公報
【特許文献3】
特開昭61−133990号公報
【特許文献4】
実開昭55−57783号公報
【特許文献5】
実開昭51−145042号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題を解決し、例えばクラシックギタ−等の弦楽器用ケ−スに好適で、軽量で高い断熱性と緩衝作用を得られ、搬送時や保管時における湿気や温度、衝撃から楽器を防護し、音色の変化や音質の劣化を防止するとともに、その損傷や破損を防止し、またケ−ス本体と蓋体との開閉操作の合理化と、開閉作動の円滑かつ安定化を図り、ケ−ス内の密閉性を高める一方、ケ−ス本体内のポケットを合理的に構成し、ケース本体のスペ−スの有効利用を図るとともに、楽器の表面板ないし駒への接触および押圧等を極力阻止し、その音色の変化や音質の劣化を阻止して、楽器を安全に搬送し保管できるようにした楽器用ケースを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1の発明は、楽器を収容可能な合成樹脂製のケ−ス本体と、該ケ−ス本体を開閉可能な合成樹脂製の蓋体とを回動可能に連結し、前記ケ−ス本体の側壁の下端部と、前記蓋体の側壁の上端部に板状のスペ−サを接着するとともに、前記ケ−ス本体と蓋体の外面に化粧カバ−を被覆し、かつ前記ケ−ス本体内のネック部に開閉可能なポケットを設けた楽器用ケ−スにおいて、前記ケ−ス本体と蓋体の各側壁の上下端部に、板状のスペ−サを全周に亘って接着し、前記スペ−サ上に前記化粧カバ−の内側に介在して、各側壁と略等幅の断熱板を前記側壁の全周に亘って接着し、前記側壁と各スペ−サ間と断熱板との間に空気断熱部を密封形成するとともに、前記ケ−ス本体の底板と蓋体の天井板の外面の各内側位置に板状の複数のスペ−サを離間して接着し、前記スペ−サ上に前記化粧カバ−の内側に介在して、前記底板または天井板と略同形の断熱板を接着し、前記底板または天井板と各スペ−サ間と断熱板との間に空気断熱部を密封形成する一方、前記側壁の接合部に配置した各スペ−サと断熱板とを互いに接合可能に配置し、ケ−ス本体と蓋体の各側壁および底板および天井板の周囲に空気断熱部を合理的かつコンパクトに密封形成し、楽器用ケ−スの小形軽量化を図るとともに、板状のスペ−サを介して側壁と断熱板、底板および天井板と断熱板を強固かつ気密に接着し、楽器用ケ−スの周囲の断熱効果ないし防湿効果の向上と強度を強化する一方、ケ−ス本体と蓋体の接合部の密着性と強度を強化し、その気密性ないし防湿効果と強度を向上し、ケ−ス内の楽器を安全かつ確実に防護し、楽器の搬送時または保管時における音色の変化や音質の劣化、ワニスや塗料等の溶解による汚損等を確実に防止し得るようにしている。
【0016】
請求項2の発明は、前記ケ−ス本体と蓋体を布製の複数の蝶番で回動可能に連結し、蓋体の円滑な開閉作動と開閉時における衝撃を緩和し、楽器に対する影響を軽減するとともに、金属製の蝶番に比べ安価に製作し得るようにしている。
請求項3の発明は、前記ケ−ス本体と蓋体の対応する側壁端部に、開蓋時におけるそれらの対向面に亘って布製の内側片を接着し、前記対向面を除く側壁端部周面に亘って布製の外側片を接着し、蝶番の取り付け強度を強化して、その寿命を向上し、布製の具体的な蝶番を提供するようにしている。
【0017】
請求項4の発明は、前記ケ−ス本体と蓋体の直線状の接合部に配置した蝶番を、非直線状の接合部に配置した蝶番よりも長尺に形成し、蓋体の円滑かつ安定した開閉作動を合理的に得られるようにしている。
請求項5の発明は、前記ケ−ス本体の側壁の内面に係合片を固定し、該係合片の上端部を前記側壁の接合側端面から突出し、該突出部を閉蓋時の蓋体の側壁の接合側端部の内面に係合可能に配置するとともに、前記係合片に対応するケ−ス本体の側壁の外面に把手を取り付け、把手を保持して楽器ケ−スを保持する際、把手を取り付けたケ−ス本体の側壁の上側変位ないし拡開動作を防止し、使用に伴うケ−スの変形を防止し、その寿命の向上を図るようにしている。
