JP3116074U - 通い箱等の柔軟性蓋装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生産ラインのライン際などの限られたスペースでもスムーズに開閉することができ、使用状態においては密閉性が高められ、また収納物品を損傷しない機能を有するとともに、保管時にスペースを節減でき、しかも軽量な、通い箱等の柔軟性蓋装置を提供する。
【解決手段】 部品、器具その他の物品を収納する箱本体11の上面の開口12を閉じるための柔軟性蓋装置10を提供する。箱本体11の開口12を覆える大きさ、形状を有する蓋本体16を、柔軟性と弾力性を備えたシート状素材によって形成し、箱本体11の相対する2辺部に、箱本体11の開口12の外側面に達する折り曲げ部21、22を設け、折り曲げ部21、22は、箱本体11の外側面に着脱可能な取り付け手段20を用いて固定可能にし、相対する2辺の折り曲げ部21、22のどちらかの取り付け手段20を外すことによって蓋本体16の開閉を行うものとする。
【選択図】 図1

Description

本考案は、部品、器具その他の物品を収納する箱本体の上面の開口を閉じるための柔軟性蓋装置に関するものである。
特に組み立てを行う製造工場などでは、部品、器具或いはその他の物品を、倉庫から現場へ運ぶために通い箱と称される箱を使用することが行われている。通い箱は、組み立てラインのライン際に配置されることがあり、そこには様々な機器や設備も集中しているためスペースの不足する場合が多く、通い箱にも場所を取らないことが求められる。狭いスペースの中で蓋をスムーズに開閉し、収納されている部品、器具或いはその他の物品を出し入れする必要があるものであるが、従来の通い箱に用いられている蓋は1枚板構造を持ち、その一辺をヒンジにより箱本体に取り付けたものが多い。
例えば、特開平10−119965号に開示されている蓋付き箱は、箱本体の上面に開閉自在な蓋部材をヒンジ部により取り付けた構成を有している。この蓋部材は、プラスチック段ボール製であると記載されているから、箱本体の上面と同大のものが片側のヒンジ部を中心に回転して開く構造であり、従って箱本体に取り付けたヒンジ部から蓋部材の開閉部までの長さよりも大きいスペースがなければ、蓋部材を開閉することができない。また、プラスチック段ボール製の部材は硬くはないが、相対的に軟質の部品等と接触すると傷付けるおそれもある。また、プラスチック段ボールは構造的に紙製の段ボールと同程度の厚さを持っており、保管のために重ねた場合、意外に場所を取るという問題がある。また、蓋部材を閉じたときにほぼ全周にわたって隙き間ができ、密閉性を期待することには無理がある。
特開平10−119965号 実用新案登録第3005620号
本考案は前記の点に着目してなされたもので、その課題はライン際などの限られたスペースでスムーズに開閉を行うことができ、密閉性が高められ、通い箱等に使用して収納物品を損傷しない柔軟性蓋装置を提供することである。また本考案の他の課題は、保管時にスペースを節減でき、しかも軽量な柔軟性蓋装置を提供することである。
前記の課題を解決するため本考案は、部品、器具その他の物品を収納する箱本体の上面の開口を閉じるために、箱本体の開口を覆える大きさ、形状を有する蓋本体を、柔軟性と弾力性を備えたシート状素材によって形成し、蓋本体の相対する2辺部に、箱本体の開口の外側面に達する折り曲げ部を設け、折り曲げ部は箱本体の外側面に着脱可能な取り付け手段を用いて固定可能にし、相対する2辺の折り曲げ部のどちらかの取り付け手段を外すことによって蓋本体の開閉を行うという手段を講じたものである。
本考案は通い箱等を対象とするものであり、通い箱等には、通い箱と呼ばれるそのもののほか、部品や器具その他、物品を収納しておくことができる箱をすべて含む。本考案の対象となる通い箱等の箱は、前述の文献にも記載のあったプラスチック製の箱や紙製の箱のほか、木製の箱、金属製の箱を含む。このような箱の内で、本考案の関係する箱は、上面が開口になっている箱本体を持つものである。
箱本体の開口を覆う蓋本体は、柔軟性と弾力性を備えたシート状素材から成る。柔軟性と弾力性を備えているため、収納物品に蓋本体が当たっても損傷させずに済む。このような目的、効果を満たす蓋本体は、柔軟性シートと弾力シートとを貼り合わせて一体化したシート状素材から成る複合構造を持っているものであることが望ましい。柔軟性シート
は、例えば柔軟なプラスチックフィルムやファイバーを編んだり織ったりして形成した編織シートを使用し、また弾力性シートには、例えば薄いスポンジ状構造を備えているシートを使用することができる。これら柔軟性シートと弾力性シートに接着剤を用いて、或いは用いることなく貼り合わせて一体化していることが望ましい。
蓋本体は柔軟性を有するので、狭いスペースの中でも蓋本体を曲げて開き或いは閉じることができるが、箱本体に蓋本体を取り付けておくために、蓋本体の相対する2辺部に折り曲げ部を設け、箱本体の外側面に、取り付け手段によって着脱可能に固定できるようになっている。折り曲げ部は、蓋本体の2辺部の全辺長に及ぶように設けることにより、開口を完全に覆い隠せるようになり、従って密閉性を高めることができる。取り付け手段は着脱可能であるから、相対する2辺の折り曲げ部のどちらか一方の取り付け手段を外すことで蓋本体を開閉できるようになる。
