JP3939571B2 - 光通信用液晶スイッチと光変調素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光の散乱のないことが求められる通信用の液晶素子に関し、特にレーザビームを用いる通信用液晶スイッチ及び光変調素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の通信用液晶スイッチとしては、通常のTN型液晶ディスプレイとして2枚のガラス基板間に液晶を配置した素子を用いることがあった。
【0003】
通信用液晶スイッチは、2枚の透明基板の間に液晶を配置して、入射するレーザ光の直線偏光の度合いを変えることができる。
【0004】
また、通信用液晶光変調素子は、2枚の前記液晶スイッチを重ねて一組として用いて、該スイッチの第1の液晶スイッチに入射するレーザ光の円偏光を直線偏光に変え、あるいはレーザ光の波長を変調して第2の液晶スイッチを電圧印加しておくことで、第2の液晶スイッチから出射するレーザ光の出射方向を変えることができる。
【0005】
上記の光変調素子に入射させるレーザビームは直径1mm以下であることから、レーザを入射させる面積は小さくて良いので、光変調デバイスとして小型化を一層図る上で、液晶スイッチ自体のサイズは小さいものが望まれている。
【0006】
ところで、例えば縦10mm横30mm程度の大きさの文字表示用に用いられる従来技術の液晶を封入した液晶素子では、表示領域となる液晶封入面積が比較的大きく、その場合、透明基板間に設けた液晶のシール部で囲まれた空間に液晶を封入することはそれほど困難でなかった。また液晶を封入した後の密封空間を形成する2枚のガラス板などの透明基板の距離(ギャップ)は、その中にガラス製あるいは樹脂製の球体(スぺーサー)を介在させることにより保っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように従来の液晶スイッチは透明基板間に液晶を封止して作製されるが、液晶層の厚さを一定に保つための前記表示用素子に用いられているスペーサーを用いると入射したレーザーがスペーサーにより散乱されてしまい、厳密な光の変調制御または偏向制御ができないことが問題点としてあった。
【0008】
また、液晶素子の前記密封空間が、例えば1cm平方程度以下と小さくなると、密封区間に液晶を注入封止するに際して液晶注入口に設ける封止剤は液晶と混入したり、またギャップを密封空間の各部で一定に保つことが困難であるという問題があった。とりわけ、密封空間での場所による不揃いのないスペーサを用いないで液晶表示を製造することは困難であった。
【0009】
本発明の課題は、レーザ光により乱反射が生じないで、厳密な光の変調制御または偏向制御が可能な液晶スイッチ、とりわけサイズが小さい液晶スイッチとその製造方法及び該液晶スイッチを用いた光変調素子を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は次の構成(1)(2)(3)により解決される。
(1)表面に透明導電膜を形成し、前記透明導電膜に液晶配向膜をそれぞれ形成した2枚の透明基板を、前記液晶配向膜が互いに対向するように配置し、それら基板間に正の誘電異方性を有する液晶を封入し、前記透明導電膜間に電圧を印加することにより入力光を変調制御する液晶スイッチにおいて、前記2枚の透明基板間の距離を、前記基板間に液晶を密封するための基板間の周辺部に設けられた樹脂製の液晶注入用開口を有するシール部で確保し、前記シール部には、前記開口の近傍に開口幅が外方向に向かって狭くなる形状を有する張り出し部を設け、更に張り出し部の幅方向ほぼ中央にストッパを設け、更に前記シール部の辺に、該辺より外側に向かう一以上の突起部を形成した液晶スイッチ。
【0011】
このように、2枚の透明基板間の距離d(ギャップ)を、前記基板間に液晶を密封するための基板間の周辺部に設けられた樹脂製の液晶注入用開口を有するシール部で確保し、前記シール部には、前記開口の近傍に外側に向かう張り出し部を設けることが望ましい。
【0012】