【0018】
請求項6の発明は、前記ポケットの前後部を、前方に傾斜配置した傾斜板と仕切板とで区画し、前記傾斜板の上端部に蓋板の一側端部を上下に回動可能に連結するとともに、前記仕切板の一側面に二つの掛止片を離間して配置し、該離間部に前記蓋板の他側端部を係脱可能に装着し、ポケット内の下部スペ−スを拡張し、折り畳み式演奏用足台等の長尺物の収納を実現するとともに、ポケットの開放を制約し、例えばケ−スの横転時における収納物の飛び出しを防止し得るようにしている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を表面板の振動や共鳴によって音色を形成し変化させる構造の弦楽器として、クラシックギタ−ないしアコ−スティックギタ−のケ−スに適用した図示の実施形態について説明すると、図1乃至図12において1はギタ−ケ−スで、該ケ−ス1は発泡ポリスチレン等の合成樹脂製のケ−ス本体2と、該ケ−ス本体2と同質の合成樹脂製の蓋体3とで構成され、該蓋体3が蝶番4,5を介してケ−ス本体2に回動可能に連結され、該ケ−ス本体2にクラシックギタ−6(以下、単にギタ−と呼ぶ)が収納されている。
【0023】
前記ケ−ス本体2と蓋体3は略同一の平面形状に形成され、それらの形状は、前記ギタ−6の本体部である響胴部6aと、ネック部6bの平面形状に近似する形状をしていて、その断面形状を略U字形ないしコ字形状に形成している。
すなわち、前記ケ−ス本体2は、前記ギタ−6の平面形状に近似する合成樹脂板製の底板7と、同様な合成樹脂板製の側壁8とで構成され、前記底板7の一側面、つまり上側面の端部周面に単一または複数の側壁用板材を接着して構成している。
【0024】
また、前記蓋体3は、前記ギタ−6の平面形状に近似する合成樹脂板製の天井板9と、同様な合成樹脂板製の側壁10とで構成され、前記天井板9の一側面、つまり下側面の端部周面に単一または複数の側壁用板材を接着して構成している前記側壁8,10の高さは相違していて、閉蓋時に側壁8,10の端面を突き合わせて、ケ−ス1内を密閉可能にしている。
【0025】
前記ケ−ス本体2と蓋体3の外側面に、合成樹脂製の化粧カバ−11,12がピン13を介して取り付けられ、該化粧カバ−11,12の端部周縁、つまり後述する二つの蝶番間の大周縁部に、第1スライドファスナ−14,14が取り付けられ、前記二つの蝶番間の小周縁部に、第2スライドファスナ−15,15が取り付けられ、これらのスライドファスナ−14,15を噛合させて、ケ−ス本体2と蓋体3を開閉可能にしている。
【0026】
前記第1スライドファスナ−14,14に二つのプルタブ16が設けられ、また第2スライドファスナ−15,15に一つのプルタブ16が設けられ、これらのプルタブ16を介して、前記第1および第2スライドファスナ−14,15を別々に開閉操作し、蓋体3の開閉操作の容易化とケ−ス本体2の密閉性を向上させている。図中、17はケ−ス本体2の側壁8の外周面に回動可能に連結した把手である
【0027】
前記化粧カバ−11,12の被着前のケ−ス本体2と蓋体5は図4のようで、ケ−ス本体2の底面板7の下面と、蓋体3の天井板9の上面に、紙製のスペ−サ−18〜21が、ケ−ス本体2または蓋体3の略長さ方向に沿って接着されている。
前記スペ−サ−18〜21は、若干肉厚(0.8〜1.0mm)の厚紙を短冊状に裁断して形成され、このうちスペ−サ−18,20はスペ−サ−18,20よりも短小に形成され、該スペ−サ−18,20を底面板7または天井板9の幅狭なネック6b側に離間して配置し、前記スペ−サ−19,21を幅広な響胴6a側に離間して配置している。
【0028】
前記スペ−サ−18〜21の外面に、補強を兼ねる断熱板22,23が接着され、該断熱板22,23は断熱性に優れるポリプロピレン等の合成樹脂板(実施形態では厚さ2〜3mm)を裁断して、前記底板7または天井板9と略同形に形成している。
【0029】