着脱可能な取り付け手段には、ホックやボタン、ファスナーなどを使用することが可能である。しかし、着脱の早さ、容易さ、の点から、ループと、ループに掛け外しされるフックとを有する2部材から成る面ファスナーを使用することが、最も適している。この面ファスナーにはいわゆるマジックテープ(クラレ社製の面ファスナーの商品名)として知られているものがある。取り付け手段は、2部材の内、蓋本体に設けられる方の部材を延長し、延長部分を着脱操作のための操作片とすることができる。前記の面ファスナーを取り付け手段に用いれば、面ファスナーの2部材のうちの1方の部材を長く形成するだけ
で、延長部分がそのまま操作片になる。なお、操作片は一部だけでなく、全部に設けても良い。
本考案は以上の如く構成されているので、組み立てラインのライン際のような限られたスペースでもスムーズに蓋の開閉を行うことができ、かつ折り曲げ部により隙間を閉じて密閉性を高めることができ、さらに柔軟性と弾力性を備えたシート状素材から成るので、収納物品を損傷するおそれが少ないという効果を奏する。またシート状素材から成る蓋であるので薄く、保管時のスペースを節減でき、しかもプラスチック段ボール製と比較して軽量な柔軟性蓋装置を提供することができる。
以下図示の実施形態を参照して本考案をより詳細に説明する。図1は本考案に係る通い箱等の柔軟性蓋装置10の1例を示すもので、部品、器具その他の物品を収納する箱本体11と、その上面に設けられている開口12を閉じるための蓋装置10を図示しており、箱本体11は複数個を段積みすることができる構造を有している。
箱本体11は、プラスチック段ボール製のもので、所要の形状に打ち抜かれたブランクを折り曲げ、要所をステープル止めするか或いは接着するなどの手段、方法によって箱型に組み立てられている。また開口12の縁はプラスチック製の縁枠13を取り付けて補強してあり、さらに4つの角に、内側に段を有するコーナー部材14を取り付けて、前記の段積みを確実なものにしている。しかし、このコーナー部材14のない箱本体10にも本考案を適用することができる。箱本体11の内部には、仕切り枠15を配置することができる。
本考案の蓋装置10は、箱本体11の開口12を覆える大きさと形状を有する蓋本体16を有しており、この蓋本体16は、柔軟性と弾力性を備えたシート状素材によって形成されている。例示した蓋本体16は柔軟性シート17と、弾力性シート18とを接着により一体化した構造のもので、柔軟性シート17は、プラスチックフィルムを裁断した素材を平織りした編織シート構造を有しており、引っ張り強度や引き裂き強度の強い強靭な性状を発揮し、また弾力性シート18はプラスチック製のスポンジ状構造を有しており、弾力性を発揮する。柔軟性シート17は0.5〜1mm程度の厚さであり、弾力性シート18は1〜2mm内外の厚さであるので、合計しても1.5〜3mmの範囲の厚さに収ま
り、従来のプラスチック成形製品より成る蓋の厚さが4〜6mmであるのと比較すると、ほぼ2分の1ほどの厚さに収まり保管時のスペース節減に寄与する。
蓋本体16の相対する2辺部には、箱本体11の開口12の外側面19に達する折り曲げ部21、22を設ける。この折り曲げ部21、22は、箱本体11の開口12を覆える大きさ、形状を有する蓋本体11の長辺の2辺部に設けられているので、開口12との間に隙き間はなくなり、短辺の2辺部では折り曲げてはいないけれども開口12が覆われているので箱内部に対する密閉性は著しく向上する。
蓋本体16の折り曲げ部21、22を取り付け手段20を用いて箱本体11に固定可能とするために、本考案では、ループを有する一方の部材23と、ループに掛け外し可能なフックを有する他方の部材24の2部材から成る面ファスナーを適用する。この面ファスナーは、一方の部材23を例えば箱本体11の外側面にリベット止め等の取り付け手段によって固着し、他方の部材24を例えば蓋本体16の折り曲げ部21、22に縫製によって固着するなどして、絶対に剥がれないようにする。図1及び図2に示す蓋本体16で
は、蓋本体側に設けた他方の部材24の一部を延長し、延長部分を着脱操作のための操作片25としている。
図3は、図1、図2と同じ構成及び構造を有するが、より横長大型の蓋装置10を示す平面図である。従って蓋面には弾力性シート18が表れている。同じ構成については符号を援用し、詳細な説明は繰り返さない。図4は、図1の蓋装置10の変形例である。図4Aのものは短辺部にも折り曲げ部26、27を設けるとともに、取り付け手段(他方の部材24の符号を用いて示す。)を縫製により固着した変形例1を示す。図4Bのものは、短辺部に折り曲げ部21、22、26、27のみ設けて取り付け手段を設けない変形例2を示す。また図4Cのものは、全4辺に折り曲げ部21、22、26、27を設けるとともに、取り付け手段の全部に延長片25を設けた変形例3を示す。
このように、本考案の蓋装置10は、柔軟で弾力性があり、しかも、折り曲げ部21、22、26、27にて箱本体11との隙き間が閉じられ、取り付け手段により密閉性を維持することができるので、開口上にスペースがなくても開閉可能であり、しかも閉じたときには有効な密閉性が得られる。用途は広汎であるが、特に生産現場などにおける通い箱として有効である。
本考案に係る通い箱等の柔軟性蓋装置の1例を示す斜視図。 図1の蓋装置の平面図。 図1の変形例を示す平面図。 本考案の他の例を示すもので、A、B及びCは変形例1、2及び3を示す斜視図。
符号の説明
10 本考案の蓋装置
11 箱本体
12 開口
13 縁枠
14 コーナー部材
15 仕切り枠
16 蓋本体
17 柔軟性シート
18 弾力性シート
19 外側面
20 取り付け手段
21、22、26、27 折り曲げ部
23 一方の部材
24 他方の部材
25 操作片