液晶注入用開口を樹脂封止した時に生ずる樹脂の収縮により、注入口近傍ではギャップが変動する。この反りは液晶封入空間(液晶スイッチ動作部)の基板間の距離(ギャップ)を局部的に小さくする。このギャップの変動が生じると、場所により波長変調あるいは偏向の大きさにバラツキを生じさせる。前記開口の近傍に設けられた外側に向かう張り出し部の存在で樹脂封止剤が内部に入るという不具合や、樹脂封止剤のUV硬化前に、UV照射時に受ける熱により液晶が膨張して樹脂封止剤の戻り現象(封止剤がシール部外へ出ていく)を起こすという不具合を防止する。
【0013】
また、前記液晶注入用開口の外側に向かう張り出し部は、開口幅が外方向に向かって狭くなる形状を有し、その幅方向ほぼ中央にストッパが設けられることが望ましい。
【0014】
前記液晶注入用開口の外側に向かう張り出し部の開口幅が外方向に向かって狭くなる形状であることと、その幅方向ほぼ中央にストッパが設けられることで、樹脂封入剤が内部に侵入して液晶と混ざることが無くなる。
【0015】
また、シール部の辺に、該シール部の辺より外側に向かう突起部を一以上形成することが望ましい。とりわけ、液晶注入用開口がある部位の反対側(外部接続用ピンの端子取り付け側)に設けるのがより好ましい。前記突起部によりUV硬化樹脂の硬化収縮により前記開口がある部位の反対側のシール部のセルの中央部が窪むことがなくなり、透明基板間のギャップの変動防止効果がある。このように基板間距離をスペーサを入れなくても全体にわたって透明基板間のギャップを均一に保つことができるため、入射したレーザ光の散乱ロスを小さくすることができる。
【0016】
また、2枚の透明基板に形成した液晶配向膜を互いに逆向きに水平配向させると、液晶層の厚み方向(基板間方向)に存在する全ての液晶を確実に一定方向に配向することができるという作用効果が得られる。水平配向の角度のずれθは、±2度以下とするのが好ましい。これを超えると電圧印加時の光透過率が低下するという不具合を生じ、また配列に不連続部分が生じるので好ましくない。θは、±0.5度以下とするのが更に好ましい。一方、水平配向で正方向の配向とするのは、液晶層内で不連続配列が生じるという不都合が生じる。
【0017】
また、2枚の透明基板間の距離をd(μm)としたとき、△n・dの値を1.5≦△n・d≦4とすることが必要である。△n・dの値が1.5未満であると光波長変調の制御範囲が狭くなるので好ましくない。また△n・dの値が4を超えると、液晶を垂直配向させる応答スピード、また液晶のスイッチングスピードが低下するので好ましくない。本発明をレーザー光を用いるスイッチ光通信用のデバイスとして用いるのに好ましいスイッチングスピードは1msec程度である。
【0018】
また、前記液晶は、ネマチック液晶またはコレステリック液晶からなり、その正常光と異常光の屈折率差△nを0.2以上とすることが望ましい。液晶の正常光と異常光の屈折率差△nを0.2以上とすることにより、ギャップを大きくすることなく、△n・dを大きくできるという効果が得られる。好ましくは0.25以上である。
【0019】
液晶注入用開口の幅方向の長さをw(mm)とし、シール部の液晶注入用開口が設けられている辺の長さをW(mm)とすると、0.5≦w≦2.0w/W≦0.15≦W≦10なる関係があることが望ましい。
【0020】
液晶注入用開口の幅方向の寸法wと液晶封入空間の液晶注入用開口が設けられているシール部の辺の長さWが上記関係にあるとサイズが小さい液晶密封空間内に気泡を生じることなく更に確実迅速に液晶を充填注入できる。また、液晶注入用開口の封入用の樹脂が封止時に内部へ侵入するのを防止することができる。
【0021】
液晶注入用開口の幅wが0.5mm未満であると液晶の注入に時間がかかりすぎる。また液晶注入用開口の幅wが2mmを超えると封止剤が液晶注入用開口から入りすぎ、液晶にレーザーを当てたとき光変調のむらができる。
【0022】
前記w/Wが0.1を超えると封止剤の開口部での引き込みを行いにくくなり、封止部が薄いと液晶漏れが生じるという不具合がある。
【0023】
また液晶注入用開口が設けられているシール部の辺の長さWが、5mm未満であると光照射して光変調する有効面積が小さくなり、前記Wが10を超えるとスペーサーを用いないで光の散乱を抑えながらギャップを維持するのが困難になる。
【0026】