前記底板7とスペ−サ−18,18および19,19間並びに断熱板22との間に、空気断熱部24が設けられ、同様に前記天井板9とスペ−サ−20,20および21,21間並びに断熱板23との間に、空気断熱部25が設けられている前記空気断熱部24,25は、前記空スペ−スに封入または滞留した空気によって断熱作用を奏するようにしている。
【0030】
また、前記ケ−ス本体2の側壁8と蓋体3の側壁10の外周面に、それぞれ前記スペ−サ−18〜21と同質の紙製のスペ−サ−26,58が離間して接着されている。
前記スペ−サ−26,58は前記スペ−サ−18〜21より若干幅狭に形成され、これらは前記紙材を帯状に裁断して形成され、該スペ−サ−26,58の外周面に、補強を兼ねる合成樹脂製の断熱板27,29が接着されている。
【0031】
前記断熱板27,29は断熱板22,23と同質部材で構成され、該部材を前記側壁8,10と略等幅に裁断して形成され、該断熱板27とスペ−サ−26,26間と側壁8との間、および断熱板29とスペ−サ−58,58間と側壁10との間に、前記空気断熱部24,25と同様の空気断熱部28,59が設けられている。
【0032】
図中、61,62は断熱板22,23と同形に形成した緩衝板で、ポリウレタンフォ−ム等の柔軟な弾性板を裁断して形成され、これを断熱板22,23に接着している。
なお、演奏ツア−用の楽器ケ−スの場合は、前記緩衝板として前記緩衝板61,62より若干肉厚のものを使用し、側壁8,10側の弾性板27,29の外周面にも同様な厚肉の緩衝板を接着し、より大きな外力や衝撃に堪えられるように構成することが望ましい。
【0033】
前記ケ−ス本体2内のネック部6b側にポケット30が設けられ、該ポケット30は仕切板31と傾斜板32とで両端を区画し、該傾斜板32の上端部に蓋板33を上下に回動可能に取り付け、ポケット30を開閉可能にしている。
前記仕切板31と傾斜板32、および蓋板33とは、前記ケ−ス本体2と同質の合成樹脂板で構成され、このうち仕切板31と蓋板33の両側部はベニヤ板(図示略)で補強され、該補強部をケ−ス本体2にビス止めしている。図中、34は前記止めビスである。
【0034】
前記仕切板31は前記ネック部6bの基部側に設けられ、該仕切板31の上端部にネック部6bを収容可能な凹部35が設けられ、該凹部35に柔軟な弾性部材36が取り付けられている。
前記仕切板31の一側面の上下位置に、大小の掛止片37,38が離間して設けられ、これらは前記ケ−ス本体2と同質の合成樹脂板で構成され、これらの間に蓋板33の先端部を挟持させ、ギタ−6の取り出し後に蓋板33の開放を防止可能にしている。
【0035】
図中、39は蓋板33の先端部に取り付けた摘み、40はポケット30の内外面に取り付けた柔軟な内装布、41はポケット30に収納した収納物で、実施形態では折り畳み可能な演奏用の足台を用いている。
42はギタ−6のヘッド部、60はヘッド部42に設けた糸巻き用のペグ、43は前記側壁8の把手17と対応する内面に取り付けた係合片で、実施形態では矩形のベニヤで構成され、その上端部を側壁8の上端面から突出し、この突出部43aを蓋体3の側壁10の内面に係合可能にしている。
【0036】
このようにすることで、把手17を保持してケ−ス1を搬送する際、把手17に引張られて外側へ変位し拡開する側壁8を、係合片43を介し突出部43aを側壁10の内面に係合させて、前記変位ないし拡開を防止するようにしている。
【0037】
前記蝶番4,5は、図10のように前記片側の側壁8,10間の二位置に設けられ、このうち蝶番4はネック部6b側の先端部に設けられ、蝶番5は響胴部6a側の略全域に亘って設けられている。
前記蝶番4を取り付ける側壁8,10の内面に、浅底の成形溝44,44が蝶番4の略幅分離間して刻設され、該成形溝44,44を介して側壁8,10の曲面部を直線状に成形し、該成形部8a,10aに前記蝶番4を取り付けている。
【0038】
前記蝶番4は、図11のように布製の内側片45と外側片46とを有し、これらを前記成形部8a,10aの内外面に亘って接着し、内側片45の両端部に布製の補強片47を接着している。