Claims (4)

  1. 部品、器具その他の物品を収納する箱本体の上面の開口を閉じるためのものであって、箱本体の開口を覆える大きさ、形状を有する蓋本体を、柔軟性と弾力性を備えたシート状素材によって形成し、蓋本体の相対する2辺部に、箱本体の開口の外側面に達する折り曲げ部を設け、折り曲げ部は箱本体の外側面に着脱可能な取り付け手段を用いて固定可能に
    し、相対する2辺の折り曲げ部のどちらかの取り付け手段を外すことによって蓋本体の開閉を行うことを特徴とする通い箱等の柔軟性蓋装置。
  2. 蓋本体は、柔軟性シートと弾力性シートとを貼り合わせて一体化したシート状素材から成る請求項1記載の通い箱等の柔軟性蓋装置。
  3. 取り付け手段は、ループと、ループに掛け外し可能なフックとを有する2部材から成る面ファスナーである請求項1記載の通い箱等の柔軟性蓋装置。
  4. 取り付け手段は、2部材の内、蓋本体に設けられる方の部材を延長し、延長部分を着脱操作のための操作片とした請求項3記載の通い箱等の柔軟性蓋装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5221807B1 (ja) * 2012-10-18 2013-06-26 サンケイ物産株式会社 トレイ開口用の被覆クロス

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