(2)前記液晶スイッチを2個一組で平行に重ねるように配置し、電圧無印加時における第1の液晶スイッチの液晶の水平配向方向と第2の液晶スイッチの液晶の水平配向方向のなす角度が大略45度とした光変調素子。
【0027】
第1の液晶スイッチで入射光を円偏光を直線偏光とするとともに、その波長と印加電圧に応じた波長を調整し、第2の液晶スイッチで出力光の出射方向を変化させることができる。
【0028】
こうして本発明の光変調素子は、レーザ光の波長の波長変調と偏向を行うことができ、通信のバリエーションを多くすることができる。
【0029】
第1の液晶スイッチの液晶の水平配向方向と第2の液晶スイッチの液晶の水平配向方向のなす角度が大略45度とすることで、光変調を効果的に行うことができる。
【0030】
(3)2枚の透明基板の表面に透明導電膜を形成した後、前記透明導電膜上に液晶配向膜を形成し、電圧無印加時に一方の透明基板の液晶配向膜を一方向に水平配向させ、他方の透明基板の液晶配向膜を前記一方の透明基板の液晶配向膜の配向方向とは逆方向に水平配向させ、次いで、2枚の透明基板の少なくとも一方の透明基板に液晶注入用開口を有するシール部を形成し、前記2枚の透明基板を貼り合わせて前記シール部により液晶密封空間を区画し、その後、前記液晶注入用開口から透明基板間に正の誘電異方性を有する液晶を密封する液晶スイッチの製造方法において、前記シール部の液晶注入用開口の断面積が液晶密封空間内部方向に行くに従い大きくなるように形成するとともに、液晶注入用開口の幅方向略中央でシール部の内側線より外側で、かつ外側線より内側にストッパを形成し、更に前記シール部の辺に、該辺より外側に向かう一以上の突起部を形成する液晶スイッチの製造方法
【0031】
前述のように2枚の透明基板に形成した液晶配向膜を互いに逆向きに水平配向させたので、液晶層の厚み方向(基板間方向)に存在する全ての液晶を確実に一定方向に配向することができるという効果が得られる。水平配向の角度のずれθは、±2度以下とするのが好ましい。ずれθがこれを超えると電圧印加時の光透過率が低下するという不具合を生じ、また、配列に不連続部分が生じるので好ましくない。ずれθは、±0.5度以下とするのが更に好ましい。
水平配向で正方向の配向とするのは、液晶層内で不連続配列が生じるという不都合が生じるからである。
【0032】
また、2枚の透明基板の配向膜を互いに逆向きに行う水平配向処理は、ラビング処理により行い、そのラビング方向を逆向きに回転する布を押し当てて行うことが望ましい。数ある配向処理方法の中で円筒状の回転体にラシャ布を巻き付けて回転体を回転させながらこするラビング処理法を採用することで、確実にかつ略均一にポリイミドなどの配向膜に方向溝をつけることができるという利点がある。
【0033】
さらに、前記シール部の液晶注入用開口の断面積が液晶密封空間内部方向に行くに従い大きくなるように形成することで、透明基板に反りが発生することを防止できる。
【0034】
また、前記シール部の形成と同時に液晶注入用開口の幅方向略中央でシール部の内側線より外側で、かつ外側線より内側にストッパを形成することでシール部内に注入した液晶がシール部の外方に漏れ出るおそれがなくなる。
【0035】
また、前記液晶の密封を、透明基板を加圧して途明基板間の距離を減ずる工程、液晶注入用開口に液晶封止樹脂を前記加圧下で塗布する工程、透明基板への加圧を減ずる工程、液晶封止樹脂を硬化する工程の各工程を順次経由することにより、サイズが小さい液晶密封空間に気泡を生じることなく、かつ確実に充填注入できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0037】
まず、液晶スイッチの作製方法について図2と共に説明する。
工程1. 透明導電膜付きガラス板の準備:
700Ω/平方のITO透明導電膜を被覆した0.7mm厚のガラス板(コーニング社製7059ガラス)を準備した。
【0038】
工程2. ITO電極のパターニング:
ITO透明導電膜を、所定形状に塩酸を主成分とするエッチング水溶液を用いるフォトリソグラフ法により電極形成して透明基板とした。
【0039】
工程3. 液晶配向膜の形成:
ITO電極形成した面にポリイミド前駆体溶液を塗布して、約250℃に30分加熱してポリイミド重合体膜とした。液晶配向膜は、このポリイミド膜の表面に黒色ラシャ布を巻いた回転体を回転、移動させながら押し当ててポリイミド膜表面に一定方向に溝を形成する方法を採用した。
アンカリング(液晶に対する配向膜の規制力)が強い配向処理(表1に「強」で表示)は回転体の回転速度を1700rpm、10mm/秒で1スキャンで行い、アンカリングの弱い例(表1に「弱」で表示)として、430rpm、30秒、1スキャンで行った。配向膜を形成したガラス基板を2枚一組で四種類の液晶用に作製した。液晶A〜Dはいずれもネマティック液晶であって、表1に示す△nとなるように試作したものを用いた。
【0040】
工程4. シール部の形成:
一方のガラス基板にエポキシ樹脂(三井東圧化学(株)製商品名:ストラクトボンドXN−21S)を所定形状にスクリーン印刷法により印刷した。スクリーン印刷により、図1の平面図に示すように、一方のガラス基板1に液晶を密封区画するための液晶注入用の開口と外方に向けて狭くなる張り出し部2aを有するシール部2とストッパ3を同時に印刷した。
液晶注入用開口の幅方向の寸法wは1.25mmとし、液晶封入空間の液晶注入用開口が設けられているシール部の辺の長さをWを10mmシールの幅w1を1.0mmとしたので、サイズが小さい液晶密封空間内に気泡を生じることなく更に確実迅速に充填注入できる。
さらに、液晶注入用開口のあるシール部2の辺とは反対側の長辺に一対の突起部2bを設けている。
こうして、外方に向けて狭くなる前記張り出し部2aと一対の前記突起部2bにより、シール部2の反りが無くなり、基板間にスペーサを設けなくても基板間のギャップの均一性が保持できる。
【0041】
工程5. 貼り合わせ:
2枚のガラス基板をシール部2を介して貼り合わせ、150℃、90分のシール部材の加熱硬化により、液晶密封区画を有する液晶セルとした。液晶セルの基板間距離は、11.5μmとした。
【0042】
工程6. 液晶の注入:本工程6.の液晶の注入と次工程7.の液晶の封止は図5に示す加圧と減圧状態で行う。まず、液晶セル内に、減圧可能な容器内で液晶皿内に充填した液晶を液晶セル内に公知の方法により吸い上げて注入した。用いた液晶は表の通りの屈折率△nが0.20〜0.25の前記A〜Dの4種でネマチック液晶である。
【0043】
工程7. 液晶の封止:
液晶セルを減圧可能な容器から取り出し、一方の基板から外圧を加えて基板間距離を減じ、その状態でUV硬化樹脂ケミテック社(株)製商品名:ケミシール5X009を封止剤として液晶注入用の開口に塗布した。外圧力の一部を解除した状態で前記樹脂を紫外線により重縮合硬化させた。その後、外力を完全に取り除いた。
【0044】
工程8. 外部入力金属ピンの取り付け:図3(a)のシール部2のある平面を含めた液晶スイッチの平面図、図3(a)のA−A線矢視図である図3(b)の液晶スイッチの側断面図に示すように2枚の透明電極間に外部から電圧を印加するための一対の金属ピン9、10を紫外線硬化型樹脂を用いてガラス板に接着により取り付けて、液晶スイッチ部の外形寸法が10mm×7.5mm×1.4mmの液晶スイッチを作製した。一方の金属ピン9は基板4の配線電極5を介してスイッチ電極16に接続し、他方の金属ピン10は、透明基板4上の配線電極6から導電ペースト7を介して基板1の図示しない配線電極からスイッチ電極に接続する。また、この液晶スイッチの電極形成部は、6mm×2.0mmであった。得られた液晶物性値を表1に示す。また当該液晶A〜Eを用いて得られた液晶スイッチセルのガラス板間のギャップdと△n・dの値を表2に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003939571
【表2】
Figure 0003939571
【0046】
実施例1
表1に示す液晶Aを用いて、上記の工程1〜8により、液晶スイッチを作製した。この液晶スイッチは、全体にわたってガラス基板間距離11.5μmの均一な値を有し、△n・dの値は表2に示すように2.31であった。このように本発明のシール部2には、液晶注入用開口の近傍に外側に向かう張り出し部2aと(突起部2b)を設け、シール部2の形状により、ギャップ不均一に起因するナトリウムランプ光照射時の光干渉縞がセル表面で認められることがなく、基板間距離が均一になった。直径60μm、波長1.55nmの出力0.5Wのレーザーを入射させて、直線偏光の度合いを入射光の位置を変えて測定したところ光波長の変調特性が得られた。