図中、48はケ−ス本体2のネック部6b側の先端部に設けた略U字形状の補強壁で、ケ−ス本体2と同様の合成樹脂板を折曲して形成され、その一端部を前記補強片47に密接して配置し、該補強壁48に補強片47を接着している。
【0039】
また、前記蝶番5は、図10のように響胴部6a側の側壁8,10の長尺な直線状部に設けられ、該直線状部は前記直線状の成形部8a,10aと同一直線上に位置している。
前記蝶番5は前記蝶番4と同様に、布製の長尺な内側片49と外側片50とを有し、これらを前記直線状部の内外面に亘って接着し、内側片49の両端部に布製の補強片51を接着している。
【0040】
この他、図中52,53はケ−ス本体2と蓋体3の内面に接着して取り付けた柔軟な内装布で、このうち蓋体3側の内装布53の所望位置に、例えば両面接着テ−プを介して、板状のストッパ−54〜56が取り付けられている。
前記ストッパ−54〜56は、容易に圧縮変位しない適宜硬度を備えた材質、実施形態ではケ−ス本体2と同様な合成樹脂で構成され、その板厚は側壁10の高さより若干薄厚に形成されていて、蓋体3の閉塞時は、ギタ−6の響胴部6aの表面板ないし駒やネック部6bの表面から離間して配置されている。
【0041】
このうち、ストッパ−54,55は響胴部6aの端部側に配置され、閉蓋時にギタ−6が動揺し、ストッパ−54,55が響胴部6aに接触しても、その表面板に対する接触ないし押圧並びにギタ−6の自重による押圧を回避可能にしている。
図中、57は把手17の先端部を回動可能に支持する把手金具で、係合片43の取付ビスを介して側壁8に取り付けられている。
【0042】
このように構成した楽器用ケ−スの製作は、例えばケ−ス本体2と蓋体3を製作し、ケ−ス本体2と蓋体3の所定の外周面に、スペ−サ18〜21,26を介して断熱板22,23,27を接着し、また側壁10上に断熱板29を接着し、ケ−ス本体2と蓋体3内面の底部と天井部に内装材52,53を取り付け、本体2と蓋体3を蝶番4,5で連結し、ケ−ス本体2にポケット30を取り付け、ケ−ス本体2と蓋体3内面の側周面に内装材52,53を取り付け、化粧カバ−11,12を取り付け後、把手17を取り付けて行なう。
【0043】
ケ−ス本体2の製作は、所定の合成樹脂板を所定形状に裁断して底板7と側壁8用材を作製する。このうち、側壁8用材は複数に分割して作製し、これらを底板7の形状に合わせて加熱成形し、成形した側壁8用材を底板7の一側端部周面に接着する。
その際、ネック部6b側の先端曲面部の所定位置に成形溝44,44を刻設し、該溝44,44を中心に折り曲げ、前記溝44,44間を直線状に成形する。
【0044】
同様に蓋体3の製作は、所定の合成樹脂板を所定形状に裁断して天井板9と側壁10用材を作製する。このうち、側壁10用材は複数に分割して作製し、これらを天井板9の形状に合わせて加熱成形し、成形した側壁10用材を天井板9の一側端部周面に接着する。
その際、ネック部6b側の先端曲面部の所定位置に成形溝44,44と同様な成形溝を刻設し、該溝を中心に折り曲げ、前記成形溝間を直線状に成形する。
【0045】
次に、所定のスペ−サ−用材、つまり厚紙を短冊状または帯状に裁断してスペ−サ18〜21,26,58を作製し、また所定の断熱板用材を所定形状に裁断して、断熱板22,23,27,29を作製する。
すなわち、断熱板22,23を前記底板7若しくは天井板9と略同形に裁断して作製し、断熱板27,29を側壁8または10の高さと略等幅の帯状に裁断して作製する。
【0046】
そして、前記スペ−サ18,19を断熱板22の所定位置、つまりネック部6b側と響胴部6a側にそれぞれ離間して接着し、前記スペ−サ18,19を介して断熱板22を底板7の下面に接着する。
同様に、前記スペ−サ20,21を断熱板23の所定位置、つまりネック部6b側と響胴部6a側にそれぞれ離間して接着し、前記スペ−サ20,21を介して断熱板23を天井板9上に接着する。
【0047】
また、前記一対のスペ−サ−26を側壁8の上下位置に離間して接着し、該スペ−サ−26,26に断熱板27を接着し、前記一対のスペ−サ−58を側壁10の上下位置に離間して接着し、該スペ−サ−58,58に断熱板29を接着する。
【0048】
このようにして、前記底板7とスペ−サ−18,18および19,19間並びに断熱板22との間に、空気断熱部24を形成し、同様に前記天井板9とスペ−サ−20,20および21,21間並びに断熱板23との間に、空気断熱部25を形成する。
また、側壁8とスペ−サ−26,26間および断熱板27との間に、空気断熱部28を形成し、側壁10とスペ−サ−58,58間および断熱板29との間に、空気断熱部59を形成する。
【0049】
この後、断熱板22,23の外周面に緩衝板61,62を接着する。前記緩衝板61,62の製作は、ポリウレタンフォ−ム等の柔軟な弾性板を断熱板22,23と同形に裁断して形成し、これを断熱板22,23の外周面に接着する。
前記緩衝板61, 62の接着後、ケ−ス本体2と蓋体3内の側周面に内装材52,53を接着する。
【0050】
次に、ケ−ス本体2内のネック部6b側にポケット30を取り付ける場合は、所定の合成樹脂板を矩形に裁断して仕切板31を作製し、その一側の所定位置に掛止片37,38を接着する。
また、仕切板31の上端部に凹部35を形成し、当該部に弾性部材36を取り付けるとともに、両側端部にベニヤ板(図示略)を接着し、これらの表面に内装材40を接着する。
【0051】
更に、所定の合成樹脂板を矩形に裁断して傾斜板32と蓋板33とを作製し、傾斜板32の両側端部にベニヤ板(図示略)を接着し、該傾斜板32と蓋板33の表面に内装材40を接着し、蓋板33の先端部に摘み39を取り付けたところで、ケ−ス本体2と蓋体3内の側周面に内装材52,53を接着する。
この後、仕切板31と傾斜板32をケ−ス本体2内の所定位置に離間してビス止めし、蓋板33の先端部を掛止片37,38の間に挟持させる。
【0052】
次に、蝶番4,5を取り付ける場合は、ケ−ス本体2と蓋体3の側壁8,10の一側で、ネック部6b側の成形部8a,10aと、響胴部6a側の過半部の直線状部に、予め布片を所定寸法に裁断した内外側片45,46,49,50を内外に接着し、その内側片45および内側片49の両端部に補強片47,51を接着し、ケ−ス本体2と蓋体3とを回動可能に連結する。
【0053】
この後、所定の合成樹脂板を折曲して補強壁48を作製し、該補強壁48をケ−ス本体2のネック部6b側の先端部に嵌合して接着し、その一側壁を前記補強片47に密接して配置し、該補強壁48に補強片47を接着する。
【0054】
そして、ケ−ス本体2と蓋体3内の側周面に内装材52,53を接着し、またケ−ス本体2と蓋体3の外側周面に化粧カバ−11,12を取り付け後、把手17を取り付ける。
この場合、ケ−ス本体2と蓋体3の外周面に柔軟な緩衝板61,62が被覆されているから、その分化粧カバ−11,12が緊張して取り付けられ、該カバ−11,12の体裁が向上する。
【0055】
前記把手17の取り付けに際しては、ベニヤ板を所定形状に裁断して係合片43を作製し、該係合片43をケ−ス本体2の側壁8内面の所定位置にビス止めし、その突出部43aを側壁8の上端部から突出させ、同時に前記ビスを介して、前記側壁8の外面に把手17の取付金具57を取り付ける。この後、係合片43の内面に内装材52を接着する。
【0056】
前記ストッパ54〜56は、ケ−ス本体2と同質の合成樹脂板を所定形状に裁断し、実施形態ではこれを二つ積み重ね、その表面に内装材を接着して構成し、その一側面に両面接着テ−プを取り付け、該接着テ−プを介して蓋体3の内装材53の適所に取り付け可能にする。このようにして一連の製作が終了する。
【0057】
このように本発明の楽器用ケ−スは、構成部材の大半が比較的軽量小形の合成樹脂部材で構成され、これらを接着して製作できるから、特別の製造設備を要せず、これを容易かつ安価に製作できる。
【0058】