【0047】
実施例2
表1に示す液晶Bを用いて、上記の工程1〜8により、液晶スイッチを作製した。この液晶スイッチは、全体にわたって基板間距離11.5μmの均一な値を有し、△n・dは表2に示すように2.79であった。直径60μm、波長1.55nmの出力0.5Wのレーザーを入射させて、直線偏光の度合いを入射光の位置を変えて測定したところ実施例1とほぼ同じ光波長の変調特性が得られた。
【0048】
実施例3
表1に示す液晶Cを用いて、上記の工程1〜8により、液晶スイッチを作製した。この液晶スイッチは、全体にわたって基板間距離11.5μmの均一な値を有し、△n・dは表2に示すように2.86であった。直径60μm、波長1.55nmの出力0.5Wのレーザーを入射させて、直線偏光の度合いを入射光の位置を変えて測定したところ実施例1とほぼ同じ光波長の変調特性が得られた。
【0049】
実施例4
表1に示す液晶Dを用いて、上記の工程1〜8により、液晶スイッチを作製した。この液晶スイッチは、全体にわたって基板間距離11.5μmの均一な値を有し、△n・dは表2に示すように2.92であった。直径60μm、波長1.55nmの出力0.5Wのレーザーを入射させて、直線偏光の度合いを入射光の位置を変えて測定したところ実施例1とほぼ同じ光波長の変調特性が得られた。
【0050】
実施例5 実施例1で作製した2個の液晶スイッチを1組とする光変調素子を作製した。この光変調素子は、図4に示すように、第1の液晶スイッチ13と第2の液晶スイッチ14を、それぞれの電圧無印加時の液晶の水平配向方向がほぼ45度となるような位置関係になるように貼り合わせることにより作製した。この光変調素子に、直径60μm、波長1.55nmの出力0.5Wのレーザーを第1の液晶スイッチ14側から入射させ、第2の液晶スイッチから出射するレーザ光の波長および出射方向を調べた。第1の液晶スイッチ14の印加電圧を変えることにより円偏光を直線偏光にするとともに、その波長又は位相を変えることができることが確認された。また、第2の液晶スイッチ14に印加する電圧を変えることにより光の出射方向を変化させることを確認した。
【0051】
実施例6 表1に示す、専ら画像表示用に用いられる液晶E(△n=0.139、旭電化工業(株)製商品名:ADK−9051C)を用いたことと、基板間距離を7μmとしたことを除いて、実施例1と同じようにして上記の工程1〜8により、液晶スイッチを作製した。この液晶スイッチは、液晶スイッチの大きさが小さいにもかかわらず全体にわって基板間距離7μmの均一な値を有していた。すなわち、ナトリウムランプ光でガラス表面を照射したところ、ギャップ不均一に起因する光干渉縞がセル表面で観察されることがなかった。
【0052】
比較例1 液晶を密封区画するシールとして、突起部2bがないシール部2を形成したこと以外は、実施例1と同じようにして、上記の工程1〜8により液晶スイッチを作製した。この液晶スイッチはガラス表面にナトリウムランプ光を照射すると、干渉縞が視認されギャップが不均一であった(凹んでいた)。この液晶スイッチに、直径60μm、波長1.55nmの出力0.5Wのレーザーを入射させて、直線偏光の度合いを入射光の位置を変えて測定したところ、入射位置により光変調の特性がばらついていることが判明した。これは突起部2bがないシール部2であるために基板間距離が全体に均一にならなかったためと考えられる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、レーザ光により乱反射が生じないで、厳密な光の波長変調制御または偏向制御が可能な液晶スイッチ及び該液晶スイッチを用いた光変調素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶スイッチ作製工程での透明基板上に設けられるシール部の平面図である。
【図2】 本発明の液晶スイッチ作製プログラムである。