こうして製作した楽器用ケ−スを使用する場合は、各プルタブ16を介して第1および第2スライドファスナ−14,15を開操作し、蓋体3を開放して、ケ−ス本体2内に弦楽器であるギタ−6を収納する。
この場合、蝶番4,5間の大周縁部を第1スライドファスナ−14で開閉し、蝶番4,5間の小周縁部を第2スライドファスナ−15で開閉し、これらの開閉を別々に行なうから、これを単一の第1スライドファスナ−で開閉する場合に比べ、合理的かつ速やかに行なえる。
【0059】
一方、前記ギタ−6の収納時、ポケット30に収納物41を収納する場合は、摘み39を保持して蓋板33を引き上げ、ポケット30を開口して収納物41を収納する。収納後、蓋板33を手放し、かつこれを軽く押圧して、蓋板33の先端部を掛止片37,38の間に押し込み、それらに係合させて保持させる。
したがって、ギタ−6の取り出し後、例えばケ−ス1が横転しても、蓋板33の開放を防止できるから、ポケット30から収納物41が飛び出すことはない。
【0060】
また、ポケット30は一端を傾斜板32で仕切り、内部の下側をネック部6bの長さ方向に広げているから、折り畳み式足台のような比較的長尺な収納物41を収納でき、一方、傾斜板32上に糸巻き用ペグ60を収容できるから、狭いネック部6bのスペ−スの有効利用を図れる。
【0061】
そして、ギタ−6と収納物41を収納後、蓋体3の内装材53の所望位置に、両面接着テ−プを介してストッパ−54〜56を取り付ける。実施形態では、二つのストッパ−54,55を響胴部6aの両端部に取り付け、一つのストッパ−56をネック部6bの中央部に取り付けている。
【0062】
この後、蓋体3を閉鎖し、第1および第2スライドファスナ−14,15を介して、ケ−ス本体2と蓋体3を密閉し、把手17を保持してギタ−ケ−ス1を搬送する。
この場合、ケ−ス本体2と蓋体3は、蝶番4,5以外の開口縁を、第1および第2スライドファスナ−14,15で完全に密閉されるから、ケ−ス1内の気密性が向上する。
しかも、蝶番4は曲面状のネック部6bで直線状に取り付けられ、また蝶番5も長尺の直線状に取り付けられ、かつ蝶番4,5の枢支部が同一直線上に位置しているから、蓋体3の開閉作動が円滑かつ安定し、蝶番4,5のガタや破損を防止して、その寿命の向上を図れる。
【0063】
また、把手17を保持してギタ−ケ−ス1を搬送する際、ネック部6bが斜め上向きに位置し、把手17を取り付けた側壁8に前記収納物の重量が作用し、該側壁8がその剛性に抗して上側へ変位し、開口縁を拡開する。
その際、係合片43の突出部43aが蓋体3の側壁10の内面と係合し、側壁8の前記した変位と拡開を阻止する。したがって、経年的な使用によって側壁8が変形し破損することはない。
【0064】
更に、ギタ−ケ−ス1が静止状態で搬送されるときは、ギタ−6の響胴部6aやネック部6bが前記ストッパ−54〜56から離間し、このうちのストッパ−54,55が響胴部6aの表面板ないし駒に接触しないから、表面板の張力が変化せず、その振動ないし共鳴動作の変質を防止する。
また、ギタ−ケ−ス1が振動し揺動して搬送されるときは、ギタ−6が同動して響胴部6aやネック部6bが前記ストッパ−54〜56に接触し、ギタ−6の揺動を抑止する。
【0065】
その際、ストッパ−54,55は響胴部6aの端部に位置し、表面板ないし駒との接触を極力阻止し、更にストッパ−54,55は一定の硬度を備えているから、ギタ−6が傾動し、その自重でストッパ−54,55に接触しても、表面板が前記自重で押圧されることはなく、表面板の振動ないし共鳴動作の変質を防止する。
【0066】
一方、前記ギタ−ケ−ス1が搬送時や保管時に高温または低温下に置かれると、それらの雰囲気は先ず第1および第2ファスナ−14,15による気密性によってケ−ス1内への侵入を阻止され、またギタ−ケ−ス1の略全周に被覆した断熱板22,23,27,29と、その内側に設けた空気断熱部24,25,28,59と、更にその内側のケ−ス本体2と蓋体3の各周壁によって、三重に防護されるから、外部からの熱伝導を強力かつ確実に防止し、ギタ−6を確実に防護する。
【0067】
したがって、温度によって表面板が膨張し或いは収縮して、その振動や共鳴作用が変質しまたは劣化し、音色が変質する事態を防止するとともに、ギタ−6に塗布された塗料やワニスの溶解を防止し、ギタ−6やギタ−ケ−ス1の汚損を未然に防止する。
【0068】
また、前記ギタ−ケ−ス1は、その略全周に被覆した断熱板22,23,27,29と、その内側に設けた空気断熱部24,25,28,59と、その内側のケ−ス本体2と蓋体3の周壁と、外周面に被覆した緩衝板61,62によって、四重に防護されているから、外部の衝撃を強力かつ確実に緩衝し、ギタ−6を確実に防護する。
【0069】
【発明の効果】
請求項1の発明は、ケ−ス本体と蓋体の各側壁の上下端部に、板状のスペ−サを全周に亘って接着し、前記スペ−サ上に前記化粧カバ−の内側に介在して、各側壁と略等幅の断熱板を前記側壁の全周に亘って接着し、前記側壁と各スペ−サ間と断熱板との間に空気断熱部を密封形成するとともに、前記ケ−ス本体の底板と蓋体の天井板の外面の各内側位置に板状の複数のスペ−サを離間して接着し、前記スペ−サ上に前記化粧カバ−の内側に介在して、前記底板または天井板と略同形の断熱板を接着し、前記底板または天井板と各スペ−サ間と断熱板との間に空気断熱部を密封形成する一方、前記側壁の接合部に配置した各スペ−サと断熱板とを互いに接合可能に配置したから、ケ−ス本体と蓋体の各側壁および底板および天井板の周囲に空気断熱部を合理的かつコンパクトに密封形成し、楽器用ケ−スの小形軽量化を図るとともに、板状のスペ−サを介して側壁と断熱板、底板および天井板と断熱板を強固かつ気密に接着し、楽器用ケ−スの周囲の断熱効果ないし防湿効果の向上と強度を強化する一方、ケ−ス本体と蓋体の接合部の密着性と強度を強化し、その気密性ないし防湿効果と強度を向上し、ケ−ス内の楽器を安全かつ確実に防護し、楽器の搬送時または保管時における音色の変化や音質の劣化、ワニスや塗料等の溶解による汚損等を確実に防止することができる。
【0070】
請求項2の発明は、前記ケ−ス本体と蓋体を布製の複数の蝶番で回動可能に連結したから、蓋体の円滑な開閉作動と開閉時における衝撃を緩和し、楽器に対する影響を軽減するとともに、金属製の蝶番に比べ安価に製作することができる。
請求項3の発明は、前記ケ−ス本体と蓋体の対応する側壁端部に、開蓋時におけるそれらの対向面に亘って布製の内側片を接着し、前記対向面を除く側壁端部周面に亘って布製の外側片を接着したから、蝶番の取り付け強度を強化して、その寿命を向上し、布製の具体的な蝶番を提供することができる。
【0071】
請求項4の発明は、前記ケ−ス本体と蓋体の直線状の接合部に配置した蝶番を、非直線状の接合部に配置した蝶番よりも長尺に形成したから、蓋体の円滑かつ安定した開閉作動を合理的に得られる効果がある。
請求項5の発明は、前記ケ−ス本体の側壁の内面に係合片を固定し、該係合片の上端部を前記側壁の接合側端面から突出し、該突出部を閉蓋時の蓋体の側壁の接合側端部の内面に係合可能に配置するとともに、前記係合片に対応するケ−ス本体の側壁の外面に把手を取り付けたから、把手を保持して楽器ケ−スを保持する際、把手を取り付けたケ−ス本体の側壁の上側変位ないし拡開動作を防止し、使用に伴うケ−スの変形を防止し、その寿命の向上を図ることができる。
【0072】
請求項6の発明は、前記ポケットの前後部を、前方に傾斜配置した傾斜板と仕切板とで区画し、前記傾斜板の上端部に蓋板の一側端部を上下に回動可能に連結するとともに、前記仕切板の一側面に二つの掛止片を離間して配置し、該離間部に前記蓋板の他側端部を係脱可能に装着したから、ポケット内の下部スペ−スを拡張し、折り畳み式演奏用足台等の長尺物の収納を実現するとともに、ポケットの開放を制約し、例えばケ−スの横転時における収納物の飛び出しを防止し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したギタ−ケ−スを示す斜視図である。