【図3】 本発明の液晶スイッチのシール部を含む面の平面図(図3(a))と図3(a)のA−A線断面視図(図3(b))。
【図4】 本発明の光変調素子の構造図である。
【図5】 本発明の液晶スイッチのシール部への液晶封圧力制御の様子を示す図である。
【図6】 本発明の液晶のラビング方向を示す図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 シール部
2a 張り出し部 2b 突起部
3 ストッパ 4 透明基板
5、6 配線電極 7 ペースト
9、10 金属ピン 13、14 液晶
15 ビームスプリッター 16 スイッチ電極

Claims (7)

  1. 表面に透明導電膜を形成し、前記透明導電膜に液晶配向膜をそれぞれ形成した2枚の透明基板を、前記液晶配向膜が互いに対向するように配置し、それら基板間に正の誘電異方性を有する液晶を封入し、前記透明導電膜間に電圧を印加することにより入力光を変調制御する液晶スイッチにおいて、
    前記2枚の透明基板間の距離を、前記基板間に液晶を密封するための基板間の周辺部に設けられた樹脂製の液晶注入用開口を有するシール部で確保し、前記シール部には、前記開口の近傍に開口幅が外方向に向かって狭くなる形状を有する張り出し部を設け、更に張り出し部の幅方向ほぼ中央にストッパを設け、更に前記シール部の辺に、該辺より外側に向かう一以上の突起部を形成したことを特徴とする液晶スイッチ。
  2. 前記液晶として、その正常光と異常光の屈折率差を△nとし、透明基板間の距離をd(μm)としたとき、△n・dの値が1.5≦△n・d≦4であり、電圧無印加時に、一方の透明基板に形成した液晶配向膜を一方向に水平配向し、他方の透明基板に形成した液晶配向膜を前記一方の透明基板の液晶配向膜の配向方向とは逆方向に水平配向させたことを特徴とする請求項1記載の液晶スイッチ。
  3. 前記液晶は、ネマチック液晶またはコレステリック液晶からなることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶スイッチ。
  4. 液晶注入用開口の幅方向の長さをw(mm)とし、シール部の液晶注入用開口が設けられている辺の長さをW(mm)としたときに、0.5≦w≦2.0w/W≦0.15≦W≦10なる関係があることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液晶スイッチ。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の液晶スイッチを2個一組で平行に重ねるように配置し、電圧無印加時における第1の液晶スイッチの液晶の水平配向方向と第2の液晶スイッチの液晶の水平配向方向のなす角度を大略45度としたことを特徴とする光変調素子。
  6. 2枚の透明基板の表面に透明導電膜を形成した後、前記透明導電膜上に液晶配向膜を形成し、電圧無印加時に一方の透明基板の液晶配向膜を一方向に水平配向させ、他方の透明基板の液晶配向膜を前記一方の透明基板の液晶配向膜の配向方向とは逆方向に水平配向させ、次いで、2枚の透明基板の少なくとも一方の透明基板に液晶注入用開口を有するシール部を形成し、前記2枚の透明基板を貼り合わせて前記シール部により液晶密封空間を区画し、その後、前記液晶注入用開口から透明基板間に正の誘電異方性を有する液晶を密封する液晶スイッチの製造方法において、
    前記シール部の液晶注入用開口の断面積が液晶密封空間内部方向に行くに従い大きくなるように形成するとともに、液晶注入用開口の幅方向略中央でシール部の内側線より外側で、かつ外側線より内側にストッパを形成し、更に前記シール部の辺に、該辺より外側に向かう一以上の突起部を形成することを特徴とする液晶スイッチの製造方法。
  7. 前記液晶の密封を、1)透明基板を加圧して途明基板間の距離を減ずる工程、2)液晶注入用開口に液晶封止樹脂を前記加圧下で塗布する工程、3)透明基板への加圧を減ずる工程、4)液晶封止樹脂を硬化する工程、の各工程を順次経由することを特徴とする請求項記載の液晶スイッチの製造方法。
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