【図2】前記ギタ−ケ−スの開蓋状態を示す斜視図である。
【図3】図2のA−A線に沿う拡大断面図で、把手の取り付け状況を示している。
【図4】本発明を適用したギタ−ケ−スを示す斜視図で、化粧カバ−を取り付け前のケ−ス本体と蓋体との閉鎖状況を示している。
【図5】図4のB−B線に沿う拡大断面図である。
【図6】図4のC−C線に沿う拡大断面図である。
【図7】図4のD−D線に沿う拡大断面図である。
【図8】本発明を適用したギタ−ケ−スのケ−ス本体内に設けたポケットの構成を拡大して示す断面図で、ポケットの閉鎖状態を示している。
【図9】本発明を適用したギタ−ケ−スの要部の組み付け状況を分解して示す斜視図である。
【図10】本発明を適用したギタ−ケ−スのケ−ス本体と蓋体との蝶番による連結状況を示す平面図である。
【図11】図10のE−E線に沿う拡大断面図である。
【図12】図10のF−F線に沿う拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ケ−ス(ギタ−ケ−ス)
2 ケ−ス本体
3 蓋体
4,5 蝶番
6 楽器(ギタ−)
6a 楽器本体(響胴部)
6b ネック部
8,10 側壁
14 第1スライドファスナ−
15 第1スライドファスナ−
17 把手
18〜21 スペ−サ
22,23,27,29 断熱板
24,25,28,59 空気断熱部
26,58 スペ−サ
30 ポケット
37,38 掛止片
41 収納物
43 係合片
43 突出部
45,49 内側片
46,50 外側片
54〜56 ストッパ−
61,62 緩衝板
Claims (6)
- 楽器を収容可能な合成樹脂製のケ−ス本体と、該ケ−ス本体を開閉可能な合成樹脂製の蓋体とを回動可能に連結し、前記ケ−ス本体の側壁の下端部と、前記蓋体の側壁の上端部に板状のスペ−サを接着するとともに、前記ケ−ス本体と蓋体の外面に化粧カバ−を被覆し、かつ前記ケ−ス本体内のネック部に開閉可能なポケットを設けた楽器用ケ−スにおいて、前記ケ−ス本体と蓋体の各側壁の上下端部に、板状のスペ−サを全周に亘って接着し、前記スペ−サ上に前記化粧カバ−の内側に介在して、各側壁と略等幅の断熱板を前記側壁の全周に亘って接着し、前記側壁と各スペ−サ間と断熱板との間に空気断熱部を密封形成するとともに、前記ケ−ス本体の底板と蓋体の天井板の外面の各内側位置に板状の複数のスペ−サを離間して接着し、前記スペ−サ上に前記化粧カバ−の内側に介在して、前記底板または天井板と略同形の断熱板を接着し、前記底板または天井板と各スペ−サ間と断熱板との間に空気断熱部を密封形成する一方、前記側壁の接合部に配置した各スペ−サと断熱板とを互いに接合可能に配置したことを特徴とする楽器用ケ−ス。
- 前記ケ−ス本体と蓋体を布製の複数の蝶番で回動可能に連結した請求項1記載の楽器用ケ−ス。
- 前記ケ−ス本体と蓋体の対応する側壁端部に、開蓋時におけるそれらの対向面に亘って布製の内側片を接着し、前記対向面を除く側壁端部周面に亘って布製の外側片を接着した請求項2記載の楽器用ケ−ス。
- 前記ケ−ス本体と蓋体の直線状の接合部に配置した蝶番を、非直線状の接合部に配置した蝶番よりも長尺に形成した請求項2または3記載の楽器用ケ−ス。
- 前記ケ−ス本体の側壁の内面に係合片を固定し、該係合片の上端部を前記側壁の接合側端面から突出し、該突出部を閉蓋時の蓋体の側壁の接合側端部の内面に係合可能に配置するとともに、前記係合片に対応するケ−ス本体の側壁の外面に把手を取り付けた請求項1記載の楽器用ケ−ス。
- 前記ポケットの前後部を、前方に傾斜配置した傾斜板と仕切板とで区画し、前記傾斜板の上端部に蓋板の一側端部を上下に回動可能に連結するとともに、前記仕切板の一側面に二つの掛止片を離間して配置し、該離間部に前記蓋板の他側端部を係脱可能に装着した請求項1記載の楽器用ケ−ス。
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